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JP2016156888A - 画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents

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JP2016156888A JP2015033229A JP2015033229A JP2016156888A JP 2016156888 A JP2016156888 A JP 2016156888A JP 2015033229 A JP2015033229 A JP 2015033229A JP 2015033229 A JP2015033229 A JP 2015033229A JP 2016156888 A JP2016156888 A JP 2016156888A
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靖典 茂永
Yasunori Shigenaga
靖典 茂永
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Abstract

【課題】現像剤の耐久が進み、キャリアの劣化が大きくなった場合であっても、像担持体上、ひいては用紙上の画像濃度を最適に維持することを可能にする。
【解決手段】露光電位と現像バイアス電位との電位差ΔVdが所定の電位差のときに像担持体上に画像濃度制御用のトナーパッチ像を形成し(ステップS11,S12)、そのトナーパッチ像の濃度を画像濃度センサで読み取り、当該画像濃度センサの出力値Dsigを取得する(ステップS13)。そして、画像濃度センサの出力値Dsigの基準値に対する誤差分が所定値(例えば、0.5[V])以上のときにキャリア付着有り、即ちキャリア現像が発生したと判断し(ステップS14)、画像濃度センサの出力値Dsigを補正することによって画像形成条件を制御する(ステップS15)。
【選択図】図9

Description

本発明は、画像形成装置及び画像形成方法に関し、特に、電子写真方式の画像形成装置及び画像形成方法に関する。
電子写真方式の画像形成装置では、静電気を用いて画像の形成を行う特性上、本装置の使用環境における温度、湿度等の環境条件の変動や、現像剤等の経時的な劣化、即ち耐久性の変化によって画像の濃度や線幅が変動してしまう。その結果、安定した画像の形成を行うことができないことになる。
そこで、電子写真方式の画像形成装置では、安定した画像形成を実現するために、画像濃度制御用のトナーパッチ像の濃度を画像濃度センサで検出して画像形成条件にフィードバックする制御が行われている(例えば、特許文献1参照)。トナーパッチ像は、画像濃度を制御(調整)するために専用に形成するパッチ状のトナー像である。
特開2005−165091号公報
ところで、二成分現像剤を用いる画像形成装置において、現像剤の耐久が進むと、キャリアが劣化する。具体的には、現像剤の耐久が進むと、キャリアのコート層が減耗し、キャリアの抵抗値が低下する。その結果、像担持体上へのキャリアの付着(以下、「キャリア現像」と記述する)が発生する。一方、トナーの径が5[μm]程度であるのに対し、キャリアの径は60[μm]程度であり、トナーの約10倍以上の大きさである。そのため、画像濃度制御用のトナーパッチ像内にキャリアが現像されてしまっている場合に、トナーパッチ像の濃度を画像濃度センサが誤検知してしまう。その結果、像担持体上、ひいては用紙上の画像濃度を最適に維持することができなくなる。
そこで、本発明は、現像剤の耐久が進み、キャリアの劣化が大きくなった場合であっても、像担持体上、ひいては用紙上の画像濃度を最適に維持することが可能な画像形成装置及び画像形成方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の画像形成装置は、
露光電位と現像バイアス電位との電位差が所定の電位差のときに像担持体上に画像濃度制御用パターン像を形成する画像形成部と、
画像濃度制御用パターン像の濃度を検出する濃度検出部と、
濃度検出部が検出した濃度に基づく出力値から得られる像担持体上のトナー付着量に基づいて像担持体におけるキャリア付着の有無を判断し、キャリア付着有りの場合に画像形成部の画像形成条件を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする。
また、本発明の画像形成方法は、
露光電位と現像バイアス電位との電位差が所定の電位差のときに像担持体上に画像濃度制御用パターン像を形成する工程と、
画像濃度制御用パターン像の濃度を検出する工程と、
濃度検出部が検出した濃度に基づく出力値から得られる像担持体上のトナー付着量に基づいて像担持体におけるキャリア付着の有無を判断し、キャリア付着有りの場合に画像形成部の画像形成条件を制御する工程と、
の各工程の処理を実行することを特徴とする。
上記構成の画像形成装置あるいは画像形成方法において、露光電位と現像バイアス電位との電位差が所定の電位差のときに像担持体上に形成される画像濃度制御用パターン像の濃度を検出することで、その検出値から像担持体上のトナー付着量を得ることができる。また、像担持体上のトナー付着量から、像担持体におけるキャリア付着の有無を判断することができる。そして、キャリア付着有りと判断した場合に、画像形成部の画像形成条件を制御する。
本発明によれば、キャリア付着の有無を判断し、キャリア付着有りの場合に画像形成条件を制御することで、現像剤の耐久が進み、キャリアの劣化が大きくなった場合であっても、像担持体上、ひいては用紙上の画像濃度を最適に維持することができる。
