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JP2016045078A - 重質油のサンプリング装置 - Google Patents

重質油のサンプリング装置 Download PDF

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JP2016045078A JP2014169433A JP2014169433A JP2016045078A JP 2016045078 A JP2016045078 A JP 2016045078A JP 2014169433 A JP2014169433 A JP 2014169433A JP 2014169433 A JP2014169433 A JP 2014169433A JP 2016045078 A JP2016045078 A JP 2016045078A
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Abstract

【課題】4方弁を用いて、重質油のような高粘度の流体を簡便な方法で、かつ、高い精度でサンプリングすることが可能なサンプリング装置を得る。【解決手段】配管内を流れる重質油をサンプリングする装置であって、重質油のサンプリングを4方弁の流路の切り替えによって行い、この4方弁は、内部に回動によって流路を切り替えることのできる弁部を有し、この弁部の回動により、第1流路と第2流路を切り替え、この2つの流路が切り替えられる前後において、前記弁部の外面における貫通孔の周縁部は、シール材と接することを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、重質油のサンプリング装置に関するものである。
コークス炉において石炭を乾留してコークスを製造する際に副生する成分として、重質油であるコールタールや、コールタール誘導体であるコールタールピッチ類(ソフトピッチ、中ピッチ、硬ピッチ等の各種工程から得られるピッチを含む)がある。また、石油精製工程においては、原油を蒸留し、ナフサ、灯油、軽油等を得る際に重質油として発生する石油系ピッチがある。これらのコールタールピッチ類や石油系ピッチ類は、粘度が高いため、サンプリングノズルや、サンプル缶への付着が生じ易く、取扱いが困難である。
従来、これらのサンプリングは、製造工程から直接抜き出すため、kgのスケールで採取しており、分析を行うために必要とされる試料量の約1000倍以上の量をサンプリングしている。一方、近年分析機器の精度向上により、供試サンプルの少量化が行われているものの、粘度が高く、低温域では固化してしまう重質油では、正確に少量を秤取ることが困難であり、分析機器に供するサンプル量を得るために多大な労力を費やしている。過去より、コールタールやコールタールピッチ類を取り扱うプラント(プロセス)において、溶剤不溶分を測定するために、少量のコールタールピッチ類をサンプリングする方法が提案されている。
例えば、3方弁を2つ組み合わせ、コールタールピッチ類を通液させ、3方弁を接続している配管内を一端コールタールピッチ類で満たした後、2つの3方弁の流路を切替え、コールタールピッチ類に対して溶解性を示す流体(溶剤)で押し流し、サンプリングする方法が提案されている(特許文献1)。
特開2012−251998号公報
特許文献1においては、2つの3方弁間を接続する配管の容量がサンプリング量となるため、1cm以下といった微少量のサンプリングを行うことは困難であった。また、サンプリング量が多くなると、溶剤で押し流されないコールタールピッチ類が配管内に残留する場合があることや、溶剤不溶分の測定を行う際には、サンプリング後の希釈液をさらに2つの3方弁を用いてサンプリングし、希釈する必要があることから、高いサンプリング精度が確保できないという問題がある。
ところで、これに対し、コールタールピッチ類を4方弁に通液させ、4方弁の流路をコールタールピッチ類等で満たした後、流路を切替え、コールタールピッチ類等に対して溶解性を示す流体で押し流し、サンプリングする方法が考えられる。
4方弁を用いる方法は、4方弁内の流路のコールタールピッチ類等をサンプルとすることができるので、サンプリング量を1cm以下の微少量とすることが可能となる。この方法であれば、コールタールピッチ類が配管内に残留することによる誤差や、溶剤で押し流されないことによる誤差が解消されることが期待される。しかしながら、サンプリング量が少量化されることにより、サンプリング量自体にバラツキが生じ、誤差が大きくなるという新たな問題が発生する。このため、4方弁を用いるだけでは相変わらず高いサンプリング精度が確保できないという問題がある。
そこで、本発明は、4方弁を用いて、コールタール、コールタールピッチ類又は石油から発生する石油系ピッチ類等を含む重質油のような高粘度の流体を簡便な方法で、かつ、高い精度でサンプリングすることが可能なサンプリング装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明者らは、弁部がどの方向にもシール材と接している4方弁を用いることにより、重質油という粘度が高いためにサンプリング精度を上げにくいサンプルであっても、正確に微少量をサンプリングすることができることを発見し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明の要旨は下記[1]〜[10]に存する。
