JP2016017121A - 成形用樹脂シート及び電気・電子部品 - Google Patents
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Abstract
【課題】使用時に樹脂ダレ等を生じず、また中空空間を確実に維持できる、形状保持性に優れた成形用樹脂シート、及びそれを用いて製造された高品質で高い信頼性を備えた電気・電子部品を提供する。【解決手段】(A)(a1)軟化点が50〜80℃のビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂及び/または(a2)軟化点が50〜80℃のビスフェノールA型エポキシ樹脂を含む固形エポキシ樹脂、(B)液状エポキシ樹脂、(C)ジシアンジアミドを含む硬化剤、(D)硬化促進剤、(E)無機充填剤、並びに(F)フッ素系界面活性剤を必須成分とし、(A)成分の固形エポキシ樹脂と(B)成分の液状エポキシ樹脂の質量比(A):(B)が60:40〜90:10であり、かつ(F)成分のフッ素系界面活性剤の含有量が組成物全体の0.05〜1.00質量%であるエポキシ樹脂組成物をシート状に成形してなる成形用樹脂シート。また、そのような成形用樹脂シートを用いて成形された電気・電子部品。【選択図】なし
Description
本発明は、成形用樹脂シート、及びそれを用いた電子部品に関する。
従来、コイル等の電気・電子部品を外部雰囲気や機械的衝撃から保護するために、エポキシ樹脂等からなる液状の熱硬化型樹脂組成物を用いて注形絶縁することが行われている。しかし、コイル等の円柱状の部品を囲むように封止する場合、電線の積み重ねによる凹凸のある形状に加えて三次元構造となるため、液状の熱硬化型樹脂組成物では加熱時に粘度が低下して樹脂ダレが生ずる。このため、熱硬化型樹脂組成物の上に常温硬化型の樹脂組成物を塗布した後に加熱処理したり、あるいはコイルを回転しながら樹脂を含浸させる等の対策をとる必要があり、工程数が増える、設備費が増大し製造コストが高くなる等の問題を生じた(例えば、特許文献1参照)。このため、使用時に「樹脂ダレ」を起こすことのない、形状保持性に優れた、常温で固形状の樹脂材料が要望されている。
一方、近年、電子部品の形状やサイズが多様化し、MEMS等に代表される中空が必要な装置も増えてきている。従来、MEMSは、セラミックや金属、あるいはシリコンウエハやガラスウエハを加工したキャップで封止する方法が一般的であったが、最近のMEMSの小型化・軽量化・薄型化に伴い、また低コスト化を図るため、樹脂による封止が検討されてきている。しかし、樹脂による封止は、従来のセラミック等の無機材料による封止に比べ、気密性の確保や中空の空間維持が難しいうえ、硬化収縮により発生する応力がMEMS素子に悪影響を及ぼすおそれがある。
このような問題に対し、樹脂からなるケースや封止枠等を使用する方法が提案されている(例えば、特許文献2、3参照))。しかし、ケースや封止枠等を使用するため、装置高さが高くなってしまう。また構造が複雑であるため、生産性も低い。中空の空間維持のため、支持フィルム状に特定の成分からなる樹脂層を設けた熱硬化型フィルムを用いる方法も提案されている(例えば、特許文献4参照)。ケース等を使用する方法に比べ、MEMSの小型化・軽量化・薄型化に対応しやすく、かつ製造も容易である。しかし、支持フィルムを必要とするため、コスト高や生産性の低下につながる。また、薄肉化の面でも制約がある。支持フィルムを不要とすることができれば、これらの問題を解消できるが、そのような封止材料は得られていない。このため、支持フィルムを必要とせず、それ自体でシート(またはフィルム)形状を維持することができ、MEMS等の中空を必要とする部品において信頼性の高い封止が可能な樹脂封止材料が求められている。
本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたもので、コイル等の電気・電子部品を外部雰囲気から保護する材料として、また、MEMS等の中空部分を必要とする電子部品の封止材料として有用な、使用時に樹脂ダレ等を生じず、また中空空間を確実に維持することができる、形状保持性に優れた成形用樹脂シート、及びそのような成形用樹脂シートを用いて製造された高品質で高い信頼性を備えた電気・電子部品を提供することを目的としている。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、エポキシ樹脂として、軟化点が50〜80℃の特定の固形エポキシ樹脂と液状エポキシ樹脂を使用し、さらにこれらのエポキシ樹脂成分に、特定の硬化剤と、特定の表面改質剤とを併用することにより、形状保持性に優れた成形用樹脂シートが得られることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明の一態様に係る成形用樹脂シートは、(A)(a1)軟化点が50〜80℃のビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂及び/または(a2)軟化点が50〜80℃のビスフェノールA型エポキシ樹脂を含む固形エポキシ樹脂、(B)液状エポキシ樹脂、(C)ジシアンジアミドを含む硬化剤、(D)硬化促進剤、(E)無機充填剤、並びに(F)フッ素系界面活性剤を必須成分とし、(A)成分の固形エポキシ樹脂と(B)成分の液状エポキシ樹脂の質量比(A):(B)が60:40〜90:10であり、かつ(F)成分のフッ素系界面活性剤の含有量が組成物全体の0.05〜1.00質量%であるエポキシ樹脂組成物をシート状に成形してなることを特徴としている。