本発明の一実施形態に係る画像形成装置のシステム構成の概略を示す全体構成図である。 本発明の一実施形態に係る画像形成装置の各部のハードウェア構成を示すブロック図である。 露光電位と現像バイアス電位との電位差ΔVdに対するキャリア個数の変化を示す図である。 画像濃度制御用のトナーパッチ像内にキャリアが付着した際の画像濃度センサの誤検知について説明するモデル図である。 露光電位と現像バイアス電位との電位差ΔVdに対する画像濃度センサの出力値Dsigの変化を示す図である。 露光電位と現像バイアス電位との電位差ΔVdに対する像担持体上のトナー付着量の変化を示す図である。 キャリア現像の発生有りの場合における電位差ΔVd−トナー付着量の曲線の傾きを求める具体例を説明する図である。 キャリア現像の発生有りの場合における各電位差範囲の傾き及び基準に対する傾きの比率を表す図である。 実施例1に係る画像形成条件の制御方法の処理手順を示すフローチャートである。 実施例2に係る画像形成条件の制御方法の処理手順を示すフローチャートである。 実施例3に係る画像形成条件の制御方法の処理手順を示すフローチャートである。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」と記述する)について図面を用いて詳細に説明する。本発明は実施形態に限定されるものではなく、実施形態における種々の数値などは例示である。なお、以下の説明や各図において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
[画像形成装置の構成例]
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置のシステム構成の概略を示す全体構成図である。本実施形態では、複写機に適用する場合を例に挙げている。
図1に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1は、静電気を用いて画像の形成を行う電子写真方式を採用しており、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4色のトナーを重ね合わせるタンデム形式のカラー画像形成装置である。この画像形成装置1は、原稿搬送部10と、用紙収納部20と、画像読取部30と、画像形成部40と、中間転写ベルト50と、2次転写部60と、定着部80と、制御基板90とを有する。
原稿搬送部10は、原稿をセットする原稿給紙台11と、複数のローラ12と、搬送ドラム13と、搬送ガイド14と、原稿排出ローラ15と、原稿排出トレイ16とを有している。原稿給紙台11にセットされた原稿Gは、複数のローラ12及び搬送ドラム13によって、画像読取部30の読取位置に1枚ずつ搬送される。搬送ガイド14及び原稿排出ローラ15は、複数のローラ12及び搬送ドラム13により搬送された原稿Gを原稿排出トレイ16に排出する。
画像読取部30は、原稿搬送部10により搬送された原稿G又は原稿台31に載置された原稿の画像を読み取って、画像データを生成する。具体的には、原稿Gの画像がランプLによって照射される。このランプLからの照射光に基づく原稿Gからの反射光は、第1ミラーユニット32、第2ミラーユニット33、レンズユニット34の順に導かれて、撮像素子35の受光面に結像する。撮像素子35は、入射した光を光電変換して所定の画像信号を出力する。出力された画像信号は、A/D変換されることにより画像データとして作成される。
また、画像読取部30は、画像読取制御部36を有している。画像読取制御部36は、A/D変換によって作成された画像データに、シェーディング補正やディザ処理、圧縮等の周知の画像処理を施して、制御基板90に搭載されたRAM(不図示)に格納する。なお、画像データは、画像読取部30から出力されるデータに限定されず、画像形成装置1に接続されたパーソナルコンピュータや他の画像形成装置などの外部装置から受信したデータであってもよい。
用紙収納部20は、装置本体の下部に配置されており、用紙Sのサイズや種類に応じて複数設けられている。この用紙Sは、給紙部21により給紙されて搬送部23に送られ、搬送部23によって転写位置である2次転写部60に搬送される。また、用紙収納部20の近傍には、手差部22が設けられている。この手差部22からは、ユーザによってセットされる、用紙収納部20に収納されていないサイズの用紙やタグを有するタグ紙、OHPシート等の特殊紙が転写位置へ送られる。
画像読取部30と用紙収納部20との間には、画像形成部40と像担持体である中間転写ベルト50とが配置されている。画像形成部40は、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像を形成するために、4つの画像形成ユニット40Y,40M,40C,40Kを有する。
第1の画像形成ユニット40Yは、イエローのトナー像を形成し、第2の画像形成ユニット40Mは、マゼンダのトナー像を形成する。また、第3の画像形成ユニット40Cは、シアンのトナー像を形成し、第4の画像形成ユニット40Kは、ブラックのトナー像を形成する。これら4つの画像形成ユニット40Y,40M,40C,40Kは、それぞれ同一の構成を有している。したがって、ここでは、第1の画像形成ユニット40Yについて説明する。
第1の画像形成ユニット40Yは、像担持体であるドラム状の感光体41と、感光体41の周囲に配置された帯電部42と、露光部43と、現像部44と、クリーニング部45とを有している。感光体41は、不図示の駆動モータによる駆動の下に回転する。帯電部42は、感光体41に電荷を与えることにより感光体41の表面を一様に帯電する。露光部43は、原稿Gから読み取られた画像データ又は外部装置から送信された画像データに基づいて、感光体41の表面に対して露光を行うことにより感光体41上に静電潜像を形成する。
現像部44は、トナーとキャリアとからなる二成分現像剤を用いて、感光体41上に形成された静電潜像を現像する。トナーは、画像を形成する粒子である。キャリアは、現像部44内でのトナーとの混合において摩擦帯電によりトナーに適正な電荷を与える機能と、感光体41と対向する現像領域にトナーを搬送する機能と、感光体41上の静電潜像にトナーが忠実に現像できるように現像電界を形成する機能とを持っている。この現像部44は、感光体41に形成された静電潜像にイエローのトナーを付着させる。これにより、感光体41の表面には、イエローのトナー像が形成される。
なお、第2の画像形成ユニット40Mの現像部44は、感光体41にマゼンタのトナーを付着させ、第3の画像形成ユニット40Cの現像部44は、感光体41にシアンのトナーを付着させる。そして、第4の画像形成ユニット40Kの現像部44は、感光体41にブラックのトナーを付着させる。
クリーニング部45は、感光体41の表面に残留しているトナーを除去する。
感光体41上に付着したトナーは、中間転写体の一例である中間転写ベルト50に転写される。中間転写ベルト50は、無端状に形成されており、複数のローラに掛け渡されている。この中間転写ベルト50は、不図示の駆動モータによる駆動の下に、感光体41の回転(移動)方向とは逆方向に回転する。