[1]配管内を流れる重質油をサンプリングする装置であって、前記の重質油のサンプリングを4方弁の流路の切り替えによって行い、この4方弁は、4つの配管接続口を有すると共に、内部に、回動によって流路を切り替えることのできる弁部を有し、この弁部は、その内部を貫通する貫通孔を有し、その貫通孔は、それぞれ、前記4つの配管接続口のうちの2つの配管接続口に接続された2つの配管を連通させて第1流路を構成することができると共に、この弁部を回動させることにより、その貫通孔は、前記4つの配管接続口のうちの他の2つの配管接続口に接続された2つの配管を連通させて第2流路を構成することができ、前記弁部の回動によって、2つの流路が切り替えられる前後において、前記弁部の外面における前記貫通孔の周縁部は、シール材と接することを特徴とする重質油のサンプリング装置。
[2]前記シール材は、前記弁部を収納するハウジングと前記弁部との間の空間を埋める部材であり、かつ、前記4方弁の4つの配管接続口、及び前記弁部を回動させるための操作軸が通る部分に孔が開けられた部材であることを特徴とする[1]に記載の重質油のサンプリング装置。
[3]前記第1流路を構成する2つの配管にそれぞれ開閉バルブを配することにより、前記4方弁をこれら2つの開閉バルブによって挟む構造とすることを特徴とする[1]又は[2]に記載の重質油のサンプリング装置。
[4]前記第1流路を前記重質油が移送されるとともに、前記第2流路を溶剤が移送される構造を有することを特徴とする[3]に記載の重質油のサンプリング装置。
[5]前記第1流路に重質油が移送される状態で前記2つの開閉バルブを閉止することにより、サンプリングする重質油がラインから遮断される構造を有し、かつ、サンプリングする重質油の量が1cm以下であることを特徴とする[4]に記載の重質油のサンプリング装置。
[6]前記2つの開閉バルブを閉止することによって、前記貫通孔内に貯留した重質油を、前記弁部の回動により、前記4方弁の流路を第2流路に切り替え、前記溶剤とともに移送する構造を有することを特徴とする[5]に記載の重質油のサンプリング装置。
[7]100℃における粘度が15000mPa・s以下である重質油のサンプリングに用いることを特徴とする[1]〜[6]のいずれか1項に記載の重質油のサンプリング装置。
[8]重質油としてコールタール、コールタールピッチ、石油系ピッチから選択される何れかを含有することを特徴とする[1]〜[7]のいずれか1項に記載の重質油のサンプリング装置。
[9]溶剤がキノリンを含むことを特徴とする[4]〜[8]のいずれか1項に記載の重質油のサンプリング装置。
[10]配管の内径が10mm以下であることを特徴とする[1]〜[9]のいずれか1項に記載の重質油のサンプリング装置。
本発明は、重質油のサンプリングにおいて、4方弁の弁部(ボール)がどの方向にもシール材と接している4方弁を用い、この4方弁の弁部(ボール)から採取した重質油を溶剤により押し出すことで、粘度の高い重質油を、正確に微少量をサンプリングすることができる。
(a)本発明の重質油のサンプリング装置に用いられる4方弁の例を示す一部断面図、(b)本発明の4方弁に使用されるシール材の例を示す斜視図 (a)図1(a)に示す4方弁の部分断面図、(b)(a)のb−b断面からなる部分断面図 本発明の重質油のサンプリング装置を用いたサンプリング及び測定のプロセスの例を示すプロセス図 (a)従来の4方弁に用いられるシール材の斜視図、(b)従来の4方弁の例を示す部分断面図、(c)(b)のc−c断面からなる部分断面図
以下に、本発明をその実施形態により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらの実施形態によって限定されるものではない。
この発明は、配管内を流れる高温かつ粘度の高い重質油のサンプリングを4方弁の流路の切り替えにより行う、微少量をより正確にサンプリングするサンプリング装置である。
[重質油]
前記重質油は、一般に重質油と呼ばれるものであれば限定されないが、具体的には、コールタール、コールタール誘導体であるコールタールピッチ類(ソフトピッチ、中ピッチ、硬ピッチ等の各種工程から得られるピッチを含む)、石油精製工程から発生する石油系ピッチ類が挙げられ、さらには、前記コールタール、コールタールピッチ類、石油系ピッチ類にコールタール精製工程又は石油精製工程から発生する軽質油(重質油以外の留分)を混合したものも含まれる。前記のコールタールとしては、好ましくは、粗鋼用コークス炉で生成するコークス炉ガスを段階的に冷却し、沸点の高いものを凝縮して得たコールタールがあげられる。また、前記のコールタールピッチ類は、コールタール、好ましくは上述のコークス炉から得たコールタールを蒸留により軽質な芳香族成分を除去したものである。
前記の石油精製工程から発生する石油系ピッチ類は、好ましくは、石油精製工程における常圧蒸留残油又は減圧蒸留残油であり、それらの残油を流動接触分解装置により処理した残油も含まれる。これらのピッチ類等の中には、芳香族成分、アルキル側鎖やヘテロ環化合物、硫黄や窒素や酸素などが含まれていてもよい。
本発明の装置においてサンプリングの対象とされる重質油は、コールタール、コールタールピッチ類、石油系ピッチ類から選択される少なくとも何れかを含むものであることが好ましく、これらの混合物であってもよい。また、複数のコールタールの混合物、複数のコールタールピッチ類の混合物、複数の石油系ピッチ類の混合物であってもよい。
