JP2016030875A - 衣服 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた耐洗濯性を有し、柔らかい風合いのヒーター部材を有する衣服を提供する。
【解決手段】本発明は、少なくとも上半身の胴体を覆う衣服10であって、衣服10には、ヒーター部材1が設けられ、ヒーター部材1は、コード2を介してスイッチ部材3及び携帯電源4に連結され、スイッチ部材3により携帯電源4からヒーター部材1への通電が制御されており、ヒーター部材1は、カーボン繊維33を二枚の生地31、32で挟み、接着剤34で接着した積層体で構成されており、ヒーター部材1における接着領域において、接着剤34の塗布面積は生地面積の20%以上80%以下である衣服に関する。
【選択図】図4
【解決手段】本発明は、少なくとも上半身の胴体を覆う衣服10であって、衣服10には、ヒーター部材1が設けられ、ヒーター部材1は、コード2を介してスイッチ部材3及び携帯電源4に連結され、スイッチ部材3により携帯電源4からヒーター部材1への通電が制御されており、ヒーター部材1は、カーボン繊維33を二枚の生地31、32で挟み、接着剤34で接着した積層体で構成されており、ヒーター部材1における接着領域において、接着剤34の塗布面積は生地面積の20%以上80%以下である衣服に関する。
【選択図】図4
Description
本発明は、少なくとも上半身の胴体を覆う衣服に関し、詳細には、ヒーター部材が設けられている衣服に関する。
従来から、冬期に外で着用する衣服に対し、保温効果を高める検討が行われていた。例えば、特許文献1では、活性炭素繊維布の発熱体を設けた保温ベストが提案されていた。また、特許文献2では、カーボン線からなる発熱ヒータを設けた暖房衣類が提案されていた。
特許文献1では、活性炭素繊維布を発熱体として用いるため、コストが高く、実用性が低かった。また、特許文献2では、カーボン線をそのまま発熱ヒータとして用いるため、洗濯などによりカーボン線の絡まりや断線が起き、異常発熱が生じる恐れがある。
本発明は、上記従来の問題を解決するため、優れた耐洗濯性を有し、柔らかい風合いのヒーター部材を有する衣服を提供する。
本発明は、少なくとも上半身の胴体を覆う衣服であって、上記衣服には、ヒーター部材が設けられ、上記ヒーター部材は、コードを介してスイッチ部材及び携帯電源に連結され、上記スイッチ部材により携帯電源からヒーター部材への通電が制御されており、上記ヒーター部材は、カーボン繊維を二枚の生地で挟み、接着剤で接着した積層体で構成されており、上記ヒーター部材における接着領域において、接着剤の塗布面積は生地面積の20%以上80%以下であることを特徴とする衣服に関する。
上記コードは、襟ぐりの一部を通り、前身頃中央の前立て部に沿うように配置されていることが好ましい。上記前立て部にはファスナーが配置され、上記コードはファスナーに沿うように配置されていることが好ましい。上記前身頃中央の前立て部に沿うように配置されているコードの一部がS字状になっていることが好ましい。上記ヒーター部材は、首元に設けられていることが好ましい。上記ヒーター部材は、背中上部、背中下部及び腹部からなる群から選ばれる一つ以上の部位に設けられていることが好ましい。上記ヒーター部材が設置されている部位において、衣服本体は吸湿発熱生地で構成されていることが好ましい。上記ヒーター部材において、カーボン繊維と生地はエーテル系接着剤で接着されていることが好ましい。
本発明は、ヒーター部材を二枚の生地でカーボン繊維を挟み、接着剤で接着した積層体で構成するとともに、上記ヒーター部材の接着領域において、接着剤の塗布面積を生地面積の20%以上80%以下にすることで、耐洗濯性を有し、柔らかい風合いのヒーター部材を有する衣服を提供することができる。
