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JP2015114872A - 半導体装置及び誤差相殺方法 - Google Patents

半導体装置及び誤差相殺方法 Download PDF

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洋士 武山
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Abstract

【課題】タッチ検出期間よりも周期の長い外来ノイズに対してもタッチ検出精度の劣化を防止する。【解決手段】タッチパネルの駆動電極と検出電極との間の容量成分を介して検出電極に現れる信号を周期的に取り込む検出動作において、前記周期的な取り込みによる検出周期として、表示走査周期の1/m(mは正の整数)の半分を奇数倍した周期を採用する。これと共に、前記検出周による周期的な取り込みの各周期の検出期間として、表示走査周期の1/m(mは正の整数)の整数倍の期間を併せて採用することは妨げられない。【選択図】図1

Description

本発明は、タッチパネルに対するタッチの検出制御機能を備えた半導体装置、更には周期的な信号取り込み動作において周期的なノイズによる影響を相殺する方法に関し、例えば液晶表示パネルと一体のタッチパネルを制御する半導体制御デバイスに適用して有効な技術に関する。
本出願人は未だ公開されていない先の出願(特願2012−216745)において、タッチパネルを組み込んだ携帯情報端末のACチャージャノイズなどの外来ノイズによるタッチ検出精度の劣化を防止する技術について提案した。即ち、ACチャージャの出力電圧はACチャージャのローカルグランド電圧と一緒に所定の周波数で揺れる場合があり、このとき、ローカルグランドを中心にタッチパネルの外側のグローバルグランドを見ると、グローバルグランドは上記周波数で揺れているのと等価になる。したがって、グローバルグランドに導通する指などがタッチパネルに近接すると、指などによる浮遊容量を介してタッチパネルに作用する表面電圧が上記周波数に同期して周期的に変化されることになる。この変化の周期がタッチ検出周期に一致若しくは整数倍の関係になると、検出回路に特定電圧が周期的に印加され、それが累積されることよって無視し得ないノイズになってタッチ検出精度を劣化させることになる。このような外来ノイズによる問題点(ACチャージャ問題)では、その前提として、タッチパネルと一体の表示パネルに対する周期的な走査及び階調駆動の信号変化タイミングに対してタッチ検出タイミングをずらさなければ、そのような走査及び階調駆動の信号変化によるノイズの影響を受けてタッチ検出精度が劣化してしまう、ことを考慮しなければならない。したがって、表示の走査及び階調駆動周期に対してタッチ検出周期を単位変更してACチャージャ問題を解決しようとすれば、今度は走査及び階調駆動の信号変化によるノイズの影響を受ける虞を生ずる。そこで、上記先の出願では、タッチパネルの積分動作による検出動作周波数は切替えずに、積分動作の各周期における検出期間を選択可能にした。この先の出願の技術は、特許文献1に記載の技術である、静電容量式のタッチパネルの検出サイクルにおいてノイズを低減するために複数の異なる周波数の駆動パルスでタッチパネルを駆動して、その中からノイズの影響が小さい結果を採用すればよいとする技術、を単に適用しただけではACチャージャ問題に対処できないという課題を解決するものであった。
特表2009−535742号公報
本発明者は上記先の出願による外来ノイズの影響緩和について更に検討した。即ち、先の出願では、タッチパネルの積分動作の各周期における検出期間を外来ノイズの周期に一致、又はその整数倍にすることを理想とするものである。したがって、外来ノイズの周期が検出期間よりも長い場合には対処することができない。今日、表示画面の高精細化により表示走査周期が短くなる傾向にあり、それにしたがって検出期間も短くなり、対処できる外来ノイズの周波数が高い周波数に制限されて、外来ノイズによるタッチ検出精度の劣化を防止できなくなる虞のあることが本発明者によって見出された。
上記並びにその他の課題と新規な特徴は本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される実施の形態のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
すなわち、タッチパネルの駆動電極と検出電極との間の容量成分を介して検出電極に現れる信号を周期的に取り込む検出動作において、前記周期的に信号を取り込む検出周期として、表示走査周期の1/m(mは正の整数)の半分を奇数倍した周期を採用する。これと共に、前記検出周期による周期的な取り込みの各周期の検出期間として、表示走査周期の1/m(mは正の整数)の整数倍の期間を併せて採用することは妨げられない。
換言すれば、表示走査周期をTsyncとすると、これに同期するタッチ検出動作ではTsync/mの周期の外来ノイズに累積的な影響を受ける。ノイズの影響を抑止したい外来ノイズの周期Tnrは、Tnr=Tsync/mとなる。したがって、検出周期Tdcは、Tdc=Tsync×(2×n−1)/m×2に設定し、Tdc=Tnr×(2×n−1)/2になるのが最適である。採用を妨げられない検出期間(Tdt)に関しては、Tdt=Tsync×n/mに設定し、Tdt=Tnr×nに成るのが最適である。
本願において開示される実施の形態のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記の通りである。
すなわち、タッチ検出期間よりも周期の長い外来ノイズに対してもタッチ検出精度の劣化を防止することができる。
図1は外来ノイズNRの周期Tnrに応じた検出周期Tdcの設定形態を例示する波形図である。 図2は図1の第1設定形態B1、B2a、B3においてノイズ周波数(横軸)に対するノイズ通過特性を例示する特性図である。 図3は外来ノイズNRの周期Tnrに応じた検出周期Tdcの設定形態を例示する波形図である。 図4は図3の設定形態で抑止できるノイズ周波数をノイズ周波数(横軸)に対するノイズ通過特性によって例示する特性図である。 図5は検出期間によるACチャージャノイズ対策を例示する波形図である。 図6は図5の第1設定形態A1a乃至第3設定形態A3においてノイズ周波数(横軸)に対するノイズ通過特性を例示する特性図である。 図7は外来ノイズに対処するためのタッチシーケンスの一例を示すフローチャートである。 図8はノーマルスキャンの動作タイミングの一例を示すタイミングチャートである。 図9は図7におけるノイズ検出スキャン時の動作タイミング波形を例示するタイミングチャートである。 図10は検出期間設定データ及び検出周期設定データの設計手順を例示するフローチャートである。 図11は検出周期Tdcによるノイズ抑止設定を試みたときの位相差、即ち、設定される検出周期Tdcの理論値と実際の設定値とのずれをTsyncで割ったものと、外来ノイズの影響により誤タッチ検出(誤動作)が発生する関係を例示する説明図である。 図12はタッチパネルを適用した電子機器の一例として携帯情報端末の概略を例示するブロック図である。 図13はタッチパネルコントローラ及びサブプロセッサを1個の半導体チップに形成された半導体装置とした場合の携帯情報端末の概略を例示するブロック図である。 図14はタッチパネルコントローラ及び表示コントローラを1個の半導体チップに形成された半導体装置とした場合の携帯情報端末の概略を例示するブロック図である。 図15はタッチパネルの電極構成を例示する説明図である。 図16は表示パネルの電極構成を例示する説明図である。 図17はタッチパネルコントローラの全体的な構成を例示するブロック図である。 図18はタッチパネルの等価回路と積分回路の一例を示す回路図である。 図19はY電極Y1〜YMに供給される駆動パルス信号の信号波形を一例する波形図である。 図20は充電中における携帯情報端末の電源の状態を模式的に示した説明図である。 図21はタッチパネルにおける指のタッチ部分における電気的接続関係を例示する回路図である。 図22はACチャージャノイズVfngの積分動作への影響を例示する波形図である。
