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JP2016180851A - 撮像レンズおよび撮像装置 - Google Patents

撮像レンズおよび撮像装置 Download PDF

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JP2016180851A JP2015060676A JP2015060676A JP2016180851A JP 2016180851 A JP2016180851 A JP 2016180851A JP 2015060676 A JP2015060676 A JP 2015060676A JP 2015060676 A JP2015060676 A JP 2015060676A JP 2016180851 A JP2016180851 A JP 2016180851A
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Abstract

【課題】フォーカス群の大径化を抑えながら、広角で、F値が小さく、レンズ系を大型化させることなく至近距離物体に合焦でき、良好な性能を保持可能な撮像レンズ、およびこの撮像レンズを備えた撮像装置を提供する。
【解決手段】撮像レンズは、最も物体側から順に、正の第1レンズ群G1、正の第2レンズ群G2、第3レンズ群G3を連続して有する。第1レンズ群G1は固定された状態で、第2レンズ群Gと第3レンズ群G3とが光軸方向の相互間隔を変化させて移動することによって無限遠物体から至近距離物体への合焦が行われる。第1レンズ群G1は、最も物体側から順に、負の第1レンズL11、負の第2レンズL12を連続して有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、撮像レンズおよび撮像装置に関し、特に、デジタルカメラ、ビデオカメラ等に好適な撮像レンズ、およびこのような撮像レンズを備えた撮像装置に関するものである。
従来、デジタルカメラ等の撮像装置に用いられる撮像レンズとして、2つ以上のレンズ群を互いに異なる軌跡で移動させることによって合焦を行うフローティングフォーカスタイプのレンズ系が提案されている。例えば、下記特許文献1、2には、最も物体側に合焦の際に固定されている第1レンズ群を配置し、この第1レンズ群より像側の2つのレンズ群を合焦の際に移動するフォーカス群とし、合焦の際にこれら2つのレンズ群の間隔が変化するよう移動させる光学系が記載されている。
特開2000−147373号公報 特開2009−20341号公報
上記分野の撮像装置には、コンパクトな構成を有し、広角で、F値が小さいことが求められている。また、近年では、より近接した撮影が可能なことも求められている。広角でF値の小さい撮像レンズは、レンズ系全長を変えずにより近接した距離の物体に合焦しようとすると収差が発生しやすい。収差を抑えながら合焦するためにはフローティングフォーカスタイプのレンズ系は有利である。
しかしながら、上記特許文献1、2に記載のフローティングフォーカスタイプの光学系では第1レンズ群は負の屈折力を持つレンズ群であり、この第1レンズ群の後続に位置するフォーカス群が大径であるため、鏡胴も大径になりやすい。また、大径のフォーカス群は重量が重くなるため、駆動系への負荷が大きくなりフォーカス速度を高速にすることが困難になるという不具合もある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、フォーカス群の大径化を抑えながら、広角で、F値が小さく、レンズ系を大型化させることなく至近距離物体に合焦でき、良好な性能を保持可能な撮像レンズ、およびこの撮像レンズを備えた撮像装置を提供することにある。
本発明の撮像レンズは、最も物体側から順に、正の屈折力を持つ第1レンズ群と、正の屈折力を持つ第2レンズ群と、第3レンズ群とを連続して有し、第1レンズ群は固定された状態で、第2レンズ群と第3レンズ群とが光軸方向の相互間隔を変化させて移動することによって無限遠物体から至近距離物体への合焦が行われ、第1レンズ群が、最も物体側から順に、負の屈折力を持つ第1レンズと、負の屈折力を持つ第2レンズとを連続して有することを特徴とする。
