本発明の原理は、以下の詳細な説明及び添付図面に示される実施形態を参照することで、さらに理解されよう。詳細な実施形態において具体的な特徴が示され説明されるが、本発明は、以下で説明される実施形態に限定されないと理解されるべきである。
以下では、添付図面を参照して、実施形態が詳細に説明される。同一又は同様の部材に言及する場合、図面及び記載においては、可能な限り、同じ参照符号が用いられる。
細胞増殖システム(CES)100の一実施形態が、図1に概略的に示される。CES100は、第1流体循環路104と第2流体循環路108とを有する。第1流体流路112は、第1流体循環路104の一部であり、バイオリアクターのような細胞成長チャンバー124に流体的に関連付けられた端部116、120を有する。詳細には、端部116は、細胞成長チャンバー124の第1入口128と流体的に関連付けられ、端部120は、細胞成長チャンバー124の第1出口132と流体的に関連付けられる。実施形態において、第1循環路104において、流体は、細胞成長チャンバー124に配置された中空糸膜の中空糸の内部を通る(細胞成長チャンバー及び中空糸膜は以下でより詳細に説明される)。また、第1流量コントローラ136が、第1流体流路112に動作可能に接続され、第1循環路104における流体の流れを制御する。
第2流体循環路108は、第2流体流路140と、細胞成長チャンバー124と、第2流量コントローラ144と、を有する。第2流体流路140は、少なくとも端部148、152を有する。第2流体流路140の端部148は、細胞成長チャンバー124の入口ポート154に、端部152は、出口ポート160にそれぞれ流体的に関連付けられる。細胞成長チャンバー124を流れる流体は、細胞成長チャンバー124の中空糸膜の外側と接触する。いくつかの実施形態において、第2流体循環路108は、第2流量コントローラ144と動作可能に接続される。
実施形態において、第1及び第2流体循環路108、112は、中空糸膜によって、細胞成長チャンバー124において分離されている。従って、これら実施形態において、第1流体循環路104の流体は、細胞成長チャンバーにおいて中空糸の毛細管内側(IC)空間を流れる。第1流体循環路104は「ICループ」と呼ばれる。これら実施形態において、第2流体循環路108の流体は、細胞成長チャンバーにおいて中空糸の毛細管外側(EC)空間を流れる。従って、第2流体循環路108は「ECループ」と呼ばれる。第1流体循環路104の流体は、第2流体循環路108の流体の流れに対して、並流方向又は逆流方向のどちらを流れてもよい。図10は、いくつかの実施形態において細胞成長チャンバーとして使用される中空糸膜装置の一例を示している。他の実施形態において、細胞成長チャンバー124は、中空糸膜装置ではない。
流体入口路164は、第1流体循環路104に流体的に関連付けられる。流体入口路164によって、流体は第1流体循環路104に導入され、流体出口路168によって、流体は、CES100から排出される。第3流量コントローラ172が、流体入口路164に動作可能に関連付けられる。他の実施形態において、第3流量コントローラ172は、第1出口路168に関連付けられてもよい。
ここで使用される流量コントローラとしては、実施形態において、ポンプ、バルブ、クランプ、又はそれらの組み合わせが可能である。実施形態において、複数のポンプ、複数のバルブ、複数のクランプを、任意に組み合わせて配置してもよい。種々の実施形態において、流量コントローラは、蠕動ポンプであるか又は蠕動ポンプを含む。実施形態において、流体循環路、入口ポート、出口ポートは、任意の材料の配管で構成されてよい。
種々の部材に対して、「動作可能に関連付けられた」と記載されているが、ここで使用される「動作可能に関連付けられた」とは、動作可能な方式で互いに連結された部材を指し、部材が直接連結されている実施形態や、2つの連結された部材の間に別の部材が配置されている実施形態等も包含する。「動作可能に関連付けられた」部材は、「流体的に関連付けられる」ことができる。「流体的に関連付けられた」とは、流体が部材間を移動可能なように互いに連結された部材を指す。「流体的に関連付けられた」という用語は、2つの流体的に関連付けられた部材間に別の部材を配置する実施形態や、部材を直接接続する実施形態等を包含する。流体的に関連付けられた部材は、流体と接触しないが他の部材と接触することにより、システムを操作する部材を含んでもよい(例えば、可撓性の管の外側を圧縮することにより、該管を介して流体をポンピングする蠕動ポンプ等)。
一般に、緩衝液、培地、タンパク質ペプチド含有流体、細胞又は細胞成分含有流体のように、如何なる種類の流体でも、循環路、入口路、出口路を流れることが可能である。
図2において、本発明の実施形態に係る、プリマウントタイプの流体輸送組立体を有する細胞増殖システム200の他の実施形態が示される。CES200は、細胞増殖装置202を有する。細胞増殖装置202は、細胞増殖装置202の後側部分206と係合するハッチ又は閉可能なドア204を有する。細胞増殖装置202内の内部空間208は、プリマウントタイプの流体輸送組立体(この実施形態では、プリマウントタイプの流体輸送組立体210として示される)を受容し係合固定するような特徴を有する。プリマウントタイプの流体輸送組立体210は、細胞増殖装置202に取り外し可能に取り付けられており、細胞増殖装置202において、使用された流体輸送組立体210を、新しい又は未使用の流体輸送組立体210に比較的迅速に交換できるようになっている。実施形態において、単一の細胞増殖装置202の動作によって、第1の流体輸送組立体210を用いて細胞の第1のセットを成長又は増殖させ、その後、第1の流体輸送組立体210を第2の流体輸送組立体210に交換する際に細胞増殖装置202を殺菌することなく、第2の流体輸送組立体210を用いて細胞の第2のセットを成長又は増殖させることができる。プリマウントタイプの流体輸送組立体210は、細胞成長チャンバー298と酸素供給器212を有してよい。流体輸送組立体210に接続される種々の培地用配管を受容する配管案内スロットが214として示される。
図3は、本発明の実施形態に係る、プリマウントタイプの流体輸送組立体210(図2参照)を取り外し可能に取り付ける前の、細胞成長チャンバー202の後側部分216を示す。閉可能なドア204(図2参照)は、図3では省略されている。細胞増殖装置202の後側部分216には、流体輸送組立体210の構成要素と組み合わせて動作する複数の異なる構造が設けられている。詳細には、細胞増殖装置202の後側部分216は、流体輸送組立体210におけるポンプループと協働する複数の蠕動ポンプ(IC循環ポンプ218、EC循環ポンプ220、IC入口ポンプ222、EC入口ポンプ224)を有する。また、細胞増殖装置202の後側部分216は、複数のバルブ(IC循環バルブ226、試薬バルブ228、IC培地バルブ230、空気除去バルブ232、細胞入口バルブ234、洗浄バルブ236、分配バルブ238、EC培地バルブ240、IC廃棄バルブ242、EC廃棄バルブ244、収穫バルブ246)を有する。さらに、複数のセンサ(IC出口圧力センサ248、IC入口圧力/温度センサ250、EC入口圧力/温度センサ252、EC出口圧力センサ254)が、細胞増殖装置202の後側部分216に関連付けられる。さらに、空気除去チャンバー212(図2)のための光学センサ256が示されている。
実施形態によれば、細胞成長チャンバー100を回転させるための軸又はロッカー制御部258が示されている。軸258と関連付けられた成形された嵌合部260によって、細胞増殖装置202の後側部分216に対して、流体輸送組立体(210又は400、図4参照)の軸アクセス開口部(例えば、配管収納部300(図4)の開口部424(図4))の適切な位置合わせが行える。ロッカー制御部258の回転によって、軸嵌合部260及び細胞成長チャンバー298に対して回転運動が付与される。従って、CES200のオペレータが、新しい及び/又は殺菌された流体輸送組立体を、細胞増殖装置202に取り付ける際、位置合わせは、成形された嵌合部260に対して、流体輸送組立体の軸アクセス開口部(例えば、開口部424)を適切に方向付けるといった比較的簡単な作業となる。
図4は、他の実施形態である取り付け・取り外し自在のプリマウントタイプの流体輸送組立体400の斜視図である。プリマウントタイプの流体輸送組立体400は、細胞増殖装置202に取り外し可能に取り付けられており、細胞増殖装置202において、使用された流体輸送組立体400を、新しい又は未使用の流体輸送組立体400に比較的迅速に交換できるようになっている。図4に示されるように、細胞成長チャンバー420は、軸嵌合部402を含む細胞成長チャンバーカップリングに取り付けられる。成形された嵌合部402は、細胞増殖装置(例えば、細胞増殖装置202)の軸(図3では258)を係合させるための1以上の軸締結機構(付勢された腕部又はバネ部材404)を有する。
実施形態によれば、流体輸送組立体400は、通常、配管408及び管継手を有する。これらにより、以下で説明されるように、図5〜図9に示されるような流体路が提供される。ポンプループ404も設けられる。細胞増殖装置202が配置される場所に、種々の培地が設けられてもよいが、プリマウントタイプの流体輸送組立体400は、細胞増殖装置(例えば202)の外部に延在する程度に十分な長さの配管を有することで、培地バッグのような容器に関連付けられた配管が溶着接続されてもよい。
図5は、細胞増殖システム500の実施形態の概略図である。図5は、別の実施形態である細胞増殖システム600の概略図である。図5及び図6に示される実施形態では、以下で説明するように、細胞は、IC空間で成長される。しかしながら、本発明は、そのような例に限定されない。他の実施形態では、細胞はEC空間で成長されてもよい。
図5は、CES500を示している。CES500は、第1流体循環路502(「毛細管内側ループ」又は「ICループ」とも呼ぶ)と第2流体循環路504(「毛細管外側ループ」又は「ECループ」とも呼ぶ)とを有する。実施形態において、第1流体流路506は、細胞成長チャンバー501に流体的に関連付けられて、第1流体循環路502を構成する。流体は、IC入口ポート501Aを介して細胞成長チャンバー501に流入し、いくつかの実施形態では、細胞成長チャンバー501(例えば、細胞成長又は増殖が行われるバイオリアクター)内の中空糸を通って、IC出口ポート501Bを介して流出する。圧力測定器510は、細胞成長チャンバー501を離れる培地の圧力を測定する。培地は、培地流量を制御するために用いられるIC循環ポンプ512を介して、流れる。IC循環ポンプ512は、第1方向又は第1方向の反対の第2方向に、流体をポンピング可能である。出口ポート501Bは、逆方向では、入口として使用することができる。ICループに流入する培地は、バルブ514を介して流入することができる。当業者であれば理解できるように、追加のバルブ及び/又は他の装置を種々の位置に配置して、流体経路のある部分において、培地を隔離し及び/又は該培地の特性を測定することもできる。従って、示される概略図は、CES500の複数の要素に対する1つの可能な構成であり、1以上の実施形態の範囲において、変形可能であると理解されるべきである。