中間転写ベルト50における各画像形成ユニット40Y,40M,40C,40Kの感光体41と対向する位置には、1次転写部51が設けられている。この1次転写部51は、中間転写ベルト50にトナーと逆極性の電圧を印加させることで、感光体41上に付着したトナーを中間転写ベルト50に転写する。
そして、中間転写ベルト50が回転することで、4つの画像形成ユニット40Y,40M,40C,40Kで形成されたトナー像が、中間転写ベルト50の表面に順次転写される。これにより、中間転写ベルト50上には、イエロー、マゼンダ、シアン及びブラックのトナー像が重なり合うことによってカラー画像が形成される。
また、中間転写ベルト50には、ベルトクリーニング装置53が対向している。このベルトクリーニング装置53は、用紙Sへのトナー画像の転写を終えた中間転写ベルト50の表面を清掃する。
中間転写ベルト50の近傍で、かつ搬送部23の用紙搬送方向の下流には、2次転写部60が配置されている。この2次転写部60は、搬送部23によって搬送されてきた用紙Sを中間転写ベルト50に接触させることにより、中間転写ベルト50の外周面上に形成されたトナー像を用紙Sに転写する。
2次転写部60は、2次転写ローラ61を有している。2次転写ローラ61は、対向ローラ52に圧接されている。そして、2次転写ローラ61と中間転写ベルト50とが接触する部分は、2次転写ニップ部62となる。この2次転写ニップ部62の位置は、中間転写ベルト50の外周面上に形成されたトナー像を用紙Sに転写する転写位置である。
2次転写部60における用紙Sの排出側には、定着部80が設けられている。この定着部80は、用紙Sを加圧及び加熱して、転写されたトナー像を用紙Sに定着させる。定着部80は、例えば、一対の定着部材である定着上ローラ81及び定着下ローラ82で構成されている。定着上ローラ81及び定着下ローラ82は、互いに圧接した状態で配置されており、定着上ローラ81と定着下ローラ82との圧接部として定着ニップ部が形成される。
定着上ローラ81の内部には、加熱部が設けられている。この加熱部からの輻射熱により定着上ローラ81のローラ部が温められる。そして、定着上ローラ81のローラ部の熱が用紙Sへ伝達されることにより、用紙S上のトナー像が定着される。
用紙Sは、2次転写部60によってトナー像が転写された面(定着対象面)が定着上ローラ81と向き合うように搬送され、定着ニップ部を通過する。したがって、定着ニップ部を通過する用紙Sには、定着上ローラ81と定着下ローラ82とによる加圧と、定着上ローラ81のローラ部の熱による加熱が行われる。
定着部80の用紙Sの搬送方向の下流には、切換ゲート24が配置されている。切換ゲート24は、定着部80を通過した用紙Sの搬送路を切り換える。すなわち、切換ゲート24は、用紙Sの片面への画像形成におけるフェースアップ排紙を行う場合に、用紙Sを直進させる。これにより、用紙Sは、一対の排紙ローラ25によって排紙される。また、切換ゲート24は、用紙Sの片面への画像形成におけるフェースダウン排紙を行う場合、及び用紙Sの両面への画像形成を行う場合に、用紙Sを下方に案内する。
フェースダウン排紙を行う場合は、切換ゲート24によって用紙Sを下方に案内した後に、用紙反転搬送部26によって用紙Sの表裏を反転して上方に搬送する。これにより、表裏が反転された用紙Sは、一対の排紙ローラ25によって排紙される。用紙Sの両面への画像形成を行う場合は、切換ゲート24によって用紙Sを下方に案内した後に、用紙反転搬送部26によって用紙Sの表裏を反転する。そして、表裏が反転された用紙Sは、再給紙路27によって再び転写位置へ送られる。
一対の排紙ローラ25の下流側には、用紙Sを折ったり、用紙Sに対してステープル処理等を行ったりする後処理装置を配置してもよい。
また、中間転写ベルト50におけるベルトクリーニング装置53と2次転写部60との間には、画像の濃度を検出する濃度検出部の一例である画像濃度センサ91が配置されている。すなわち、画像濃度センサ91は、中間転写ベルト50の回転方向における2次転写部60よりも下流側に配置されている。この画像濃度センサ91は、中間転写ベルト50に向けて光を照射する発光部と、この照射光に基づく中間転写ベルト50からの反射光を受光する受光部とを有している。画像濃度センサ91は、発光部及び受光部が中間転写ベルト50の表面と対向するように設けられている。
[画像形成装置の各部のハードウェア構成]
次に、画像形成装置1の各部のハードウェア構成について、図2を参照して説明する。図2は、画像形成装置1の各部のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2に示すように、画像形成装置1は、制御部100を備えている。この制御部100は、上述の制御基板90(図1参照)上に構成されている。
制御部100は、例えばCPU(中央演算処理装置)101と、CPU101が実行するプログラム等を記憶するためのROM(Read Only Memory)102と、CPU101の作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)103とを有している。なお、ROM102としては、例えば、通常電気的に消去可能なプログラマブルROMを用いることができる。
CPU101は、画像形成装置1の全体を制御する。このCPU101は、HDD104、操作表示部105、通信部108にそれぞれシステムバス107を介して接続されている。さらに、CPU101は、画像読取部30、画像処理部106、画像形成部40、給紙部21、2次転写部60、定着部80、画像濃度センサ91にシステムバス107を介して接続されている。
HDD104は、画像読取部30で読み取って得た原稿画像の画像データを記憶したり、出力済みの画像データ等を記憶したりする。操作表示部105は、液晶表示装置(LCD)又は有機ELD(Electro Luminescence Display)等のディスプレイからなるタッチパネルである。この操作表示部105は、ユーザに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。さらに、操作表示部105は、複数のキーを備え、ユーザのキー操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付けて、入力信号を制御部100に出力する。
通信部108は、外部の情報処理装置であるPC(パーソナルコンピュータ)120から送信されるジョブ情報を、通信回線を介して受け取る。そして、受け取ったジョブ情報を、システムバス107を介して制御部100に送る。ジョブ情報には、形成する画像の画像データと、その画像データに対応付けられた使用する用紙の種類及び枚数などの情報が含まれている。