1.実施の形態の概要
先ず、本願において開示される実施の形態について概要を説明する。実施の形態についての概要説明で括弧を付して参照する図面中の参照符号はそれが付された構成要素の概念に含まれるものを例示するに過ぎない。
〔1〕<<タッチパネルコントローラ及びデータプロセッサを含み、検出周期Tdc=Tsync×(2×n−1)/(2×m)を設定>>
半導体装置(10A,10B)は、タッチパネルの駆動電極(Y1〜YM)と検出電極(X1〜XN)との間の容量成分を介して検出電極に現れる信号を周期的に取り込んで前記容量成分に応ずる検出データを生成するタッチパネルコントローラ(3)と、データプロセッサ(5)とを含む。前記タッチパネルコントローラは、前記周期的に信号を取り込む検出周期(Tdc)と各周期における検出期間(Tdt)とを制御する制御回路(308)を含む。前記データプロセッサは、前記制御回路に前記検出周期及び前記検出期間を設定すると共に、その設定にしたがって前記タッチパネルコントローラに前記検出データを生成させ、生成された検出データに基づいてタッチ位置を判別する演算処理を行なう。前記データプロセッサが設定する検出周期は、タイミング信号で規定される表示走査周期の1/m(mは正の整数)の半分を奇数倍した周期である。即ち、表示走査周期をTsyncとすると、検出周期Tdcは、Tdc=Tsync×(2×n−1)/(m×2)(nは正の整数)となる。
これによれば、タッチ検出精度を劣化させる着目すべき外来ノイズは表示走査周期に同期するノイズであって表示走査周期の1/mの周期を持つノイズ(Tnr=Tsync/m)である。検出周期として、表示走査周期の1/mの半分を奇数倍した周期を採用することは、外来ノイズの極性が検出周期の1周期毎に反転することを可能にするから、外来ノイズの影響が検出周期の2検出毎に相殺可能になる。即ち、そのような検出周期を設定することにより、特定周波数の外来ノイズの影響を抑止することができる。そして、高精細表示による表示走査周期の短縮化とタッチ検出期間の短縮化が進む中で、タッチ検出期間よりも周期の長い外来ノイズに対しても、タッチ検出精度の劣化を防止する効果を発揮することができる。安価なACチャージャには周期的なノイズを発生するものが多く、周期的なノイズの大きなACチャージャを使ってもタッチ検出が可能になるので、タッチ検出を適用したシステムのコスト低減に寄与することができる。
〔2〕<<表示走査周期に同期する外来ノイズを相殺する検出周期(Tdc=Tnr×(2×n−1)/2)の利用>>
項1において、前記データプロセッサは、タッチパネルコントローラで生成した複数の検出周期に応ずる検出データに基づいて、どの検出周期(Tdc)が、表示走査周期の1/mの周期を持つ外来ノイズの周期(Tnr=Tsync/m)の半分を奇数倍した周期に等しくなる関係に最も近くなっているかを評価し、タッチ位置の判別には前記評価にて最も近くなっているとされる結果が得られた検出周期による検出データを用いる方向に制御する。即ち、表示走査周期に同期する外来ノイズの相殺に最適な検出周期Tdcは、Tdc=Tnr×(2×n−1)/2の関係を持つものとなる。
これによれば、タッチ検出精度を劣化させる着目すべき外来ノイズは表示走査周期に同期するノイズであってその周期の1/mの周期を持つ(Tnr=Tsync/m)ことに鑑みれば、外来ノイズに対し上記評価結果に基づいて最適な検出周期を用いたタッチ位置の判別が可能になる。
〔3〕<<Tdt=Tsync×n/mを満足する検出期間の設定>>
項1において、前記タッチパネルコントローラは、前記検出周期を設定する検出周期設定データで指定された周期的な積分の各周期の検出期間が検出期間設定データで指定される。前記検出期間設定データが規定する検出期間は、表示走査周期の1/mの整数倍の期間である。即ち検出期間Tdtとして、Tdt=Tsync×n/mを満足する期間が設定される。
これによれば、データプロセッサは更に検出期間として表示走査周期の1/mの整数倍の期間を設定することは、外来ノイズの極性が夫々の検出期間内で反転することを可能にするから、外来ノイズの影響が検出期間毎に相殺可能になる。したがって、検出周期と検出期間の双方を考慮することにより外来ノイズの影響緩和について相乗的な効果を期待することができる。
〔4〕<<表示走査周期に同期する外来ノイズ成分を相殺する検出周期(Tdc=Tnr×(2×n−1)/2=Tsync×(2×n−1)/(2×m))及び検出期間(Tdt=Tnr×n=Tsync×n/m)の利用>>
項3において、前記タッチパネルコントローラは、検出周期設定データ及び検出期間設定データで指定された検出周期及び検出期間により前記検出データを生成する。前記データプロセッサは、複数の検出周期及び検出期間による検出データに基づいて、どの検出周期が、表示走査周期の1/mの周期を持つ外来ノイズの周期の半分を奇数倍した周期に等しい第1関係(Tdc=Tnr×(2×n−1)/2=Tsync×(2×n−1)/(2×m))に最も近くなっているか、更に、どの検出期間(Tdt)が、前記外来ノイズの周期の整数倍の期間に等しい第2関係(Tdt=Tnr×n=Tsync×n/m)に最も近くなっているかを評価する。タッチ位置の判別には前記評価にて最も近くなっているとされる結果が得られた検出周期及び検出期間による検出データを用いる方向に制御する。
これによれば、タッチ検出精度を劣化させる着目すべき外来ノイズが表示走査周期に同期し表示走査周期の1/mの周期を持つ(Tnr=Tsync/m)ことに鑑みれば、外来ノイズに対し上記評価結果に基づいて最適な検出周期及び検出期間を用いたタッチ位置の判別が可能になる。
〔5〕<<検出周期設定データと検出期間設定データの変更>>
項4において、前記データプロセッサは、前記制御回路に設定する検出周期設定データと検出期間設定データを個別に設定変更する。
これによれば、外来ノイズの周波数が経時的に変化してもその変化に追従して検出周期及び検出期間を最適化することができる。
〔6〕<<複数のパルス周期設定データを格納する不揮発性メモリ>>
項1において、前記データプロセッサは、表示走査周期の1/mの半分を奇数倍した周期を指定するための複数の検出周期設定データが書き換え可能に格納された不揮発性メモリ(50)を有する。
これによれば、使用する表示走査周期に応じた検出周期設定データを予め不揮発性メモリに持つことができ、検出周期の初期設定や設定変更の便に供することができる。
〔7〕<<検出周期設定データ及び検出期間設定データを格納する不揮発性メモリ>>
項3において、前記データプロセッサは、表示走査周期の1/mの半分を奇数倍した周期を指定するための複数の検出周期設定データ、及び前記表示走査周期の1/mの整数倍の検出期間を指定するための複数の検出期間設定データが書き換え可能に格納された不揮発性メモリ(50)を有する。
これによれば、使用する表示走査周期に応じた検出周期設定データ及び検出期間設定データを予め不揮発性メモリに持つことができ、検出周期及び検出期間の初期設定や設定変更の便に供することができる。
〔8〕<<表示コントローラ>>
項1において、表示パネルの前記表示走査周期毎の走査電極の駆動に同期して表示パネルの信号電極に階調信号を供給する表示コントローラ(4)を更に有する。
これによれば、表示走査周期に同期動作されるタッチパネルコントローラと表示コントローラの動作制御を容易化することができる。
〔9〕<<タッチ検出、ノイズ検出、Tdc=Tnr×(2×n−1)/2の適合性評価>>
項1において、前記タッチパネルコントローラは、検出周期設定データで指定された検出周期の前記周期的な取り込みによるタッチ検出とノイズ検出を行なう。前記タッチ検出では前記検出周期に同期する周期で前記駆動電極を駆動して前記周期的な取り込みを行なう。前記ノイズ検出では前記駆動電極の駆動を停止して前記周期的な信号取り込みを行なう。前記データプロセッサは、前記ノイズ検出で得られた複数の検出周期に応ずるデータに基づいて、どの検出周期が、表示走査周期の1/mの周期を持つ外来ノイズの周期の半分を奇数倍した周期に等しい関係(第1関係)に最も近くなっているかを評価し、前記タッチ位置の判別は前記タッチ検出で得られたデータに基づいて行い、前記タッチ位置の判別には前記評価にて最も近くなっているとされる結果が得られた検出周期によるデータを用いる。
