JP2016141059A - 熱転写シート及び印画方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 熱転写シートの転写跡が残って問題が生じることに対し、その転写跡の痕跡を確実に判読できないようにする対策であり、また熱転写シートの製造時での熱転写性色材層の塗工欠陥があっても、目視にて容易に、その欠陥を見つけ出すことができる熱転写シート及びその熱転写シートを用いた印画方法を提供する。
【解決手段】 基材シート2の一方の面に熱転写性色材層3が設けられ、前記基材シート2の他方の面に、第1背面層5と第2背面層6とが互いに接するように設けられた熱転写シート1であって、前記第1背面層5が前記基材シート2側に設けられ、前記第1背面層5に顕色剤を含有し、前記第2背面層6にロイコ染料を含有することを特徴とする熱転写シート1の構成とした。
【選択図】 図1
【解決手段】 基材シート2の一方の面に熱転写性色材層3が設けられ、前記基材シート2の他方の面に、第1背面層5と第2背面層6とが互いに接するように設けられた熱転写シート1であって、前記第1背面層5が前記基材シート2側に設けられ、前記第1背面層5に顕色剤を含有し、前記第2背面層6にロイコ染料を含有することを特徴とする熱転写シート1の構成とした。
【選択図】 図1
Description
本発明は、基材シートの一方の面に熱転写性色材層が設けられ、前記基材シートの他方の面に、第1背面層と第2背面層とが互いに接するように設けられた熱転写シート及びその熱転写シートを用いた印画方法に関わるものである。
従来から熱転写シートは、コンピュータ、ファクシミリ又は証明写真等において、普通紙や受像紙等の被転写体に文字、図形及び顔写真等を出力するために用いられている。一般に熱転写シートとしては、ポリエステルフィルム等のベースフィルムに転写性ワックスインキ層を設けた溶融型熱転写シート及びベースフィルムにシアン、マゼンタ及びイエロー等の染料インキ層を設けた昇華型熱転写シートがある。
溶融型熱転写方式においては、溶融型熱転写シートのベースフィルム側からサーマルヘッドにより当該シートに熱を加え、加熱された部分のワックスインキ層が被転写体に転写(溶融型熱転写)し、面積階調により文字や図形等を転写(出力)する。
一方、昇華型熱転写方式においては、ベースフィルム側からサーマルヘッドにより熱転写シートに熱を加え、シアン、マゼンタ及びイエロー等の各染料インキ層をサーマルヘッドの熱に比例して被転写体に転写(昇華型熱転写)し、濃度階調により図形や顔写真等を転写(出力)する。
一方、昇華型熱転写方式においては、ベースフィルム側からサーマルヘッドにより熱転写シートに熱を加え、シアン、マゼンタ及びイエロー等の各染料インキ層をサーマルヘッドの熱に比例して被転写体に転写(昇華型熱転写)し、濃度階調により図形や顔写真等を転写(出力)する。
溶融型熱転写方式は、面積階調により出力をするため、文字等の2値画像で高コントラストが要求される用途の転写に適している。
一方、昇華型熱転写方式は、シアン、マゼンタ及びイエロー等の各染料インキの濃度階調により出力するため、顔写真や風景写真等の高い色再現性が要求される画像の転写に適している。
一方、昇華型熱転写方式は、シアン、マゼンタ及びイエロー等の各染料インキの濃度階調により出力するため、顔写真や風景写真等の高い色再現性が要求される画像の転写に適している。
上記熱転写シートを用い、文字や画像等を被転写体に転写するとワックスインキ層や染料インキ層の当該文字や画像部分が被転写体に転写されるため、転写後の使用済みの熱転写シートのワックスインキ層や染料インキ層では当該文字や画像部分が抜けた転写跡が残ってしまう。契約文書、特許出願用文書、ノウハウ文書等の機密文書を作成する場合に、使用済みの熱転写シートに、それら機密文書の内容が転写跡として記録されているために、その廃棄等の取扱いには十分な注意が要求されるという問題があった。
上記の問題に対し、例えば特許文献1には、熱転写した後に得られる使用済みの熱転写シートを用いて、イエローの残像、マゼンタの残像、及びシアンの残像を、その熱転写シートの各染料層の位置で、頭出しのための識別部位を重ねたときに、互いにずれを生じるように、印画する方法が提案されている。しかし、この方法では秘密にしたい像は見えにくくはなっているが、消えてはいないので、対策として不十分である。
また、特許文献2では、基材の一方の面に、熱転写性を有さず、複写を防止するための着色層である複写防止層を介して、熱転写性の黒色インク層を設けた感熱転写記録媒体であって、その複写防止層が黒色インク層とは異色であって、色彩を特定範囲(L*a*b*表色系で表したときの複写防止層と黒色インク層との色差ΔEab*が3.0〜30)であるようにしたことが開示されている。しかし、この記録媒体では製造時において、黒色インク層の塗工の際に、複写防止層の上で、黒色インク層の塗工ムラなどの欠陥が見えにくい問題がある。
また、上記の転写跡の問題に対し、特許文献3では、基材上に剥離可能に設けられた熱溶融性ブラックインキ層を備えた熱転写シートであって、その基材と熱溶融性ブラックインキ層との間に、及び基材の背面上に、また基材に、ロイコ染料と顕色剤が含有された熱転写シートが記載されている。しかし、この熱転写シートでは、その熱転写シートの製造時の加熱により、そのロイコ染料と顕色剤が含有された層(基材)が発色しやすく、製造時の熱溶融性ブラックインキ層の塗工膜の欠陥が確認しにくい問題がある。
本発明はこのような状況においてなされたものであり、熱転写シートの転写跡が残って問題が生じることに対し、その転写跡の痕跡を確実に判読できないようにする対策であり、また熱転写シートの製造時での熱転写性色材層の塗工欠陥があっても、目視にて容易に、その欠陥を見つけ出すことができる熱転写シート及びその熱転写シートを用いた印画方法を提供することを目的とする。
上記目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明は、基材シートの一方の面に熱転写性色材層が設けられ、前記基材シートの他方の面に、第1背面層と第2背面層とが互いに接するように設けられた熱転写シートであって、前記第1背面層が前記基材シート側に設けられ、前記第1背面層に顕色剤を含有し、前記第2背面層にロイコ染料を含有することを特徴とする熱転写シートの構成とした。
また、基材シートの一方の面に熱転写性色材層が設けられ、前記基材シートの他方の面に、第1背面層と第2背面層とが互いに接するように設けられた熱転写シートであって、前記第1背面層が前記基材シート側に設けられ、前記第1背面層にロイコ染料を含有し、前記第2背面層に顕色剤を含有することを特徴とする熱転写シートの構成とした。
前記の第1背面層、第2背面層の少なくとも1層に、増感剤をさらに含有することを特徴とする熱転写シートの構成とした。
また、前記の第2背面層に滑剤をさらに含有することを特徴とする熱転写シートの構成とした。
また、前記の第2背面層に滑剤をさらに含有することを特徴とする熱転写シートの構成とした。
また、本発明の印画方法は、上記のいずれか一つに記載の熱転写シートを用いて、被転写体に熱転写により画像を形成し、その後に、前記熱転写による画像を形成した熱転写シートを巻き取る巻取部の近傍で、前記熱転写シートを前記第2背面層側から加熱して、前記顕色剤を含有する第1背面層あるいは第2背面層を感熱発色させることを特徴とした。
また、前記の第2背面層側から加熱する条件が、前記第2背面層の全面を加熱することを特徴とした。
また、前記の第2背面層側から加熱する条件が、前記被転写体に形成された画像のパターンに類似の要素を含む攪乱パターンにより加熱することを特徴とした。
また、前記の第2背面層側から加熱する条件が、前記被転写体に形成された画像のパターンに類似の要素を含む攪乱パターンにより加熱することを特徴とした。
本発明によれば、熱転写シートの転写跡の痕跡を確実に判読できないようにすることが可能となり、また熱転写シートの製造時での熱転写性色材層の塗工欠陥があっても、目視にて容易に、その欠陥を見つけ出すことができるようになった。
次に、発明の実施の形態について、詳述する。
図1は本発明の熱転写シートの一つの実施形態を示す。図示した熱転写シート1は、基材シート2の一方の面に、熱転写性色材層3が設けられ、前記基材シート2の他方の面に、第1背面層5と第2背面層6とが基材シート2から順次設けられた構成であり、前記第1背面層5に顕色剤を含有し、前記第2背面層6にロイコ染料を含有している。この熱転写シート1では第1背面層5と第2背面層6の2層から構成された背面層4である。なお、図1の構成の熱転写シート1で、第1背面層5にロイコ染料を含有し、前記第2背面層6に顕色剤を含有する構成であってもよい。
図1は本発明の熱転写シートの一つの実施形態を示す。図示した熱転写シート1は、基材シート2の一方の面に、熱転写性色材層3が設けられ、前記基材シート2の他方の面に、第1背面層5と第2背面層6とが基材シート2から順次設けられた構成であり、前記第1背面層5に顕色剤を含有し、前記第2背面層6にロイコ染料を含有している。この熱転写シート1では第1背面層5と第2背面層6の2層から構成された背面層4である。なお、図1の構成の熱転写シート1で、第1背面層5にロイコ染料を含有し、前記第2背面層6に顕色剤を含有する構成であってもよい。
図2は本発明の熱転写シートの他の実施形態を示し、基材シート2の一方の面に、熱転写性色材層3が設けられ、前記基材シート2の他方の面に、基材シート2側から、第1背面層5、第2背面層6、スリップ層7を順次設けられた構成である。前記第1背面層5に顕色剤を含有し、前記第2背面層6にロイコ染料を含有している。この熱転写シート1は、基材シート2の背面側には第1背面層5と第2背面層6及びスリップ層7の3層から構成された背面層4を設けた構成である。なお、図2の構成の熱転写シート1で、第1背面層5にロイコ染料を含有し、前記第2背面層6に顕色剤を含有する構成であってもよい。
