JP2016076387A - 組合せ端子部材 - Google Patents

Abstract

【課題】組合せ端子部材を構成する複数の端子金具同士の電気的な接続信頼性を確保することを目的とする。【解決手段】組合せ端子部材１は、平板状の本体部２０と、この本体部２０から延出された連結部３０と、この連結部３０の延出端から連なる電線接続部４０とを備える複数のアース端子１０Ａ、１０Ｂを有し、本体部２０が互いに重ねられた状態で複数のアース端子１０Ａ、１０Ｂが互いに組み付けられた部材であって、少なくとも一のアース端子１０Ａが、連結部３０において隣接する他のアース端子１０Ｂ側を向く面に、他のアース端子１０Ｂの連結部３０と重なり合う重なり領域３０Ａを有するとともに、重なり領域３０Ａに、他のアース端子１０Ｂの連結部３０に向かって突出して他のアース端子１０Ｂの連結部３０に接触する接触部３６を備える。【選択図】図２

Description

本明細書によって開示される技術は、組合せ端子部材に関する。

従来、ボルトが挿通される取付孔を有する複数の端子金具を重ね合わせて組み付け、一括してボルト締結することにより、複数の端子金具を固定する組合せ端子部材が知られている（特許文献１参照）。

特開２００９−３２４５６号公報

しかし、上記の構成の組合せ端子部材においては、ボルトの締め付け忘れが発生したり、そうでないまでも締め付け力が不足していると、端子金具同士の接触圧が不十分となったりして、電気的な接続信頼性が低下するおそれがある。

本明細書によって開示される技術は、平板状の本体部と、この本体部から延出された連結部と、この連結部の延出端から連なる電線接続部とを備える端子金具の複数を有し、前記本体部が互いに重ねられた状態で複数の前記端子金具が互いに組み付けられた組合せ端子部材であって、複数の前記端子金具のうち少なくとも一の端子金具が、前記連結部において隣接する他の端子金具側を向く面に、前記他の端子金具の前記連結部と重なり合う重なり領域を有するとともに、前記重なり領域に、前記他の端子金具の前記連結部に向かって突出して前記他の端子金具の前記連結部に接触する接触部を備えたものである。

上記の構成によれば、接触部によって、隣接する端子金具同士が互いに接触した状態に保持されるから、ボルトの締め付け形態に不具合があった場合でも、隣接する端子金具同士の電気的な接続信頼性を確保することができる。
特に、連結部が重なり領域を有しており、この重なり領域に接触部が配置されているから、接触部は、端子金具の本体部、電線接続部、および、連結部のうち重なり領域以外の領域によって周囲を囲まれることとなる。このような構成によれば、組合せ端子部材を輸送する際などに、複数の組合せ端子部材同士がぶつかり合うなどした場合にも、周囲を他の部分によって囲まれた接触部が直接的に衝撃を受ける可能性は低い。これにより、接触部が変形し、端子金具同士の電気的な接続信頼性が低下することを回避できる。

本明細書によって開示される技術の態様として、以下の構成が好ましい。

前記一の端子金具が、前記連結部に配置され、前記他の端子金具に向かって突出する補強部を備え、前記接触部が、前記補強部から連なるものであってもよい。

上記の構成によれば、接触部が補強部と連なっているので、接触部と補強部とを同一の工程にて形成することができ、製造工程の簡素化が図れる。

本明細書によって開示される技術によれば、組合せ端子部材を構成する複数の端子金具同士の電気的な接続信頼性を確保することが可能となる。

実施形態の組合せ端子部材の斜視図 実施形態の組合せ端子部材の正面図 実施形態の組合せ端子部材の背面図 図２のＡ−Ａ線断面図 実施形態の組合せ端子部材について、ボルト配置領域を示す図 実施形態のアース端子の斜視図

本発明の実施形態を、図１〜図６を参照しつつ説明する。本実施形態の組合せ端子部材１は、車両に搭載される機器を接地するための部材であって、図１に示すように、２つのアース端子１０Ａ、１０Ｂ（端子金具に該当）を備えている。２つのアース端子１０Ａ、１０Ｂは、それぞれ、各機器から引き出された図示しないアース電線の端末に接続され、互いに組み付けられた状態で、図示しない車両のボディに対してボルトにより取り付けられる。

２つのアース端子１０Ａ、１０Ｂのうち、ボディに取り付けられる際にボディと当接して配置される一方をアース端子１０Ａとし、アース端子１０Ａよりもボディから離間して配置される他方をアース端子１０Ｂとする。２つのアース端子１０Ａ、１０Ｂは、互いに同形状であるので、以下には、アース端子１０Ａの構成について詳細に説明し、他方のアース端子１０Ｂの構成については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。