ICループに対して、培地のサンプルは、動作中に、サンプルコイル518から得られる。第1流体循環路502に配置された圧力/温度測定器520によって、動作中において、培地圧力及び温度が測定できる。そして、培地は、IC入口ポート501Aに戻って、流体循環路502を完了する。細胞成長チャンバー501で成長/増殖した細胞は、細胞成長チャンバー501から流し出され、バルブ569を通って出口容器567に入るか、バルブ589、TFF587を通って出口容器567に入るか、バルブ591を通って成長チャンバー501の中空糸内に再分配され、さらに成長される。以下では、これを詳細に説明する。
第2流体循環路504において、流体は、EC入口ポート501Cを介して、細胞成長チャンバー501に入り、EC出口ポート501Dを介して細胞成長チャンバー501を離れる。実施形態において、ECループでは、培地は、細胞成長チャンバー501の中空糸の外側と接触し、それによって、チャンバー501内における小分子の中空糸への及び中空糸からの拡散が可能となる。
培地が細胞成長チャンバー501のEC空間に入る前に、第2流体循環路504に配置された圧力/温度測定器524によって、該培地の圧力及び/又は温度が測定可能である。培地が細胞成長チャンバー501を離れた後、圧力/温度測定器526によって、第2流体循環路504の培地の圧力及び/又は温度が測定可能である。実施形態において、ECループに対して、培地のサンプルは、動作中に、サンプルポート530から又はサンプルコイルから得られる。
細胞成長チャンバー501のEC出口ポート501Dを離れた後、第2流体循環路504の流体は、実施形態において、EC循環ポンプ528を通って、酸素供給器532に至る。EC循環ポンプ528は、両方向に流体をポンピング可能である。第2流体流路522は、酸素供給器入口ポート534及び酸素供給器出口ポート536を介して酸素供給器532と流体的に関連付けられている。動作中は、流体培地は、酸素供給器入口ポート534を介して、酸素供給器532に流入し、酸素供給器出口ポート536を介して、酸素供給器532から流出する。酸素供給器532は、CESにおける培地に対して、酸素を付加し、気泡を除去する。種々の実施形態において、第2流体循環路504における培地は、酸素供給器532に入るガスと平衡状態にある。酸素供給器532は、当分野で知られているような、適当なサイズの任意の酸素供給器又はガス輸送装置でよい。空気又はガスは、フィルタ538を介して酸素供給器532に流入し、フィルタ540を介して、酸素供給器又はガス輸送装置532から流出する。フィルタ538、540は、酸素供給器532及び関連する培地の汚染を減少又は防止する。プライミング工程の一部を行っている際にCES500からパージされた空気又はガスは、酸素供給器532を介して大気にベント可能である。
実施形態において、第1流体循環路502及び第2流体循環路504における流体培地は、同じ方向で(並流構成で)細胞成長チャンバー501を流れる。他の実施形態では、CES500は、対向流で流れるように構成してもよい。
少なくとも1つの実施形態において、(容器562からの)細胞を含む培地及び容器546からの流体培地は、第1流体流路506を介して第1流体循環路502に導入される。流体容器562(例えば、細胞入口バッグ又は空気をシステム外にプライミングするための生理食塩水プライミング流体)は、バルブ564を介して、第1流体流路506及び第1流体循環路502に流体的に関連付けられる。
流体容器544(例えば、試薬を含んだ容器)は、バルブ548を介して第1流体入口路542に、又はバルブ576を介して第2流体入口路574に流体的に関連付けられ、流体容器546(例えば、IC培地を含んだ容器)は、バルブ550を介して第1流体入口路542に、又はバルブ570を介して第2流体入口路574に流体的に関連付けられる。また、滅菌され密封可能な第1及び第2入力プライミング路508、509が設けられる。空気除去チャンバー(ARC)556が、第1循環路502に流体的に関連付けられる。実施形態において、空気除去チャンバー556は、1以上の超音波センサを有してもよい。該センサには、空気除去チャンバー556内における特定の測定点において、空気、流体の不足、及び/又はガス/流体境界、例えば、空気/流体境界、を検知するための上部センサ及び下部センサが含まれる。例えば、空気除去チャンバー556の底部近傍及び/又は頂部近傍で、超音波センサを用いて、それらの場所における空気、流体、及び/又は空気/流体境界を検知することができる。実施形態において、本開示の範囲を逸脱しない範囲で、他のタイプのセンサを使用することができる。例えば、本開示の実施形態に従って、光学センサを使用してもよい。プライミング工程の一部又はその他のプロトコルを行っている際にCES500からパージされる空気又はガスは、空気除去チャンバー556と流体的に関連付けられたライン558を通って、エアバルブ560から大気中へベント可能である。
実施形態において、(バッグ568からの)EC培地又は(バッグ566からの)洗浄液が第1流体流路又は第2流体流路に加えられる。流体容器566は、バルブ570と流体的に関連付けられる。バルブ570は、分配バルブ572及び第1流体入口路542を介して第1流体循環路502と流体的に関連付けられる。また、バルブ570を開け、分配バルブ572を閉じることにより、流体容器566は、第2流体入口路574及び第2流体流路584を介して第2流体循環路504と流体的に関連付けることができる。同様に、流体容器568は、バルブ576と流体的に関連付けられる。バルブ576は、第1流体入口路542及び分配バルブ572を介して第1流体循環路502と流体的に関連付けられる。また、バルブ576を開け、分配バルブ572を閉じることにより、流体容器568は、第2流体入口路574と流体的に関連付けることができる。
ICループにおいて、流体はまず、IC入口ポンプ554によって送られる。ECループでは、流体はまず、EC入口ポンプ578によって送られる。超音波センサのようなエア検知器580がEC入口路584と関連付けられてもよい。
少なくとも1つの実施形態において、第1及び第2流体循環路502、504は、廃棄ライン588と接続される。バルブ590を開けると、IC培地は、廃棄ライン588を流れ、廃棄バッグ586に至る。同様に、バルブ582を開けると、EC培地は、廃棄ライン588を介して廃棄容器586に流れる。
図5に示される実施形態において、CES500は、熱交換器552を有する。熱交換器552によって、廃棄物容器586へ流入する廃棄物から、1以上の容器544、546、566又は568から流れ出す培地試薬又は洗浄液へ熱交換される。
CES500はまた、濃縮システム599を有する。濃縮システム599によって、細胞成長チャンバー501から出る流体の成分は集められる前に濃縮される。以下でさらに詳細に説明するように、細胞成長チャンバー501にて成長/増殖された細胞は、濃縮システム599を用いて、収穫・濃縮される。他の実施形態において、濃縮システム599を用いることによって、細胞成長チャンバー501から流出する分子、ウィルス成分又は細胞内成分を集める前に、分子、ウィルス成分又は細胞内成分が濃縮される。
図5では、濃縮サブシステム599は、多数の部品を有するように示されているが、これは単に説明のためのものであり、他の実施形態において、濃縮サブシステム599は、図5に示されているよりも少ない部品又は多い部品を含んでもよい。
図5の実施形態において、濃縮サブシステム599は、バルブ589、591、595、及び成長チャンバー501から出てくる流体から成分を分離するための接線流フィルタ(TFF)587を有する。流路585は、TFF587の入口ポート583と流体的に関連付けられる。流路579は、TFF587の第1出口ポート581と流体的に関連付けられる。流路575は、TFF587の第2出口ポート577と流体的に関連付けられる。
理解できるように、バルブ569、589、591、595は、流体が細胞成長チャンバー501から流出した後、流体流を制御する。一実施形態において、ポート501Bを通って成長チャンバー501から出てきた流体は、成長チャンバー501に再循環させることができる。この実施形態では、バルブ591が開けられ、バルブ569、589は閉じられる。これにより、出口ポート501Bを出てくる流体をポンプ512によって、循環させて、入口ポート501Aに戻し、成長チャンバー501に送る。
他の実施形態において、成長チャンバー501から出てくる流体は、ポート501Bから流出した後、集められる。例えば、成長チャンバー501を用いて、細胞を成長/増殖し、収穫してもよい。収穫では、流体において、細胞が成長チャンバー501から取り出され、該流体は、ポート501Bを出た後、容器567に集められる。これらの実施形態では、バルブ569が開けられる。流体は、ポート501Bからバルブ569を通って、容器567へ流入する。
本発明の実施形態において、成長チャンバー501から出た流体の成分が濃縮される。これらの実施形態において、チャンバー501からの流体は、TFF587を流れる。TFF587は、流体の少なくとも1つの成分を濃縮する。これは、流体から、少なくとも第2の成分を除去することで行われる。これらの実施形態において、バルブ595、589は開けられ、バルブ569、591は閉じられる。流体は、ポート501BからTFF587へ流入する。TFF587では、流体の第1の成分の少なくとも一部が、流体から取り出され、濃縮された2つの流体成分が生成される。一方の流体成分は、第1の成分に対して濃縮され、他方の流体成分は、残りの成分に対して濃縮される。濃縮された第1の流体成分は、ポート583を出て、バルブ589を介して循環され、TFF587のポート577に戻る。濃縮された第2の流体成分は、ポート581を出て、容器571に集められる。
