JP2016165898A - 記録物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】インクジェット記録用のインクを受容するインク受容層53と、全光線透過率が50%以上の透明シート52と、を備えた記録媒体1である。透明シート52およびインク受容層53が順次積層された積層構造を有し、インク受容層53が、少なくとも無機微粒子および重量平均重合度が2,000以上5,000以下、けん化度が70mol%以上90mol%以下のポリビニルアルコールを含有する組成物からなる空隙吸収型のインク受容層である。
【選択図】図1
Description
本発明によれば、インクジェット記録用のインクを受容するインク受容層と、全光線透過率が50%以上の透明シートと、を備え、前記透明シートおよび前記インク受容層が順次積層された積層構造を有し、前記インク受容層が、少なくとも無機微粒子および重量平均重合度が2,000以上5,000以下、けん化度が70mol%以上90mol%以下のポリビニルアルコールを含有する組成物からなる空隙吸収型のインク受容層であることを特徴とする記録媒体;が提供される。
更に、本発明によれば、画像が支持される画像支持体と、画像が記録された記録媒体と、を備え、前記記録媒体が、本発明の記録媒体であり、前記画像支持体、前記インク受容層および前記透明シートが順次積層された積層構造を有することを特徴とする記録物;が提供される。
本発明によれば、インクジェット記録用のインクを受容するインク受容層と、全光線透過率が50%以上の透明シートと、を備え、前記透明シートおよび前記インク受容層が順次積層された積層構造を有する記録媒体の製造方法であって、前記透明シートの表面に、少なくとも水、無機微粒子および重量平均重合度が2,000以上5,000以下、けん化度が70mol%以上90mol%以下のポリビニルアルコールを含有する塗工液を塗工し、少なくとも前記無機微粒子および前記ポリビニルアルコールを含有する組成物からなる空隙吸収型のインク受容層を形成することを特徴とする記録媒体の製造方法;が提供される。
更に、本発明によれば、画像が支持される画像支持体と、画像が記録された記録媒体と、を備えた記録物の製造方法であって、本発明の記録媒体の製造方法により前記記録媒体を得、前記画像支持体と前記記録媒体とを、前記画像支持体、前記インク受容層および前記透明シートが順次積層されるように当接させた状態で加熱圧着し、前記画像支持体、前記インク受容層および前記透明シートが順次積層された積層構造を有する記録物を得ることを特徴とする記録物の製造方法;が提供される。
図1は、本発明の記録媒体の一の実施形態を示す図であり、記録媒体を厚さ方向に切断した断面を模式的に示す断面図である。本発明の記録媒体は、図1に示す記録媒体1のように、インク受容層53と、透明シート52と、を備えた記録媒体である。
インク受容層は、インクジェット記録用のインクを受容する層である。インク受容層の形態としては、水溶性高分子の網目構造中にインクを受容する膨潤吸収型と、無機微粒子により形成される空隙中にインクを受容する空隙吸収型が存在する。本発明の記録媒体は、少なくとも無機微粒子、並びに水溶性樹脂および水分散性樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂を含有する組成物からなる空隙吸収型のインク受容層を備えている。空隙吸収型のインク受容層は、無機微粒子によって形成される空隙によってインクを速やかに吸収することができる。従って、記録媒体を画像支持体に加熱圧着させる際に、インクが急激に突沸することが少なく、記録媒体と画像支持体とが完全に密着しない不具合(密着性不良)や、記録媒体と画像支持体との間に気泡が残る不具合(気泡残り)を抑制することができる。
無機微粒子は、無機材料からなる微粒子である。無機微粒子はインク受容層にインクを受容する空隙を形成する機能を有する。
水溶性樹脂は、25℃において、水と完全に混和するか、水に対する溶解度が1(g/100g)以上の樹脂である。水分散性樹脂は、ラテックスの構成成分となる樹脂である。水溶性樹脂、水分散性樹脂は、無機微粒子を結着するバインダーとして機能する。
澱粉、ゼラチン、カゼインおよびこれらの変性物;
メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体;
ポリビニルアルコール(完全けん化、部分ケン化、低けん化など)またはこれらの変性物(カチオン変性物、アニオン変性物、シラノール変性物など);
尿素系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、エピクロルヒドリン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエチレンイミン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニルピロリドン系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸またはその共重合体樹脂、アクリルアミド系樹脂、無水マレイン酸系共重合体樹脂、ポリエステル系樹脂などの樹脂;などを挙げることができる。
SBR、NBRなどの合成ゴム;
メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体樹脂、アクリル酸エステル共重合体樹脂などのアクリル系重合体樹脂;
エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂などのビニル系重合体樹脂;
前記合成ゴム、前記重合体樹脂に、カチオン性基またはアニオン性基を導入した官能基変性重合体樹脂;などを挙げることができる。これらの水分散性樹脂は、水を分散媒とするラテックスの状態で存在することができる。