また、本発明の他の態様に係る電気・電子部品は、上記成形用樹脂シートを用いて成形されていることを特徴としている。
本発明によれば、使用時に樹脂ダレを生じず、また中空空間を確実に維持して封止することができる、形状保持性に優れた成形用樹脂シート、並びにそのような成形用樹脂シートを用いて成形された高品質で高い信頼性を備えた電気・電子部品を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
まず、本発明に用いられるエポキシ樹脂組成物の各成分について説明する。
本発明においては、エポキシ樹脂成分として、(A)固形エポキシ樹脂と(B)液状エポキシ樹脂を併用する。(A)成分の固形エポキシ樹脂は、常温で固形状のエポキシ樹脂であり、(B)成分の液状エポキシ樹脂は、常温で液状のエポキシ樹脂である。
本発明においては、エポキシ樹脂成分として、(A)固形エポキシ樹脂と(B)液状エポキシ樹脂を併用する。(A)成分の固形エポキシ樹脂は、常温で固形状のエポキシ樹脂であり、(B)成分の液状エポキシ樹脂は、常温で液状のエポキシ樹脂である。
本発明においては、(A)成分の固形エポキシ樹脂として、(a1)軟化点が50〜80℃のビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂及び(a2)軟化点が50〜80℃のビスフェノールA型エポキシ樹脂の少なくとも一方を使用する。
(a1)成分の軟化点が50〜80℃のビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂は、下記一般式(1)で表されるビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂のうち、軟化点が50〜80℃のものである。また、(a2)成分の軟化点が50〜80℃のビスフェノールA型エポキシ樹脂は、下記一般式(2)で表されるビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち、軟化点が50〜80℃のものである。
(式中、nは0以上の整数を表す)
(式中、nは0以上の整数を表す)
(a1)成分として好適なビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂の市販品を具体的に例示すると、例えば、NC−3000(日本化薬(株)製 商品名、軟化点56℃)、NC−3000H(日本化薬(株)製 商品名、軟化点71℃)等が挙げられる。また、(a2)成分として好適なビスフェノールA型エポキシ樹脂の市販品を具体的に例示すると、例えば、jER1001(三菱化学(株)製 商品名、軟化点64℃)、jER1002(三菱化学(株)製 商品名、軟化点78℃)等が挙げられる。なお、これらのビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂及びビスフェノールA型エポキシ樹脂はいずれも1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
なお、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、(A)成分として、上記(a1)成分、(a2)成分以外の固形エポキシ樹脂を使用することができる。常温で柔軟性があり、取り扱いやすいシートを得るためには、(A)成分として、上記(a1)成分及び(a2)成分のいずれか、またはその両成分のみの使用が好ましい。
(B)成分の液状エポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する常温で液状のものであれば、分子構造等に特に制限されることなく使用することができる。その具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;ヘキサヒドロ無水フタル酸型エポキシ樹脂、テトラヒドロ無水フタル酸型エポキシ樹脂、ダイマー酸型エポキシ樹脂等のグリシジルエステル型エポキシ樹脂;N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジルトルイジン、ジアミノジフェニルメタン型グリシジルアミン、アミノフェノール型グリシジルアミン等のグリシジルアミン型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリフェノールプロパン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの液状エポキシ樹脂は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して用いてもよい。(B)液状エポキシ樹脂としては、なかでもビスフェノール型の液状エポキシ樹脂が好ましく、特に、ビスフェノールA型の液状エポキシ樹脂が好ましい。