いくつかの実施形態において、濃縮された第1の流体成分が、所定の時間だけ、TFF587を介して循環された後、又は、該第1の流体成分が、一方の成分において所定の濃度に達した後、バルブ591を開いて、濃縮された第1の流体を循環させて、成長チャンバー501に戻す。他の実施形態では、濃縮された第1の流体を、TFF587を介して、所定の時間だけ、循環させた後、バルブ569を開けて、濃縮された第1の流体を容器567に入れる。
濃縮サブシステム599によって、CES500は、多数のプロセスに対して使用可能となる。一実施形態において、CES500は、細胞の成長/増殖に使用される。細胞は、成長チャンバー501内において、播種され、成長される。細胞が所望の量まで増殖した後、収穫されるが、まず、濃縮システム599中を循環させて、濃縮された細胞を容器567に集める。
他の実施形態において、CES500は、分子を濃縮するために使用される。細胞は、細胞成長チャンバー501において成長される。細胞が成長すると、該細胞は、分子(例えば、タンパク質、抗体、サイトカイン、因子、ウィルス粒子(viron)、その他の細胞生産物成分)を生成し、それら分子は、別のプロセスに有用である。一実施形態において、そのような分子は、細胞成長の促進/増進又はワクチン生産に有用である。これら実施形態において、細胞を含む流体は、成長チャンバー501から取り出される。流体は、TFF587を通過し、第2の流体成分における流体から分子が取り出され、容器571に集められる。所望の量の濃縮された分子が容器571に集められるまで、残った流体(例えば、濃縮された第1の流体成分)は、TFF587を介して再循環されてもよい。
上述したものは、CES500と濃縮サブシステム599を利用できるプロセスのいくつかの例であり、CES500とサブシステム599の実施形態は、上記例に限定されない。
実施形態において、CES500の各部品は、細胞増殖装置202(図2、図3参照)のような装置又はハウジング内に収容され、該装置は、(CES500内を循環する流体、細胞、その他の分子を含む)CES500の温度を一定になるように制御する。
実施形態において、CES500におけるICループ及びECループの流量は、ポンプ528、512のポンピング速度を制御することによって、所定の値に調整される。種々の実施形態において、制限はされないが、ICループとECループの流量はそれぞれ、約2、約4、約6、約8、約10、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45、約50、約60、約70、約80、約90、約100、約200、約300、約400、又は約500mL/分の範囲に設定される。CES500の実施形態において、ICループは、約10〜約20mL/分の間に設定される。実施形態において、ECループの流量は、培地のような流体が酸素供給器532を流れて酸素レベルを回復できるように設定されるべきである。ECループにおける流量が高すぎる場合、酸素供給器532を流れる流体における酸素レベルが回復されないであろう。一実施形態において、ECループの流量は、約20〜約30mL/分の間であり、酸素レベルを回復することができる。
いくつかの実施形態において、ポンプ554のポンピングによって、流体(例えば、培地)が、CES500に追加される。一実施形態において、流体は、低い流量(例えば、約0.1mL/分)で、CES500に追加されて、酸素供給器532において気化する流体を補う。
上述の記載から明らかなように、CES500は、閉鎖系を提供する。そこでは、細胞は、成長チャンバー501において成長され、濃縮サブシステム599によって濃縮され、ある量の濃縮細胞が生成され、該細胞は、治療や研究のために利用される。CES500で成長された細胞の1つの特徴として、それら細胞は、周囲環境にさらされないため、汚染の危険が低いということが挙げられる。
他の実施形態において、CES500は、分子及びその他の細胞生産物を生成するための閉鎖系を提供する。成長チャンバー501内の細胞は、ペプチド、タンパク質、サイトカイン、成長因子、ウィルス粒子、その他の細胞生産物のような、分子を生成し、濃縮サブシステム599によって集められ、濃縮される。濃縮サブシステム599によって、分子は、取り出され、細胞は、成長チャンバー501に戻され、分子がさらに生成される。そのような分子は、治療又は研究のために利用される。そのような分子は、閉鎖系において生成されるため、周囲環境にさらされず、汚染の危険性は最小化される。
図6は、細胞増殖システム600の他の実施形態の概略図である。CES600は、第1流体循環路602(「毛細管内側ループ」又は「ICループ」とも呼ぶ)と第2流体循環路604(「毛細管外側ループ」又は「ECループ」とも呼ぶ)とを有する。第1流体流路606は、細胞成長チャンバー601に流体的に関連付けられて、第1流体循環路602を構成する。流体は、IC入口ポート601Aを介して細胞成長チャンバー601に流入し、細胞成長チャンバー601内の中空糸を通って、IC出口ポート601Bを介して流出する。圧力センサ610は、細胞成長チャンバー601を離れる培地の圧力を測定する。圧力の他に、センサ610は、作動中において、培地圧力及び培地温度を検知する温度センサであってもよい。培地は、培地流量を制御するために用いられるIC循環ポンプ612を介して、流れる。IC循環ポンプ612は、第1方向又は第1方向の反対の第2方向に、流体をポンピング可能である。出口ポート601Bは、逆方向では、入口として使用することができる。ICループに流入する培地は、バルブ614を介して流入することができる。当業者であれば理解できるように、追加のバルブ及び/又は他の装置を種々の位置に配置して、流体経路のある部分において、培地を隔離し及び/又は該培地の特性を測定することもできる。従って、示される概略図は、CES600の複数の要素に対する1つの可能な構成であり、1以上の実施形態の範囲において、変形可能であると理解されるべきである。
ICループに対して、培地のサンプルは、動作中に、サンプルコイル618から得られる。そして、培地は、IC入口ポート601Aに戻って、流体循環路602を完了する。細胞成長チャンバー601で成長/増殖した細胞は、細胞成長チャンバー601から流し出され、バルブ698及びライン697を介して収穫バッグ699に入る。あるいは、バルブ698が閉じている場合、細胞は、チャンバー601に再分配され、さらに成長される。
第2流体循環路604において、流体は、EC入口ポート601Cを介して、細胞成長チャンバー601に入り、EC出口ポート601Dを介して細胞成長チャンバー601を離れる。ECループでは、培地は、細胞成長チャンバー601の中空糸の外側と接触し、それによって、チャンバー601内における小分子の中空糸への及び中空糸からの拡散が可能となる。
培地が細胞成長チャンバー601のEC空間に入る前に、第2流体循環路604に配置された圧力/温度センサ624によって、該培地の圧力及び温度を測定することができる。培地が細胞成長チャンバー601を離れた後に、センサ626によって、第2流体循環路604の培地の圧力及び温度を測定することができる。ECループに対して、培地のサンプルは、動作中に、サンプルポート630から又はサンプルコイルから得られる。
細胞成長チャンバー601のEC出口ポート601Dを離れた後、第2流体循環路604の流体は、EC循環ポンプ628を通って、ガス輸送モジュール632に至る。EC循環ポンプ628もまた、両方向に流体をポンピング可能である。第2流体流路622は、ガス輸送モジュール632の入口ポート632A及び出口ポート632Bを介してガス輸送モジュール632と流体的に関連付けられている。動作中は、流体培地は、入口ポート632Aを介して、ガス輸送モジュール632に流入し、出口ポート632Bを介して、ガス輸送モジュール632から流出する。ガス輸送モジュール632は、CES600における培地に対して、酸素又はその他のガス/ガス混合物を付加する。種々の実施形態において、第2流体循環路604における培地は、ガス輸送モジュール632に入るガスと平衡状態にある。ガス輸送モジュール632は、当分野で知られているような、酸素供給又はガス輸送に有用な、適当なサイズの任意の装置でよい。空気又はガスは、フィルタ638を介してガス輸送モジュール632に流入し、フィルタ640を介して、酸素供給器又はガス輸送装置632から流出する。フィルタ638、640は、酸素供給器632及び関連する培地の汚染を減少又は防止する。プライミング工程の一部を行っている際にCES600からパージされた空気又はガスは、ガス輸送モジュール632を介して大気にベント可能である。
CES600として示された該構成において、第1流体循環路602及び第2流体循環路604における流体培地は、同じ方向で(並流構成で)細胞成長チャンバー601を流れる。CES600は、対向流で流れるように構成してもよい。
少なくとも1つの実施形態において、(細胞容器、例えばバッグのようなソースからの)細胞を含む培地は、取り付け点662に取り付けられ、培地源からの流体培地は、取り付け点646に取り付けられる。細胞及び培地は、第1流体流路606を介して第1流体循環路602に導入される。取り付け点662は、バルブ664を介して、第1流体流路606と流体的に関連付けられる。取り付け点646は、バルブ650を介して、第1流体流路606と流体的に関連付けられる。試薬源を、点644に流体的に接続して、バルブ648を介して流体入口路642に関連付けてもよいし、又はバルブ648及び672を介して第2流体入口路674に関連付けてもよい。
空気除去チャンバー(ARC)656が、第1循環路602に流体的に関連付けられる。空気除去チャンバー656は、1以上のセンサを有してもよい。該センサには、空気除去チャンバー656内における特定の測定点において、空気、流体の不足、及び/又はガス/流体境界、例えば、空気/流体境界、を検知するための上部センサ及び下部センサが含まれる。例えば、空気除去チャンバー656の底部近傍及び/又は頂部近傍で、超音波センサを用いて、それらの場所における空気、流体、及び/又は空気/流体境界を検知することができる。実施形態において、本開示の範囲を逸脱しない範囲で、他のタイプのセンサを使用することができる。例えば、本開示の実施形態に従って、光学センサ又はラマン分光法に基づいたセンサを使用してもよい。プライミング工程の一部又はその他のプロトコルを行っている際にCES600からパージされる空気又はガスは、空気除去チャンバー656と流体的に関連付けられたライン658を通って、エアバルブ660から大気中へベント可能である。
