JP2015232645A - 潤滑剤塗布装置および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】像担持体から潤滑剤塗布部材に付着物が転移して潤滑剤塗布部材が局所的に汚れることに起因する画像スジの発生を防止することが可能な潤滑剤塗布装置および画像形成装置を提供する。【解決手段】潤滑剤塗布装置90(画像形成装置1)は、感光体ドラム413の回転軸方向において感光体ドラム413の表面を複数の第1部分に区分し、感光体ドラム413に形成されたトナー像の第1部分毎の部分カバレッジを算出し、塗布ブラシローラー91の回転方向における潤滑剤93と塗布ブラシローラー91との当接位置よりも上流側、かつ、感光体ドラム413と塗布ブラシローラー91との当接位置よりも下流側に設けられた気流発生部110を制御し、複数の第1部分のそれぞれに当接する塗布ブラシローラー91の第2部分のうち、部分カバレッジが所定条件を満たす第1部分に当接する第2部分からその外側に向かう気流を選択的に発生させる。【選択図】図3
Description
本発明は、潤滑剤塗布装置および画像形成装置に関する。
一般に、電子写真プロセス技術を利用した画像形成装置(プリンター、複写機、ファクシミリ等)は、帯電した感光体に対して、画像データに基づくレーザー光を照射(露光)することにより静電潜像を形成する。そして、静電潜像が形成された感光体(像担持体)へ現像装置よりトナーを供給することにより静電潜像を可視化してトナー像を形成する。さらに、このトナー像を直接又は間接的に用紙に転写させた後、加熱、加圧して定着させることにより用紙に画像を形成する。
トナー像を転写した後の感光体表面には未転写のトナー等が残留するため、これらが次の画像形成に悪影響を与えないように、感光体表面はクリーニング装置によりクリーニングされて次の画像形成プロセスに備えられる。クリーニング装置としては、ゴム等の弾性体からなるクリーニングブレードを感光体表面に摺擦させて、未転写トナー等の付着物を除去するものが一般的に知られている。
ところが、上記のようなクリーニングブレードは、感光体との摺擦を続けると、経時で摩耗し、欠けや変形等が起因してクリーニング性能が低下するという問題がある。そこで、上記画像形成装置においては、感光体とクリーニングブレードとの間に働く摩擦抵抗を低減して、クリーニングブレードの摩耗等の不具合を解消するために、潤滑作用を有する潤滑剤(例えば、金属石鹸等)を感光体表面に塗布する潤滑剤塗布装置が設けられている。潤滑剤は固形であることが一般的であり、塗布ブラシ(潤滑剤塗布部材)に潤滑剤を押圧させた上で塗布ブラシを回転させることにより、潤滑剤を微粉状に削り取って感光体に塗布している。塗布された潤滑剤は、均しブレード等によって感光体表面に固定される。
また、感光体表面に潤滑剤を塗布すると、感光体表面の摩擦係数が低下するため、トナーに外添される流動化剤や帯電制御剤等がクリーニングブレードとの当接圧で感光体表面に膜状に固着する、いわゆるフィルミングの発生を防止することができる。また、潤滑剤を感光体に塗布することによって、感光体上に現像されたトナーの離型性が向上し(すなわち、感光体表面との付着力が低減し)、トナー像の転写性ひいては画質安定性が向上する。
特許文献1には、潤滑剤を必要以上に消費することなく、適正な量の潤滑剤を像担持体の表面に塗布する技術が開示されている。特許文献1に記載の技術では、潤滑剤塗布部材(例えば、潤滑剤塗布ブラシ)の色を検出し、検出された潤滑剤塗布部材の色に基づいて像担持体に対する潤滑剤塗布部材の押圧力や回転数を制御する。
特許文献2には、像保持体に対して板状部材を用いる清掃装置と、ブラシ部材を介して像保持体に潤滑剤を塗布する塗布装置とを併設する画像形成装置において、湿度の条件等が変動したときに、清掃装置の清掃不良や板状部材の摩耗等が発生することを抑制する技術が開示されている。特許文献2に記載の技術では、湿度を検出する湿度検出手段の検出情報に基づいて、塗布装置による潤滑剤の塗布量が調整されるように、ブラシ部材に付着して保持される現像剤の保持量を制御する。
特許文献3には、感光体上の粉体を除去し、感光体上に潤滑剤を塗布するブラシローラーに付着した粉体に潤滑剤が付着することを防止することによって、潤滑剤を無駄なく感光体に塗布することができるようにした技術が開示されている。
特許文献4には、初期から経時において像担持体上に潤滑剤を均一に安定的に塗付することにより、長期に渡って良好な画像を得られるようにした技術が開示されている。特許文献4に記載の技術では、潤滑剤を感光体(像担持体)に供給する潤滑剤供給部材の回転方向において、潤滑剤供給部材と像担持体との接触位置の下流側、かつ、潤滑剤供給部材と潤滑剤との接触位置の上流側に、樹脂製のフリッカなどの清掃手段を設けている。
ところで、上記画像形成装置では、用紙の用紙幅方向において異なるカバレッジ(印字率)を有する画像、具体的には高カバレッジ画像部と低カバレッジ画像部とが存在するような画像を連続的に形成する場合、以下のような問題があった。すなわち、感光体上において高カバレッジ画像部に対応するトナーが供給された部分では、転写後に残留する転写残トナー、クリーニングブレードをすり抜けるトナー、当該トナーに含まれる外添剤等(以下、「付着物」という)の量が多くなる。そのため、付着物が感光体から塗布ブラシに転移することによって、塗布ブラシのうち当該付着物が転移した部分は局所的に汚れてしまう。局所的に汚れた状態で塗布ブラシを使用し続けると、塗布ブラシにより削り取られた潤滑剤に対して当該付着物が局所的に固着する。そして、潤滑剤に対して付着物が局所的に固着した状態において、感光体表面に潤滑剤を塗布すると、感光体の回転軸方向において塗布ムラが発生し、ひいては当該感光体の電位ムラ(帯電の不均一性)が発生する。そして、感光体の回転軸方向において感光体の電位ムラが発生すると、最終的に用紙に形成される画像に画像スジ(画像不良)が発生するという問題があった。
上記問題に対して、清掃手段を設けた特許文献4に記載の技術を適用すれば、感光体から転移した付着物によって塗布ブラシが局所的に汚れることを防止し、ひいては感光体の回転軸方向における塗布ムラの発生を防止することができる。しかしながら、特許文献4に記載の技術を単に適用するだけでは、塗布ブラシにおいて付着物により汚れていない部分まで不必要に清掃されてしまうため、当該部分に付着している塗布対象の潤滑剤が不必要に除去されてしまうという別の問題があった。