インク受容層の厚さは、特に限定されない。但し、インク受容層の厚さが10μm以上20μm以下であることが好ましい。インク受容層の厚さを10μm以上、好ましくは13μm以上、更に好ましくは18μm以上とすることで、インクの吸収性とインク受容層の透明性を確保することができる。また、インクの吸収性およびインクの定着性が良好となる。一方、インク受容層の厚さを20μm以下とすることで、インク受容層の透明性を向上させることができる。また、後述するように画像支持体としてプラスチックカードを用いた場合に、記録物全体の厚さをJIS6301に記載される総厚み0.84mm以下に抑制することが容易になるため好ましい。
インク受容層は、後述する反転画像とは異なる補助的な画像が予め形成(プレプリント)されているものであってもよい。
透明シートは、JIS K7375に準拠して測定される全光線透過率が50%以上、好ましくは90%以上のシートを意味する。従って、透明シートには、無色透明シートの他、半透明シート、着色透明シートなども含まれる。
ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート(PET)、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル;
ナイロン(脂肪族ポリアミド)、アラミド(芳香族ポリアミド)、ポリイミドなどのポリアミド・ポリイミド類;
セロハン、酢酸セルロース、ポリアセテートなどのセルロース誘導体;
その他、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリフェニレンサルフィド、ポリサルホン、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、アイオノマー、ポリ乳酸などの樹脂;を挙げることができる。これらの中でも、熱可塑性樹脂が好ましく、より具体的には、耐候性に優れるPETが好ましい。これらの樹脂からなる樹脂フィルムは1種を単独で、或いは2種以上を複合または積層して用いることができる。
本発明の記録媒体は、図1に示す記録媒体1のように、離型層51を備えていてもよい。離型層は、離型剤を含有する組成物からなる層である。離型層51を備えることによって、透明シート52から基材シート50を容易に剥離することができる。
シリコーンワックスなどのワックス類;
セルロース系樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂などの軟化点が比較的高い樹脂;
軟化点が比較的高い樹脂とワックス類との混合物;
これらの中でも、シリコーンワックス、シリコーン樹脂などのシリコーン系材料;フッ素樹脂などのフッ素系材料;は、離型性に優れる点において好ましい。
本発明の記録媒体は、図1に示す記録媒体1のように、基材シート50を備えていてもよい。基材シート(「剥離ライナー」、「セパレータ」とも称される。)は、離型層の支持体となるシート体である。
コンデンサー紙、パラフィン紙などの紙からなる紙シート;などが好ましい。これらの中でも、耐候性に優れる、PETフィルムが好ましい。樹脂フィルム、紙シート、不織布シート等は1種を単独で、或いは2種以上を複合または積層して用いることができる。
図2は、本発明の記録媒体の別の実施形態を示す図であり、記録媒体を厚さ方向に切断した断面を模式的に示す断面図である。本発明の記録媒体は、図2に示す記録媒体1のように、又は図20に示すように、アンカー層59を更に備えていてもよい。
本発明の記録媒体は、図2に示す記録媒体1のように、又は図19に示すように、ホログラム層58を更に備えていてもよい。ホログラム層58は、三次元像が記録された層であり、透明シート52とインク受容層53との間に配置される。ホログラム層を備えることで、記録物(クレジットカードなど)の偽造を防止する効果が付与される。ホログラム層の構成は特に限定されず、従来公知の構成を採用することができる。例えばレリーフホログラムなどを挙げることができる。
本発明の記録媒体は、図1に示す記録媒体1のように、透明シート52およびインク受容層53が順次積層された積層構造を有している。「透明シートおよびインク受容層が順次積層」とは、透明シートとインク受容層との間に他の層が介在するか否かに拘わらず、透明シートとインク受容層がその順序に従って積層されていることを意味する。即ち、図2に示す記録媒体1のように、透明シート52とインク受容層53との間に、アンカー層59やホログラム層58が存在する構造も、「透明シートおよびインク受容層が順次積層」された積層構造に含まれる。
図3は、本発明の記録媒体を模式的に示す斜視図である。本発明の記録媒体は、インク受容層に画像が形成されていることが好ましく、特に図3に示す記録媒体1のように、インク受容層53に、インク受容層53の側から見ると鏡像となり、透明シート52の側から見ると正像となる反転画像72が記録されていることが好ましい。
図4は、本発明の記録媒体を画像支持体に貼付し、記録物を形成した状態を模式的に示す斜視図であり、図5は、図4に示す記録物から基材シートおよび離型層を剥離した状態を模式的に示す斜視図である。
本発明の記録物は、図4および図5に示す記録物73のように、画像が支持される画像支持体55と、画像(図示の例では反転画像72)が記録された記録媒体1と、を備えている。そして、本発明の記録物は、既に説明した本発明の記録媒体を備えている。
画像支持体は、記録媒体の画像が支持される対象物である。画像支持体の構成は特に限定されない。樹脂を構成材料とする画像支持体(樹脂ベース支持体)、紙を構成材料とする画像支持体(紙ベース支持体)などを挙げることができる。樹脂べース支持体としては、例えばクレジットカード、ICカードなどの樹脂製カード;などを挙げることができる。紙ベース基材としては、例えばパスポートなどの紙製冊子;紙製カード;などを挙げることができる。
樹脂ベース支持体を構成する樹脂は、画像支持体の用途に応じて適宜選択すればよく、特に限定されない。例えば、
