JP2016179573A - ヘッドユニットおよび液体吐出装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】圧電素子を封止するようにアクチュエーター基板40に実装された駆動ICは、当該圧電素子への駆動信号を当該圧電素子の一端に伝達するための配線が形成された駆動信号配線部と、当該圧電素子の他端を一定の状態に保持するための電圧VBSで一定の保持信号を、当該他端に伝達するため配線パターン550と、を含む。駆動IC50は、樹脂540上に金属薄膜が電極542a(542b)としてパターニングされたバンプ54a(54b)を介してアクチュエーター基板40に電気的に接続される。
【選択図】図5
Description
このような高集積化の技術として、吐出部の流路および圧電素子を含むアクチュエーター基板(構造体)に、当該圧電素子を駆動する駆動ICを直接実装して、一体化する技術が知られている(特許文献1参照)。
そこで、本発明のいくつかの態様の目的の一つは、アクチュエーター基板に駆動ICを実装する場合の諸問題を解決するための技術を提供することにある。
なお、この説明において、上とは製造プロセスにおいて時間的に後に形成される方向であって、重力方向の反対方向とは無関係である。
なお、上記構成において、前記第1配線部は、複数の異なる配線層からなるのが好ましい。これにより、共通電極をさらに低抵抗化することができる。
なお、本発明は、ヘッドユニット単体に限られず、種々の態様で実現することが可能であり、例えば当該ヘッドユニットを含む液体吐出装置として概念することが可能である。ここでいう液体吐出装置とは、液体を吐出するものであれば良く、これには後述する印刷装置のほかに、立体造形装置(いわゆる3Dプリンター)、捺染装置なども含まれる。
この印刷装置1は、液体としてのインクを吐出することによって、紙などの媒体Pにインクドット群を形成し、これにより、画像(文字、図形等を含む)を印刷する液体吐出装置の一種である。
移動機構6は、キャリッジ20を移動させるキャリッジモーター61と、両端が固定されたキャリッジガイド軸62と、キャリッジガイド軸62とほぼ平行に延在し、キャリッジモーター61により駆動されるタイミングベルト63と、を有している。
キャリッジ20は、キャリッジガイド軸62に往復動自在に支持されるとともに、タイミングベルト63の一部に固定されている。そのため、キャリッジモーター61によりタイミングベルト63を正逆走行させると、キャリッジ20がキャリッジガイド軸62に案内されて往復動する。
なお、キャリッジ20には、フレキシブルケーブル190を介してメイン基板(この図では省略)から各種の制御信号等が供給される構成となっている。
なお、本実施形態において主走査は、キャリッジ20を移動させることで実行されるが、媒体Pを移動させることで実行しても良く、キャリッジ20と媒体Pとの双方を移動させても良い。要は、媒体Pとキャリッジ20(吐出部22)とが相対的に移動する構成であれば良い。
この図に示されるように、吐出部22は、4個のヘッドユニット3を有する。4個のヘッドユニット3の各々は、それぞれブラック(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)に対応し、主走査方向であるX方向に配列し、1つのヘッドユニット3(アクチュエーター基板)には、複数のノズルNが2列で配列している。
ヘッドユニット3は、詳細には後述するようにアクチュエーター基板における圧電素子を駆動ICで封止した構造である。
この図に示されるように、印刷装置1は、メイン基板100にヘッドユニット3が接続された構成となっている。ヘッドユニット3は、アクチュエーター基板40と駆動IC50とに大別される。
メイン基板100は、制御信号Ctrや、駆動信号COM−A、COM−B、電圧VBSの保持信号を駆動IC50に供給し、駆動IC50は、アクチュエーター基板40における複数の圧電素子Pztの一端にそれぞれ駆動信号を供給するとともに、電圧VBSを複数の圧電素子Pztの他端に中継する。
