JP2016037522A - 発泡成形体用スチレン系共重合体 - Google Patents
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Abstract
本発明は、新規な耐熱性に優れた発泡成形体用スチレン系共重合体及び各種発泡成形体を提供することを課題とする。
【解決手段】
芳香族ビニル単量体単位45〜85質量%、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位5〜45質量%、不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位10〜30質量%からなるスチレン系共重合体とする事で、耐熱性と強度のバランスに優れることから、耐熱性の要求される発泡成形体として有用である。共重合体の重量平均分子量(Mw)を10万〜30万とする事、共重合体の50N荷重で測定したビカット軟化温度が110〜150℃である事が更に好ましい。
【選択図】なし
Description
(1)芳香族ビニル単量体単位45〜85質量%、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位5〜45質量%、不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位10〜30質量%からなる発泡成形体用スチレン系共重合体。
(2)共重合体の重量平均分子量(Mw)が10万〜30万である(1)に記載の発泡成形体用スチレン系共重合体。
(3)共重合体の50N荷重で測定したビカット軟化温度が110〜150℃である(1)又は(2)に記載の発泡成形体用スチレン系共重合体。
(4)(1)〜(3)のいずれかに記載の共重合体から得られる発泡成形体。
本願明細書の数値範囲記載において、例えば、「A〜B」なる記載は、A以上でありB以下であることを意味する。
装置名:SYSTEM−21 Shodex(昭和電工社製)
カラム:PL gel MIXED−Bを3本直列
温度:40℃
検出:示差屈折率
溶媒:テトラヒドロフラン
濃度:2質量%
検量線:標準ポリスチレン(PS)(PL社製)を用いて作製した。
マレイン酸無水物が20質量%濃度となるようにメチルイソブチルケトンに溶解させた20%マレイン酸無水物溶液と、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートが2質量%となるようにメチルイソブチルケトンに希釈した2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液とを事前に調製し、重合に使用した。
撹拌機を備えた120リットルのオートクレーブ中に、20%マレイン酸無水物溶液2.4kg、スチレン24kg、メチルメタクレリレート11.2kg、t−ドデシルメルカプタン30g、メチルイソブチルケトン2kgを仕込み、気相部を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら40分かけて87℃まで昇温した。昇温後87℃を保持しながら、20%マレイン酸無水物溶液を1.8kg/時、および2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液を375g/時の分添速度で各々連続的に8時間かけて添加し続けた。その後、2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液の分添を停止し、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネートを30g添加した。20%マレイン酸無水物溶液は、そのまま1.8kg/時の分添速度を維持しながら、8.25℃/時の昇温速度で4時間かけて120℃まで昇温した。20%マレイン酸無水物溶液の分添は、分添量が積算で18kgになった時点で停止した。昇温後、1時間120℃を保持して重合を終了させた。重合液は、ギヤーポンプを用いて二軸脱揮押出機に連続的にフィードし、メチルイソブチルケトンおよび微量の未反応モノマー等を脱揮処理して、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状の共重合体(A−1)を得た。得られた共重合体(A−1)をC−13NMR法により組成分析を行った。さらにGPC装置にて分子量測定を行った。組成分析及び分子量測定結果を表1に示す。また、射出成形機にて2mm厚みの鏡面プレートを成形し、ヘーズメーターにて全光線透過率を測定結果、91.2%であった。
20%マレイン酸無水物溶液と2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液は、A−1と同様に調製した。
