JP2016148259A - 排気浄化装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】排気浄化触媒(NSR触媒や酸化触媒)へのデポジット付着を抑制する。
【解決手段】複数の排気浄化触媒(NSR触媒21a,21b)によって排ガス浄化に必要な触媒容量を確保するとともに、排ガス流れの上流側に配置する上流側排気触媒(21a)の直径を下流側排気浄化触媒(21b)の直径に比べて小さくする。これにより上流側排気浄化触媒を通過する排ガスの流速を速くすることができ、上流側排気浄化触媒へのデポジットの付着を抑制することができる。また、上流側排気浄化触媒によって昇温された排ガスが、下流側排気浄化触媒の上流側端面に斜めに当たるようにする。このような構成により、下流側排気浄化触媒の上流側端面に付着したデポジットが焼き飛ばされ易くなり、当該下流側排気浄化触媒へのデポジットの付着も抑制することができる。
【選択図】図3
【解決手段】複数の排気浄化触媒(NSR触媒21a,21b)によって排ガス浄化に必要な触媒容量を確保するとともに、排ガス流れの上流側に配置する上流側排気触媒(21a)の直径を下流側排気浄化触媒(21b)の直径に比べて小さくする。これにより上流側排気浄化触媒を通過する排ガスの流速を速くすることができ、上流側排気浄化触媒へのデポジットの付着を抑制することができる。また、上流側排気浄化触媒によって昇温された排ガスが、下流側排気浄化触媒の上流側端面に斜めに当たるようにする。このような構成により、下流側排気浄化触媒の上流側端面に付着したデポジットが焼き飛ばされ易くなり、当該下流側排気浄化触媒へのデポジットの付着も抑制することができる。
【選択図】図3
Description
本発明は、内燃機関(以下、エンジンともいう)から排出される排ガスを浄化する排気浄化装置に関する。
車両等に搭載されるディーゼルエンジンを駆動した際に排出される排ガス中には、カーボンを主成分とするPM(粒子状物質:Particulate Matter)が含まれており、これが大気汚染の原因になる。排ガス中に含まれるPMを浄化する装置としては、ディーゼルエンジンの排気通路にDPF(Diesel Particulate Filter)を設け、排気通路を通過する排ガス中に含まれるPMを捕集することにより、大気中に放出されるエミッションの量を低減する排気浄化装置が知られている。また、こうした排気浄化装置においては、DPFの上流側(排ガス流れの上流側)に、CO、HC等の有害物質を浄化するNSR(NOx Storage Reduction)触媒や酸化触媒(CCO:Catalytic Converter Oxidation)が配置されている。
ところで、DPFを用いてPMの捕集を行う場合、捕集したPMの堆積量が多くなってDPFの詰りが生じると、DPFを通過する排ガスの圧力損失が増大し、これに伴うエンジンの排気背圧増大によってエンジン出力低下や燃費の低下が発生する。
このような点を解消するため、従来、DPFに捕集されたPMの捕集量(堆積量)が所定量に到達したときに、排ガスを高温化することによってDPF上のPMを酸化(燃焼)して除去している。具体的には、例えば、主燃料噴射(メイン噴射)後に少量の燃料を副次的に噴射(ポスト噴射)することで、DPFの上流側(排ガス流れの上流側)のNSR触媒(または酸化触媒)の温度(排ガス温度)を上昇させることによってDPFに堆積したPMを酸化(燃焼)・除去している(例えば特許文献1参照)。このようにしてDPFに堆積したPMを除去することをDPF再生ともいう。
ところで、上記した排気浄化装置において、NSR触媒(または酸化触媒)の上流側端面(前端面)にデポジット(燃焼ガス中の煤とHCとが結合したもの)が付着・堆積すると、触媒のガス通路が閉塞され(目詰まり)、触媒と排ガスとの接触面積が低下してしまうため、排ガス浄化能力が低下するおそれがある。