印刷装置1では、4個のヘッドユニット3が設けられ、メイン基板100が、4個のヘッドユニット3をそれぞれ独立に制御する。4個のヘッドユニット3では、吐出するインクの色以外において異なることがないので、便宜的に1個のヘッドユニット3について代表して説明することにする。
このうち、制御部110は、CPUやRAM、ROMなどを有する一種のマイクロコンピューターであり、印刷対象となる画像データがホストコンピューター等から供給されたときに、所定のプログラムを実行することによって、各部を制御するための各種の制御信号等を出力する。
駆動回路120aは、データdAをアナログ変換した後に、例えばD級増幅して、当該増幅した信号を駆動信号COM−Aとして出力する。同様に、駆動回路120bは、データdBをアナログ変換した後に、D級増幅して、当該増幅した信号を駆動信号COM−Bとして出力する。
なお、駆動回路120a、120bについては、入力するデータ、および、出力する駆動信号の波形が異なるのみであり、回路的な構成は同一である。
なお、制御部110は、移動機構6および搬送機構8を制御するが、このための構成については既知であるので省略する。
ここで、説明の便宜上、駆動信号COM−A、COM−Bの波形について説明する。
また、中ドットを形成すべき場合には、当該中ドットを形成するノズルNの圧電素子Pztの一端に、印刷周期の前半期間に駆動信号COM−A(Adp1)を選択し、後半期間に駆動信号COM−B(Bdp2)を選択して供給すれば、中程度および小程度のインクが2回にわけて吐出されるので、媒体Pにはそれぞれのインクが着弾し合体して、結果的に、目標通りの中ドットが形成されることになる。
一方、小ドットを形成すべき場合には、当該小ドットを形成するノズルNの圧電素子Pztの一端に、印刷周期の前半期間では駆動信号COM−A、COM−Bのいずれも選択せず、後半期間に駆動信号COM−B(Bdp2)を選択して供給すれば、小程度のインクが1回のみ吐出されるので、媒体Pには目標通りの小ドットが形成されることになる。
そして、非記録とする場合には、対応するノズルNの圧電素子Pztの一端に、印刷周期の前半期間では駆動信号COM−B(Bdp1)を選択し、後半期間に駆動信号COM−−A、COM−Bのいずれも選択しなければ、前半期間において当該ノズルNの付近のインクが微振動するのみであり、インクが吐出されないので、結果的に、目標通り非記録になる。
各選択部520は、選択制御部510による指示にしたがって、駆動信号COM−A、COM−Bのいずれかを選択し(または、いずれも選択せずに)、電圧Voutの駆動信号として、対応する圧電素子Pztの一端に印加する。
詳細には、電圧生成回路130による電圧VBSは、駆動IC50における配線パターン550を介して、圧電素子Pztの他端である駆動電極72に印加される。なお、実際には、後述するように、配線パターン550と駆動電極72とは並列に接続されるので、配線パターン550と駆動電極72とを電気的に区別する意義はない。
また、複数の圧電素子Pztの一端は、形成するドットの大きさに応じて電圧Voutが変化するのに対して、複数の圧電素子Pztの他端(駆動電極72)は、電圧VBSで一定であって共通であるので、電圧VBSの経路(配線パターン550、駆動電極72)には、比較的大電流が流れることになる。
上述したように、アクチュエーター基板40(ヘッドユニット3)では、複数のノズルNが、2列で配列する。ここで、説明の便宜上、この2列をそれぞれノズル列Na、Nbとする。なお、ノズル列Naに属する複数のノズルNでノズル群が構成され、ノズル列Nbに属する複数のノズルNで別のノズル群が構成されることになる。
また、ノズル列Na、Nb同士は、Y方向にピッチP2だけ離間する。ノズル列Naに属するノズルNとノズル列Nbに属するノズルNとは、Y方向に、ピッチP1の半分だけシフトした関係となっている。
