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JP2016070441A - 動力分割式無段変速機 - Google Patents

動力分割式無段変速機 Download PDF

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JP2016070441A JP2014202666A JP2014202666A JP2016070441A JP 2016070441 A JP2016070441 A JP 2016070441A JP 2014202666 A JP2014202666 A JP 2014202666A JP 2014202666 A JP2014202666 A JP 2014202666A JP 2016070441 A JP2016070441 A JP 2016070441A
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Abstract

【課題】車両の被牽引時に、遊星歯車機構の要素間に差回転が発生することを抑制できる、動力分割式無段変速機を提供する。【解決手段】セカンダリ軸32の保持穴83に油圧が供給されている状態では、その油圧により、可動部84がコイルスプリング87の弾性力に抗して押し出され、可動部84の先端部がセカンダリ軸32の受入部81内に配置される。セカンダリ軸32の保持穴83への油圧の供給が停止され、保持穴83から油圧が抜けると、コイルスプリング87の弾性力により、可動部84がT/M出力軸22側に押し戻される。コイルスプリング87が伸びきった状態では、可動部84の嵌合部85がT/M出力軸22の嵌合部82と嵌合し、その嵌合した位置で可動部84が停止する。これにより、T/M出力軸22とセカンダリ軸32とは、相対回転不能に直結される。【選択図】図4A

Description

本発明は、動力分割式無段変速機に関する。
自動車などの車両に搭載される変速機として、エンジンの動力を無段階に変速する無段変速機構と、エンジンの動力を無段変速機構を経由せずに伝達する歯車機構と、無段変速機構からの動力と歯車機構からの動力とを合成するための遊星歯車機構とを備えたものが提案されている。この変速機では、エンジンからの動力を無段変速機構と歯車機構とに分割し、その分割された各動力を遊星歯車機構で合成して車輪に伝達することができる。
特許第4552376号公報
駆動源の動力を2系統に分割して伝達可能な変速機は、動力分割式無段変速機として、本願出願人も提案している。
この提案に係る動力分割式無段変速機には、変速比の変更により動力を無段階に変速する無段変速機構と、動力を一定の変速比で変速する一定変速機構と、無段変速機構からの動力と一定変速機構からの動力とを合成するための合成用歯車機構とが備えられている。そして、この動力分割式無段変速機では、動力が無段変速機構のみを経由して合成用歯車機構に伝達されるベルトモードと、動力が無段変速機構および一定変速機構を経由して合成用歯車機構に伝達されるスプリットモードとに切り替えられる。
一定変速機構および合成用歯車機構には、それぞれ遊星歯車機構が含まれる。車両の非走行時に駆動源が停止した状態では、それらの遊星歯車機構の各要素が回転自由な状態になる。そのため、車両が牽引される被牽引時に、駆動輪の回転が遊星歯車機構に入力され、遊星歯車機構の各要素が回転し、遊星歯車機構の要素間に差回転(回転数の差)が発生する。このとき、オイルポンプも停止されており、動力分割式無段変速機にオイルが供給されないので、遊星歯車機構の要素(とくに、ピニオンギヤ)の焼き付きが発生するおそれがある。
本発明の目的は、車両の被牽引時に、遊星歯車機構の要素間に差回転が発生することを抑制できる、動力分割式無段変速機を提供することである。