また、測定試料としては、ピッチ類等と溶剤以外の任意の化合物や単体を含有していてもよい。
(重質油の粘度)
重質油の粘度は限定されないが、配管の閉塞を防止するため、100℃における粘度が好ましくは15000 mPa・s以下、より好ましくは13000mPa・s以下、更に好ましくは10000mPa・s以下であることが望ましい。ここで重質油の粘度は、B型粘度計で測定した値をいう。
[溶剤]
本発明のサンプリング装置は、前記の重質油をサンプリングするに際し、溶剤を使用することが出来る。ここで「溶剤」とは、重質油が均一に溶解されるものである必要は無く、重質油との混合状態において懸濁液となるものであってもよいが、重質油を構成する成分のうち少なくとも一部を溶解するものであることが好ましい。
この溶剤としては、例えば、キノリン、トルエン、N−メチルピロリドン、ピリジン、アセトン、ヘキサン、ニトロベンゼン、モルホリン、クロロホルム、アルコールなどが挙げられるが、好ましくはキノリン、トルエン、ピリジン、N−メチルピロリドンであり、重質油に対して、高い溶解性を持つという観点から、キノリンがより好ましい。
本発明のサンプリング装置において溶剤を使用する方法は限定されず、サンプリングする重質油自体を予め希釈するために用いてもよいし、後述する通り、配管内や弁内部の重質油を押し出す(洗い流す)ために用いてもよい。更には、サンプリング装置内部を洗浄するために用いてもよい。
[重質油のサンプリング方法]
前記の重質油のサンプリング方法としては、一般に、定量ポンプによる送液や、3方弁を組み合わせて重質油と溶剤の流路を切替えてサンプリングする方法があるが、定量ポンプによる送液では、重質油の粘度が高いため、少量の重質油を安定して送液することが困難である。さらに重質油に含まれるスラッジが、定量性を支配するシリンダー部に噛み込むため、故障に至る確率が高いという問題点がある。3方弁を用いたサンプリングでは、2つの3方弁を接続している配管の長さと径に依存し、サンプリング量が決まる。このため、サンプリング量を減らすためには、配管の長さを短くする必要があるが、3方弁と配管の接続部の距離が必要となるため、ある一定の長さ以下にはならない。また、配管径を小さくすることでサンプリング量を減らすことも可能であるが、配管径を小さくするとピッチ類のスラッジにより配管が閉塞するという問題がある。従って、サンプリング量は1cmを超えるため、サンプリングした重質油を分析する際には、希釈を行う必要があり、少量のサンプリングとは言えない。
これに対し、4方弁を用いて重質油と溶剤の流路を切替えてサンプリングする方法が挙げられる。4方弁を用いたサンプリングでは、4方弁の弁部(ボール)の容積がサンプリング容積となるため、1cm以下の少量サンプリングが可能となり、望ましい。
[4方弁]
ところで、この4方弁1は、図1(a)や図2(a)(b)に示すように、4つの配管接続口5a、5b、5c、5dを有し、4つの配管5a’、5b’、5c’、5d’と連結される。また、4方弁1のハウジング2内部に、回動によって流路(配管5a’から配管5b’へ流れる第1流路Fと、配管5c’から配管5d’へ流れる第2流路S)を切り替えることのできる弁部(ボール)3を有し、また、この弁部3は、その内部を貫通する貫通孔3aを有する。そして、その貫通孔3aは、それぞれ、前記4つの配管接続口5a、5b、5c、5dのうちの2つの配管接続口5a、5bにつなげ、配管5a’と配管5b’とを連通させて第1流路Fを構成することができると共に、この弁部3を回動させることにより、その貫通孔3aは、前記4つの配管接続口のうちの他の2つの配管接続口5c、5dにつなげ、配管5c’と配管5d’とを連通させて第2流路Sを構成する。
なお、図2(b)においては貫通孔3aを直線状に形成させているが、貫通孔3aは、弁部に対して90度方向に隣接した配管によって流路が形成されるような構造であってもよい。すなわち、図2(b)において配管接続口5aと5cによって第1流路Fが形成され、配管接続口5bと5dによって第2流路Sが形成されるような構造であってもよい。しかしながら、このような構造とすると、弁部3の流路を切替える際に第2流路への漏れ出しや漏れ込みが生じ易いため、サンプリング量に誤差が生じる可能性がある。これは、貫通孔3aが90度方向で配管に接続する構造であると、流路を切り替えるために180度の回転が必要となるが、途中、90度回転した時点で貫通孔3aは一端が第2流路、他端が第1流路と接する状態を経ることとなるためである。このため、貫通孔3aは直線状に形成されていることが好ましい。
ところで、通常の4方弁では、図4(a)に示すような、厚みをもったリング状のシール材6が用いられる。このシール材6は、図4(b)(c)に示すように、配管接続口5a及び5bの端縁部に、配管接続口5a及び5bが弁部3の貫通孔3aと連通するように設けられる。このため、弁部3の貫通孔3aは、第1流路Fと連通する状態では、貫通孔3aの外面の周縁部は、シール材6と密着するものの、第2流路Sと連通する状態では、貫通孔3aの外面の周縁部は、シール材6が配されない状態となる。このため、この4方弁を用いて、サンプリングを繰り返すと、弁部3の回動を繰り返すことになり、シール材6の内側のハウジング2と弁部3との隙間の部分に、重質油が溜まり、この溜まった重質油の影響により、サンプリング精度が悪化するという問題点がある。
この発明においては、前記弁部3の回動によって、2つの流路(第1流路Fと第2流路S)が切り替えられる前後において、前記弁部3の外面における前記貫通孔3aの周縁部が、シール材と密接するようにする。これにより、弁部3の回動を繰り返しても、ハウジング2と弁部3との隙間の部分に、重質油が溜まるのを防止することができる。
このシール材の例としては、図1(b)に示すようなシール材7、すなわち、前記4方弁1の弁部3が収められるハウジング2の内部の形状を外径として有し、内部に弁部3が収納できると共に、弁部3と全面で接することのできる空隙部を有し、さらに、前記4つの配管接続口5a、5b、5c、5dとつながる位置、及び弁部3を回動させるための操作軸4が通る部分に孔が開けられた部材である。このシール材7は、弁部3を収納するハウジング2と弁部3との間の空間を埋める状態となる。
このシール材7を用いると、4方弁の弁部(ボール)3が、2つの流路(第1流路Fと第2流路S)が切り替えられる前後において、前記弁部3の外面における前記貫通孔3aの周縁部が、シール材7と密接するので、前記ハウジング2と弁部3との隙間に、重質油が溜まることのできる溜まり部がなくなり、定量精度が向上するという特徴を発揮し得る。
なお、ハウジング2の材質及び形状がシール材としての機能を有する場合は、ハウジング2自体によってシール材7が代替されていてもよい。すなわち、ハウジング2及びシール材7が一体不可分な構造であってもよい。換言すれば、図1(b)に示されたような構造自体でハウジングが形成されているものも本発明に包含される。
また、4方弁における弁の形状や構造に制限は無い。弁の構造としては、図1(a)に示すようにボール状の内部に貫通孔を形成した弁部3であってもよいし、円板状の弁が操作軸4によって回動するものであってもよい。但し、本発明においては、弁の内部に貯留した重質油を、流路を切り替えることによって押し流すことが可能な構造であることが好ましいため、ボール状の弁が好適である。
[重質油の温度及び粘度]
4方弁を流れる重質油の温度は、粘度を下げる目的で、100〜300℃であることが望ましいが、配管通液時の抵抗を低減させ、さらに配管内を流れる重質油の蒸気圧を低くする目的で、好ましくは、120〜260℃、より好ましくは、130〜200℃である。
(重質油の移送時の(移送温度における)粘度)
4方弁に重質油を流す際、そのときの温度における重質油の粘度は、限定されないが、配管の閉塞を防止するため、好ましくは15000 mPa・s以下、より好ましくは13000mPa・s以下、更に好ましくは10000mPa・s以下であることが望ましい。ここで粘度の測定はB型粘度計で測定した値をいうが、4方弁内を流れる重質油の粘度を直接測定することは困難であるので、温度、流速等の諸条件を4方弁内と同一条件としてB型粘度計で測定すればよい。
[測定試料]
本発明のサンプリング装置によってサンプリングされた重質油は、通常、測定試料として何らかの分析(測定)に供される。
前記溶剤と前記重質油とを混合させる方法は特に限定されないが、重質油は粘性が高いので、撹拌しながら混合することが好ましい。
また、その撹拌で得られた溶液の一部を抜き出し、その抜き出した溶液をさらに希釈した溶液を測定試料としてもよい。ここで「溶液」とは、溶剤によって均一に溶解されたものに限らず、懸濁液も包含する。
[測定手段]
前記測定試料は、実施する分析方法に応じて、そのままで、又は溶解若しくは溶剤除去を目的とした蒸留及び/若しくはろ過を行い、分析に供される。この測定方法の例としては、吸光度を測定する方法を例として挙げることができる。
吸光度を測定する方法を採用する場合、前記の重質油と溶剤との混合溶液(測定試料)に含まれる溶剤不溶分の含有割合は、可視光の波長から赤外光の波長領域の範囲で吸光度を測定することが可能な吸光光度計を用いて算出することができる。
この吸光光度計としては、2つ以上の波長領域における測定波長での吸光度を同時に測定するセンサーを備えることが好ましい。
すなわち、前記の測定試料に、可視光の波長から赤外光の波長領域における所定の1つの光を照射し、その波長における吸光度を計測し、その吸光度から溶剤不溶分の含有割合を算出することができる。
また、前記の測定試料に、可視光の波長から近赤外光の波長領域の光と、赤外光とを照射し、それぞれの波長における吸光度を計測し、吸光度の比率から溶剤不溶分の含有割合を算出することができる。
可視、近赤外又は赤外スペクトルに基づく吸光度の測定センサーを用いると、光やレーザー方式の測定法が不得意とする色調変化のあるコールタールピッチ類にも適応できるので、ピッチ類等のように、多成分を含む溶液の吸光度測定に用いることができる。このような吸光度測定センサーとしては、(株)チノー製:IM series Model3192等が挙げられる。
本発明の方法において用いる試料測定用セルは、測定試料に対して通常用いられているものであればよく、例えば測定試料が液体であれば市販の可視及び赤外分析用液体セル(セル長0.02〜10mm)を用いることができる。
また、フローセルを分光器に設置し、ここに試料を連続的に通過させて試料中の溶剤不溶分を連続的に測定することも可能である。セルの幅を調整することにより、フローセルを用いる場合にも測定試料がセル中に滞留することなく連続的に循環させることができる。また、連続分析時においてしばしば必要となる高温高圧条件下において耐え得るセルを用いることも比較的簡単である。フローセルとしては従来用いられているものが何れも好適に使用される。