本発明の撮像レンズにおいては、下記条件式(1)を満足することが好ましく、下記条件式(1−1)を満足することがより好ましく、下記条件式(1−2)を満足することがさらにより好ましい。
−1.5<f1ab/f1<−0.1 (1)
−1.0<f1ab/f1<−0.2 (1−1)
−0.7<f1ab/f1<−0.3 (1−2)
ただし、
f1ab:第1レンズと第2レンズの合成焦点距離
f1:第1レンズ群の焦点距離
第3レンズ群が1枚の単レンズのみから実質的に構成されることが好ましい。なお、「単レンズ」とは、接合されていない1枚のレンズからなるものを意味する。
本発明の撮像レンズは、下記条件式(2)を満足することが好ましく、下記条件式(2−1)を満足することがより好ましい。
0.1<f2/|f3|<0.7 (2)
0.1<f2/|f3|<0.5 (2−1)
ただし、
f2:第2レンズ群の焦点距離
f3:第3レンズ群の焦点距離
第2レンズ群は最も物体側に正レンズを有することが好ましい。第2レンズ群が最も物体側に正レンズを有する場合、下記条件式(3)を満足することが好ましく、下記条件式(3−1)を満足することがより好ましい。
0.3<f2/f2a<2 (3)
0.6<f2/f2a<1.7 (3−1)
ただし、
f2:第2レンズ群の焦点距離
f2a:第2レンズ群の最も物体側の正レンズの焦点距離
第2レンズ群が最も物体側に正レンズを有する場合、第2レンズ群は、第2レンズ群の最も物体側の正レンズの像側の面から第2レンズ群の最も像側の面までの間に絞りを有することが好ましい。さらにその場合、第2レンズ群が絞りより像側に有するレンズは、物体側から順に、負レンズ、正レンズ、負レンズ、正レンズの4枚のみとなるように構成してもよい。
第1レンズ群は2枚の正レンズを有することが好ましい。また、第1レンズ群は、第2レンズの像側に第2レンズに連続して負の屈折力を持つ第3レンズを有することが好ましい。
本発明の撮像レンズは、第1レンズ群と、第2レンズ群と、第3レンズ群とから実質的に構成されていてもよい。あるいは、本発明の撮像レンズは、第1レンズ群と、第2レンズ群と、第3レンズ群と、第3レンズ群の像側に配置され合焦の際に固定されている第4レンズ群とから実質的に構成されていてもよい。
本発明の撮像装置は、本発明の撮像レンズを備えたものである。
なお、上記の「〜から実質的に構成され」の「実質的に」は、挙げた構成要素以外に、実質的にパワーを有さないレンズ、絞りやカバーガラスやフィルタ等のレンズ以外の光学要素、レンズフランジ、レンズバレル、手ぶれ補正機構等の機構部分、等が含まれていてもよいことを意図するものである。
なお、上記の「〜第3レンズ群とを連続して有し」、「〜第2レンズとを連続して有する」、「〜連続して負の屈折力を持つ第3レンズ」の「連続して」は、レンズ群やレンズに関するものであり、その他の部材は対象外とする。
なお、「レンズ群」は、必ずしも複数のレンズから構成されるものだけでなく、1枚のレンズのみで構成されるものも含む。また、上記の各レンズ群の屈折力の符号は、対応する群全体としての屈折力の符号をそれぞれ表すものである。さらにまた、上記の屈折力の符号は、非球面が含まれているものについては近軸領域で考えるものとする。
本発明によれば、少なくとも3つのレンズ群からなるフローティングフォーカスタイプのレンズ系において、最も物体側に合焦の際に固定されている正の第1レンズ群を配置し、第1レンズ群の像側に第1レンズ群に連続してフォーカス群を配置し、第1レンズ群の構成を好適に設定しているため、フォーカス群の大径化を抑えながら、広角で、F値が小さく、レンズ系を大型化させることなく至近距離物体に合焦でき、良好な性能を保持可能な撮像レンズ、およびこの撮像レンズを備えた撮像装置を提供することができる。