本発明の目的は、像担持体から潤滑剤塗布部材に付着物が転移して潤滑剤塗布部材が局所的に汚れることに起因する画像スジの発生を防止することが可能な潤滑剤塗布装置および画像形成装置を提供することである。
本発明に係る潤滑剤塗布装置は、
潤滑剤と、
前記潤滑剤および像担持体の表面に当接しながら回転することによって、当該像担持体の表面に当該潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布部材と、
前記像担持体の回転軸方向において当該像担持体の表面を複数の第1部分に区分し、当該像担持体に形成されたトナー像の当該第1部分毎のカバレッジを部分カバレッジとして算出する部分カバレッジ算出部と、
前記潤滑剤塗布部材の回転方向における前記潤滑剤と前記潤滑剤塗布部材との当接位置よりも上流側、かつ、前記像担持体と前記潤滑剤塗布部材との当接位置よりも下流側に設けられ、前記潤滑剤塗布部材からその外側に向かう気流を発生させる気流発生部と、
前記複数の第1部分のそれぞれに当接する前記潤滑剤塗布部材の複数の第2部分のうち、前記部分カバレッジ算出部により算出された前記部分カバレッジが所定条件を満たす第1部分に当接する第2部分に限り、当該第2部分からその外側に向かう気流を選択的に発生させるように前記気流発生部を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする。
潤滑剤と、
前記潤滑剤および像担持体の表面に当接しながら回転することによって、当該像担持体の表面に当該潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布部材と、
前記像担持体の回転軸方向において当該像担持体の表面を複数の第1部分に区分し、当該像担持体に形成されたトナー像の当該第1部分毎のカバレッジを部分カバレッジとして算出する部分カバレッジ算出部と、
前記潤滑剤塗布部材の回転方向における前記潤滑剤と前記潤滑剤塗布部材との当接位置よりも上流側、かつ、前記像担持体と前記潤滑剤塗布部材との当接位置よりも下流側に設けられ、前記潤滑剤塗布部材からその外側に向かう気流を発生させる気流発生部と、
前記複数の第1部分のそれぞれに当接する前記潤滑剤塗布部材の複数の第2部分のうち、前記部分カバレッジ算出部により算出された前記部分カバレッジが所定条件を満たす第1部分に当接する第2部分に限り、当該第2部分からその外側に向かう気流を選択的に発生させるように前記気流発生部を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする。
本発明に係る画像形成装置は、上記潤滑剤塗布装置を備えることを特徴とする。
本発明によれば、用紙の用紙幅方向(すなわち、像担持体の回転軸方向)において異なるカバレッジを有する画像を形成する場合であっても、像担持体から潤滑剤塗布部材に転移した付着物によって潤滑剤塗布部材が局所的に汚れることを防止することができる。そのため、潤滑剤塗布部材を用いて像担持体表面に潤滑剤を塗布する際に、像担持体の回転軸方向における塗布ムラの発生、ひいては電位ムラの発生を防止することができ、最終的に用紙に形成される画像に画像スジが発生することを防止することができる。
以下、本実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置1の全体構成を概略的に示す図である。図2は、本実施の形態に係る画像形成装置1の制御系の主要部を示す。図1、2に示す画像形成装置1は、電子写真プロセス技術を利用した中間転写方式のカラー画像形成装置である。すなわち、画像形成装置1は、感光体ドラム413上に形成されたY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色トナー像を中間転写ベルト421に転写(一次転写)し、中間転写ベルト421上で4色のトナー像を重ね合わせた後、用紙Sに転写(二次転写)することにより、画像を形成する。画像形成装置1による画像形成処理のプロセス速度は、460[mm/秒](A4用紙100[枚/分]に相当)である。
また、画像形成装置1には、YMCKの4色に対応する感光体ドラム413を中間転写ベルト421の走行方向に直列配置し、中間転写ベルト421に一回の手順で各色トナー像を順次転写させるタンデム方式が採用されている。
図2に示すように、画像形成装置1は、画像読取部10、操作表示部20、画像処理部30、画像形成部40、用紙搬送部50、定着部60および制御部100を備える。
制御部100は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103等を備える。CPU101は、ROM102から処理内容に応じたプログラムを読み出してRAM103に展開し、展開したプログラムと協働して画像形成装置1の各ブロックの動作を集中制御する。このとき、記憶部72に格納されている各種データが参照される。記憶部72は、例えば不揮発性の半導体メモリ(いわゆるフラッシュメモリ)やハードディスクドライブで構成される。
制御部100は、通信部71を介して、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の通信ネットワークに接続された外部の装置(例えばパーソナルコンピューター)との間で各種データの送受信を行う。制御部100は、例えば、外部の装置から送信された画像データを受信し、この画像データ(入力画像データ)に基づいて用紙Sに画像を形成させる。通信部71は、例えばLANカード等の通信制御カードで構成される。
画像読取部10は、ADF(Auto Document Feeder)と称される自動原稿給紙装置11及び原稿画像走査装置12(スキャナー)等を備えて構成される。
自動原稿給紙装置11は、原稿トレイに載置された原稿Dを搬送機構により搬送して原稿画像走査装置12へ送り出す。自動原稿給紙装置11により、原稿トレイに載置された多数枚の原稿Dの画像(両面を含む)を連続して一挙に読み取ることが可能となる。
原稿画像走査装置12は、自動原稿給紙装置11からコンタクトガラス上に搬送された原稿又はコンタクトガラス上に載置された原稿を光学的に走査し、原稿からの反射光をCCD(Charge Coupled Device)センサー12aの受光面上に結像させ、原稿画像を読み取る。画像読取部10は、原稿画像走査装置12による読取結果に基づいて入力画像データを生成する。この入力画像データには、画像処理部30において所定の画像処理が施される。