これによれば、タッチ検出精度を劣化させる着目すべき外来ノイズが表示走査周期に同期し表示走査周期の1/mの周期を持つ(Tnr=Tsync/m)ことに鑑みれば、外来ノイズに対し最適な検出周期を用いたタッチ位置の判別が可能になる。更に、ノイズ検出ではタッチ検出とは違ってタッチパネルの駆動電極の駆動を停止するから、検出周期が第1関係を満足するか否かの判別においてタッチの有無を考慮することを要さず、その判別が容易になって当該判別精度の向上に資することができる。
〔10〕<<Tdt=Tsync×n/mを満足するパルス幅の設定>>
項9において、前記タッチパネルコントローラは更に、前記周期的な信号取り込みの各周期の検出期間を検出期間設定データで指定された検出期間に設定して前記タッチ検出とノイズ検出を行ない、前記検出期間設定データが規定する検出期間は、表示走査周期の1/mの整数倍の期間である。
これによれば、データプロセッサは更に検出期間として表示走査周期の1/mの整数倍の期間を設定することは、外来ノイズの極性が夫々の検出期間内で反転することを可能にするから、外来ノイズの影響が検出期間毎に相殺可能になる。したがって、検出周期だけでなく検出期間も考慮することにより外来ノイズの影響緩和について相乗的な効果を期待することができる。
〔11〕<<検出周期設定データと検出期間設定データの変更>>
項10において、前記データプロセッサは、前記制御回路に設定する検出周期設定データと検出期間設定データを個別に設定変更する。
これによれば、外来ノイズの周波数が経時的に変化してもその変化に追従して検出周期及び検出期間を最適化することができる。
〔12〕<<タッチ検出、ノイズ検出、Tdc=Tnr×(2×n−1)/2、Tdt=Tnr×nの適合性評価>>
項1において、前記タッチパネルコントローラは、検出周期設定データ及び検出期間設定データで指定された検出周期及び検出期間による前記周期的な取り込みによりタッチ検出とノイズ検出を行なう。前記タッチ検出では前記検出周期に同期する周期で前記駆動電極を駆動して前記周期的な信号取り込みを行なう。前記ノイズ検出では前記駆動電極の駆動を停止して前記周期的な信号取り込みを行なう。前記データプロセッサは前記タッチ検出で得られたデータに基づいてタッチ位置の判別を行なう。また、データプロセッサは、前記ノイズ検出で得られた複数の検出周期及び複数の検出期間に応ずるデータに基づいて、どの検出周期(Tdc)が、表示走査周期の1/mの周期を持つ外来ノイズの周期の半分を奇数倍した周期に等しい第1関係に最も近くなっているか、更に、どの検出期間が、前記外来ノイズの周期の整数倍の期間に等しい第2関係に最も近くなっているかを評価し、タッチ位置の判別には前記評価にて最も近くなっているとされる結果が得られた検出周期及び検出期間による検出データを用いる方向に制御する。
これによれば、タッチ検出精度を劣化させる着目すべきノイズは表示走査周期に同期し表示走査周期の1/mの周期を持つ(Tnr=Tsync/m)ことに鑑みれば、上記双方の評価結果に基づいて外来ノイズに対し最適な検出周期及び検出期間を用いたタッチ位置の判別が可能になる。更に、ノイズ検出ではタッチ検出とは違ってタッチパネルの駆動電極の駆動を停止するから、どの検出周期が第1関係に最も近くなっているかの判別及びどの検出期間が第2関係に最も近くなっているかの判別においてタッチの有無を考慮することを要さず、その判別が容易になって当該判別精度の向上に資することができる。
〔13〕<<検出周期設定データと検出期間設定データの変更>>
項12において、前記データプロセッサは、前記制御回路に設定する検出周期設定データと検出期間設定データを個別に設定変更する
これによれば、外来ノイズの周波数が経時的に変化してもその変化に追従して検出周期及び検出期間を最適化することができる。
〔14〕<<表示コントローラ及びタッチパネルコントローラを含み、Tdc=Tsync×(2×n−1)/m×2を満足する検出周期の設定>>
半導体装置(10C)は、表示走査周期に同期して表示パネルの駆動制御を行なう表示コントローラ(4)と、前記表示コントローラによる駆動制御に同期して、タッチパネルの駆動電極と検出電極との間の容量成分を介して前記検出電極に現れる信号を周期的に取り込むことにより前記容量成分に応ずる検出データを検出する制御を行なうタッチパネルコントローラ(3)と、を含む。前記タッチパネルコントローラは、検出周期設定データで指定された検出周期で前記周期的な取り込みを行なう。前記検出周期設定データが規定する検出周期は、前記表示走査周期の1/m(mは正の整数)の半分を奇数倍した周期である。
これによれば、検出周期として、表示走査周期の1/mの半分を奇数倍した周期を採用することは、外来ノイズの極性が検出周期の1周期毎に反転することを可能にするから、外来ノイズの影響が検出周期の2検出毎に相殺可能になる。即ち、そのような検出周期を設定することにより、特定周波数の外来ノイズの影響を抑止することができる。そして、高精細表示による表示走査周期の短縮化とタッチ検出期間の短縮化が進む中で、タッチ検出期間よりも周期の長い外来ノイズに対しても、タッチ検出精度の劣化を防止する効果を発揮する。安価なACチャージャには周期的ノイズを発生するものが多く、周期的ノイズの大きなACチャージャを使ってもタッチ検出が可能になるので、タッチ検出を適用したシステムのコスト低減に寄与することができる。
〔15〕<<Tdt=Tsync×n/mを満足する検出期間の設定>>
項14において、前記タッチパネルコントローラは更に、前記検出周期設定データで指定された周期的な取り込みの各周期の検出期間が検出期間設定データで指定され、前記検出期間設定データが規定する検出期間は、表示走査周期の1/mの整数倍の期間である。
これによれば、データプロセッサは更に検出期間として表示走査周期の1/mの整数倍の期間を設定することは、外来ノイズの極性が夫々の検出期間内で反転することを可能にするから、外来ノイズの影響が検出期間毎に相殺可能になる。したがって、検出周期だけでなく検出期間も考慮することにより、外来ノイズの影響緩和について相乗的な効果を期待することができる。
〔16〕<<Tdc=Tsync×(2×n−1)/m×2を満足する検出周期の設定>>
半導体装置(10A,10B,10C)は、タッチパネルの駆動電極と検出電極との間の容量成分を介して検出電極に現れる信号を周期的に取り込んで前記容量成分に応ずるデータを生成し、前記周期的な取り込みによる検出周期及び各周期における検出期間とを制御する制御回路(308)と、前記検出周期を規定する複数の検出周期設定データを格納するための記憶回路(320,50)とを含む。前記記憶回路に格納される複数の検出周期設定データが規定する夫々の検出周期は、タイミング信号で規定される表示走査周期の1/m(mは正の整数)の半分を奇数倍した周期である。
これによれば、検出周期として、表示走査周期の1/mの半分を奇数倍した周期を採用することは、外来ノイズの極性が検出周期の1周期毎に反転することを可能にするから、外来ノイズの影響が検出周期の2検出毎に相殺可能になる。即ち、そのような検出周期を設定することにより、特定周波数の外来ノイズの影響を抑止することができる。そして、高精細表示による表示走査周期の短縮化とタッチ検出期間の短縮化が進む中で、タッチ検出期間よりも周期の長い外来ノイズに対しても、タッチ検出精度の劣化を防止する効果を発揮することができる。安価なACチャージャには周期的なノイズを発生するものが多く、周期的ノイズの大きなACチャージャを使ってもタッチ検出が可能になるので、タッチ検出を適用したシステムのコスト低減に寄与することができる。
〔17〕<<Tdt=Tsync×n/mを満足する検出期間の設定>>