分光器と測定試料との距離は吸光度を算出することができれば限定する必要はないが、好ましくは20〜400mmであり、より好ましくは100〜300mmである。
吸光度を測定する方法を採用する場合、測定波長領域として、400〜1500nmと1700〜2500nmとを用いることが好ましい。具体的には、少なくとも400〜1500nmから選ばれる1波長(λ1)又は1700〜2500nmから選ばれる1波長(λ2)の何れかを測定試料に照射し、この測定試料を透過するスペクトルを検出し、これより吸光度を算出する。
上記の測定波長の中でも可視光〜近赤外光の領域としては、700〜1300nmの波長が好ましく、900〜1100nmの波長がより好ましく、950〜1050nmの波長が更に好ましい。溶剤としてキノリンを使用し、キノリン不溶分を測定する場合、700nm未満の波長を用いると、キノリンの劣化による吸光度の変化を受け易い傾向にある。
上記の測定波長の中でも赤外光の領域としては、1800〜1900nm又は2000〜2150nmの波長が好ましい。赤外光の領域においてこれらの波長領域以外の領域、具体的には1400〜1600nm、1910〜1990nm、2200nmを超える波長を用いると、溶剤としてキノリンを使用し、キノリン不溶分を測定する場合にキノリンの吸湿の影響を受けて吸光度が変化する傾向がある。
吸光度を求める際、通常は溶剤又は空気を基準サンプルとしてあらかじめ測定しておき、これと測定試料の測定値より例えば、式(I)からそれぞれの波長に対応する吸光度Kλ1、Kλ2を計算する。
Figure 2016045078
そして、λ1又はλ2における吸光度(Kλ1、Kλ2)から溶剤不溶分含有割合の測定を行うことができる。また、λ1における吸光度(Kλ1)とλ2における吸光度(Kλ2)との比率(Kλ2/Kλ1)から、溶剤不溶分含有割合を算出することができる。
可視光〜近赤外光領域の吸光度であるKλ1は溶剤の吸光度と関連付けられ、赤外光領域の吸光度であるKλ2は溶剤不溶分の吸光度と関連付けることができる。このためλ1、λ2の測定波長を適宜選択すれば、これらの比率(Kλ2/Kλ1)を尺度とすることで赤外吸収における温度の影響を低減することができ、溶剤不溶分の含有割合を一層正確に測定することが出来る。
上記の比率(Kλ2/Kλ1)から溶剤不溶分の含有割合を算出する場合、該比率が0.01〜1である測定試料を対象とすることが好ましく、0.015〜0.8であることがより好ましく、0.02〜0.6であることが更に好ましく、0.025〜0.4であることが更に好ましい。
前記測定試料に含まれる溶剤不溶分の含有割合は、0.1重量%以上70重量%以下がよく、1重量%以上30重量%以下が好ましい。溶剤不溶分含有割合が低すぎると、測定試料の溶剤不溶分を測定するのに充分な吸光度を得ることができないという問題点を生じる場合がある。一方、溶剤不溶分の含有割合が高すぎると、照射する赤外線が受光部に到達しないという問題点を生じる場合がある。
前記測定試料の比重は、特に限定されないが、好ましくは温度15℃における比重が0.7〜1.8であり、より好ましくは1.0〜1.6である。比重が大きすぎると、照射する可視光線及び赤外線がフローセルに到達し難くなるおそれがある。
前記の赤外分光器の光源から発信された所定波長のスペクトルは、試料溶液中の分子に吸収され減衰をしながら受光部に到達する。この受光部に到達した赤外線の透過光が試料溶液中の溶剤不溶分含有割合と比例関係にあることから、測定された透過光より吸光度を算出し、その得られた吸光度より溶剤不溶分含有割合を算出することができる。
[サンプリング方法]
次に、サンプリング装置の構成を示す図3を用いて測定方法の一例について詳細に説明する。
図3において、重質油aの輸液(プロセス)ライン又はそのラインから取り出されたサンプルラインは、開閉バルブV1を介して分岐管11に接続される。この分岐管11の分岐の一方のプロセスライン11aは、熱交換器12に接続され、他方のプロセスライン11bは、開閉バルブV2、V10を介して廃液工程Wに連結されるか、開閉バルブV2、V11を介して輸液(プロセス)ラインに戻される。
この開閉バルブV1から開閉バルブV11までの重質油の流路は、特に限定されないが、4方弁1の流路に気泡溜りを発生させない目的で垂直に設置することが望ましい。
前記熱交換器12からのプロセスライン11cは、重質油をサンプリングする装置である4方弁1に接続される。
前記プロセスライン11cは、4方弁1の配管接続口5aに配管5a’として接続され、配管接続口5bに、ピッチ類等aを排出するための配管5b’として排出ライン11dが接続され、第1流路が形成される。この排出ライン11dは、プロセスライン11bに接続され、さらに前記廃液工程Wに連結される。
また、第1流路を構成する2つの配管、すなわち、配管5a’と配管5b’には、それぞれ開閉バルブV3、V4が設けられ、4方弁1をこれら2つの開閉バルブによって挟む構造とする。これらにより、重質油aの供給量や排出量が調整される。更には、弁部3を第2流路に切り替えて重質油を移送するに際し、流れが止まっているため、弁部3の切り替え中に生じる重質油の流れ込みを防止することができる。
さらに、前記プロセスライン11cには、4方弁1をバイパスして直接排出ライン11dに接続するバイパスライン11eが設けられ、開閉バルブV5によって、バイパスライン11eの流量が調整される。