EC培地源が、EC培地取り付け点668に取り付けられる。洗浄液源が、洗浄液取り付け点666に取り付けられる。これにより、EC培地及び/又は洗浄液が第1流体流路又は第2流体流路に加えられる。取り付け点666は、バルブ670と流体的に関連付けられる。バルブ670は、バルブ672及び第1流体入口路642を介して第1流体循環路602と流体的に関連付けられる。また、バルブ670を開け、バルブ672を閉じることにより、取り付け点666は、第2流体入口路674及び第2流体流路684を介して第2流体循環路604と流体的に関連付けることができる。同様に、取り付け点668は、バルブ676と流体的に関連付けられる。バルブ676は、第1流体入口路642及びバルブ672を介して第1流体循環路602と流体的に関連付けられる。また、バルブ676を開け、分配バルブ672を閉じることにより、流体容器668は、第2流体入口路674と流体的に関連付けることができる。
ICループにおいて、流体はまず、IC入口ポンプ654によって送られる。ECループでは、流体はまず、EC入口ポンプ678によって送られる。超音波センサのようなエア検知器680がEC入口路684と関連付けられてもよい。
少なくとも1つの実施形態において、第1及び第2流体循環路602、604は、廃棄ライン688と接続される。バルブ690を開けると、IC培地は、廃棄ライン688を流れ、廃棄バッグ686に至る。同様に、バルブ692を開けると、EC培地は、廃棄バッグ686に流れる。
細胞が細胞成長チャンバー601にて成長した後、該細胞は、細胞収穫路697を介して収穫される。細胞成長チャンバー601からの細胞は、バルブ698を開けた状態において、細胞を含むIC培地をポンピングすることにより、細胞収穫路697を介して、細胞収穫バッグ699に収穫される。
上述した部品の他に、CES600は、第2のICループ699(濃縮サブシステムとも呼ばれる)を有する。第2のICループ699は、接線流フィルタ687(TFF)とバルブ695、689、691とを有する。以下で詳細に記載されるように、CES600の部品は、種々のプロシージャにおいて、操作され、増殖された細胞を含む流体から、濃縮された流体成分及び濃縮された細胞成分を生成する。実施形態において、増殖された細胞は、細胞成長チャンバー601において成長されてよい。増殖したら、細胞は、細胞成長チャンバー601から移動させられ、ループ699に向かい、TFF687にわたって流される。いくつかの実施形態において、ループ699は、バルブ695、691、689及びTFF687に加えて、複数の流量制御装置を有する。
明らかなように、いくつかの実施形態において、(バイオリアクターのような)成長チャンバーにおいて増殖された細胞は、種々の用途において有用な化合物及び/又は分子(例えば、タンパク質、抗体、因子、その他の細胞生産物要素等)を生成する。化合物、細胞内成分、ウィルス粒子及び/又は分子を収穫するため、細胞成長チャンバーにおいて循環する流体は、TFF687のような接線流フィルタに向かう。TFF687は、流体から、化合物及び/又は分子を取り出すように構成される。細胞を含む残りの成分は、細胞成長チャンバーに再循環される。実施形態において、CES600によって、細胞成長チャンバー601を循環する流体から、化合物及び/又は分子が連続的に収穫される。
他の実施形態において、増殖した細胞を濃縮して、ある量の濃縮細胞を生成することが望ましい。CES600は、細胞を汚染するであろう細胞の外気への暴露を行うことなく、細胞を増殖し、濃縮することができる閉鎖系を提供する。細胞成長チャンバー601において増殖された細胞は、流体流によって、ループ699に運ばれ、TFF687に沿って流れる。TFF687は、流体中の液体、化合物、分子を細胞から分離し、濃縮された流体成分(液体、化合物、分子を有する)と濃縮された細胞成分(液体、細胞を有する)を生成する。濃縮された細胞成分は、所望の細胞濃度に達するまで、(ループ699内の)TFF687に再循環される。そして、濃縮された細胞成分は、集められ、CES600から取り出される。従って、CES600において、細胞は、単一の閉鎖系において、増殖・濃縮される。
CES600のいくつかの部分は、取り外し可能な流れ回路の一部を構成する。例えば、ループ604とTFF687は、CESにおけるICループとECループとその他の流路とを有する取り外し可能な流れ回路の一部を構成する。
以下では、いくつかの実施形態に従った、CES600の第2のICループ699を用いて行われる種々のプロシージャにおけるCES600のバルブ及びポンプの状態が記載される。以下の記載は、あくまで例示の目的で行われるだけであり、本発明の実施形態の一部である工程、特徴、部品を含む。以下の記載は、必須の特徴を記載することを意図しているのではないし、また、本発明の他の実施形態を制限することを意図しているのでもない。
上記したように、実施形態において、ある量の濃縮された細胞が生成される。細胞は、ICループ(例えば、602)全体において、最初は、懸濁状態にある。いくつかの実施形態において、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)を含むバッグが、取り付け点662、668に接続される。流体は、流路602を流れ、細胞成長チャンバー601の入口ポート601Aを通って、出口ポート601Bから出て、TFF687を含むループ699に流入する。細胞がループ699内に入ると、濃縮プロセスの間、ポンプ612によって、流体はループ699内を循環する。すなわち、流体は、TFF687、バルブ689を通り、TFF687の入口ポート677へ循環する。実施形態において、バルブ691、669は閉じられ、バルブ689は開けられる。余分な流体は、TFF687の第2出口ポート681を介して放出され、容器671に集められる。濃縮された細胞成分は、第1出口ポート683を介してTFF687から出る。CES600の以下に記載する状態は、この工程にとって適した流体流路をもたらす。
ポンプ654:ON
ポンプ612:ON、時計回り方向
ポンプ678:ON
ポンプ628:ON、時計回り方向
バルブ664:開
バルブ650:閉
バルブ648:閉
バルブ695:開
バルブ691:閉
バルブ689:開
バルブ660:閉
バルブ614:開
バルブ669:閉
バルブ690:閉
バルブ692:閉
バルブ670:開
バルブ672:閉
バルブ676:開
実施形態において、いくつかの細胞は、空気除去チャンバー656とバルブ691との間のラインに留まっている場合がある。これら細胞をループ699に移動させるため、空気除去チャンバー656から、流体を直接、ループ699に導入することによって、細胞をループ699に移動させる。上述のように、ループ699における余分な流体は、TFF687によって分離され、容器671に集められる。CES600の以下に記載する状態は、この工程にとって適した流体流路をもたらす。
ポンプ654:ON
ポンプ612:ON、反時計回り方向
ポンプ678:OFF
ポンプ628:時計回り方向
バルブ664:開
バルブ650:閉
バルブ648:閉
バルブ695:開
バルブ691:開
バルブ689:開
バルブ660:閉
バルブ614:閉
バルブ669:閉
バルブ690:閉
バルブ692:開
バルブ670:開
バルブ672:閉
バルブ676:閉
いくつかの実施形態において、ループ699内の細胞は、調整される。細胞は、ICループ(例えば、602)全体において、最初は、懸濁状態にある。いくつかの実施形態において、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)を含むバッグが、取り付け点662、668に接続される。実施形態において、完全培地は、取り付け点644に接続される。細胞は、成長チャンバー601を循環する流体中のトリプシン又は細胞解離生体分子によって、それら取り付け部分から成長チャンバー601へ放出される。実施形態において、この試薬は、細胞成長チャンバー601から細胞を取り出された後、タンパク質によって中和される。実施形態において、これは、空気除去チャンバー656から、完全培地(基本培地にタンパク質(例えば、ウシ胎児血清)を加えたもの)を直接、ループ699に導入することによって行うことができる。ループ699に入ってくる余分な流体は、TFF687を介して放出され、容器671に集められる。CES600の以下に記載する状態は、この工程にとって適した流体流路をもたらす。
ポンプ654:ON
ポンプ612:ON、反時計回り方向
ポンプ678:OFF
ポンプ628:ON、時計回り方向
バルブ664:閉
バルブ650:閉
バルブ648:開
バルブ695:開
バルブ691:開
バルブ689:開
バルブ660:閉
バルブ614:閉
バルブ669:閉
バルブ690:閉
バルブ692:開
バルブ670:開
バルブ672:閉
バルブ676:閉
他の実施形態において、トリプシン又はその他の細胞解離生体分子を含む流体は、タンパク質による中和とは対照的に、細胞に対して有害とならないレベルに希釈される。取り付け点644に接続された完全培地を使用する代わりに、PBS(完全培地よりもコスト効率がよい)が、取り付け点662に接続されてよい。細胞は、設定で変えられる量及びCES600の上述の状態を用いて、複数回洗浄されるか又は連続洗浄される(バルブ664、650又は648の状態は、所望される洗浄/調整流体の位置に応じて、変更してよい)。実施形態において、細胞は、ループ699に所望の流体を流すことによって、後のプロセス(例えば、冷凍保存、患者への投与、その他)のために調整される。例えば、ループ699の容積に空気除去チャンバー656の容積を加えた容積の約3倍の容積を用い(3倍の容積交換=〜95%の完全交換)且つCES600の上記した状態を用いる(バルブ664、650又は648の状態は、所望される調整流体の位置に応じて、変更してよい)。
濃縮された細胞を集めるため、実施形態において、細胞は、ループ699全体にわたって懸濁状態に置かれる。いくつかの実施形態において、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)又はその他の細胞安定化流体を含むバッグは、取り付け点662、668に接続される。実施形態において、完全培地は、取り付け点644に接続される。収穫に備えて細胞を調整するために使用される流体が、取り付け点646に接続される。細胞調整に使用された液体をループ699及びTFF687に送ることにより、調整された細胞がループ699から収穫され、容器667に集められる。CES600の以下の状態は、上記工程に適した流体流路をもたらす。
ポンプ654:ON
ポンプ612:時計回り方向
ポンプ678:OFF
ポンプ628:時計回り方向
バルブ664:閉
バルブ650:開
バルブ648:閉
バルブ695:閉
バルブ691:開
バルブ689:開
バルブ660:閉