本発明者らは、ヒーター部材を設ける衣服について鋭意検討した結果、カーボン繊維を二枚の生地で挟み、接着剤で接着した積層体でヒーター部材を構成するとともに、上記ヒーター部材の接着領域における接着剤の塗布面積を生地面積の20%以上80%以下にすることで、耐洗濯性を有しつつ、風合いが柔らかくなることを見出し、本発明に至った。
上記衣服のヒーター部材の接着領域において、接着剤の塗布面積は生地面積の20%以上80%以下である。上記ヒーター部材の接着領域において、接着剤の塗布面積が生地面積の20%未満であると、接着強度が低く、耐洗濯性が悪くなる。例えば、洗濯を10回繰り返すと、ヒーター部材においてカーボン繊維の偏りが発生してしまう。また、上記ヒーター部材の接着領域において、接着剤の塗布面積が生地面積の80%を超えると、風合いが硬くなってしまい、着用感が悪くなる。耐洗濯性により優れる観点から、接着剤の塗布面積は生地面積の30%以上であることが好ましく、40%以上であることがより好ましい。風合いがより柔らかい観点から、接着剤の塗布面積は生地面積の70%以下であることが好ましい。本発明において、ヒーター部材における「接着領域」とは、カーボン繊維と生地が接着している領域をいい、具体的には、生地に塗布されている接着剤の外周で囲まれている領域をいう。そして、ヒーター部材における接着領域において、「生地面積」は、接着領域の面積をいう。例えば、図7Aに示しているように、接着剤42が生地41の全面に塗布されている場合は、生地41の全体が、ヒーター部材における「接着領域」となり、「生地面積」は、生地41の全体面積となる。一方、図7Bに示しているように、生地51において、接着剤52が塗布されている部位と、接着剤52が塗布されていない部位がある場合、接着剤52が塗布されている部位の外周61で囲まれている領域が接着領域となり、「生地面積」は、接着剤52が塗布されている部位の外周61で囲まれている生地部分の面積となる。なお、ヒーター部材における接着領域の面積は、生地の全体面積の10%以上であればよい。
上記接着剤としては、生地とカーボン繊維を接着できればよく、特に限定されない。例えば、エーテル系接着剤、カーボネート系接着剤などを用いることができる。洗濯、乾燥などを繰り返した場合、加水分解による劣化が抑えられ、強度を保てる観点から、エーテル系接着剤であることが好ましい。
上記接着剤は、均一に塗布されていればよく、塗布形態は特に限定されない。例えば、ドット、格子、ストライプなどのいずれの形態で塗布されてもよい。
上記ヒーター部材は、コードを介してスイッチ部材及び携帯電源に連結され、上記スイッチ部材により携帯電源からヒーター部材への通電が制御されている。ヒーター部材、コード及びスイッチ部材はヒーターユニットを構成する。
上記携帯電源は、携帯できる電源であればよく、特に限定されない。例えば、充電式電池や乾電池などを用いることができ、繰り返し使用可能である観点から、充電式電池を用いることが好ましい。充電式電池としては、例えば、リチウムイオン二次電池などを用いることができる。携帯電源を用いることで、屋外で必要な時にヒーター部材を発熱させることができる。
上記衣服は、少なくとも上半身の胴体を覆うものであればよく、特に限定されない。例えば、中綿入りベスト、中綿入りウォーマー、ダウン入りウォーマー、ウィンドブレーカーなどのいずれの形態でも良い。上記ヒーター部材は、特に限定されないが、首元に設けられていることが好ましい。保温効果が高くなる。また、保温効果をより高める観点から、上記ヒーター部材は、背中上部、背中下部及び腹部からなる群から選ばれる一つ以上の部位に設けられることが好ましい。上記ヒーター部材は、衣服の裏地に取付けられてもよく、中綿やダウンに取り付けられてもよい。取付けは、特に限定されず、例えば、縫い合わせてもよく、貼り付けてもよく、スナップで固定してもよい。