前記の目的を達成するため、本発明の一の局面に係る動力分割式無段変速機は、入力軸と、出力軸と、入力軸に入力される動力を変速比の変更により無段階に変速する無段変速機構と、入力軸に入力される動力を一定の変速比で変速する一定変速機構と、無段変速機構からの動力と一定変速機構からの動力とを合成して出力軸に出力する合成用歯車機構とを含む動力分割式無段変速機であって、無段変速機構は、入力軸に連結されたプライマリ軸と、プライマリ軸と平行に設けられたセカンダリ軸と、プライマリ軸に支持されたプライマリプーリと、セカンダリ軸に支持されたセカンダリプーリと、プライマリプーリとセカンダリプーリとに巻き掛けられたベルトとを備え、合成用歯車機構は、ピニオンギヤを回転可能に支持するキャリアと、セカンダリ軸が連結されたサンギヤと、出力軸が連結されたリングギヤとを備え、セカンダリ軸には、可動部が設けられており、可動部を弾性的に押圧する押圧部材を備え、油圧が供給されない時には、押圧部材の押圧力により、出力軸とセカンダリ軸とを直結させ、油圧が供給される時には、その油圧により、出力軸とセカンダリ軸とを押圧部材の押圧力に抗して分離させる軸移動機構を含む。
この構成によれば、軸移動機構に油圧が供給されない時には、押圧部材の押圧力により、出力軸とセカンダリ軸とが直結される。そのため、車両が牽引される被牽引時に、駆動輪の回転が出力軸に入力されると、セカンダリ軸が出力軸と一体となって回転する。したがって、出力軸とセカンダリ軸との間に回転数の差が発生しない。すなわち、遊星歯車機構の構成を有する合成用歯車機構の要素間(サンギヤとリングギヤとの間)に差回転が発生しない。よって、合成用歯車機構のピニオンギヤの高速回転を抑制することができ、オイルが供給されなくても、ピニオンギヤなどの焼き付きの発生を抑制することができる。
一方、軸移動機構に油圧が供給されると、その油圧により、出力軸とセカンダリ軸とが分離される。そのため、車両の走行時は、合成用歯車機構により、無段変速機構からの動力と一定変速機構からの動力とを合成して出力軸に出力することができる。
本発明の他の局面に係る動力分割式無段変速機は、入力軸と、出力軸と、入力軸に入力される動力を変速比の変更により無段階に変速する無段変速機構と、入力軸に入力される動力を一定の変速比で変速する一定変速機構と、無段変速機構からの動力と一定変速機構からの動力とを合成して出力軸に出力する合成用歯車機構とを含む動力分割式無段変速機であって、無段変速機構は、入力軸に連結されたプライマリ軸と、プライマリ軸と平行に設けられたセカンダリ軸と、プライマリ軸に支持されたプライマリプーリと、セカンダリ軸に支持されたセカンダリプーリと、プライマリプーリとセカンダリプーリとに巻き掛けられたベルトとを備え、一定変速機構は、入力軸に支持され、ピニオンギヤを回転可能に支持するキャリアと、ピニオンギヤと噛合するサンギヤと、ピニオンギヤと噛合するリングギヤとを備え、プライマリプーリは、プライマリ軸に固定されたシリンダと、プライマリ軸に軸方向に移動可能かつ相対回転不能に支持された可動シーブと、シリンダと可動シーブとの間に介在されて、可動シーブをシリンダから離間する方向に弾性的に押圧する押圧部材を備える。
この構成によれば、ベルトの張力が発生していない状態では、押圧部材の押圧力により、プライマリプーリの可動シーブがシリンダから離間される。これにより、無段変速機構の変速比が下がる。そのため、車両が牽引される被牽引時に、駆動輪の回転が出力軸およびセカンダリ軸を介してセカンダリプーリに入力されると、そのセカンダリプーリの回転が減速されてプライマリプーリに伝達される。よって、遊星歯車機構の構成を有する一定変速機構の要素間(サンギヤとリングギヤとの間)に発生する差回転を低減することができる。その結果、オイルが供給されなくても、ピニオンギヤなどの焼き付きの発生を抑制することができる。
一方、車両の走行時には、ベルトの張力およびプライマリプーリの可動シーブとシリンダとの間の油室に供給される油圧により、プライマリプーリの可動シーブが押圧部材の押圧力に抗して正常に動作する。よって、車両の走行時は、無段変速機構により、入力軸に入力される動力を変速比の変更により無段階に変速することができる。