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体などのポリエステル樹脂;
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン樹脂;
ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ4フッ化エチレン、エチレン−4フッ化エチレン共重合体などのポリフッ化エチレン系樹脂;
ナイロン6、ナイロン6,6などの脂肪族ポリアミド樹脂;
ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ビニロンなどのビニル重合体樹脂;
三酢酸セルロース、セロハンなどのセルロース系樹脂;
ポリメタアクリル酸メチル、ポリメタアクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチルなどのアクリル系樹脂;
ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリイミドなどの、その他の合成樹脂;を挙げることができる。
紙ベース支持体を構成する紙の種類も特に限定されない。例えば、コンデンサーペーパー、グラシン紙、硫酸紙、サイズ度の高い紙、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系)、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、壁紙、裏打用紙、合成樹脂またはエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、板紙、セルロース繊維紙などが挙げられる。
樹脂ベース支持体および紙ベース支持体は、必要に応じて、エンボス、サイン、ICメモリ(ICチップ)、光メモリ、磁気記録層、偽変造防止用記録層(パール顔料層、透かし記録層、マイクロ文字など)、エンボス記録層、ICチップ隠蔽層などを備えていてもよい。
本発明の記録物は、図4および図5に示す記録物73のように、画像支持体55が、プライマー層56を更に備えていることが好ましい。図15に示すように、プライマー層56は、接着性を有する層であり、画像支持体55の表面に配置される。プライマー層を備えることで、画像支持体55と記録媒体1(具体的にはインク受容層53)との密着性、接着強度を向上させることができ、前記接着強度の不足により画像支持体から記録媒体が剥離する不具合を抑制することができる。
エチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネートなどのセルロース誘導体;
ポリスチレン、ポリα−メチルスチレンなどのスチレン系樹脂;
ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチルなどのアクリル系樹脂;
ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタールなどのビニル系樹脂;
ポリエステル、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリウレタン、アイオノマー、エチレンアクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体などの、その他の合成樹脂;
ロジン、ロジン変性マレイン酸樹脂、エステルガムなどの粘着性付与剤;
ポリイソブチレンゴム(ブチルゴム)、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエン−アクリロニトリルゴム、ポリ塩素化オレフィンなどの合成ゴム;などを挙げることができる。
本発明の記録物は、図4または図5に示す記録物73のように、画像支持体55、インク受容層53および透明シート52が順次積層された積層構造を有している。そして、本発明の記録物は、図4または図5に示す記録物73のように、画像支持体55、プライマー層56、インク受容層53および透明シート52が順次積層された積層構造を有していてもよい。この場合において、本発明の記録物は、図4または図5に示す記録物73のように、画像支持体55とプライマー層56とが相互に当接され、プライマー層56とインク受容層53とが相互に当接された積層構造を有することが好ましい。
本発明の記録媒体の製造方法は、インクジェット記録用のインクを受容するインク受容層と、全光線透過率が50%以上の透明シートと、を備え、前記透明シートおよび前記インク受容層が順次積層された積層構造を有する記録媒体の製造方法である。なお、以下の記録媒体の製造方法および記録物の製造方法の項においては、記録媒体の項などで既に説明した事項については割愛し、製造方法固有の事項のみ説明する。
本発明の記録媒体の製造方法の第1の実施形態においては、透明シートの表面に、少なくとも水、無機微粒子および重量平均重合度が2,000以上5,000以下、けん化度が70mol%以上90mol%以下のポリビニルアルコールを含有する塗工液を塗工する。これにより、少なくとも前記無機微粒子および前記ポリビニルアルコールを含有する組成物からなる空隙吸収型のインク受容層を形成する。
透明シートは、予め表面改質が行われたものを用いてもよい。透明シートの表面を粗面化する表面改質を行うことにより、透明シートの濡れ性が向上し、インク受容層やアンカー層との密着性を向上させることができる場合がある。表面改質の方法は特に限定されない。例えば、透明シートの表面に、予めコロナ放電処理やプラズマ放電処理を行う方法;透明シートの表面にIPAやアセトン等の有機溶剤を塗工する方法;などを挙げることができる。これらの表面処理は、インク受容層と透明シートとの結着性が高まり、強度が向上し、透明シートからインク受容層が剥離する不具合を防止することができる。
インク受容層は、前記無機微粒子、水溶性樹脂および/または水分散性樹脂および水性媒体とともに混合して塗工液を調製し、これを基材の表面に塗布し乾燥させてインク受容層を形成することで得られる。
メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類;
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテルなどの多価アルコールの低級アルキルエーテル類;
アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;
テトラヒドロフランなどのエーテル類;などを挙げることができる。
インク受容層の形成は、前記透明シートの表面に、前記塗工液を塗工することにより行う。塗工後は必要により塗工液の乾燥を行う。これにより、前記透明シートおよび前記インク受容層が順次積層された積層構造を有する記録媒体を得ることができる。
本発明の記録媒体の製造方法においては、前記インク受容層を形成した後、前記インク受容層の側から、前記インク受容層と前記透明シートの一部に切り込みを入れるプレカット処理を行ってもよい。プレカット処理は、記録媒体に反転画像を記録して記録媒体とし、前記記録媒体と画像支持体とを接着した後に、前記切り込みを起点にして透明シートを綺麗に切断することができる。従って、均一な厚さの透明シートからなる強固な保護層を形成することができ、インク受容層に形成された反転画像に十分な耐久性が付与される。
次いで、前記記録媒体における前記インク受容層の前記透明シートが積層されていない面に、前記インク受容層の側から見ると鏡像となり、前記透明シートの側から見ると正像となる反転画像を、インクジェット記録方式により記録する。これにより、図3に示すように、記録媒体1のインク受容層53に反転画像72が記録される。
本発明の記録媒体の製造方法においては、前記画像を形成しているインクジェット記録用のインクの水分量を、前記インクの総打ち込み量に対して70質量%以下となるまで乾燥することが好ましい。インクの水分量を70%質量%以下、好ましくは50質量%以下とすることにより、画像支持体と記録媒体を加熱圧着させる際に、インク成分の急激な蒸発が抑制され、画像支持体と記録媒体との密着強度の低下、インク受容層における気泡残りなどの不具合を防止することができる。なお、ここにいう水分量とは、色材を除く水および不揮発性溶媒などの総量を意味するものとする。
本発明の記録物の製造方法は、画像が支持される画像支持体と、反転画像が記録された記録媒体と、を備えた記録物の製造方法である。
まず、本発明の記録媒体の製造方法により前記記録媒体を得る。
前記画像支持体としては、記録物の項で説明した、樹脂ベース支持体、紙ベース支持体などを用いることができる。中でも、クレジットカード、ICカードなどの樹脂製カード(プラスチックカード);パスポート等の紙製冊子;などが好ましい。
前記画像支持体と前記記録媒体とを、前記画像支持体、前記インク受容層および前記透明シートが順次積層されるように当接させた状態で加熱圧着する。これにより、前記画像支持体、前記インク受容層および前記透明シートが順次積層された積層構造を有する記録物を得る。
前記のようにして得られた記録物は、最後に、図5に示すように基材シート50および離型層51を剥離することにより、画像支持体55、プライマー層56、インク受容層53および透明シート52が順次積層された構造の記録物73が得られる。この記録物73においては、透明シート52が最上層に位置し、その下層側に位置するインク受容層53に記録された反転画像72を保護している。そして、記録媒体1と画像支持体55は、プライマー層56を介して十分に密着固定される。
図6は、本発明の記録物を製造する製造装置の第1の構成例(以下、「第1の製造装置」ともいう。)を模式的に示す側面図である。
製造装置25は、ロール状に巻回された記録媒体1を搬送経路へと送り出す供給部4と、搬送経路へと送り出した記録媒体1に、色材、水、不揮発性の有機溶媒などを含有する水系インクを直接吐出して、反転画像を記録する記録部6と、を備えている。
供給部4は、ロール状の記録媒体1を図中の矢印に示す方向に回転させ、記録媒体1を記録部6および乾燥部7へ送り出す。その際、記録媒体1はシートガイド27で案内されるとともに、グリップローラ3とニップローラ2で挟持され、平坦な状態で記録部6へと搬送される。
図8に示すように、製造装置25(画像形成記録装置)は、ネットワーク47を経由してコントローラ41に接続される。但し、この製造装置25は、ネットワーク47を介さずに、シリアル・ポート、パラレル・ポート、またはUSBポート等を介してコントローラ41に接続することも可能である。製造装置25は、前述のようにプレカット処理部5、記録部6、乾燥部7、予備加熱部19、転写部13、および付着部29などを備えるとともに、後述するCPUが記録部6に備えられ、プレカット処理部5、乾燥部7、予備加熱部19、転写部13、および付着部29が記録部6に接続されている。そして、CPU100が、プレカット処理部5、記録部6、乾燥部7、予備加熱部19、転写部13、および付着部29の動作を制御するように構成されている。
図9は、図8に示す記録部6に設けられた制御系の構成を示すブロック図である。ホストPC120から送信された記録データやコマンドはインターフェイスコントローラ102を介してCPU100に受信される。CPU100は、記録部の記録データの受信、記録動作、ロ−ル紙Pのハンドリング等、全般的な制御を司る演算処理装置である。CPU100は、受信したコマンドを解析した後、記録データの各色成分のイメージデータをイメージメモリ106にビットマップ展開する。記録前の動作処理としては、出力ポート114、モータ駆動部116を介してキャッピングモータ122とヘッドアップダウンモータ118を駆動し、各々の記録ヘッド22K、22C、22M、22Yをキャッピング位置(待機位置)から離して記録位置(画像形成位置)に移動させる。