操作表示部20は、例えばタッチパネル付の液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)で構成され、表示部21及び操作部22として機能する。表示部21は、制御部100から入力される表示制御信号に従って、各種操作画面、画像の状態、各機能の動作状況等の表示を行う。操作部22は、テンキー、スタートキー等の各種操作キーを備え、ユーザーによる各種入力操作を受け付けて、操作信号を制御部100に出力する。
画像処理部30は、入力画像データに対して、初期設定又はユーザー設定に応じたデジタル画像処理を行う回路等を備える。例えば、画像処理部30は、制御部100の制御下で、階調補正データ(階調補正テーブル)に基づいて階調補正を行う。また、画像処理部30は、入力画像データに対して、階調補正の他、色補正、シェーディング補正等の各種補正処理や、圧縮処理等を施す。これらの処理が施された画像データに基づいて、画像形成部40が制御される。
画像形成部40は、入力画像データに基づいて、Y成分、M成分、C成分、K成分の各有色トナーによる画像を形成するための画像形成ユニット41Y、41M、41C、41K、中間転写ユニット42等を備える。
Y成分、M成分、C成分、K成分用の画像形成ユニット41Y、41M、41C、41Kは、同様の構成を有する。図示及び説明の便宜上、共通する構成要素は同一の符号で示し、それぞれを区別する場合には符号にY、M、C、又はKを添えて示すこととする。図1では、Y成分用の画像形成ユニット41Yの構成要素についてのみ符号が付され、その他の画像形成ユニット41M、41C、41Kの構成要素については符号が省略されている。
画像形成ユニット41は、露光装置411、現像装置412、感光体ドラム413、帯電装置414、及びドラムクリーニング装置415等を備える。
感光体ドラム413は、例えばドラム径が80[mm]のアルミニウム製の導電性円筒体(アルミ素管)の周面に、アンダーコート層(UCL:Under Coat Layer)、電荷発生層(CGL:Charge Generation Layer)、電荷輸送層(CTL:Charge Transport Layer)を順次積層した負帯電型の有機感光体(OPC:Organic Photo-conductor)である。電荷発生層は、電荷発生材料(例えばフタロシアニン顔料)を樹脂バインダー(例えばポリカーボネイト)に分散させた有機半導体からなり、露光装置411による露光により一対の正電荷と負電荷を発生する。電荷輸送層は、正孔輸送性材料(電子供与性含窒素化合物)を樹脂バインダー(例えばポリカーボネイト樹脂)に分散させたものからなり、電荷発生層で発生した正電荷を電荷輸送層の表面まで輸送する。
制御部100が感光体ドラム413を回転させる駆動モーター(図示略)に供給される駆動電流を制御することにより、感光体ドラム413は一定の周速度で回転する。
帯電装置414は、コロナ放電を発生させることにより、光導電性を有する感光体ドラム413の表面を一様に負極性に帯電させる。
露光装置411は、例えば半導体レーザーで構成され、感光体ドラム413に対して各色成分の画像に対応するレーザー光を照射する。感光体ドラム413の電荷発生層で正電荷が発生し、電荷輸送層の表面まで輸送されることにより、感光体ドラム413の表面電荷(負電荷)が中和される。感光体ドラム413の表面には、周囲との電位差により各色成分の静電潜像が形成されることとなる。
現像装置412は、二成分現像方式の現像装置であり、感光体ドラム413の表面に各色成分のトナーを付着させることにより静電潜像を可視化してトナー像を形成する。
ドラムクリーニング装置415は、感光体ドラム413の表面に摺接されるドラムクリーニングブレード等を有し、一次転写後に感光体ドラム413の表面に残存する転写残トナーを除去する。
中間転写ユニット42は、中間転写ベルト421、一次転写ローラー422、複数の支持ローラー423、二次転写ローラー424、及びベルトクリーニング装置426等を備える。
中間転写ベルト421は無端状ベルトで構成され、複数の支持ローラー423にループ状に張架される。複数の支持ローラー423のうちの少なくとも一つは駆動ローラーで構成され、その他は従動ローラーで構成される。例えば、K成分用の一次転写ローラー422よりもベルト走行方向下流側に配置されるローラー423Aが駆動ローラーであることが好ましい。これにより、一次転写部におけるベルトの走行速度を一定に保持しやすくなる。駆動ローラー423Aが回転することにより、中間転写ベルト421は矢印A方向に一定速度で走行する。
中間転写ベルト421は、導電性および弾性を有するベルトであり、表面に体積抵抗率が8〜11[logΩ・cm]である高抵抗層を有する。中間転写ベルト421は、制御部100からの制御信号によって回転駆動される。なお、中間転写ベルト421については、導電性および弾性を有するものであれば、材質、厚さおよび硬度を限定しない。
一次転写ローラー422は、各色成分の感光体ドラム413に対向して、中間転写ベルト421の内周面側に配置される。中間転写ベルト421を挟んで、一次転写ローラー422が感光体ドラム413に圧接されることにより、感光体ドラム413から中間転写ベルト421へトナー像を転写するための一次転写ニップが形成される。
二次転写ローラー424は、駆動ローラー423Aのベルト走行方向下流側に配置されるローラー423B(以下「バックアップローラー423B」と称する)に対向して、中間転写ベルト421の外周面側に配置される。中間転写ベルト421を挟んで、二次転写ローラー424がバックアップローラー423Bに圧接されることにより、中間転写ベルト421から用紙Sへトナー像を転写するための二次転写ニップが形成される。
一次転写ニップを中間転写ベルト421が通過する際、感光体ドラム413上のトナー像が中間転写ベルト421に順次重ねて一次転写される。具体的には、一次転写ローラー422に一次転写バイアスを印加し、中間転写ベルト421の裏面側(一次転写ローラー422と当接する側)にトナーと逆極性の電荷を付与することにより、トナー像は中間転写ベルト421に静電的に転写される。