撹拌機を備えた120リットルのオートクレーブ中に、20%マレイン酸無水物溶液2.8kg、スチレン24kg、メチルメタクレリレート10.4kg、t−ドデシルメルカプタン40gを仕込み、気相部を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら40分かけて88℃まで昇温した。昇温後88℃を保持しながら、20%マレイン酸無水物溶液を2.1kg/時、および2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液を375g/時の分添速度で各々連続的に8時間かけて添加し続けた。その後、2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液の分添を停止し、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネートを40g添加した。20%マレイン酸無水物溶液はそのまま2.1kg/時の分添速度を維持しながら、8℃/時の昇温速度で4時間かけて120℃まで昇温した。20%マレイン酸無水物溶液の分添は、分添量が積算で25.2kgになった時点で停止した。昇温後、1時間120℃を保持して重合を終了させた重合液は、ギヤーポンプを用いて二軸脱揮押出機に連続的にフィードし、メチルイソブチルケトンおよび微量の未反応モノマー等を脱揮処理して、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状の共重合体(A−2)を得た。得られた共重合体(A−2)について、A−1と同様に組成分析、分子量、および全光線透過率を測定した。組成分析及び分子量測定結果を表1に示す。また、全光線透過率は91.8%であった。
20%マレイン酸無水物溶液と2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液は、A−1と同様に調製した。
撹拌機を備えた120リットルのオートクレーブ中に、20%マレイン酸無水物溶液3.4kg、スチレン24kg、メチルメタクレリレート9.2kg、t−ドデシルメルカプタン60gを仕込み、気相部を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら40分かけて88℃まで昇温した。昇温後88℃を保持しながら、20%マレイン酸無水物溶液を2.55kg/時、および2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液を375g/時の分添速度で各々連続的に8時間かけて添加し続けた。その後、2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液の分添を停止し、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネートを40g添加した。20%マレイン酸無水物溶液はそのまま2.55kg/時の分添速度を維持しながら、8℃/時の昇温速度で4時間かけて120℃まで昇温した。20%マレイン酸無水物溶液の分添は、分添量が積算で30.6kgになった時点で停止した。昇温後、1時間120℃を保持して重合を終了させた。重合液は、ギヤーポンプを用いて二軸脱揮押出機に連続的にフィードし、メチルイソブチルケトンおよび微量の未反応モノマー等を脱揮処理して、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状の共重合体(A−3)を得た。得られた共重合体(A−3)について、A−1と同様に組成分析、分子量、および全光線透過率を測定した。組成分析及び分子量測定結果を表1に示す。また、全光線透過率は91.1%であった。
20%マレイン酸無水物溶液と2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液は、A−1と同様に調製した。
撹拌機を備えた120リットルのオートクレーブ中に、20%マレイン酸無水物溶液3.8kg、スチレン24kg、メチルメタクレリレート8.4kg、t−ドデシルメルカプタン32gを仕込み、気相部を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら40分かけて88℃まで昇温した。昇温後88℃を保持しながら、20%マレイン酸無水物溶液を2.85kg/時、および2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液を300g/時の分添速度で各々連続的に8時間かけて添加し続けた。その後、2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液の分添を停止し、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネートを40g添加した。20%マレイン酸無水物溶液はそのまま2.85kg/時の分添速度を維持しながら、8℃/時の昇温速度で4時間かけて120℃まで昇温した。20%マレイン酸無水物溶液の分添は、分添量が積算で34.2kgになった時点で停止した。昇温後、1時間120℃を保持して重合を終了させた。重合液は、ギヤーポンプを用いて二軸脱揮押出機に連続的にフィードし、メチルイソブチルケトンおよび微量の未反応モノマー等を脱揮処理して、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状の共重合体(A−4)を得た。得られた共重合体(A−4)について、A−1と同様に組成分析、分子量、および全光線透過率を測定した。組成分析及び分子量測定結果を表1に示す。また、全光線透過率は90.2%であった。
20%マレイン酸無水物溶液と2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液は、A−1と同様に調製した。
