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JP2015506935A - 1,6−ヘキサンジオールを調製する方法 - Google Patents

1,6−ヘキサンジオールを調製する方法 Download PDF

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JP2015506935A JP2014550476A JP2014550476A JP2015506935A JP 2015506935 A JP2015506935 A JP 2015506935A JP 2014550476 A JP2014550476 A JP 2014550476A JP 2014550476 A JP2014550476 A JP 2014550476A JP 2015506935 A JP2015506935 A JP 2015506935A
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シルヴァ ワズドゥラ・インディカ・ナーメル・デ
シルヴァ ワズドゥラ・インディカ・ナーメル・デ
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ヨアキム・シー・リッター
ソーラヴ・クマール・センガプタ
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Abstract

1,6−ヘキサンジオール、および1,6−ヘキサンジオールの生産に有用な合成中間体を再生可能な生物資源から調製する方法が、開示される。一実施形態において、その方法は、第一水素化処理触媒の存在下、第一温度でレボグルコセノンを水素と接触させて、生成混合物(I)を形成する工程と、水素および第二水素化処理触媒の存在下、第二温度で、生成混合物(I)を加熱して、1,6−ヘキサンジオールを含んでなる生成混合物(II)を形成する工程とを備える。

Description

本出願は、米国特許法第119条(e)の下で、2011年12月30日に出願された米国仮特許出願第61/582,067号明細書、2012年4月27日に出願された米国仮特許出願第61/639,404号明細書、2012年4月27日に出願された米国仮特許出願第61/639,436号明細書、および2012年4月27日に出願された米国仮特許出願第61/639,449号明細書からの優先権および利益を主張し、その全てが、引用により、本明細書においてその一部として、援用されている。
本発明は、1,6−ヘキサンジオールを調製する方法に関する。
安価な資源から得られる工業化学品は、例えば原料、溶媒、または出発材料として、工業プロセスでの使用が望まれている。安価であるだけでなく環境にも優しい材料から工業化学品またはそれらの前駆物質を得ることが益々望まれるようになっている。再生可能な資源から得られることが可能な材料、つまり、生物学的活動(例、植栽、耕作、または収穫等)によって生じる材料に、特に関心がある。本明細書で使用される用語「再生可能な」および「生物資源の」は、相互に交換して使用されることができる。
このような材料のためのバイオマス資源は、石油系材料と対比してさらに経済的に魅力あるものになっている。バイオマスの多くの成分は酸素化度が高いので、バイオマスからCおよびC炭素環の中間体を収束的にかつ選択的に合成することは、困難であるが、供給原料としてこのようなバイオマス由来の中間体を使用することにより、工業的に有用な化学品への新規の経路が提供されるだろう。
1,6−ヘキサンジオールは、ナイロンの工業的な製造方法において、有用な中間体である。例えば、1,6−ヘキサンジオールは、公知な方法により、1,6−ヘキサメチレンジアミン(ナイロン生産において有用なモノマー)に変換されることができる。
再生可能な生物資源から1,6−ヘキサンジオール、および1,6−ヘキサンジオールの生産に有用な合成中間体を生成するプロセスに対する需要が存在している。バイオマス由来の出発材料(レボグルコセノンのようなCが酸素化された炭化水素を含む)から、1,6−ヘキサンジオールだけでなく1,6−ヘキサンジオールの生産に有用な合成中間体も生成するプロセスに対する需要が存在している。
一実施形態において、プロセスが開示され、そのプロセスは、
a)第一水素化処理触媒の存在下、第一温度約25℃〜約150℃でレボグルコセノンを水素と接触させて、生成混合物(I)を形成する工程と、
b)水素および第二水素化処理触媒の存在下、第二温度約120℃〜約260℃で生成混合物(I)を加熱して生成混合物(II)を形成する工程と
を備える。
一実施形態において、生成混合物(1)は、レボグルコセノール、レボグルコサノール、テトラヒドロフラン−2、5−ジメタノール、2−ヒドロキシメチルテトラヒドロピラン、1,2,5,6−テトラヒドロキシヘキサン、1,2,6−ヘキサントリオール、および2−ヒドロキシメチル−5−ヒドロキシテトラヒドロピランのうちの1種または複数種を含んでなる。
一実施形態において、生成混合物(II)は、1,2,6−ヘキサントリオール、テトラヒドロフラン−2,5−ジメタノール、2−ヒドロキシメチル−5−ヒドロキシテトラヒドロピラン、1,6−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1−ヘキサノール、および2−ヒドロキシメチルテトラヒドロピランのうちの1種または複数種を含んでなる。
本明細書で使用される場合、本明細書での不定冠詞「a」または「an」は、本明細書に開示されるプロセスにおける工程の存在の記述および記載に関して使用される。相反する明らかな記述または記載がないならば、このような不定冠詞の使用は、プロセスにおける工程の存在を数において制限しない。
本明細書で使用される場合、量、濃度、または他の値もしくはパラメーターが、ある範囲、好適な範囲または好ましい上限値および好ましい下限値のリストのいずれかとして示されている場合、これは、その範囲が別々に開示されているかどうかにかかわらず、任意の上限範囲限界または好適な値と、任意の下限範囲限界または好適な値との任意の対から形成される全ての範囲を具体的に開示するものとして理解される。数値の範囲が、本明細書において記載される場合、特に明記しない限り、その範囲は、その終点、および範囲内の全ての整数および分数を含むことを意図する。範囲を明示する場合に、本発明の範囲が、列挙される特定の値を限定することは、意図されていない。