次に、図6に示す第1の製造装置の動作フローを図10のフローチャートに従って説明する。このフローチャートは図9に示すCPU100により実行される。
[5−6−1]記録媒体の位置検出およびプレカット処理:
図6に示す被検出部8では、記録媒体1と記録部6との同期をとるため、記録媒体1の位置を検出し、その検出結果に基づいて各部の制御を行なっている。メディアの検出には、反射型または透過型の光センサを用いている。被検出部8は、予め記録媒体1に記録または加工されているか、プレカットによって形成されてもよい。その際に、記録媒体1のインクの受容層部分を厚くした場合には、再転写後の剥離工程が構成的・時間的に困難となる場合があるため、検出部同様に予め加工されているか、メディア加工部によって形成しても良い。
記録媒体は、必要に応じて図13または図21に示すようにインク受容層53と透明シート52の一部分またはインク受容層53とアンカー層59と透明シート52の一部分に切込み54または切込み60を形成しておくカット処理(以下、プレカット処理という)が施されている。このため、プライマー層56を有する画像支持体55に記録媒体1を付着させた場合、プレカット処理により形成された切込み54を境界にして、透明シート52が切断され、画像記録された部分(画像記録領域)が透明シート52によって覆われる。この透明シート52は均一厚みを有する強固な保護層として機能するため、画像には十分な耐久性が付与されることとなる。また、図12および図22に示すように記録媒体1を剥離した後、プレカット処理により形成された切込み54または切込み60の部分で、透明シート52が綺麗に切断されるため、保護層を画像上に精度良く、簡単に転写することができる。
記録ヘッドに形成された複数のノズルから記録媒体にインク(インク滴)を吐出して画像を形成するインクジェット方式画像形成装置(インクジェットプリンタ)が広く使用されている。ノズルからインク滴を吐出させる技術として、駆動パルスに応じた熱エネルギをノズル内のインクに供給して膜沸騰による気泡を形成させ、この気泡によってノズルからインク滴を吐出させる技術が知られている。形成する画像に応じた多数のインク滴がノズルから記録媒体に吐出されることにより記録媒体に画像が形成される。
再転写時にインクを含む受容層表面に、インクが残存すると画像支持体と密着不良となる。再転写時の加熱により受容層表面層に残るインク成分やインクの急激な蒸発により密着製不足や受容層の部分的な気泡残りなどの不具合の可能性がある為、再転写用インクジェット記録後、再転写前に転写シートの搬送路に効果的な工夫を施したプレ乾燥が必要な場合がある。ヒータ等の特別な乾燥手段を設けずに、再転写前に十分な長さの搬送路を備える構成として自然乾燥を促しても良い。またその際に蒸発したインク成分による装置内部の気流制御や排気手段が必要な場合がある。図6に示すように、記録部6によって、記録媒体1上のインク受容層に記録した反転画像9を、乾燥部7とガイド板28の間を通す際に、ハロゲンそれに順ずる熱源及び風、またはそれら二つの組み合わせによる蒸発機能を持つ乾燥部7によって、受容層に記録した画像に含まれているインクの主成分である水や若干の揮発性溶剤成分を蒸発させ、蒸発した気体が機内において結露等するのを防ぐために、ファン10によって気流及び排気の制御を行う。気流制御を併用することによって、インク受容層表面の飽和蒸気圧も改善されて乾燥が促進される場合もある。
図6に示すように、記録媒体1上に設けた受容層に画像が記録部6にて形成され、次にその記録媒体1がガイド板28の上に案内されて、2本のヒートローラ21、22から構成される付着部29に移動する。この付着部29では、画像支持体11が枚葉状のシートの形態で、画像支持体供給部12に置かれて、転写部13でプライマーを画像支持体11に転写した後、レジストガイド14で位置を補正し、記録媒体1の搬送に合わせて供給する。画像支持体供給部12は、画像支持体の転写面へのゴミ付着やピックアップ時によるゴムロールからの汚染を防止するため、下方からの給紙とする。
図6に示すように、プライマー層18を予めカード側に転写し、記録された記録媒体1と位置を合わせて付着させる場合は、プライマー層18の少なくとも表層のみで加熱溶融させることによって付着を行うことが可能となる場合がある。そのためには、プライマー層とこれを転写した紙などの画像支持体とを含むカード等の表面を、記録媒体1を付着させる前に予備加熱部19で適度に加熱しておけば、記録媒体1上のインク受容層の加熱による過度な温度上昇を制御できる。またこの加熱の際に、プライマー層から蒸発した溶剤は、ファン20によって気流及び排気の制御を行う。
図6に示すように、付着部29を通過した記録媒体1の基材シート50は、プレカット処理により分離された画像形成領域が剥がれた状態で、巻取りロール24側に巻き取られ、また画像形成された画像支持体11は排出部26に搬送されて一枚ずつ集積されていく。
次に、本発明の記録物を製造するための製造装置の第2の構成例(以下、「第2の製造装置」ともいう。)を説明する。
第3の製造装置は、第1の製造装置の図6に示す構成と同一の構成を有している。但し、インクの定着性が必要な場合には、記録速度を上げる場合には記録媒体1上のインク空隙型受容層に吐出されたインクの吸収速度を向上させるために、プライマー(樹脂)を画像支持体11に転写すると共に、インク受容層内に含まれた接着用の樹脂を排除する。これによりインクの吸収速度の向上が図れる。
次に、第4の製造装置を説明する。第4の製造装置は、上記第2の製造装置の図16に示すものと同様の構成を有している。但し、第4の製造装置では、記録媒体1の空隙型受容層からなるインク受容層を薄くし、その薄くしたインク受容層53に記録部6で画像を記録した後、記録媒体1上にプライマーを直接転写することで、付着工程において付着される膜厚を薄くしている。これによってプレカット等の加工が不要となり、生産性の向上および装置コストの低減を図ることが可能になる。すなわち、第4の製造装置では、付着部29で加熱して画像支持体11に記録媒体1を付着させた後、速やかに画像支持体11の端部が記録媒体1から剥がれ、画像が形成されるものとなっている。なお、インク受容層の塗工量としては、20〜25g/m2以下の塗工量とすることが好ましい。