項16において前記記憶回路は、前記検出期間を規定する複数の検出期間設定データを格納するための領域を更に有し、前記記憶回路に格納される検出期間設定データが規定する複数種類の検出期間は、表示走査周期の1/mの整数倍の期間である。
これによれば、データプロセッサは更に検出期間として表示走査周期の1/mの整数倍の期間を設定することは、外来ノイズの極性が夫々の検出期間内で反転することを可能にするから、外来ノイズの影響が検出期間毎に相殺可能になる。したがって、検出周期だけでなく検出期間も考慮することにより、外来ノイズの影響緩和について相乗的な効果を期待することができる。
〔18〕<<不揮発性又は揮発性の記憶回路>>
項17において前記記憶回路は、検出周期設定データ及び検出期間設定データが書き込まれた電気的に書き換え可能な不揮発性メモリ(50)、又は前記検出周期設定データ及び検出期間設定データが書き込まれる揮発性メモリ(320)である。
これによれば、使用する表示走査周期に応じた検出周期設定データ及び検出期間設定データを予め不揮発性メモリに保持させれば、検出周期及び検出期間の初期設定や設定変更の便に供することができる。そのような不揮発性メモリを備えなくても、使用する表示走査周期に応じて半導体装置の外部から検出周期設定データ及び検出期間設定データを受け取って揮発性メモリに保持すれば同じである。
〔19〕<<表示コントローラ及びタッチパネルコントローラを含み、タッチ検出とノイズ検出、Tdc=Tsync×(2×n−1)/m×2を満足する検出周期の設定>>
半導体装置(10C)は、表示走査周期に同期して表示パネルの駆動制御を行なう表示コントローラ(4)と、前記表示コントローラによる駆動制御に同期して、タッチパネルの駆動電極と検出電極との間の容量成分を介して前記検出電極に現れる信号を周期的に取り込むことにより前記容量成分に応ずる検出データを検出する制御を行なうタッチパネルコントローラ(3)と、を含む。前記タッチパネルコントローラは、検出周期設定データで指定された検出周期による前記周期的な取り込みによるタッチ検出とノイズ検出を行なう。前記タッチ検出では前記検出周期に同期する周期で前記駆動電極を駆動して前記周期的な取り込みを行なう。前記のノイズ検出では前記駆動電極の駆動を停止して前記周期的な取り込みを行なう。前記検出周期設定データが規定する検出周期は、前記表示走査周期の1/m(mは正の整数)の半分を奇数倍した周期である。
これによれば、タッチ検出精度を劣化させる着目すべき外来ノイズは表示走査周期に同期するノイズであって表示走査周期の1/mの周期を持つノイズ(Tnr=Tsync/m)である。検出周期として、表示走査周期の1/mの半分を奇数倍した周期を採用することは、外来ノイズの極性が検出周期の1周期毎に反転することを可能にするから、外来ノイズの影響が検出周期の2検出毎に相殺可能になる。即ち、そのような検出周期を設定することにより、特定周波数の外来ノイズの影響を抑止することができる。そして、高精細表示による表示走査周期の短縮化とタッチ検出期間の短縮化が進む中で、タッチ検出期間よりも周期の長い外来ノイズに対しても、タッチ検出精度の劣化を防止する効果を発揮することができる。更に、周期的なノイズの大きなACチャージャを使ってもタッチ検出が可能になるので、タッチ検出を適用したシステムのコスト低減に寄与することができる。また、ノイズ検出ではタッチ検出とは違ってタッチパネルの駆動電極の駆動を停止するから、検出周期が第1関係を満足するか否かの判別においてタッチの有無を考慮することを要さず、その判別が容易になって当該判別精度の向上に資することができる。
〔20〕<<Tdt=Tsync×n/mを満足する検出期間の設定>>
項19において、前記タッチパネルコントローラは更に、前記周期的な取り込みの各周期の検出期間を検出期間設定データで指定された検出期間に設定して前記タッチ検出とノイズ検出を行ない、前記検出期間設定データが規定する検出期間は、表示走査周期の1/mの整数倍の期間である。
これによれば、データプロセッサは更に検出期間として表示走査周期の1/mの整数倍の期間を設定することは、外来ノイズの極性が夫々の検出期間内で反転することを可能にするから、外来ノイズの影響が検出期間毎に相殺可能になる。したがって、検出周期だけでなく検出期間も考慮することにより、外来ノイズの影響緩和について相乗的な効果を期待することができる。
〔21〕<<Tdc=Tsync×(2×n−1)/(2×m)を満足する検出周期の設定による誤差相殺方法>>
誤差相殺方法は、第1電極と第2電極を持つ容量の前記第2電極に現れる信号を基準周期に同期して周期的に取り込む取り込み動作において、前記第1電極に重畳される周期的な外来ノイズによる誤差成分を相殺する方法であって、第1ステップ(Ssm1,Ssm2,Ssm3)と第2ステップ(FAL1,FAL2)を含む。第1ステップは、前記取り込み動作の検出周期を規定する複数の検出周期設定データを用意するステップである。第2ステップは、前記第1ステップで用意された複数の検出周期設定データの中から、前記誤差成分を相殺して前記取り込み動作の結果を得るのに好適なデータを判別するステップである。前記複数の検出周期設定データが規定する夫々の検出周期は、基準周期の1/m(mは正の整数)の半分を奇数倍した周期である。
これによれば、取り込み動作で着目すべき外来ノイズは基準周期に同期するノイズであってその周期の1/mの周期を持つノイズ(Tnr=Tsync/m)であるから、検出周期として、基準周期の1/mの半分を奇数倍した周期を採用することは、外来ノイズの極性が検出周期の1周期毎に反転することを可能にするから、外来ノイズの影響が検出周期の2検出毎に相殺可能になる。即ち、検出周期を特定周期に設定することにより、特定周波数の外来ノイズの影響を抑止することができる。そして、取り込み期間よりも周期の長い外来ノイズに対してもノイズによる取り込み結果の劣化を防止することができる。
〔22〕<<ノイズ周期(Tnr=Tsync/m)に対してTdc=Tnr×(2×n−1)/2の関係を満足する検出周期の判別>>
項21において、前記第2ステップで判別する前記好適なデータは不適なデータに比べて、前記検出周期(Tdc)が、前記基準周期の1/mの周期を持つ外来ノイズの周期(Tnr=Tsync/m)の半分を奇数倍した周期に等しい関係に最も近くなっている、、検出周期設定データである。
これによれば、取り込み結果を劣化させる着目すべき外来ノイズは基準周期に同期し基準周期の1/mの周期を持つ(Tnr=Tsync/m)ことに鑑みれば、外来ノイズに対して最適な検出周期を用いた取り込み動作が可能になる。
〔23〕<<Tdt=Tsync×n/mを満足する検出期間の設定による誤差相殺方法>>
項22において、前記検出周期の検出期間を規定する複数の検出期間設定データを用意する第3ステップ(Ssm1,Ssm2,Ssm3)と、前記第3ステップで用意された複数の検出期間設定データの中から、前記誤差成分を相殺して前記取り込み動作の結果を得るのに好適なデータを判別する第4ステップ(FAL1,FAL2)とを更に含む。前記複数の検出期間設定データが規定する複数種類の検出期間(Tdt)は、基準周期の1/mの整数倍の期間である。
これによれば、検出期間として基準周期の1/mの整数倍の期間を設定することは、外来ノイズの極性が夫々の積分期間内で反転することを可能にするから、外来ノイズの影響が検出期間毎に相殺可能になる。したがって外来ノイズの影響緩和について相乗的な効果を期待することができる。
〔24〕<<ノイズ周期(Tnr=Tsync/m)に対してTdt=Tnr×nの関係を満足する検出期間の判別>>
項23において、前記第4ステップで判別する前記好適なデータは不適なデータに比べて、前記検出期間(Tdt)が、前記ノイズの周期(Tnr=Tsync/m)の整数倍の期間に等しい関係を満足する、検出期間設定データである。
これによれば、取り込み結果を劣化させる着目すべき外来ノイズは基準周期に同期し基準周期の1/mの周期を持つ(Tnr=Tsync/m)ことに鑑みれば、外来ノイズに対して最適な検出周期及び検出期間を用いて取り込み動作が可能になる。