バルブ614:閉
バルブ669:開
バルブ690:閉
バルブ692:開
バルブ670:開
バルブ672:閉
バルブ676:開
いくつかの実施形態において、TFF687の容積に空気除去チャンバーの容積を加えた容積の1.5倍の容積交換を行うのであれば、ループ699内に含まれる細胞の95%より多い細胞を収穫するために十分である。
実施形態において、細胞は、ループ699全体にわたって、懸濁状態にある。細胞の一部のみを集めることが望ましい場合がある。これらの実施形態において、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)を含むバッグは、取り付け点662、668に接続される。実施形態において、ループ699は、2つの個別の容積に分けられる。第1の容積(V2A)は、ポンプ612を含むB点とA点との間の容積である。第2の容積(V2B)は、TFF687を含むA点とB点との間の容積である。ループ699の流体において、細胞が均一に濃縮されている場合、細胞の濃度は、比率(V2A/(V2A+V2B))によって、減少させることができる。これは、V2A以上の容積で、第1のICループを循環させることにより、行われる。上記のように機能させるための、このプロセスの繰り返し回数は、式(V1B/V1A)によって制限される。ここで、V1Aは、ポンプ1を含む点Aと点Bとの間の第1のICループの容積であり、V1Bは、細胞成長チャンバーを含む点Aと点Bとの間の第1のICループの容積である。CES600の以下の状態は、上記工程に適した流体流路をもたらす。
ポンプ654:OFF
ポンプ612:ON、反時計回り方向
ポンプ678:ON
ポンプ628:ON、時計回り方向
バルブ664:閉
バルブ650:閉
バルブ648:閉
バルブ695:閉
バルブ691:開
バルブ689:閉
バルブ660:閉
バルブ614:開
バルブ669:閉
バルブ690:閉
バルブ692:開
バルブ670:開
バルブ672:閉
バルブ676:開
上記工程は、ループ699において細胞の一部を収穫し、残りの部分をバイオリアクターに戻すために有用である。例えば、残りの部分は、再播種工程の一部として、バイオリアクターに戻される。
上記工程を行った後、ループ699において、細胞の均一濃度を再確立するために、以下の状態は、適当な流体流路をもたらす。
ポンプ654:OFF
ポンプ612:ON、反時計回り方向
ポンプ678:ON
ポンプ628:ON、時計回り方向
バルブ664:閉
バルブ650:閉
バルブ648:閉
バルブ695:閉
バルブ691:閉
バルブ689:開
バルブ660:閉
バルブ614:閉
バルブ669:閉
バルブ690:閉
バルブ692:開
バルブ697:閉
バルブ670:開
バルブ672:閉
バルブ676:開
いくつかある特徴の中で特に、CES600は、以下のような閉鎖系を提供する。すなわち、該閉鎖系において、細胞は、細胞成長チャンバー601で成長され、ループ699を用いて濃縮され、ある容積の濃縮された細胞が生成される。そのような細胞は、治療又は研究のために利用される。細胞は、周囲環境にさらされることがない閉鎖系におけるCES600において成長される。従って、該システムは、汚染の危険性が低い。このシステムにおける汚染の危険性は、周囲環境にさらされるフラスコによる細胞成長のような他のプロセスよりも低い。細胞を成長した後、それら細胞は、濃縮するために、分離システムに移送されなければならず、そこでは、再び、汚染の可能性にさらされる。CES600では、汚染への暴露は、著しく減少する。
CES600はまた、分子、ウィルス粒子及び/又はその他の細胞生産物を生成するための閉鎖系を提供する。成長チャンバー601内の細胞は、タンパク質、サイトカイン、成長因子、その他の細胞生産物のような、分子を生成し、ループ699によって集められ、濃縮される。分子は、取り出され、細胞は、成長チャンバー601に戻され、分子がさらに生成される。該分子は、治療又は研究のために利用される。そのような分子は、周囲環境にさらされることがない閉鎖系において生成されるため、汚染の危険性は最小化される。
実施形態において、CES600の各部品は、細胞増殖装置202(図2、図3参照)のような装置又はハウジング内に収容され、該装置は、(細胞、流体(例えば、培地)を含む)CES600を所定の温度に維持する。さらに、実施形態において、CES600の部品は、CES500(図5)の部品と組み合わせてもよい。一例として、いくつかの実施形態において、CES600は、CES500において記載した熱交換器552のような熱交換器を備えてよい。他の実施形態において、CESは、本発明の範囲にあれば、図5や図6に示されているよりも部品は少なくてもよい。
図7〜図9は、接線流フィルタ(TFF)の実施形態を示す。いくつかの実施形態において、図7〜図9に示されるTFFは、CES500の一部として(TFF587として)又はCES600の一部として(TFF687として)利用される。TFFの特定の特徴が記載されるが、これは、ただ単に説明の目的であり、実施形態は、ここで与えられる記載に制限されない。
図7は、TFF700を示す。TFF700は、入力ポート704、第1出力ポート708、第2出力ポート712、膜716を有する。流体は、矢印720で示される方向に、入力ポート704を介してTFF700に入る。流体が膜716の頂面に沿って流れると、流体のある成分は、矢印724に示されるように、膜716を通過し、第2出力ポート712から外に出る。残りの流体は、第1出力ポート708を通って外に出る。
実施形態において、膜716は、流体のうちの少なくとも1つの成分が通過可能となるような多孔質材料から作製される。いくつかの実施形態において、膜716は、流体のうちのある特定の成分が通過するように選択される。他の実施形態において、膜716は、ある成分が通過しないように選択されてもよい。例えば、TFF700は、閉鎖系細胞増殖システム(例えば、CES500、CES600)の一部として使用される。細胞は成長され、該細胞によって、分子が生成される。分子は集められ、治療や研究に使用される。この実施形態において、膜716は、そのような分子が膜を通過して第2出力ポート712から流出するような孔サイズを有するように選択される。他の実施形態において、膜716は、流体のうちの細胞以外の成分が膜を通過することによって細胞が濃縮されるように選択される。
図8は、他の接線流フィルタ(TFF)800を示す。TFF800は、入力ポート804、第1出力ポート808、第2出力ポート812、膜816を有する。TFF700と同様に、流体は、矢印820で示される方向に、入力ポート804を介してTFF800に入る。流体が膜816に沿って流れると、流体のある成分は、矢印824に示されるように、膜816を通過し、第2出力ポート812から外に出る。残りの流体は、第1出力ポート808を通って外に出る。TFF700の膜716は略水平であるが、膜816は、水平位置に対してある角度で配置される。この違いにより、流体が膜816の頂面を流れる際に、重力がその流れをアシストできるようになる。実施形態において、膜816は、水平線に対して、限定はされないが、約5度、約10度、約15度、約20度、約25度、約30度、約35度、約40度、約45度のように、様々な角度で配置されることができる。これらは、非限定的ないくつかの例に過ぎない。他の実施形態では、膜816は、水平線に対して、約80度より小さい角度、約75度より小さい角度、約70度より小さい角度、約65度より小さい角度、約60度より小さい角度、約55度より小さい角度、約50度より小さい角度、約45度より小さい角度、約40度より小さい角度、約35度より小さい角度、又は約30度より小さい角度に、配置される。
いくつかの実施形態において、TFFは、異なるチャンバーを有する。該チャンバーはそれぞれ異なる特徴を有する。例えば、図9は、複数のチャンバーを有するTFF900を示す。TFF900は、入力ポート904及び第4出力ポート908を備える。さらに、TFF900は、第1膜916と第1出力ポート920とを有する第1チャンバー912を備える。TFF900の第2チャンバー924は、第2膜960と第2出力ポート932とを有する。TFF900の第3チャンバー936は、第3膜940と第3出力ポート944とを有する。
実施形態において、流体は、入口ポート904を通ってTFF900に入り、チャンバー912内を、矢印948の方向に流れる。流体が、膜916の頂面に沿って流れると、流体の第1の成分は、矢印952によって示されるように、膜916を通過し、第1出力ポート920から外に出る。残りの流体は、チャンバー924に入り、膜960の頂面に沿って流れる。流体の第2の成分は膜960を通過し、第2出力ポート932から外に出る。残りの流体は、チャンバー936に入り、膜940の頂面に沿って流れる。流体の第3の成分は膜940を通過し、第3出力ポート944から外に出る。そして、残った流体は、第4出力ポート908から、TFF900の外に出る。実施形態において、TFF900は、第4出力ポート908から出る流体を循環させて入口ポート904に戻すことにより、流体を何度もTFF900中に流すことができるシステムの一部である。
明らかなように、TFF900は、流体から、ある成分を大きな量で、取り出す際に有用である。例えば、膜916、960、940を全て、TFF900を流れる液体から、ある1つの特定成分(例えば、同一成分)を取り出すように選択する。該成分の第1の部分をチャンバー912で取り出し、該成分の第2の部分をチャンバー924で取り出し、該成分の第3の部分をチャンバー936で取り出す。この実施形態において、流体が出力ポート908から出てくるまでの間に、流体中の該成分は著しく減少させられるであろう。一実施形態において、流体が細胞成長チャンバーを循環し且つ細胞及び細胞生産物を含む場合、TFF900は、流体中の細胞を濃縮するように設計されてもよい。その場合、膜916、960、940は、細胞ではなく、液体及び小分子を通過させるように選択される。
他の実施形態において、膜916、960、940はそれぞれ、異なる成分が通過できるように選択される。これら実施形態において、各膜916、960、940は、流体からある1つの特定成分を取り出すように設計される(例えば、材料、孔サイズ、厚さ、疎水性等)。例えば、TFF900を用いて、細胞成長チャンバー又は他の細胞成長チャンバーを循環する流体から、異なる分子(例えば、サイトカイン、成長因子、その他の細胞生産物)が取り出される。異なる分子は、流体から、別々に取り出される。分子は、それぞれ別個に集められ、治療のような他のプロセスや研究において利用される。