本発明の熱転写シートは、図1、2に示すように、基材シートの熱転写性色材層の設けられた面と反対面に、少なくとも第1背面層と第2背面層とが互いに接するように設けられた構成である。図示した構成に限らずに、第1背面層と第2背面層とを隣接した構成であれば、例えば基材シート上に、プライマー層を介して背面層を設けることができる。
以下、本発明の熱転写箔の各構成について、説明する。
(基材シート)
本発明の熱転写シート1に用いられる基材シート2は、従来公知のある程度の耐熱性と強度を有するものであれば、いずれのものでもよい。例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリフェニレンサルフィドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリサルホンフィルム、アラミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、セロハン、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム、ポリイミドフィルム、アイオノマーフィルム等の樹脂フィルム等が挙げられる。
(基材シート)
本発明の熱転写シート1に用いられる基材シート2は、従来公知のある程度の耐熱性と強度を有するものであれば、いずれのものでもよい。例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリフェニレンサルフィドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリサルホンフィルム、アラミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、セロハン、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム、ポリイミドフィルム、アイオノマーフィルム等の樹脂フィルム等が挙げられる。
基材は、厚さが一般に約0.5〜50μmであり、好ましくは約1.5〜10μmである。上記基材シートは、基材シートと接する層との接着性を向上させるため、表面処理を施してもよい。上記表面処理としては、コロナ放電処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理、放射線処理、粗面化処理、化学薬品処理、プラズマ処理、グラフト化処理等、公知の樹脂表面改質技術を適用することができる。上記表面処理は、1種のみ行ってもよいし、2種以上行ってもよい。
上記した表面処理の中でも、コストが低い点で、コロナ処理又はプラズマ処理が好ましい。また、必要に応じ、その一方の面又は両面に下引き層(プライマー層)を形成するものであってもよい。上記のプライマー処理は、例えばプラスチックフィルムの溶融押出しの成膜時に、未延伸フィルムにプライマー液を塗布し、その後に延伸処理して行なうことができる。また、基材シートと後記する背面層との間に、プライマー層(接着層)を塗工して形成することも可能である。そのプライマー層は、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂やポリビニルアルコール樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂等のビニル系樹脂、ポリビニルアセトアセタールやポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール系樹脂、セルロース系樹脂等を用いて形成することができる。
(熱転写性色材層)
本発明による熱転写シートは、上記した基材シートの、背面層を設けた面とは反対側の面に熱転写性色材層3を備えるものである。本発明の熱転写シートは、所望の画像がモノカラーである場合には、熱転写性色材層として適宜選択した1色の層のみ形成してもよいし、所望の画像がフルカラー画像である場合には、熱転写性色材層として、シアン、マゼンタ及びイエロー(更に、必要に応じてブラック)を選択し形成することができる。
本発明による熱転写シートは、上記した基材シートの、背面層を設けた面とは反対側の面に熱転写性色材層3を備えるものである。本発明の熱転写シートは、所望の画像がモノカラーである場合には、熱転写性色材層として適宜選択した1色の層のみ形成してもよいし、所望の画像がフルカラー画像である場合には、熱転写性色材層として、シアン、マゼンタ及びイエロー(更に、必要に応じてブラック)を選択し形成することができる。
本発明の熱転写シートは、昇華型熱転写シートである場合には、熱転写性色材層として昇華性の染料を含む層、すなわち染料層を形成し、熱溶融型の熱転写シートである場合には、熱転写性色材層として顔料等で着色した熱溶融性インキ層を形成する。以下、本発明による熱転写シートが昇華型熱転写シートである場合を一例に説明するが、熱溶融型のものであってもよく、本発明が昇華型熱転写シートのみに限定されるものではない。
昇華型の染料層に用いられる昇華型の染料としては、特に限定されず、従来公知のものを使用することができる。上記昇華性の染料としては、例えば、ジアリールメタン系染料;トリアリールメタン系染料;チアゾール系染料;メロシアニン染料;ピラゾロン染料;メチン系染料;インドアニリン系染料;アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリドンアゾメチン等のアゾメチン系染料;キサンテン系染料;オキサジン系染料;ジシアノスチレン、トリシアノスチレン等のシアノスチレン系染料;チアジン系染料;アジン系染料;アクリジン系染料;ベンゼンアゾ系染料;ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラゾールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジスアゾ等のアゾ系染料;スピロピラン系染料;インドリノスピロピラン系染料;フルオラン系染料;ローダミンラクタム系染料;ナフトキノン系染料;アントラキノン系染料;キノフタロン系染料;等が挙げられ、更に具体的には、特開平7−149062号公報に例示列挙された化合物等が挙げられる。
上記染料層において、昇華性染料は染料層の全固形分に対し5〜90質量%、好ましくは20〜80質量%の量である。上記昇華性の染料の使用量が、上記範囲未満であると印字濃度が低くなることがあり、上記範囲を越えると保存性等が低下することがある。
上記染料を担持するためのバインダー樹脂としては、一般に、耐熱性を有し、染料と適度の親和性があるものを使用することができる。上記バインダー樹脂としては、例えば、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酪酸セルロース等のセルロース系樹脂;ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂;ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミド等のアクリル樹脂;ポリウレタン系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリエステル系樹脂;等が挙げられる。上記したバインダー樹脂のなかでも、耐熱性、染料の移行性等が優れる観点から、セルロース系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂等が好ましく、ビニル系樹脂がより好ましく、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタール等が特に好ましい。
上記染料層は、所望により、離型剤、無機微粒子、有機微粒子等の添加剤を使用してもよい。上記離型剤としては、シリコーンオイル、リン酸エステル等が挙げられる。無機微粒子としては、カーボンブラック、アルミニウム、二硫化モリブデン等が挙げられる。また、有機微粒子としては、ポリエチレンワックス等が挙げられる。
上記した染料層は、上述の染料とバインダー樹脂とを、必要に応じて添加する添加剤とともに、適当な有機溶剤や水に溶解又は分散して塗工液を調製し、更に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング印刷法等の公知の手段により、上述の基材の一方の面に上記塗工液を塗布し、乾燥することにより形成することができる。
上記有機溶剤としては、トルエン、メチルエチルケトン、エタノール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド〔DMF〕等が挙げられる。上記染料層の塗工量は、乾燥固形基準で0.2〜6.0g/m2、好ましくは0.2〜3.0g/m2程度である。
(背面層)
本発明の熱転写シートにおける基材シートの熱転写性色材層の設けられた面と反対面に、第1背面層5と第2背面層6とが互いに接するように、背面層4が設けられる。
第1背面層5は、基材シート側に設けられた背面層であり、バインダー樹脂と、顕色剤、あるいはロイコ染料を含有している。そのバインダー樹脂としては、サーマルヘッドからかかる瞬時の強い熱エネルギーから守るため、比較的高いガラス転移温度を有する高分子が好ましく用いられる。
本発明の熱転写シートにおける基材シートの熱転写性色材層の設けられた面と反対面に、第1背面層5と第2背面層6とが互いに接するように、背面層4が設けられる。