アース端子１０Ａは、図６に示すように、所定形状に打ち抜いた金属板材に曲げ加工、打ち抜き加工及び叩き出し加工を施した部材である。アース端子１０Ａの表裏両面のうち一面は、組合せ端子部材１がボディに取り付けられる際にボディ側を向く接地面１１であり、他面は、このアース端子１０Ａに接続される電線が配置される電線配置面１２である。アース端子１０Ａは、本体部２０と、本体部２０から連結部３０を介して連なる電線接続部４０とを備える。

本体部２０は、概ね円形の平板状をなす部分であって、中心に、一方の板面から他方の板面まで貫通された円形のボルト挿通孔２１を有している。このボルト挿通孔２１は、図示しないボルトの軸部を挿通するための孔である。

連結部３０は、本体部２０の外周縁から放射状に（本体部２０の径方向に沿って外側に）延出する平板状の部分であって、本体部２０に対して同一平面上に配置されている。連結部３０は、本体部２０から連なり、本体部２０から離間するにつれて徐々に幅が狭くなる第１幅変部３１と、第１幅変部３１から連なる定幅のストレート部３２と、ストレート部３２から連なり、ストレート部３２から離間するにつれて徐々に幅が狭くなり電線接続部４０へと繋がる第２幅変部３３とを有している。

電線接続部４０は、連結部３０から連なり、本体部２０とは反対側に延びる細長い底壁４１と、この底壁４１の２つの側縁からそれぞれ立ち上がる一対のワイヤーバレル４２と、同じく底壁４１の両側縁からそれぞれ立ち上がる一対のインシュレーションバレル４３とを備えている。一対のワイヤーバレル４２および一対のインシュレーションバレル４３は、共に、底壁４１に対して電線配置面１２側に立ち上がっている。一対のワイヤーバレル４２は、一対のインシュレーションバレル４３よりも連結部３０に近接して配置されている。一対のワイヤーバレル４２は、電線（図示せず）の端末において絶縁被覆から露出された芯線に圧着される部位であり、一対のインシュレーションバレル４３は、電線において芯線が絶縁被覆に覆われた部分に圧着される部位である。

アース端子１０Ａとアース端子１０Ｂとは、図１に示すように、互いにボルト挿通孔２１の位置が一致するようにして本体部２０が重ね合わせられ、アース端子１０Ａに対してアース端子１０Ｂを、本体部２０の中心、つまりボルト挿通孔２１が形成されている位置を中心として本体部２０の周方向に沿って相対的に回動させることによって組み付けられる。

アース端子１０Ａは、図６に示すように、本体部２０から連なる一対の挟持部５０、一対の被挟持片５４、および係止板５６を備えている。これらは、２つのアース端子１０Ａ、１０Ｂを互いに組み付けられた状態に保持するための部分である。

一対の挟持部５０は、互いにボルト挿通孔２１（本体部２０の中心）を挟んで反対側に配置されており、一方が連結部３０に近接し、他方が連結部３０から離れて配置されている。連結部３０に近接して配置されている挟持部５０は、アース端子１０Ａを電線配置面１２側から（図２において紙面手前側から）見たときに、本体部２０の外周縁において、連結部３０に対して時計回り方向前方に位置している。

各挟持部５０は、基部５１と、立ち上がり壁５２と、押さえ片５３とを備えている。基部５１は、本体部２０の外周縁から外側に向かって延びる部分であって、本体部２０に対して同一平面上に配置されている。立ち上がり壁５２は、基部５１の延出端に沿って配置され、基部５１に対して垂直に立ち上がる部分である。立ち上がり壁５２は、基部５１に対して電線配置面１２側に配置されている。押さえ片５３は、立ち上がり壁５２の立ち上がり端から、基部５１と平行に、内側に向かって延びる部分である。

被挟持片５４は、２つのアース端子１０Ａ、１０Ｂが組み付けられた際に、相手側のアース端子１０Ｂの挟持部５０によって挟み付けられる部分である。一対の被挟持片５４のそれぞれは、本体部２０の外周縁から外側に向かって延びる板状の部分であって、本体部２０に対して同一平面上に配置されている。各被挟持片５４は、一対の挟持部５０のそれぞれにおける基部５１と隣接して配置され、アース端子１０Ａを電線配置面１２側から（図２において紙面手前側から）見たときに、本体部２０の外周縁において、挟持部５０に対して時計回り方向前方に位置している。

各被挟持片５４は、それぞれ、圧入部５５を有している。圧入部５５は、被挟持片５４が挟持部５０によって挟み付けられた際に、挟持部５０に接触して２つのアース端子１０Ａ、１０Ｂ間の電気的接続を確保するための部分である。圧入部５５は、被挟持片５４の一部が電線配置面１２側に膨出した部分であり、本実施形態では、被挟持片５４の一部を叩き出すことによって形成されている。