本発明はそのような実情を考慮してなされたもので、排気浄化触媒(NSR触媒や酸化触媒)へのデポジット付着を抑制することが可能な排気浄化装置を提供することを目的とする。
本発明は、内燃機関の排気通路に配置され、排ガス中に含まれる燃料成分を酸化させて排ガス温度を上昇させる排気浄化触媒(NSR触媒または酸化触媒)を有する排気浄化装置において、前記排気浄化触媒が複数の触媒で構成され、それら複数の排気浄化触媒が排ガス流れ方向に沿って直列に配置されており、その排ガス流れの上流側に配置の上流側排気浄化触媒の直径が下流側に配置の下流側排気浄化触媒の直径に比べて小さくされているとともに、前記上流側排気浄化触媒の排ガス流れ方向の軸線と、前記下流側排気浄化触媒の排ガス流れ方向の軸線とが交差しており、前記上流側排気浄化触媒を通過した排ガスが前記下流側排気浄化触媒の上流側端面に対して斜めに当たるように構成されていることを技術的特徴としている。
本発明によれば、排ガス浄化に必要な触媒容量を複数の排気浄化触媒で確保し、排ガス流れの上流側に配置の上流側排気浄化触媒の直径を下流側に配置の下流側排気浄化触媒の直径に比べて小さくしているので、上流側排気浄化触媒を通過する排ガスの流速を速くすることでき、上流側排気浄化触媒へのデポジットの付着を抑制することができる。ここで、下流側排気浄化触媒は大径であるため、流速が遅くなりデポジットが付着し易くなるが、本発明では、上流側排気浄化触媒によって昇温された排ガスが、下流側排気浄化触媒の上流側端面に斜めに当たるので、下流側排気浄化触媒に付着したデポジットが焼き飛ばされ易くなり、これによって下流側排気浄化触媒へのデポジットの付着も抑制することができる。
本発明の排気浄化装置によれば、排気浄化触媒(NSR触媒や酸化触媒)へのデポジット付着を抑制することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
本発明の排気浄化装置を適用するエンジン(内燃機関)の一例について図1を参照して説明する。
−エンジン−
この例のエンジン1は、例えばコモンレール式筒内直噴4気ディーゼルエンジンであって車両に搭載される。エンジン1の各気筒には、燃焼室1a内での燃焼に供される燃料を噴射するインジェクタ(燃料噴射弁)2がそれぞれ配置されている。各気筒のインジェクタ2はコモンレール11に接続されている。コモンレール11にはサプライポンプ10が接続されている。
この例のエンジン1は、例えばコモンレール式筒内直噴4気ディーゼルエンジンであって車両に搭載される。エンジン1の各気筒には、燃焼室1a内での燃焼に供される燃料を噴射するインジェクタ(燃料噴射弁)2がそれぞれ配置されている。各気筒のインジェクタ2はコモンレール11に接続されている。コモンレール11にはサプライポンプ10が接続されている。
サプライポンプ10は、燃料タンクから燃料を汲み上げ、この汲み上げた燃料を高圧にした後に燃料通路10aを介してコモンレール11に供給する。コモンレール11は、サプライポンプ10から供給された高圧燃料を所定圧力に保持(蓄圧)する蓄圧室としての機能を有し、この蓄圧した燃料を各インジェクタ2に分配する。インジェクタ2は所定電圧が印加されたときに開弁して、燃焼室1a内に燃料を噴射供給する電磁駆動式の開閉弁である。インジェクタ2の開閉(燃料噴射量・噴射時期)はECU(Electronic Control Unit)100によってデューティ制御される。
エンジン1には吸気通路3及び排気通路4が接続されている。吸気通路3には、上流部(吸入空気流れの上流部)から下流側に向けて順に、エアクリーナ9、後述するターボチャージャ6のコンプレッサインペラ63、インタークーラ8、及び、スロットルバルブ(吸気絞り弁)5が配置されている。スロットルバルブ5はスロットルモータ51によってスロットル開度が調整される。なお、吸気通路3は、スロットルバルブ5の下流側に配置の吸気マニホールド3aにて各気筒に対応して分岐している。