2.実施の形態の詳細
実施の形態について更に詳述する。
≪タッチパネルを適用した電子機器≫
図12にはタッチパネルを適用した電子機器の一例として携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)の概略が例示される。
同図に示される携帯情報端末は、タッチパネル(TP)1、表示パネル(DP)2、タッチパネルコントローラ(TPC)3、表示コントローラ(DPC)4、サブプロセッサ(SMPU)5、ホストプロセッサ(HMPU)6、及びその他周辺機器(PRPH)7を有する。ここで、タッチパネルコントローラ3、表示コントローラ4、及びサブプロセッサ5は、例えばCMOS集積回路製造技術によって1個の半導体チップに形成された1チップの半導体装置10Aとされる。図13に例示されるようにタッチパネルコントローラ3及びサブプロセッサ5を1個の半導体チップに形成された半導体装置10Bとし、表示コントローラ4を別チップで構成することも可能である。この構成は、表示コントローラ4の仕様が変わり、タッチパネル検出の仕様が変わらない場合、表示コントローラ4の1チップを差し替えることにより、容易に新仕様のタッチパネルシステムを構成できるというメリットがある。半導体装置10BはHsync、Vsyncのような表示用の同期信号を表示コントローラ4から受け取る。或いは、図14に例示されるようにタッチパネルコントローラ3及び表示コントローラ4を1個の半導体チップに形成された半導体装置10Cとし、サブプロセッサ5を別チップで構成することも可能である。この構成は、サブプロセッサ5上に構築するソフトウェアを流用して複数世代の製品を設計する場合に適している。即ち、液晶表示及びタッチ検出のハードウエア設計と、タッチ検出結果を使ったソフトウェア設計を、分業して開発可能なように、半導体装置の機能を切り分けルことができる。特に図示はしないが、タッチパネルコントローラ3、表示コントローラ4、及びサブプロセッサ5の夫々を個別の半導体チップに別々形成することも妨げられない。
表示パネル2は、例えばガラス基板上に表示規模に応じて透明電極及び液晶による画素が形成されて成る。タッチパネル1は、特に制限されないが、表示パネルの表面にそれと一体的に形成されたインセル構造を有し、複数の駆動電極(Y電極)と複数の検出電極(X電極)が誘電体を介して交差配置され、所謂互容量方式のタッチパネルとして構成される。
タッチパネルコントローラ3は駆動電極に順次駆動パルスを供給したりすることにより、タッチパネル1の駆動電極と検出電極との間の容量成分を介して検出電極に現れる信号を周期的に積分して前記容量成分に応ずる検出データを生成する。
サブシステム用のサブプロセッサ5はタッチパネルコントローラ3に対する初期設定や動作モードを制御する。また、サブプロセッサ5は、タッチパネルコントローラ3が取得した検出データに基づいて、指が接近したタッチ位置の演算及び外来ノイズの評価などを行なう。サブプロセッサ5はデータプロセッサの一例である。サブプロセッサ5やホストプロセッサ6は中央処理装置(CPU)とその周辺回路を備えたプログラム処理装置である。
ホストプロセッサ6は携帯情報端末の全体的な制御を司る。例えばホストプロセッサ6が表示制御の一貫として表示データを生成すると、表示コントローラ4がその表示データを受け取って、表示タイミングに同期しながら表示データに応ずる表示信号を表示パネル2に供給する。また、ホストプロセッサ6は、サブプロセッサ5が演算した位置座標を受け取り、そのときの表示内容と位置座標との関係から、タッチパネル1に対する操作を解析して、その入力に応答する制御を行なう。
その他周辺回路7として、携帯情報端末に必要な通信制御ユニット、画像処理ユニット、音声処理ユニット、及びその他データ処理用のアクセラレータなどを有する。
図15にはタッチパネル1の電極構成が例示される。タッチパネル1は横方向に形成された多数の駆動電極(Y電極)Y1〜YMと、縦方向に形成された多数の検出電極(X電極)X1〜XNとが電気的に絶縁されて配置される。各電極毎にその延在方向の途中に複数の方形状電極が成形され、電気的に絶縁された隣接する方形状電極の間に交点容量が形成される。交点容量にグローバルグランドに導通する指などの物体が近接すると、それによる浮遊容量が前記交点容量に加わることになって、当該電極合間の容量成分(合成容量成分)が交点容量よりも小さくされる。タッチパネルコントローラ3が生成する検出データにはその容量成分の差に応ずる信号差が現れることになる。
図16には表示パネル2の電極構成が例示される。同図に示される表示パネル2の表示サイズは例えば480RGB×640のカラー表示規模とされる。表示パネル2は横方向に形成された走査電極としてのゲート電極G1〜G640と縦方向に形成された信号電極としてのドレイン電極D1〜D1440とが配置され、その交点部分には選択端子が対応する走査電極に接続され、入力端子が対応する信号電極に接続された多数の表示セル(サブピクセル)が配置される。表示コントローラは、例えば、垂直同期信号で規定される1フレーム表示期間にゲート電極G1〜G640の順次駆動(表示ラインの走査駆動)を制御し、夫々のゲート電極の駆動毎に、ドレイン電極D1〜D1440に階調信号(表示信号)を与えることにより、サブピクセルの液晶素子の透過度を表示ライン単位で制御していく。
図17にはタッチパネルコントローラ3の全体的な構成が例示される。タッチパネルコントローラ3は駆動回路(YDRV)300、検出回路(XDTC)310、AD変換回路(ADC)304、RAM305、バスインタフェース回路(BIF)306、及び制御回路としてのシーケンス制御回路(SQENC)308を有する。検出回路310は、例えば積分回路(INTGR)301、サンプルホールド回路(SH)302、及びセレクタ(SLCT)303などによって構成される。ここでは検出回路310に対する校正用の回路は図示を省略してある。
駆動回路300はタッチ検出のためにY電極Y1〜YMに駆動パルスを順次出力する動作を所定タイミングで繰返す。一つのY電極毎に駆動パルスを複数回出力する。このとき、駆動パルスはそのパルス周期及びパルス幅で規定されるタイミングにしたがって前記容量成分を介してX電極X1〜XNに信号を生成する。積分回路301はそのようにして生成される信号を積分する回路であるが、周期的な外来ノイズによる成分がその積分動作で同じように累積されないように、上記駆動パルスのパルス周期及びパルス幅を決定できるようになっている。その内容については詳細を後述する。
積分回路301で積分された信号VOUT1〜VOUTNはX電極X1〜XN毎にサンプルホールド回路302に保持され、保持された信号は、例えばセレクタ303で選択され、選択された信号がAD変換回路304でアナログ信号からデジタル信号に変換されて検出データとされる。変換された検出データはRAM305に蓄積される。RAM305に蓄積された検出データはバスインタフェース回路306を介してサブプロセッサ5に供給され、ディジタルフィルタ演算及び座標演算に供される。
シーケンス制御回路308は制御信号Csig1〜Csig6を用いて駆動回路300、積分回路301、サンプルホールド回路302、セレクタ303、AD変換回路304及びバスインタフェース回路306の動作を制御し、また、制御信号Csig7によってRAM305のアクセス制御を行なう。特に制限されないが、駆動回路300がY電極に出力する駆動パルスのパルス電圧Vbst、積分回路301が入力するX電極の初期化電圧VHSP、及びその他の電源電圧VICはタッチパネルコントローラ3の外部から供給される。
図18にはタッチパネル1の等価回路と積分回路301の一例が示される。タッチパネル1には、Y電極Y1〜YMとX電極X1〜XN電極がマトリクス状に配置され、その交差部に形成される交点容量はCxyとして図示される。