本明細書で使用される用語「含んでなる」、「含んでなっている」、「含む」、「含んでいる」、「有する」、「有している」、「含有する」または「含有している」、もしくはそれらの他の変形は、非限定な包含に適用されることを意図する。例えば、要素のリストを含んでなる組成物、混合物、プロセス、方法、物品、または装置は、必ずしもこれらの要素だけに限定されないが、はっきりと列記されていないか、もしくはこのような組成物、混合物、プロセス、方法、物品、または装置に本来備わっていない他の要素を含んでもよい。さらに、それと反対と特に明記されない限り、「または」は、包括的な「または」を意味し、排他的な「または」ではない。例えば、条件AまたはBは、以下のいずれか1つにより満たされる。Aは真であり(または存在する)かつBは偽(または存在しない)、Aは偽であり(または存在しない)かつBは真であり(または存在する)、およびAとBの両方とも真であり(または存在する)。
本明細書で使用される、採用される原料または反応物の量を修飾する用語「約」は、例えば、現実において濃縮物または使用溶液の作製に使用される典型的な測定および液体取り扱い手順を通して;これらの手順における不注意なエラーを経て;組成物を作製するまたは方法を実行するために採用される原料の製造、源、もしくは純度の違いによりなどにより起こりうる数字上の量における変動を意味する。用語「約」は、特定の初めの混合物に起因する組成物の異なる平衡状態によって異なる量も包含する。用語「約」によって修飾されてもされなくても、その主張は、その量に等しいことを含む。用語「約」は、報告される数値の10%以内、好ましくは報告される数値の5%以内を意味してよい。
本明細書で使用される用語「バイオマス」は、任意のヘミセルロース材料またはリグノセルロース材料を指し、ヘミセルロースを含んでなる材料を含み、任意選択でセルロース、リグニン、スターチ、オリゴ糖および/または単糖をさらに含んでなってもよい。
本明細書で使用される用語「リグノセルロースの」は、リグニンとセルロースの両方を含んでなることを意味する。リグノセルロース材料もまたヘミセルロースを含んでなってもよい。いくつかの実施形態において、リグノセルロース材料は、グルカンおよびキシランを含有する。
ヘミセルロースは、リグノセルロースバイオマスで発見された非セルロース多糖である。ヘミセルロースは、異なる糖モノマーからなる分岐のヘテロポリマーである。ヘミセルロースは、通常、500〜3000個の糖モノマー単位を含んでなる。
リグニンは、複合高分子ポリマーであり、針葉樹リグニンの場合にはグアヤシル単位を含んでなることができ、或いは広葉樹リグニンの場合にはグアヤシル単位とシリンギル単位の混合物を含んでなることができる。
本明細書で使用される、略記「Lgone」および「LGone」は、1,6−アンヒドロ−3,4−ジデオキシ−p−D−ピラノセン−2−オンとしても知られているレボグルコセノンを指す。レボグルコセノンの化学構造は、式(1)により表される。
Figure 2015506935
本明細書で使用される略記「Lgol」および「LGol」は、1,6−アンヒドロ−3,4−ジデオキシヘキソピラノースとして知られているレボグルコサノールを指し、トレオ立体異性体とエリトロ立体異性体の混合物を含む。1,6−アンヒドロ−3,4−ジデオキシヘキソピラノースの化学構造は、式(II)により表わされる。
Figure 2015506935
本明細書で使用される略記「K128」は、1,6−アンヒドロ−3,4−ジデオキシ−p−D−ピラノース−2−オンを指す。1,6−アンヒドロ−3,4−ジデオキシ−p−D−ピラノース−2−オンの化学構造は、式(III)により表わされる。
Figure 2015506935
本明細書で使用される略記「Tetraol」は、3,4−ジデオキシヘキシトールとしても知られている1,2,5,6−テトラヒドロキシヘキサンを指し、立体異性体の混合物を含む。1,2,5,6−テトラヒドロキシヘキサンの化学構造は、式(IV)により表わされる。
Figure 2015506935
本明細書で使用される略記「THFDM」は、2,5−ビス〔ヒドロキシメチル〕テトラヒドロフランとしても知られているテトラヒドロ−2,5−フランジメタノールを指し、立体異性体(シスおよびラセミトランス異性体)の混合物を含む。テトラヒドロ−2,5−フランジメタノールの化学構造は、式(V)により表わされる。
Figure 2015506935
本明細書で使用される略記「1,2,6−HT」は、1,2,6−ヘキサントリオールを指し、異性体のラセミ混合物を含む。1,2,6−ヘキサントリオールの化学構造は、式(VI)により表わされる。
Figure 2015506935
本明細書で使用される略記「THPM」は、2−ヒドロキシメチルテトラヒドロピランとしても知られているテトラヒドロ−2H−ピラン−2−メタノールを指し、異性体のラセミ混合物を含む。テトラヒドロ−2H−ピラン−2−メタノールの化学構造は、式(VII)により表わされる。
Figure 2015506935
本明細書で使用される略記「HOTHPM」は、1,5−アンヒドロ−3,4−ジデオキシヘキシトールとしても知られている2−ヒドロキシメチル−5−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピランを指し、立体異性体の混合物を含む。2−ヒドロキシメチル−5−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピランの化学構造は、式(VIII)により表わされる。
Figure 2015506935
本明細書で使用される略記「1,6−HD」は、1,6−ヘキサンジオールを指す。1,6−ヘキサンジオールの化学構造は、式(IX)により表わされる。
Figure 2015506935
本明細書で使用される略記「1,2−HD」は、1,2−ヘキサンジオールを指し、異性体のラセミ混合物を含む。1,2−ヘキサンジオール化学構造は、式(X)により表わされる。