第1背面層5は、基材シート側に設けられた背面層であり、バインダー樹脂と、顕色剤、あるいはロイコ染料を含有している。そのバインダー樹脂としては、サーマルヘッドからかかる瞬時の強い熱エネルギーから守るため、比較的高いガラス転移温度を有する高分子が好ましく用いられる。
上記の点から、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アクリル樹脂、AS樹脂などが特に好ましいが、この他にも、例えばエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース、硝化綿などのセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、ポリメタクリル酸エチルエステル、ポリアクリルアミド、アクリロニトリル−スチレン共重合体などのビニル系樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン変性またはフッ素性ウレタン、アクリル樹脂などが挙げられる。これらの中で、セルロース系、アセタール系、アセタール系、ブチラール系、アクリル樹脂系、アクリロニトリル−スチレン共重合体系、ポリエステル系、ポリウレタン樹脂系などが好適である。
また、上記した樹脂に硬化剤を添加してもよい。硬化剤として機能するポリイソシアネート樹脂としては、特に制限なく従来公知のものを使用できるが、それらのなかでも、芳香族系イソシアネートのアダクト体を使用することが望ましい。芳香族系ポリイソシアネートとしては、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、又は、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、trans−シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェートがあげられ、特に2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、又は、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物が好ましい。このようなポリイソシアネート樹脂は、上記した水酸基含有熱可塑性樹脂をその水酸基を利用して架橋させ、背面層の塗膜強度や耐熱性をより向上させる。
上記の顕色剤は特に限定はなく、例えば、p−オクチルフェノ−ル、p−第三ブチルフェノール、p−フェニルフェノール、p−ヒドロキシアセトフェノン、α−ナフトール、β−ナフトール、p−第三オクチルカテコール、2,2'−ジヒドロキシビフェニル、ビスフェノール−A、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,2−ビス−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,4−ジヒドロキシフェニル)スルホン、2,4'−ジヒドロキシフェニルスルホン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス〔2−(4−ヒドロキシフェニルチオ)エトキシ〕メタン、4−(4−イソプロポキシベンゼンスルホニル)フェノ−ル、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、3,5−ジ第三ブチルサリチル酸などのフェノール系;安息香酸などの有機カルボン酸系;サリチル酸亜鉛などの金属系;2,4−ジヒドロキシ−N−2'−メトキシベンズアニリドなどのアニリド誘導体系などの顕色剤があげられ、これらの顕色剤は1種または2種以上を混合して用いることができる。
第1背面層には、増感剤を添加することにより、ロイコ染料と顕色剤との反応による発色性を高めることができる。その増感剤としては、融点が80から150℃で溶融範囲が比較的シャープで熱応答性の良いものがよい。具体的には、以下に示すワックス類、2−(p−メチルベンジルオキシ)ナフタレン、シュウ酸−ビス(p−メチルベンジル)、安息香酸やテレフタル酸のエステル類、ナフタレンスルホン酸エステル類、ナフチルエーテル誘導体、アントリルエーテル誘導体、脂肪族エーテル系その他フェナントレン、フルオレン等が挙げられる。
増感剤としてのワックス類は、蜜蝋、鯨蝋、中国蝋、ラノリン等の動物系ワックス、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、木蝋、ライスワックス等の植物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン等の鉱物系ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油系ワックス、モンタンワックス誘導体、パラフィンワックス誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体等の変性ワックス、カスターワックス、オパールワックス等の水素化ワックス、低分子量ポリエチレンワックスおよびその誘導体、ステアリン酸アマイド、ベヘン酸アマイド、エチレンビスステアリン酸アマイド等の飽和脂肪酸アマイド系ワックス、オレイン酸アマイド、リノール酸アマイド、リシノール酸アマイド、リノレン酸アマイド等の不飽和脂肪酸アマイド系ワックス等を挙げられる。
上記の増感剤の中でも、エチレンビスステアリン酸アマイド、メチレンビスステアリン酸アマイド、エチレンビスオレイン酸アマイド等の飽和脂肪酸アマイド系ワックスが、ロイコ染料と顕色剤との反応発色性を高め、さらに第2背面層に増感剤を含有する場合は、サーマルヘッドとの滑性を良好にする機能も有し、好ましく用いられる。
第1背面層は、上記のバインダー樹脂、顕色剤、その他増感剤などの添加剤を、例えば、溶媒に分散させて、すなわちボールミル、サンドミル等を使用して数ミクロン以下にまで分散させ、塗工液を得ることができる。
その塗工液を用いて、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング印刷法等の公知の手段により、塗工し、乾燥することにより形成することができる。第1背面層の塗工量は、乾燥後塗工量が0.1〜5g/m2程度で形成することができる。
第1背面層は、上記のバインダー樹脂、顕色剤、その他増感剤などの添加剤を、例えば、溶媒に分散させて、すなわちボールミル、サンドミル等を使用して数ミクロン以下にまで分散させ、塗工液を得ることができる。
その塗工液を用いて、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング印刷法等の公知の手段により、塗工し、乾燥することにより形成することができる。第1背面層の塗工量は、乾燥後塗工量が0.1〜5g/m2程度で形成することができる。
次に、第2背面層6の場合は、上記の第1背面層の基材シート側と反対側で、第1背面層の上に設けられた背面層であり、バインダー樹脂と、ロイコ染料、あるいは顕色剤を含有している。上記の第1背面層の説明では、顕色剤を含有することを主体に説明したので、第2背面層はロイコ染料を含有することを主体に説明する。但し、第1背面層にロイコ染料を含有している場合は、第2背面層には顕色剤を含有するもので、また一方で第1背面層に顕色剤を含有している場合は、第2背面層にはロイコ染料を含有する条件である。すなわち、第1背面層と第2背面層には、ロイコ染料と顕色剤との両方が共存するものではなく、それぞれの背面層にはロイコ染料、あるいは顕色剤のいずれか一方が存在する条件である。
上記の第1背面層と第2背面層に含有させるロイコ染料、あるいは顕色剤の選定は、含有させるロイコ染料、あるいは顕色剤が特定されれば、それらの材料の融点を比較して、融点の高い材料を、サーマルヘッドにより近い第2背面層に含有させることが好ましい。但し、増感剤を添加する場合は、その増感剤を使用した上でのロイコ染料、あるいは顕色剤の融点を比較して、上記条件になるようにすることが好ましい。それは増感剤がロイコ染料、あるいは顕色剤の自体の融点を低下させる働きがあるからである。
本発明の熱転写シートでは、ロイコ染料を含有する背面層がサーマルヘッドによる加熱により、溶融したロイコ染料が、顕色剤を含有する背面層へ漏れ出て移行して、そのロイコ染料と顕色剤とが反応して、発色することが通常であり、それによって、熱転写性色材層の熱転写による転写跡の痕跡を判読できないようにすることが好ましく行われる。この発色する働きをスムーズに進めるには、サーマルヘッド側に近い第2背面層にロイコ染料を含有させ、第1背面層に顕色剤を含有させることが好ましい。
但し、顕色剤よりも融点の低いロイコ染料を第1背面層に含有させ、その顕色剤を第2背面層に含有させて、熱転写シートの背面層を構成することも可能である。この場合は、サーマルヘッドにより遠い位置にある第1背面層に含むロイコ染料を溶融させるために、加熱する温度条件を、前記の背面層に含有する材料が逆となって、入れ替わっている時よりも、高めにする必要がある。
さて第2背面層におけるバインダー樹脂は、第1背面層で説明したバインダー樹脂と同様のものが使用できる。
上記のロイコ染料としては、電子受容性化合物である顕色剤と反応して呈色するものであれば限定されず、公知又は市販の発色剤を使用することができる。例えば、トリフェニルメタンフタリド系化合物、フルオラン系化合物、フェノチアジン系化合物、インドリルフタリド系化合物、ロイコオーラミン系化合物、ローダミンラクタム系化合物、トリフェニルメタン系化合物、トリアゼン系化合物、スピロピラン系化合物、フルオレン系化合物等各種の化合物が挙げられる。ロイコ染料は溶媒に溶解して、例えばカプセル化され支持体に塗工される。溶媒として天然または合成油を単独または併用して用いることができる。溶媒の例として、綿実油、灯油、パラフィン油、ナフテン油、アルキル化ビフェニル、アルキル化ターフェニル、塩素化パラフィン、アルキル化ナフタレン、ジフェニルアルカン等が挙げられる。