撹拌機を備えた120リットルのオートクレーブ中に、20%マレイン酸無水物溶液5kg、スチレン24kg、メチルメタクレリレート6kg、t−ドデシルメルカプタン50gを仕込み、気相部を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら40分かけて88℃まで昇温した。昇温後88℃を保持しながら、20%マレイン酸無水物溶液を3.75kg/時、および2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液を300g/時の分添速度で各々連続的に8時間かけて添加し続けた。その後、2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液の分添を停止し、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネートを40g添加した。20%マレイン酸無水物溶液はそのまま3.75kg/時の分添速度を維持しながら、8℃/時の昇温速度で4時間かけて120℃まで昇温した。20%マレイン酸無水物溶液の分添は、分添量が積算で45kgになった時点で停止した。昇温後、1時間120℃を保持して重合を終了させた。重合液は、ギヤーポンプを用いて二軸脱揮押出機に連続的にフィードし、メチルイソブチルケトンおよび微量の未反応モノマー等を脱揮処理して、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状の共重合体(A−5)を得た。得られた共重合体(A−5)について、A−1と同様に組成分析、分子量、および全光線透過率を測定した。組成分析及び分子量測定結果を表2に示す。また、全光線透過率は90.0%であった。
20%マレイン酸無水物溶液と2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液は、A−1と同様に調製した。
撹拌機を備えた120リットルのオートクレーブ中に、20%マレイン酸無水物溶液2.8kg、スチレン30.4kg、メチルメタクレリレート3kg、t−ドデシルメルカプタン36gを仕込み、気相部を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら40分かけて88℃まで昇温した。昇温後88℃を保持しながら、20%マレイン酸無水物溶液を1.4kg/時、メチルメタクリレート56g/時、および2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液を300g/時の分添速度で各々連続的に10時間かけて添加し続けた。その後、2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液の分添を停止し、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネートを60g添加した。20%マレイン酸無水物溶液およびメチルメタクリレートは、各々そのまま1.4kg/時、56g/時の分添速度を維持しながら、4℃/時の昇温速度で9時間かけて124℃まで昇温した。20%マレイン酸無水物溶液の分添は積算で25.2kgになった時点で、メチルメタクリレートの分添は積算で1kgになった時点で、各々の分添を停止した。昇温後、1時間124℃を保持して重合を終了させた。重合液は、ギヤーポンプを用いて二軸脱揮押出機に連続的にフィードし、メチルイソブチルケトンおよび微量の未反応モノマー等を脱揮処理して、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状の共重合体(A−6)を得た。得られた共重合体(A−6)について、A−1と同様に組成分析、分子量、および全光線透過率を測定した。組成分析及び分子量測定結果を表1に示す。また、全光線透過率は89.8%であった。
20%マレイン酸無水物溶液と2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液は、A−1と同様に調製した。
撹拌機を備えた120リットルのオートクレーブ中に、20%マレイン酸無水物溶液2.8kg、スチレン13.8kg、メチルメタクレリレート16kg、t−ドデシルメルカプタン48gを仕込み、気相部を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら40分かけて88℃まで昇温した。昇温後88℃を保持しながら、20%マレイン酸無水物溶液を2.8kg/時、スチレン0.5kg/時、および2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液を300g/時の分添速度で各々連続的に6時間かけて添加し続けた。その後、2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液の分添を停止し、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネートを20g添加した。20%マレイン酸無水物溶液およびスチレンは、各々そのまま2.8kg/時、0.5kg/時の分添速度を維持しながら、10℃/時の昇温速度で3時間かけて118℃まで昇温した。20%マレイン酸無水物溶液の分添は積算で25.2kgになった時点で、スチレンの分添は積算で4.5kgになった時点で、各々の分添を停止した。昇温後、1時間118℃を保持して重合を終了させた。重合液は、ギヤーポンプを用いて二軸脱揮押出機に連続的にフィードし、メチルイソブチルケトンおよび微量の未反応モノマー等を脱揮処理して、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状の共重合体(A−7)を得た。得られた共重合体(A−7)について、A−1と同様に組成分析、分子量、および全光線透過率を測定した。組成分析及び分子量測定結果を表1に示す。また、全光線透過率は89.5%であった。