Figure 2015506935
本明細書で使用される略記「1,2−CHD」は、1,2−シクロヘキサンジオールを指し、立体異性体(シスおよびラセミトランス異性体)の混合物を含む。1,2−シクロヘキサンジオールの化学構造は、式(XI)により表わされる。
Figure 2015506935
本明細書で使用される略記「1,5−HD」は、1,5−ヘキサンジオールを指し、異性体のラセミ混合物を含む。1,5−ヘキサンジオールの化学構造は、式(XII)により表わされる。
Figure 2015506935
本明細書で使用される略記「HexOH」は、1−ヘキサノールを指す。1−ヘキサノールの化学構造は、式(XIII)により表わされる。
Figure 2015506935
本明細書で使用される略記「PentOH」は、1−ペンタノールを指す。1−ペンタノールの化学構造は、式(XIV)により表わされる。
Figure 2015506935
本明細書で使用される略記「A128」は、レボグルコセノールとしても知られている1,6−アンヒドロ−3,4−ジデオキシ−β−エリトロ−ヘキサ−3−エノピラノースを指す。A128の化学構造は、式(XV)により表わされる。
Figure 2015506935
本明細書で使用される略記「1,5−PD」は、1,5−ペンタンジオールを指す。1,5−PDの化学構造は、式(XVI)により表わされる。
Figure 2015506935
レボグルコセノン(再生可能な生物資源から順番に誘導されることができる)から1,6−ヘキサンジオール、および1,6−ヘキサンジオールの生産に有用な合成中間体を得るプロセスを本明細書に開示する。本明細書で使用される用語「再生可能な生物資源」には、バイオマスおよび動物性または植物性脂肪もしくはオイルが含まれる。
再生可能な生物資源は、高温条件下、酸触媒の存在下で熱分解されて、有用な化学中間体を提供できる。例えば、木材、スターチ、グルコースまたはセルロースの熱分解は、公知の従来の方法により、レボグルコセノンを生成することができる(例えば、Ponder(Applied Biochemistry and Biotechnology,Vol 24/25,41−41(1990))またはShafizadeh(Carbohydrate Research,71,169−191(1979)を参照)。いくつかの実施形態において、バイオマスの熱分解によって獲得されるレボグルコセノンは、少量の酸性成分(例えば、レブリン酸)を含有する。
本明細書に開示されるプロセスにおいて、レボグルコセノンは、第一水素化処理触媒の存在下、第一温度約25℃〜約150℃で水素と接触して、生成混合物(I)を形成し、生成混合物(I)は、その後、水素および第二水素化処理触媒の存在下、第二温度約120℃〜約260℃で加熱されて、生成混合物(II)を形成する。生成混合物(I)は、1,6−アンヒドロ−3,4−ジデオキシ−p−D−ピラノース−2−オン、レボグルコセノール、レボグルコサノール、テトラヒドロフラン−2,5−ジメタノール、2−ヒドロキシメチルテトラヒドロピラン、1,2,5,6−テトラヒドロキシヘキサン、1,2,6−ヘキサントリオール、および2−ヒドロキシメチル−5−ヒドロキシテトラヒドロピランのうちの1種もしくは複数種を含んでなり、それらの各々は、1,6−ヘキサンジオールの合成において有用な化学中間体でありうる。生成混合物(II)は、1,2,6−ヘキサントリオール、テトラヒドロフラン−2,5−ジメタノール、2−ヒドロキシメチル−5−ヒドロキシテトラヒドロピラン、1,6−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1−ヘキサノール、および2−ヒドロキシメチルテトラヒドロピランのうちの1種もしくは複数種を含んでなる。
本明細書に開示されるプロセスにおいて、レボグルコサノールは、立体異性体(トレオ異性体およびエリトロ異性体)の混合物として生成および変換されてもよい;テトラヒドロフラン−2,5−ジメタノールは、立体異性体(テトラヒドロフラン環に結合するヒドロキシメチル基に対してシスおよびトランス異性体:ひとつはシスメソ化合物トランスラセミ化合物)の混合物として生成および変換されてもよく;2−ヒドロキシメチルテトラヒドロピランは、ラセミ化合物として生成および変換されてもよく;1,2,5,6−テトラヒドロキシヘキサンは、C2およびC5炭素原子の立体配置のみが異なる立体異性体の混合物(メソ化合物とラセミ化合物)として生成および変換されてもよく;1,2,6−ヘキサントリオールは、ラセミ化合物として生成および変換されてもよく;2−ヒドロキシメチル−5−ヒドロキシテトラヒドロピランは、立体異性体の混合物(2つのラセミ立体異性体)として生成および変換されてもよく;および1,2−ヘキサンジオールは、ラセミ化合物として生成および変換されてもよい。
第一水素化処理触媒の存在下で水素と接触させるために、レボグルコセノンは、通常、液体媒体(本明細書において「溶媒」と呼ぶ)に溶解または懸濁される。適切な溶媒として、水、C〜C20アルコール、C〜C20エーテル、C〜C20エステル、またはそれらの混合物が挙げられる。市販されている適切なアルコールの例として、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、およびヘキサノールが挙げられる。市販されている適切なエーテルの例として、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、メチル−t−ブチル−エーテル、テトラヒドロフラン、およびジオキサンが挙げられる。市販されている適切なエステルの例として、酢酸エチル、酢酸ブチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸ブチルおよび酢酸ヘキシルが挙げられる。
溶媒中のレボグルコセノンの濃度は、レボグルコセノンが溶媒に溶解されているにせよ懸濁液としてにせよ、約1wt%〜約50wt%であり、いくつかの実施形態において、その濃度は、以下の値の間であり、任意選択で以下の値のうち任意の2つを含んでもよい:1wt%、5wt%、10wt%、15wt%、20wt%、25wt%、30wt%、35wt%、40wt%、45wt%、および50wt%。水中での濃度がより高いレボグルコセノンもしくは純レボグルコセノンを使用することができることが、期待されている。最適な濃度は、意図する反応条件に応じて変わるだろう。