上記のロイコ染料としては、電子受容性化合物である顕色剤と反応して呈色するものであれば限定されず、公知又は市販の発色剤を使用することができる。例えば、トリフェニルメタンフタリド系化合物、フルオラン系化合物、フェノチアジン系化合物、インドリルフタリド系化合物、ロイコオーラミン系化合物、ローダミンラクタム系化合物、トリフェニルメタン系化合物、トリアゼン系化合物、スピロピラン系化合物、フルオレン系化合物等各種の化合物が挙げられる。ロイコ染料は溶媒に溶解して、例えばカプセル化され支持体に塗工される。溶媒として天然または合成油を単独または併用して用いることができる。溶媒の例として、綿実油、灯油、パラフィン油、ナフテン油、アルキル化ビフェニル、アルキル化ターフェニル、塩素化パラフィン、アルキル化ナフタレン、ジフェニルアルカン等が挙げられる。
本発明では熱転写性色材層の熱転写による転写跡の痕跡を判読させないようにする機能をより高めるために、背面層を基材シートにベタ状に全面塗工する条件では、熱転写性色材層がシアン、マゼンタ及びイエローを熱転写シートの基材シートに塗り分けられた場合、上記ロイコ染料の発色色相は黒色が好ましく、それらの色材層の全ての転写跡の痕跡を目視にて判読できないようにすることができる。
また、熱転写性色材層のシアン、マゼンタ及びイエローの色相に近い発色をさせて、より熱転写性色材層の転写跡の痕跡を判読させないようにすることができる。この場合は、基材シートの一方の面にシアン、マゼンタ及びイエローの熱転写性色材層を塗り分けて設け、その色材層の真上に相当するロイコ染料を、その対応する色材層の色相に近い色相で発色するタイプを選定し、そのロイコ染料を含有する背面層を、基材シートの他方の面に、上記熱転写性色材層を塗り分ける場合と同様にして、塗工して形成することができる。すなわち、例えば熱転写性色材層がシアンの色相の場合、その真上に相当するロイコ染料の発色タイプをシアン(ブルー)のものを選択して背面層を形成することができる。但し、そのロイコ染料を含有する背面層は上記のように熱転写性色材層の塗工パターンに合わせて塗り分けることが好ましいが、顕色剤を含有する背面層は基材シートに全面ベタで形成し、上記のように塗り分けることがないように、使用する異なるロイコ染料に共通して使用して所望の発色が生じるような顕色剤を使用することが好ましい。
上記のロイコ染料は、上記バインダー樹脂中に分散させることができるが、ロイコ染料をマイクロカプセル化して使用することも可能である。熱転写シートの取扱い上で、第1背面層と第2背面層との接触で圧力が部分的に強くなって、ロイコ染料が顕色剤と反応して発色しやすい場合は、マイクロカプセル化したロイコ染料を使用することが好ましい。
上記のロイコ染料含有マイクロカプセルの製造方法としては、界面重合法、内部重合法、相分離法、外部重合法、コアセルベーション法等が用いられる。ロイコ染料含有マイクロカプセルを含む塗工液を調製するにあたり、一般に水溶性バインダー、ラテックス系バインダーが使用される。さらにカプセル保護剤としてセルロース粉末、デンプン粒子、タルク等を添加してロイコ染料含有マイクロカプセル塗工液を得ることができる。
上記のロイコ染料含有マイクロカプセルの製造方法としては、界面重合法、内部重合法、相分離法、外部重合法、コアセルベーション法等が用いられる。ロイコ染料含有マイクロカプセルを含む塗工液を調製するにあたり、一般に水溶性バインダー、ラテックス系バインダーが使用される。さらにカプセル保護剤としてセルロース粉末、デンプン粒子、タルク等を添加してロイコ染料含有マイクロカプセル塗工液を得ることができる。
第2背面層には、上記第1背面層で説明した増感剤を同様に添加して使用することができる。
第2背面層は、基材シートから離れて熱転写シートの表面側に位置しており、サーマルヘッド加熱の際に、サーマルヘッドと接するものである。但し、第2背面層の上に、スリップ層を設ける場合は、スリップ層を介して第2背面層とサーマルヘッドとが接する。
第2背面層は、基材シートから離れて熱転写シートの表面側に位置しており、サーマルヘッド加熱の際に、サーマルヘッドと接するものである。但し、第2背面層の上に、スリップ層を設ける場合は、スリップ層を介して第2背面層とサーマルヘッドとが接する。
第2背面層に滑り性を向上させるために、滑剤を添加することが好ましい。滑剤として金属石鹸、シリコーンオイル、シリコーン変性樹脂及びリン酸エステルよりなる群より選択される少なくとも一種を含むことが好ましい。本発明の熱転写シートは、滑剤として一種の滑剤を含むものであっても、添加量の最適化によって充分な滑性を発現させることが可能であるが、滑剤として複数の滑剤を併用することにより、低印画エネルギーから高印画エネルギー領域に至るまで、より安定な滑性を得ることができる。
上記金属石鹸としては、例えば、アルキルリン酸エステルの多価金属塩、アルキルカルボン酸の金属塩等が挙げられる。上記アルキルリン酸エステルの多価金属塩としては、プラスチック用添加剤として公知のものを使用することができる。上記アルキルリン酸エステルの多価金属塩は、一般に、アルキルリン酸エステルのアルカリ金属塩を多価金属で置換することによって得られ、種々のグレードのものが入手可能である。このアルキルリン酸エステルにおけるアルキル基としては、炭素数12以上が好ましく、特にステアリル基が滑性に優れ、好ましい。またアルキルリン酸エステルの多価金属塩における金属塩は、亜鉛またはアルミニウム塩が好ましい。また、上記の金属石鹸のアルキルカルボン酸の金属塩に関しては、アルキル基としては、炭素数11以上が好ましく、特にドデシル基、ヘプタデシル基が好ましく、その金属塩として、マグネシウム塩、亜鉛塩、アルミニウム塩が好ましい。上記の金属石鹸は、第2背面層の全固形分に対し、3〜10%の含有割合が好ましい。その金属石鹸の含有割合が少なすぎると、第2背面層に十分な滑り性を付与することができず、また一方で、その含有割合が多すぎると、第2背面層の物理的強度等が低下するので好ましくない。
上記シリコーンオイルを滑剤として使用した場合、低印画エネルギーから高印画エネルギー領域に至るまで優れた滑性を発現させることができる。上記シリコーンオイルとしては、従来公知の何れのものを使用してもよい。上記シリコーンオイルは、第2背面層の全固形分に対し、1〜10%の含有割合が好ましい。上記シリコーンオイルの含有割合が少なすぎると、サーマルヘッドとの離型性を得ることができず、サーマルヘッドと融着しやすくなる。また一方で、その含有割合が多すぎると、染料移行性が増大する、また印画時にサーマルヘッドを汚染してしまうことがある。
また上記シリコーン変性樹脂を滑剤として使用した場合、低印画エネルギー領域で優れた滑性を発現させることができるとともに、高印画エネルギー領域においても好適に滑性を発現でき、印画シワの発生を好適に防止することができる。上記シリコーン変性樹脂としては、その分子の一部にポリシロキサン基を有する樹脂を意味する。上記シリコーン変性樹脂は、従来公知の方法、例えば、ポリシロキサン基含有ビニルモノマーと別の種類のビニルモノマーとの共重合、熱可塑性樹脂と反応性シリコーンとの反応等により調製することができる。
上記シリコーン変性樹脂としては、熱可塑性樹脂とポリシロキサン基含有ビニルモノマーをブロック共重合させる方法、熱可塑性樹脂とポリシロキサン基含有ビニルモノマーをグラフト共重合させる方法、又は、熱可塑性樹脂に反応性シリコーンを反応させる方法により調製したものが挙げられる。上記シリコーン変性樹脂を構成する熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂等を挙げることができ、なかでも、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等が好ましく、熱転写性色材層から背面層への染料等の色材移行を低減させる点で、アクリル樹脂がより好ましい。
上記反応性シリコーンとは、主鎖にポリシロキサン構造を有し、片末端又は両末端に熱可塑性樹脂の官能基と反応する反応性官能基を有する化合物である。上記反応性官能基としては、アミノ基、水酸基、エポキシ基、ビニル基、カルボキシル基等が挙げられる。上記シリコーン変性樹脂は、第2背面層の全固形に対し、1〜20%の含有割合が好ましい。上記シリコーン変性樹脂の含有割合が少なすぎると、熱印加時におけるサーマルヘッドとの滑性不足、離型性不足により融着を引き起こす傾向がある。またその一方、その含有割合が多すぎると、染料汚染性が増大することがある。
上記リン酸エステルを滑剤として使用した場合、低印画エネルギーから高印画エネルギー領域に至るまで優れた滑性を発現させることができる。上記リン酸エステルとしては、例えば、(1)炭素数6〜20の飽和又は不飽和高級アルコールのリン酸モノエステル又はジエステル、(2)ポリオキシアルキレンアルキルエーテル又はポリオキシアルキレンアルキルアリルエーテルのリン酸モノエステル又はジエステル、(3)上記飽和又は不飽和高級アルコールのアルキレンオキシド付加物(平均付加モル数1〜8)のリン酸モノエステル又はジエステル、(4)炭素数8〜12のアルキル基を有するアルキルフェノール又はアルキルナフトールのリン酸モノエステル又はジエステル等が挙げられる。