20%マレイン酸無水物溶液と2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液は、A−1と同様に調製した。
撹拌機を備えた120リットルのオートクレーブ中に、20%マレイン酸無水物溶液8kg、スチレン0.8kg、メチルメタクレリレート17.6kg、t−ドデシルメルカプタン30gを仕込み、気相部を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら40分かけて88℃まで昇温した。昇温後88℃を保持しながら、20%マレイン酸無水物溶液を2.5kg/時、および2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液を250g/時の分添速度で各々連続的に6時間かけて添加し続けた。その後、2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液の分添を停止し、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネートを10g添加した。20%マレイン酸無水物溶液はそのまま2.5kg/時の分添速度を維持しながら、16℃/時の昇温速度で2時間かけて120℃まで昇温した。20%マレイン酸無水物溶液の分添は、分添量が積算で20kgになった時点で停止した。昇温後、1時間120℃を保持して重合を終了させた。重合液は、ギヤーポンプを用いて二軸脱揮押出機に連続的にフィードし、メチルイソブチルケトンおよび微量の未反応モノマー等を脱揮処理して、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状の共重合体(B−1)を得た。得られた共重合体(B−1)について、A−1と同様に組成分析、分子量、および全光線透過率を測定した。組成分析及び分子量測定結果を表2に示す。また、全光線透過率は88.8%であった。
マレイン酸無水物が10質量%濃度となるようにメチルイソブチルケトンに溶解させた10%マレイン酸無水物溶液と、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートが2質量%となるようにメチルイソブチルケトンに希釈した2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液とを事前に調製し、重合に使用した。
撹拌機を備えた120リットルのオートクレーブ中に、10%マレイン酸無水物溶液2kg、スチレン24kg、メチルメタクレリレート14kg、t−ドデシルメルカプタン48g、メチルイソブチルケトン2kgを仕込み、気相部を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら40分かけて90℃まで昇温した。昇温後90℃を保持しながら、10%マレイン酸無水物溶液を1.5kg/時、および2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液を300g/時の分添速度で各々連続的に8時間かけて添加し続けた。その後、2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液の分添を停止し、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネートを40g添加した。10%マレイン酸無水物溶液はそのまま1.5kg/時の分添速度を維持しながら、7.5℃/時の昇温速度で4時間かけて120℃まで昇温した。10%マレイン酸無水物溶液の分添は、分添量が積算で18kgになった時点で停止した。昇温後、1時間120℃を保持して重合を終了させた。重合液は、ギヤーポンプを用いて二軸脱揮押出機に連続的にフィードし、メチルイソブチルケトンおよび微量の未反応モノマー等を脱揮処理して、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状の共重合体(B−2)を得た。得られた共重合体(B−2)について、A−1と同様に組成分析、分子量、および全光線透過率を測定した。組成分析及び分子量測定結果を表2に示す。また、全光線透過率は90.1%であった。
25%マレイン酸無水物溶液と2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液は、A−1と同様に調製した。
撹拌機を備えた120リットルのオートクレーブ中に、25%マレイン酸無水物溶液4.9kg、スチレン29kg、メチルメタクレリレート4.3kg、t−ドデシルメルカプタン30gを仕込み、気相部を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら40分かけて92℃まで昇温した。昇温後92℃を保持しながら、25%マレイン酸無水物溶液を4.5kg/時、および2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液を250g/時の分添速度で各々連続的に8時間かけて添加し続けた。その後、2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液の分添を停止し、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネートを40g添加した。25%マレイン酸無水物溶液はそのまま3.75kg/時の分添速度を維持しながら、8℃/時の昇温速度で4時間かけて120℃まで昇温した。25%マレイン酸無水物溶液の分添は、分添量が積算で44kgになった時点で停止した。昇温後、1時間120℃を保持して重合を終了させた。重合液は、ギヤーポンプを用いて二軸脱揮押出機に連続的にフィードし、メチルイソブチルケトンおよび微量の未反応モノマー等を脱揮処理して、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状の共重合体(B−3)を得た。得られた共重合体(B−3)について、A−1と同様に組成分析、分子量、および全光線透過率を測定した。組成分析及び分子量測定結果を表2に示す。また、全光線透過率は88.6%であった。