第一水素化処理触媒は、均質でも不均質でも可能である。第一水素化処理触媒は、担持白金触媒、担持パラジウム触媒、担持ルテニウム触媒、担持ニッケル触媒、ニッケル−アルミニウム合金由来の触媒、コバルト−アルミニウム合金由来の触媒、およびRh、Ir、Ru、またはTiの有機リンまたは有機金属錯体のうちの1種もしくは複数種を含んでなる。第一水素化処理触媒としての使用に適切な市販されている触媒の例として、RANEY(登録商標)ニッケル、RANEY(登録商標)コバルト、パラジウム/炭素、パラジウム/アルミナ、白金/炭素、ルテニウム/炭素、およびRh、Ir、Ru、またはTiの有機リン錯体または有機金属錯体、例えば、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)[CAS♯14694−95−2]、(トリシクロヘキシルホスフィン)(1,5−シクロオクタジエン)(ピリジン)イリジウム(I)ヘキサフルオロホスファート[CAS♯64536−78−3]、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタン(IV)ジクロリド[CAS♯11136−36−0]、クロロ[rac−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル](p−シメン)ルテニウム(II)クロリド[RuCl(p−シメン)(ビナプ)]Cl[CAS♯145926−28−9]、およびビス(ジフェニルホスフィノ)エタン[CAS♯1663−45−2]とビス(1,5−シクロオクタジエン)ロジウム(I)テトラフルオロボラート[CAS♯35138−22−8]の組み合わせが挙げられる。
水素(任意選択で不活性ガス(例、窒素またはアルゴン等)と組み合わせてもよい)は、大気圧(つまり、印加圧力0)から約1000psiまでの範囲でありうる総印加圧力で、レボグルコセノンおよび第一水素化処理触媒と接触する。いくつかの実施形態において、印加圧力は、以下の値の間であり、任意選択で以下の値のうち任意の2つを含んでもよい:0、50、100、200、300、400、500、600、700、800、900、および1000psi。不活性ガスが、水素との組み合わせで使用される場合、不活性ガスの量は、不活性ガスが生成混合物(I)の生成に悪影響を与えない量でなければならない。
レボグルコセノン、第一水素化処理触媒、および水素は、第一温度約25℃〜約150℃(例えば、約50℃〜約100℃)で接触される。いくつかの実施形態において、温度は、以下の値の間であり、任意選択で以下の値のうち任意の2つを含んでもよい:25℃、30℃、40℃、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃、100℃、110℃、120℃、130℃、140℃、および150℃。その接触は、全てのレボグルコセノンの少なくとも約90%(例えば、少なくとも約95%)と任意の1,6−アンヒドロ−3,4−ジデオキシ−p−D−ピラノース−2−オン異性体および/または1,6−アンヒドロ−3,4−ジデオキシ−β−エリトロ−ヘキサ−3−エノピラノース異性体を反応させて1種もしくは複数種の化学種(レボグルコサノールを含む)になるまでの十分な時間、実施される。
指定された接触時間の終わりに、必要に応じ、第一水素化処理触媒は、当技術分野で公知の方法よって(例えば、濾過により)、生成混合物(I)から分離されることができる。触媒から分離された後、必要に応じ、生成混合物の成分(レボグルコサノール、テトラヒドロフラン−2,5−ジメタノール、2−ヒドロキシメチルテトラヒドロピラン、1,2,5,6−テトラヒドロキシヘキサン、1,2,6−ヘキサントリオール、および2−ヒドロキシメチル−5−ヒドロキシテトラヒドロピランのうちの1種または複数種を含む)は、当技術分野で公知の任意の適切な方法(例えば、蒸留)を用いて、互いに分離されることができる。一実施形態において、生成混合物(I)は、レボグルコセノールを含んでなる。一実施形態において、生成混合物(I)は、テトラヒドロフラン−2,5−ジメタノールを含んでなる。一実施形態において、生成混合物(I)は、2−ヒドロキシメチルテトラヒドロピランを含んでなる。一実施形態において、生成混合物(I)は、1,2,5,6−テトラヒドロキシヘキサンを含んでなる。一実施形態において、生成混合物(I)は、1,2,6−ヘキサントリオールを含んでなる。一実施形態において、生成混合物(I)は、2−ヒドロキシメチル−5−ヒドロキシテトラヒドロピランを含んでなる。
生成混合物(I)は、次に、水素および第二水素化処理触媒の存在下、約120℃〜約260℃の温度で加熱され、生成混合物(II)を形成する。一実施形態において、生成混合物(I)は、溶媒(プロセスの第一工程においてレボグルコセノンと共に使用される任意の溶媒と同一でも異なってもよい)に溶解または懸濁される。一実施形態において、生成混合物(I)は、いかなる溶媒も添加されないで、使用される。
いくつかの実施形態において、第二水素化処理触媒は、金属M1および金属M2またはM2の酸化物を含んでなり、任意選択で固体担持体を含んでなってもよく、ここで:
M1は、Pd、Pt、またはIrであり;かつM2は、Mo、W、V、Mn、Re、Zr、Ni、Cu、Zn、Cr、Ge、Sn、Ti、Au、またはCoであり;或いは
M1は、Rhであり、かつM2は、Re、Mo、W、V、Mn、Ni、Cu、Zn、Cr、Ge、Sn、Ti、Au、またはZrであり、;或いは
M1は、Ag、AuまたはCoであり、;かつM2は、Re、Mo、またはWであり、;M1は、Cu、Pd、Fe、またはNiであり、;かつM2は、Re、Mo、Cu、Zn、Cr、Ge,Sn,またはWであり、;或いは
M1は、Ag、Pt、Cu、またはAuであり、かつM2は、Ni、Fe、Sn、Ge、またはIrであり;或いは
M1は、CoでありかつM2は、Feであり;或いは
M1は、NiでありかつM2は、CoまたはFeであり;或いは
M1は、MnでありかつM2は、Crである。