その後、用紙Sが二次転写ニップを通過する際、中間転写ベルト421上のトナー像が用紙Sに二次転写される。具体的には、二次転写ローラー424に二次転写バイアスを印加し、用紙Sの裏面側(二次転写ローラー424と当接する側)にトナーと逆極性の電荷を付与することにより、トナー像は用紙Sに静電的に転写される。トナー像が転写された用紙Sは定着部60に向けて搬送される。
ベルトクリーニング装置426は、二次転写後に中間転写ベルト421の表面に残留する転写残トナーを除去する。なお、二次転写ローラー424に代えて、二次転写ローラーを含む複数の支持ローラーに、二次転写ベルトがループ状に張架された構成(いわゆるベルト式の二次転写ユニット)を採用しても良い。
定着部60は、用紙Sの定着面(トナー像が形成されている面)側に配置される定着面側部材を有する上側定着部60A、用紙Sの裏面(定着面の反対の面)側に配置される裏面側支持部材を有する下側定着部60B、及び加熱源60C等を備える。定着面側部材に裏面側支持部材が圧接されることにより、用紙Sを狭持して搬送する定着ニップが形成される。
定着部60は、トナー像が二次転写され、搬送されてきた用紙Sを定着ニップで加熱、加圧することにより、用紙Sにトナー像を定着させる。定着部60は、定着器F内にユニットとして配置される。また、定着器Fには、エアを吹き付けることにより、定着面側部材又は裏面側支持部材から用紙Sを分離させるエア分離ユニットが配置されていても良い。
用紙搬送部50は、給紙部51、排紙部52、及び搬送経路部53等を備える。給紙部51を構成する3つの給紙トレイユニット51a〜51cには、坪量やサイズ等に基づいて識別された用紙S(規格用紙、特殊用紙)が予め設定された種類毎に収容される。搬送経路部53は、レジストローラー対53a等の複数の搬送ローラー対を有する。
給紙トレイユニット51a〜51cに収容されている用紙Sは、最上部から一枚ずつ送出され、搬送経路部53により画像形成部40に搬送される。このとき、レジストローラー対53aが配設されたレジストローラー部により、給紙された用紙Sの傾きが補正されるとともに搬送タイミングが調整される。そして、画像形成部40において、中間転写ベルト421のトナー像が用紙Sの一方の面に一括して二次転写され、定着部60において定着工程が施される。画像形成された用紙Sは、排紙ローラー52aを備えた排紙部52により機外に排紙される。
本実施の形態では、感光体ドラム413(本発明の「像担持体」に対応)に固形の潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布装置90が、感光体ドラム413の回転方向に対して、ドラムクリーニング装置415が有するドラムクリーニングブレード415Aの下流側に設けられている。図3Aは、本実施の形態における潤滑剤塗布装置90の構成を示す図である。なお、潤滑剤塗布装置90および制御部100は、本発明の「潤滑剤塗布装置」として機能する。潤滑剤塗布装置90および制御部100は、ユニットとして構成されて画像形成装置1に取り付けられても良いし、それぞれが別々に画像形成装置1に組み込まれて、本発明の「潤滑剤塗布装置」として機能するものであっても良い。
潤滑剤塗布装置90は、塗布ブラシローラー91(本発明の「潤滑剤塗布部材」に対応)、潤滑剤93および潤滑剤保持部材94を備える。潤滑剤塗布装置90は、画像形成ユニット41Y,41M,41C,41Kのそれぞれに設けられている。
塗布ブラシローラー91は、例えば、基布にアクリル繊維の束をループ状に織り込んで植毛したもの(毛材部)を、芯金(磁性体)に巻き付けて構成されている。塗布ブラシローラー91のパイル長は、2.7[mm]である。塗布ブラシローラー91の外径は、13.4[mm]である。芯金の材料は、例えばSUS430等の磁性ステンレスである。
塗布ブラシローラー91は、毛材部が感光体ドラム413に約0.7[mm]食い込むように位置決めされている。塗布ブラシローラー91は、制御部100からの制御信号によって、感光体ドラム413の回転方向と逆方向に回転駆動される。
潤滑剤93は、鉛筆硬度HB相当のステアリン酸亜鉛(ZnSt)等の潤滑剤を固めて成形したものである。潤滑剤93は、図中の紙面垂直方向に塗布ブラシローラー91の毛材部の軸方向長さと同程度の長さに形成される。
潤滑剤保持部材94は、潤滑剤93と塗布ブラシローラー91の毛材部とが当接する側とは反対側の部分を保持する。潤滑剤保持部材94は、潤滑剤保持部材94を付勢する押圧バネ(図示せず)の弾性力によって、塗布ブラシローラー91側に押圧されている。なお、潤滑剤保持部材94を付勢する手段として、押圧バネの代わりに、発泡体、ゴム等による弾性力を用いても良い。
塗布ブラシローラー91は、潤滑剤93および感光体ドラム413の表面に当接しながら回転することによって、潤滑剤93を微粉状に削り取り感光体ドラム413の表面に塗布する。なお、図示していないが、感光体ドラム413の回転方向に対して塗布ブラシローラー91の下流側には、感光体ドラム413の表面に塗布された潤滑剤の分布を均一化する均しブレードが設けられている。
制御部100は、潤滑剤塗布装置90周囲の温湿度環境に応じて、塗布ブラシローラー91の回転速度を変更する。例えば、潤滑剤塗布装置90周囲の温湿度環境がLL環境(低温低湿環境)である場合、制御部100は、塗布ブラシローラー91の回転速度を215[mm/s]に設定する。このとき、塗布ブラシローラー91の回転速度(V1)と、感光体ドラム413の回転速度(V2)との回転速度比θ(=V1/V2)は0.47となる。また、潤滑剤塗布装置90周囲の温湿度環境がNN環境(常温常湿環境)である場合、制御部100は、塗布ブラシローラー91の回転速度を271[mm/s]に設定する。このとき、塗布ブラシローラー91の回転速度(V1)と、感光体ドラム413の回転速度(V2)との回転速度比θ(=V1/V2)は0.59となる。また、潤滑剤塗布装置90周囲の温湿度環境がHH環境(高温高湿環境)である場合、制御部100は、塗布ブラシローラー91の回転速度を307[mm/s]に設定する。このとき、塗布ブラシローラー91の回転速度(V1)と、感光体ドラム413の回転速度(V2)との回転速度比θ(=V1/V2)は0.67となる。LL環境では、塗布ブラシローラー91の毛材部が硬くなり、感光体ドラム413への潤滑剤の塗布量が多くなるため、塗布ブラシローラー91の回転速度をNN環境時よりも遅くして塗布量の増大を防止する。一方、HH環境では、塗布ブラシローラー91の毛材部が柔らかくなり、感光体ドラム413への潤滑剤の塗布量が少なくなるため、塗布ブラシローラー91の回転速度をNN環境時よりも速くして塗布量の減少を防止する。