上記(1)及び(3)における飽和又は不飽和高級アルコールとしては、例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等が挙げられる。上記(3)におけるアルキルフェノールとしては、ノニルフェノール、ドデシルフェノール、ジフェニルフェノール等が挙げられる。上記リン酸エステルは、第2背面層の全固形分に対し、1〜10%の含有割合が好ましい。上記リン酸エステルの含有割合が少なすぎると、充分な滑り性が得られないことがあり、またその含有割合が多すぎると、染料汚染性が増大することがある。
また第2背面層には、サーマルヘッドへのクリーニング性を向上させるためと、キックバック防止性能を向上させるために、無機または有機のフィラーを添加することができる。無機フィラーとしては、例えば、タルク、カオリン等の粘土鉱物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水酸化物、硫酸カルシウム等の硫酸塩、シリカ等の酸化物、グラファイト、硝石、窒化ホウ素等の無機フィラーが挙げられる。有機フィラーとしては、アクリル樹脂、テフロン(登録商標)樹脂、シリコーン樹脂、ラウロイル樹脂、フェノール樹脂、アセタール樹脂、ポリスチレン樹脂、ナイロン樹脂等からなる有機樹脂フィラー、またはこれらを架橋剤と反応させた架橋樹脂フィラー等が挙げられる。
上記の無機または有機フィラーは、いずれも粒径として、平均粒径で0.5〜5.0μm程度が好ましく用いられる。また上記の無機または有機のフィラーは、第2背面層の全固形分に対して、3%〜10%の含有割合が好ましい。そのフィラーの添加量が少なすぎると滑り性が不十分であり、一方多すぎると形成される背面層の可撓性や被膜強度が低下する。
第2背面層は、上記のバインダー樹脂、ロイコ染料、その他増感剤などの添加剤を、例えば、溶媒に溶解、分散させて、すなわちボールミル、サンドミル等を使用して数ミクロン以下にまで分散させ、塗工液を得ることができる。
その塗工液を用いて、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング印刷法等の公知の手段により、塗工し、乾燥することにより形成することができる。第2背面層の塗工量は、乾燥後塗工量が0.1〜5g/m2程度で形成することができる。
その塗工液を用いて、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング印刷法等の公知の手段により、塗工し、乾燥することにより形成することができる。第2背面層の塗工量は、乾燥後塗工量が0.1〜5g/m2程度で形成することができる。
(スリップ層)
本発明の熱転写シートは、基材シートの一方の面に熱転写性色材層が設けられ、前記基材シートの他方の面に、第1背面層と第2背面層とが互いに接するように設けられた構成で、図2に示すように第2背面層6の上に、スリップ層7を設けることができる。そのスリップ層7は、リン酸エステル、シリコーンオイル、グラファイトパウダー、シリコーン系グラフトポリマー、フッ素系グラフトポリマー、アクリルシリコーングラフトポリマー、アクリルシロキサン、アリールシロキサン等のシリコーン重合体などで形成することができる。好ましくは、ポリオール、例えば、ポリアルコール高分子化合物とポリイソシアネート化合物およびリン酸エステル系化合物からなる層であり、さらに充填剤を添加することが好ましい。
本発明の熱転写シートは、基材シートの一方の面に熱転写性色材層が設けられ、前記基材シートの他方の面に、第1背面層と第2背面層とが互いに接するように設けられた構成で、図2に示すように第2背面層6の上に、スリップ層7を設けることができる。そのスリップ層7は、リン酸エステル、シリコーンオイル、グラファイトパウダー、シリコーン系グラフトポリマー、フッ素系グラフトポリマー、アクリルシリコーングラフトポリマー、アクリルシロキサン、アリールシロキサン等のシリコーン重合体などで形成することができる。好ましくは、ポリオール、例えば、ポリアルコール高分子化合物とポリイソシアネート化合物およびリン酸エステル系化合物からなる層であり、さらに充填剤を添加することが好ましい。
スリップ層は上記の第1背面層、第2背面層と同様の手段で、塗工し、乾燥することにより形成することができる。スリップ層の塗工量は、乾燥後塗工量が0.1〜3g/m2程度で形成することができる。
(印画方法)
本発明の印画方法について、説明する。
図3は、本発明の印画方法の一つの例を説明する概略図であり、本発明の熱転写シート1を用いて、被転写体10に第1転写装置30を用いて、熱転写画像を形成し、その熱転写で使用された熱転写シート1を巻き取る巻取部41の近傍で、第2転写装置42を用いて、その熱転写シート1の顕色剤を含有する背面層を感熱発色させることを説明するための全体装置50の概略図である。
本発明の印画方法について、説明する。
図3は、本発明の印画方法の一つの例を説明する概略図であり、本発明の熱転写シート1を用いて、被転写体10に第1転写装置30を用いて、熱転写画像を形成し、その熱転写で使用された熱転写シート1を巻き取る巻取部41の近傍で、第2転写装置42を用いて、その熱転写シート1の顕色剤を含有する背面層を感熱発色させることを説明するための全体装置50の概略図である。
熱転写シート1として、図1に示すような基材シート2の一方の面に熱転写性色材層3を設け、その基材シート2の他方の面に、第1背面層5と第2背面層6を順次設けた熱転写シート1を用いた。
上記装置50は、矢印R1で示す方向に熱転写シート1を送り出す送出部20と、送出部20の下流側に配置された第1転写装置30と、その第1転写装置30の下流側に配置され、矢印R2で示す方向に熱転写による画像を形成して使用された熱転写シート1、すなわち熱転写性色材層が転写された後の熱転写シート1を巻き取る巻取部41と、巻取部41の近傍に設けられ、転写され使用された熱転写シート1を、第2背面層6側から加熱する第2転写装置42と、を備えている。
上記装置50は、矢印R1で示す方向に熱転写シート1を送り出す送出部20と、送出部20の下流側に配置された第1転写装置30と、その第1転写装置30の下流側に配置され、矢印R2で示す方向に熱転写による画像を形成して使用された熱転写シート1、すなわち熱転写性色材層が転写された後の熱転写シート1を巻き取る巻取部41と、巻取部41の近傍に設けられ、転写され使用された熱転写シート1を、第2背面層6側から加熱する第2転写装置42と、を備えている。
熱転写シート1は送出部20から送り出され、複数のガイドロール21に沿って搬送され、第1転写装置30に至り、被転写体10に所望パターンを転写して、熱転写画像を形成する。第1転写装置30は、被転写体10を支持するプラテンロール32と、熱転写シート1および被転写体10を挟んでプラテンロール32と対向するよう設けられた第1加熱体31、例えば印字ヘッドと、を有している。第1加熱体31は、熱転写シート1の背面層4側に設けられている。この第1加熱体31により、熱転写シート1の熱転写性色材層3が所定のパターン(第1パターン)で加熱され、これによって、熱転写シート1の熱転写性色材層3の色材、あるいは色材層が被転写体10に対して第1パターンで転写される。
図3に第1転写装置30における第1加熱体31とプラテンロール32との間に、被転写体10と熱転写シート1とが、熱転写性色材層3と被転写体10とが重ね合わされて加熱及び加圧された状態を示す拡大図を示した。熱転写シート1の背面には、背面層4が基材シート2側から第1背面層5、第2背面層6が順次設けられ、第2背面層6と第1加熱体31とが接している。その第1加熱体31から熱転写シート1の背面層側を所定のパターン(第1パターン)で加熱して、被転写体10に対し第1パターンの熱転写画像が転写される。なお、この加熱の際に、熱転写シート1の顕色剤を含有する第1背面層あるいは第2背面層が第1パターンで感熱発色していても良い。
なお、図3に示す巻取装置40は、熱転写性色材層が転写された後の熱転写シート1を巻き取る巻取部41と、第2転写装置42とにより、構成されている。図3には、巻取装置40における第2転写装置42を構成する第2加熱体43と、熱転写性色材層が上記の第1パターンで転写された後の熱転写シート1の背面層4の第2背面層6とが接した状態を拡大図で示した。第2加熱体43は矢印R3で示す方向に回転して、第1パターンで転写された後の熱転写シート1の背面層を加熱する。第1転写装置30で第1パターンの熱転写画像を転写した後の熱転写シート1を巻き取る巻取部41の近傍で、第2加熱体43を有する第2転写装置42を用いて、第2加熱体43により、上記熱転写シート1の背面層4が、例えば背面層の全面でベタ状に加熱され、第2加熱体43の近傍にある、顕色剤を含有する第1背面層5あるいは第2背面層6が感熱発色する。これにより、熱転写性色材層の第1転写装置30で第1パターンの熱転写による転写跡の痕跡を目視にて判読できないようにすることができる。
上記の第2加熱体43における加熱の際に、加熱温度を高めにすることで、第2加熱体43と接する熱転写シート1の熱転写性色材層3を、巻取状でその熱転写性色材層3と接する熱転写シートの第2背面層に熱転写させ、巻取状のままで放置して、その接する部分を接着させることも可能である。これにより、上記の熱転写性色材層の転写跡の痕跡をより判読できないようにすることができる。
図3で示した本発明の印画方法の例では、加熱体を2つ設けた方法(装置)を示したが、第1加熱体と第2加熱体を共通化して、一つの加熱体Sを用いても良い。但し、この場合は、被転写体に上記加熱体Sを用いて、熱転写画像を形成した後に、その加熱体Sを熱転写による画像を形成した熱転写シートを巻き取る巻取部の近傍へ、移動して熱転写シートを第2背面層側から加熱することが好ましい。この場合は、加熱体Sが熱転写シートの搬送方向に移動可能に設定できるようにする。