積分回路301は、例えばX電極X1〜XNをチャージするためのプリチャージ電圧VHSPと、X電極X1〜XNにプリチャージ電圧として電圧VHSPを選択的に印加するスイッチSW2、非反転入力端子(+)に基準電圧として電圧VHSPが印加されるオペアンプAMPit、オペアンプAMPitの反転入力端子(−)を選択的に対応するX電極に接続するスイッチSW2b、オペアンプAMPitの反転入力端子(−)と出力端子との間に配置された積分コンデンサCs、積分コンデンサCsをリセットするためのスイッチSW1によって構成される。尚、スイッチSW1は検出に使用するコンデンサCsに重畳された電荷をリセットする。特に制限されないが、スイッチWS2はY電極Y1〜YMのパルス駆動期間にオフ状態にされ、スイッチSW2とSW2bは相補的にスイッチ制御される。駆動端子PY1〜PYMは駆動電極Y1〜YMに接続される駆動回路300の駆動端子である。検出端子PX1〜PXNは検出電極X1〜XNに接続される積分回路301の検出端子である。
図19にはY電極Y1〜YMに供給される駆動パルス信号の信号波形の一例が示される。例えばY電極Y1〜YMには電極の配列順に複数の駆動パルスが供給される。例えば、Y電極1本当たり10個の駆動パルスが所定のパルス幅及びパルス周期で供給される例を便宜的に示す。1本のY電極を複数回パルス駆動する期間は、表示パネルの複数の表示ラインを順次走査駆動する期間(複数の表示走査期間)に対応される。例えば表示パネルの水平同期信号に同期される1表示走査期間にタッチパネルのY電極を2回パルス駆動するとき、1本のY電極のパルス駆動回数を10回とすれば、5表示ラインの表示期間中に1本のY電極を10回パルス駆動して積分動作を行なう。複数回のパルス駆動による積分動作によって検出感度を上げることができる。T1はタッチパネルの全面に対する1回のタッチ検出期間になる。
図8には積分回路301による積分動作の一例としてタッチ検出の動作タイミングが例示される。図8においてVsyncは表示パネル2の垂直同期信号、Hsyncは水平同期信号、clkはタッチパネルコントローラ3及び表示コントローラ4の動作基準クロックである。ここでは、水平同期信号Hsyncで規定される水平同期期間Tsyncは表示走査周期の一例とされる。予め決められた複数の水平同期期間Tsync毎に積分回路301で検出信号VOUT1〜VOUTNを生成する積分動作が繰返される。夫々の積分動作に当たり、先ず、スイッチSW1がオン状態にされると共にスイッチSW2がオン状態にされることにより、X電極Xn(n=1,…,N)が電圧VHSPでプリチャージされ、コンデンサCsの電荷がリセットされる。これに後続する水平動同期期間Tsync毎に、ゲート電極G1〜G640に対するパルス駆動期間(Tgp)のパルス変化タイミングからずれたタイミングでY電極Ym(m=1,…,M)が2回づつパルス駆動される。Y電極Ymがパルス駆動されるときスイッチSW2がオフ状態にされ、スイッチSW2bがオン状態にされる。スイッチSW1及びスイッチSW2がオフ状態で、スイッチSW2bがオンにされた状態において、Y電極Ymに駆動パルス(パルス電圧をVyとする)が入力されると、Y電極Ym上の交点容量Cxyを介して夫々のX電極Xnには電荷(=Vy×Cxy)が移動し、これを反転入力端子(−)に受けるオペアンプAMPitの出力電圧VOUTnがその移動電荷に応ずる電圧分だけ下がる。その交点容量Cxyの近傍に指があればそれによる浮遊容量によって当該交点容量Cxyの容量値が減少する。例えば指の接近によって合成容量が容量値Cfだけ減少したとすれば、X電極XnのオペアンプAMPitに入力される電荷はVy×(Cxy−Cf)となる。したがって、タッチ時のオペアンプAMPitの出力VOUTnのレベル低下は、非タッチ時のレベル低下よりも小さくなる。この出力信号VOUTnがAD変換回路304でデジタル値の検出データに変換され、サブプロセッサ5による座標演算などに供せられることになる。
《ACチャージャノイズ》
周期的な外来のノイズとしてACチャージャノイズについて説明する。図20には充電中における携帯情報端末の電源の状態が模式的に示される。タッチパネル1を組み込んだ携帯情報端末9はACチャージャ(ACアダプタ)11を用いてバッテリの充電が行われる。ACチャージャ11、即ちAC/DCコンバータは、例えば、AC100Vの商用電源12を、携帯情報端末9のバッテリの直流電圧VBATに変換する。ここで、GNDは対地グランド(グローバルグランド)であり、AGNDは携帯情報端末のグランド(ローカルグランドとしての端末グランド)を示す。携帯情報端末9においては対地グランドGNDと端末グランドAGNDは分離される。ACチャージャ11の中には、その出力電圧VBATが端末グランド電圧AGNDと一緒に所定の周波数で揺れるものが多数ある。すなわち、対地グランドGNDを基準に考えれば、携帯情報端末9側の直流電圧VBATは変動しているように見える。その変動幅はACチャージャ11の種類によっても、また、バッテリに対する充電状態によっても相違され、例えば、その周波数が1kHz〜500kHz程度で変動しているように見える。直流電圧VBATにおけるそのような変動周波数は、ACチャージャ11を構成するAC/DCレギュレータの動作周波数に大きく依存し、レギュレータの動作周波数は、携帯情報端末9に内蔵しているバッテリの残量で変動することが知られている。
図20には、端末グランドAGNDを基準に対地グランドGNDとタッチパネル1における指のタッチ部分の表面電位Vfngとの関係が示されており、上述の説明から明らかなように、表面電位Vfngは端末グランドAGND基準で1kHz乃至500kHz程度で変動しているように見えることになる。
図21にはタッチパネル1における指のタッチ部分における電気的接続関係が例示される。Rtxはタッチパネル1のY電極Ymの抵抗負荷であり、Rrxはタッチパネル1のX電極Xnの抵抗負荷である。Cxyはタッチパネル1の相互容量である。図中破線の右側は、積分回路301を前提とした検出回路の一例であり、X電極Xnが接続された検出回路に対して、スイッチ群SW1,SW2,SW2bを制御して検出動作が実現される。実際の検出動作は、Y電極Ymに周波数f0の矩形パルスを入力し、スイッチSW1,SW2,SW2bの制御は、図8で説明した通り、矩形パルスの変化に同期されている。これに対して、前記表面電位Vfngは、指による浮遊容量Cfを介して例えばX電極Xnに印加されることになる。この表面電位Vfngは、ACチャージャ11を接続したことによって発生する1k〜500kHz程度のノイズ(ACチャージャノイズ)であり、X電極Xnを介して積分回路301に入力されることになる。以下、表面電位VfngをACチャージャノイズとも記す。
図22はACチャージャノイズVfngの積分動作への影響が例示される。ACチャージャノイズVfngの周波数fが、Y電極Ymに印加される駆動パルスの周波数f0と一致、更には周波数f0の整数倍の周波数に一致すると、積分回路301の積分動作によって得られる検出信号VOUTnに重畳されるノイズ成分が大きくなる。図22において、駆動パルスのパルスTdtが検出期間と考えられるが、検出期間Tdtの中にACチャージャノイズVfngが足し込まれることになる。図中でACチャージャノイズVfngの中心線(一点鎖線)より上がACチャージャノイズVfngのプラス成分、下がACチャージャノイズVfngのマイナス成分である。駆動パルスが印加される度に毎回ACチャージャノイズが足し込まれるためにそれが積分回路301の出力VOUTnでノイズとして観測される。即ち、図22ではACチャージャノイズVfngの周波数fが駆動パルスの周波数f0に等しい場合の検出信号VOUTnは破線で示され、ACチャージャノイズがない実線の場合に比べて、X電極Xnに現れる電位が毎回高くなって累積され、その結果、検出信号VOUTnに差電圧VnoiseとしてACチャージャノイズVfngの影響が現れる。ACチャージャノイズVfngの周波数fが駆動パルスの周波数f0の整数倍である場合も同様である。
ちなみに、ACチャージャノイズVfngの周波数fと、駆動パルスの周波数f0又はその整数倍の周波数が実質的に一致しない場合は、複数回の駆動パルス入力による検出動作の平均化効果でACチャージャノイズVfngの影響は緩和されることになる。