本発明によれば、車両の被牽引時に、遊星歯車機構の要素間に差回転が発生することを抑制できる。よって、車両の被牽引時に、遊星歯車機構にオイルが供給されなくても、ピニオンギヤなどの遊星歯車機構の各要素が焼き付くことを抑制できる。
本発明の一実施形態に係る動力分割式無段変速機が搭載された車両の駆動系統の構成を示すスケルトン図である。 車両の前進時および後進時におけるハイブレーキ、リバースブレーキおよびロークラッチの状態を示す図である。 合成用歯車機構のサンギヤ、キャリアおよびリングギヤの回転数の関係を示す共線図である。 T/M出力軸およびセカンダリ軸の各端部の構成を示す図解的な断面図であり、T/M出力軸とセカンダリ軸とが分離された状態を示す。 T/M出力軸およびセカンダリ軸の各端部の構成を示す図解的な断面図であり、T/M出力軸とセカンダリ軸とが直結された状態を示す。 プライマリプーリの一部を示す図解的な断面図であり、プライマリプーリの油室に油圧が供給されている状態を示す。 プライマリプーリの一部を示す図解的な断面図であり、プライマリプーリの油室に油圧が供給されていない態を示す。
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る動力分割式無段変速機4が搭載された車両1の駆動系統の構成を示すスケルトン図である。
車両1は、エンジン(E/G)2を動力源とする自動車である。車両1には、トルクコンバータ3および動力分割式無段変速機4が搭載されている。
トルクコンバータ3は、トルコン入力軸11、トルコン出力軸12、ポンプインペラ13、タービンランナ14およびロックアップクラッチ15を備えている。トルコン入力軸11およびトルコン出力軸12は、エンジン2の出力軸16(以下「E/G出力軸16」という。)と同一の回転軸線を中心に回転可能に設けられている。トルコン入力軸11には、E/G出力軸16が連結されている。ポンプインペラ13の中心には、トルコン入力軸11が接続され、ポンプインペラ13は、トルコン入力軸11と一体的に回転可能に設けられている。タービンランナ14の中心には、トルコン出力軸12が接続され、タービンランナ14は、トルコン出力軸12と一体的に回転可能に設けられている。ロックアップクラッチ15が係合されると、ポンプインペラ13とタービンランナ14とが直結され、ロックアップクラッチ15が解放されると、ポンプインペラ13とタービンランナ14とが分離される。
ロックアップクラッチ15が解放された状態において、E/G出力軸16からトルコン入力軸11に動力が入力されると、トルコン入力軸11およびポンプインペラ13が回転する。ポンプインペラ13が回転すると、ポンプインペラ13からタービンランナ14に向かうオイルの流れが生じる。このオイルの流れがタービンランナ14で受けられて、タービンランナ14が回転する。このとき、トルクコンバータ3の増幅作用が生じ、タービンランナ14には、トルコン入力軸11に入力される動力(トルク)よりも大きな動力が発生する。そして、そのタービンランナ14の動力がトルコン出力軸12から出力される。
ロックアップクラッチ15が係合された状態では、E/G出力軸16からトルコン入力軸11に動力が入力されると、トルコン入力軸11、ポンプインペラ13およびタービンランナ14が一体となって回転する。そして、タービンランナ14の回転による動力がトルコン出力軸12から出力される。
動力分割式無段変速機4は、トルクコンバータ3から出力される動力をデファレンシャルギヤ5に伝達する。動力分割式無段変速機4は、T/M入力軸21、T/M出力軸22、無段変速機構23、一定変速機構24および合成用歯車機構25を備えている。
T/M入力軸21には、トルコン出力軸12が連結されている。
T/M出力軸22は、T/M入力軸21と平行に設けられている。
