JP2016040353A - 有機無機複合体及びその形成用組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
具体的には、メチルトリメトキシシラン及びジイソプロポキシビスアセチルアセトナートチタンの溶液に水を加えて加水分解・縮合を行ってポリシロキサンを調製し、さらにジペンタエリスリトールヘキサアクリレートをポリシロキサンに対して重量比で9対1になるように混合し、さらに熱重合開始剤を添加して、有機無機複合体形成溶液が得られることが記載されている。また、ポリシロキサンを調製するためにシラノール縮合触媒を添加することが記載され、シラノール縮合触媒として、有機酸、鉱酸が例示され、具体的には、酢酸、ギ酸等の有機酸、塩酸、硝酸、ホウ酸、ホウフッ化水素酸等の鉱酸が例示されている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、膜表面部が膜内部と比して無機成分に富む性質を維持しつつ、無色の硬化膜を与える有機無機複合体形成用組成物を提供することを目的とする。
(1)a)式(I)
RnSiX4−n・・・(I)
(式中、RはSiに炭素原子が直接結合する有機基を表し、Xは水酸基又は加水分解性基を表す。nは1又は2を表し、nが2のとき各Rは同一でも異なっていてもよく、(4−n)が2以上のとき各Xは同一でも異なっていてもよい。)で表される有機ケイ素化合物から選ばれる少なくとも1種であり、Fedorsの推算法により求められたRの溶解パラメーター(SP1)が、Fedorsの推算法により求められた熱硬化性化合物又は電磁線硬化性化合物の溶解パラメーター(SP2)よりも小さく、かつ、その差が1.6以上のもの(Si1)である有機ケイ素化合物及び/又はその縮合物、
b)水
c)リン酸、及び
d)熱硬化性化合物又は電磁線硬化性化合物
を含有する有機無機複合体形成用組成物に関し、
(2)a)式(I)
RnSiX4−n・・・(I)
(式中、RはSiに炭素原子が直接結合する有機基を表し、Xは水酸基又は加水分解性基を表す。nは1又は2を表し、nが2のとき各Rは同一でも異なっていてもよく、(4−n)が2以上のとき各Xは同一でも異なっていてもよい。)で表される少なくとも1種であり、Fedorsの推算法により求められたRの溶解パラメーター(SP1)が、Fedorsの推算法により求められた熱硬化性化合物又は電磁線硬化性化合物の溶解パラメータ(SP2)よりも小さく、かつ、その差が1.6以上のもの(Si1)と、SP1がSP2よりも小さく、かつ、その差が1.6未満のもの、又はSP1がSP2よりも大きいもの(Si2)とのモル比(Si1:Si2)が、5:5〜10:0である有機ケイ素化合物及び/又はその縮合物、
b)水
c)リン酸、及び
d)熱硬化性化合物又は電磁線硬化性化合物
を含有する有機無機複合体形成用組成物に関し、
(3)(1)または(2)に記載の有機無機複合体形成用組成物を硬化させて得られる有機無機複合体に関し、
(4)(1)または(2)に記載の有機無機複合体形成用組成物を基板に塗布、硬化させて得られる積層体に関する。
本発明の有機無機複合体形成用組成物は、
a)式(I)
RnSiX4−n・・・(I)
(式中、RはSiに炭素原子が直接結合する有機基を表し、Xは水酸基又は加水分解性基を表す。nは1又は2を表し、nが2のとき各Rは同一でも異なっていてもよく、(4−n)が2以上のとき各Xは同一でも異なっていてもよい。)で表される有機ケイ素化合物から選ばれる少なくとも1種であり、Fedorsの推算法により求められたRの溶解パラメーター(SP1)が、Fedorsの推算法により求められた熱硬化性化合物又は電磁線硬化性化合物の溶解パラメーター(SP2)よりも小さく、かつ、その差が1.6以上のもの(Si1)である有機ケイ素化合物及び/又はその縮合物、
b)水
c)リン酸、及び
d)熱硬化性化合物又は電磁線硬化性化合物
を含有する。
(有機ケイ素化合物)
式(I)のRは、Siに炭素原子が直接結合する有機基を表す。かかる有機基としては、置換されていてもよい炭化水素基、酸素原子を有する炭化水素基、窒素原子を有する炭化水素基、ポリマー部分を含む炭化水素基等を挙げることができる。
上記「置換されていてもよい炭化水素基」の炭化水素基としては、通常、炭素数1〜30の炭化水素基であり、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基等が挙げられる。
シクロアルキルアルキル基としては、炭素数3〜10のシクロアルキル基と炭素数1〜10のアルキル基の結合した基が好ましく、例えば、シクロプロピルメチル基、シクロプロピルプロピル基、シクロブチルメチル基、シクロペンチルメチル基、シクロペンチルエチル基、シクロへキシルエチル基、シクロヘプチルメチル基等が挙げられる。
アリールアルキル基としては、炭素数6〜10のアリール基と炭素数1〜10のアルキル基が結合した基が好ましく、例えば、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニル−n−プロピル基、4−フェニル−n−ブチル基、5−フェニル−n−ペンチル基、8−フェニル−n−オクチル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。