ところで、上記画像形成装置1では、用紙Sの用紙幅方向において異なるカバレッジ(印字率)を有する画像、具体的には高カバレッジ画像部と低カバレッジ画像部とが存在するような画像を連続的に形成する場合、以下のような問題があった。すなわち、感光体ドラム413上において現像装置412から高カバレッジ画像部に対応するトナーが供給された部分では、転写後に残留する転写残トナー、ドラムクリーニングブレード415Aをすり抜けるトナー、当該トナーに含まれる外添剤等(以下、「付着物」という)の量が多くなる。そのため、付着物が感光体ドラム413から塗布ブラシローラー91に転移することによって、塗布ブラシローラー91のうち当該付着物が転移した部分は局所的に汚れてしまう。局所的に汚れた状態で塗布ブラシローラー91を使用し続けると、塗布ブラシローラー91により削り取られた潤滑剤93に対して付着物が局所的に固着する。そして、潤滑剤93に対して付着物が局所的に固着した状態において、感光体ドラム413の表面に潤滑剤93を塗布すると、感光体ドラム413の回転軸方向において塗布ムラが発生し、ひいては感光体ドラム413上で電位ムラ(帯電装置414による帯電の不均一性)が発生する。そして、感光体ドラム413の回転軸方向において電位ムラが発生すると、最終的に用紙Sに形成される画像に画像スジ(画像不良)が発生するという問題があった。
そこで、本実施の形態では、塗布ブラシローラー91の回転方向における潤滑剤93と塗布ブラシローラー91との当接位置P2よりも上流側、かつ、感光体ドラム413と塗布ブラシローラー91との当接位置P1よりも下流側には、塗布ブラシローラー91からその外側に向かう気流を発生させる気流発生部110が、塗布ブラシローラー91に対向して設けられている。
図3Bに示すように、気流発生部110は、塗布ブラシローラー91の軸方向に32個配置され、塗布ブラシローラー91を吸引することによって、塗布ブラシローラー91からその外側に向かう気流を発生させる吸引部112を有する。吸引部112は、塗布ブラシローラー91の回転駆動に同期して駆動され、図示しないファンが回転駆動することにより吸引部112が有する吸引口112Aからエアを吸引する。この吸引動作によって、当接位置P1において感光体ドラム413から塗布ブラシローラー91に転移した付着物が当接位置P2を通過する前に、当該付着物は、吸引部112の吸引口112Aから吸引される。
吸引部112の吸引動作によって、用紙Sの用紙幅方向において異なるカバレッジを有する画像を形成する場合であっても、感光体ドラム413から塗布ブラシローラー91に転移した付着物によって塗布ブラシローラー91が局所的に汚れることを防止することができる。そのため、塗布ブラシローラー91を用いて感光体ドラム413の表面に潤滑剤93を塗布する際に、感光体ドラム413の回転軸方向における塗布ムラの発生ひいては電位ムラの発生を防止することができ、最終的に用紙Sに形成される画像に画像スジが発生することを防止することができる。
次に、図4のフローチャートを参照し、本実施の形態における画像形成装置1の制御動作について説明する。図4における各処理は、例えば印刷ジョブの実行が開始することにより開始する。
まず、制御部100は、感光体ドラム413の摺動距離が所定距離(例えば、A3用紙で500[枚]の画像形成処理に相当する距離)以上であるか否かについて判定する(ステップS100)。この判定の結果、感光体ドラム413の摺動距離が所定距離以上でない場合(ステップS100、NO)、処理はステップS100の前に戻る。
一方、感光体ドラム413の摺動距離が所定距離以上である場合(ステップS100、YES)、制御部100(部分カバレッジ算出部)は、感光体ドラム413の回転軸方向において感光体ドラム413の表面を複数(本実施の形態では、32)の第1部分(幅:約10[mm])に区分し、画像処理部30により画像処理が施された画像データに基づいて、例えばA3用紙で500[枚]の画像形成処理が実行された際に感光体ドラム413に形成されたトナー像の第1部分毎のカバレッジを部分カバレッジとして算出する(ステップS120)。本実施の形態では、感光体ドラム413の回転軸方向において区分された各第1部分に当接する塗布ブラシローラー91の各部分(以下、第2部分)に対向して、気流発生部110が有する32個の吸引部112がそれぞれ配置されている。
次に、制御部100は、感光体ドラム413の回転軸方向において区分された第1部分のうち、ステップS120において算出した部分カバレッジが所定カバレッジ(本実施の形態では30[%]、以下「基準カバレッジ」ともいう)を超える第1部分が存在するか否かについて判定する(ステップS140)。この判定の結果、部分カバレッジが所定カバレッジを超える第1部分が存在しない場合(ステップS140、NO)、画像形成装置1は、図4における処理を終了する。
一方、部分カバレッジが所定カバレッジを超える第1部分が存在する場合(ステップS140、YES)、制御部100は、現在の塗布ブラシローラー91の回転速度を取得する(ステップS160)。次に、制御部100は、部分カバレッジが所定カバレッジを超える第1部分に当接する塗布ブラシローラー91の第2部分に対向して配置された吸引部112により発生させられる気流の風速を、当該第1部分の部分カバレッジに応じて算出する(ステップS180)。具体的には、制御部100は、気流の風速を以下の式(1)に基づいて算出する。
気流の風速[mm/s]=(塗布ブラシローラー91の回転速度[mm/s])×(第1部分の部分カバレッジ[%])÷(基準カバレッジ:30[%])・・・(1)
式(1)から明らかなように、部分カバレッジが増大するにつれて、吸引部112により発生させられる気流の風速は増大する。
気流の風速[mm/s]=(塗布ブラシローラー91の回転速度[mm/s])×(第1部分の部分カバレッジ[%])÷(基準カバレッジ:30[%])・・・(1)
式(1)から明らかなように、部分カバレッジが増大するにつれて、吸引部112により発生させられる気流の風速は増大する。
最後に、制御部100は、ステップS180において算出した気流の風速を気流発生部110に設定する(ステップS200)。ステップS200の処理が完了することによって、画像形成装置1は、図4における処理を終了する。