20%マレイン酸無水物溶液と2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液は、A−1と同様に調製した。
撹拌機を備えた120リットルのオートクレーブ中に、20%マレイン酸無水物溶液1.2kg、スチレン35.2kg、t−ドデシルメルカプタン30g、メチルイソブチルケトン2kgを仕込み、気相部を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら40分かけて92℃まで昇温した。昇温後92℃を保持しながら、20%マレイン酸無水物溶液を0.76kg/時、および2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液を250g/時の分添速度で各々連続的に15時間かけて添加し続けた。その後、2%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート溶液の分添を停止し、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネートを60g添加した。20%マレイン酸無水物溶液はそのまま0.76kg/時の分添速度を維持しながら、4℃/時の昇温速度で9時間かけて128℃まで昇温した。20%マレイン酸無水物溶液の分添は、分添量が積算で18.24kgになった時点で停止した。昇温後、1時間128℃を保持して重合を終了させた。重合液は、ギヤーポンプを用いて二軸脱揮押出機に連続的にフィードし、メチルイソブチルケトンおよび微量の未反応モノマー等を脱揮処理して、ストランド状に押出し切断することによりペレット形状の共重合体(B−4)を得た。得られた共重合体(B−4)について、A−1と同様に組成分析、分子量、および全光線透過率を測定した。組成分析及び分子量測定結果を表2に示す。また、全光線透過率は88.0%であった。
前記製造例で記した共重合体(A−1)〜(A−7)、共重合体(B−1)〜(B−4)について、以下の評価を行った。評価結果を表1と表2に示す。
ビカット軟化点は、JIS K 7206:1999に基づき、50法(荷重50N、昇温速度50℃/時間)で試験片は10mm×10mm、厚さ4mmのものを用いて測定した。なお、測定機は東洋精機製作所社製HDT&VSPT試験装置を使用した。
吸水率は、JIS K 7209−2:2000に基づき、60mm×60mm、厚さ1mmの試験片を用いて、23℃水中にて飽和吸水率を測定した。
メルトマスフローレイトは、JIS K 7210:1999に基づき、220℃、98N荷重にて測定した。
スチレン系共重合体100質量部に対して、発泡核剤としてタルクを0.2質量部添加した後ドライブレンドした。得られた混合物を65mm径の二軸押出機(シリンダー温度240℃)に50kg/hrで供給し、溶融混合した後、発泡剤としてブタンガス5質量部を圧入した。その後、90mm径の単軸押出機に移送し、出口の樹脂温度がビカット軟化温度+30℃となるよう冷却し、押出機の先端に厚さ2mm、幅方向50mmの長方形断面のスリットを有するダイより押出して、厚さ約30mmの板状の発泡成形体を製造した。なお、発泡成形体の密度が32kg/m3、気泡径が0.4mmとなるよう発泡剤と発泡核剤の量を調整した。共重合体(B−3)については、流動性が著しく低く、押出不可であった。
気泡径は、得られた発泡成形体の断面を顕微鏡により観察し、計測した。また、同時に次の基準に従い発泡性の判定を行った。
○:気泡のサイズが均一で独立している。
△:気泡のサイズがやや不均一で、一部連続した気泡が存在する。
×:気泡のサイズが不均一で、一部連続した気泡がやや多く存在する。
製造後30日経過した発泡成形体を厚さ25mm、100mm角に切り出し、100℃の温風乾燥機にて24時間加熱した。加熱前の体積を100%とし、加熱前と加熱後の体積変化率を示した。収縮の場合をマイナス、膨張の場合をプラスとした。
発泡体の圧縮強さは、製造後30日経過した発泡成形体を用い、JIS K 7220:2006に準じた方法で測定した。
Claims (4)
- 芳香族ビニル単量体単位45〜85質量%、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位5〜45質量%、不飽和ジカルボン酸無水物単量体単位10〜30質量%からなる発泡成形体用スチレン系共重合体。
- 共重合体の重量平均分子量(Mw)が10万〜30万である請求項1に記載の発泡成形体用スチレン系共重合体。
- 共重合体の50N荷重で測定したビカット軟化温度が110〜150℃である請求項1又は2に記載の発泡成形体用スチレン系共重合体。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の共重合体から得られる発泡成形体。
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