アリールアルケニル基としては、炭素数6〜10のアリール基と炭素数2〜10のアルケニル基が結合した基が好ましく、例えば、スチリル基、3−フェニル−1−プロペン−1−イル基、3−フェニル−2−プロペン−1−イル基、4−フェニル−1−ブテン−1−イル基、4−フェニル−3−ブテン−1−イル基、5−フェニル−1−ペンテン−1−イル基、5−フェニル−4−ペンテン−1−イル基、8−フェニル−1−オクテン−1−イル基、8−フェニル−7−オクテン−1−イル基、ナフチルエテニル基等が挙げられる。
エポキシアルキル基としては、炭素数3〜10の直鎖又は分岐鎖のエポキシアルキル基が好ましく、例えばグリシジル基、グリシジルメチル基、2−グリシジルエチル基、3−グリシジルプロピル基、4−グリシジルブチル基、3,4−エポキシブチル基、4,5−エポキシペンチル基、5,6−エポキシヘキシル基等の直鎖状のエポキシ基を含むアルキル基;β−メチルグリシジル基、β−エチルグリシジル基、β−プロピルグリシジル基、2−グリシジルプロピル基、2−グリシジルブチル基、3−グリシジルブチル基、2−メチル−3−グリシジルプロピル基、3−メチル−2−グリシジルプロピル基、3−メチル−3,4−エポキシブチル基、3−エチル−3,4−エポキシブチル基、4−メチル−4,5−エポキシペンチル基、5−メチル−5,6−エポキシヘキシル基等の枝分かれ状のエポキシ基を含むアルキル基等が挙げられる。
グリシドキシアルキル基としては、グリシドキシメチル基、グリシドキシプロピル基等が挙げられる。
重合性官能基を有する有機ケイ素化合物と重合可能な単量体として、具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸、イタコン酸、フマル酸などのカルボン酸および無水マレイン酸などの酸無水物;グリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ化合物;ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、アミノエチルビニルエーテルなどのアミノ化合物;(メタ)アクリルアミド、イタコン酸ジアミド、α−エチルアクリルアミド、クロトンアミド、フマル酸ジアミド、マレイン酸ジアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどのアミド化合物;アクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート等を例示することができる。
また、高分子反応により、有機ケイ素部位を導入することが可能なポリマーとして、具体的には、ポリ(メタ)アクリル酸、p−ヒドロキシスチレン、ポリブタジエン等を例示することができる。
本発明において使用される有機ケイ素化合物は、更にSP1がSP2よりも小さく、かつその差が1.6未満のもの、又はSP1がSP2よりも大きいもの(Si2)を含んでいても良く、Si1とSi2との比(Si1:Si2)は、5:5〜10:0であり、好ましくは、9:1〜10:0である。
有機ケイ素化合物は、熱硬化性化合物又は電磁線硬化性化合物の種類に応じて異なる。有機ケイ素化合物及び熱又は電磁線硬化性化合物の溶解パラメータ(SP値)はFedorsの推算法に基づき計算することができるから、あらかじめ計算されたSP値を基に、有機ケイ素化合物と熱硬化性化合物の組み合わせを決定することができる。
また、SP値が電磁線硬化性化合物であるジペンタエリスリトールヘキサアクリレートのSP値より小さく、かつその差が1.6未満であるSP値をもつ有機ケイ素化合物、又は、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートのSP値より大きいSP値をもつ有機ケイ素化合物としては、例えば、ペンタフルオロフェニルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ノナフルオロ−n−ブチルエチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシ−n−プロピルトリメトキシシラン、3−(3−メチル−3−オキセタンメトキシ)−n−プロピルトリメトキシシラン、オキサシクロヘキシルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシジロキシ−n−プロピルトリメトキシシラン、3−グリシジロキシ−n−プロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシジロキシ−n−プロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシ−n−プロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシ−n−プロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシ−n−プロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシ−n−プロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシ−n−プロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノ−n−プロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノ−n−プロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノ−n−プロピルトリエトキシシラン、3−アミノ−n−プロピルトリメトキシシラン、3−アミノ−n−プロピルトリエトキシシラン、3−(N−1,3−ジメチル−ブチリデン)アミノ−n−プロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノ−n−プロピルトリメトキシシラン、ポリマー部分を含む炭化水素基を有する有機ケイ素化合物(これらはいずれもSP値が8.8より大きい)が挙げられる。
これらは、1種単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。電磁線硬化性化合物として、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを用い、有機ケイ素化合物を組み合わせて使用する場合、例えば、ビニルトリメトキシシランと3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの組み合わせを好ましく例示できる。
また、縮合物の平均粒子径は2nm〜100nmが好ましく、5nm〜30nmであることがより好ましい。平均粒子径が100nmより大きいと膜が白濁し、溶液が不安定となりゲル化し易くなる。平均粒子径が2nmより小さいと塗膜性に悪影響が出る場合がある。
本発明の水は、有機ケイ素化合物及び/又はその縮合物の加水分解に用いられ、不純物含有量の少ない純水、蒸留水又はイオン交換水が好ましい。用いる水の量は、特に制限されないが、有機ケイ素化合物及び/又はその縮合物に対し0.1〜5倍モルが好ましく、さらに、0.5〜3倍モルが好ましい。
本発明のリン酸は、好ましくはオルトリン酸である。
リン酸の配合割合は、有機ケイ素化合物及び/又はその縮合物1モルに対して0.1〜10.0モル%範囲にあることが好ましく、さらに0.5〜5.0モル%、さらに1.0〜3.0モル%の範囲が好ましい。
(熱硬化性化合物)
本発明の熱硬化性化合物は、熱硬化させることが可能な官能基を有する化合物であれば特に限定されず、熱硬化性樹脂でも熱硬化性低分子化合物でもよい。
熱硬化性樹脂としては、例えばフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂等のフェノール樹脂、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂、ユリア(尿素)樹脂、メラミン樹脂等のトリアジン環を有する樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ベンゾオキサジン環を有する樹脂、シアネートエステル樹脂、オレフィン樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上の混合物を用いることができる。
また、熱硬化性低分子化合物としては、たとえば、(メタ)アクリレート系化合物が挙げられ、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのビス(アクリロイロキシエチル)エーテル、3−メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレートなどの2官能性化合物や、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートと酸無水物との反応物、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの3官能以上の多官能性化合物が挙げられる。これらの熱硬化性化合物は、それぞれ単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
熱重合開始剤は、例えば、加熱によりラジカルを発生する化合物等のことを意味し、具体的には、有機過酸化物、アゾ化合物及びレドックス開始剤等が挙げられる。
上記有機過酸化物としては、ベンゾイルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド及びジクミルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、シクロヘキサノンペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、tert−ブチルペルマレエートのようなペルオキシド;1,6ビス(t−ブチルパーオキシカルボニロキシ)ヘキサン等のパーオキシカーボネート;パーオキシケタール;過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩等が挙げられる。