排気通路4は、エンジン1の各気筒の燃焼室1aと繋がる排気マニホールド4aによって各気筒毎に分岐した状態から1つに集合するように構成されている。
排気通路4には、上流側NSR触媒(上流側排気浄化触媒)21aと、下流側NSR触媒(下流側排気浄化触媒)21bと、排ガス中のPMを捕集するDPF22とが、排ガス流れの上流側から下流側に向けてこの順で直列に配置されている。上流側NSR触媒21a及び下流側NSR触媒21bについては後述する。そして、これら上流側NSR触媒21a、下流側NSR触媒21b、及び、DPF22などによって、本発明の排気浄化装置が実現される。
上記上流側NSR触媒21aの排ガス流れの上流側の排気通路4にA/Fセンサ31及び第1排ガス温度センサ32が配置されており、この第1排ガス温度センサ32の出力信号から上流側NSR触媒21aに入る排ガスの温度を検出することができる。また、下流側NSR触媒21bとDPF22との間の排気通路(ケース23内通路)に第2排ガス温度センサ33が配置されており、この第2排ガス温度センサ33の出力信号からDPF22に入る排ガスの温度を検出することができる。さらに、DPF22の上流側圧力と下流側圧力との差圧を検出する差圧センサ34が設けられており、DPF22の下流側にO2センサ35が設けられている。
−ターボチャージャ−
この例のエンジン1には、排気圧を利用して吸入空気を過給するターボチャージャ(過給機)6が装備されている。ターボチャージャ6は、ロータシャフト61を介して連結されたタービンホイール62とコンプレッサインペラ63とを備えている。
この例のエンジン1には、排気圧を利用して吸入空気を過給するターボチャージャ(過給機)6が装備されている。ターボチャージャ6は、ロータシャフト61を介して連結されたタービンホイール62とコンプレッサインペラ63とを備えている。
コンプレッサインペラ63は吸気通路3内部に臨んで配置され、タービンホイール62は排気通路4内部に臨んで配置されている。このようなターボチャージャ6は、タービンホイール62が受ける排気流(排気圧)を利用してコンプレッサインペラ63を回転させることにより吸入空気を過給する。この例のターボチャージャ6は、可変ノズル式ターボチャージャであって、タービンホイール62側に可変ノズルベーン機構が設けられており、この可変ノズルベーン機構の開度を調整することにより、エンジン1の過給圧を調整することができる。なお、ターボチャージャ6での過給によって昇温した吸入空気は、吸気通路3に配置したインタークーラ8によって強制冷却される。
−EGR装置−
また、エンジン1にはEGR(Exhaust Gas Recirculation)装置7が装備されている。EGR装置7は、排気通路4を流れる排ガスの一部を吸気通路3に還流させて、各気筒の燃焼室1aへ再度供給することにより燃焼温度を低下させ、これによってNOx発生量を低減させる装置である。
また、エンジン1にはEGR(Exhaust Gas Recirculation)装置7が装備されている。EGR装置7は、排気通路4を流れる排ガスの一部を吸気通路3に還流させて、各気筒の燃焼室1aへ再度供給することにより燃焼温度を低下させ、これによってNOx発生量を低減させる装置である。
EGR装置7は、吸気通路3(吸気マニホールド3a)と排気通路4(排気マニホールド4a)とを接続するEGR通路71を備えている。このEGR通路71には、EGRガス流れの上流側から順に、EGR通路71を通過(還流)するEGRガスを冷却するためのEGRクーラ73、及び、EGRバルブ72が設けられており、このEGRバルブ72の開度を調整することによって、排気通路4(排気マニホールド4a)から吸気通路3(吸気マニホールド3a)に導入されるEGRガス量(排気還流量)を調整することができる。
−ECU−
ECU100は、CPU(central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及び、バックアップRAMなどを備えている。