上記フローチャートの処理により、算出された部分カバレッジが所定カバレッジを超える第1部分と当接する塗布ブラシローラー91の第2部分に限り、当該第2部分からその外側に向かう気流が発生させられることとなる。そのため、塗布ブラシローラー91において付着物により汚れていない部分まで不必要に清掃されてしまうことがなく、当該部分に付着している塗布対象の潤滑剤が不必要に除去されてしまうことを防止することができる。
なお、上記フローチャートの判定処理(ステップS140)で使用する基準カバレッジは、図5に示す画像評価パターンを用いて求めた。図5に示すように、A3サイズの用紙Sには、図中左右方向(感光体ドラム413の軸方向に対応)においてカバレッジがそれぞれ異なる縦帯画像I1〜I6(シアン色)を有する画像評価パターンが形成されている。用紙Sの図中上下方向における画像I1〜I6のカバレッジは、それぞれ100[%]、75[%]、50[%]、40[%]、30[%]、10[%]である。そして、LL環境において、A4用紙で20000[枚]の画像形成処理を連続的に実行した。この際、画像形成処理の実行前および、3000、5000、10000、15000、20000[枚目]の画像形成処理の実行後に、用紙S(A4用紙)の全面にハーフトーン画像を形成する処理を行い、当該ハーフトーン画像上で画像I1〜I6が形成される部分(各カバレッジ部分)に発生する画像スジのレベルをR1〜R5の5段階でランク評価を行った。本実施の形態では、R3以上を良品と判断する一方、R2以下を不良品と判断した。
図6は、気流発生部110による気流(吸引)の発生有無に応じて上述の20000[枚]の画像形成処理を実行した場合、画像形成処理の実行前(0[枚目])および、3000、5000、10000、15000、20000[枚目]の画像形成処理の実行後におけるハーフトーン画像形成処理で発生した画像スジのレベルを、画像I1〜I6が形成される部分のそれぞれについて示す表(事前検証結果)である。図6に示すように、気流発生部110による気流(吸引)の発生がない場合、カバレッジが30[%]を超える画像I1〜I4(100[%]、75[%]、50[%]、40[%])が形成される部分については、20000[枚目]の画像形成処理の実行完了前に画像スジのレベルがR2以下となり、気流発生部110による吸引が必要であることがわかった。カバレッジがより高い画像が形成される部分ほど、画像形成処理の早い段階(枚数の少ない段階)で画像スジのレベルがR2以下となっている。そこで、上記フローチャートにおける基準カバレッジ、すなわち気流発生部110による気流(吸引)の発生が不要となるカバレッジを30[%]として求めた。また、気流発生部110による吸引が必要な各カバレッジ(100[%]、75[%]、50[%]、40[%])について、当該吸引の風速をいろいろ変えてはその場合の画像スジのレベルを確認することを繰り返し、図6に示す表の吸引有りの行(下から4つの行)に示すように、20000[枚目]の画像形成処理の実行完了まで画像スジのレベルがR5となる当該吸引(気流)の風速を求めた。その結果は、部分カバレッジが増大するにつれて、吸引部112により発生させられる気流の風速が増大する上記式(1)の決定に反映されている。
以上詳しく説明したように、本実施の形態では、潤滑剤塗布装置90(画像形成装置1)は、感光体ドラム413の回転軸方向において感光体ドラム413の表面を複数の第1部分に区分し、感光体ドラム413に形成されたトナー像の第1部分毎の部分カバレッジを算出し、塗布ブラシローラー91の回転方向における潤滑剤93と塗布ブラシローラー91との当接位置よりも上流側、かつ、感光体ドラム413と塗布ブラシローラー91との当接位置よりも下流側に設けられた気流発生部110を制御し、複数の第1部分のそれぞれに当接する塗布ブラシローラー91の第2部分のうち、算出された部分カバレッジが所定条件(基準カバレッジを超えるという条件)を満たす第1部分に当接する第2部分に限り、当該第2部分からその外側に向かう気流を選択的に発生させる。
このように構成した本実施の形態によれば、用紙Sの用紙幅方向(すなわち、感光体ドラム413の回転軸方向)において異なるカバレッジを有する画像を形成する場合であっても、感光体ドラム413から塗布ブラシローラー91に転移した付着物によって塗布ブラシローラー91が局所的に汚れることを防止することができる。そのため、塗布ブラシローラー91を用いて感光体ドラム413の表面に潤滑剤93を塗布する際に、感光体ドラム413の回転軸方向における塗布ムラの発生、ひいては電位ムラの発生を防止することができ、最終的に用紙Sに形成される画像に画像スジが発生することを防止することができる。
なお、上記実施の形態では、塗布ブラシローラー91の複数の第2部分のうち部分カバレッジが所定条件を満たす第1部分(感光体ドラム413)に当接する第2部分を吸引することによって、当該第2部分からその外側に向かう気流を発生させる例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、塗布ブラシローラー91の複数の第2部分のうち部分カバレッジが所定条件を満たす第1部分に当接する第2部分に向けて送風を行うことによって、当該第2部分からその外側に向かう気流を発生させても良い。図7Aは、潤滑剤塗布装置90の構成の変形例を示す図である。図7Bは、潤滑剤塗布装置90の一部を示す正面図(塗布ブラシローラー91の回転軸と直角方向から見た図)である。図7Cは、潤滑剤塗布装置90の一部を拡大して示す部分拡大図である。図7Aに示すように、塗布ブラシローラー91の回転方向における潤滑剤93と塗布ブラシローラー91との当接位置P2よりも上流側、かつ、感光体ドラム413と塗布ブラシローラー91との当接位置P1よりも下流側には、塗布ブラシローラー91からその外側に向かう気流を発生させる気流発生部120が、塗布ブラシローラー91に対向して設けられている。気流発生部120は、塗布ブラシローラー91の軸方向に32個配置され、塗布ブラシローラー91に向けて送風を行うことによって、塗布ブラシローラー91からその外側に向かう気流を発生させる送風部を有する。送風部の送風動作によって、当接位置P1において感光体ドラム413から塗布ブラシローラー91に転移した付着物が当接位置P2を通過する前に、当該付着物は、塗布ブラシローラー91から吹き飛ばされ散ることとなる。