本発明の実施例1の撮像レンズの構成と光路を示す断面図である。 本発明の実施例2の撮像レンズの構成と光路を示す断面図である。 本発明の実施例3の撮像レンズの構成と光路を示す断面図である。 本発明の実施例4の撮像レンズの構成と光路を示す断面図である。 本発明の実施例1の撮像レンズの各収差図であり、左から順に、球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差を示す。 本発明の実施例2の撮像レンズの各収差図であり、左から順に、球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差を示す。 本発明の実施例3の撮像レンズの各収差図であり、左から順に、球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差を示す。 本発明の実施例4の撮像レンズの各収差図であり、左から順に、球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差を示す。 本発明の一実施形態に係る撮像装置の前側の斜視図である。 本発明の一実施形態に係る撮像装置の背面側の斜視図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1〜図4は、本発明の実施形態に係る撮像レンズの構成と光路を示す断面図であり、それぞれ後述の実施例1〜4に対応している。図1〜図4に示す例の基本構成や図示方法は同様であるため、以下では主に図1に示す例を参照しながら説明する。
図1では、左側が物体側、右側が像側である。図1の無限遠という語句を付した上段には無限遠物体に合焦した状態を示し、至近という語句を付した下段には至近距離物体に合焦した状態を示す。図1では光路は軸上光束2、最大画角の軸外光束3について示している。
この撮像レンズは、光軸Zに沿って物体側から順に、正の屈折力を持つ第1レンズ群G1と、正の屈折力を持つ第2レンズ群G2と、第3レンズ群G3とを連続して有する。図1の例では、第1レンズ群G1は物体側から順に第1レンズレンズL11、第2レンズL12、第3レンズL13、レンズL14〜L16が配されてなり、第2レンズ群G2は物体側から順にレンズL21、L22、開口絞りSt、レンズL23〜L26が配されてなり、第3レンズ群G3はレンズL31のみからなる。なお、図1に示す開口絞りStは必ずしも大きさや形状を表すものではなく、光軸Z上の位置を示すものである。
この撮像レンズを撮像装置に適用する際には、撮像装置の構成に応じて、レンズ系と像面Simの間に赤外線カットフィルタ、ローパスフィルタなどの各種フィルタやカバーガラス等を配置することが考えられるため、図1ではこれらを想定した平行平板状の光学部材PPをレンズ系と像面Simとの間に配置した例を示している。しかし、光学部材PPの位置は図1に示すものに限定されないし、光学部材PPを省略した構成も可能である。
この撮像レンズは、第1レンズ群G1が像面Simに対し固定された状態で、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3とが光軸方向の相互間隔を変化させて移動することによって無限遠物体から至近距離物体への合焦が行われる。図1では上段と下段の間に、無限遠物体から至近距離物体への合焦の際に移動する各レンズ群の移動方向を模式的に示す矢印を記入している。
第1レンズ群G1を正の屈折力を持つレンズ群とすることで、第1レンズ群G1から第2レンズ群G2へ入射する光束を収束光にでき、第2レンズ群G2および第2レンズ群G2より像側のレンズの大径化を抑えることができ、すなわちフォーカス群である第2レンズ群G2および第3レンズ群G3の大径化を抑えることができる。また、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3を異なる軌跡で移動させて合焦を行うフローティングフォーカスタイプの構成を採ることにより、広角で、F値が小さなレンズ系において収差の発生を抑えながら至近距離物体への合焦が可能となる。
第1レンズ群G1は、最も物体側から順に、負の屈折力を持つ第1レンズL11と、負の屈折力を持つ第2レンズL12とを連続して有する。これにより、第1レンズ群G1の大径化を抑えながら広角化を実現することができる。
この撮像レンズは、第1レンズL11、第2レンズL12に関して、下記条件式(1)を満足するように構成されている。