≪検出期間によるACチャージャノイズ対策≫
上述から明らかなように、ACチャージャノイズのような、タッチ検出精度を劣化させる外来ノイズは水平同期期間としての表示走査周期Tsyncに同期するノイズであって表示走査周期Tsyncの1/m(mは正の整数)の周期を持つノイズ(Tnr=Tsync/m)である。この外来ノイズは上記ACチャージャノイズVfngに代表される。
検出期間によるACチャージャノイズ対策は、先の出願(特願2012−216745)においても提案された内容であり、図5に例示されるように、駆動電極Ymに対する駆動パルスのパルス幅、即ち検出期間Tdtを、表示走査周期Tsyncの1/mである外来ノイズNRの周期Tnrの整数倍の期間に一致又は近づけるようにする。数式で表現すれば、検出期間Tdtを、Tdt=Tsync×n/m=Tnr×nとなる関係に近づけるように設定する。当然ではあるが、前提としてTdt<Tsyncである。
前述のように、タッチ検出は、表示走査周期Tsyncに同期させて表示パネルの駆動ノイズが少ない期間で行なうという、表示同期検出が行われている。表示走査周期Tsyncに同期させてタッチ検出を行なうと、Tsync/mの関係にある周期の外来ノイズが、重畳された場合に検出精度が劣化することになる。ACチャージャノイズが外来ノイズNRの代表例である。図5では外来ノイズNRの周期Tnrに応じた検出期間の設定形態が例示される。即ち、抑止しようとするノイズ周期(Tnr)のn倍に検出期間Tdtを設定する。このように調整すると、検出期間Tdtの最初から最後までの間に、正方向と負方向のノイズ成分が均等に加わることになるため、ノイズの影響がキャンセルされる。
図5の第1設定形態A1a及びA1bは、Tdt=1/2×Tsyncに設定し、fs=1/Tsyncとするとき2×fsの倍数の周波数の外来ノイズNRの影響を抑止可能とした場合を例示する。即ち、第1設定形態A1aは、Tnr=Tsync×(1/2)の外来ノイズNRの影響を抑止可能とする。第2設定形態A1bは、Tnr=Tsync×(1/4)の外来ノイズNRの影響を抑止可能とする。
図5の第2設定形態A2は、Tdt=(1/3)×Tsyncに調整し、3×fsの倍数の外来ノイズNRの影響を抑止可能とした場合を例示する。ここでは3×fsの外来ノイズNRを例示する。
図5の第3設定形態A3は、Tdt=(1/4)×Tsyncに調整し、4×fsの倍数の外来ノイズNRの影響を抑止可能とした場合を例示する。ここでは4×fsの外来ノイズNRを例示する。
図6には第1設定形態A1a乃至第3設定形態A3においてノイズ周波数(横軸)に対するノイズ通過特性を例示する。fs=1/Tsyncであり、縦軸は検出結果が受けるノイズの影響を模式的に示したものであり、ノイズの影響を受ける周波数には縦線を付してある。これは、検出期間Tdtが、表示走査周期Tsyncの1/mである外来ノイズNRの周期Tnrの整数倍の期間であればノイズの影響がキャンセルされることを意味する。第1設定形態A1aの場合は1/2×Tsyncに設定した検出期間Tdtに対して2×fsの周波数の整数倍の周波数2×fs、4×fs、6×fs、8×fs、…を持つ外来ノイズNRに対して影響を抑止することができることを示している。第2設定形態A2の場合は1/3×Tsyncに設定した検出期間Tdtに対して3×fsの周波数の整数倍の周波数3×fs、6×fs、…を持つ外来ノイズNRに対して影響を抑止することができるということを示している。第3設定形態A3の場合は1/4×Tsyncに設定した検出期間Tdtに対して4×fsの周波数の整数倍の周波数4×fs、8×fs、…を持つ外来ノイズNRに対して影響を抑止することができるということを示している。しかしながら、検出期間TdtによるACチャージャノイズ対策では、長い周期のノイズNRを抑止することは難しい。すなわち、周期的な積分動作の各検出期間Tdtを外来ノイズの周期と一致、又はその整数倍にする場合に、長い周期の外来ノイズNRに対処するには検出期間Tdtも長くしなければならず、表示期間における表示動作ノイズの発生タイミングに検出期間Tdtが重なる可能性が高くなり、タッチ検出の感度低下を避けられなくなる。特に表示の高精細によって表示走査周期Tsyncが短くなる傾向にあっては益々長い周期のノイズNRを抑止することが難しくなる。
≪検出周期によるACチャージャノイズ対策≫
次に検出周期Tdcを調整して、特定周期のノイズを抑止する手法について説明する。これは、検出期間Tdtを外来ノイズNRの周期Tnrの整数倍の期間にするという対策では長い周期の外来ノイズの影響を抑止し難いという点を解決するためである。
検出周期によるACチャージャノイズ対策は、図1に例示されるように、駆動電極Ymに対する駆動パルスのパルス周期、即ち、検出周期Tdcを、表示走査周期Tsyncの1/mである外来ノイズNRの周期の半分を奇数倍した周期に一致または近づけるようにする。数式で表現すれば、検出周期Tdcを、Tdc=Tsync×(2×n−1)/(m×2)(nは正の整数)となる関係に近づけるように設定する。当然であるが、前提としてTdc<Tsyncである。
図1では外来ノイズNRの周期Tnrに応じた検出周期Tdcの設定形態が例示される。即ち、抑止しようとするノイズ周期(Tnr)の半分の奇数倍に検出周期Tdcを設定する。このように調整すると、外来ノイズNRの極性が検出周期の1周期毎に反転することを可能にするから、外来ノイズの影響が検出周期の2検出毎に相殺可能になる。換言すれば、2回の検出にて、ちょうど半位相ずれたノイズ影響を取り込むことになり、ノイズの影響がキャンセルされる。
図1の第1設定形態B1は、Tdc=(1/2)×Tsyncに調整し、fs=1/Tsyncのときfsの奇数倍の周波数の外来ノイズNRの影響を抑止可能とした場合を例示する。即ち、第1設定形態B1はTnr=Tsyncの外来ノイズNRの影響を抑止可能とする。
図1の第2設定形態B2a及びB2bは、Tdc=(1/4)×Tsyncに調整し、2×fsの奇数倍の外来ノイズの影響を抑止可能とする。即ち、第2設定形態B2aは、Tnr=Tsync×(1/2)の外来ノイズNRの影響を抑止可能とする。第2設定形態B2bは、Tnr=Tsync×(1/6)の外来ノイズNRの影響を抑止可能とする。
図1の第3設定形態B3は、Tdc=(1/6)×Tsyncに調整し、3×fsの奇数倍の外来ノイズの影響を抑止可能とする。
図2には第1設定形態B1、B2a、B3においてノイズ周波数(横軸)に対するノイズ通過特性を例示する。fs=1/Tsyncであり、縦軸は検出結果が受けるノイズの影響を模式的に示したものであり、ノイズの影響を受ける周波数には縦線を付してある。これは、検出周期Tdcが、表示走査周期Tsyncの1/mである外来ノイズNRの周期の半分を奇数倍した周期であればノイズの影響がキャンセルされることを意味する。
第1設定形態B1の場合は1/2×Tsyncに設定した検出周期Tdcに対してfsの周波数の奇数倍の周波数fs、3×fs、5×fs、7×fs、…を持つ外来ノイズNRに対して影響を抑止することができることを示している。第2設定形態B2aの場合は1/4×Tsyncに設定した検出周期Tdcに対して2×fsの周波数の奇数倍の周波数2×fs、6×fs、…を持つ外来ノイズNRに対して影響を抑止することができるということを示している。第3設定形態B3の場合は1/6×Tsyncに設定した検出周期Tdcに対して3×fsの周波数の奇数倍の周波数3×fs、9×fs、…を持つ外来ノイズNRに対して影響を抑止することができるということを示している。
検出周期Tdcの上記調整手法によれば、例えば、2×fsの外来ノイズを抑止するとき、図5の検出期間Tdtによる調整手法ではTdt=(1/2)×Tsyncの設定が必要である(図5及び図6の第1設定形態A1a)。これに対し、検出周期Tdcの設定手法では、Tdc=(1/4)×Tsyncの設定となり(図1及び図2の第2設定形態携帯B2a)、より短い検出動作期間で外来ノイズの抑止が可能となる。特に、表示パネルの高精細化が進んだとき、1フレーム期間内で表示に必要な時間が増え、タッチ検出動作に使える時間が減少するので、より短い検出動作期間でも外来ノイズを抑止可能であることが必要となる。したがって、高精細表示による表示走査周期の短縮化とタッチ検出期間の短縮化が進む中で、タッチ検出期間(Tdt)よりも周期の長い外来ノイズNRに対しても、タッチ検出精度の劣化を防止する効果を発揮することができる。