衣服本体やヒーター部材に用いる生地としては、特に限定されず、織物や編物などを用いることができる。伸縮性及び弾性に優れる観点から、織物の方が好ましい。上記織物としては、特に限定されず、一重織り組織でもよく、二重織り組織でもよい。例えば、平織、斜文織、朱子織、変化平織、変化斜文織、変化朱子織、変わり織、紋織、片重ね織、二重組織、多重組織、経パイル織、緯パイル織、絡み織などが挙げられる。上記生地を構成する繊維としては、特に限定されず、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル繊維、ポリウレタン繊維、ポリアミド繊維、アセテート繊維、コットン繊維、レーヨン繊維、エチレンビニルアルコール繊維、ナイロン繊維などを用いることができる。上記生地は、特に限定されないが、例えば、目付けが50〜350g/m2の範囲が好ましく、より好ましくは60〜300g/m2の範囲、さらに好ましくは80〜280g/m2の範囲である。目付が上記の範囲であれば、耐久性も良く、軽くて動きやすい利点がある。
上記ヒーター部材が設置されている部位において、衣服本体は吸湿発熱生地で構成されていることが好ましい。上記ヒーター部材の発熱によって吸湿発熱生地の放湿を促す事で、吸湿作用が高まり、生地の発熱性が向上するという相乗効果で、より保温効果が高まる。上記吸湿発熱生地としては、汗などの水分を吸収して発熱する吸湿発熱繊維を含む生地であればよく、特に限定されない。上記吸湿発熱繊維としては、特に限定されないが、例えば、アクリル繊維やレーヨン繊維などを改質した繊維などが挙げられる。具体的には、美津濃社製の「ブレスサーモ(登録商標)」、東洋紡社製の「エクス(登録商標)」、旭化成社製の「ベンベルグ(登録商標)」などを用いることができる。
上記コードは、襟ぐりの一部を通り、前身頃中央の前立て部に沿うように配置されていることが好ましい。これにより、着用時に配線による圧迫感や動きにくさがなくなる。上記コードを、襟ぐりの一部を通り、前身頃中央の前立て部に沿うように配置する手段は、特に限定されない。例えば、コードと衣服本体の間に固定部を設けることなどが挙げられる。固定する際、本体とコードが動くくらいのゆとりがある方が良い。固定に用いる資材は、ストレッチ性がある物の方が良い。上記コードが襟ぐりの一部を通るように配置されることにより、ザックなどの鞄を背負った際、配線の凸による体への圧迫を抑えることができ、コードの断線も防ぐことができる。また、コードを前身頃中央の前立て部に沿うように配置することにより、コードの折れ曲がりを防ぐことができる。上記前立て部にはファスナーが配置され、コードがファスナーに沿って配置されていることがより好ましい。ファスナーにより前立て部の剛性が高くなり、より効果的にコードの折れ曲がりを防ぐことができる。
上記コードの一部はS字状になっていることが好ましく、前身頃中央の前立て部に沿うように配置されているコードの一部がS字状になっていることがより好ましい。コードの一部をS字状にすることで、洗濯時や着用時にコードが引っ張られても、ゆとりができる。また、ヒーター部材やスイッチ部材などとの接触部に負荷がかからない。さらに、サイズグレーディングをしても、S字の大きさを変えることで対応することができ、衣服のサイズごとにヒーター部材やコードの配線を変更しなくてもよい。特に携帯電源と接続する部位から50cm以内の位置においてコードの一部がS字状になるように配置されていることが好ましい。携帯電源と接続する部位が引張られ、外力がかかることを緩和することができる。コードの一部をS字状になるように配置する手段は、特に限定されず、コードの一部がS字になっていればよく、どのような固定方法であってもよい。好ましくは、S字の向きが変わる変異点を衣服本体と固定する。固定する際、本体とコードが動くくらいのゆとりがある方が良い。固定に用いる資材は、ストレッチ性がある物の方が良い。例えば、ポリウレタンを含んだ資材や加工糸、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)糸、ポリブチレンテレフタレート(PBT)糸を含んだ資材などが好ましい。