第5の製造装置は、第2の製造装置の図16と同様の構成を有しているが、インク受容層として膨潤型受容層を有するものとなっている。この膨潤型受容層は、薄くてもインクの吸収が早く、プレカットを行わなくても速やかに画像支持体11の端部が記録媒体1から剥がれて、画像が形成されるため、高速記録に適している。但し、表面に凹凸があるため、プライマーの厚みで凹凸を吸収することにより平滑性を持たせたものとなっている。
以下の方法により空隙吸収型のインク受容層を備えた記録媒体を製造した。
ベーマイト構造(擬ベーマイト構造)を有するアルミナ水和物A(商品名「Disperal HP14」、サソール製)20部を純水中に添加し、更に酢酸0.4部を添加して解膠処理を行うことによりアルミナ水和物分散液を得た。前記アルミナ水和物分散液におけるアルミナ水和物微粒子の平均粒子径は140nmであった。次いで、前記分散液に対して、ホウ酸0.3部を添加し、ホウ酸添加アルミナ水和物分散液を得た。
これとは別に、ポリビニルアルコール(商品名「PVA235」、クラレ製)をイオン交換水に溶解し、固形分含量が8質量%のポリビニルアルコール水溶液を調製した。なお、前記ポリビニルアルコールは、重量平均重合度が3,500、けん化度が87〜89mol%のものであった。
前記ホウ酸添加アルミナ水和物分散液100質量部と、前記ポリビニルアルコール水溶液27.8質量部を、スタティックミキサーにより混合し、インク受容層形成用の塗工液を得た。
前記混合の直後に、前記塗工液を透明シート、離型層および基材シートの積層シートにおける透明シート上に塗工し、乾燥することにより、空隙吸収型のインク受容層を備えた記録媒体を製造した。前記塗工液の塗工は、ダイコーターを用い、5m/分の塗工速度で、乾燥後の塗工量が15g/m2となるように行った。乾燥温度は600℃とした。なお、前記積層シートとしては、商品名「DCR−320」(ダイニック製)を用いた。前記積層シートは厚さ15μm、全光線透過率が100%のものであった。
ポリビニルアルコールの種類を、商品名「PVA245」(クラレ製)に変更したことを除いては実施例1−1と同様にして記録物を得た。なお、前記ポリビニルアルコールは、重量平均重合度が4,500、けん化度が87〜89mol%のポリビニルアルコールである。
ポリビニルアルコールの種類を、商品名「PVA424」(クラレ製)に変更したことを除いては実施例1−1と同様にして記録物を得た。なお、前記ポリビニルアルコールは、重量平均重合度が2,400、けん化度が87〜89mol%のポリビニルアルコールである。
ポリビニルアルコールの種類を、商品名「PVA117」(クラレ製)に変更したことを除いては実施例1−1と同様にして記録物を得た。なお、前記ポリビニルアルコールは、重量平均重合度が1,700、けん化度が98〜99mol%のポリビニルアルコールである。
ポリビニルアルコールの種類を、商品名「PVA217」(クラレ製)に変更したことを除いては実施例1−1と同様にして記録物を得た。前記ポリビニルアルコールは、重量平均重合度が1,700、けん化度が87〜89mol%のポリビニルアルコールである。
ポリビニルアルコールの種類を、商品名「PVA403」(クラレ製)に変更したことを除いては実施例1−1と同様にして記録物を得た。なお、前記ポリビニルアルコールは、重量平均重合度が300、けん化度が78〜82mol%のポリビニルアルコールである。
JIS−K−5600−5−6に記載のクロスカット法に準拠して透明シートとインク受容層の密着強度を評価した。具体的には、まず、実施例または比較例の記録物の透明シート側の面をカッターナイフで1cm四方の格子状に傷を付けた。次いで、前記傷を付けた部分に粘着テープ(商品名「メンディングテープ」、住友スリーエム製)を貼り合わせた。最後に、前記記録媒体から前記粘着テープを引き剥がし、前記透明シートの剥がれ具合を以下の基準により評価した。その結果を表1に示す。
○:目視評価で透明シートの剥がれなし。
×:目視評価で透明シートの剥がれあり。
以下の方法により空隙吸収型のインク受容層を備えた記録媒体を製造した。
ベーマイト構造(擬ベーマイト構造)を有するアルミナ水和物A(商品名「Disperal HP14」、サソール製)20部を純水中に添加し、更に酢酸0.4部を添加して解膠処理を行うことによりアルミナ水和物分散液を得た。前記アルミナ水和物分散液におけるアルミナ水和物微粒子の平均粒子径は140nmであった。次いで、前記分散液に対して、ホウ酸0.3部を添加し、ホウ酸添加アルミナ水和物分散液を得た。
これとは別に、ポリビニルアルコール(商品名「PVA235」、クラレ製)をイオン交換水に溶解し、固形分含量が8質量%のポリビニルアルコール水溶液を調製した。なお、前記ポリビニルアルコールは、重量平均重合度が3,500、けん化度が87〜89mol%のものであった。
前記ホウ酸添加アルミナ水和物分散液100質量部と、前記ポリビニルアルコール水溶液27.8質量部を、スタティックミキサーにより混合し、インク受容層形成用の塗工液を得た。
前記混合の直後に、前記塗工液を透明シート、離型層および基材シートの積層シートにおける透明シート上に塗工し、乾燥することにより、空隙吸収型のインク受容層を備えた記録媒体を製造した。前記塗工液の塗工は、ダイコーターを用い、5m/分の塗工速度で、乾燥後の塗工量が15g/m2となるように行った。乾燥温度は80℃とした。なお、前記積層シートとしては、商品名「DCR−320」(ダイニック製)を用いた。前記積層シートは厚さ15μm、全光線透過率が100%のものであった。
アルミナ水和物Aの種類を、商品名「Disperal HP13」に変更したことを除いては実施例2−1と同様にして記録媒体を得た。なお、実施例2−2で得られたアルミナ水和物分散液におけるアルミナ水和物微粒子の平均粒子径は130nmであった。