ECU100は、CPU(central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及び、バックアップRAMなどを備えている。
ROMには、各種制御プログラムや、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップ等が記憶されている。CPUは、ROMに記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて演算処理を実行する。また、RAMはCPUでの演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAMはエンジン1の停止時にその保存すべきデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。
ECU100には、エンジン1の出力軸であるクランクシャフトの回転数を検出するエンジン回転数センサ、エンジン水温(冷却水温)を検出する水温センサ、吸入空気量を検出するエアフロメータ、吸入空気の温度を検出する吸気温センサ、吸入空気の圧力を検出する吸気圧センサ、コモンレール11内の高圧燃料の圧力を検出するレール圧センサ、スロットル開度センサ、アクセル開度センサ、及び、上記したA/Fセンサ31、第1排ガス温度センサ32、第2排ガス温度センサ33、差圧センサ34、及び、O2センサ35などが接続されており、これらの各センサからの信号がECU100に入力される。
また、ECU100には、インジェクタ2、サプライポンプ10、スロットルバルブ5のスロットルモータ51、ターボチャージャ6の可変ノズルベーン機構、及び、EGRバルブ72などが接続されている。さらに、ECU100には、イグニッションスイッチが接続されており、このイグニッションスイッチがオン操作(IG−ON)されると、スタータモータ(図示せず)によるエンジン1のクランキングが開始される。
ECU100は、上記した各種センサの出力信号に基づいて、エンジン1のスロットルバルブ5の開度制御、燃料噴射量・噴射時期制御(インジェクタ2の開閉制御)、EGR制御(EGRバルブ72の開度制御)などを含むエンジン1の各種制御を実行する。さらに、ECU100は、下記の[PM堆積量推定]及び[DPF再生制御]を実行する。
[PM堆積量推定]
ECU100は下記の処理でPM堆積量を推定する。
ECU100は下記の処理でPM堆積量を推定する。
まず、図1に示すエンジン1にあっては、DPF22へのPMの堆積が進行するにしたがって、その堆積PMが排ガスの流れの妨げとなり、排ガスの流動抵抗が増加する。これに伴ってDPF22の上流側の排気圧力と下流側の排気圧力との差圧ΔPが大きくなる。このDPF22前後の差圧ΔPは、DPF22に堆積したPMの燃焼除去が進行して、DPF22に堆積しているPM堆積量が減少するにしたがって小さくなる。このようにDPF22前後の差圧ΔPとDPF22に堆積しているPM堆積量との間に相関関係があるので、差圧ΔPからDPF22のPM堆積量を推定することができる。
このような点を利用し、本実施形態では、差圧センサ34の出力信号から得られる差圧ΔPに基づいてマップを参照して、DPF22に捕集されたPMの堆積量を推定する。なお、PM堆積量の算出に用いるマップは、上記したDPF22前後の差圧ΔPとPM堆積量との相関関係を考慮して、実験・シミュレーションなどによって適合した値をマップ化したものであって、ECU100のROM102内に記憶されている。
[DPF再生制御]
まず、ECU100は、エンジン1の運転時に、上記した処理によってPM堆積量を推定している。この推定PM堆積量は時間の経過とともに上昇していく。ECU100は、その上昇する推定PM堆積量がDPF再生開始判定値Thpmsに到達したか否かを判定する。なお、DPF再生開始判定値Thpmsは、DPF22へのPM堆積量の限界に相当する値であって、実験・シミュレーション等によって適合した値を設定する。