無段変速機構23は、公知のベルト式の無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)と同様の構成を有している。具体的には、無段変速機構23は、T/M入力軸21に連結されたプライマリ軸31と、プライマリ軸31と平行に設けられたセカンダリ軸32と、プライマリ軸31に相対回転不能に支持されたプライマリプーリ33と、セカンダリ軸32に相対回転不能に支持されたセカンダリプーリ34と、プライマリプーリ33とセカンダリプーリ34とに巻き掛けられたベルト35とを備えている。
一定変速機構24は、遊星歯車機構41、スプリットドライブギヤ42、スプリットドリブンギヤ43およびアイドルギヤ44を備えている。
遊星歯車機構41には、キャリア45、サンギヤ46およびリングギヤ47が含まれる。キャリア45は、T/M入力軸21に相対回転不能に支持されている。キャリア45は、複数個のピニオンギヤ48を回転可能に支持している。複数のピニオンギヤ48は、円周上に等角度間隔で配置されている。サンギヤ46は、T/M入力軸21に相対回転可能に外嵌されて、各ピニオンギヤ48にT/M入力軸21の回転径方向の内側から噛合している。リングギヤ47は、キャリア45の周囲を取り囲む円環状を有し、各ピニオンギヤ48にT/M入力軸21の回転径方向の外側から噛合している。
スプリットドライブギヤ42は、サンギヤ46と一体回転可能に設けられている。
スプリットドリブンギヤ43は、次に述べる合成用歯車機構25のキャリア51の外周に、キャリア51と一体回転可能に設けられている。
アイドルギヤ44は、スプリットドライブギヤ42およびスプリットドリブンギヤ43と噛合している。
合成用歯車機構25は、遊星歯車機構の構成を有している。すなわち、合成用歯車機構25は、キャリア51、サンギヤ52およびリングギヤ53を備えている。キャリア51の中心には、無段変速機構23のセカンダリ軸32が相対回転可能に挿通されている。キャリア51は、複数個のピニオンギヤ54を回転可能に支持している。複数のピニオンギヤ54は、円周上に等角度間隔で配置されている。サンギヤ52は、セカンダリ軸32に相対回転不能に支持されて、各ピニオンギヤ54にセカンダリ軸32の回転径方向の内側から噛合している。リングギヤ53は、キャリア51の周囲を取り囲む円環状を有し、各ピニオンギヤ54にセカンダリ軸32の回転径方向の外側から噛合している。また、リングギヤ53の中心には、T/M出力軸22の一端が接続され、リングギヤ53は、T/M出力軸22と一体回転可能に設けられている。T/M出力軸22の他端部には、出力ギヤ55が相対回転不能に支持されている。
出力ギヤ55の回転は、アイドルギヤ機構6を経由して、デファレンシャルギヤ5に伝達される。アイドルギヤ機構6には、T/M出力軸22と平行に設けられたアイドル軸61と、アイドル軸61に相対回転不能に支持された第1アイドルギヤ62および第2アイドルギヤ63とが含まれる。第1アイドルギヤ62は、出力ギヤ55と噛合している。第2アイドルギヤ63は、デファレンシャルギヤ5に備えられたリングギヤ64と噛合している。
また、動力分割式無段変速機4は、ハイブレーキHB、リバースブレーキRBおよびロークラッチLCを備えている。
ハイブレーキHBは、リングギヤ47を制動する係合状態(オン)と、リングギヤ47の回転を許容する解放状態(オフ)とに切り替えられる。
リバースブレーキRBは、スプリットドライブギヤ42(サンギヤ46)を制動する係合状態(オン)と、スプリットドライブギヤ42の回転を許容する解放状態(オフ)とに切り替えられる。
ロークラッチLCは、T/M出力軸22とセカンダリ軸32とを直結する係合状態(オン)と、その直結を解除する解放状態(オフ)とに切り替えられる。
図2は、車両1の前進時および後進時におけるハイブレーキHB、リバースブレーキRBおよびロークラッチLCの状態を示す図である。
図2において、「○」は、ハイブレーキHB、リバースブレーキRBおよびロークラッチLCが係合状態であることを示している。