以下、本発明の一実施形態の衣服を図面に基づいて説明する。図1Aは本発明の一例の衣服(中綿ベスト)の正面図であり、図1Bは同背面図である。図1A〜図1Bに示しているように、衣服10には、ヒーター部材1が設けられている。ヒーター部材1は、首元に配置されているヒーター部材1aと背中上部に配置されているヒーター部材1bを含む。図示はないが、衣服10は、内層生地、中綿、外層生地で構成されている。図2は同衣服の左前身頃を開いた状態を示す立体図である。図2に示しているように、衣服10の左前身頃の内側にはポケット6が設けられており、ポケット6には携帯電源4が収納されている。図3は同衣服の前身頃におけるコードの配置を示す模式図である。図3に示しているように、コード2は左襟ぐりを通り、ファスナー7に沿うように前立て部に配置されている。図3では、説明のため、衣服10の表面上にコード2が配置されているが、実際、コード2は、衣服10の内層生地と中綿の間に配置されている。
図4は衣服におけるヒーターユニット(ヒーター部材、コード、スイッチ部材で構成されている)及び携帯電源の配置を説明する展開パターン図である。図4では、衣服の後身頃の内層生地並びに左前身頃の外層生地及び内層生地を展開しており、中綿は省略している。図4に示しているように、ヒーター部材1(ヒーター部材1a及びヒーター部材1b)は、コード2を介してスイッチ部材3及び携帯電源4に連結されている。コード2は、左襟ぐりを通り、左前立て部に沿うように配置され、左襟ぐり固定部11、左胸部固定部12、左胸部固定部13により衣服本体(内層生地又は中綿)に固定されている。コード2をこのように配置することにより、ザックなどの鞄を背負った際、配線の凸による体への圧迫を抑えることができ、コードの折れ曲がりや断線も防ぐことができる。また、コード2は、腹部あたりでS字状になっている。該実施形態では、S字の向きが変わる変異点に、固定部14及び15を設け、衣服本体に固定している。なお、S字になっていればよく、どのような固定方法であってもよい。コード2を腹部あたりでS字状にすることで、洗濯時や着用時にコードが引っ張られても、ゆとりができる。また、ヒーター部材やスイッチ部材などとの接触部に負荷がかからない。スイッチ部材3は、左胸部に配置されており、コード2を介してヒーター部材1と連結されている。スイッチ部材3において、コード2と連結されているスイッチ本体3bは衣服10の内層生地上に設けられており、スイッチカバー3aは衣服10の外層生地の表面上に設けられている。携帯電源4は、衣服10の左前身頃の内側に設けられているポケット6に収納されている。見栄えもよくなり収納性も良好である。スイッチ部材3により携帯電源4からヒーター部材1への通電が制御される。保温が必要な場合、コード2を接続端子21により携帯電源4に連結した後、スイッチ部材3によりヒーター部材1へ通電することで、ヒーター部材1を発熱させる。本実施形態では、コードを、左襟ぐりを通り、前身頃中央の右前立て部に沿うように配置しているが、右襟ぐりを通り、前身頃中央の右前立て部に沿うように配置してもよい。
図5は、本発明の衣服で用いる一例のヒーターユニットの平面模式図である。ヒーターユニット5は、ヒーター部材1(ヒーター部材1aとヒーター部材1b)、コード2、スイッチ部材3で構成されている。ヒーター部材1(ヒーター部材1aとヒーター部材1b)は、コード2を介してスイッチ部材3と連結されている。ヒーター部材1aは、二枚の生地31、32でカーボン繊維33を挟み、接着剤34で接着した積層体で構成されている。接着剤34は、生地32上にドット状に均一に塗布されている。図示はないが、ヒーター部材1bも、二枚の生地でカーボン繊維を挟み、ドット状に均一に塗布されている接着剤で接着した積層体で構成されている。カーボン繊維は、洗濯のもみ影響によるカーボン繊維のからみつきや断線の抑制や、生産時の効率向上の観点から、合成樹脂フィルムなどにより被覆されていることが好ましい。ヒーター部材1の接着領域において、接着剤34の塗布面積は、生地面積の20%以上80%以下である。