いくつかの実施形態において使用されるTFFによって、流体及び流体内の成分をTFF内に流しながら、それらを調整することが可能となる。一実施形態において、TFF900は、別の入力ポート974を有する。矢印978に示されるように、この入力ポート974を介して、別の物質をTFF900に導入することができる。該物質によって、流体の1以上の成分を調整することができる。例えば、流体が、流体中の他の成分に負の効果を与えるような成分を含む場合、ポート974から付加される物質によって、そのような効果を中和することができる。他の実施形態において、物質を加えることによって、さらなるプロセスのために流体を調整してもよい。
一実施形態において、細胞及び細胞生産物を含む流体が、TFF900を通ることにより、細胞が濃縮され、その他の成分が取り除かれる。いくつかの実施形態において、流体は、トリプシンを含む場合がある。トリプシンは、長い間、流体中に残しておくと細胞生存性に影響を与える可能性がある。この実施形態において、タンパク質のような物質が、ポート974から付加されて、トリプシンを中和する。従って、この実施形態において、TFF900に流体を流すことによって、流体中の細胞の濃度が増える。これは、流体の成分が膜916、960、940を通過するからである。そして、細胞がタンパク質の付加により調整される。
別の実施形態において、細胞及び細胞生産物を含む流体が、TFF900を通ることにより、細胞が濃縮される。いくつかの実施形態において、細胞は、TFF900の後、冷凍保存される。この実施形態において、抗凍結剤(例えば、グリコール)が、ポート974から付加され、細胞が調整された後、凍結される。従って、この実施形態において、TFF900に流体を流すことによって、流体中の細胞の濃度が増える。これは、流体の成分が膜916、960、940を通過するからである。そして、細胞が抗凍結剤の付加により調整される。
実施形態において、1以上の膜916、960、940は、直径が100ナノメートルよりも小さい、細胞、細胞内成分、ウィルス粒子及び/又は高分子が通過可能となるような選択性の特徴を有する。膜表面を流れる流体の成分のうち、約100ナノメートルよりも小さいものは、膜を通り抜けるが、大きい分子や粒子は保持されたままである。他の実施形態において、1以上の膜916、960、940は、約500ナノメートル以下、約450ナノメートル以下、約400ナノメートル以下、約350ナノメートル以下、約300ナノメートル以下、約250ナノメートル以下、約200ナノメートル以下、又は約150ナノメートル以下の成分が通過可能となるような選択性の特徴を有する。他の実施形態において、1以上の膜916、960、940は、約50ナノメートル以上、約55ナノメートル以上、約60ナノメートル以上、約65ナノメートル以上、約70ナノメートル以上、約75ナノメートル以上、約80ナノメートル以上、約85ナノメートル以上、約90ナノメートル以上、約95ナノメートル以上、又は約100ナノメートル以上の成分は通過できないような選択性の特徴を有する。これらは、あくまで例であり、1以上の膜916、960、940は、流体中の様々なサイズの成分に対して選択性を有してよい。
1以上の膜916、960、940を通過する流体の流量は、膜916、960、940の特徴やTFF900における流体の流量を含む複数の因子に依存する。一実施形態において、TFF900における流量は、膜を通過する流体流の約50mL/分よりも大きい。他の実施形態において、該流量は、約100mL/分よりも、約150mL/分よりも、約200mL/分よりも、約250mL/分よりも、約300mL/分よりも、約350mL/分よりも、約400mL/分よりも、約450mL/分よりも、約500mL/分よりも、又は約550mL/分よりも大きい。
図10は、いくつかの実施形態において、TFF(例えば、TFF587、TFF687、TFF700、TFF800、TFF900)として又は細胞成長チャンバー(124、298、501、601)として使用される中空糸膜装置1000を示す。中空糸膜装置1000は、複数の中空糸1022を含む。図10は、中空糸膜装置1000の切欠側面図である。中空糸膜装置1000は、中空糸膜ハウジング1002によって、束ねられている。中空糸膜ハウジング1002はさらに、4つの開口部又はポート、すなわち入口ポート1004、出口ポート1006、入口ポート1008、出口ポート1010を有する。
流体は、入口ポート1004を通って中空糸膜装置1000に入り、複数の中空糸の内側(種々の実施形態において、中空糸膜の毛細管内側(IC)又はIC空間とも呼ぶ)を通って、出口ポート1006を介して中空糸膜装置1000から出る。このようにして、第1循環路1018が構成される。用語「中空糸」、「中空糸毛細管」、及び「毛細管」は、ここでは、交換可能に用いられている。複数の中空糸は集合的に「膜」と呼ばれる。第2循環路1020の流体は、入口ポート1008を通って中空糸膜装置に入り、中空糸の外側(膜のEC側又はEC空間とも呼ぶ)と接触し、出口ポート1010を介して中空糸膜装置1000から出る。中空糸膜装置1000を用いて細胞成長を行う実施形態において、細胞は、膜のIC側又はEC側のどちらにも存在させることができる。
中空糸膜装置1000は、円筒状として図示されているが、当分野で知られるような任意の形状が可能である。中空糸膜ハウジング1002は、任意のタイプのポリマー材料から作製することができる。実施形態において、ハウジング1002は、異なる形状、異なるサイズでもよい。
中空糸の端部は、接続材(本明細書で「ポッティング」又は「ポッティング材」とも呼ぶ)によって中空糸膜装置1000の側部にポッティングされる。ポッティング材は、流体(例えば、培地及び細胞又は取り出される成分を有する流体)の中空糸内への流れを妨害しないのであれば且つIC入口ポートを介して中空糸膜装置1000に流入する流体を中空糸だけに流入させるようにできるのであれば、中空糸1012を束ねるのに適する任意の材料でよい。ポッティング材の例として、ポリウレタン又は他の適切な結束材又は接着材が挙げられるが、これらに限定されない。種々の実施形態において、流体がIC側に対して流入及び流出可能となるように、中空糸及びポッティングは、各端部において、中空糸の中心軸に対して垂直に切断されてよい。端部キャップ1014及び1016が、中空糸膜装置1000の該端部に配置される。
流体は、入口ポート1008を通って中空糸膜装置1000に入り、中空糸の外側に接触する。中空糸膜装置1000のこの部分は、「毛細管外側(EC)空間」と呼ばれる。分子(例えば、水、酸素、乳酸塩、タンパク質、細胞生産物等)は、中空糸を通じて中空糸の内部からEC空間へ、又はEC空間からIC空間へ拡散することができる。細胞をIC空間で成長させる実施形態の場合、EC空間は、栄養を細胞に供給し細胞代謝の副生成物を取り出すための培地貯蔵部として使用される。培地は、必要であれば補われてもよい。また、必要であれば、培地を、酸素供給装置を介して循環させ、ガスを交換してもよい。中空糸膜装置1000をTFFとして使用する実施形態において、流体はIC空間を介して流され、流体の第1の成分は、中空糸を通過してEC空間へ拡散し、そこで集められる。従って、これらの実施形態において、中空糸膜装置1000は、2つの濃縮された流体、すなわち、第1の成分において濃縮されたもの及びその他の成分において濃縮されたもの、を生成する。
種々の実施形態において、中空糸の内径は、約10000、約9000、約8000、約7000、約6000、約5000、約4000、約3000、約2000、約1000、約900、約800、約700、約650、約600、約550、約500、約450、約400、約350、約300、約250、約200、約150、又は約100μm以上である。同様に、実施形態において、中空糸の外径は、約10000、約9000、約8000、約7000、約6000、約5000、約4000、約3000、約2000、約1000、約900、約800、約700、約650、約700、約650、約600、約550、約500、約450、約400、約350、約300、約250、約200、約150、又は約100μm以下である。実施形態において、中空糸の壁厚は、必要な分子が拡散するのに十分なサイズである。
中空糸が中空糸膜装置1000の入口ポート及び出口ポートと流体的に関連付けられることができるのであれば、任意の数の中空糸を使用することができる。種々の実施形態において、中空糸膜装置1000は、約1000、約2000、約3000、約4000、約5000、約6000、約7000、約8000、約9000、約10000、約11000、又は約12000以上の数の中空糸を有する。他の実施形態において、中空糸膜装置1000は、約12000、約11000、約10000、約9000、約8000、約7000、約6000、約5000、約4000、約3000、又は約2000以下の数の中空糸を有する。他の実施形態において、中空糸の長さは、約100、約200、約300、約400、約500、約600、約700、約800、又は約900mm以上である。いくつかの実施形態において、細胞成長チャンバーは、平均長約295mm、平均内径約215μm、平均外径約315μmの中空糸を約9000本、有する。
中空糸は、中空糸膜装置1000の入口ポートから出口ポートへ流体が移動可能な糸(fiber)を形成できる程度に十分なサイズを構成することが可能な任意の材料で構成することができる。いくつかの実施形態において、中空糸膜装置1000が細胞成長チャンバーとして使用されている場合、中空糸は、接着性幹細胞(例えば、MSC)のような、ある特定のタイプの細胞を結合可能な高分子材料から構成可能である。他の実施形態において、中空糸は、フィブロネクチンのような化合物で処理されて、細胞接着性表面が形成される。
実施形態において、中空糸は、半透過性の生体適合性ポリマー材料から作製される。そのようなポリマー材料としては、ポリアミド、ポリアリルエーテルスルホン、ポリビニルピロリドン、及びそれらの混合物(例えば、「PA/PAES/PVP」)がある。中空糸膜装置1000が細胞成長に使用されている場合、半透過性材料によって、栄養、廃棄物、溶存ガスは該膜を通じてEC空間とIC空間との間で移動可能となる。中空糸膜装置1000がTFFとして使用されている場合、半透過性材料によって、流体中の特定の分子又は他の成分は該膜を通じてEC空間とIC空間との間で移動可能となる。