硬化剤又は硬化促進剤としては、アミン系、イミダゾール系、アミド系、エステル系、アルコール系、チオール系、エーテル系、チオエーテル系、フェノール系、リン系、尿素系、チオ尿素系、酸無水物系、ルイス酸系、オニウム塩系、活性珪素化合物−アルミニウム錯体系等が上げられるが、特に制限はなく、従来のエポキシ樹脂等の硬化剤、硬化促進剤として慣用とされているもの中から任意のものを選択して用いることができる。
本発明において用いられる硬化剤又は硬化促進剤の配合量は、重合体の固形分に対して、0.01〜20質量%配合することが好ましく、0.1〜10質量%が、さらに好ましい。
本発明の電磁線硬化性化合物とは、紫外線・X線・ガンマ線等の電磁線の照射により重合する化合物である。好ましくは、光重合開始剤の存在下で紫外線の照射により重合反応を起こす官能基を有する化合物あるいは樹脂のことであり、(メタ)アクリレート系化合物、エポキシ樹脂、ビニル化合物などがある。官能基の数は、1個以上であれば特に限定はない。
分子量は、有機無機複合体形成用成物に溶解する限り限度はないが、通常は質量平均分子量として500〜50,000、好ましくは1,000〜10,000である。
また、本発明に係る有機無機複合体形成用成物には、別途、充填材を添加・分散させることも可能である。この充填材としては、例えば有機顔料、無機顔料などの非水溶性の顔料または顔料以外の粒子状、繊維状もしくは鱗片状の金属および合金ならびにこれらの酸化物、水酸化物、炭化物、窒化物、硫化物などが挙げられる。この充填材の具体例としては、粒子状、繊維状もしくは鱗片状の鉄、銅、アルミニウム、ニッケル、銀、亜鉛、フェライト、カーボンブラック、ステンレス鋼、二酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化クロム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化コバルト、合成ムライト、水酸化アルミニウム、水酸化鉄、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、クレー、ケイソウ土、消石灰、石膏、タルク、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、雲母、亜鉛緑、クロム緑、コバルト緑、ビリジアン、ギネー緑、コバルトクロム緑、シェーレ緑、緑土、マンガン緑、ピグメントグリーン、群青、紺青、岩群青、コバルト青、セルリアンブルー、ホウ酸銅、モリブデン青、硫化銅、コバルト紫、マルス紫、マンガン紫、ピグメントバイオレット、亜酸化鉛、鉛酸カルシウム、ジンクエロー、硫化鉛、クロム黄、黄土、カドミウム黄、ストロンチウム黄、チタン黄、リサージ、ピグメントエロー、亜酸化銅、カドミウム赤、セレン赤、クロムバーミリオン、ベンガラ、亜鉛白、アンチモン白、塩基性硫酸鉛、チタン白、リトポン、ケイ酸鉛、酸化ジルコン、タングステン白、鉛亜鉛華、バンチソン白、フタル酸鉛、マンガン白、硫酸鉛、黒鉛、ボーンブラック、ダイヤモンドブラック、サーマトミック黒、植物性黒、チタン酸カリウムウィスカー、二硫化モリブデンなどを挙げることができる。
用いる溶媒としては、特に制限されるものではなく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、シクロペンタン等の脂環族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;メタノール、エタノール等のアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の多価アルコール誘導体類等が挙げられる。これらの溶媒は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
用いる基体としては、金属、セラミックス、ガラス、プラスチック等が挙げられる。本発明の有機無機複合体形成用組成物を用いることで、プラスチック基体の表面をガラス質表面への改質が容易に行うことができ、プラスチック製光学部品への応用に適している。かかるプラスチックとしては、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、液晶ポリマー樹脂、ポリエーテルスルホンが挙げられる。
ここで、「炭素原子の濃度」とは、(全金属原子+酸素原子+炭素原子)を100%としたときの炭素原子のモル濃度を意味する。他の元素の濃度も同様である。
また、「有機ケイ素化合物の縮合物が濃縮した層」をXPS分析による炭素原子の濃度で規定しているが、濃縮した層では、ケイ素濃度においても濃度が高くなっている。本発明においては、炭素濃度が低いほどケイ素濃度が高くなる関係にある。