まず、ECU100は、エンジン1の運転時に、上記した処理によってPM堆積量を推定している。この推定PM堆積量は時間の経過とともに上昇していく。ECU100は、その上昇する推定PM堆積量がDPF再生開始判定値Thpmsに到達したか否かを判定する。なお、DPF再生開始判定値Thpmsは、DPF22へのPM堆積量の限界に相当する値であって、実験・シミュレーション等によって適合した値を設定する。
そして、上記PM堆積量がDPF再生開始判定値Thpmsに到達した時点で、DPF22に堆積したPMを燃焼・除去してDPF22を再生する。具体的には、エンジン運転のための燃料噴射(インジェクタ2から燃焼室1aへの燃料噴射)である主燃料噴射(メイン噴射)を行った後にポスト噴射を実行する。このポスト噴射した燃料は上流側NSR触媒21a及び下流側NSR触媒21bで酸化反応する。DPF22は、そのときの酸化熱、及び、DPF22に担持されている酸化触媒での酸化反応によって昇温され、DPF22に捕集されたPMが燃焼されて除去される。
そして、以上のようなDPF再生制御の実行中において、ECU100は、上記したDPF22前後の差圧ΔPに基づいて再生時のPM堆積量を逐次推定しており、この推定PM堆積量が再生完了判定値Thpmeにまで低下した時点で、DPF22の再生が完全に完了したと判断してDPF再生制御を終了する。つまり、上記DPF再生用のポスト噴射を終了し、通常の燃料噴射制御に復帰させる。
−排気浄化装置−
上記したように、本実施形態の排気浄化装置20は、上流側NSR触媒21a、下流側NSR触媒21b、及び、DPF22などによって構成されており、これら上流側NSR触媒21a、下流側NSR触媒21b、及び、DPF22がケース23内に収容されている。上流側NSR触媒21a及び下流側NSR触媒21b(以下、「NSR触媒21a,21b」ともいう)は、例えば、アルミナ(Al2O3)等の基材表面に白金(Pt)等の貴金属とカリウム(K)等のNOx吸蔵成分とを担持させて構成されている。NSR触媒21a,21bは、CO、HC等の有害物質を浄化し、また、排ガス中に含まれる燃料成分(HC)を酸化させて排ガスを昇温する。
上記したように、本実施形態の排気浄化装置20は、上流側NSR触媒21a、下流側NSR触媒21b、及び、DPF22などによって構成されており、これら上流側NSR触媒21a、下流側NSR触媒21b、及び、DPF22がケース23内に収容されている。上流側NSR触媒21a及び下流側NSR触媒21b(以下、「NSR触媒21a,21b」ともいう)は、例えば、アルミナ(Al2O3)等の基材表面に白金(Pt)等の貴金属とカリウム(K)等のNOx吸蔵成分とを担持させて構成されている。NSR触媒21a,21bは、CO、HC等の有害物質を浄化し、また、排ガス中に含まれる燃料成分(HC)を酸化させて排ガスを昇温する。
そして、本実施形態の排気浄化装置20にあっては、図1〜図3に示すように、小径の上流側NSR触媒21a及び大径の下流側NSR触媒21bの2つのNSR触媒(排気浄化触媒)を有し、これら2つのNSR触媒21aとNSR触媒21bとによって排ガス浄化に必要な触媒容量を確保している。具体的には、例えば、排ガス浄化に必要な触媒容量が2Lである場合、小径の上流側NSR触媒21aの触媒容量を0.5Lとし、大径の下流側NSR触媒21bの触媒容量を1.5Lとしている。
これら2つのNSR触媒のうち、大径の下流側NSR触媒21bの直径(口径)はDPF22の直径(口径)に相当する大きさであり、小径の上流側NSR触媒21aの直径(口径)は大径の下流側NSR触媒21bの直径よりも小さい。つまり、上流側NSR触媒21aの直径は従来の排気浄化装置におけるNSR触媒の直径に比べて小さくしている。