中空糸膜装置1000が細胞成長に使用されるいくつかの実施形態において、中空糸は、規定の表面粗さを有する一様な開孔構造によって特徴付けられる。細孔の開口は、0.5μmから3μmの範囲のサイズであり、中空糸の外側表面の細孔数は、1平方ミリメートル当たり10,000から150,000の範囲の数である。いくつかの実施形態において、この外側層は、約1μmから約10μmの厚さを有する。各中空糸における次の層は、いくつかの実施形態において、スポンジ構造を有する。いくつかの実施形態では、該スポンジ構造は、約1μmから約15μmの厚さを有する。この第2層は、前記外側層の支持体として機能する。第2層の隣の第3層は、いくつかの実施形態において、指状構造を有する。この第3層によって機械的安定性が得られ、また、分子の膜移動抵抗が低くなるような高い空隙容量が提供される。使用中は、指状空隙は流体で満たされ、該流体によって、拡散及び対流における抵抗は、空隙容量が小さいスポンジ充填(sponge−filled)構造を有するマトリックスの場合よりも、低くなる。この第3層は、いくつかの実施形態において、20μmから60μmの厚さを有する。
実施形態において、中空糸膜装置1000の中空糸は、約65重量%から約95重量%の少なくとも1つの疎水性ポリマーと、約5重量%から約35重量%の少なくとも1つの親水性ポリマーと、を有する。いくつかの実施形態に含まれる疎水性ポリマーとしては、限定はされないが、ポリアミド(PA)、ポリアラミド(PAA)、ポリアリルエーテルスルホン(PAES)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリスルホン(PSU)、ポリアリルスルホン(PASU)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテル、ポリウレタン(PUR)、ポリエーテルイミド、及びポリエーテルスルホンのような任意の上記ポリマーの共重合体混合物、又はポリアリルエーテルスルホンとポリアミドの混合物が挙げられる。いくつかの実施形態で使用される親水性ポリマーとしては、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリグリコールモノエステル(polyglycolmonoester)、水溶性セルロース誘導体、ポリソルベート、ポリエチレン−ポリプロピレンオキサイド共重合体からなる群から選択されることができる。
実施形態において、中空糸膜装置1000がTFFとして使用される場合、中空糸は、直径が100ナノメートルよりも小さい、細胞、細胞内成分、ウィルス粒子及び/又は高分子が中空糸壁を通過可能となるような選択性の特徴を有する。膜表面を流れる流体の成分のうち、約100ナノメートルよりも小さいものは、膜を通り抜けるが、大きい分子や粒子は保持されたままである。他の実施形態において、中空糸は、約500ナノメートル以下、約450ナノメートル以下、約400ナノメートル以下、約350ナノメートル以下、約300ナノメートル以下、約250ナノメートル以下、約200ナノメートル以下、又は約150ナノメートル以下の成分が中空糸の壁を通過可能となるような選択性の特徴を有する。他の実施形態において、中空糸は、約50ナノメートル以上、約55ナノメートル以上、約60ナノメートル以上、約65ナノメートル以上、約70ナノメートル以上、約75ナノメートル以上、約80ナノメートル以上、約85ナノメートル以上、約90ナノメートル以上、約95ナノメートル以上、又は約100ナノメートル以上の成分は中空糸の壁を通過できないような選択性の特徴を有する。これらは、あくまで例であり、中空糸は、流体中の様々なサイズの成分に対して選択性を有してよい。
図5及び図6で説明したように、CESシステム500、600は、細胞成長チャンバーの毛細管外側空間を通る第2流体流路を有してもよい。第2流体流路は、酸素供給器又はガス輸送モジュールと流体的に関連付けられる。実施形態において、CESシステムは、図10で説明したような3つの中空糸膜装置を利用してよい。第1中空糸膜装置は、酸素供給器/ガス輸送モジュールとして使用され、第2中空糸膜装置は、細胞成長チャンバーとして使用され、第3中空糸膜装置は、TFFとして使用される。これら実施形態において、それら中空糸膜装置は、孔サイズ、糸サイズ、容積、表面積等において、同様の特徴を有してもよいし、異なる特徴を有してもよい。酸素供給器/ガス輸送装置に使用される中空糸膜装置又は細胞成長チャンバーとして使用される中空糸膜装置又はTFFとして使用される中空糸膜装置は、用途に応じて選択される。例えば、一用途において、細胞を濃縮する場合は、TFFとして使用される中空糸膜装置は、TFFを細胞生産物要素(例えば、サイトカイン、成長因子等)を収穫するために使用する場合と比べて、異なる孔サイズ、異なる表面積、異なる容積等で選択される。
細胞増殖システム、部品、方法の種々の実施形態を説明してきたが、図11及び図12は、本発明の実施形態に係る、細胞成長チャンバーを循環した流体の成分を濃縮するプロセスにおける工程例を示す。フローチャート1100、1200のプロセスの説明において、細胞増殖システムの特定の部品について言及されるが、これらプロセスは、ある特定のシステムや、システムにおけるある特定の部品に限定されない。ここで言及されないシステムや部品や装置によって実施することもできる。
図11において、フローチャート1100は、開始ステップ1104で始まり、細胞成長チャンバーにおいて流体を循環させるステップ1108に進む。ステップ1108は、CES100、500又は600のようなCESで実行される。実施形態において、該CES、上記において例示されてきた、ポンプ、バルブ又はその他の流量制御装置を含む。細胞成長チャンバーを循環する流体には、複数の成分が含まれる。いくつかの実施形態において、流体には、細胞、細胞成長用培地、タンパク質、細胞生産物(例えば、サイトカイン、成長因子)、緩衝液等が含まれる。
次に、ステップ1112において、流体は、周囲環境に暴露されることなく、細胞成長チャンバーから取り出される。ステップ1112では、閉鎖系CES(例えば、CES100、500、600)の一部であるポンプ、バルブ、その他の流体流量制御装置を用いて、閉鎖系CESの一部である細胞成長チャンバーから流体を流出させる。ステップ1116において、ステップ1112にて細胞成長チャンバーから取り出された流体を、同様に周囲環境に暴露することなく、TFFに循環させる。ステップ1116もまた、CES100、500、600のような閉鎖系CESのポンプ、バルブ、その他の部品によって行われる、すなわち、細胞成長チャンバーから出てくる流体をTFFに流す。
ステップ1116によって、濃縮された2つの流体成分がもたらされる。流体がサイトカインや成長因子のような細胞生産物を有する実施形態において、ステップ1116にて生成される2つの流体成分のうちの1つは、細胞生産物に濃縮され、その他の流体は、他の成分に濃縮される。
ステップ1120は、オプションとしてのステップである。そこでは、濃縮された流体成分を周囲環境に暴露することなく、濃縮された流体成分のうちの1つが調整される。いくつかの実施形態において、ステップ1120は、流体をTFFに循環させるステップ1116中に、行われる。他の実施形態において、ステップ1120は、ステップ1116の後に行われる。さらに別の実施形態において、ステップ1120は、ステップ1116中に行われるステップ及びステップ1116後に行われるステップの両方を含む。
実施形態において、ステップ1120の調整工程は、種々の目的のために、物質を加えることを含む。例えば、濃縮された流体成分を凍結する前のステップとして、抗凍結剤のような物質が、濃縮された流体成分に付加される。他の実施形態において、ステップ1120において付加された物質は、流体の有用性に影響を与える成分を無力化する(例えば、タンパク質を付加することで、トリプシン又は他の解離生体分子を無力化する)。他の実施形態において、物質は、治療や研究目的で使用するため、濃縮された成分を調整する(例えば、保存剤の付加等)。
他の実施形態において、調整ステップ1120は、洗浄ステップを含む。これら実施形態において、ステップ1120において付加される物質は、成分を取り出す又は希釈する物質である。一例として、溶媒が、ステップ1120において付加される。この場合、ステップ1120はステップ1116と同時に行われる。溶媒は、ある成分を溶解させ、その成分溶質をTFFの膜にわたって運び、流体へ至らす。他の実施形態において、溶媒は、ある成分を溶解しないが、該成分をTFFの膜にわたって運ぶ。
オプションのステップ1124において、ステップ1116にて生成された濃縮された流体は、周囲環境に暴露することなく、再循環されてTFFに戻される。ステップ1124は、流体の成分をさらに濃縮するために、行われる。このステップは、CESの一部であるポンプ、バルブ、その他の流体流量制御装置によって行われる。
一実施形態において、ステップ1124は、ステップ1120における洗浄ステップの一部として行われる。この実施形態では、ステップ1116、1120、1124は繰り返し行われる。すなわち、ステップ1120において、洗浄物質(例えば、溶媒又は希釈剤)が付加され、ステップ1124において、洗浄物質を含む濃縮された流体が再循環されてTFFに戻され、ステップ1116が行われることで、濃縮流体から取り出される成分を含む洗浄物質の少なくとも一部が取り出される。これはあくまで一例であり、ステップ1124は、洗浄ステップとは独立して行われてもよい。
他の実施形態において、ステップ1124は、濃縮された流体成分を再循環させてバイオリアクターに戻すことを含む。いくつかの実施形態において、流体が、細胞生産物を生成する細胞を含み且つフローチャート1100が細胞生産物を集めるために行われる場合、ステップ1124は、濃縮された流体における細胞を細胞成長チャンバーに戻して、さらに細胞成分を生成させるために、行われる。
ステップ1128において、オプションとして洗浄された又は調整された濃縮流体成分が集められる。採集ステップは、周囲環境に暴露することなく、行われる。フローチャート1100は、ステップ1132で終了する。
図12には、本発明の実施形態に係る、閉鎖系内において細胞を増殖/成長させ、該細胞を濃縮するプロセスのフローチャート1200を示す。フローチャート1200は、開始ステップ1204で始まり、細胞を細胞増殖システムに投入するステップ1208に進む。細胞は、細胞を細胞成長チャンバーへ運ぶ流体に投入される。CES100、500、600に関して上述したように、CESは、バルブ、ポンプ、センサ、空気除去チャンバー、ガス輸送モジュール等のような流体流量関連部品である複数の部品を含む。ステップ1208には、CESのこれら部品のうちの1以上の部品の動作が含まれる。