(B)成分として好適なビスフェノールA型液状エポキシ樹脂の市販品を具体的に例示すると、例えば、jER828(三菱化学(株)製 商品名)、EPICLON850(DIC(株)製 商品名)等が挙げられる。
(B)成分として好適なビスフェノールA型液状エポキシ樹脂の市販品を具体的に例示すると、例えば、jER828(三菱化学(株)製 商品名)、EPICLON850(DIC(株)製 商品名)等が挙げられる。
本発明においては、上記(A)成分及び(B)成分を、質量比で(A):(B)が60:40〜90:10の範囲となるように使用する。(A)成分の割合が前記範囲に満たないと、常温でべたつきやすくなり取り扱い得るシートに成形することが困難になるうえ、形状保持性が低下する。すなわち、使用時に粘度が低下して樹脂ダレや樹脂のはみ出しが生じ、また中空封止材として使用した場合に中空空間を維持できなくなる。また、(A)成分の割合が前記範囲を超えると、常温での柔軟性を損ない、取り扱い時に割れやすくなる等、使用時の取り扱いが難しくなる。(A)成分と(B)成分の質量比(A):(B)は、65:35〜85:15の範囲であることが好ましく、70:30〜80:20の範囲であることがより好ましい。
本発明の効果を阻害しない範囲であれば、ジシアンジアミド以外の、エポキシ樹脂の硬化剤として一般に知られる硬化剤、例えばフェノール樹脂系硬化剤、酸無水物系硬化剤、アミン系硬化剤等を併用してもよい。
併用可能なフェノール樹脂系硬化剤の例としては、例えば、フェノール、アルキルフェノール等のフェノール類とホルムアルデヒドまたはパラホルムアルデヒドを反応させて得られる、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂、これらのノボラック型フェノール樹脂をエポキシ化またはブチル化した変性ノボラック型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、パラキシレン変性フェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、トリフェノールアルカン型フェノール樹脂、多官能型フェノール樹脂等が挙げられる。
併用可能な酸無水物系硬化剤の例としては、例えば、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルブテニルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、エチレングリコールビストリメリテート、グリセロールトリストリメリテート、無水マレイン酸、無水コハク酸、ドデセニル無水コハク酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物、アルキルスチレン−無水マレイン酸共重合体、クロレンド酸無水物、ポリアゼライン酸無水物等が挙げられる。
併用可能なアミン系硬化剤の例としては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、m−キシレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン等の脂肪族ポリアミン;1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシ)メタン、ノルボルネンジアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン等の脂環式ポリアミン;N−アミノエチルピペラジン、1,4−ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジン等のピペラジン型ポリアミン;ジアミノフェニルメタン、m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルスルホン、ジエチルトルエンジアミン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,6−ジアミノベンゼン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3,5−トリエチル−2,6−ジアミノベンゼン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,5,3',5‘−テトラメチル−4,4'−ジアミノジフェニルメタン等の芳香族ポリアミン等が挙げられる。
上記フェノール樹脂系硬化剤、酸無水物系硬化剤、アミン系硬化剤等は、いずれも1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
この(C)成分の硬化剤の配合量は、併用する硬化剤の有無、またその種類等にもよるが、一般には、上記(A)成分及び(B)成分のエポキシ樹脂の合計量100質量部に対し、0.5〜15質量部程度であり、好ましくは1〜10質量部である。