このようにノズルNを、ノズル列Na、Nbの2列で、Y方向にピッチP1の半分だけシフトして配置させることにより、Y方向の解像度を、1列の場合と比較して実質的に倍に高めることができる。
アクチュエーター基板40の各要素は、概略的にはY方向に長尺な略平板状の部材であり、例えば接着剤を利用して互いに固定される。また、流路基板42および圧力室基板44は、例えばシリコンの単結晶基板で形成される。
振動板46のうち圧力室基板44とは反対側の表面には、ノズルN(キャビティ442)毎に圧電素子Pztが形成される。
また、この例では、圧電体74に対し、共通の駆動電極72を下層とし、個別の駆動電極76a(76b)を上層としたが、逆に駆動電極72を上層とし、駆動電極76a(76b)を下層とする構成としても良い。
このため、圧電素子Pztは、駆動電極72、76a(76b)に印加された電圧に応じて、上または下方向に変位する。詳細には、駆動電極76a(76b)を介して印加される駆動信号の電圧Voutが低くなると、圧電素子Pztにおける中央部分が両端部分に対して上方向に撓む一方、当該電圧Voutが高くなると、下方向に撓む構成となっている。
ここで、上方向に撓めば、キャビティ442の内部容積が拡大(圧力が減少)するので、インクが液体貯留室Srから引き込まれる一方、下方向に撓めば、圧力室Scの内部容積が縮小(圧力が増加)するので、縮小の程度によっては、インク滴がノズルNから吐出される。このように、圧電素子Pztに適切な駆動信号が印加されると、当該圧電素子Pztの変位によって、インクがノズルNから吐出される構成となっている。
この図に示されるように、平面視でY方向に長手の矩形形状にパターニングされた駆動電極72に対し、図では省略されているが圧電体74を介して、ノズル列Naに属するノズルNの駆動電極76aが、図において右側に張り出している。駆動電極76aのうち、この張り出した領域において黒丸印で示される地点が、駆動IC50におけるバンプ(突起電極)54aとの接続点となっている。
同様に、ノズル列NbのノズルNの駆動電極76bは、図において左側に張り出している。駆動電極76bのうち、この張り出した領域において黒丸印で示される地点が、駆動IC50のバンプ54bとの接続点となっている。
なお、駆動電極72については、ノズル列Na、Nbの双方のノズルNに対応する圧電素子Pztにわたって共通としたが、例えばノズル列Naの圧電素子Pztとノズル列Nbの圧電素子Pztとに分割して良い。
この図において、X方向の正側端部における縁端領域560には、ノズル列NaのノズルNに対応する選択部520の構成素子(トランジスター)が内部に形成されるとともに、当該選択部520の出力となるバンプ54aが、Y方向に沿って一列に、アクチュエーター基板40の駆動電極76aに対向するように一対一に対応して設けられる。
同様に、X方向の負側端部における縁端領域570には、
ノズル列NbのノズルNに対応する選択部520の構成素子が内部に形成されるとともに、当該選択部520の出力となるバンプ54bが、Y方向に沿って一列に、アクチュエーター基板40の駆動電極76bに対向するように一対一に対応して設けられる。
詳細には、樹脂540については例えばネガ型の感光性樹脂を、直方体形状にパターニングした後、高温(200℃程度)でキュアして、表面張力の働きにより断面が半円形となるようにし、この後、Auなどの金属薄膜をスパッタリングで成膜し、フォトレジストを塗布、露光、エッチングにより電極542aを形成する。
なお、この説明において、上とはプロセスにおいて時間的に後に形成される方向であって、重力方向の反対方向とは無関係である。
ここで、選択部520の出力からバンプ54a(54b)に至るまでの経路が、駆動信号配線部となる。バンプ54cについては後述するが、バンプ54b、54cについては、バンプ54aと同じプロセスによってバンプ54aとともに同時に形成される。
なお、隣り合うバンプ54a(54b)の間における樹脂540は不要であるので、例えば電極542a(542b)をマスクとしたエッチングなどにより除去しても良い。