なお、本実施形態では、外部装置としてパーソナルコンピュータを適用した例を説明したが、これに限定されるものではなく、外部装置としては、例えばファクシミリ装置等その他各種の装置を適用することができる。
画像濃度センサ91は、制御部100により駆動制御され、中間転写ベルト50に光を照射すると共に、中間転写ベルト50から反射された光を受光する。この画像濃度センサ91は、この光の照射及び受光によって、中間転写ベルト50上の画像濃度制御用パターン像の濃度を検出し、その検出結果を制御部100に送信する。制御部100は、画像濃度センサ91から受信した情報に基づいて、画像形成部40が画像を形成する際の画像形成条件を調整する。なお、画像形成条件の調整の詳細については後述する。
画像読取部30は、原稿画像を光学的に読み取って電気信号に変換する。例えば、カラー原稿を読み取る場合は、一画素当たりRGB各10ビットの階調の輝度情報を持つ画像データを生成する。画像読取部30によって生成された画像データや、画像形成装置1に接続された外部装置の一例であるPC120から送信される画像データは、画像処理部106に送られ、画像処理される。画像処理部106は、受信した画像データに対してアナログ処理、A/D変換、シェーディング補正、画像圧縮等の処理を行う。
例えば、画像形成装置1でカラー画像を形成する場合、画像読取部30等によって生成されたR・G・Bの画像データを画像処理部106における色変換LUT(Look Up Table)に入力する。そして、画像処理部106は、R・G・BデータをY・M・C・Kの画像データに色変換する。そして、色変換した画像データに対して、階調再現特性の補正、濃度補正LUTを参照した網点などのスクリーン処理、あるいは細線を強調するためのエッジ処理などを行う。
制御部100は、画像形成部40を駆動制御し、画像濃度制御用のトナー像又は画像形成用のトナー像を形成し、中間転写ベルト50に1次転写する。また、制御部100は、2次転写部60を駆動制御し、中間転写ベルト50が担持するトナー画像を用紙Sに2次転写する。また、制御部100は、定着部80を駆動制御し、用紙Sを加圧及び加熱して、トナー画像を用紙Sに定着させる。
[画像安定化制御について]
上述した電子写真方式の画像形成装置1では、形成する画像(即ち、出力画像)の濃度が目標濃度になるように、画像形成部40の画像形成条件を調整する画像安定化制御が行われる。画像形成条件としては、現像バイアス電圧、現像θ、トナー濃度などを例示することができる。現像バイアス電圧は、露光電位、即ち露光後の感光体41の表面電位よりもΔVdだけ大きく設定される。これにより、感光体41と現像剤担持体との間に電位差ΔVdによって電界が生ずる。また、現像θは、プロセススピードに対する現像剤搬送速度の比である。
画像安定化制御は、中間転写ベルト50等の像担持体上に形成した画像濃度制御用パターン像の濃度を画像濃度センサ91で検出し、その検出結果(出力値)を画像形成部40の画像形成条件にフィードバックし、画像形成条件に反映させることによって行われる。ここで、「画像濃度制御用パターン像」とは、例えばトナーパッチ像と呼称される、画像濃度を制御(調整)するために形成されるパッチ状のトナー像である。この画像安定化制御を行うことにより、画像の形成を不安定にする要因が存在しても、画像を安定して形成することができる。
[キャリア現像について]
電子写真方式の画像形成装置1では、露光電位と現像バイアス電位との電位差ΔVdが増加すると、トナー部へのキャリアの付着個数(以下、「キャリア個数」と記述する)が増加する。これがキャリア現像である。図3に、電位差ΔVd[V]に対するキャリア個数[個/単位面積]の変化を示す。図3において、現像剤の耐久初期の場合の変化を実線で示し、現像剤の耐久末期の場合の変化を破線で示している。
現像剤の耐久初期では、電位差ΔVdが700[V]程度まではトナー部に付着するキャリア個数は極めて少なく、700[V]を超えると僅かに増加する程度である。これに対して、現像剤の耐久末期では、電位差ΔVdが400[V]程度まではトナー部に付着するキャリア個数は少ないものの、400[V]を超えると増加し始め、600[V]で50[個/単位面積]程度、800[V]で120[個/単位面積]程度、900[V]で200[個/単位面積]程度まで増加する。
また、現像剤の耐久が進み、キャリアのコート層が減耗すると、キャリアの抵抗値が低下してキャリア現像が発生しやすくなる。具体的には、キャリアの抵抗値が低下すると、現像バイアスにて負の高圧をかけた際に、キャリアに負電荷が注入されてしまい、トナーと同じ極性となる。これにより、抵抗値が低下したキャリアは、現像部44の現像剤担持体(現像スリーブ)の表層から感光体41の方向へ電場による力を受け、通常のトナーと同様に現像されてしまう。すなわち、キャリア現像が発生する。
[キャリアによる画像濃度センサの誤検知について]
ここで、キャリアは、トナーの約10倍以上の大きさであるため、画像濃度制御用パターン像であるトナーパッチ像内にキャリアが現像されてしまっている場合に、トナーパッチ像の濃度を画像濃度センサ91が誤検知してしまう。このキャリアによる画像濃度センサ91の誤検知について、図4を用いてより具体的に説明する。
図4は、画像濃度制御用のトナーパッチ像内にキャリアが付着した際の画像濃度センサ91の誤検知について説明するモデル図である。図4Aに、キャリア現像の発生無しの場合のモデルを示し、図4Bに、キャリア現像の発生有りの場合のモデルを示している。画像濃度センサ91は、発光ダイオード等からなる発光部911と、フォトトランジスタ等からなる受光部912とを有している。
キャリア現像の発生無し(図4A)の場合は、発光部911から像担持体上のトナーパッチ像に照射された光がトナーの表面で反射され、その反射光が受光部912に入射する。これにより、画像濃度センサ91は、反射光の光量に応じたレベルの濃度検出信号を出力する。画像濃度センサ91は、トナーの量が少ないと、像担持体からの反射光量が増えるため、大きいレベルの濃度検出信号を出力し、逆に、トナーの量が多いと、像担持体からの反射光量が少なくなるため、小さいレベルの濃度検出信号を出力する。