本発明に用いる(D)成分の硬化促進剤は、(A)及び(B)成分のエポキシ樹脂と(C)成分のジシアンジアミドを含む硬化剤の硬化反応を促進するものであれば、特に制限されることなく使用される。具体例としては、イミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−エチルイミダゾール、2−フェニル−4−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニル−4,5−ジ(シアノエトキシ)メチルイミダゾール、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムクロライド、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール塩酸塩、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2′−メチルイミダゾリル−(1′)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2′−ウンデシルイミダゾリル−(1′)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2′−エチル−4′−メチルイミダゾリル−(1′)]−エチル−s−トリアジン、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾリン等のイミダゾール類;1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノネン、5,6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7等のジアザビシクロ化合物及びこれらの塩;トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、α−メチルベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の三級アミン類;メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン等の芳香族アミン類;フェニルジメチルウレア、メチレンビス(フェニルジメチルウレア)、トリレンビス(ジメチルウレア)等の芳香族ジメチルウレア類;トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、ジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリ(p‐メチルフェニル)ホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、ジブチルフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、1,2‐ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン等の有機ホスフィン化合物;テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィンテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィントリフェニルボラン等のテトラ‐またはトリフェニルボロン塩等が挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
この(D)成分の硬化促進剤の配合量は、(A)成分及び(B)成分のエポキシ樹脂の合計量100質量部に対し、0.1〜10質量部の範囲が好ましい。配合量が0.1質量部未満では、硬化性の促進にあまり効果がなく、逆に10質量部を超えると、保存安定性が低下するおそれがある。
なお、本発明においては、(C)成分の硬化剤としてジシアンジアミドを単独で使用する場合、(D)成分の硬化促進剤として、イミダゾール類、三級アミン類、芳香族アミン類、芳香族ジメチルウレア類の使用が好ましい。これは、ジシアンジアミドの硬化温度が160〜180℃と高く、イミダゾール類、三級アミン類、芳香族アミン類、芳香族ジメチルウレア類を使用することにより、より低温(例えば、160℃未満の温度)で硬化させることが可能になるからである。特に、MEMS等においては、それらを構成する部材が高温下では誤作動を起こす可能性があることから、低温硬化を可能とするイミダゾール類、三級アミン類、芳香族アミン類、芳香族ジメチルウレア類の使用が好ましい。また、組成物及び成形用樹脂シートの保存安定性を高める観点からは、イミダゾール類、芳香族ジメチルウレア類の使用が好ましい。
本発明に用いられる(E)成分の無機充填剤は、シート性とチキソトロピー性の維持に大きく寄与する成分であり、この種の樹脂組成物に一般に使用されているものであれば、特に制限されることなく使用することができる。ここで、「シート性」とは、常温において適度な柔軟性があり(割れにくい)、取り扱いやすく、かつ均一な厚さを有することをいう。無機充填剤の具体例としては、例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、破砕シリカ、合成シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム等の酸化物粉末、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水酸化物粉末、窒化ホウ素、窒化アルミ、窒化ケイ素等の窒化物粉末等が挙げられる。これらの無機充填剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