触媒のM1およびM2成分は、任意の適切な金属化合物から誘導されてよい。例として、塩化ロジウム(III)水和物、硝酸銅(II)水和物、塩化ニッケル(II)六水和物、塩化イリジウム(IV)水和物、硝酸鉄(III)九水和物、テトラアンミン白金(II)硝酸塩、塩化白金、ヘキサクロロ白金酸、テトラクロロ白金酸、塩化パラジウム、硝酸パラジウム、酢酸パラジウム、三塩化イリジウム、過レニウム酸アンモニウム、酸化タングステンアンモニウム水和物、モリブデン酸アンモニウム水和物、硝酸マンガン水和物、およびアンモニウムバナジウムオキシドが挙げられるが、これらに限定されない。
M1の充填量は、調製される触媒(即ち、固体の触媒担持体(存在する場合)を含む)の質量を基準として、0.1〜50質量%、好ましくは0.5〜5質量%であってよい。M2の充填量は、0.1〜99.9%、好ましくは2〜10%であってよい。M1とM2の両方を含有する触媒におけるM1/M2の原子比は、1:0.5〜1:5であるもが好ましい。任意選択で、M2は、触媒担持体に組み入れられても、触媒担持体(例、酸化タングステンまたは酸化モリブデンに担持されたPt)として働いてもよい。触媒に関して、全ての百分率は、調製される触媒の質量に対する質量パーセントと解釈される。
いくつかの実施形態において、第二水素化処理触媒は、金属M1、M2、およびM3を含んでなり、任意選択で担持体を含んでなってもよく、ここで、M1は、Mn、Cr、V、またはTiであり;M2は、Ni、Co、またはFeであり;およびM3は、Cu、Ag、Pt、PdまたはAuである;或いはM1は、PtまたはRhであり;M2は、Cu、NiまたはPdであり;およびM3は、Mo、ReまたはWである。
いくつかの実施形態において、第二水素化処理触媒は、Cu成分を含んでなり;任意選択でヘテロポリ酸成分を含んでなってもよく;任意選択で第二金属または金属酸化物を含んでなってもよく;任意選択で1種もしくは複数種の助触媒を含んでなってもよく;および任意選択で担持体を含んでなってもよく、ここで、:
Cu成分は、Cuもしくは酸化Cuを含んでなり;
ヘテロポリ酸成分は、H[P(W10]、H[Si(W10]、Cs2.50.5[P(W10];リンモリブデン酸、またはケイモリブデン酸であり、
第二金属または金属酸化物は、Cr、酸化Cr、Ni、酸化Ni、Mn、酸化Mn、Zn、または酸化Znであり、;および
1種または複数種の助触媒は、Ba、Ce、Mg、Na、Kからなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、触媒は、CuOを含んでなる。いくつかの実施形態において、触媒は、触媒の総質量を基準として、CuOを2wt%〜98wt%含んでなり、酸化亜鉛(ZnO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化バリウム(BaO)、酸化クロム(Cr)、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)、酸化ニッケル(NiO)、酸化マンガン(MnO)、酸化ナトリウム(NaO)、酸化カリウム(KO)、酸化セリウム(CeO)、酸化ランタン(La)、酸化鉄(Fe)、酸化銀(AgO)および酸化コバルト(Co)からなる群から選択される少なくとも1種の酸化物を98wt%〜2wt%さらに含んでなる。一実施形態において、触媒は、ZnOをさらに含んでなる。一実施形態において、触媒は、MgOをさらに含んでなる。いくつかの実施形態において、触媒は、炭素をさらに含んでなる。市販されている適切な触媒の例として、以下の、CuO/ZnO、BaO/CuO/Cr/SiO、BaO/CuO/Cr、BaO/CuO/MnO/Cr、CuO/SiO、CuO/Al、CuO/NiO/Al、CuO/Cr/MnO、CuO/Cr、CuO/MnO/Al、CuO/Cr、CuO/ZnO/Al、CuO/SiO/Cr/MgO、CuO/ZnO/CeO/Al/NaO/C、CuO/NiO、およびNiO/CuO/KO/Cr/CaFが挙げられる(これらに限定されない)。一実施形態において、触媒は、CuO/ZnO、CuO/ZnO/Al、またはCuO/ZnO/CeO/Al/NaO/Cを含んでなる。
本明細書に開示されるプロセスの第二工程の使用に適切な水素化処理触媒は、例えば、Cu成分とヘテロポリ酸成分の溶液を混合して、溶媒(例、水)を乾燥状態まで蒸発させ、生成した粉末をか焼させることにより、合成されることができる。ヘテロポリ酸成分自体が、ヘテロポリ酸と塩基性塩の溶液(例えば、適切な割合でのH[P(W10]と炭酸セシウムの混合物を含有してCs2.5H0.5[P(W3O10)]を形
成する溶液)として、提供されてよい。
いくつかの実施形態において、固体の触媒担持体を利用してプロセスの安定性および経済的実現可能性を向上させることは、有用である。担持体の例として、WO、SiO、Al、炭素、TiO、ZrO、CeO、SiO−Al、粘土(例、モンモリロナイト)、SiO−TiO、タングステン酸ZrO、ゼオライト(例、H−Yゼオライト)、VおよびMoOが挙げられるが、これらに限定されない。他の実施形態において、固体担持体を有さないことが、望まれる場合もある。
調製される水素化処理触媒は、0.01〜150μmの粒径を有する粉末状(「流動化」としても知られている)形態、成形タブレット、押出物、球体、0.5〜10mmの均一なサイズを有する人工粒子、その表面に触媒が適用される一体構造、或いは上記の2つ以上の組み合わせ(これらに限定されない)を含む、不均質触媒に典型的である任意の物理的形態でありうる。固体担持体が、M1とM2の両方を含有する触媒を利用する場合、エネルギー分散分光法を用いて透過電子顕微鏡によって測定されるように、M1が、M2成分、M3成分、またはその両方と密接に関連しているのが望ましい。同じ技術で測定されるM1成分の粒径が、10nm未満であるのがさらに好ましく、3nm未満であるのが最も好ましい。この場合、M1成分の粒径は、M1成分とM2成分の混合物、M1成分とM2成分の合金、M2成分の粒子に隣接するM1成分の粒子、或いはM2成分を含有する担持体に担持されたM1成分の粒子の粒径と解釈されてよい。