キャリア現像の発生有り(図4B)の場合は、発光部911から像担持体上のトナーパッチ像に光が照射されるが、トナー(径が5[μm]程度)よりも非常に大きいキャリア(径が60[μm]程度)が障害となって、トナーの表面からの反射光の一部が受光部912に入射できなくなる。これにより、受光部912の濃度検出信号のレベル(出力値)が、キャリア現像の発生無しの場合よりも低くなるため、画像濃度センサ91は画像濃度が濃いと誤検知する。
[電位差ΔVdに対するセンサ出力値Dsigの関係について]
図5に、露光電位と現像バイアス電位との電位差ΔVd[V]に対する画像濃度センサ91の出力値(濃度検出信号のレベル)Dsig[V]の変化を示す。図5において、キャリア現像の発生無しの場合の変化を実線で示し、キャリア現像の発生有りの場合の変化を破線で示している。図5は、電位差ΔVdを100[V]ごとに変化させて画像濃度制御用のトナーパッチ像を作成したときの、キャリア現像の発生無しの場合の画像濃度センサ91の出力値Dsigの変化と、キャリア現像の発生有りの場合の画像濃度センサ91の出力値Dsigの変化とを表している。
キャリア現像は現像剤の耐久が進むと発生する。したがって、キャリア現像の発生無しの場合の画像濃度センサ91の出力値Dsigの変化については、現像剤の耐久初期において、電位差ΔVdを100[V]ごとに変化させて画像濃度制御用のトナーパッチ像を作成し、その濃度を画像濃度センサ91で検出することによって取得できる。一方、キャリア現像の発生有りの場合の画像濃度センサ91の出力値Dsigの変化は、現像剤の耐久中・後期において、電位差ΔVdを100[V]ごとに変化させて画像濃度制御用のトナーパッチ像を作成したときの画像濃度センサ91の実測値の変化となる。
図5から明らかなように、キャリア現像の発生無しの場合は、露光電位と現像バイアス電位との電位差ΔVdが高くなるにつれて、画像濃度センサ91の出力値Dsigが徐々に減少する。これに対して、キャリア現像の発生有りの場合は、露光電位と現像バイアス電位との電位差ΔVdが高い領域で画像濃度センサ91の出力値Dsigが大きく減少する。
本発明者の実験によれば、露光電位と現像バイアス電位との電位差ΔVdがΔVd=600[V]の条件の下で、画像上にキャリア起因による白抜けが発生することが確認されている。ΔVd=600[V]付近では、キャリア現像の発生無しの場合とキャリア現像の発生有りの場合との、画像濃度センサ91の出力値Dsigの誤差分は約0.5[V]である。
耐久初期の現像剤と、耐久が進んだ現像剤との比較については、トナーの帯電量Q/M(Qは電荷量、Mは質量)を揃えて行う。耐久初期の現像剤のときに、現像剤中のトナー濃度Tc[%]を変更して複数の水準を設定し、異なる複数の帯電量Q/Mでの電位差ΔVdと画像濃度センサ91の出力値Dsigとの関係式を求めて記憶しておく。
上述した、露光電位と現像バイアス電位との電位差ΔVdに対する画像濃度センサ91の出力値Dsigの関係から、図5に示す例の場合には、画像濃度センサ91の出力値Dsigに約0.5[V]の誤差(差分)が生じたときにキャリア現像が発生したと判断することができる。具体的には、キャリア現像の発生無しの場合の画像濃度センサ91の出力値Dsigを、キャリア現像の発生有無の判断の基準値とする。そして、当該基準値に対する画像濃度センサ91の実測値(出力値Dsig)の差分が所定値(例えば、0.5[V])以上のときにキャリア付着有り、即ちキャリア現像の発生有りと判断する。
[電位差ΔVdに対する像担持体上のトナー付着量の関係について]
図6に、露光電位と現像バイアス電位との電位差ΔVd[V]に対する像担持体上のトナー付着量[g/m2]の変化を示す。図6において、キャリア現像の発生無しの場合の変化を実線で示し、キャリア現像の発生有りの場合の変化を破線で示している。図6は、電位差ΔVdを100[V]ごとに変化させて画像濃度制御用のトナーパッチ像を作成したときの、キャリア現像の発生無しの場合のトナー付着量の変化と、キャリア現像の発生有りの場合のトナー付着量の変化とを表している。
キャリア現像の発生無しの場合は、露光電位と現像バイアス電位との電位差ΔVdに対して像担持体上のトナー付着量は一次直線的に増加する。一方、キャリア現像の発生有りの場合は、露光電位と現像バイアス電位との電位差ΔVdに対するトナー付着量の関係は一次直線的な関係とはならず、変曲点を持つように変化する。したがって、露光電位と現像バイアス電位との電位差ΔVdに対するトナー付着量の変化に変曲点があるか否かによってキャリア付着の有無、即ちキャリア現像の発生の有無を判断することができる。
電位差ΔVdに対するトナー付着量の変化に変曲点があるか否かの判断は、次のようにして行うことができる。図6に示す例では、露光電位と現像バイアス電位との電位差ΔVdが小さい領域、具体的には100[V]〜300[V]の領域では、キャリア現像の発生がほぼ無いので、この領域での一次直線の傾きを基準とする。そして、100[V]−300[V]の領域での傾きを基準として、300[V]以上の領域での曲線の傾きがこの基準の傾きに対して所定比率以上である場合に変曲点があり、キャリア現像が発生したと判断する。
ここで、キャリア現像の発生有りの場合における電位差ΔVd−トナー付着量の曲線の傾きを求める具体例について図7を用いて説明する。図7に示す例では、100[V]−300[V]、300[V]−500[V]、400[V]−600[V]、500[V]−700[V]、700[V]−900[V]の電位差範囲で、例えば100[V]ごとの各3点のデータから各電位差範囲における直線の傾きを算出する。例えば、300[V]−500[V]の電位差範囲では、□印で示す300[V],400[V],500[V]の3点のデータから傾きを求め、500[V]−700[V]の電位差範囲では、△印で示す500[V],600[V],700[V]の3点のデータから傾きを求める。
各電位差範囲においては、各3点のデータのうち2点ずつのデータから2つの直線の傾きを求め、2つの直線の傾きの平均値を各電位差範囲の直線の傾きとする。ここでは、100[V]ごとの各3点のデータから各電位差範囲における直線の傾きを算出するとしているが、2点のデータから傾きを算出するようにしてもよいし、50[V]ごとにして、4点以上のデータから傾きを算出するようにしてもよい。データ数が多いほど、傾きの算出精度を上げることができる。