(E)成分の無機充填剤は、平均粒径が0.1μm以上で、かつ最大粒径が100μm以下であることが好ましい。平均粒径が0.1μm未満では、混合装置の種類により混合状態にバラツキが生ずるおそれがある。また、最大粒径が100μmを超えると、MEMS等の小型電子部品を中空封止するための薄いシートの成形が困難になる。ここで、無機充填剤の平均粒径は、溶融シリカ等の球状粒子の場合、例えば、レーザー回折式粒度分布測定装置により求めることができ、また、水酸化アルミニウムやアルミナ等の不定形粒子の場合、例えば、試料の入った懸濁液を入れた沈降管内に、液面から一定の深さに秤量皿を設け、そこに堆積する粒子重量の経時変化から粒度分布を算出する沈降天秤法により求めることができる。いずれの方法も、平均粒径は、測定された粒度分布において積算体積が50%になる粒径(d50)である。
(E)成分の無機充填剤の配合量は、シート性及びチキソトロピー性を維持する観点からは、組成物全体に対し、30〜90質量%の範囲が好ましく、50〜80質量%の範囲がより好ましい。
本発明に用いられる(F)成分のフッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸等、フッ素系界面活性剤として知られているもののなかから、1種以上を任意に選択して使用することができる。パーフルオロアルキルスルホン酸は、アルキルスルホン酸のアルキル基のC原子に結合したH原子がF原子に置換したものであり、アルキルカルボン酸のアルキル基のC原子に結合したH原子がF原子に置換したものである。アルキル基は、C原子数が1〜10個の直鎖状アルキル基であることが好ましい。フッ素系界面活性剤はイオン性及び非イオン性のいずれであってもよい。非イオン性のフッ素系界面活性剤は、親水基がイオンに解離しないことから、他のイオン性界面活性剤を併用でき、また人や動植物に対する毒性も低いことから、(F)成分として好適である。
(F)成分のフッ素系界面活性剤の配合量は、組成物全体に対し、0.05〜1.00質量%の範囲であり、好ましくは0.1〜0.8質量%の範囲であり、より好ましくは0.2〜0.5質量%の範囲である。配合量が0.05質量%未満では、良好な形状保持性が得られない。すなわち使用時に粘度が低下して樹脂ダレや樹脂のはみ出しが生じ、また中空封止材として使用した場合に中空空間の維持ができなくなる。逆に1.00質量%を超えると、硬化が遅延するおそれがある。
本発明に用いられるエポキシ樹脂組成物には、以上の各成分の他、本発明の効果を阻害しない範囲で、合成ゴム、フェノキシ樹脂、変性ポリアミド樹脂等のエラストマー類、希釈剤、消泡剤、老化防止剤、酸化防止剤、可塑剤、顔料、染料、着色剤等の添加剤を必要に応じて配合することができる。
エポキシ樹脂組成物を調製するにあたっては、(A)(a1)軟化点が50〜80℃のビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂及び/または(a2)軟化点が50〜80℃のビスフェノールA型エポキシ樹脂を含む固形エポキシ樹脂、(B)液状エポキシ樹脂、(C)ジシアンジアミドを含む硬化剤、(D)硬化促進剤、(E)無機充填剤、(F)フッ素系界面活性剤、並びに前述した必要に応じて配合される各種成分を、プラネタリミキサー、二軸混合機、遊星撹拌機等の混合機を用いて50〜100℃程度の温度で十分に混練し、必要に応じて脱泡処理する。
本発明の成形用樹脂シートは、上記エポキシ樹脂組成物の混練物を、30℃以下に冷却した後、プレス成形機にて、50〜100℃程度の温度、0.5〜1.5MPa程度の圧力でシート状にプレス成形することにより得られる。
本発明の成形用樹脂シートは、次式より算出されるチキソトロピー指数(TI値)が、2.5以上であることが好ましく、5〜30であることがより好ましい。チキソトロピー指数(TI値)が2.5未満では、加熱溶融時にシートが変形し、形状を保持できなくなるおそれがある。
TI値=η1.0/η10
(ここで、η1.0は、パラレルプレート型レオメーターを用いて測定される剪断速度1.0s−1における100℃での溶融粘度(Pa・s)であり、η10は、パラレルプレート型レオメーターを用いて測定される剪断速度10s−1における100℃での溶融粘度(Pa・s)である。)
TI値=η1.0/η10
(ここで、η1.0は、パラレルプレート型レオメーターを用いて測定される剪断速度1.0s−1における100℃での溶融粘度(Pa・s)であり、η10は、パラレルプレート型レオメーターを用いて測定される剪断速度10s−1における100℃での溶融粘度(Pa・s)である。)
また、本発明の成形用樹脂シートの厚さは、通常、5μm〜2mmであり、好ましくは20μm〜1mmである。MEMS等の小型の電子部品を中空封止する場合は、20〜100μmが好ましい。成形用樹脂シートの厚さが5μm未満では、充填剤を配合する観点から、厚みのばらつきが生じることが懸念される。逆に、厚さが2mmを超えると、成形性が低下するうえ、常温での取り扱い性が低下する。