以下実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
生地(ポリエステル綿混織物)の表面の全体にエーテル系接着剤をトッド状に均一に塗布し、その上にカーボン繊維(帝人社製カーボン繊維)を配置し、さらにその上に生地(ポリエステル綿混織物)を配置し、接着して得られた積層体でヒーター部材を構成した。ヒーター部材の接着領域において、接着剤の塗布面積は生地面積の40%であった。得られたヒーター部材を用いた以外は、通常の方法により、図5に示すようなヒーター部材1(1a、1b)、コード2及びスイッチ部材3からなるヒーターユニット5を作製した。得られたヒーターユニット5を用い、図4に示すようにヒーターユニット5を配置し、図1〜3に示す衣服(中綿ベスト)10を作製した。中綿ベストは、ヒーターユニットを配置した部位では、肌面から順番に、ポリエステル織物(50g/m2)、ヒーターユニット、ポリエステル中綿(100g/m2)、ポリエステル織物(50g/m2)という構成にし、その他の部位では、肌面から順番に、ポリエステル織物(50g/m2)、ポリエステル中綿(100g/m2)、ポリエステル織物(50g/m2)という構成にした。
生地(ポリエステル綿混織物)の表面の全体にエーテル系接着剤をトッド状に均一に塗布し、その上にカーボン繊維(帝人社製カーボン繊維)を配置し、さらにその上に生地(ポリエステル綿混織物)を配置し、接着して得られた積層体でヒーター部材を構成した。ヒーター部材の接着領域において、接着剤の塗布面積は生地面積の40%であった。得られたヒーター部材を用いた以外は、通常の方法により、図5に示すようなヒーター部材1(1a、1b)、コード2及びスイッチ部材3からなるヒーターユニット5を作製した。得られたヒーターユニット5を用い、図4に示すようにヒーターユニット5を配置し、図1〜3に示す衣服(中綿ベスト)10を作製した。中綿ベストは、ヒーターユニットを配置した部位では、肌面から順番に、ポリエステル織物(50g/m2)、ヒーターユニット、ポリエステル中綿(100g/m2)、ポリエステル織物(50g/m2)という構成にし、その他の部位では、肌面から順番に、ポリエステル織物(50g/m2)、ポリエステル中綿(100g/m2)、ポリエステル織物(50g/m2)という構成にした。
(実施例2)
ヒーター部材の接着領域における接着剤の塗布面積を生地面積の30%にした以外は、実施例1と同様にしてヒーターユニットを作製した。得られたヒーターユニットを用い、実施例1と同様にして、中綿ベストを作製した。
ヒーター部材の接着領域における接着剤の塗布面積を生地面積の30%にした以外は、実施例1と同様にしてヒーターユニットを作製した。得られたヒーターユニットを用い、実施例1と同様にして、中綿ベストを作製した。
(実施例3)
ヒーター部材の接着領域における接着剤の塗布面積を生地面積の20%にした以外は、実施例1と同様にしてヒーターユニットを作製した。得られたヒーターユニットを用い、実施例1と同様にして、中綿ベストを作製した。
ヒーター部材の接着領域における接着剤の塗布面積を生地面積の20%にした以外は、実施例1と同様にしてヒーターユニットを作製した。得られたヒーターユニットを用い、実施例1と同様にして、中綿ベストを作製した。
(比較例1)
ヒーター部材の接着領域における接着剤の塗布面積を生地面積の10%にした以外は、実施例1と同様にしてヒーターユニットを作製した。得られたヒーターユニットを用い、実施例1と同様にして、中綿ベストを作製した。
ヒーター部材の接着領域における接着剤の塗布面積を生地面積の10%にした以外は、実施例1と同様にしてヒーターユニットを作製した。得られたヒーターユニットを用い、実施例1と同様にして、中綿ベストを作製した。