動力分割式無段変速機4は、車両1の前進時の動力伝達モードとして、ベルトモード(無段変速モード)およびスプリットモード(動力分割モード)を有している。
ベルトモードでは、ハイブレーキHBおよびリバースブレーキRBが解放状態にされる。そして、ロークラッチLCが係合状態にされる。これにより、T/M出力軸22およびセカンダリ軸32が直結される。
T/M入力軸21に入力される動力は、無段変速機構23のプライマリ軸31に伝達され、プライマリ軸31およびプライマリプーリ33を回転させる。プライマリプーリ33の回転は、ベルト35を介して、セカンダリプーリ34に伝達され、セカンダリプーリ34およびセカンダリ軸32を回転させる。ロークラッチLCが係合されているので、T/M出力軸22がセカンダリ軸32と一体に回転する。T/M出力軸22の回転は、出力ギヤ55、第1アイドルギヤ62、アイドル軸61および第2アイドルギヤ63を介して、デファレンシャルギヤ5のリングギヤ64に伝達される。これにより、車両1のドライブシャフト71,72が前進方向に回転する。
ベルトモードからスプリットモードへの切り替えは、無段変速機構23の変速比が一定変速機構24の変速比と一致した状態で行われる。一定変速機構24の変速比は、たとえば、無段変速機構23の最小変速比と同じ変速比に設定されている。
スプリットモードでは、ハイブレーキHBが係合状態にされ、リバースブレーキRBおよびロークラッチLCが解放状態にされる。ハイブレーキHBが係合状態にされることにより、一定変速機構24のリングギヤ47が制動される。また、ロークラッチLCが解放状態にされることにより、T/M出力軸22とセカンダリ軸32との直結が解除される。
T/M入力軸21に入力される動力は、無段変速機構23のプライマリ軸31に伝達され、プライマリ軸31およびプライマリプーリ33を回転させる。プライマリプーリ33の回転は、ベルト35を介して、セカンダリプーリ34に伝達され、セカンダリプーリ34およびセカンダリ軸32を回転させる。セカンダリ軸32の回転により、合成用歯車機構25のサンギヤ52が回転する。
また、一定変速機構24のリングギヤ47が制動されているので、T/M入力軸21に入力される動力は、一定変速機構24のキャリア45を公転させるとともに、そのキャリア45に保持されているピニオンギヤ48を回転させる。ピニオンギヤ48の回転により、ピニオンギヤ48からサンギヤ46に動力が入力される。これにより、ピニオンギヤ48およびスプリットドライブギヤ42が回転する。スプリットドライブギヤ42の回転は、一定変速機構24のアイドルギヤ44を介して、スプリットドリブンギヤ43に伝達され、スプリットドリブンギヤ43およびキャリア51を回転させる。
一定変速機構24の変速比が無段変速機構23の変速比と一致した状態で、ベルトモードからスプリットモードへの切り替えが行われるので、その切り替えの直後は、合成用歯車機構25のキャリア51、サンギヤ52およびリングギヤ53が同じ速度で回転する。そして、T/M出力軸22がリングギヤ53と一体に回転する。T/M出力軸22の回転は、出力ギヤ55、第1アイドルギヤ62、アイドル軸61および第2アイドルギヤ63を介して、デファレンシャルギヤ5のリングギヤ64に伝達される。これにより、車両1のドライブシャフト71,72が前進方向に回転する。
一定変速機構24の変速比が一定で不変(固定)であるので、スプリットモードでは、T/M入力軸21に入力される動力が一定であれば、合成用歯車機構25のキャリア51の回転が一定速度に保持される。無段変速機構23の変速比が上げられて、図3に示されるように、合成用歯車機構25のサンギヤ52の回転速度が下がると、合成用歯車機構25のリングギヤ53(T/M出力軸22)の回転速度が上がり、動力分割式無段変速機4の変速比が下がる。逆に、無段変速機構23の変速比が下げられて、サンギヤ52の回転速度が上げられると、リングギヤ53(T/M出力軸22)の回転速度が下がり、動力分割式無段変速機4の変速比が上がる。よって、動力分割式無段変速機4は、大きな変速比幅を有することができる。