第二水素化処理触媒は、触媒を調製する任意の従来の方法(例えば、含浸または初期湿潤(incipient wetness)法による水性または有機溶媒溶液から金属塩の析出、M1成分および/またはM2成分および/またはM3成分の沈殿、或いは固相合成法)によって、合成されることができる。調製は、30〜250℃、好ましくは50〜150℃の高温下で触媒材料を乾燥させる工程と、空気の存在下で、250〜800℃、好ましくは300〜450℃の温度で加熱することによってか焼する工程と、水素の存在下で100〜400℃、好ましくは200〜300℃で還元する工程と、または代替の還元剤(例、ヒドラジン、ギ酸またはギ酸アンモニウム等)で還元する工程とを備える。上記の技術は、タブレット化、押出成形または触媒合成で一般的な他の技術によって調製される粉末状または成形粒子の触媒材料に関して利用されてよい。粉末状の触媒材料を利用する場合、触媒担持体または結果として生成した触媒材料は、所望の粒径まで篩にかけられてもよく、触媒の性能を向上させるために、粒径が最適化されてもよいことが、理解されるだろう。
水素(任意選択で不活性ガス(例、窒素またはアルゴン等)と組み合わせてもよい)は、第二水素化処理触媒の存在下で生成混合物(I)を加熱中に存在する。印加される総圧力は、100psi〜約2000psiの範囲でありうる。いくつかの実施形態において、印加圧力は、以下の値の間であり、任意選択で以下の値のうち任意の2つを含んでもよい:100、200、300、400、500、600、700、800、900、および2000psi。不活性ガスが水素と組み合わせて使用される場合、不活性ガスの量は、生成混合物(II)の生成に悪影響を与えない量でなければならない。
第二温度は、約120℃〜約260℃(例えば約140℃〜約200℃)である。いくつかの実施形態において、温度は、以下の値の間であり、任意選択で以下の値のうち任意の2つを含んでもよい:120℃、130℃、140℃、150℃、160℃、170℃、180℃、190℃、200℃、210℃、220℃、230℃、240℃、250℃、および260℃。
指定された加熱時間の終わりに、必要に応じ、第二水素化処理触媒は、当技術分野で公知の方法よって(例えば、濾過により)、生成混合物(II)から分離されることができる。触媒から分離された後、必要に応じ、生成混合物成分(テトラヒドロフラン−2,5−ジメタノール、2−ヒドロキシメチルテトラヒドロピラン、1,2,6−ヘキサントリオール、2−ヒドロキシメチル−5−ヒドロキシテトラヒドロピラン、1,2−ヘキサンジオール、1−ヘキサノール、および1,6−ヘキサンジオールのうちの1種または複数種を含む)は、当技術分野で公知の任意の適切な方法(例えば、蒸留)を用いて、互いに分離されることができる。一実施形態において、生成混合物(II)は、1,6−ヘキサンジオールを含んでなる。一実施形態において、生成混合物(II)は、テトラヒドロフラン−2,5−ジメタノールを含んでなる。一実施形態において、生成混合物(II)は、2−ヒドロキシメチルテトラヒドロピランを含んでなる。一実施形態において、生成混合物(II)は、1,2,6−ヘキサントリオールを含んでなる。一実施形態において、生成混合物(II)は、2−ヒドロキシメチル−5−ヒドロキシテトラヒドロピランを含んでなる。一実施形態において、生成混合物(II)は、1,2−ヘキサンジオールを含んでなる。一実施形態において、生成混合物(II)は、1−ヘキサノールを含んでなる。
プロセスの第一および第二工程は、バッチまたは連続モードで、液相、気相、または二相状態において、実施されることができる。バッチまたは連続モードの作業において、使用される各触媒の量は、具体的な機器の配置や反応条件に応じて変わるだろう。
本明細書に開示される方法は、以下の実施例において例証される。上の考察およびこれらの実施例から、当業者は、本発明の本質的な特質が、本発明の範囲を逸脱することなく、本発明の様々な変形形態および修正形態を作り、それを様々な使用および条件に適合させることができることを、確かめることができる。
特に明記しない限り、全て市販の材料を受け取ったままの状態で使用し、特に明記しない限り、全てSigma−Aldrich(St.Louis,MO)から得た。レボグルコセノン(純度90%)をTimTec LLC (Newark,DE)から得た。2,5−テトラヒドロフランジメタノールをthe PenAKem corporation (Memphis,TN)から得た。5%の白金/炭素(Pt/C)および5%のパラジウム/炭素(Pd/C)をAldrich Chemical Company(各々Aldrichカタログ番号20,5931および33,012−4)から受け取った。Journal of Organic Chemistry,63(1998)8133−8144に記載されるように、1,6−アンヒドロ−3,4−ジデオキシ−p−D−ピラノース−2−オン(「K128」)と1,6−アンヒドロ−3,4−ジデオキシ−β−エリトロ−ヘキサ−3−エノピラノース(「A128」)を調製した。
様々な組成の銅触媒を以下に記載する種々の商業的供給源から受け取った。使用する前に、全ての銅触媒を乳鉢と乳棒で粉砕して、0.0165”メッシュの篩を通過させた。
Figure 2015506935
以下の手順を用いて、Pt/W/TiO触媒を合成した。乳鉢と乳棒で粉砕して0.0165”メッシュの篩を通過させた後、1.0mlの脱イオン水で湿らせたAerolyst 7708 TiO(Evonik)0.92グラムを、1.0mlの脱イオン水に溶解させたテトラアンミン白金(II)硝酸塩(Strem,Cat♯78−2010)0.08gで含浸した。結果として生じた含水(wet)懸濁液を15分間ボルテックスした後、110℃で一晩中真空乾燥させた。生じた沈殿物を1.0mlの脱イオン水で湿らせた後、2.0mlの脱イオン水に完全に溶解させた0.0535gの酸化タングステンアンモニウム水和物(パラ類似体)(Alfa,stock♯22640)を、湿らせた沈殿物の上に加えた。結果として生じた含水懸濁液を15分間ボルテックスした後、110℃で一晩中真空乾燥させた。室温に達した後、材料をセラミックの容器(boat)に移し、400℃で3時間、空気中でか焼した。か焼したPt/W/TiO触媒は、触媒の総質量を基準として、4wt%のPt充填量、Pt:Wのモル比1:1を有した。