図3では第2加熱体で、熱転写シートの背面層の全面でベタ状に加熱する例を示したが、これに限らずに、加熱するパターンは、熱転写性色材層の転写跡の痕跡を判読できないようにできれば、任意のものを選択することができる。例えば、図3で示した第1加熱体により第1パターンで被転写体に画像形成し、その第1パターンに類似の要素を含む攪乱パターンにより、第2加熱体で加熱することが好ましい。その攪乱パターンとは、その第1パターンに合わせて適宜選択できる。
例えば、第1加熱体を含む第1転写装置で画像形成した第1パターンが人物の顔である場合、その要素には顔輪郭、皮膚、目、鼻、口、眉、耳及び毛髪等の形状、大きさ並びに濃度階調等が含まれるため、攪乱パターンはこの中の少なくとも一つの要素を含めば良い。例えば、第1パターンに含まれる目の形状に類似した攪乱パターンを用いても良いし、第1パターンに含まれる顔輪郭の形状及び大きさに類似した攪乱パターン1と第1パターンに含まれる髪型と類似の形状及び類似の濃度階調を有する攪乱パターン2をあわせて用いても良い。
例えば、第1加熱体を含む第1転写装置で画像形成した第1パターンが人物の顔である場合、その要素には顔輪郭、皮膚、目、鼻、口、眉、耳及び毛髪等の形状、大きさ並びに濃度階調等が含まれるため、攪乱パターンはこの中の少なくとも一つの要素を含めば良い。例えば、第1パターンに含まれる目の形状に類似した攪乱パターンを用いても良いし、第1パターンに含まれる顔輪郭の形状及び大きさに類似した攪乱パターン1と第1パターンに含まれる髪型と類似の形状及び類似の濃度階調を有する攪乱パターン2をあわせて用いても良い。
第1パターンが人物の顔画像を含み、その顔画像が楕円短径a及び楕円長径bの場合は、攪乱パターンの形状は特に限定されずに適宜設定しても良いが、楕円短径a’及び楕円長径b’を有し、当該a’が0.5a〜1.5aであり、かつ、当該b’が0.5b〜1.5bである疑似顔輪郭楕円であると、第1パターンと攪乱パターン2、すなわち顔画像の輪郭と疑似顔輪郭楕円がより類似し、顔画像の転写跡、すなわち第1パターンのみの読み取りがより困難となり好ましい。
さらに、人物の顔画像のアスペクト比b/a、すなわちb÷aの値と、疑似顔輪郭楕円のアスペクト比b’/a’、すなわちb’÷a’の値が1.2〜2.0であると、第1パターンのみの読み取りがより困難となり好ましい。このとき、人物の顔画像のアスペクト比b/aと疑似顔輪郭楕円のアスペクト比b’/a’は、それぞれが1.2〜2.0の範囲内であれば良く、異なっていても良いし、同じであっても良い。
また、一般に人間の目の直径は顔幅の約1/10であることから、疑似顔輪郭楕円に直径Cがa/15〜a/5である疑似目が少なくとも一つ含まれると、人間の目の大きさに類似した疑似目により攪乱され顔画像の転写跡が認識し難くなり、かつ、転写跡を視認した際に見た者に不快感を与えやすく、第1パターンのみの読み取りがより困難となり好ましい。
(被転写体)
本発明の印画方法で用いられる被転写体は、従来公知のいずれの被転写体でも使用することができる。例えば、天燃パルプ紙、コート紙、トレーシングペーパー、加熱転写時の熱で変形しないプラスチックフィルム、ガラス、金属、セラミックス、木材、布等いずれのものでもよい。
本発明の印画方法で用いられる被転写体は、従来公知のいずれの被転写体でも使用することができる。例えば、天燃パルプ紙、コート紙、トレーシングペーパー、加熱転写時の熱で変形しないプラスチックフィルム、ガラス、金属、セラミックス、木材、布等いずれのものでもよい。
以下、実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。これらの記載により本発明を
制限するものではない。なお、文中、部または%とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
制限するものではない。なお、文中、部または%とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
(実施例1)
以下の組成を有する熱転写性色材層用組成物、第1背面層用組成物及び第2背面層用組成物をそれぞれ、調製した。
(熱転写性シアン色材層用組成物)
・C.I.ソルベントブルー63 3.5部
・ポリビニルアセタール樹脂(積水化学工業(株)製、商品名エスレックKS−5)
3.5部
・トルエン 46.5部
・メチルエチルケトン 46.5部
以下の組成を有する熱転写性色材層用組成物、第1背面層用組成物及び第2背面層用組成物をそれぞれ、調製した。
(熱転写性シアン色材層用組成物)
・C.I.ソルベントブルー63 3.5部
・ポリビニルアセタール樹脂(積水化学工業(株)製、商品名エスレックKS−5)
3.5部
・トルエン 46.5部
・メチルエチルケトン 46.5部
(第1背面層用組成物)
・ポリエステル樹脂(日本合成化学工業(株)、商品名ポリエスター WR−961、固形分30%) 17部
・黒色発色のロイコ染料(3−(N−エチル−Nアシルアミノ)−6−メチル−7アニリノフルオラン) 11部
・増感剤;脂肪酸アマイド(オレイン酸アマイド、融点75℃) 2部
・水 41部
・イソプロピルアルコール 41部
・ポリエステル樹脂(日本合成化学工業(株)、商品名ポリエスター WR−961、固形分30%) 17部
・黒色発色のロイコ染料(3−(N−エチル−Nアシルアミノ)−6−メチル−7アニリノフルオラン) 11部
・増感剤;脂肪酸アマイド(オレイン酸アマイド、融点75℃) 2部
・水 41部
・イソプロピルアルコール 41部
(第2背面層用組成物)
・ポリビニルアセタール樹脂(積水化学工業(株)製、商品名エスレックKS−1)
51.2部
・ポリイソシアネート(DIC(株)製、商品名バーノックD750) 17.8部
・ステアリルリン酸亜鉛 10部
(LBT−1830精製、堺化学工業(株)製)
・ステアリン酸亜鉛(SZ−PF、堺化学工業(株)製) 10部
・ポリエチレンワックス(ポリワックス3000、東洋アドレ(株)製) 2部
・顕色剤(ビスフェノール−A)* 50部
・増感剤;脂肪酸アマイド(オレイン酸アマイド、融点75℃) 5部
・キシレン 40部
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 20部
*上記顕色剤は乳化液の状態で、第2背面層用組成物中で分散させた。
・ポリビニルアセタール樹脂(積水化学工業(株)製、商品名エスレックKS−1)
51.2部
・ポリイソシアネート(DIC(株)製、商品名バーノックD750) 17.8部
・ステアリルリン酸亜鉛 10部
(LBT−1830精製、堺化学工業(株)製)
・ステアリン酸亜鉛(SZ−PF、堺化学工業(株)製) 10部
・ポリエチレンワックス(ポリワックス3000、東洋アドレ(株)製) 2部
・顕色剤(ビスフェノール−A)* 50部
・増感剤;脂肪酸アマイド(オレイン酸アマイド、融点75℃) 5部
・キシレン 40部
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 20部
*上記顕色剤は乳化液の状態で、第2背面層用組成物中で分散させた。
基材シートとして、厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートを用意した。
その基材シートの一方の面に、調製した上記第1背面層用組成物を、乾燥後の厚さが2.0g/m2になるように、グラビアコーターで塗工し、100℃で乾燥させ、第1背面層を形成した。さらに、その第1背面層の上に、調製した上記第2背面層用組成物を、乾燥後の厚さが2.0g/m2になるように、グラビアコーターで塗工し、100℃で乾燥させ、第2背面層を形成した。
その基材シートの一方の面に、調製した上記第1背面層用組成物を、乾燥後の厚さが2.0g/m2になるように、グラビアコーターで塗工し、100℃で乾燥させ、第1背面層を形成した。さらに、その第1背面層の上に、調製した上記第2背面層用組成物を、乾燥後の厚さが2.0g/m2になるように、グラビアコーターで塗工し、100℃で乾燥させ、第2背面層を形成した。
次いで、上記基材シートの他方の面に、調製した上記熱転写性シアン色材層用組成物を、乾燥後の厚さが1.0g/m2になるように、グラビアコーターで塗工し、100℃で乾燥させ、熱転写性色材層を形成し、図1に示すような熱転写シートを作製した。
(実施例2)
以下の組成を有する熱転写性色材層用組成物、第1背面層用組成物及び第2背面層用組成物をそれぞれ、調製した。
(熱転写性シアン色材層用組成物)
上記実施例1で使用した組成物を使用した。
以下の組成を有する熱転写性色材層用組成物、第1背面層用組成物及び第2背面層用組成物をそれぞれ、調製した。
(熱転写性シアン色材層用組成物)
上記実施例1で使用した組成物を使用した。
(第1背面層用組成物)
・ポリビニルアセタール樹脂(積水化学工業(株)製、商品名エスレックKS−1)
51.2部
・ポリイソシアネート(DIC(株)製、商品名バーノックD750) 17.8部
・ステアリルリン酸亜鉛 10部
(LBT−1830精製、堺化学工業(株)製)
・ステアリン酸亜鉛(SZ−PF、堺化学工業(株)製) 10部
・ポリエチレンワックス(ポリワックス3000、東洋アドレ(株)製) 2部
・顕色剤(ビスフェノール−A)* 50部
・増感剤;脂肪酸アマイド(オレイン酸アマイド、融点75℃) 5部
・キシレン 40部
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 20部
*上記顕色剤は乳化液の状態で、第2背面層用組成物中で分散させた。