一例として、図7に示す例の場合には、100[V]−300[V]の電位差範囲での直線の式は、y=0.0097x+0.0133となり、この傾き0.0097を基準とする。300[V]−500[V]の電位差範囲での直線の式は、y=0.0109x−0.2967となり、400[V]−600[V]の電位差範囲での直線の式は、y=0.012x−0.7667となる。また、500[V]−700[V]の電位差範囲での直線の式は、y=0.0145x−2.1667となり、700[V]−900[V]の電位差範囲での直線の式は、y=0.02x−6となる。因みに、キャリア現像の発生無しの場合の一次直線の式は、y=0.0089x+0.3375となる。
そして、100[V]−300[V]の電位差範囲での傾きを基準として、各電位差範囲の傾きの比率を算出する。図8に、キャリア現像の発生有りの場合における各電位差範囲の傾き及び基準に対する傾きの比率を表す。100[V]−300[V]の電位差範囲での傾きを基準としたとき、この基準に対する傾きの比率は、300[V]−500[V]の電位差範囲で1.12倍、400[V]−600[V]の電位差範囲で1.24倍、500[V]−700[V]の電位差範囲で1.49倍、700[V]−900[V]の電位差範囲で2.06倍となる。
先述したように、本発明者の実験によれば、露光電位と現像バイアス電位との電位差ΔVdがΔVd=600[V]の条件の下で、画像上にキャリア起因による白抜けが発生することが確認されている。したがって、上述した、各電位差範囲での基準の一次直線の傾きに対する傾きの関係から、100[V]−300[V]の電位差範囲での傾きを基準とする。そして、基準の傾きに対して傾きの比率が約1.3倍以上となっている電位差範囲で電位差ΔVdに対するトナー付着量の変化に変曲点がある、即ちキャリア現像が発生していると判断することができる。
以上説明したように、複数の電位差ΔVdに対応する複数のトナーパッチ像に関する画像濃度センサ91の出力値Dsigから、電位差ΔVdに対する像担持体上のトナー付着量の変化を求めることで、当該変化に基づいてキャリア付着の有無、即ちキャリア現像の発生の有無を判断することができる。
すなわち、複数のトナーパッチ像に関する画像濃度センサ91の出力値Dsigから取得した基準値に対する画像濃度センサ91の実測値(出力値Dsig)の差分(誤差分)に基づいてキャリア現像の発生の有無を判断することができる。具体的には、図5に示す例の場合には、キャリア現像の発生無しの場合の画像濃度センサ91の出力値Dsigを基準値とし、当該基準値に対する画像濃度センサ91の実測値の差分が所定値(例えば、0.5[V])以上のときに、キャリア現像が発生したと判断することができる。
また、露光電位と現像バイアス電位との電位差ΔVdに対する像担持体上のトナー付着量の変化に変曲点があるか否かによっても、キャリア付着の有無を判断することができる。具体的には、図7に示す例の場合には、100[V]−300[V]の電位差範囲での基準の傾きに対して傾きの比率が例えば1.3倍以上となっている電位差範囲のときに、電位差ΔVdに対するトナー付着量の変化に変曲点があり、キャリア現像が発生していると判断することができる。
あるいは、耐久でのトナー帯電量Q/M、現像剤中のトナー濃度Tc[%]の変化を考慮した「露光電位と現像バイアス電位との電位差ΔVdに対する像担持体上のトナー付着量の変化」をあらかじめ測定しておく。そして、その電位差ΔVd−トナー付着量の変化の関係式で与えられる直線を基準とし、画像濃度センサ91の出力値Dsigから得られる像担持体上のトナー付着量として基準との差分が例えば1[g/m2]以上あるときに、キャリア現像が発生したと判断することができる。
[キャリア現像の発生有りの場合の画像形成条件の制御について]
本発明の一実施形態では、画像濃度センサ91の出力値Dsigから得られる像担持体上のトナー付着量に基づいてキャリア現像の発生の有無を判断し、キャリア現像の発生有り、即ちキャリア付着有りの場合に、画像形成部40の画像形成条件を制御するようにする。この制御は、図2の制御部100による制御の下に実行される。
すなわち、制御部100は、画像濃度センサ91の出力値Dsigから得られる像担持体上のトナー付着量を求め、このトナー付着量に基づいてキャリア現像の発生の有無を判断し、キャリア現像の発生有りの場合に画像形成条件を制御する。この制御により、現像剤の耐久が進み、キャリアの劣化が大きくなった場合であっても、像担持体上、ひいては用紙上の画像濃度を最適に維持することができる。
以下に、制御部100による制御の下に実行される、キャリア現像の発生有りの場合における画像形成条件の制御方法(画像形成方法)の具体的な実施例について説明する。なお、キャリア現像は現像剤の耐久が進むと発生することから、本制御については、現像剤の使用期間が所定期間過ぎた段階から実行することが好ましい。また、制御部100による制御は、現像剤の使用期間が所定期間経過した後、一定期間、例えば20〜30時間程度の時間間隔で実行されることとする。
(実施例1)
図9は、実施例1に係る画像形成条件の制御方法の処理手順を示すフローチャートである。
制御部100は、最初に、露光電位と現像バイアス電位との電位差ΔVdを設定する処理を実行する(ステップS11)。電位差ΔVdについては、現像バイアス電圧もしくは画像形成ユニットの露光エネルギーを変えることによって変更することができる。後述する実施例においても同様である。ステップS11の処理では、先ず、電位差ΔVdを100[V]に設定する(図5参照)。
次に、制御部100は、設定した電位差ΔVdの下で像担持体上に画像濃度制御用のトナーパッチ像を作成し(ステップS12)、次いで、画像濃度センサ91の出力値Dsigを取得する(ステップS13)。画像濃度センサ91の出力値Dsigからは、トナーパッチ像の濃度、より具体的には像担持体上のトナー付着量を求めることができる。
次に、制御部100は、キャリア現像の発生無しのときの出力値Dsigを基準値とするとき、当該基準値に対する画像濃度センサ91の実測値(出力値Dsig)の誤差分が例えば約0.5[V]以上か否かを判断する(ステップS14)。この判断処理により、画像濃度センサ91の出力値Dsigの誤差分が約0.5[V]以上であれば、図5を用いて説明したように、像担持体上にキャリア付着有り、即ちキャリア現像が発生したと判断することができる。
制御部100は、ステップS14において画像濃度センサ91の出力値Dsigの誤差分が約0.5[V]未満であると判断(NO)した場合は、ステップS11に戻ってステップS11からステップS14までの処理を繰り返す。図5を用いて説明したように、ΔVd=600[V]付近では、キャリア現像の発生無しの場合とキャリア現像の発生有りの場合との、画像濃度センサ91の出力値Dsigの誤差分は約0.5[V]となる。したがって、本例の場合には、ステップS11で電位差ΔVdが600[V]に設定されるまで、ステップS11からステップS14までの処理が繰り返されることになる。