係止板５６は、本体部２０の外周縁から外側に向かって延びる板状の部分であって、本体部２０に対して同一平面上に配置され、連結部３０および電線接続部４０に対して、ボルト挿通孔２１（本体部２０の中心）を挟んで反対側に位置している。

係止板５６は、係止孔５７および係止片５８を有する。これらの係止孔５７および係止片５８は、２つのアース端子１０Ａ、１０Ｂが、正規の組み付け位置から組み付けが解除される方向へ回動することを規制するための部分である。係止孔５７は、係止板５６の一方の板面から他方の板面まで貫通する矩形の貫通孔である。係止片５８は、係止板５６の板面から突出する突部であって、挟持部５０において電線配置面１２側に配置されている。係止片５８は、アース端子１０Ａを電線配置面１２側から見たときに、係止孔５７に対して時計回り方向後方に位置している。

連結部３０は、突出部３４を有している。突出部３４は、補強部３５と、補強部３５から連なる接触部３６とを有している。補強部３５は、連結部３０を折れ曲がり難いように補強するための部位であり、接触部３６は、アース端子１０Ａがアース端子１０Ｂと組み付けられた際に、相手側のアース端子１０Ｂの連結部３０に接触して２つのアース端子１０Ａ、１０Ｂ間の電気的接続を確保するための部分である。突出部３４は、連結部３０の一部が電線配置面１２側に膨出した部分であり、本実施形態では、被挟持片５４の一部を叩き出すことによって形成されている。

補強部３５は、二股に分かれた側を本体部２０に向けたＹ字状をなしており、連結部３０の２つの側縁間の中央位置に配置されている。補強部３５のうち、Ｙ字の縦棒部分は第２幅変部３３およびストレート部３２に、二股部分は第１幅変部３１に配置されている。接触部３６は、補強部３５におけるＹ字の２つの枝のうち一方の枝の先端から本体部２０に向かって延び、さらにその先端部から連結部３０の延び方向と垂直方向に、外側に向かって（相手側の枝とは逆に向かって）延びる部分である。より具体的には、補強部３５は、アース端子１０Ａを電線配置面１２側から見たときの時計回り方向後方に、つまり、連結部３０に近接して配置されている挟持部５０と反対方向に延びている。突出部（補強部３５および接触部３６）の外縁は、連結部３０の側縁からやや内側に離間して位置している。

アース端子１０Ａの連結部３０は、相手側のアース端子１０Ｂを向く面（電線配置面１２）に、アース端子１０Ａがアース端子１０Ｂと組み付けられた際にアース端子１０Ｂの連結部３０と重なり合う重なり領域３０Ａを有しており、補強部３５は、この重なり領域３０Ａに配置されている。

なお、突出部３４は、組合せ端子部材１をボディに取り付ける際にアース端子１０Ａ、１０Ｂにおいてボルトが配置されるボルト配置領域２０Ａ（図５において網掛けで示す領域）から外れて配置されている。

次に、２つのアース端子１０Ａ、１０Ｂを組み付ける手順について説明する。

まず、アース端子１０Ａ、１０Ｂに、電線をそれぞれ加締める。次に、アース端子１０Ａの本体部２０に、ボルト挿通孔２１の位置を整合させつつアース端子１０Ｂの本体部２０を重ねる。このとき、アース端子１０Ａの電線配置面１２とアース端子１０Ｂの接地面１１とが対向するように両アース端子１０Ａ、１０Ｂを配置する。また、アース端子１０Ａの各挟持部５０に対して、アース端子１０Ｂの各被挟持片５４が、両アース端子１０Ａ、１０Ｂを電線配置面１２側から見たときの時計回り方向後方に隣接するように、両アース端子１０Ａ、１０Ｂを配置する。

この状態から、両アース端子１０Ａ、１０Ｂを回動させる。このとき、アース端子１０Ｂを、アース端子１０Ａに対して相対的に、電線配置面１２側から見たときの時計回り方向（図２の矢印方向）に回動させるようにする。すると、アース端子１０Ｂの各被挟持片５４が、アース端子１０Ａの各挟持部５０における基部５１と押さえ片５３との間に入り込む。ここで、基部５１と押さえ片５３との間隔は、被挟持片５４の板厚とほぼ同じ寸法となっており、被挟持片５４が圧入部５５を有していることで、圧入部５５の高さ寸法分だけ押さえ片５３を押し上げながら潜り込む。これにより、アース端子１０Ａの被挟持片５４とアース端子１０Ｂの挟持部５０とが接触し、アース端子１０Ａとアース端子１０Ｂとの電気的接続が図られる。