−1.5<f1ab/f1<−0.1 (1)
ただし、
f1ab:第1レンズと第2レンズの合成焦点距離
f1:第1レンズ群の焦点距離
条件式(1)の下限以下にならないようにすることで、第1レンズL11、第2レンズL12の屈折力を確保でき、第1レンズ群G1の大径化を抑えることが容易になる。条件式(1)の上限以上にならないようにすることで、第1レンズ群G1の屈折力を確保でき、第2レンズ群G2以降のレンズ群の大径化を抑えることが容易になる。条件式(1)に関する上記効果をより高めるために下記条件式(1−1)を満足することがより好ましく、下記条件式(1−2)を満足することがさらにより好ましい。
−1.0<f1ab/f1<−0.2 (1−1)
−0.7<f1ab/f1<−0.3 (1−2)
第1レンズ群G1は、第2レンズL12の像側に第2レンズL12に連続して負の屈折力を持つ第3レンズL13を有することが好ましい。このようにした場合は、第1レンズ群G1の大径化を抑えながら広角化を実現することがより容易になる。
また、第1レンズ群G1は、2枚の正レンズを有することが好ましい。このようにした場合は、球面収差を悪化させずに第1レンズ群G1の正の屈折力を確保することが容易になる。
第1レンズ群G1は例えば図1の例のように、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズ、両凹レンズ、両凸レンズ、負レンズ、正レンズからなるように構成することができる。このように、第1レンズ群G1を、4枚の負レンズと2枚の正レンズで構成し、負、負、負、正、負、正のパワー配列とした場合は、広角化と正の屈折力の確保の両立に有利となる。
また、フォーカス群について、下記条件式(2)を満足することが好ましい。
0.1<f2/|f3|<0.7 (2)
ただし、
f2:第2レンズ群の焦点距離
f3:第3レンズ群の焦点距離
条件式(2)の下限以下とならないようにすることで、第3レンズ群G3の収差補正効果を確実なものとすることができ、至近距離物体へ合焦した際の収差の発生を抑えることができる。条件式(2)の上限以上とならないようにすることで、第3レンズ群G3の収差補正効果が過剰となるのを防ぐことができる。これにより、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との相対的な位置の誤差の許容量を大きくすることができ、製造誤差による性能劣化を抑制でき、良好な性能の実現に有利となる。条件式(2)の下限に関する上記効果を得ながら、条件式(2)の上限に関する上記効果をより高めるために下記条件式(2−1)を満足することがより好ましい。
0.1<f2/|f3|<0.5 (2−1)
また、この撮像レンズは、図1の例のように第2レンズ群G2が最も物体側に正レンズを有することが好ましい。このようにした場合は、第2レンズ群G2の大径化を抑えることが可能となる。
第2レンズ群G2が最も物体側に正レンズを有する場合、下記条件式(3)を満足することが好ましい。
0.3<f2/f2a<2 (3)
ただし、
f2:第2レンズ群の焦点距離
f2a:第2レンズ群の最も物体側の正レンズの焦点距離
条件式(3)の下限以下とならないようにすることで、第2レンズ群G2の最も物体側の正レンズの屈折力が不足しないようにすることができ、第2レンズ群G2の大径化を抑えることが容易になる。条件式(3)の上限以上とならないようにすることで、第2レンズ群G2の最も物体側の正レンズの屈折力が過剰とならないようにすることができ、球面収差の発生を抑えることが容易になる。条件式(3)に関する上記効果をより高めるために下記条件式(3−1)を満足することがより好ましい。
0.6<f2/f2a<1.7 (3−1)
第2レンズ群G2が最も物体側に正レンズを有する場合、第2レンズ群G2は、この正レンズの像側の面から第2レンズ群G2の最も像側の面までの間に開口絞りStを有することが好ましい。このようにした場合は、第2レンズ群G2の最も物体側の正レンズで光束を収束させることができ、開口絞りStの大径化を抑えることができる。