図7A,7Bに示すように、塗布ブラシローラー91の回転軸方向における潤滑剤93の両外側には、塗布ブラシローラー91の芯金92Aを回転可能に支持する軸受92Bに対向し、気流発生部120(送風部)の送風により発生させられた気流の気体、より具体的には塗布ブラシローラー91から飛翔した付着物を含む気体を矢印方向に吸引する吸引部130が設けられている。吸引部130は、潤滑剤保持部材94を塗布ブラシローラー91側に付勢する押圧バネ95の姿勢を保つガイドピンでもあり、塗布ブラシローラー91から飛翔した付着物を含む気体を吸引する吸引路を形成するために中空状に形成されている。押圧バネ95の図中下端部は、筐体96に固定されている。なお、図7Cに示すように、吸引部130を設ける代わりに、潤滑剤保持部材94および筐体96に塗布ブラシローラー91の回転軸方向に沿ったスリット穴94A,96Aをそれぞれ形成することによって、塗布ブラシローラー91から飛翔した付着物を含む気体を矢印方向に吸引する吸引路を形成しても良い。
図8は、気流発生部120による気流(送風)の発生有無に応じて、画像評価パターン(図5を参照)を用いた20000[枚]の画像形成処理を実行した場合、画像形成処理の実行前(0[枚目])および、3000、5000、10000、15000、20000[枚目]の画像形成処理の実行後におけるハーフトーン画像形成処理で発生した画像スジのレベルを、画像I1〜I6が形成される部分のそれぞれについて示す表(事前検証結果)である。図8に示すように、気流発生部120による気流(送風)の発生がない場合、カバレッジが30[%]を超える画像I1〜I4(100[%]、75[%]、50[%]、40[%])が形成される部分については、20000[枚目]の画像形成処理の実行完了前に画像スジのレベルがR2以下となり、気流発生部120による送風が必要であることがわかる。カバレッジがより高い画像が形成される部分ほど、画像形成処理の早い段階(枚数の少ない段階)で画像スジのレベルがR2以下となっている。つまり、図7に示す潤滑剤塗布装置90の構成において、図4のフローチャートにおける基準カバレッジ、すなわち気流発生部120による気流の発生が不要となるカバレッジは30[%]と求められる。また、気流発生部120による送風が必要な各カバレッジ(100[%]、75[%]、50[%]、40[%])について、当該送風の風速をいろいろ変えてはその場合の画像スジのレベルを確認することを繰り返すことにより、図8に示す表の送風有りの行(下から4つの行)に示すように20000[枚目]の画像形成処理の実行完了まで画像スジのレベルがR5となる当該送風の風速は求められる。
塗布ブラシローラー91に向けて送風を行う場合、塗布ブラシローラー91の回転方向に対してカウンター方向(塗布ブラシローラー91の回転方向と反対方向)に気体が吹き送られるため、塗布ブラシローラー91をその外側から吸引する場合と比べて、感光体ドラム413から塗布ブラシローラー91に転移した付着物をより綺麗に除去することができる。ただし、図7に示す構成では、塗布ブラシローラー91に向けて送風を行う気流発生部120の他に吸引部130を別途設ける必要があるため、潤滑剤塗布装置90の構成が複雑化するとともに、その構成に必要なスペースも増大する。よって、潤滑剤塗布装置90の構成の簡易化、および、当該構成の省スペース化の観点からは、塗布ブラシローラー91をその外側から吸引する構成(すなわち、塗布ブラシローラー91を吸引する気流発生部110のみを設ける構成)の方が好ましい。
また、上記実施の形態では、潤滑剤塗布装置90は、感光体ドラム413の回転方向に対して、ドラムクリーニングブレード415Aの下流側に設けられる例について説明したが、図9に示すように、ドラムクリーニングブレード415Aの下流側に設けられても良い。図9に示すように、塗布ブラシローラー91の回転方向における潤滑剤93と塗布ブラシローラー91との当接位置P2よりも上流側、かつ、感光体ドラム413と塗布ブラシローラー91との当接位置P1よりも下流側には、塗布ブラシローラー91からその外側に向かう気流を発生させる気流発生部140が、塗布ブラシローラー91に対向して筐体96に取り付けられている。気流発生部140は、塗布ブラシローラー91の軸方向に32個配置され、塗布ブラシローラー91に向けて送風を行うことによって、塗布ブラシローラー91からその外側に向かう気流を発生させる送風部を有する。送風部の送風動作によって、当接位置P1において感光体ドラム413から塗布ブラシローラー91に転移した付着物が当接位置P2を通過する前に、当該付着物は、塗布ブラシローラー91から吹き飛ばされることとなる。また、塗布ブラシローラー91の回転方向における気流発生部140の上流側においては、塗布ブラシローラー91に対向し、気流発生部140により発生させられた気流の気体、より具体的には塗布ブラシローラー91から飛翔した付着物を含む気体を吸引する吸引部150が筐体96に取り付けられている。
図10は、気流発生部140による気流(送風)の発生有無に応じて、画像評価パターン(図5を参照)を用いた20000[枚]の画像形成処理を実行した場合、画像形成処理の実行前(0[枚目])および、3000、5000、10000、15000、20000[枚目]の画像形成処理の実行後におけるハーフトーン画像形成処理で発生した画像スジのレベルを、画像I1〜I6が形成される部分のそれぞれについて示す表(事前検証結果)である。図10に示すように、気流発生部140による気流(送風)の発生がない場合、カバレッジが10[%]を超える画像I1〜I5(100[%]、75[%]、50[%]、40[%]、30[%])が形成される部分については、20000[枚目]の画像形成処理の実行完了前に画像スジのレベルがR2以下となり、気流発生部140による送風が必要であることがわかる。カバレッジがより高い画像が形成される部分ほど、画像形成処理の早い段階(枚数の少ない段階)で画像スジのレベルがR2以下となっている。つまり、図9に示す潤滑剤塗布装置90の構成において、図4のフローチャートにおける基準カバレッジ、すなわち気流発生部140による気流(送風)の発生が不要となるカバレッジは10[%]と求められる。また、気流発生部140による送風が必要な各カバレッジ(100[%]、75[%]、50[%]、40[%]、30[%])について、当該送風の風速をいろいろ変えてはその場合の画像スジのレベルを確認することを繰り返すことにより、図10に示す表の吸引有りの行(下から5つの行)に示すように20000[枚目]の画像形成処理の実行完了まで画像スジのレベルがR5となる当該送風の風速は求められる。