アルミナ水和物Aの種類を、商品名「Disperal HP18」に変更したことを除いては実施例2−1と同様にして記録媒体を得た。なお、実施例2−3で得られたアルミナ水和物分散液におけるアルミナ水和物微粒子の平均粒子径は180nmであった。
アルミナ水和物Aの種類を、商品名「Disperal HP22」に変更したことを除いては実施例2−1と同様にして記録媒体を得た。なお、比較例2−1で得られたアルミナ水和物分散液におけるアルミナ水和物微粒子の平均粒子径は220nmであった。
アルミナ水和物Aの種類を、商品名「Disperal HP30」に変更したことを除いては実施例2−1と同様にして記録媒体の製造を試みた。しかし、比較例2−2で得られたアルミナ水和物分散液における微粒子の平均粒子径は300nmと、粒子径が大きかったために、アルミナ水和物が沈降してしまった。このため、記録媒体を製造することはできず、記録適性(定着性)および視認性(色差)の評価を実施することができなかった。
アルミナ水和物Aの種類を、商品名「Disperal HP10」に変更したことを除いては実施例2−1と同様にして記録媒体を得た。なお、比較例2−3で得られたアルミナ水和物分散液におけるアルミナ水和物微粒子の平均粒子径は100nmであった。
アルミナ水和物Aの種類を、商品名「Disperal HP8」に変更したことを除いては実施例2−1と同様にして記録媒体の製造を試みた。しかし、比較例2−4で得られたアルミナ水和物分散液におけるアルミナ水和物微粒子の平均粒子径は80nmと、粒子径が小さかったために、アルミナ水和物分散液の粘度が高くなりすぎてしまった。このため、記録媒体を製造することはできず、記録適性(定着性)および視認性(色差)の評価を実施することができなかった。
アルミナ水和物の20.0質量%塗工液が、塗工液の調製に適切な粘度(10〜300mpa・s(25℃)、E型粘度計)であるか否か、目視で均一に分散されているか否かを以下の基準により評価した。その結果を表2に示す。
○:前記粘度範囲を満たし、目視評価で均一に分散されている。
×:前記粘度範囲を満たさない、または目視評価でアルミナ水和物が沈降している。
実施例または比較例の記録媒体に画像記録を行い、記録適性(定着性)を評価した。記録はサーマルインクジェット記録装置(商品名「LX−G5500」、キヤノンファインテック製)により行った。今回は、記録装置で使用するインクの中で定着性の最も悪いマゼンタ(M)インク単色で評価を行った。印刷は単位面積(1200dpi×1200dpi)に対するインク打ち込み濃度を10%〜100%の範囲(10%刻み)とし、記録媒体にベタ印字を行った。定着性不良には、記録面に対してインクの定着不良で発生する尾引きと、インク受容層の塗工バラツキ等で発生する濃度の不均一がある。印刷後の記録媒体を目視することによって、尾引き、濃度の不均一の有無を確認し、以下の基準で記録適性(定着性)を評価した。その結果を表2に示す。
評価基準(単位面積に対するインク塗布量の割合が、40%の条件において判断する)
○:画像乱れ(尾引き、不均一)の発生がない。
△:どちらか一方で乱れ発生
×:画像乱れの発生
実施例または比較例の記録媒体に画像記録を行い、視認性を評価した。記録媒体への記録はサーマルインクジェット記録装置(商品名「LX−G5500」、キヤノンファインテック製)により行った。記録適性の評価と同様に、使用したインクはマゼンタ(M)インク単色、かつ、インク打ち込み濃度を40%とし、ベタ印字により記録を行った。記録媒体における記録面(インク受容層側の面)と視認面(透明シート側の面)のLab表色系を分光測光器(商品名「Spectrolino」、GretagMacbeth製)により測定し、下記式(1)より色差を算出し、以下の基準により評価した。その結果を表1および図7に示す。図7は、アルミナ微粒子の平均粒子径と反射濃度(OD)および記録面と視認面の色差(ΔE)の関係を示すグラフである。
ΔE*ab=〔(ΔL*)2+(Δa*)2+(Δb*)2〕1/2 :(1)
○:ΔE≦3(発色性、鮮明性が良好で、記録面と視認面で色の違いを感じ難い)
△:3<ΔE≦5
×:5<ΔE
Claims (25)
- インクジェット記録用のインクを受容するインク受容層と、全光線透過率が50%以上の透明シートと、を備え、
前記透明シートおよび前記インク受容層が順次積層された積層構造を有し、
前記インク受容層が、少なくとも無機微粒子および重量平均重合度が2,000以上5,000以下、けん化度が70mol%以上90mol%以下のポリビニルアルコールを含有する組成物からなる空隙吸収型のインク受容層であることを特徴とする記録媒体。 - インクジェット記録用のインクを受容するインク受容層と、全光線透過率が50%以上の透明シートと、を備え、
前記透明シートおよび前記インク受容層が順次積層された積層構造を有し、
前記インク受容層が、少なくとも、平均粒子径が120nm以上200nm以下のアルミナ微粒子、ならびに水溶性樹脂および水分散性樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂を含有する組成物からなる空隙吸収型のインク受容層であることを特徴とする記録媒体。 - 前記水溶性樹脂および水分散性樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂が、重量平均重合度が2,000以上5,000以下、けん化度が70mol%以上90mol%以下のポリビニルアルコールである請求項1または2に記載の記録媒体。
- 前記透明シートと前記インク受容層とが相互に当接された積層構造を有する請求項1乃至3のいずれか一項に記載の記録媒体。
- 離型剤を含有する組成物からなる離型層と、前記離型層の支持体となる基材シートと、を更に備え、