140mLマヨネーズ瓶に、メチルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−13)を16.21g(0.119モル、リン酸を0.29g(3.0ミリモル、メチルトリメトキシシランに対して2.5モル%)、アルコール系溶媒(ソルミックス(登録商標)AP−7、日本アルコール販売社製)20.28gを仕込み、15分間撹拌した。
さらに、蒸留水3.22g(メチルトリメトキシシランに対して1.5倍モル)を添加して、2時間撹拌して加水分解を行い、固形分濃度20質量%のポリシロキサン溶液を得た。
[実施例2]
140mLマヨネーズ瓶に、ビニルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−1003)を14.52g(0.098モル)、リン酸を0.24g(2.0ミリモル、メチルトリメトキシシランに対して2.5モル%)、アルコール系溶媒(ソルミックス(登録商標)AP−7、日本アルコール販売社製)21.71gを仕込み、15分間撹拌した。
さらに、蒸留水3.53g(ビニルトリメトキシシランに対して2.0倍モル)を添加して、2時間撹拌して加水分解を行い、固形分濃度20質量%のポリシロキサン溶液を得た。
実施例1と同様の手順で、有機無機複合体形成用組成物(A−2)及び積層体(B−2)を得た。
[実施例3]
140mLマヨネーズ瓶に、ビニルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−1003)を7.43g(0.05モル)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−503)を5.34g(0.02モル)(KBM−1003:KBM−503のモル比が7:3)、リン酸を0.18g(2.0ミリモル、ビニルトリメトキシシランと3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランのモル数合計に対して2.5モル%)、アルコール系溶媒(ソルミックス(登録商標)AP−7、日本アルコール販売社製)24.48gを仕込み、15分間撹拌した。
さらに、蒸留水2.58g(ビニルトリメトキシシランと3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランのモル数合計に対して2.0倍モル)を添加して、2時間撹拌して加水分解を行い、固形分濃度20質量%のポリシロキサン溶液を得た。
実施例1と同様の手順で、有機無機複合体形成用組成物(A−3)及び積層体(B−3)を得た。
[比較例1]
実施例1において、リン酸をジイソプロポキシビスアセチルアセトナートチタン(T−50、日本曹達(株)製、TiO2換算固形分量:16.5重量%)1.44gに変更した以外は同じ手順で、有機無機複合体形成用組成物(A−4)及び積層体(B−4)を得た。
(B−1)〜(B−4)および未処理PETフィルムのYI値(イエローインデックス値)を色彩濁度測定器(COH400、日本電色工業)を用いて測定した。その結果を表1に示す。
Claims (4)
- a)式(I)
RnSiX4−n・・・(I)
(式中、RはSiに炭素原子が直接結合する有機基を表し、Xは水酸基又は加水分解性基を表す。nは1又は2を表し、nが2のとき各Rは同一でも異なっていてもよく、(4−n)が2以上のとき各Xは同一でも異なっていてもよい。)で表される少なくとも1種であり、Fedorsの推算法により求められたRの溶解パラメーター(SP1)が、Fedorsの推算法により求められた熱硬化性化合物又は電磁線硬化性化合物の溶解パラメーター(SP2)よりも小さく、かつ、その差が1.6以上のもの(Si1)である有機ケイ素化合物及び/又はその縮合物、
b)水
c)リン酸、及び
d)熱硬化性化合物又は電磁線硬化性化合物
を含有する有機無機複合体形成用組成物。 - a)式(I)
RnSiX4−n・・・(I)
(式中、RはSiに炭素原子が直接結合する有機基を表し、Xは水酸基又は加水分解性基を表す。nは1又は2を表し、nが2のとき各Rは同一でも異なっていてもよく、(4−n)が2以上のとき各Xは同一でも異なっていてもよい。)で表される少なくとも1種であり、Fedorsの推算法により求められたRの溶解パラメーター(SP1)が、Fedorsの推算法により求められた熱硬化性化合物又は電磁線硬化性化合物の溶解パラメータ(SP2)よりも小さく、かつ、その差が1.6以上のもの(Si1)と、SP1がSP2よりも小さく、かつ、その差が1.6未満のもの、又はSP1がSP2よりも大きいもの(Si2)とのモル比(Si1:Si2)が、5:5〜10:0である有機ケイ素化合物及び/又はその縮合物、
b)水
c)リン酸、及び
d)熱硬化性化合物又は電磁線硬化性化合物
を含有する有機無機複合体形成用組成物。 - 請求項1又は2に記載の有機無機複合体形成用組成物を硬化させて得られる有機無機複合体。
- 請求項1又は2に記載の有機無機複合体形成用組成物を基板に塗布、硬化させて得られる積層体。
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