また、上記実施の形態では、感光体ドラム413の回転軸方向において感光体ドラム413の表面を32個に区分した第1部分に対応するように、塗布ブラシローラー91の軸方向に吸引部112を32個配置する例について説明したが、塗布ブラシローラー91からその外側に向かう所望の気流を選択的に発生させる構成であれば、感光体ドラム413の表面を区分する数、吸引部112の配置数等はこれに限定されない。例えば、図11Aに示すように、感光体ドラム413の回転軸方向において感光体ドラム413の表面を10個に区分し、その区分した各第1部分に対応するように、塗布ブラシローラー91の軸方向に吸引部112を10個配置しても良い。また、図11Bに示すように、塗布ブラシローラー91の軸方向に、塗布ブラシローラー91に対する吸引口112A(吸引部112全体)の向きを矢印方向に変更可能な吸引部112を3個配置しても良い。この場合、吸引を行う吸引部112を選択するとともに、当該吸引部112の吸引口112Aの向きを制御することによって、部分カバレッジが所定カバレッジを超える第1部分に当接する塗布ブラシローラー91の第2部分からその外側に向かう気流を選択的に発生させる。また、吸引部112の吸引口112Aに吸引口112Aの開閉を行うシャッターを設け、部分カバレッジが所定カバレッジを超える第1部分に対応する吸引部112については、シャッターを開いて塗布ブラシローラー91の第2部分を吸引させる一方、部分カバレッジが所定カバレッジを超えない第1部分に対応する吸引部112については、シャッターを閉じて塗布ブラシローラー91の第2部分を吸引させないように制御しても良い。
また、上記実施の形態では、感光体ドラム413が本発明の「像担持体」に対応する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、中間転写ベルト421に潤滑剤が塗布される場合、中間転写ベルト421が本発明の「像担持体」に対応しても良い。
その他、上記実施の形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
1 画像形成装置
10 画像読取部
20 操作表示部
21 表示部
22 操作部
30 画像処理部
40 画像形成部
50 用紙搬送部
60 定着部
71 通信部
72 記憶部
90 潤滑剤塗布装置
91 塗布ブラシローラー
92A 芯金
92B 軸受
93 潤滑剤
94 潤滑剤保持部材
95 押圧バネ
96 筐体
100 制御部
101 CPU
102 ROM
103 RAM
110,120,140 気流発生部
112,130,150 吸引部
112A 吸引口
413 感光体ドラム
415A ドラムクリーニングブレード
P1,P2 当接位置
10 画像読取部
20 操作表示部
21 表示部
22 操作部
30 画像処理部
40 画像形成部
50 用紙搬送部
60 定着部
71 通信部
72 記憶部
90 潤滑剤塗布装置
91 塗布ブラシローラー
92A 芯金
92B 軸受
93 潤滑剤
94 潤滑剤保持部材
95 押圧バネ
96 筐体
100 制御部
101 CPU
102 ROM
103 RAM
110,120,140 気流発生部
112,130,150 吸引部
112A 吸引口
413 感光体ドラム
415A ドラムクリーニングブレード
P1,P2 当接位置
Claims (6)
- 潤滑剤と、
前記潤滑剤および像担持体の表面に当接しながら回転することによって、当該像担持体の表面に当該潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布部材と、
前記像担持体の回転軸方向において当該像担持体の表面を複数の第1部分に区分し、当該像担持体に形成されたトナー像の当該第1部分毎のカバレッジを部分カバレッジとして算出する部分カバレッジ算出部と、
前記潤滑剤塗布部材の回転方向における前記潤滑剤と前記潤滑剤塗布部材との当接位置よりも上流側、かつ、前記像担持体と前記潤滑剤塗布部材との当接位置よりも下流側に設けられ、前記潤滑剤塗布部材からその外側に向かう気流を発生させる気流発生部と、
前記複数の第1部分のそれぞれに当接する前記潤滑剤塗布部材の複数の第2部分のうち、前記部分カバレッジ算出部により算出された前記部分カバレッジが所定条件を満たす第1部分に当接する第2部分に限り、当該第2部分からその外側に向かう気流を選択的に発生させるように前記気流発生部を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする潤滑剤塗布装置。 - 前記制御部は、前記部分カバレッジ算出部により算出された前記部分カバレッジが増大するにつれて前記気流の風速を増大させるように前記気流発生部を制御することを特徴とする請求項1に記載の潤滑剤塗布装置。
- 前記気流発生部は、前記潤滑剤塗布部材の複数の第2部分のうち前記部分カバレッジが前記所定条件を満たす第1部分に当接する第2部分を吸引することによって、当該第2部分からその外側に向かう気流を発生させることを特徴とする請求項1または2に記載の潤滑剤塗布装置。
- 前記気流発生部は、前記潤滑剤塗布部材の複数の第2部分のうち前記部分カバレッジが前記所定条件を満たす第1部分に当接する第2部分に向けて送風を行うことによって、当該第2部分からその外側に向かう気流を発生させることを特徴とする請求項1または2に記載の潤滑剤塗布装置。
- 前記気流発生部により発生させられた前記気流の気体を吸引する吸引部を備えることを特徴とする請求項4に記載の潤滑剤塗布装置。
- 請求項1〜5の何れか1項に記載の潤滑剤塗布装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2018084593A (ja) * | 2016-11-21 | 2018-05-31 | コニカミノルタ株式会社 | 画像形成装置 |
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2014
- 2014-06-10 JP JP2014119652A patent/JP2015232645A/ja active Pending
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