(比較例2)
接着剤を塗布していない以外は、実施例1と同様にしてヒーターユニットを作製した。得られたヒーターユニットを用い、実施例1と同様にして、中綿ベストを作製した。
接着剤を塗布していない以外は、実施例1と同様にしてヒーターユニットを作製した。得られたヒーターユニットを用い、実施例1と同様にして、中綿ベストを作製した。
実施例1〜3及び比較例1〜2におけるヒーターユニットの耐洗濯性を下記のように評価した。
(耐洗濯性)
ヒーターユニットを洗濯用ネットに入れて洗濯を10回繰り返した。洗濯方法はJIS L0217 103法に準じた。洗濯後、乾かしたヒーターユニットを温度30℃、相対湿度40%の環境に設置し、電源とつなげた後、ヒーター部材を加熱させてその様子をサーモグラフィーカメラで計測した。
ヒーターユニットを洗濯用ネットに入れて洗濯を10回繰り返した。洗濯方法はJIS L0217 103法に準じた。洗濯後、乾かしたヒーターユニットを温度30℃、相対湿度40%の環境に設置し、電源とつなげた後、ヒーター部材を加熱させてその様子をサーモグラフィーカメラで計測した。
図6A〜図6Eは、それぞれ、サーモグラフィーカメラで計測した実施例1〜3及び比較例1〜2のヒーター部材におけるカーボン繊維の発熱状態を示した説明図である。
図6A〜図6Cから分かるように、実施例1〜3で用いたヒーター部材におけるカーボン繊維は均等に発熱しており、接着剤の塗布面積が生地面積の20%以上のヒーター部材は、耐洗濯性に優れることが確認された。耐洗濯性に優れたヒーター部材を用いた実施例1〜3の衣服も耐洗濯性に優れることになる。一方、比較例1〜2のヒーター部材におけるカーボン繊維は偏っている部位があり、部分的に温度が上昇していた。接着剤の塗布面積が生地面積の20%未満の比較例1〜2のヒーター部材は、耐洗濯性が悪かった。
(実施例4)
ヒーター部材の接着領域における接着剤の塗布面積を生地面積の70%にした以外は、実施例1と同様にしてヒーターユニットを作製した。得られたヒーターユニットを用い、実施例1と同様にして、中綿ベストを作製した。
ヒーター部材の接着領域における接着剤の塗布面積を生地面積の70%にした以外は、実施例1と同様にしてヒーターユニットを作製した。得られたヒーターユニットを用い、実施例1と同様にして、中綿ベストを作製した。
(実施例5)
ヒーター部材の接着領域における接着剤の塗布面積を生地面積の80%にした以外は、実施例1と同様にしてヒーターユニットを作製した。得られたヒーターユニットを用い、実施例1と同様にして、中綿ベストを作製した。
ヒーター部材の接着領域における接着剤の塗布面積を生地面積の80%にした以外は、実施例1と同様にしてヒーターユニットを作製した。得られたヒーターユニットを用い、実施例1と同様にして、中綿ベストを作製した。
(比較例3)
ヒーター部材の接着領域における接着剤の塗布面積を生地面積の90%にした以外は、実施例1と同様にしてヒーターユニットを作製した。得られたヒーターユニットを用い、実施例1と同様にして、中綿ベストを作製した。
ヒーター部材の接着領域における接着剤の塗布面積を生地面積の90%にした以外は、実施例1と同様にしてヒーターユニットを作製した。得られたヒーターユニットを用い、実施例1と同様にして、中綿ベストを作製した。
実施例4〜5及び比較例3の中綿ベストを着用し、ヒーター部材が配置されている首部及び背部の風合いを下記のような4段階で評価し、その結果を下記表1に示した。被験者は健康な成人男性被験者10名とした。
上記表1の結果から分かるように、実施例4又は実施例5の衣服を着用した場合、全ての被験者が柔らか又はいかなり柔らかいと感じていた。一方、比較例3の衣服を着用した場合、9名の被験者が硬い又はかなり硬いと感じていた。接着剤の塗布面積が生地面積の80%以下のヒーター部材を用いた実施例4〜5の衣服は、柔らかい風合いを有するが、接着剤の塗布面積が生地面積の80%を超えるヒーター部材を用いた比較例3の衣服は、風合いが硬いことが確認された。