また、後進時には、ハイブレーキHBおよびロークラッチLCが解放状態にされる。そして、リバースブレーキRBが係合状態にされる。これにより、スプリットドライブギヤ42(サンギヤ46)が制動される。スプリットドライブギヤ42の制動により、一定変速機構24のアイドルギヤ44が回転不能となり、スプリットドリブンギヤ43およびキャリア51が回転不能となる。
T/M入力軸21に入力される動力は、無段変速機構23のプライマリ軸31に伝達され、プライマリ軸31およびプライマリプーリ33を回転させる。プライマリプーリ33の回転は、ベルト35を介して、セカンダリプーリ34に伝達され、セカンダリプーリ34およびセカンダリ軸32を回転させる。セカンダリ軸32の回転により、合成用歯車機構25のサンギヤ52が回転する。キャリア51が回転不能なため、サンギヤ52が回転すると、リングギヤ53がサンギヤ52と逆方向に回転する。このリングギヤ53の回転方向は、ベルトモードおよびスプリットモードにおけるリングギヤ53の回転方向と逆方向となる。そして、リングギヤ53と一体にT/M出力軸22が回転する。T/M出力軸22の回転は、出力ギヤ55、第1アイドルギヤ62、アイドル軸61および第2アイドルギヤ63を介して、デファレンシャルギヤ5のリングギヤ64に伝達される。これにより、車両1のドライブシャフト71,72が後進方向に回転する。
図4Aおよび図4Bは、T/M出力軸22およびセカンダリ軸32の各端部の構成を示す図解的な断面図である。
T/M出力軸22のセカンダリ軸32側の端部には、中心線がT/M出力軸22の軸線と一致する略円筒状の受入部81がセカンダリ軸32側に突出して形成されている。受入部81のセカンダリ軸32側の端部には、その内周面に、複数の凹凸からなる嵌合部82が形成されている。
一方、セカンダリ軸32のT/M出力軸22側の端部には、その先端面で開放される保持穴83が形成されている。保持穴83には、略円柱状の可動部84がセカンダリ軸32の軸線方向に移動可能に保持されている。可動部84の一端部の外周面は、保持穴83の内周面にスプライン嵌合している。可動部84の他端部(先端部)の周面には、複数の凹凸からなる嵌合部85が形成されている。この嵌合部85とT/M出力軸22の嵌合部82とは、互いに嵌合可能に形成されており、その嵌合が容易に達成されるように、嵌合部82,85の各凹部が凸部よりも大きく形成されている。
また、保持穴83には、車両1に搭載されているオイルポンプから油圧が供給されるようになっている。保持穴83の内周面と可動部84の外周面との間には、その間から作動油が漏れ出すことを防止するために、シール材86が設けられている。
T/M出力軸22の受入部81内には、コイルスプリング87が収容されている。コイルスプリング87の一端は、T/M出力軸22に接続されている。コイルスプリング87の他端は、セカンダリ軸32の可動部84の先端面に接続されている。コイルスプリング87の一端とT/M出力軸22との間またはコイルスプリング87の他端と可動部84との間の一方には、それらの間での差回転を受けるために、スラストニードルベアリングなどのスラスト軸受が介在されることが好ましい。
セカンダリ軸32の保持穴83に油圧が供給されている状態では、図4Aに示されるように、その油圧により、可動部84がコイルスプリング87の弾性力に抗して押し出され、可動部84の先端部がセカンダリ軸32の受入部81内に配置される。このとき、T/M出力軸22の嵌合部82と可動部84の嵌合部85とは、互いに嵌合しておらず、T/M出力軸22とセカンダリ軸32とは、相対回転可能である。