第2レンズ群G2が最も物体側に正レンズを有し、開口絞りStを上記範囲に有する場合、第2レンズ群G2が開口絞りStより像側に有するレンズは図1の例のように、物体側から順に、負レンズ、正レンズ、負レンズ、正レンズの4枚のみとすることが好ましい。これら4枚のレンズのうち、最も物体側のレンズは球面収差の良好な補正に有利となり、2番目および3番目のレンズは倍率色収差の良好な補正に有利となり、最も像側のレンズは射出瞳位置をより物体側にすることに有利となる。
また、第2レンズ群G2が開口絞りStより像側に上記4枚のレンズのみ有する場合、第2レンズ群G2が開口絞りStより物体側に有するレンズは図1の例のように、物体側から順に、正レンズ、負レンズの2枚のみとしてもよい。このようにした場合は、良好な倍率色収差の補正にさらに有利となる。
第3レンズ群G3は図1の例のように1枚の単レンズのみから実質的に構成されることが好ましい。このようにした場合は、第3レンズ群G3の屈折力を抑えることが容易となり、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との相対的な位置の誤差の許容量を大きくすることができ、製造誤差による性能劣化を抑制でき、良好な性能の実現に有利となる。なお、第3レンズ群G3は図1、図3、図4の例のように負の屈折力を持つレンズ群としてもよく、図2の例のように正の屈折力を持つレンズ群としてもよい。
撮像レンズは図1の例のように、第1レンズ群G1と、第2レンズ群G2と、第3レンズ群G3との3つのレンズ群から実質的に構成されるようにしてもよい。このようにした場合は、レンズ枚数を抑えることができ、レンズ系全長を維持しながらフォーカス群が移動するスペースを確保することができ、小型化、低コスト化に有利となり、また、装置構成を簡易化できる。
あるいは、図3の例のよう、撮像レンズは、第1レンズ群G1と、第2レンズ群G2と、第3レンズ群G3と、合焦の際に像面Simに対し固定されている第4レンズ群G4の4つのレンズ群から実質的に構成されるようにしてもよい。移動するレンズ群に比べて固定されているレンズ群は製造誤差による性能への影響が少ないため、このようなレンズ群を像面Simの近傍に配置することで、製造誤差による性能劣化を抑えながら合焦の際の収差変動を抑制することができる。また、最も像側に合焦の際に固定されているレンズ群を配置することで防塵に有利となる。
以上述べた好ましい構成や可能な構成は、任意の組合せが可能であり、要求される仕様に応じて適宜選択的に採用されることが好ましい。上記構成を適宜採用することにより、広角、小さなF値、コンパクトな構成、良好な性能を実現することが可能となる。なお、ここでいう広角とは全画角が80°以上のことを意味し、ここでいう小さなF値とは無限遠物体に合焦した状態でのF値が1.5以下のことを意味する。
次に、本発明の撮像レンズの数値実施例について説明する。
[実施例1]
実施例1の撮像レンズの構成は図1に示した通りである。なお、図1の構成における各レンズ群および各レンズの詳細な説明は上述した通りであるので、ここでは重複説明は省略する。実施例1の撮像レンズの詳細構成を示す数値データを下記表1〜表3に示す。表1に基本レンズデータを示し、表2に非球面係数を示し、表3に諸元と可変面間隔の値を示す。
表1のSiの欄には最も物体側の構成要素の物体側の面を1番目として像側に向かうに従い順次増加するように構成要素の面に面番号を付した場合のi番目(i=1、2、3、…)の面番号を示し、Riの欄にはi番目の面の曲率半径を示し、Diの欄にはi番目の面とi+1番目の面との光軸Z上の面間隔を示し、Ndjの欄には最も物体側の構成要素を1番目として像側に向かうに従い順次増加するj番目(j=1、2、3、…)の構成要素のd線(波長587.6nm)に関する屈折率を示し、νdjの欄にはj番目の構成要素のd線基準のアッベ数を示す。
ここで、曲率半径の符号は、物体側に凸面を向けた面形状のものを正とし、像側に凸面を向けた面形状のものを負としている。表1には、開口絞りSt、光学部材PPも合わせて示している。表1では、開口絞りStに相当する面の面番号の欄には面番号と(St)という語句を記載している。Diの最下欄の値は光学部材PPと像面Simとの間隔である。