フローチャート1200は、ステップ1208から、CESの一部である細胞成長チャンバーにおいて細胞を増殖するステップ1212に進む。ステップ1212もまた、CESの複数の部品の動作を含む。例えば、異なる流体を、細胞成長チャンバーを含むCESに循環させる。流体は、細胞成長を促進する栄養を含む。
ステップ1212の後、フローチャートは、ステップ1216に進む。そこでは、周囲環境に暴露されることなく、細胞が、細胞成長チャンバーから取り出される。実施形態において、細胞は、細胞成長チャンバーを循環する流体において取り出される。ステップ1112では、閉鎖系CES(例えば、CES100、500、600)の一部であるポンプ、バルブ、その他の流体流量制御装置を用いて、閉鎖系CESの一部である細胞成長チャンバーから流体を流出させる。いくつかの実施形態において、細胞成長チャンバーからの細胞の取り出しは、細胞成長チャンバーに付着する細胞を解離するための解離剤の使用を含む。当業者であればわかるように、いくつかのタイプの細胞は、接着性であり、細胞成長チャンバーの中空糸のような表面に付着した状態で成長する。従って、ステップ1216は、流体において細胞成長チャンバーから細胞を取り出す前に、複数のステップを含む。
ステップ1220において、細胞成長チャンバーから取り出された細胞含有流体は、再び周囲環境に暴露されることなく、TFFに循環される。ステップ1220もまた、CES100、500、600のような閉鎖系CESのポンプ、バルブ、その他の部品によって行われる、すなわち、細胞成長チャンバーから出てくる流体をTFFへ向かわせる。
ステップ1220によって、濃縮された2つの流体成分がもたらされる。濃縮された第1の細胞成分は、ステップ1216において細胞成長チャンバーから取り出された細胞を含む。濃縮された第2の流体成分は、他の成分を含む。
ステップ1228は、オプションとしてのステップである。そこでは、流体成分を周囲環境に暴露することなく、濃縮された流体成分又は濃縮された細胞成分のうちの1つが調整される。いくつかの実施形態において、ステップ1228は、流体をTFFに循環させるステップ1220中に、行われる。他の実施形態において、ステップ1228は、ステップ1220の後に行われる。さらに別の実施形態において、ステップ1228は、ステップ1220中に行われるステップ及びステップ1220後に行われるステップの両方を含む。
実施形態において、ステップ1228の調整工程は、種々の目的のために、物質を加えることを含む。例えば、濃縮された細胞成分を凍結する前のステップとして、抗凍結剤のような物質が、濃縮された細胞成分に付加される。他の実施形態において、ステップ1120において付加される物質は、濃縮された細胞成分の細胞の有用性に影響を与える成分を無力化する(例えば、タンパク質を付加することで、いくつかの実施形態において細胞解離剤として使用されるトリプシンを無力化する)。他の実施形態において、治療や研究目的で使用するために、そのような物質を用いて、濃縮された細胞成分が調整される(例えば、保存剤の付加等)。
他の実施形態において、調整ステップ1228は、洗浄ステップを含む。これら実施形態において、ステップ1228において付加された物質は、成分を取り出す又は希釈する物質である。一例として、溶媒が、ステップ1228において付加される。この場合、ステップ1228はステップ1220と同時に行われる。溶媒は、ある成分を溶解させ、その成分溶質をTFFの膜にわたって運び、流体へ至らしめ、濃縮細胞成分になるものから運び出す。他の実施形態において、溶媒は、成分を溶解しないが、該成分をTFFの膜にわたって運ぶ。
オプションとしてのステップ1232において、ステップ1220にて生成された濃縮された細胞成分は、該細胞成分を周囲環境に暴露することなく、再循環されてTFFに戻される。ステップ1124は、濃縮された細胞成分の細胞をさらに濃縮するために、行われる。このステップは、CESの一部であるポンプ、バルブ、その他の流体流量制御装置によって行われる。
一実施形態において、ステップ1232は、ステップ1228における洗浄ステップの一部として行われる。この実施形態では、ステップ1220、1228、1232は繰り返し行われる。すなわち、ステップ1228において、洗浄物質(例えば、溶媒又は希釈剤)が付加され、ステップ1232において、洗浄物質を含む濃縮された流体が再循環されてTFFに戻され、ステップ1220が行われることで、濃縮流体から取り出される成分を含む洗浄物質の少なくとも一部が取り出される。これはあくまで一例であり、ステップ1232は、洗浄ステップとは独立して行われてもよい。
ステップ1236において、オプションとして洗浄された又は調整された濃縮流体成分が集められる。採集ステップは、周囲環境に暴露することなく、行われる。
図13は、本発明の実施形態が実行されるコンピュータシステム1300の構成要素例を示す。コンピュータシステム1300は、例えば、細胞増殖システムがプロセッサを用いて、上述のプロセス1100や1200のようなプロセスの一部として行われるカスタムタスク(custom task)や前もってプログラムされたタスクのようなタスクを実行する実施形態において使用される。例えば、前もってプログラムされたタスクとしては、「細胞生産物の濃縮及び取り出し」や「細胞の濃縮及び取り出し」等が挙げられる。
コンピュータシステム1300は、ユーザインターフェース1302、処理システム1304、及び/又は記憶装置1306を有する。ユーザインターフェース1302は、当業者であればわかるように、出力装置1308、及び/又は入力装置1310を有する。出力装置1308は、1以上のタッチスクリーンを有してよい。タッチスクリーンは、1以上のアプリケーションウィンドウを提供するためのディスプレイ領域を有してよい。タッチスクリーンはまた、例えば、ユーザやオペレータからの物理的な接触を受容及び/又は取り込み可能な入力装置1310であってもよい。タッチスクリーンは、当業者であれば理解できるように、処理システム1304による接触位置の推定を可能とする静電容量構造の液晶ディスプレイ(LCD)でもよい。この場合、処理システム1304は、接触位置を、アプリケーションウィンドウの所定位置に表示されるUI要素に示すことができる。また、タッチスクリーンは、本発明に係る、1以上のその他の電子構造を介して接触を受容することもできる。他の出力装置1310としては、プリンター、スピーカ等が挙げられる。その他の入力装置1308としては、当業者であれば理解できるように、キーボード、その他のタッチ式入力装置、マウス、音声入力装置等が挙げられる。
本発明の実施形態において、処理システム1304は、処理ユニット1312、及び/又はメモリ1314を有してもよい。処理ユニット1312は、メモリ1314に記憶された命令を実行するために動作可能な汎用プロセッサであってよい。処理ユニット1312は、本発明の実施形態では、単一のプロセッサ又は複数のプロセッサを含んでよい。さらに、実施形態では、各プロセッサは、別個に命令を読み込んで実行するための1以上のコアを有するマルチコアプロセッサが可能である。プロセッサは、当業者であれば理解できるように、汎用プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、その他の集積回路を含んでよい。
本発明の実施形態において、メモリ1314は、データ及び/又はプロセッサ実行可能命令を短期に又は長期に記憶する任意の記憶装置を含んでよい。メモリ1314は、当業者であれば理解できるように、例えば、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、リード・オンリ・メモリ(ROM)、又は電気的消去・プログラム可能型リード・オンリ・メモリ(EEPROM)を含む。他の記憶媒体としては、例えば、当業者であれば理解できるように、CD−ROM、テープ、デジタル多用途ディスク(DVD)、又は、他の光学記憶装置、テープ、磁気ディスク装置、磁気テープ、その他の磁気記憶装置等がある。
記憶装置1306は、任意の長期データ記憶装置又は部品である。本発明の実施形態において、記憶装置1306は、メモリ1314と関連して記載されたシステムのうちの1以上を含んでよい。記憶装置1306は、常設してもよいし、取り外し可能でもよい。一実施形態において、記憶装置1306は、処理システム1304によって生成された又は与えられたデータを記憶する。
本明細書で記載される装置、システム及び方法は、種々の変形が可能なことは当業者であれば理解できよう。従って、本発明の実施形態は、本明細書で説明された主題に限定されないと理解されるべきである。むしろ、本開示は、変形及、変更及び/又は等価物をカバーすることを意図しているものである。作用、特徴、構造及び/又は媒体は、本願請求項を実施するための実施形態の例として開示されている。
種々の構成要素は、ここにおいて、「動作可能に関連付けられている」と言及される場合がある。ここに使用される「動作可能に関連付けられている」とは、構成要素が動作可能な方式で相互に結合されていることを指し、これは、構成要素が直接結合された実施形態及び2つの結合された構成要素の間に付加的な構成要素が置かれる実施形態をも包含する。
本発明の上述の記載は、本発明を例示する目的でなされたものであり、本発明を、ここに記載した形態に限定するものではない。本開示は、各請求項の範囲に明示される特徴より多くの特徴を本発明が必要とするという意図があると解釈されるべきではない。むしろ、本出願の請求項の範囲が記載するように、本発明の態様は、ここで開示した一実施形態の全ての特徴よりは少ない。従って、請求項の範囲は、詳細な説明に含まれるものであり、各請求項の範囲は、本発明の好ましい実施形態とは離れて、それ自身で成り立つものである。
さらに、本発明の記載は、1以上の実施形態及びある変更形態、ある改変形態の記載を含むが、その他の変更形態、改変形態も本発明の範囲にある(例えば、本発明を理解した後の当業者の技能及び知識の範疇なので、当業者であれば理解できよう)。許容される範囲において、すなわち他の、交換可能な、及び/又は同等な、構造、機能、範囲、工程が、開示されているか否かにかかわらず、特許可能な主題を公にすることだけを意図しているのではなく、そのような構造、機能、範囲、工程を有する他の実施形態をも含む権利を取得することを意図する。
本発明の方法及び構造は、本発明の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能なことは当業者であれば理解できよう。従って、本発明は上述した実施形態によって限定されないと理解されるべきである。むしろ、以下の請求項及びそれらと等価なものの範囲内にある変形及び変更は本発明に含まれるものである。