ところで、4方弁1を挟む構造である開閉バルブV3とV4との距離は、操作に悪影響がでない範囲で、できる限り近づけることが、操作上望ましい。また、流路に気泡溜りを発生させない目的で、開閉バルブV3、4方弁1及び開閉バルブV4を垂直に設置することが望ましい。
一方、キノリン等の溶剤bのタンクD2はポンプP2を介して一方は、開閉バルブV6を介して前記4方弁1に接続される。また、このタンクD2は、開閉バルブV12を介する循環機構を有し、4方弁1に送られる溶剤bの量を調整することができる。また、開閉バルブV6の開閉操作によって4方弁1への溶剤の送液を制御することも可能である。
前記開閉バルブV6を経由するプロセスライン11fは、4方弁1の配管接続口5cに配管5c’として接続され、配管接続口5dに、溶剤bを排出するため配管5d’としてプロセスライン11gが接続され、第2流路が形成される。そして、このプロセスライン11gは希釈溶解槽15に接続されるか、或いはプロセスライン11gから直接サンプリング容器等に接続されていてもよい(図示せず)。プロセスライン11gが希釈溶解槽15に接続される場合は、この希釈溶解槽15からの排出ラインであるプロセスライン11hは開閉バルブV8を介して開閉バルブV7に接続される。
4方弁1内の弁部3の貫通孔3aに採取した重質油aは、溶剤タンクD1からポンプP1により、タンクD2、開閉バルブV6を介して送液された溶剤bにより、希釈溶解槽15に向けて押し流されるか、或いはプロセスライン11gから直接サンプリング容器等に接続されていてもよい(図示せず)。溶剤bの送液量は、4方弁1内に採取した重質油aを希釈溶解槽15或いはサンプリング容器等に押し流すことができればよいが、4方弁1内、及びプロセスライン11gに重質油aが残存することを防止する目的で、4方弁1から希釈溶解槽15までの間の流路の容積の5倍程度、好ましくは、2〜3倍程度、溶剤を送液することが望ましい。
前記ポンプP2は、ポンプであれば、遠心ポンプ、プランジャーポンプ、ダイヤフラムポンプ等であってもよいが、開閉バルブにより4方弁1の通液を行う場合、プランジャーポンプでは、開閉バルブV3、V4の異常閉止時の安全対策として安全弁が必要になるため、好ましくは、遠心ポンプ、又はダイヤフラムポンプである。また、開閉バルブV4を減圧弁にして、抵抗を持たせ、溶剤タンクD1へ循環する流量を減らし、開閉バルブV5の開閉操作のみで4方弁1への溶剤の送液を制御することも可能である。また、前記の各開閉バルブの開閉は、自動弁を使用することで自動サンプリングを行うことも可能である。
前記希釈溶解槽15は、測定試料(重質油及び溶剤の混合物)が移液されるので、その材質は、耐溶剤性を考慮するとステンレス、ガラス、又はテフロン(登録商標)を材料とする容器であることが望ましい。
サンプリング装置のうち重質油aが通過する配管は、重質油aの閉塞防止と、温度差に依る密度の差を抑制するため、蒸気トレースによってプロセスラインと同等温に維持されることが好ましい。
上記タンクD2での温度設定は任意であるが、JIS−K2425に規定されるピッチ溶解時の温度である75℃に保温されていることが好ましい。前記希釈溶解槽15での温度設定は任意であるが、JIS−K2425に規定されるピッチ溶解時の温度である75℃に保温されていることが好ましい。そして、この希釈溶解槽15においては、モータ駆動の撹拌翼で重質油aを溶剤bで希釈、混合させる。
上記の各配管の内径は、サンプリング装置に供するサンプル量の観点から、10mm以下がよく、6mm以下が好ましい。配管の内径が10mmより太いと、それに伴い4方弁1内部の貫通孔3aの内径も大きくなることから、サンプリング装置に供するサンプル量が多くなるため、少量をサンプリングするという目的からは望ましくない。また、内径の下限は、重質油の移送の観点から、3mm以上がよく、4mm以上が好ましい。配管の内径が3mmより細いと、重質油の詰まり等が生じるおそれがある。
この分析装置は以上の構成であって、開閉バルブ、ポンプ等の各機器は全て自動制御される。次に、そのサンプリング作用を説明する。
まず、開閉バルブV1を開けることにより、高温の重質油aが、分岐管11を通りプロセスライン11aを通って熱交換器12に送られる。この熱交換器12で重質油aが140℃程度に冷却され、4方弁1に移送される。
このとき、第1流路が連通するように、4方弁1の弁部3が回動され、開閉バルブV3、V4を開放し、開閉バルブV3、V4の間を重質油aが移送できるようにし、重質油aを4方弁1内の貫通孔3aに導入する。そして、開閉バルブV3、V4を閉止することにより、サンプリングされる重質油aがラインから遮断されることとなり、一定量の重質油aを4方弁1内の貫通孔3aに貯留させる。この4方弁1を用いた場合、サンプリングされるのは、貫通孔3a内の重質油aとなるので、その容量を、1cm以下、好ましくは0.3cm以下、より好ましくは0.2cm以下と微量化することができる。
一方、タンクD1からポンプP1を介してタンクD2に溶剤bが送られて貯められる。そして、このタンクD2からポンプP2を介し、4方弁1に溶剤bを送り込む。このとき、開閉バルブV3、V4を閉止し、4方弁1の弁部3を回動させ、第2流路に切り替えて、プロセスライン11f(配管5c’)から11g(配管5d’)に溶剤bが流れるようにする。そして、開閉バルブV6を開放する。これにより、4方弁1内の貫通孔3a内に貯留させた一定量の重質油aを溶剤bと共にプロセスライン11gから希釈溶解槽15或いはサンプリング容器等に移送することができる。このとき、4方弁1に送り込む溶剤bの量は、循環ラインの開閉バルブV12又は開閉バルブV6の開閉量、及びポンプP2の回転数によって調整することができる。また、この4方弁1の回動、すなわち、流路を切替える速度は、特に限定されないが、流路切替え中に重質油が溶剤側の流路へ流れ込むのを防止するため、1秒以内に切り替えることが望ましい。