本発明の成形用樹脂シートは、任意の形状に、例えば、平面形状として、円形、三角形、四角形、五角形等に加工した後、被着体、例えばコイル等の電気部品、あるいは中空封止すべきMEMS等の電子部品に接着させた後、80〜150℃で10分〜8時間、好ましくは90〜120℃で1〜3時間加熱して硬化させることにより、樹脂封止されたコイル装置や、MEMS等の電気・電子部品が得られる。
本発明の成形用樹脂シートは、常温での取り扱い性が良好で、かつ使用(加熱)時の形状保持性に優れるため、コイル等の電気・電子部品を外部雰囲気から保護する材料として、また、MEMS等の中空部分を必要とする電子部品の封止材料として有用である。
本発明の成形用樹脂シートを用いて、基板上に素子を中空封止する電子部品の例としては、MEMSの他、水晶振動子、圧電振動子等の各種振動子、加速度センサー、角速度センサー等の各種センサー類、表面弾性波フィルタ等の表面弾性波装置等が挙げられる。なお、本発明の成形用樹脂シートは、半導体チップ、ダイオード、サイリスタ、トランジスタ等の中空封止の必要のない一般的な半導体素子の封止材料としても使用することができる。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例において使用した材料は表1に示した通りである。また、「部」は特に断らない限り「質量部」を意味する。
(実施例1)
固形エポキシ樹脂(1)43.5部、固形エポキシ樹脂(2)40部、液状エポキシ樹脂16.5部、及び表面改質剤(1)0.5部を均一に混合した後、硬化剤2.75部、硬化促進剤2.5部、無機充填剤(1)50部、無機充填剤(2)150部とともに、プラネタリーミキサに仕込み、80℃で1時間攪拌混合した。この混合物をプラネタリーミキサから取り出し、30℃以下にまで冷却し、塊状のエポキシ樹脂組成物を得た。
得られた塊状のエポキシ樹脂組成物を温度80℃、圧力1.0MPaの条件で真空プレスにて成形し、厚さ約1mmの成形用樹脂シートを作製した。
固形エポキシ樹脂(1)43.5部、固形エポキシ樹脂(2)40部、液状エポキシ樹脂16.5部、及び表面改質剤(1)0.5部を均一に混合した後、硬化剤2.75部、硬化促進剤2.5部、無機充填剤(1)50部、無機充填剤(2)150部とともに、プラネタリーミキサに仕込み、80℃で1時間攪拌混合した。この混合物をプラネタリーミキサから取り出し、30℃以下にまで冷却し、塊状のエポキシ樹脂組成物を得た。
得られた塊状のエポキシ樹脂組成物を温度80℃、圧力1.0MPaの条件で真空プレスにて成形し、厚さ約1mmの成形用樹脂シートを作製した。
(実施例2〜8、比較例1〜4)
組成を表2に示すように変えた以外は、実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物を調製し、さらに、得られた組成物を用いて成形用樹脂シートを作製した。なお、表面改質剤を使用しない比較例1では、エポキシ樹脂のみを予め混合した後、他の成分とともにプラネタリーミキサに仕込み、加熱混合した。
組成を表2に示すように変えた以外は、実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物を調製し、さらに、得られた組成物を用いて成形用樹脂シートを作製した。なお、表面改質剤を使用しない比較例1では、エポキシ樹脂のみを予め混合した後、他の成分とともにプラネタリーミキサに仕込み、加熱混合した。
上記各実施例及び各比較例で得られたエポキシ樹脂組成物及び成形用樹脂シートについて、下記に示す方法で各種特性を評価した。その結果を表2に併せ示す。なお、下記(6)〜(8)の特性評価は、厚さ約50μmの成形用樹脂シートについて行った。シート厚さを変えた以外は各実施例及び比較例と同様に作製したものである。
(1)溶融粘度
パラレルプレート型レオメーター(TA Instruments社製)を用いて温度50℃から120℃まで昇温速度10℃/分で昇温させて測定し、100℃における溶融粘度を求めた。測定は、角周波数50.0rad/sで行った。
(2)チキソトロピー指数(TI値)
パラレルプレート型レオメーター(TA Instruments社製)上記と同様にして、温度100℃、一定条件で剪断速度1.0s−1から10s−1に速めて測定した。そして、剪断速度1.0s−1における溶融粘度η1.0(Pa・s)、及び剪断速度10s−1における溶融粘度η10(Pa・s)を測定し、次式より算出した。
TI値=η1.0/η10
(3)ゲル化時間
JIS C 2161 7.5.1に規定されるゲル化時間A法に準拠して、150℃の熱盤上で1.5gのエポキシ樹脂組成物を直径約40〜50mmの円盤状に広げ、金属製のへらを用いて60回/分の速度でかき混ぜ、エポキシ樹脂組成物が増粘し、最終的にゲル状になってかき混ぜられなくなるまでの時間を測定した。
(4)シート厚さ
作製直後の成形用樹脂シートの厚さをマイクロメータにより測定した。測定は、各例とも合計10枚のシートについて行い(1枚当たり、5ヶ所で測定)、その平均値を算出した。