また、2つのNSR触媒21a,21b及びDPF22を収容するケース23は、上流側NSR触媒21aと下流側NSR触媒21bとの間において略L字状に屈曲した形状となっており、その上流側ケース23a内に上流側NSR触媒21aが配置され、下流側ケース23b内に下流側NSR触媒21b及びDPF22が同軸上に配置されている。
このようにケース23を屈曲形状とすることにより、上流側NSR触媒21aの排ガス流れ方向の軸線と下流側NSR触媒21bの排ガス流れ方向の軸線とが交差している。また、上流側ケース23aの内径が下流側ケース23bの内径よりも小さい。さらに、上流側NSR触媒21aと下流側NSR触媒21bとの間の排ガス通路には、上流側NSR触媒21aを通過した排ガスを下流側NSR触媒21bの上流側端面に導くためのバッフルプレート23cが配置されている。そして、これらの構成により、上流側NSR触媒21aを通過した排ガスが下流側NSR触媒21bの上流側端面に対して斜めに当たるようになる。
以上の構造の本実施形態の排気浄化装置20によれば、排ガス浄化に必要な触媒容量を確保した上で、上流側NSR触媒21aの上流側端面及び下流側NSR触媒21bの上流側端面にデポジットが付着することを抑制することができる。
すなわち、2つのNSR触媒21a,21bによって排ガス浄化に必要な触媒容量を確保するとともに、排ガス流れの上流側に配置する上流側NSR触媒21aの直径を下流側NSR触媒21bの直径(従来と同程度)に比べて小さくすることにより、上流側NSR触媒21aを通過する排ガスの流速を速くすることができ、上流側NSR触媒21aの上流側端面へのデポジットの付着を抑制することができる。ここで、下流側NSR触媒21bは大径であるため、流速が遅くなりデポジットが付着し易くなるが、本実施形態では、図3に示すように、上流側NSR触媒21aを通過した排ガス、つまり上流側NSR触媒21aによって昇温された排ガスが、下流側NSR触媒21bの上流側端面に斜めに当たるので、下流側NSR触媒21bの上流側端面に付着したデポジットが焼き飛ばされ易くなり、この下流側NSR触媒21bへのデポジットの付着も抑制することができる。これによってNSR触媒21a,21bの目詰まりを防止することができ、排ガス浄化能力を確保することができる。
なお、図1に示す構造において、あるパターン運転で耐久走行した際の触媒へのデポジットの付着状況を観察したところ、上流側NSR触媒21aの上流側端面へのデポジットの付着は僅かであり問題はなかった。また、大径の下流側NSR触媒21bについては、小径の上流側NSR触媒21aにて昇温された排ガスによってデポジットが焼切られており、下流側NSR触媒21bの上流側端面へのデポジットの付着は見られなかった。
<実験例>
(i)図1に示す構造のエンジン1の排気通路4に、上記した小径の上流側NSR触媒21aと同じ口径のNSR触媒(小径触媒)のみを配置した状態で、エンジン1を定常運転で所定時間駆動して上流側NSR触媒21aにデポジットを堆積させた。その後に、エンジン1のモータリングにより排ガス流量を増加させながら、デポジットが吹き飛ぶ様子を観察した。その結果を図4に示す。
(i)図1に示す構造のエンジン1の排気通路4に、上記した小径の上流側NSR触媒21aと同じ口径のNSR触媒(小径触媒)のみを配置した状態で、エンジン1を定常運転で所定時間駆動して上流側NSR触媒21aにデポジットを堆積させた。その後に、エンジン1のモータリングにより排ガス流量を増加させながら、デポジットが吹き飛ぶ様子を観察した。その結果を図4に示す。
(ii)上記(i)と同じエンジン1の排気通路4に、上記した大径の下流側NSR触媒21bと同じ口径のNSR触媒(大径触媒)のみを配置した状態で、エンジン1を定常運転(上記(i)と同じ運転条件)で所定時間(上記(i)と同じ時間)駆動して下流側NSR触媒21bにデポジットを堆積させた。その後に、エンジン1のモータリングにより排ガス流量を増加させながら、デポジットが吹き飛ぶ様子を観察した。その結果を図4に示す。