両アース端子１０Ａ、１０Ｂが正規の組み付け位置に至ると、アース端子１０Ｂの挟持部５０がアース端子１０Ａの挟持部５０に当接することにより、両アース端子１０Ａ、１０Ｂが正規の組み付け位置からさらに回動することが規制される。これと同時に、アース端子１０Ａの係止片５８がアース端子１０Ｂの係止孔５７に入り込み、係止片５８の突出端縁と係止孔５７の孔縁とが互いに係止し合うことで、両アース端子１０Ａ、１０Ｂが正規の組み付け位置から組み付けが解除される方向へ回動することが規制される。

両アース端子１０Ａ、１０Ｂが正規の組み付け位置に至った状態では、アース端子１０Ａの連結部３０における重なり領域３０Ａが、アース端子１０Ｂの連結部３０の一部と重なる。そして、アース端子１０Ａの接触部３６がアース端子１０Ｂの連結部３０と接触し、アース端子１０Ａとアース端子１０Ｂとの電気的接続が図られる。

以上のように本実施形態では、圧入部５５と接触部３６とによって、組み付けられた２つのアース端子１０Ａ、１０Ｂが互いに接触した状態に保持されるから、組合せ端子部材１のボディへの取り付けの際のボルトの締め付け形態に不具合があった場合でも、アース端子１０Ａ、１０Ｂ間の電気的な接続信頼性を確保することができる。

特に、アース端子１０Ａの連結部３０は、相手側のアース端子１０Ｂを向く面（電線配置面１２）に、アース端子１０Ａがアース端子１０Ｂと組み付けられた際にアース端子１０Ｂの連結部３０と重なり合う重なり領域３０Ａを有しており、接触部３６は、この重なり領域３０Ａに配置されている。このような構成によれば、接触部３６は、アース端子１０Ａ、１０Ｂの本体部２０、電線接続部４０、および、連結部３０のうち重なり領域３０Ａ以外の領域によって周囲を囲まれることとなる。このため、組合せ端子部材１を輸送する際などに、複数の組合せ端子部材１同士がぶつかり合うなどした場合にも、接触部３６が直接的に衝撃を受ける可能性を低くすることができ、接触部３６の変形によってアース端子同士の電気的な接続信頼性が低下することを回避できる。

また、アース端子１０Ａが補強部３５を備え、接触部３６が、補強部３５から連なるものである。このような構成によれば、接触部３６が補強部３５と連なっているので、接触部３６と補強部３５とを同一の工程にて形成することができ、製造工程の簡素化が図れる。

＜他の実施形態＞
本明細書によって開示される技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような種々の態様も含まれる。
（１）上記実施形態では、組合せ端子部材１は、２つのアース端子１０Ａ、１０Ｂが組み付けられたものであったが、組合せ端子部材は、３つ以上の端子金具が組み付けられたものであってもよい。

（２）上記実施形態では、組合せ端子部材１を構成する２つのアース端子１０Ａ、１０Ｂは、互いに同形状であったが、組合せ端子部材を構成する複数の端子金具のすべてが同一形状でなくてもよく、例えば、ボディと隣接する端子金具にはボディに対する回り止めのための回り止め部が配置されていてもよい。

（３）上記実施形態では、組合せ端子部材１を構成する２つのアース端子１０Ａ、１０Ｂは、ともに接触部を有していたが、組合せ端子部材を構成する複数の端子金具のうち一部が接触部を有していてもよい。

（４）上記実施形態では、端子金具がアース端子であったが、端子金具がアース端子でなくても構わない。

１…組合せ端子部材
１０Ａ…アース端子（端子金具）
１０Ｂ…アース端子（端子金具）
２０…本体部
３０…連結部
３０Ａ…重なり領域
３５…補強部
３６…接触部
４０…電線接続部

Claims (2)

1. 平板状の本体部と、この本体部から延出された連結部と、この連結部の延出端から連なる電線接続部とを備える端子金具の複数を有し、前記本体部が互いに重ねられた状態で複数の前記端子金具が互いに組み付けられた組合せ端子部材であって、
   複数の前記端子金具のうち少なくとも一の端子金具が、
   前記連結部において隣接する他の端子金具側を向く面に、前記他の端子金具の前記連結部と重なり合う重なり領域を有するとともに、
   前記重なり領域に、前記他の端子金具の前記連結部に向かって突出して前記他の端子金具の前記連結部に接触する接触部を備えたものである組合せ端子部材。
2. 前記一の端子金具が、前記連結部に配置され、前記他の端子金具に向かって突出する補強部を備え、
   前記接触部が、前記補強部から連なるものである、請求項１に記載の組合せ端子部材。

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