前記インク受容層、前記透明シート、前記離型層および前記基材シートが順次積層された積層構造を有する請求項1乃至4のいずれか一項に記載の記録媒体。 - 前記透明シートと前記離型層とが相互に当接され、
前記離型層と前記基材シートとが相互に当接された積層構造を有する請求項5に記載の記録媒体。 - 前記インク受容層に画像が記録されており、
前記画像は、インクジェット記録方式により記録されたものである請求項1乃至6のいずれか一項に記載の記録媒体。 - 前記画像は、前記インク受容層の側から見ると鏡像となり、前記透明シートの側から見ると正像となる反転画像であり、
前記反転画像は、前記インク受容層の前記透明シートが積層されていない面に記録されたものである請求項7に記載の記録媒体。 - 前記画像が、顔料インクにより形成された画像である請求項7または8に記載の記録媒体。
- 画像が支持される画像支持体と、画像が記録された記録媒体と、を備え、
前記記録媒体が、請求項7乃至9のいずれか一項に記載の記録媒体であり、
前記画像支持体、前記インク受容層および前記透明シートが順次積層された積層構造を有することを特徴とする記録物。 - 前記画像支持体が、プライマー層を更に備え、
前記画像支持体、前記プライマー層、前記インク受容層および前記透明シートが順次積層された積層構造を有する請求項10に記載の記録物。 - 前記画像支持体と前記プライマー層とが相互に当接され、
前記プライマー層と前記インク受容層とが相互に当接された積層構造を有する請求項11に記載の記録物。 - インクジェット記録用のインクを受容するインク受容層と、全光線透過率が50%以上の透明シートと、を備え、前記透明シートおよび前記インク受容層が順次積層された積層構造を有する記録媒体の製造方法であって、
前記透明シートの表面に、少なくとも水、無機微粒子および重量平均重合度が2,000以上5,000以下、けん化度が70mol%以上90mol%以下のポリビニルアルコールを含有する塗工液を塗工し、
少なくとも前記無機微粒子および前記ポリビニルアルコールを含有する組成物からなる空隙吸収型のインク受容層を形成することを特徴とする記録媒体の製造方法。 - インクジェット記録用のインクを受容するインク受容層と、全光線透過率が50%以上の透明シートと、を備え、前記透明シートおよび前記インク受容層が順次積層された積層構造を有する記録媒体の製造方法であって、
前記透明シートの表面に、少なくとも水、平均粒子径が120nm以上200nm以下のアルミナ微粒子、ならびに水溶性樹脂および水分散性樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂を含有する塗工液を塗工し、
少なくとも前記アルミナ微粒子および前記樹脂を含有する組成物からなる空隙吸収型のインク受容層を形成することを特徴とする記録媒体の製造方法。 - 前記水溶性樹脂および水分散性樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂として、重量平均重合度が2,000以上5,000以下、けん化度が70mol%以上90mol%以下のポリビニルアルコールを用いる請求項14に記載の記録媒体の製造方法。
- 前記塗工液として、熱融着性樹脂を更に含有する組成物を用いる請求項13乃至15のいずれか一項に記載の記録媒体の製造方法。
- 前記インク受容層を形成した後、前記インク受容層の側から、前記インク受容層と前記透明シートに切り込みを入れるプレカット処理を行う請求項13乃至16のいずれか一項に記載の記録媒体の製造方法。
- 前記透明シート、離型剤を含有する組成物からなる離型層、および前記離型層の支持体となる基材シートが順次積層された積層シートを用い、
前記積層シートを構成する前記透明シートの表面に、前記塗工液を塗工し、
前記インク受容層、前記透明シート、前記離型層および前記基材シートが順次積層された積層構造を有する記録媒体を得る請求項13乃至17のいずれか一項に記載の記録媒体の製造方法。 - 前記記録媒体における前記インク受容層に、画像をインクジェット記録方式により記録する請求項13乃至18のいずれか一項に記載の記録媒体の製造方法。
- 前記記録媒体における前記インク受容層の前記透明シートが積層されていない面に、前記インク受容層の側から見ると鏡像となり、前記透明シートの側から見ると正像となる反転画像を記録する請求項13乃至19のいずれか一項に記載の記録媒体の製造方法。
- 前記画像を形成するインクジェット記録用のインクとして、顔料インクを用いる請求項19または20に記載の記録媒体の製造方法。
- 前記画像を形成しているインクジェット記録用のインクの水分量を、前記インクの総打ち込み量に対して70質量%以下となるまで乾燥する請求項19乃至21のいずれか一項に記載の記録媒体の製造方法。
- 画像が支持される画像支持体と、画像が記録された記録媒体と、を備えた記録物の製造方法であって、
請求項20乃至22のいずれか一項に記載の記録媒体の製造方法により前記記録媒体を得、
前記画像支持体と前記記録媒体とを、前記画像支持体、前記インク受容層および前記透明シートが順次積層されるように当接させた状態で加熱圧着し、前記画像支持体、前記インク受容層および前記透明シートが順次積層された積層構造を有する記録物を得ることを特徴とする記録物の製造方法。 - 前記画像支持体として、プライマー層を更に備えた画像支持体を用い、
前記画像支持体、前記プライマー層、前記インク受容層および前記透明シートが順次積層されるように前記画像支持体および前記記録媒体を配置し、前記画像支持体と前記記録媒体とを加熱圧着し、前記画像支持体、前記プライマー層、前記インク受容層および前記透明シートが順次積層された積層構造を有する記録物を得る請求項23に記載の記録物の製造方法。 - 前記加熱圧着の温度を60℃以上160℃以下に制御する請求項23または24に記載の記録物の製造方法。
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