図4のD11(小径触媒の閉塞率)とD21(大径触媒の閉塞率)との比較から、小径のNSR触媒の方が、上記エンジン運転により触媒に付着するデポジット量(閉塞率)が少ないことが判る。また、D12〜D17(小径触媒の閉塞率)とD22〜D27(大径触媒の閉塞率)との比較から、エンジン1のモータリングによりデポジットを吹き飛ばす過程においても、小径のNSR触媒の方が、低い排ガス流量でデポジットが吹き飛び易いことが判る。
−他の実施形態−
なお、今回開示した実施形態は、すべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
なお、今回開示した実施形態は、すべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、以上の実施形態では、DPF22の上流側の排気通路に2つのNSR触媒21a,21bを配置した例について説明したが、本発明はこれに限られることなく、DPF22の上流側に3つ以上のNSR触媒を配置してもよい。この場合においても、上流側のNSR触媒の直径を下流側のNSR触媒の直径と比較して小さくする。
以上の実施形態では、DPF22の上流側の排気通路に2つのNSR触媒21a,21bを配置しているが、本発明はこれに限られることなく、DPF22の上流側に、小径の上流側酸化触媒と大径の下流側酸化触媒とを配置するようにしてもよい。このようにDPF22の上流側の排気通路に酸化触媒を配置する場合でも、その酸化触媒の数は3つ以上としてもよい。
以上の実施形態では、主燃料噴射後のポスト噴射によってDPF再生を行う排気浄化装置に本発明を適用した例について説明したが、本発明はこれに限られることなく、DPFの上流側の排気通路(例えば、排気マニホールド)に燃料添加弁から燃料を添加することによってDPF再生を行う排気浄化装置、あるいは、これらポスト噴射と燃料添加とを組み合わせてDPF再生を行う排気浄化装置にも適用可能である。
以上の実施形態では、本発明の排気浄化装置を筒内直噴4気筒ディーゼルエンジンに適用した例を示したが、本発明はこれに限られることなく、例えば筒内直噴6気筒ディーゼルエンジンなど他の任意の気筒数のディーゼルエンジンにも適用できる。
本発明は、内燃機関の排気通路に配置されたDPFと、そのDPFの上流側に配置された排気浄化触媒(NSR触媒や酸化触媒)とを有する排気浄化装置に有効に利用することができる。
1 エンジン(内燃機関)
4 排気通路
20 排気浄化装置
21a 上流側NSR触媒(排気浄化触媒)
21b 下流側NSR触媒(排気浄化触媒)
22 DPF
23 ケース
23a 上流側ケース
23b 下流側ケース
4 排気通路
20 排気浄化装置
21a 上流側NSR触媒(排気浄化触媒)
21b 下流側NSR触媒(排気浄化触媒)
22 DPF
23 ケース
23a 上流側ケース
23b 下流側ケース
Claims (1)
- 内燃機関の排気通路に配置され、排ガス中に含まれる燃料成分を酸化させて排ガス温度を上昇させる排気浄化触媒を有する排気浄化装置であって、
前記排気浄化触媒が複数の触媒で構成され、それら複数の排気浄化触媒が排ガス流れ方向に沿って直列に配置されており、その排ガス流れの上流側に配置の上流側排気浄化触媒の直径が下流側に配置の下流側排気浄化触媒の直径に比べて小さくされているとともに、
前記上流側排気浄化触媒の排ガス流れ方向の軸線と、前記下流側排気浄化触媒の排ガス流れ方向の軸線とが交差しており、前記上流側排気浄化触媒を通過した排ガスが前記下流側排気浄化触媒の上流側端面に対して斜めに当たるように構成されていることを特徴とする排気浄化装置。
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- 2015-02-10 JP JP2015024272A patent/JP2016148259A/ja active Pending
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