セカンダリ軸32の保持穴83への油圧の供給が停止され、保持穴83から油圧が抜けると、図4Bに示されるように、コイルスプリング87の弾性力により、可動部84がT/M出力軸22側に押し戻される。コイルスプリング87が伸びきった状態では、可動部84の嵌合部85がT/M出力軸22の嵌合部82と嵌合し、その嵌合した位置で可動部84が停止する。これにより、T/M出力軸22とセカンダリ軸32とは、多少のガタを有する状態で相対回転不能に直結される。
以上のように、セカンダリ軸32の保持穴83に油圧が供給されない時には、コイルスプリング87の押圧力により、T/M出力軸22とセカンダリ軸32とが直結される。そのため、車両1が牽引される被牽引時に、駆動輪の回転がT/M出力軸22に入力されると、セカンダリ軸32がT/M出力軸22と一体となって回転する。したがって、T/M出力軸22とセカンダリ軸32との間に回転数の差が発生しない。すなわち、合成用歯車機構25のサンギヤ52とリングギヤ53との間に差回転が発生しない。よって、合成用歯車機構25のピニオンギヤ54の高速回転を抑制することができ、オイルが供給されなくても、ピニオンギヤ54などの焼き付きの発生を抑制することができる。
一方、セカンダリ軸32の保持穴83に油圧が供給されると、その油圧により、T/M出力軸22とセカンダリ軸32とが分離される。そのため、車両1の走行時は、合成用歯車機構25により、無段変速機構23からの動力と一定変速機構24からの動力とを合成してT/M出力軸22に出力することができる。
図5Aおよび図5Bは、プライマリプーリ33の一部を示す図解的な断面図である。
プライマリプーリ33は、プライマリ軸31に固定されたシリンダ91と、プライマリ軸31にその軸線方向に移動可能かつ相対回転不能に支持された可動シーブ92とを備えている。
シリンダ91と可動シーブ92との間には、コイルスプリング93が介在されている。コイルスプリング93は、圧縮状態でシリンダ91と可動シーブ92との間に介在されており、その弾性力により、シリンダ91と可動シーブ92とが互いに離間する方向に付勢されている。そして、コイルスプリング93のばね定数およびコイルスプリング93の圧縮量の調整により、その弾性力、つまりコイルスプリング93が可動シーブ92を押圧する押圧力は、プライマリプーリ33の回転時に、ベルト35の張力により、可動シーブ92がベルト35から受ける力の軸線方向に沿った成分よりも小さいように設計されている。
そのため、ベルト35の張力が発生していない状態では、図5Bに示されるように、コイルスプリング93の押圧力により、プライマリプーリ33の可動シーブ92がシリンダ91から離間される。これにより、無段変速機構23の変速比が下がる。そのため、車両1が牽引される被牽引時に、駆動輪の回転がT/M出力軸22およびセカンダリ軸32を介してセカンダリプーリに入力されると、そのセカンダリプーリ34の回転が減速されてプライマリプーリ33に伝達される。よって、一定変速機構24のサンギヤ46とリングギヤ47との間に発生する差回転を低減することができる。その結果、オイルが供給されなくても、ピニオンギヤ48などの焼き付きの発生を抑制することができる。
一方、車両1の走行時には、図5Aに示されるように、ベルト35の張力およびプライマリプーリ33の可動シーブ92とシリンダ91との間の油室94に供給される油圧により、プライマリプーリ33の可動シーブ92がコイルスプリング93の押圧力に抗して正常に動作する。よって、車両1の走行時は、無段変速機構23により、T/M入力軸21に入力される動力を変速比の変更により無段階に変速することができる。
なお、動力分割式無段変速機4には、図4Aおよび図4Bに示される構成と図5Aおよび図5Bに示される構成との両方が採用されていてもよいし、いずれか一方のみが採用されていてもよい。
押圧部材の一例として、コイルスプリング87,93を示したが、それぞれ可動部84および可動シーブ92を弾性的に押圧可能な部材であれば、コイルスプリング以外のばねであってもよいし、ゴムやスポンジなど、ばね以外の弾性体であってもよい。