・ポリビニルアセタール樹脂(積水化学工業(株)製、商品名エスレックKS−1)
51.2部
・ポリイソシアネート(DIC(株)製、商品名バーノックD750) 17.8部
・ステアリルリン酸亜鉛 10部
(LBT−1830精製、堺化学工業(株)製)
・ステアリン酸亜鉛(SZ−PF、堺化学工業(株)製) 10部
・ポリエチレンワックス(ポリワックス3000、東洋アドレ(株)製) 2部
・顕色剤(ビスフェノール−A)* 50部
・増感剤;脂肪酸アマイド(オレイン酸アマイド、融点75℃) 5部
・キシレン 40部
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 20部
*上記顕色剤は乳化液の状態で、第2背面層用組成物中で分散させた。
(第2背面層用組成物)
・ポリエステル樹脂(日本合成化学工業(株)、商品名ポリエスター WR−961、固形分30%) 17部
・黒色発色のロイコ染料(3−(N−エチル−Nアシルアミノ)−6−メチル−7アニリノフルオラン) 11部
・増感剤;脂肪酸アマイド(オレイン酸アマイド、融点75℃) 2部
・水 41部
・イソプロピルアルコール 41部
・ポリエステル樹脂(日本合成化学工業(株)、商品名ポリエスター WR−961、固形分30%) 17部
・黒色発色のロイコ染料(3−(N−エチル−Nアシルアミノ)−6−メチル−7アニリノフルオラン) 11部
・増感剤;脂肪酸アマイド(オレイン酸アマイド、融点75℃) 2部
・水 41部
・イソプロピルアルコール 41部
上記の各組成物を使用して、実施例1と同様にして、基材シートの一方の面に、第1背面層、第2背面層を順次設け、基材シートの他方の面に、熱転写性色材層を形成し、図1に示すような熱転写シートを作製した。
(実施例3)
以下の組成を有する熱転写性色材層用組成物、第1背面層用組成物及び第2背面層用組成物をそれぞれ、調製した。
(熱転写性ブラック色材層用組成物)
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂溶液(ソルバインCNL、日信化学工業(株)製) 20部
・カーボンブラック 10部
・メチルエチルケトン 35部
・トルエン 35部
以下の組成を有する熱転写性色材層用組成物、第1背面層用組成物及び第2背面層用組成物をそれぞれ、調製した。
(熱転写性ブラック色材層用組成物)
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂溶液(ソルバインCNL、日信化学工業(株)製) 20部
・カーボンブラック 10部
・メチルエチルケトン 35部
・トルエン 35部
(第1背面層用組成物)
上記実施例2で使用した組成物を使用した。
上記実施例2で使用した組成物を使用した。
(第2背面層用組成物)
上記実施例2で使用した組成物を使用した。
上記実施例2で使用した組成物を使用した。
上記の各組成物を使用して、実施例1と同様にして、基材シートの一方の面に、第1背面層、第2背面層を順次設け、基材シートの他方の面に、熱転写性色材層を形成し、図1に示すような熱転写シートを作製した。
(実施例4)
以下の組成を有する第1背面層用組成物及び第2背面層用組成物をそれぞれ、調製した。
(第1背面層用組成物)
・ポリエステル樹脂(日本合成化学工業(株)、商品名ポリエスター WR−961、固形分30%) 17部
・黒色発色のロイコ染料(3−(N−エチル−Nアシルアミノ)−6−メチル−7アニリノフルオラン) 13部
・水 41部
・イソプロピルアルコール 41部
以下の組成を有する第1背面層用組成物及び第2背面層用組成物をそれぞれ、調製した。
(第1背面層用組成物)
・ポリエステル樹脂(日本合成化学工業(株)、商品名ポリエスター WR−961、固形分30%) 17部
・黒色発色のロイコ染料(3−(N−エチル−Nアシルアミノ)−6−メチル−7アニリノフルオラン) 13部
・水 41部
・イソプロピルアルコール 41部
(第2背面層用組成物)
・ポリビニルアセタール樹脂(積水化学工業(株)製、商品名エスレックKS−1)
51.2部
・ポリイソシアネート(DIC(株)製、商品名バーノックD750) 17.8部
・ステアリルリン酸亜鉛 10部
(LBT−1830精製、堺化学工業(株)製)
・ステアリン酸亜鉛(SZ−PF、堺化学工業(株)製) 10部
・ポリエチレンワックス(ポリワックス3000、東洋アドレ(株)製) 2部
・顕色剤(ビスフェノール−A)* 55部
・キシレン 40部
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 20部
*上記顕色剤は乳化液の状態で、第2背面層用組成物中で分散させた。
上記の各組成物を使用して、実施例1と同様にして、基材シートの一方の面に、第1背面層、第2背面層を順次設け、基材シートの他方の面に、熱転写性色材層を形成し、図1に示すような熱転写シートを作製した。
・ポリビニルアセタール樹脂(積水化学工業(株)製、商品名エスレックKS−1)
51.2部
・ポリイソシアネート(DIC(株)製、商品名バーノックD750) 17.8部
・ステアリルリン酸亜鉛 10部
(LBT−1830精製、堺化学工業(株)製)
・ステアリン酸亜鉛(SZ−PF、堺化学工業(株)製) 10部
・ポリエチレンワックス(ポリワックス3000、東洋アドレ(株)製) 2部
・顕色剤(ビスフェノール−A)* 55部
・キシレン 40部
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 20部
*上記顕色剤は乳化液の状態で、第2背面層用組成物中で分散させた。
上記の各組成物を使用して、実施例1と同様にして、基材シートの一方の面に、第1背面層、第2背面層を順次設け、基材シートの他方の面に、熱転写性色材層を形成し、図1に示すような熱転写シートを作製した。
(比較例1)
上記実施例1で作製した熱転写シートで、基材シートの一方の面に熱転写性色材層を形成し、基材シートの他方の面に下記組成の背面層用組成物Aを使用して、乾燥後の厚さが2.0g/m2になるように、グラビアコーターで塗工し、100℃で乾燥させ、背面層を形成した。
(背面層用組成物A)
・ポリビニルアセタール樹脂(積水化学工業(株)製、商品名エスレックKS−1)
51.2部
・ポリイソシアネート(DIC(株)製、商品名バーノックD750) 17.8部
・ステアリルリン酸亜鉛 10部
(LBT−1830精製、堺化学工業(株)製)
・ステアリン酸亜鉛(SZ−PF、堺化学工業(株)製) 10部
・ポリエチレンワックス(ポリワックス3000、東洋アドレ(株)製) 2部
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 20部
上記実施例1で作製した熱転写シートで、基材シートの一方の面に熱転写性色材層を形成し、基材シートの他方の面に下記組成の背面層用組成物Aを使用して、乾燥後の厚さが2.0g/m2になるように、グラビアコーターで塗工し、100℃で乾燥させ、背面層を形成した。
(背面層用組成物A)
・ポリビニルアセタール樹脂(積水化学工業(株)製、商品名エスレックKS−1)
51.2部
・ポリイソシアネート(DIC(株)製、商品名バーノックD750) 17.8部
・ステアリルリン酸亜鉛 10部
(LBT−1830精製、堺化学工業(株)製)
・ステアリン酸亜鉛(SZ−PF、堺化学工業(株)製) 10部
・ポリエチレンワックス(ポリワックス3000、東洋アドレ(株)製) 2部
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 20部
(比較例2)
上記実施例3で作製した熱転写シートで、基材シートの一方の面に熱転写性色材層を形成し、基材シートの他方の面に上記の比較例1で使用した背面層用組成物Aを使用して、乾燥後の厚さが2.0g/m2になるように、グラビアコーターで塗工し、100℃で乾燥させ、背面層を形成した。
上記実施例3で作製した熱転写シートで、基材シートの一方の面に熱転写性色材層を形成し、基材シートの他方の面に上記の比較例1で使用した背面層用組成物Aを使用して、乾燥後の厚さが2.0g/m2になるように、グラビアコーターで塗工し、100℃で乾燥させ、背面層を形成した。
(比較例3)
上記実施例3で作製した熱転写シートで、基材シートの一方の面に熱転写性色材層を形成し、基材シートの他方の面に、下記組成を有する背面層用組成物Bを使用して、乾燥後の厚さが2.0g/m2になるように、グラビアコーターで塗工し、100℃で乾燥させ、背面層を形成した。
(背面層用組成物B)
・ポリビニルアセタール樹脂(積水化学工業(株)製、商品名エスレックKS−1)
51.2部
・ポリイソシアネート(DIC(株)製、商品名バーノックD750) 17.8部
・ステアリルリン酸亜鉛 10部
(LBT−1830精製、堺化学工業(株)製)
・ステアリン酸亜鉛(SZ−PF、堺化学工業(株)製) 10部
・ポリエチレンワックス(ポリワックス3000、東洋アドレ(株)製) 2部
・顕色剤(ビスフェノール−A)* 50部
・増感剤;脂肪酸アマイド(オレイン酸アマイド、融点75℃) 5部
・黒色発色のロイコ染料(3−(N−エチル−Nアシルアミノ)−6−メチル−7アニリノフルオラン) 50部
・キシレン 40部
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 20部
*上記顕色剤は乳化液の状態で、背面層用組成物中で分散させた。
上記実施例3で作製した熱転写シートで、基材シートの一方の面に熱転写性色材層を形成し、基材シートの他方の面に、下記組成を有する背面層用組成物Bを使用して、乾燥後の厚さが2.0g/m2になるように、グラビアコーターで塗工し、100℃で乾燥させ、背面層を形成した。