制御部100は、ステップS14において、実測値である画像濃度センサ91の出力値Dsigの誤差分が約0.5[V]以上であると判断(YES)した場合、即ちキャリア現像の発生有りの場合は、画像濃度センサ91の出力値Dsigを補正することによって画像形成条件を変更する(ステップS15)。制御部100は、画像濃度センサ91の出力値Dsigに補正を加える処理では、画像濃度センサ91の出力値Dsig(検出値)に誤差分(0.5[V])を加える補正処理を行う。
上述したように、実施例1に係る制御方法によれば、キャリア現像の発生有りと判断した際に、画像濃度センサ91の出力値Dsig(検出値)に誤差分(0.5[V])を加える制御が行われる。その結果、現像剤の耐久が進み、キャリアの劣化が大きくなった場合であっても、像担持体上、ひいては用紙上の画像濃度を最適に維持することができる。
(実施例2)
図10は、実施例2に係る画像形成条件の制御方法の処理手順を示すフローチャートである。
制御部100は、最初に、露光電位と現像バイアス電位との電位差ΔVdを設定する処理を実行し(ステップS21)、次いで、設定した電位差ΔVdの下で像担持体上に画像濃度制御用のトナーパッチ像を作成し(ステップS22)、次いで、画像濃度センサ91の出力値Dsigを取得する(ステップS23)。
次に、制御部100は、キャリア現像の発生無しのときの出力値Dsigを基準とするとき、当該基準に対する画像濃度センサ91の出力値Dsigの誤差分が例えば約0.5[V]以上か否かを判断する(ステップS24)。そして、本例の場合には、制御部100は、ステップS21で電位差ΔVdを600[V]に設定するまで、ステップS21からステップS24までの処理を繰り返すことになる。
制御部100は、ステップS24において画像濃度センサ91の出力値Dsigの誤差分が約0.5[V]以上であると判断(YES)した場合、即ちキャリア現像の発生有りと判断した場合は、画像濃度制御用の目標値を補正することによって画像形成条件を変更する(ステップS25)。
画像濃度センサ91の出力値Dsigに基づいて画像濃度を一定に制御する際の出力値Dsigの制御閾値は、使用している画像濃度センサ91や画像形成装置1の構成によって異なる。ここでは、一例として、出力値Dsigの制御閾値を2.0[V]としており、通常は、Dsig=2.0[V]を画像濃度制御用の目標値とする。そして、キャリア現像の発生有りの場合は、制御部100は、ステップS25の処理において、通常の目標値(2.0[V])、即ち画像濃度センサ91の制御閾値に誤差分(−0.5[V])を加えた1.5[V]を目標値とする補正処理を行う。
上述したように、実施例2に係る制御方法によれば、キャリア現像の発生有りと判断した際に、画像濃度制御用の目標値に補正を加える制御が行われる。その結果、現像剤の耐久が進み、キャリアの劣化が大きくなった場合であっても、像担持体上、ひいては用紙上の画像濃度を最適に維持することができる。
像担持体上のキャリア付着の程度が低い(付着量が少ない)場合は、画像のキャリア付着の影響が小さい(あるいは、影響が見られない)ために、画像濃度センサ91の出力値Dsigを補正する制御(実施例1)や、画像濃度制御用の目標値を補正する制御(実施例2)で対応できる。しかし、像担持体上のキャリア付着の程度が高い(付着量が多い)場合は、白抜けなどの画像不良が発生してしまうため、使用する電位差ΔVdを制限する必要が出てくる。この点に鑑みてなされたのが、以下に説明する実施例3である。
(実施例3)
図11は、実施例3に係る画像形成条件の制御方法の処理手順を示すフローチャートである。
制御部100は、最初に、露光電位と現像バイアス電位との電位差ΔVdを設定する処理を実行し(ステップS31)、次いで、設定した電位差ΔVdの下で像担持体上に画像濃度制御用のトナーパッチ像を作成し(ステップS32)、次いで、画像濃度センサ91の出力値Dsigを取得する(ステップS33)。
次に、制御部100は、キャリア現像の発生無しのときの出力値Dsigを基準とするとき、当該基準に対する画像濃度センサ91の出力値Dsigの誤差分が例えば約0.5[V]以上か否かを判断する(ステップS34)。そして、本例の場合には、制御部100は、ステップS31で電位差ΔVdを600[V]に設定するまで、ステップS31からステップS34までの処理を繰り返すことになる。
制御部100は、ステップS34で画像濃度センサ91の出力値Dsigの誤差分が約0.5[V]以上である(キャリア現像の発生有り)と判断(YES)した場合、露光電位と現像バイアス電位との電位差ΔVdをキャリア現像が発生しない領域に制限する(ステップS35)。本例の場合、キャリア現像が発生しない領域は、600[V]未満の電位差領域であり、現像バイアス電圧を変えることによって電位差ΔVdをキャリア現像が発生しない領域に制限することができる。
例えば、本来、ΔVd=600[V]で使用するところを、キャリア現像が発生しない領域への制限によってΔVd=400[V]に設定した場合、電位差ΔVdを200[V]低く設定したことにより、キャリア付着量が低下する。このため、画像(濃度)安定化処理により、プロセススピードに対する現像剤搬送速度の比である現像θを通常よりも高く設定して濃度が確保されることになる。すなわち、電位差ΔVdをキャリア現像が発生しない領域に制限することにより、他のパラメータ(本例では、現像θ)により、画像濃度を確保することができる。
なお、ハードウェア的な制約として、使用可能な現像θの設定範囲がある。そのため、電位差ΔVdをキャリア現像が発生しない領域に制限することにより、現像θの設定範囲を超える場合が出てくる可能性がある。このような場合でも、現像剤中のトナー濃度Tc[%]を上げるなどすれば、支障なく画像濃度を確保することができる。
上述したように、実施例3に係る制御方法によれば、キャリア現像の発生有りと判断した際に、電位差ΔVdをキャリア現像が発生しない領域に制限する制御が行われる。その結果、現像剤の耐久が進み、キャリアの劣化が大きくなった場合であっても、像担持体上、ひいては用紙上の画像濃度を最適に維持することができる。