また、セカンダリ軸32に可動部84が設けられ、この可動部84の移動により、T/M出力軸22とセカンダリ軸32とが直結/分離される構成を取り上げたが、セカンダリ軸32を可動部として、合成用歯車機構25のサンギヤ52とピニオンギヤ54との噛合などが解除されない範囲内で、セカンダリ軸32が移動することにより、T/M出力軸22とセカンダリ軸32とが直結/分離されてもよい。この場合、たとえば、セカンダリ軸32に接続されて、セカンダリ軸32を油圧により移動させる機構が必要になる。
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
4 動力分割式無段変速機
21 T/M入力軸
22 T/M出力軸
23 無段変速機構
24 一定変速機構
25 合成用歯車機構
31 プライマリ軸
32 セカンダリ軸
33 プライマリプーリ
34 セカンダリプーリ
35 ベルト
45 キャリア
46 サンギヤ
47 リングギヤ
48 ピニオンギヤ
51 キャリア
52 サンギヤ
53 リングギヤ
54 ピニオンギヤ
81 受入部(軸移動機構)
82 嵌合部(軸移動機構)
83 保持穴(軸移動機構)
84 可動部(軸移動機構)
85 嵌合部(軸移動機構)
87 コイルスプリング(軸移動機構、押圧部材)
91 シリンダ
92 可動シーブ
93 コイルスプリング(押圧部材)

Claims (2)

  1. 入力軸と、出力軸と、前記入力軸に入力される動力を変速比の変更により無段階に変速する無段変速機構と、前記入力軸に入力される動力を一定の変速比で変速する一定変速機構と、前記無段変速機構からの動力と前記一定変速機構からの動力とを合成して前記出力軸に出力する合成用歯車機構とを含む動力分割式無段変速機であって、
    前記無段変速機構は、前記入力軸に連結されたプライマリ軸と、前記プライマリ軸と平行に設けられたセカンダリ軸と、前記プライマリ軸に支持されたプライマリプーリと、前記セカンダリ軸に支持されたセカンダリプーリと、前記プライマリプーリとセカンダリプーリとに巻き掛けられたベルトとを備え、
    前記合成用歯車機構は、ピニオンギヤを回転可能に支持するキャリアと、前記セカンダリ軸が連結されたサンギヤと、前記出力軸が連結されたリングギヤとを備え、
    前記セカンダリ軸には、可動部が設けられており、
    前記可動部を弾性的に押圧する押圧部材を備え、油圧が供給されない時には、前記押圧部材の押圧力により、前記出力軸と前記セカンダリ軸とを直結させ、油圧が供給される時には、その油圧により、前記出力軸と前記セカンダリ軸とを前記押圧部材の押圧力に抗して分離させる軸移動機構を含む、動力分割式無段変速機。
  2. 入力軸と、出力軸と、前記入力軸に入力される動力を変速比の変更により無段階に変速する無段変速機構と、前記入力軸に入力される動力を一定の変速比で変速する一定変速機構と、前記無段変速機構からの動力と前記一定変速機構からの動力とを合成して前記出力軸に出力する合成用歯車機構とを含む動力分割式無段変速機であって、
    前記無段変速機構は、前記入力軸に連結されたプライマリ軸と、前記プライマリ軸と平行に設けられたセカンダリ軸と、前記プライマリ軸に支持されたプライマリプーリと、前記セカンダリ軸に支持されたセカンダリプーリと、前記プライマリプーリとセカンダリプーリとに巻き掛けられたベルトとを備え、
    前記一定変速機構は、前記入力軸に支持され、ピニオンギヤを回転可能に支持するキャリアと、前記ピニオンギヤと噛合するサンギヤと、前記ピニオンギヤと噛合するリングギヤとを備え、
    前記プライマリプーリは、前記プライマリ軸に固定されたシリンダと、前記プライマリ軸に軸方向に移動可能かつ相対回転不能に支持された可動シーブと、前記シリンダと前記可動シーブとの間に介在されて、前記可動シーブを前記シリンダから離間する方向に弾性的に押圧する押圧部材を備える、動力分割式無段変速機。
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