反応器供給材料および反応生成物を、標準のGCおよびGC/MS機器:Agilent 5975C,HP5890,Stabilwax Column Restek Company Bellefonte,PA(30m×025mm、0.5ミクロンのフィルム厚)を用いて、ガスクロマトグラフィーにより分析した。それらの保持時間とマススペクトルを基準試料の保持時間とマススペクトルに整合させて反応生成混合物の化学成分を同定した。
以下の略記を本実施例で使用する:「℃」は、摂氏温度を意味する;「wt%」は、質量パーセントを意味する;「g」は、グラムを意味する;「min」は、分を意味する;「μL」は、マイクロリットルを意味する;「wt%」は、質量パーセントを意味する;「RV(s)」は、反応容器を意味する;「PSI」は、ポンド/平方インチを意味する;「mg/g」は、ミリグラム/グラムを意味する;「μm」は、マイクロメートルを意味する;「mL」は、ミリリットルを意味する;「mm」は、ミリメートルを意味するおよび「mL/min」は、ミリリットル/分を意味する;「MPa」は、メガパスカルを意味する;「GC」は、ガスクロマトグラフィーを意味する;「MS」は、「質量分析」を意味し、「Ex」は、実施例を意味する。
実施例1〜4
実施例1〜4は、反応スキームAおよびBにそれぞれ示すように、60℃(実施例1A、2A、3A、および4A)でのLGoneの第一生成混合物への変換と、180℃(実施例1B、2B、3B、および4B)での第一生成混合物の第二生成混合物への続いての変換とを実証する。これらの実施例において、第一(A)および第二(B)プロセスの工程で同一の触媒を使用した。
Figure 2015506935
Figure 2015506935
下の表2に示すように、マグネチックスターラーを備えたガラスバイアル(1.5mLガラスバイアル、ROBO Autosampler Vial,VWR International,Radnor,PA)内で、溶媒(水、エタノールまたは酢酸エチル[EtOAcと略す])0.75mlを、レボグルコセノン37.5mgと触媒としてのPt/CもしくはPd/C約20mgに加えた。穿孔した隔壁でバイアルに蓋をして蒸気移動速度を制限した。8つの個々の筒状体を有するステンレス鋼(SS316)並列加圧反応器内に、バイアルを置いた。反応器を高圧ガス用マニホールドに連結し、内容物を窒素ガス(1000psi)で3回パージした。次に、約800psiのHを加え、反応器を60℃まで加熱した。2時間後、反応器を室温まで冷却させ、圧力を開放した。不活性ガス雰囲気下で、第一反応生成物の試料100μlを各バイアルから取り出し、n−プロパノールで希釈し、GCおよびGC/MSにより分析した。第一反応生成物に関する結果を表3に示す。
工程1の未希釈の反応生成物と触媒を含有するバイアルを、反応器に戻した後、それを800psiHで再加圧し、180℃まで加熱させた。4時間後、反応器を2時間以内に室温まで冷却させ、減圧した。第二反応溶液をn−プロパノールで希釈し、標準の5ミクロン使い捨てフィルターを介して濾過し、GCおよびGC/MSにより分析した。第二反応器の生成物に関する結果を表3に示す。
Figure 2015506935
Figure 2015506935
実施例5
Pt/W/TiO触媒を用い、160℃、反応時間6時間で、THFDMを1,6−HDと1,2,6−HTを含んでなる生成混合物に変換
マグネチックスターラーと5mlの水を備えたステンレス鋼(SS316)加圧反応器内に、2,5−テトラヒドロフランジメタノール(約95%の純度)250mgと4%Pt/W/TiO触媒約250mgを加えた。反応器を密封して、高圧ガス用マニホールドに連結して、窒素ガス(1000psi)で3回パージした。次に、約800psiのHを加え、反応器を160℃まで加熱した。6時間後、反応器を室温まで2時間以内に冷却させ、減圧した。反応生成物溶液を、n−プロパノールで希釈し、内標準として既知量のジエチレングリコールジエチルエーテルを加え、標準5ミクロン使い捨てフィルターを介して濾過した。試料を取り出し、GCおよびGC/MSにより分析した。結果を表4に示す。
Figure 2015506935
実施例6
Pt/W/TiO触媒を用いて160℃、反応時間24時間で、THFDMを1,6−HDと1,2,6−HTを含んでなる生成混合物に変換
反応時間を6時間の代わりに24時間で、実施例5と同じ方法で、実施例6を実施した。結果を表5に示す。
Figure 2015506935
実施例7
60℃でLGoneを、LGolを含んでなる第一生成混合物に変換
マグネチックスターラーと5mlの水を備えたステンレス鋼(SS316)加圧反応器に、レボグルコセノン(約90%の純度、10%水)250mgと5%Pt/C触媒約50mgを加えた。反応器を密封して、高圧ガス用マニホールドに連結して、窒素ガス(1000psi)で3回パージした。次に、約800psiの水素を加え、反応器を60℃まで加熱した。2時間後、30分かけて温度を100℃まで上昇させた。100℃で2時間後、反応器を室温まで2時間以内に冷却させ、減圧した。反応器を水で濯いで、反応生成混合物を、標準5ミクロン使い捨てフィルターを介して濾過した。濾過した生成混合物のGC分析は、レボグルコセノンが対応するアルコールレボグルコサノール(LGol)に定量的に変換したことを示した。
実施例8〜15の供給溶液として、実施例7の濾過した生成混合物(「第一生成混合物」と呼ぶ)を用いた。
実施例8〜15
LGolを含んでなる第一生成混合物を、THFDMおよびHOTHPMを含んでなる第二生成混合物に変換
これらの実施例において、8つのガラスバイアル(1.5mLのガラスバイアル、ROBO Autosampler Vial,VWR International,Radnor,PA)の各々に、表6に示す量の触媒と共に、実施例7からの濾過した生成混合物(ここで「第一生成混合物」と呼ぶ)の一部0.75mlを入れた。第一生成混合物の各部分は、約27mgのLGolを含有した。各バイアルにマグネチックスターラー(マグネチックスターラー7×2mm、VWR International,Radnor,PA)を備え、穿孔した隔壁で蓋をして、蒸気移動速度を制限した。8つの個々の筒状体を有するステンレス鋼(SS316)並列加圧反応器内に、バイアルを置いた。反応器を高圧ガス用マニホールドに連結し、内容物を窒素ガス(1000psi)で3回パージした。次に、反応溶液を撹拌しながら、約1200psiの水素を加えた。反応器を200℃まで加熱し、圧力を2000psiに調節した。4時間後、反応器を室温まで2時間以内に冷却させ、減圧した。第二生成混合物をn−プロパノールで希釈し、内標準として既知量のジエチレングリコールジエチルエーテルを加え、GCおよびGC/MS分析をするために、標準5ミクロン使い捨てフィルターを介して濾過した。結果を表6に示す。