パラレルプレート型レオメーター(TA Instruments社製)を用いて温度50℃から120℃まで昇温速度10℃/分で昇温させて測定し、100℃における溶融粘度を求めた。測定は、角周波数50.0rad/sで行った。
(2)チキソトロピー指数(TI値)
パラレルプレート型レオメーター(TA Instruments社製)上記と同様にして、温度100℃、一定条件で剪断速度1.0s−1から10s−1に速めて測定した。そして、剪断速度1.0s−1における溶融粘度η1.0(Pa・s)、及び剪断速度10s−1における溶融粘度η10(Pa・s)を測定し、次式より算出した。
TI値=η1.0/η10
(3)ゲル化時間
JIS C 2161 7.5.1に規定されるゲル化時間A法に準拠して、150℃の熱盤上で1.5gのエポキシ樹脂組成物を直径約40〜50mmの円盤状に広げ、金属製のへらを用いて60回/分の速度でかき混ぜ、エポキシ樹脂組成物が増粘し、最終的にゲル状になってかき混ぜられなくなるまでの時間を測定した。
(4)シート厚さ
作製直後の成形用樹脂シートの厚さをマイクロメータにより測定した。測定は、各例とも合計10枚のシートについて行い(1枚当たり、5ヶ所で測定)、その平均値を算出した。
(5)硬化後のシート厚さ・ばらつき(形状保持性I)
形状保持性を評価するために、厚さ1mmの成形用樹脂シートから20mm角の試料シートを切り出し、FR−4基板上に温度40℃、圧力5kPaで圧着させた後、垂直に保持して、100℃で120分間加熱硬化させた(図1(a))。図1において、12は基板、14は試料シートを示す。硬化後、試料シート14の上端から3mmの箇所の厚さ(上端部厚Aと表記)と、下端から3mmの箇所の厚さ(下端部厚Bと表記)を測定(それぞれ、中央部及び両端部の3ヶ所で測定し、その平均値を算出。さらに、各実施例及び比較例について10回ずつ測定し、その平均値を算出。)するとともに、その測定値から、上端部厚Aと下端部厚Bとの差(B−A)、標準偏差σ、及び次式から形状保持率Sを算出した(図1(b))。なお、形状保持率Sが10%以下であると、形状保持性が良好であるとみなすことができる。形状保持率Sは5%以下であることがより好ましい。
S(%)=[(B−A)/B]×100
(6)硬化後の中空部の断面形状(形状保持性II)
MEMS等の中空封止用途で使用した際の樹脂シートの中空部への耐落ち込み性を評価するために、感光性ポリイミドを用いて基板上に凹状のパターンを複数形成し、その上に成形用樹脂シートを温度40℃、圧力5kPaで圧着させた後、100℃で2時間加熱して硬化させた。その後、得られたシート付き基板を断面研磨して、中空部の断面形状を目視により観察し、シートのパターン凹部への落ち込みがなく、かつ剥がれも認められず、凹部は略直方体の形状を維持している場合を「良好」と評価した。
形状保持性を評価するために、厚さ1mmの成形用樹脂シートから20mm角の試料シートを切り出し、FR−4基板上に温度40℃、圧力5kPaで圧着させた後、垂直に保持して、100℃で120分間加熱硬化させた(図1(a))。図1において、12は基板、14は試料シートを示す。硬化後、試料シート14の上端から3mmの箇所の厚さ(上端部厚Aと表記)と、下端から3mmの箇所の厚さ(下端部厚Bと表記)を測定(それぞれ、中央部及び両端部の3ヶ所で測定し、その平均値を算出。さらに、各実施例及び比較例について10回ずつ測定し、その平均値を算出。)するとともに、その測定値から、上端部厚Aと下端部厚Bとの差(B−A)、標準偏差σ、及び次式から形状保持率Sを算出した(図1(b))。なお、形状保持率Sが10%以下であると、形状保持性が良好であるとみなすことができる。形状保持率Sは5%以下であることがより好ましい。
S(%)=[(B−A)/B]×100
(6)硬化後の中空部の断面形状(形状保持性II)
MEMS等の中空封止用途で使用した際の樹脂シートの中空部への耐落ち込み性を評価するために、感光性ポリイミドを用いて基板上に凹状のパターンを複数形成し、その上に成形用樹脂シートを温度40℃、圧力5kPaで圧着させた後、100℃で2時間加熱して硬化させた。その後、得られたシート付き基板を断面研磨して、中空部の断面形状を目視により観察し、シートのパターン凹部への落ち込みがなく、かつ剥がれも認められず、凹部は略直方体の形状を維持している場合を「良好」と評価した。
(7)プレッシャクッカー試験(PCT)後のシート断面形状(耐湿信頼性)
感光性ポリイミドを用いて基板上に凹状のパターンを複数形成し、その上に成形用樹脂シートを温度40℃、圧力5kPaで圧着させた後、100℃で2時間加熱して硬化させた。その後、得られたシート付き基板について、121℃、85%RH、0.2MPa、24時間の条件で、プレッシャクッカー試験を行い、上記(6)の場合と同様にして、シート付き基板を断面研磨して、中空部の断面形状を目視により観察し、評価した。
(8)プレッシャクッカー試験(PCT)後の吸水率
冷却前のエポキシ樹脂組成物を耐熱性を有する離型フィルムで挟んで樹脂シートの厚さが50μmになるようラミネートし、この積層体から5cm角の試料シートを切り出し、100℃で2時間加熱して硬化させた。離型フィルムを剥離した後、90℃1時間加熱して水分を蒸発させ、室温に戻し、シートの重量を測定した。その後、121℃、85%RH、0.2MPa、24時間の条件でプレッシャクッカー試験を行い、試験後のシートの重量を測定し、次式より、吸水率を算出した。