以上説明した実施例1乃至実施例3では、キャリア現像の発生無しの場合の画像濃度センサ91の出力値Dsigを基準値とし、当該基準値に対する画像濃度センサ91の実測値(出力値Dsig)の差分に基づいてキャリア現像の発生の有無を判断するとしたが、これに限られるものではない。具体的には、例えば、露光電位と現像バイアス電位との電位差ΔVdに対するトナー付着量の変化に変曲点があるか否かによってキャリア現像の発生の有無を判断することもできる。あるいは、耐久でのトナー帯電量Q/M、現像剤中のトナー濃度Tc[%]の変化を考慮した「露光電位と現像バイアス電位との電位差ΔVdに対する像担持体上のトナー付着量の変化」をあらかじめ測定しておき、それを基準としてキャリア現像の発生の有無を判断することもできる。
[変形例]
以上、本発明について実施形態を用いて説明したが、本発明は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。すなわち、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で上記実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
例えば、上記実施形態では、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1として複写機を例に挙げたが、この適用例に限られるものではない。すなわち、本発明は、複写機の他、プリンタ装置、ファクシミリ装置、印刷機、複合機など、二成分現像剤を用いる電子写真方式の画像形成装置全般に対して適用可能である。
また、上記実施形態では、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1として、カラー式画像形成装置を例示し、像担持体である中間転写ベルト50上の画像濃度制御用のトナーパッチ像の濃度を画像濃度センサ91によって検出するとしたが、この適用例に限られるものではない。すなわち、カラー式画像形成装置の他、モノクロ式画像形成装置にも適用可能である。
モノクロ式画像形成装置への適用の場合は、像担持体である感光体41上の画像濃度制御用のトナーパッチ像の濃度を画像濃度センサ91によって検出することになる。また、図7を用いて説明した、キャリア現像の発生有りの場合における電位差ΔVd−トナー付着量の曲線の傾きを求めるにあたって、感光体41の振れの影響を排除するために、例えば、感光体の回転角度において90°ごと、180°ごとに同一条件のトナーパッチ像を作成し、その平均をとるようにしてもよい。
1…画像形成装置、 10…原稿搬送部、 20…用紙収納部、 30…画像読取部、 40…画像形成部、 50…中間転写ベルト、 51…1次転写部、 60…2次転写部、80…定着部、 91…画像濃度センサ、100…制御部

Claims (9)

  1. 露光電位と現像バイアス電位との電位差が所定の電位差のときに像担持体上に画像濃度制御用パターン像を形成する画像形成部と、
    前記画像濃度制御用パターン像の濃度を検出する濃度検出部と、
    前記濃度検出部が検出した濃度に基づく出力値から得られる前記像担持体上のトナー付着量に基づいて前記像担持体におけるキャリア付着の有無を判断し、キャリア付着有りの場合に前記画像形成部の画像形成条件を制御する制御部と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記画像形成部は、前記所定の電位差として複数の電位差が設定される場合に、前記複数の電位差に対応して前記画像濃度制御用パターン像を複数形成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記制御部は、前記画像形成部によって形成された複数の画像濃度制御用パターン像に関する前記濃度検出部の出力値から、露光電位と現像バイアス電位との電位差に対する前記像担持体におけるトナー付着量の変化を求め、当該変化に基づいて前記像担持体におけるキャリア付着の有無を判断する
    ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記制御部は、前記複数の画像濃度制御用パターン像に関する前記濃度検出部の出力値に基づいて取得した基準値に対する前記濃度検出部が検出した実測値の差分に基づいて前記像担持体におけるキャリア付着の有無を判断する
    ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記制御部は、露光電位と現像バイアス電位との電位差に対するトナー付着量の変化に基づいた変曲点があるか否かによって前記像担持体におけるキャリア付着の有無を判断する
    ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  6. 前記制御部は、前記濃度検出部の出力値を補正することによって前記画像形成条件を制御する
    請求項1から5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記制御部は、前記濃度検出部が有する制御閾値を補正することによって前記画像形成条件を制御する
    請求項1から5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記制御部は、露光電位と現像バイアス電位との電位差を前記像担持体におけるキャリア付着が発生しない領域に制限する
    請求項1から5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  9. 露光電位と現像バイアス電位との電位差が所定の電位差のときに像担持体上に画像濃度制御用パターン像を形成するステップと、
    前記画像濃度制御用パターン像の濃度を検出するステップと、
    前記検出された濃度に基づく出力値から得られる前記像担持体上のトナー付着量に基づいて前記像担持体におけるキャリア付着の有無を判断し、キャリア付着有りの場合に画像形成条件を制御するステップと、を有し、
    前記各ステップの処理を実行することを特徴とする画像形成方法。
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JP2020149004A (ja) * 2019-03-15 2020-09-17 株式会社リコー 画像形成装置

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