この構成において、電圧VBSの保持信号は、例えば領域591(または領域592)から直接または間接的に配線パターン550に印加される。このため、領域591(または領域592)から配線パターン550、バンプ54cに至るまでの経路が、圧電素子Pztの他端に電圧VBSの保持信号を伝達する保持信号配線部となる。
従来、駆動ICとアクチュエーター基板との接続は、駆動IC側の電極として金を厚付けした突起電極を用いるとともに、当該突起電極と、アクチュエーター基板側の駆動電極とを、金属粒子を接着材に分散させた異方性導電接着材によって接続する技術が用いられる。ただし、この技術では、電極同士のピッチが狭くなると、隣り合う電極同士が金属粒子でショートする可能性が高くなり、ピッチ50μm未満では採用できない。
これに対して本実施形態では、駆動IC50において、アクチュエーター基板40の駆動電極76a(76b)への接続のためのバンプ54a(54b)では、電極542a(542b)が絶縁性の樹脂540の上に形成されているため、異方性導電接着材のように金属粒子によるショートが発生しない。このため、駆動電極76a、76bのピッチが42.3μmであっても問題なく、駆動IC50を実装することができる。
なお、図の例において、配線556を平面視したときの形状が、図7における配線パターン550の形状となっている。配線551、552、553、554を平面視したときの形状については配線556と同一であっても良し、異なっていても良い。
なお、ある圧電素子Pztへの電圧Voutの変化は、別の圧電素子Pztへの電圧Voutに影響を及ぼすことも考えられる。
Claims (5)
- 構造体と、
前記構造体に実装された駆動ICと、
を有するヘッドユニットであって、
前記構造体は、
内部に液体が充填され、該内部の圧力が増減されるキャビティと、
前記駆動ICとの対向面側に形成され、前記圧電素子の変位により、前記キャビティの内部の圧力を増減させる圧電素子と、
前記キャビティに連通し、当該キャビティ内における圧力の増減により前記液体を吐出するノズルと、
を含み、
前記駆動ICは、樹脂上に金属薄膜がパターニングされたバンプを介して前記構造体に電気的に接続される
ことを特徴とするヘッドユニット。 - 前記ノズルは、複数のノズルからなるノズル群を形成し、
前記ノズル群に含まれるノズルのノズル間距離は50μm未満である
ことを特徴とする請求項1に記載のヘッドユニット。 - 前記ノイズおよび前記圧電素子は、複数であり、
前記複数の圧電素子の一端には、各圧電素子を駆動させるための駆動信号がそれぞれ伝達され、
前記複数の圧電素子の一端とは異なる他端は、前記複数の圧電素子の一部または全部にわたった共通電極であり、
当該共通電極には、当該他端を一定の状態に保持するための保持信号が伝達され、
前記駆動ICは、
前記共通電極に対して電気的に並列の第1配線部を有する
ことを特徴とする請求項1に記載のヘッドユニット。 - 前記駆動ICは、
前記圧電素子の一端に、前記駆動信号を伝達するための駆動信号配線部を有する、
ことを特徴とする請求項3に記載のヘッドユニット。 - ヘッドユニットと、
前記ヘッドユニットを媒体に対し相対移動させる相対移動部と、
を具備し、
前記ヘッドユニットは、
構造体と、
前記構造体に実装された駆動ICと、
を有し、
前記構造体は、
内部に液体が充填され、該内部の圧力が増減されるキャビティと、
前記駆動ICとの対向面側に形成され、前記圧電素子の変位により、前記キャビティの内部の圧力を増減させる圧電素子と、
前記キャビティに連通し、当該キャビティ内における圧力の増減により前記液体を吐出するノズルと、
を含み、
前記駆動ICは、樹脂上に金属薄膜がパターニングされたバンプを介して前記構造体に電気的に接続された
ことを特徴とする液体吐出装置。
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