吸水率(%)=[(試験後の重量−試験前の重量)/試験前の重量]×100
感光性ポリイミドを用いて基板上に凹状のパターンを複数形成し、その上に成形用樹脂シートを温度40℃、圧力5kPaで圧着させた後、100℃で2時間加熱して硬化させた。その後、得られたシート付き基板について、121℃、85%RH、0.2MPa、24時間の条件で、プレッシャクッカー試験を行い、上記(6)の場合と同様にして、シート付き基板を断面研磨して、中空部の断面形状を目視により観察し、評価した。
(8)プレッシャクッカー試験(PCT)後の吸水率
冷却前のエポキシ樹脂組成物を耐熱性を有する離型フィルムで挟んで樹脂シートの厚さが50μmになるようラミネートし、この積層体から5cm角の試料シートを切り出し、100℃で2時間加熱して硬化させた。離型フィルムを剥離した後、90℃1時間加熱して水分を蒸発させ、室温に戻し、シートの重量を測定した。その後、121℃、85%RH、0.2MPa、24時間の条件でプレッシャクッカー試験を行い、試験後のシートの重量を測定し、次式より、吸水率を算出した。
吸水率(%)=[(試験後の重量−試験前の重量)/試験前の重量]×100
表2から明らかなように、本発明の実施例にかかる成形用樹脂シートは、加熱時の形状保持性が良好で、かつ耐湿信頼性にも優れており、これを用いてMEMS素子等に対し信頼性の高い中空封止が可能であることが確認された。
本発明の成形用樹脂シートは、常温での取り扱い性に優れ、かつ加熱時の形状保持性にも優れている。したがって、コイル等の電気・電子部品を外部雰囲気から保護する材料として、また、MEMS等の中空部分を必要とする電子部品の封止材料として有用である。
Claims (6)
- (A)(a1)軟化点が50〜80℃のビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂及び/または(a2)軟化点が50〜80℃のビスフェノールA型エポキシ樹脂を含む固形エポキシ樹脂、(B)液状エポキシ樹脂、(C)ジシアンジアミドを含む硬化剤、(D)硬化促進剤、(E)無機充填剤、並びに(F)フッ素系界面活性剤を必須成分とし、(A)成分の固形エポキシ樹脂と(B)成分の液状エポキシ樹脂の質量比(A):(B)が60:40〜90:10であり、かつ(F)成分のフッ素系界面活性剤の含有量が組成物全体の0.05〜1.00質量%であるエポキシ樹脂組成物をシート状に成形してなることを特徴とする成形用樹脂シート。
- (F)フッ素系界面活性剤が、ノニオン系界面活性剤であることを特徴とする請求項1記載の成形用樹脂シート。
- (B)液状エポキシ樹脂が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を含むことを特徴とする請求項1または2記載の成形用樹脂シート。
- 下記方法で求められる形状保持率(S)が、10%以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の成形用樹脂シート。
形状保持率(S):基板上に20mm×20mm×1mmの成形用樹脂シート試料を温度40℃、圧力5kPaで圧着させた後、垂直に保持し、100℃で120分間加熱硬化させる。硬化後、前記試料の上端から3mmの箇所の平均厚さ(A)と、下端から3mmの箇所の平均厚さ(B)を求め、次式より算出する。
S(%)=[(B−A)/B]×100 - 100℃におけるチキソトロピー指数(TI値)が2.5以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の成形用樹脂シート。
- 請求項1乃至5のいずれか1項記載の成形用樹脂シートを用いて成形されていることを特徴とする電気・電子部品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014140025A JP2016017121A (ja) | 2014-07-07 | 2014-07-07 | 成形用樹脂シート及び電気・電子部品 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018039925A (ja) * | 2016-09-08 | 2018-03-15 | 京セラ株式会社 | 半導体接着用樹脂組成物および半導体装置 |
KR102139185B1 (ko) * | 2019-08-09 | 2020-08-12 | 주식회사 코일마스터 | 전자부품용 열가역성 바인더재료 및 이를 이용한 몰드형 인덕터의 제조방법 |
CN111548759A (zh) * | 2020-05-18 | 2020-08-18 | 文登卡尔马斯特电子有限公司 | 一种热可逆性粘合剂材料 |
-
2014
- 2014-07-07 JP JP2014140025A patent/JP2016017121A/ja active Pending
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