(背面層用組成物B)
・ポリビニルアセタール樹脂(積水化学工業(株)製、商品名エスレックKS−1)
51.2部
・ポリイソシアネート(DIC(株)製、商品名バーノックD750) 17.8部
・ステアリルリン酸亜鉛 10部
(LBT−1830精製、堺化学工業(株)製)
・ステアリン酸亜鉛(SZ−PF、堺化学工業(株)製) 10部
・ポリエチレンワックス(ポリワックス3000、東洋アドレ(株)製) 2部
・顕色剤(ビスフェノール−A)* 50部
・増感剤;脂肪酸アマイド(オレイン酸アマイド、融点75℃) 5部
・黒色発色のロイコ染料(3−(N−エチル−Nアシルアミノ)−6−メチル−7アニリノフルオラン) 50部
・キシレン 40部
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 20部
*上記顕色剤は乳化液の状態で、背面層用組成物中で分散させた。
上記の実施例1、実施例2、実施例4及び比較例1の熱転写シートにおける熱転写性色材層は昇華性染料を色材に使用しているので、昇華型熱転写シートである。一方で実施例3、比較例2及び比較例3の熱転写シートは、熱転写性色材層は熱溶融性インキ層のため、溶融型熱転写シートである。
上記の実施例及び比較例の各熱転写シートを用いて、図3に示すような全体装置を用いて、印画を行なった。但し、第1転写装置で顔写真の柄を印画して、画像を形成し、第2転写装置で、実施例1、実施例2、実施例4、比較例1、比較例2及び比較例3では背面層の全面にベタ状の柄で加熱した。また実施例3では第1転写装置で顔写真の柄を印画して、画像を形成し、第2転写装置で、背面層に攪乱パターンの柄になるように加熱した。なお、実施例3及び比較例2の熱転写シートは、溶融型熱転写シートであるが、第1転写装置での顔写真の柄を印画する際、階調パターンではなく、2値パターン(オンオフ)で印画を行なった。
但し、この攪乱パターンは上記顔写真の楕円短径aが2.5cm、楕円長径bが3.3cmで、アスペクト比b/aが1.32に対し、楕円短径a’が2.6cm、楕円長径b’が3.2cmで、アスペクト比b’/a’が1.23の条件とした。印画に使用する被転写体は、キャノン(株)製の昇華転写型プリンターSELPHY CP710用の昇華型熱転写受像紙である。
(実施例5)
上記の実施例2で作製した熱転写シートを用いて、第1転写装置で顔写真の柄を印画して、画像を形成し、第2転写装置で、背面層に攪乱パターンの柄になるように加熱した。
上記の実施例2で作製した熱転写シートを用いて、第1転写装置で顔写真の柄を印画して、画像を形成し、第2転写装置で、背面層に攪乱パターンの柄になるように加熱した。
上記の実施例及び比較例における印画を行なった後の熱転写シートを目視にて観察し下記の条件で評価した。
(使用済み熱転写シートの読み取り防止性の評価)
上記シアン、あるいはブラックの熱転写性色材層を有する熱転写シートを用いて顔画像を印画し、第2転写装置で熱転写シートの背面側を加熱した後の熱転写性色材層の部分を、蛍光灯の透過光を使用して目視観察し、読み取り防止性を下記基準にて評価した。評価結果を表1に示す。
○:どのような画像を印画したのか、元画像が認識できない。
△:顔画像を印画したことは認識できるが、どのような人物かは認識できない。つまり元画像の認識がしにくい。
×:印画した顔画像を認識でき、どのような人物かを判別できる。つまり、元画像が認識できる。
(使用済み熱転写シートの読み取り防止性の評価)
上記シアン、あるいはブラックの熱転写性色材層を有する熱転写シートを用いて顔画像を印画し、第2転写装置で熱転写シートの背面側を加熱した後の熱転写性色材層の部分を、蛍光灯の透過光を使用して目視観察し、読み取り防止性を下記基準にて評価した。評価結果を表1に示す。
○:どのような画像を印画したのか、元画像が認識できない。
△:顔画像を印画したことは認識できるが、どのような人物かは認識できない。つまり元画像の認識がしにくい。
×:印画した顔画像を認識でき、どのような人物かを判別できる。つまり、元画像が認識できる。
(熱転写シートの第2転写装置における加熱後の発色状況の評価)
上記シアン、あるいはブラックの熱転写性色材層を有する熱転写シートを用いて顔画像を印画し、第2転写装置で熱転写シートの背面側を加熱した後の熱転写シートの背面側の発色状況を目視観察し、下記基準にて評価した。評価結果を表1に示す。
1:発色濃度が非常に低い、あるいは発色が認識できない。
2:発色濃度が低い。
3:発色濃度が高い。
4:発色濃度が非常に高い。
上記シアン、あるいはブラックの熱転写性色材層を有する熱転写シートを用いて顔画像を印画し、第2転写装置で熱転写シートの背面側を加熱した後の熱転写シートの背面側の発色状況を目視観察し、下記基準にて評価した。評価結果を表1に示す。
1:発色濃度が非常に低い、あるいは発色が認識できない。
2:発色濃度が低い。
3:発色濃度が高い。
4:発色濃度が非常に高い。
また、上記の実施例及び比較例の熱転写シートの製造時の背面層における発色状況を目視にて観察し、下記の条件で評価した。
(熱転写シートの製造時の乾燥工程における加熱による背面層における発色状況の評価)
上記の実施例及び比較例の熱転写シートの製造時の乾燥工程における加熱による背面層における発色状況を目視にて観察し、下記基準にて評価した。
発色しなかった;目視で背面層の発色が認められないものであった。
発色してしまった;目視で背面層の発色が認められるものであった。
(熱転写シートの製造時の乾燥工程における加熱による背面層における発色状況の評価)
上記の実施例及び比較例の熱転写シートの製造時の乾燥工程における加熱による背面層における発色状況を目視にて観察し、下記基準にて評価した。
発色しなかった;目視で背面層の発色が認められないものであった。
発色してしまった;目視で背面層の発色が認められるものであった。
上記の実施例の熱転写シートは全て、熱転写して画像形成後の転写跡の痕跡を確実に判読できないようにすることができていた。さらに、実施例での熱転写シートは、製造時の加熱による発色が抑制されたために、その熱転写シートの製造時での熱転写性色材層の塗工欠陥があっても、目視にて容易に、その欠陥を見つけ出すことができるものであった。
それに対して、比較例1、2の熱転写シートは背面側にロイコ染料、顕色剤が存在していないので、背面側で加熱した箇所に発色が全く認められず、熱転写して画像形成後の転写跡の痕跡が容易に判読できてしまい、情報が漏えいするものであり、非常に問題があった。
それに対して、比較例1、2の熱転写シートは背面側にロイコ染料、顕色剤が存在していないので、背面側で加熱した箇所に発色が全く認められず、熱転写して画像形成後の転写跡の痕跡が容易に判読できてしまい、情報が漏えいするものであり、非常に問題があった。
比較例3の熱転写シートは、上記評価の読み取り防止性及び背面層の発色状況は問題なかったが、その熱転写シートの製造時の乾燥工程における加熱により、そのロイコ染料と顕色剤が含有されている背面層が発色してしまい、製造時の熱溶融性ブラックインキ層の塗工膜の欠陥が確認できなく、問題があった。
1 熱転写シート
2 基材シート
3 熱転写性色材層
4 背面層
5 第1背面層
6 第2背面層
7 スリップ層
10 被転写体
20 送出部
21 ガイドロール
30 第1転写装置
31 第1加熱体
32 プラテンロール
40 巻取装置
41 巻取部
42 第2転写装置
43 第2加熱体
50 全体装置
2 基材シート
3 熱転写性色材層
4 背面層
5 第1背面層
6 第2背面層
7 スリップ層
10 被転写体
20 送出部
21 ガイドロール
30 第1転写装置
31 第1加熱体
32 プラテンロール
40 巻取装置
41 巻取部
42 第2転写装置
43 第2加熱体
50 全体装置
Claims (7)
- 基材シートの一方の面に熱転写性色材層が設けられ、前記基材シートの他方の面に、第1背面層と第2背面層とが互いに接するように設けられた熱転写シートであって、前記第1背面層が前記基材シート側に設けられ、前記第1背面層に顕色剤を含有し、前記第2背面層にロイコ染料を含有することを特徴とする熱転写シート。
- 基材シートの一方の面に熱転写性色材層が設けられ、前記基材シートの他方の面に、第1背面層と第2背面層とが互いに接するように設けられた熱転写シートであって、前記第1背面層が前記基材シート側に設けられ、前記第1背面層にロイコ染料を含有し、前記第2背面層に顕色剤を含有することを特徴とする熱転写シート。
- 前記の第1背面層、第2背面層の少なくとも1層に、増感剤をさらに含有することを特徴とする請求項1又は2に記載する熱転写シート。
- 前記の第2背面層に滑剤をさらに含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載する熱転写シート。
- 請求項1〜4のいずれか一つに記載の熱転写シートを用いて、被転写体に熱転写により画像を形成し、その後に、前記熱転写による画像を形成した熱転写シートを巻き取る巻取部の近傍で、前記熱転写シートを前記第2背面層側から加熱して、前記顕色剤を含有する第1背面層あるいは第2背面層を感熱発色させることを特徴とする印画方法。
- 前記の第2背面層側から加熱する条件が、前記第2背面層の全面を加熱することを特徴とする請求項5に記載する印画方法。
- 前記の第2背面層側から加熱する条件が、前記被転写体に形成された画像のパターンに類似の要素を含む攪乱パターンにより加熱することを特徴とする請求項5に記載する印画方法。
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