このときの重質油aに対する溶剤bの希釈倍率は1000〜3000倍程度が好ましく、1200〜2000倍がより好ましい。希釈倍率が低すぎると、透過光の量が少なくなり吸光度を測定できなくなる場合があり、希釈倍率が高すぎると、試料溶液中の溶剤不溶分の含有割合が検出限界以下の値となり、測定できないという問題点を生じる場合がある。
サンプリングのみを実施する場合は、送液する溶剤bの量は、サンプリングした重質油aを押し流し、サンプリング容器等に回収できる量であれば特に限定はされないが、サンプリング後の分析を考慮すると400ml以下が望ましい。
前記希釈溶解槽15に送り込まれた液は、十分に混合される。そして、開閉バルブV8、V7を経由して、ポンプP3によって、測定部16に送り込まれ、上記可視、近赤外又は赤外光の波長領域の吸光度の測定が行われ、その吸光度の比率(Kλ2/Kλ1)又は単一波長におけるその吸光度からキノリン不溶分(QI)に変換される。また、希釈溶解槽15に送液せずにサンプリング容器等へ直接サンプリングする場合は、容器にサンプリングされた溶液を用いて目的とする分析を行えばよい。
この可視、近赤外又は赤外光の波長領域の吸光度の測定は、必要に応じ、測定精度を高めるため測定部16への送り込み・排出を交互に行って繰り返され、その測定が終了すれば、洗浄操作に移行する。その洗浄操作は、まず、希釈溶解槽15内の溶液をポンプP3によって測定部16を介して廃液工程に送られるとともに、開閉バルブV9を開放することにより、蒸気又は洗浄液を分岐管11に導入し、開閉バルブV2、V3を通って残存の重質油aが廃液工程Wに送られる。なお、洗浄液としては、キノリン等、溶剤bと同一であることが好ましい。
また、開閉バルブV9からの蒸気又は洗浄液をプロセスライン11a、熱交換器12、プロセスライン11c、4方弁1,バイパスライン11e等を通すことにより、これらの管路を洗浄する。そして、これらの洗浄液は、排出ライン11dを通って廃液工程Wに送られる。
さらに、タンクD2からポンプP2を介し、4方弁1を通って、希釈溶解槽15に測定実施時に用いた量と同等量以上の溶剤bを装入し、洗浄用の溶剤bを重質油aの希釈液が達した液面以上に満たして、その液面までの洗浄が行なわれる。また、この溶解力(洗浄力)を高めるため、希釈溶解槽15を75℃に保温してもよい。その後、ポンプP3によって希釈溶解槽15内の溶液が測定部16を通って、廃液工程Wに送られる。
さらにまた、タンクD2からポンプP2、P3を介し、溶剤bを測定部16の中に通液させ、測定部16を洗浄する。そして、溶剤bは、廃液工程Wに送られる。
以上のQI測定及び洗浄作用は、例えば、20分〜1時間毎に行われ、そのリアルタイムのQI測定値に基づいてその製造プロセスが制御される。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、本発明でのサンプリング精度の測定は以下の方法により行った。
[重質油のサンプリング]
図3に示す測定プロセスに準じたサンプリング方法を採用し、5a’、5b’、5c’、5d’の配管内径は4mmとした。
重質油としてコールタールピッチ(100℃における粘度:500mPa・s)を使用し、これを140℃に調整した容器に入れて濃度が変化しないよう撹拌を行い、次いで図3における11c、4方弁、11dの回路で循環させた。
重質油のサンプリングは、以下の手順で行った。
(1)4方弁の流路を溶剤側(第2流路)にして、溶剤(キノリン)を流し、4方弁までの配管を溶剤(キノリン)で満たす。
(2)次いで、4方弁の流路を重質油側(第1流路)に切り替える。
(3)4方弁に140℃に温度を調整したコールタールピッチを通液させ、貫通孔3a内部のキノリンを押し流すとともに、コールタールピッチの流路をコールタールピッチで満たす。
(4)4方弁の前後の開閉バルブV3、V4を閉める。
(5)4方弁の流路を溶剤(キノリン)側(第2流路)へ切替える。
(6)ポンプP1、P2にて溶剤(キノリン)を120cm/minで50秒間、4方弁に送液し、コールタールピッチとキノリンを希釈溶解槽15の位置に配したビーカーに全量回収する。
[重質油のキノリン不溶分測定]
(A)上記の方法で回収した溶液を75℃のオイルバスに入れ、ビーカーを撹拌しながら、30分間加熱し、試料を溶解させる。
(B)あらかじめ精秤しておいたろ過器(W2)に(A)の溶液を注ぎ、吸引ろ過を行う。
(C)ろ過残渣に75℃の溶剤(キノリン)10cmを注ぎ、溶解、洗浄する。この操作を3回繰り返す。
(D)ろ過残渣の乗ったろ過器を110℃の乾燥機に入れ、60分間乾燥させる。
(E)ろ過残渣の乗ったろ過器を乾燥機から取り出し、デシケーター内で30分放冷した後、その重量を精秤する(W3)。
(F)溶剤不溶分を以下の式により計算する。
溶剤不溶分(重量%)=(溶解後残渣重量/サンプリング重量)×100=((W3−W2)/W1)×100
サンプリング重量(W1)=4方弁貫通孔容積×重質油の密度(140℃)
(重質油の密度はJIS K2425に基づいて測定した。)
(実施例1)