表1では、非球面の面番号には*印を付しており、非球面の曲率半径の欄には近軸の曲率半径の数値を記載している。表2に、実施例1の各非球面の非球面係数を示す。表2の非球面係数の数値の「E−n」(n:整数)は「×10−n」を意味する。非球面係数は、下式で表される非球面式における各係数KA、Am(m=3、4、5、…20)の値である。
ただし、
Zd:非球面深さ(高さhの非球面上の点から、非球面頂点が接する光軸に垂直な平面に
下ろした垂線の長さ)
h:高さ(光軸からのレンズ面までの距離)
C:近軸曲率
KA、Am(m=3、4、5、…20):非球面係数
また、表1では、合焦の際に間隔が変化する可変面間隔はDD[ ]という記号を用い、[ ]の中にこの間隔の物体側の面番号を記入している。表3に、これら可変面間隔の値と、全系の焦点距離f、横倍率β、F値FNo.、最大全画角2ωをd線基準で示す。2ωの欄の[°]は単位が度であることを意味する。表3では、無限遠物体に合焦した状態、中間距離物体に合焦した状態、至近距離物体に合焦した状態の各値をそれぞれ無限遠、中間、至近と表記した欄に示している。
各表のデータにおいて、角度の単位としては度を用い、長さの単位としてはmmを用いているが、光学系は比例拡大又は比例縮小しても使用可能なため他の適当な単位を用いることもできる。また、以下に示す各表では所定の桁でまるめた数値を記載している。
図5に、実施例1の撮像レンズの各収差図を示す。図5の上段に左から順に無限遠物体に合焦した状態での球面収差、非点収差、歪曲収差(ディストーション)、倍率色収差(倍率の色収差)を示し、中段に左から順に中間距離物体に合焦した状態での球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差を示し、下段に左から順に至近距離物体に合焦した状態での球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差を示す。図5に関する中間距離物体に合焦した状態、至近距離物体に合焦した状態での横倍率は、表3に示す各状態のものと同じである。球面収差図では、d線(波長587.6nm)、C線(波長656.3nm)、F線(波長486.1nm)に関する収差をそれぞれ黒の実線、長破線、短破線で示す。非点収差図では、サジタル方向、タンジェンシャル方向のd線に関する収差をそれぞれ実線、短破線で示す。歪曲収差図では、d線に関する収差を実線で示す。倍率色収差図では、C線、F線に関する収差をそれぞれ長破線、短破線で示す。球面収差図のFNo.はF値を意味し、その他の収差図のωは半画角を意味する。
上記の実施例1の説明で述べた各データの記号、意味、記載方法は、特に断りがない限り以下の実施例のものについても同様であるため、以下では重複説明を省略する。
[実施例2]
実施例2の撮像レンズの構成は図2に示した通りである。実施例2の撮像レンズは、第1レンズ群G1〜第3レンズ群G3の3つのレンズ群からなる。合焦の際には、第1レンズ群G1は固定されており、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3が光軸方向の相互間隔を変化させて移動する。第1レンズ群G1〜第3レンズ群G3それぞれが有するレンズの枚数は実施例1と同様である。実施例2の撮像レンズの基本レンズデータを表4に、非球面係数を表5に、諸元と可変面間隔の値を表6にそれぞれ示す。図6に、実施例2の撮像レンズの各収差図を示す。
[実施例3]
実施例3の撮像レンズの構成は図3に示した通りである。実施例3の撮像レンズは、第1レンズ群G1〜第4レンズ群G4の4つのレンズ群からなる。合焦の際には、第1レンズ群G1と第4レンズ群G4は固定されており、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3が光軸方向の相互間隔を変化させて移動する。第4レンズ群G4はレンズL41のみからなる。第1レンズ群G1〜第3レンズ群G3それぞれが有するレンズの枚数は実施例1と同様である。実施例3の撮像レンズの基本レンズデータを表7に、非球面係数を表8に、諸元と可変面間隔の値を表9にそれぞれ示す。図7に、実施例3の撮像レンズの各収差図を示す。