(実施例6)
前身頃にコードを配置する際、左襟ぐり固定部11、左胸部固定部12、左胸部固定部13をなくし、腹部あたりでS字状にしなかった以外は、実施例1と同様にして、中綿ベストを作製した。
前身頃にコードを配置する際、左襟ぐり固定部11、左胸部固定部12、左胸部固定部13をなくし、腹部あたりでS字状にしなかった以外は、実施例1と同様にして、中綿ベストを作製した。
実施例1及び実施例6の衣服を着用した際の衣服圧を下記のように評価し、その結果を下記表2に示した。
(衣服圧評価)
鎖骨の中心から下方5cmの箇所に衣服圧センサーを設置した上で、中綿ベストを着用し、軽登山用ザックを背負った状態で計測を行った。
鎖骨の中心から下方5cmの箇所に衣服圧センサーを設置した上で、中綿ベストを着用し、軽登山用ザックを背負った状態で計測を行った。
前身頃にコードを配置する際、左襟ぐり固定部11、左胸部固定部12、左胸部固定部13を設けるとともに、腹部あたりでS字状にした実施例1の中綿ベストを着用した場合、前身頃にコードを配置する際、左襟ぐり固定部11、左胸部固定部12、左胸部固定部13をなくすとともに、腹部あたりでS字状にしなかった実施例6の中綿ベストより、衣服圧が低かった。コード2を、襟ぐりの一部を通り、前身頃中央の前立て部に沿うように配置することで、着用時に配線による圧迫感や動きにくさがなくなることが分かった。
1、1a、1b ヒーター部材
2 コード
3 スイッチ部材
3a スイッチカバー3a
3b スイッチ本体3b
4 携帯電源
5 ヒーターユニット
6 ポケット
7 ファスナー
10 衣服
11、12、13 固定部
21 接続端子
31、32、41、51 生地
33 カーボン繊維
34、42、52 接着剤
61 接着剤が塗布されている部位の外周
2 コード
3 スイッチ部材
3a スイッチカバー3a
3b スイッチ本体3b
4 携帯電源
5 ヒーターユニット
6 ポケット
7 ファスナー
10 衣服
11、12、13 固定部
21 接続端子
31、32、41、51 生地
33 カーボン繊維
34、42、52 接着剤
61 接着剤が塗布されている部位の外周
Claims (8)
- 少なくとも上半身の胴体を覆う衣服であって、前記衣服には、ヒーター部材が設けられ、前記ヒーター部材は、コードを介してスイッチ部材及び携帯電源に連結され、前記スイッチ部材により携帯電源からヒーター部材への通電が制御されており、
前記ヒーター部材は、カーボン繊維を二枚の生地で挟み、接着剤で接着した積層体で構成されており、前記ヒーター部材における接着領域において、接着剤の塗布面積は生地面積の20%以上80%以下であることを特徴とする衣服。 - 前記コードは、襟ぐりの一部を通り、前身頃中央の前立て部に沿うように配置されている請求項1に記載の衣服。
- 前記前立て部にはファスナーが配置され、前記コードはファスナーに沿うように配置されている請求項2に記載の衣服。
- 前記前身頃中央の前立て部に沿うように配置されているコードの一部がS字状になっている請求項2又は3に記載の衣服。
- 前記ヒーター部材は、首元に設けられている請求項1〜4のいずれか1項に記載の衣服。
- 前記ヒーター部材は、背中上部、背中下部及び腹部からなる群から選ばれる一つ以上の部位に設けられている請求項1〜5のいずれか1項に衣服。
- 前記ヒーター部材が設置されている部位において、衣服本体は吸湿発熱生地で構成されている請求項1〜6のいずれか1項に記載の衣服。
- 前記ヒーター部材は、エーテル系接着剤で接着されている請求項1〜7のいずれか1項に記載の衣服。
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