図1(b)に示す形状のシール材を有する4方弁のボールバルブ(図1(a))を用いて、上記[重質油のサンプリング]に記載したサンプリングを行った。
サンプリングは、以下の2通りの方法で行い、それぞれ平均値、標準偏差、変動係数(標準偏差を平均値で除して100を掛けた値)を算出した。
<サンプリング1>
30分毎に繰り返してサンプリングを行い、これを4時間継続して計8回行った。
<サンプリング2>
1日1回の頻度でサンプリングを行い、これを8日間繰り返し行った。
サンプリングした各々の試料を、上記[重質油のキノリン不溶分測定]に記載した方法でキノリン不溶分の測定を行った結果を表1に示す。
(比較例1)
図4(a)に示す形状のシール材を有する4方弁のボールバルブ(図4(b)(c))を用いる以外は実施例1と同様にして上記[重質油のサンプリング]を行い、実施例1と同様にして上記[重質油のキノリン不溶分測定]を行った結果を表1に示す。
なお、比較例1で使用した重質油は、実施例1で使用した重質油と同一のものではない。
Figure 2016045078
前記の通り、比較例1で使用した重質油と実施例1で使用した重質油は同一のものではないため、平均値自体を対比する意味は無く、繰返しサンプリングした際の数値のバラツキ(標準偏差、変動係数)を対比する必要がある。
表1から明らかな通り、図4(a)に示す形状のシール材を有する4方弁を用いた比較例1に較べ、図1(b)に示す形状のシール材を有する4方弁を用いた実施例1においては、繰返しサンプリングした際の誤差が有意に小さいことが明らかである。
1 4方弁
2 ハウジング
3 弁部(ボール)
3a 貫通孔
4 操作軸
5a、5b、5c、5d 配管接続口
5a’、5b’、5c’、5d’ 配管
6 シール材
7 シール材
11 分岐管
11a、11b、11c、11f、11g、11h プロセスライン
11d 排出ライン
11e バイパスライン
12 熱交換器
15 希釈溶解槽
16 測定部
a 重質油
b 溶剤
V1、V2、V3、V4、V5、V6、V7、V8、V9、V10、V11、V12 開閉バルブ
P1、P2、P3 ポンプ
D1、D2 タンク
F 第1流路
S 第2流路
W 廃液工程

Claims (10)

  1. 配管内を流れる重質油をサンプリングする装置であって、
    前記の重質油のサンプリングを4方弁の流路の切り替えによって行い、
    この4方弁は、4つの配管接続口を有すると共に、内部に、回動によって流路を切り替えることのできる弁部を有し、
    この弁部は、その内部を貫通する貫通孔を有し、その貫通孔は、それぞれ、前記4つの配管接続口のうちの2つの配管接続口に接続された2つの配管を連通させて第1流路を構成することができると共に、この弁部を回動させることにより、その貫通孔は、前記4つの配管接続口のうちの他の2つの配管接続口に接続された2つの配管を連通させて第2流路を構成することができ、
    前記弁部の回動によって、2つの流路が切り替えられる前後において、前記弁部の外面における前記貫通孔の周縁部は、シール材と接することを特徴とする重質油のサンプリング装置。
  2. 前記シール材は、前記弁部を収納するハウジングと前記弁部との間の空間を埋める部材であり、かつ、前記4方弁の4つの配管接続口、及び前記弁部を回動させるための操作軸が通る部分に孔が開けられた部材であることを特徴とする請求項1に記載の重質油のサンプリング装置。
  3. 前記第1流路を構成する2つの配管にそれぞれ開閉バルブを配することにより、前記4方弁をこれら2つの開閉バルブによって挟む構造とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の重質油のサンプリング装置。
  4. 前記第1流路を前記重質油が移送されるとともに、前記第2流路を溶剤が移送される構造を有することを特徴とする請求項3に記載の重質油のサンプリング装置。
  5. 前記第1流路に重質油が移送される状態で前記2つの開閉バルブを閉止することにより、サンプリングする重質油がラインから遮断される構造を有し、かつ、サンプリングする重質油の量が1cm以下であることを特徴とする請求項4に記載の重質油のサンプリング装置。
  6. 前記2つの開閉バルブを閉止することによって、前記貫通孔内に貯留した重質油を、前記弁部の回動により、前記4方弁の流路を第2流路に切り替え、前記溶剤とともに移送する構造を有することを特徴とする請求項5に記載の重質油のサンプリング装置。
  7. 100℃における粘度が15000mPa・s以下である重質油のサンプリングに用いることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の重質油のサンプリング装置。
  8. 重質油としてコールタール、コールタールピッチ、石油系ピッチから選択される何れかを含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の重質油のサンプリング装置。
  9. 溶剤がキノリンを含むことを特徴とする請求項4〜8のいずれか1項に記載の重質油のサンプリング装置。
  10. 配管の内径が10mm以下であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の重質油のサンプリング装置。
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