[実施例4]
実施例4の撮像レンズの構成は図4に示した通りである。実施例4の撮像レンズは、第1レンズ群G1〜第3レンズ群G3の3つのレンズ群からなる。合焦の際には、第1レンズ群G1は固定されており、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3が光軸方向の相互間隔を変化させて移動する。第1レンズ群G1〜第3レンズ群G3それぞれが有するレンズの枚数は実施例1と同様である。実施例4の撮像レンズの基本レンズデータを表10に、非球面係数を表11に、諸元と可変面間隔の値を表12にそれぞれ示す。図8に、実施例4の撮像レンズの各収差図を示す。
表13に実施例1〜4の撮像レンズの条件式(1)〜(3)の対応値を示す。なお、全実施例ともd線を基準波長としており、表13に示す値はこの基準波長におけるものである。
以上のデータからわかるように、実施例1〜4の撮像レンズは、フォーカス群の大径化が抑えられ、小型化が図られ、最大全画角が約80°〜85°の範囲にあり広角に構成され、1.5以下の小さなF値を有し、無限遠から至近距離までの物体距離について諸収差が良好に補正されて高い光学性能を達成している。
次に、本発明の実施形態に係る撮像装置について説明する。図9A、図9Bに、本発明の一実施形態に係る撮像装置であるカメラ30の外観図を示す。図9Aは、カメラ30を前側から見た斜視図を示し、図9Bは、カメラ30を背面側から見た斜視図を示す。カメラ30は、交換レンズ20が取り外し自在に装着される、レフレックスファインダーを持たない一眼形式のデジタルカメラである。交換レンズ20は、本発明の実施形態に係る撮像レンズ1を鏡筒内に収納したものである。
このカメラ30はカメラボディ31を備え、カメラボディ31の上面にはシャッターボタン32と電源ボタン33とが設けられている。またカメラボディ31の背面には、操作部34、35と表示部36とが設けられている。表示部36は、撮像された画像や、撮像される前の画角内にある画像を表示するためのものである。
カメラボディ31の前面中央部には、撮影対象からの光が入射する撮影開口が設けられ、その撮影開口に対応する位置にマウント37が設けられ、マウント37を介して交換レンズ20がカメラボディ31に装着されるようになっている。
カメラボディ31内には、交換レンズ20によって形成された被写体像に応じた撮像信号を出力するCCD等の撮像素子(図示せず)、その撮像素子から出力された撮像信号を処理して画像を生成する信号処理回路、およびその生成された画像を記録するための記録媒体等が設けられている。このカメラ30では、シャッターボタン32を押すことにより静止画または動画の撮影が可能であり、この撮影で得られた画像データが上記記録媒体に記録される。
このようなカメラ30に用いられる交換レンズ20に、本発明の実施形態に係る撮像レンズ1を適用することにより、このカメラ30はレンズ装着状態において、小型に構成可能であり、広い画角を有し、無限遠から至近距離までの物体距離について良好な画像を取得することができる。
以上、実施形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施形態および実施例に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、各レンズの曲率半径、面間隔、屈折率、アッベ数、非球面係数の値は、上記各数値実施例で示した値に限定されず、他の値をとり得るものである。
また、撮像装置の実施形態では、レフレックスファインダーを持たない一眼形式のデジタルカメラに適用した例について図を示して説明したが、本発明はこの用途に限定されるものではなく、例えば、一眼レフ形式のカメラや、フィルムカメラ、ビデオカメラ等に適用することも可能である。
1 撮像レンズ
2 軸上光束
3 最大画角の軸外光束
20 交換レンズ
30 カメラ
31 カメラボディ
32 シャッターボタン
33 電源ボタン
34、35 操作部
36 表示部
37 マウント