Figure 2015506935

Claims (12)

  1. a)第一水素化処理触媒の存在下、第一温度約25℃〜約150℃で、レボグルコセノンを水素と接触させて、生成混合物(I)を形成する工程と、
    b)水素および第二水素化処理触媒の存在下、第二温度約120℃〜約260℃で生成混合物(I)を加熱して生成混合物(II)を形成する工程と
    を備える方法。
  2. 生成混合物(I)が、レボグルコセノール、レボグルコサノール、テトラヒドロフラン−2,5−ジメタノール、2−ヒドロキシメチルテトラヒドロピラン、1,2,5,6−テトラヒドロキシヘキサン、1,2,6−ヘキサントリオール、および2−ヒドロキシメチル−5−ヒドロキシテトラヒドロピランのうちの1種または複数種を含んでなる請求項1に記載の方法。
  3. 生成混合物(II)が、1,2,6−ヘキサントリオール、テトラヒドロフラン−2,5−ジメタノール、2−ヒドロキシメチル−5−ヒドロキシテトラヒドロピラン、1,6−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1−ヘキサノール、および2−ヒドロキシメチルテトラヒドロピランのうちの1種または複数種を含んでなる請求項1に記載の方法。
  4. 生成混合物(II)が、1,6−ヘキサンジオールを含んでなる請求項3に記載の方法。
  5. 前記第一水素化処理触媒が、担持白金触媒、担持パラジウム触媒、担持ルテニウム触媒、担持ニッケル触媒、ニッケル−アルミニウム合金由来の触媒、コバルト−アルミニウム合金由来の触媒、およびRh、Ir、Ru、またはTiの有機リンまたは有機金属錯体のうちの1種または複数種を含んでなる請求項1に記載の方法。
  6. 前記第二水素化処理触媒が、金属M1および任意選択で金属M2またはM2の酸化物、さらに任意選択で担持体を含んでなり、ここで、
    M1は、Pd、Pt、またはIrであり;かつM2は、Mo、W、V、Mn、Re、Zr、Ni、Cu、Zn、Cr、Ge、Sn、Ti、Au、またはCoであり;或いは
    M1は、RhでありかつM2は、Re、Mo、W、V、Mn、Ni、Cu、Zn、Cr、Ge、Sn、Ti、Au、またはZrであり;或いは
    M1は、Ag、AuまたはCoであり;かつM2は、Re、Mo、またはWであり、
    M1は、Cu、Pd、Fe、またはNiであり;かつM2は、Re、Mo、Cu、Zn、Cr、Ge、Sn、またはWであり;或いは
    M1は、Ag、Pt、Cu、またはAuであり、かつM2は、Ni、Fe、Sn、Ge、またはIrであり;或いは
    M1は、CoでありかつM2は、Feであり;或いは
    M1は、NiでありかつM2は、CoまたはFeであり;或いは
    M1は、MnでありかつM2は、Crである
    請求項1に記載の方法。
  7. 前記第二水素化処理触媒が、WOまたはWOx担持体に担持されたPt、Cu、Ni、Pd、Rt、Rh、Ir、Ru、またはFeを含んでなる触媒を含んでなる請求項1に記載の方法。
  8. 前記第二水素化処理触媒が、金属M1、M2、およびM3、さらに任意選択で担持体を含んでなる触媒を含んでなり、ここで、
    M1は、Mn、Cr、V、またはTiであり;M2は、Ni、Co、またはFeであり;かつM3は、M1であり;およびM3は、Cu、Ag、Pt、PdまたはAuであり;或いは
    M1は、PtまたはRhであり;M2は、Cu、NiまたはPdであり;およびM3は、Mo、ReまたはWである
    請求項1に記載の方法。
  9. 前記第二水素化処理触媒が、Cu成分、任意選択でヘテロポリ酸成分;任意選択で第二金属または金属酸化物;任意選択で1種または複数種の助触媒;および任意選択で担持体を含んでなり、ここで:
    前記Cu成分は、Cuまたは酸化Cuを含んでなり;
    前記ヘテロポリ酸成分は、H[P(W10]、H[Si(W10]、Cs2.50.5[P(W10];リンモリブデン酸、またはケイモリブデン酸であり;
    前記第二金属または金属酸化物は、Cr、酸化Cr、Ni、酸化Ni、Mn、酸化Mn、Zn、または酸化Znであり;および
    前記1種または複数種の助触媒は、Ba、Ce、Mg、Na、Kからなる群から選択される請求項1に記載の方法。
  10. 前記触媒が、前記触媒の総質量を基準として、2質量パーセント〜98質量パーセントのCuOを含んでなり、98質量パーセント〜2質量パーセントの、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化バリウム、酸化クロム、シリカ、アルミナ、酸化ニッケル、酸化マンガン、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化セリウム、酸化ランタン、酸化鉄、酸化銀、および酸化コバルトからなる群から選択される少なくとも1種の酸化物をさらに含んでなる請求項1に記載の方法。
  11. 前記第二水素化処理触媒が、BaO/CuO/Cr/SiO、BaO/CuO/Cr、BaO/CuO/MnO/Cr、CuO/SiO、CuO/Al、CuO/NiO/Al、CuO/Cr/MnO、CuO/Cr、CuO/MnO/Al、CuO/Cr、CuO/SiO/Cr/MgO、CuO/NiO、またはNiO/CuO/KO/Cr/CaFを含んでなる請求項1に記載の方法。
  12. 工程a)およびb)が、溶媒をさらに含み、前記溶媒が、水、C〜C20アルコール、C〜C20エーテル、C〜C20エステル、またはそれらの混合物を含んでなる請求項1に記載の方法。
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