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
G3 第3レンズ群
G4 第4レンズ群
L11 第1レンズ
L12 第2レンズ
L13 第3レンズ
レンズ L14〜L16、L21〜L26、L31、L41 レンズ
PP 光学部材
Sim 像面
St 開口絞り
Z 光軸

Claims (17)

  1. 最も物体側から順に、正の屈折力を持つ第1レンズ群と、正の屈折力を持つ第2レンズ群と、第3レンズ群とを連続して有し、
    前記第1レンズ群は固定された状態で、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群とが光軸方向の相互間隔を変化させて移動することによって無限遠物体から至近距離物体への合焦が行われ、
    前記第1レンズ群が、最も物体側から順に、負の屈折力を持つ第1レンズと、負の屈折力を持つ第2レンズとを連続して有することを特徴とする撮像レンズ。
  2. 下記条件式(1)を満足する請求項1記載の撮像レンズ。
    −1.5<f1ab/f1<−0.1 (1)
    ただし、
    f1ab:前記第1レンズと前記第2レンズの合成焦点距離
    f1:前記第1レンズ群の焦点距離
  3. 前記第3レンズ群が1枚の単レンズのみから実質的に構成される請求項1または2記載の撮像レンズ。
  4. 下記条件式(2)を満足する請求項1から3のいずれか1項記載の撮像レンズ。
    0.1<f2/|f3|<0.7 (2)
    ただし、
    f2:前記第2レンズ群の焦点距離
    f3:前記第3レンズ群の焦点距離
  5. 前記第2レンズ群が最も物体側に正レンズを有する請求項1から4のいずれか1項記載の撮像レンズ。
  6. 下記条件式(3)を満足する請求項5記載の撮像レンズ。
    0.3<f2/f2a<2 (3)
    ただし、
    f2a:前記第2レンズ群の最も物体側の正レンズの焦点距離
  7. 前記第2レンズ群は、前記第2レンズ群の最も物体側の正レンズの像側の面から前記第2レンズ群の最も像側の面までの間に絞りを有する請求項5または6記載の撮像レンズ。
  8. 前記第2レンズ群が前記絞りより像側に有するレンズは、物体側から順に、負レンズ、正レンズ、負レンズ、正レンズの4枚のみである請求項7記載の撮像レンズ。
  9. 前記第1レンズ群が2枚の正レンズを有する請求項1から8のいずれか1項記載の撮像レンズ。
  10. 前記第1レンズ群が、前記第2レンズの像側に該第2レンズに連続して負の屈折力を持つ第3レンズを有する請求項1から9のいずれか1項記載の撮像レンズ。
  11. 下記条件式(1−1)を満足する請求項1から10のいずれか1項記載の撮像レンズ。
    −1.0<f1ab/f1<−0.2 (1−1)
    ただし、
    f1ab:前記第1レンズと前記第2レンズの合成焦点距離
    f1:前記第1レンズ群の焦点距離
  12. 下記条件式(1−2)を満足する請求項11記載の撮像レンズ。
    −0.7<f1ab/f1<−0.3 (1−2)
  13. 下記条件式(2−1)を満足する請求項1から12のいずれか1項記載の撮像レンズ。
    0.1<f2/|f3|<0.5 (2−1)
    ただし、
    f2:前記第2レンズ群の焦点距離
    f3:前記第3レンズ群の焦点距離
  14. 下記条件式(3−1)を満足する請求項6記載の撮像レンズ。
    0.6<f2/f2a<1.7 (3−1)
  15. 前記第1レンズ群と、前記第2レンズ群と、前記第3レンズ群とから実質的に構成される請求項1から14のいずれか1項記載の撮像レンズ。
  16. 前記第1レンズ群と、前記第2レンズ群と、前記第3レンズ群と、該第3レンズ群の像側に配置され合焦の際に固定されている第4レンズ群とから実質的に構成される請求項1から14のいずれか1項記載の撮像レンズ。
  17. 請求項1から16のいずれか1項記載の撮像レンズを備えた撮像装置。
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