≪検出期間及び検出周期の双方によるACチャージャノイズ対策≫
外来ノイズ対策として検出周期と検出期間の両方を使って調整可能であることは言うまでもない。検出期間Tdtと検出周期Tdcをそれぞれ特定の値に設定することにより、より多くの周波数のノイズを抑止できる。
図3では外来ノイズNRの周期Tnrに応じた検出周期Tdcの設定形態が例示される。一例として第1設定形態C1として、図1の第2設定形態B2aと同一の波形を示している。この波形にて、検出周期Tdcは(1/4)×Tsyncに調整され、2×fsの奇数倍のノイズの影響を抑止することできる。この例では、検出期間Tdtの大きさに注意が払われておらず非常に短く設定されており、検出期間Tdtによるノイズ抑止効果は非常に高い高周波側に現れていることになる。
図3の第2設定形態C2では、検出周期Tdcは、第1設定形態C1と同じく(1/4)×Tsyncとし、2×fsの奇数倍の外来ノイズの影響を抑止することができる。このとき、検出期間Tdtについては、(1/5)×Tsyncに設定され、5×fsの倍数の外来ノイズの影響も抑止できるようになっている。
図3の第3設定形態C3では、第1設定形態C1と同じく(1/4)×Tsyncとし、2×fsの奇数倍の外来ノイズの影響を抑止することができる。このとき、検出期間Tdtは、(1/7)×Tsyncに設定され、7×fsの倍数の外来ノイズの影響も抑止できるようになっている。
図4には図3の設定形態で抑止できるノイズ周波数がノイズ周波数(横軸)に対するノイズ通過特性によって示される。検出周期Tdcを単独設定した場合の図2の特性、及び検出期間Tdtを単独設定した場合の図6に比べ、一つの設定形態で多くの周期の外来ノイズを抑止でき、効率の良い外来ノイズ対策が可能となる。
尚、図1及び図3では検出周期として短い方の周期に着目して説明したが長い方の検出周期は表示走査周期Tsyncとの関係により自ら定まる。例えば、図1の第2設定形態2Baの場合、短い方の検出周期は(1/4)×Tsyncであるから、長い方の検出周期は(3/4)×Tsyncとなる。
≪検出期間設定データ及び検出周期設定データの設定≫
上述のACチャージャノイズ対策で説明した設定形態を実現するために、例えば、サブプロセッサ5は電気的に書き換え可能な不揮発性メモリ、例えばフラッシュメモリ50を備え、フラッシュメモリ50にチャージャノイズ対策に必要な検出周期設定データ及び検出期間設定データを予め格納可能にしておく。予め格納する設定データは、例えば、タッチパネルコントローラ3の設計段階で生成される。
図10には検出期間設定データ及び検出周期設定データの設計手順が例示される。先ず、表示パネル2の特性から、表示パネル2の駆動条件の一つである表示走査周期Tsyncを確定する(S1)。次に、確定した表示走査周期Tsyncで特定されるパルス駆動期間(Tgp)を特定する(S2)。パルス駆動期間(Tgp)は図8に基づいて説明しように、表示パネルを走査駆動するそのパルス立ち上がり及び立ち下がりにおいて表示パネル2側からのノイズが顕在化する。
次に、携帯情報端末のシステム要件から抑止が必要な複数の外来ノイズの周期(Tnr)を選定する(S3)。前記システム要件とは、特に脆弱なノイズ周波数や、フィルタなどの別の回路構成によってノイズ対策がなされている特定周波数、などを考慮するという意味である。
そして、ステップS1乃至S3で決定した条件に基づいて夫々の外来ノイズ周期に対する複数の検出周期(Tdc)及び検出期間(Tdt)を算出する(S4)。算出された複数の検出周期(Tdc)及び検出期間(Tdt)は設定候補として用いられる。図10の設計手順は例えばエンジニアリングワークステーションなどのデータ処理装置で実行する設計支援ツールを用いて実現することができる。
このように算出された検出周期(Tdc)を設定するための検出周期設定データ及び検出期間(Tdt)を設定するために検出期間設定データは、対処すべき外来ノイズの周波数を想定して、半導体装置10A,10B,又は10Cの出荷前に、サブプロセッサ5のフラッシュメモリに格納しておく。対処すべき外来ノイズの想定周波数とこれに対処できる検出周期及び検出期間の算出では、図2及び図4で説明したノイズ周波数に対するノイズ通過特性を参照して多くの種類のノイズ周波数を効率的に抑止できる組合せを想定することが効果的である。
そのような半導体装置10A,10B,10Cが組み込まれたシステム上では、システム起動時に、サブプロセッサ5のCPU51がフラッシュメモリ50からサブプロセッサ5内の揮発性メモリ、例えばSRAMなどの揮発性メモリから成るCPU51のワークRAMに内部転送されて使用される。
検出周期設定データ及び検出期間設定データについては半導体装置10A,10B,10Cの出荷前に予めフラッシュメモリに格納しておくことに限定されない。例えばシステムの初期動作時にサブプロセッサ5又はホストプロセッサ6がソフトウェアプログラムによって動的に演算して取得するようにしてもよい。動的とは、外来ノイズの影響を実際に観測して最適な検出周期と検出期間を決定するという意味であり、外来ノイズの影響を実際に観測する手法として後述するノイズ検出スキャンを流用して行なえばよい。或いはシステムの初期動作時に、携帯情報端末の通信機能を利用して検出周期設定データ及び検出期間設定データをダウンロードするようにしてもよい。また、外来ノイズの影響が特に大きい場合には、サブプロセッサ5から表示コントローラ4に表示走査周期Tsyncなどの液晶表示駆動条件を変更する命令を発行し、表示走査周期Tsyncを変えて好適な外来ノイズ抑止条件を探すことも可能である。好適な外来ノイズ抑止条件を探す場合にも後述するノイズ検出スキャンを流用して行なえばよい。
≪外来ノイズに対処するタッチシーケンス≫
図7には外来ノイズに対処するためのタッチシーケンスの一例が示される。先ず、サブプロセッサ5がタッチパネルコントローラ3にタッチ検出条件としてフラッシュメモリ50から読み出した検出周期Tdc及び検出期間Tdtの設定データをロードし(動作条件ST1)、更に、タッチパネルコントローラ3にタッチパネルスキャン開始命令(TPスキャン開始命令IS1)を送信する(Sm1)。TPスキャン開始命令IS1を受けたタッチパネルコントローラ3は、タッチ検出用のタッチ検出スキャン(以下ノーマルスキャンとも記す)NS1を行なう。更に、そのときに受けている外来ノイズに対して最適なタッチ検出条件を探すためのノイズ検出スキャンFS1を行なう。ノーマルスキャンNS1及びノイズ検出スキャンFS1の夫々はタッチパネル1の一面全体に対するスキャンである。タッチパネルコントローラ3はノーマルスキャンNS1及びノイズ検出スキャンFS1の夫々によって検出データをRAM305に取得すると、タッチパネルスキャン完了報告RP1をサブプロセッサ5に与える(Stp1)。
タッチパネルスキャン完了報告RP1を受けたサブプロセッサ5は、タッチパネルコントローラ3のRAMのRAM305からノーマルスキャンNS1及びノイズ検出スキャンFS1の夫々によって検出データを読み出す(Str1)。
サブプロセッサ5はタッチパネルコントローラ3に次のタッチ検出条件(動作条件ST2)と、次のタッチパネルスキャン開始命令(TPスキャン開始命令IS2)を送信(Sm1)した後に、ステップStr1で読み出したノーマルスキャンNS1の結果を分析し(NAL1)、ノイズ検出スキャンFS1の結果を分析する(FAL1)。ノーマルスキャン結果の分析では、検出データに基づいてタッチ判定が行われる。ノイズ検出スキャンの結果の分析では、その積分動作による検出データによる外来ノイズの積み上げ値の大小を判別する。結果分析の間、タッチパネルコントローラ3では次のノーマルスキャンNS2とノイズ検出スキャンFS2が行われる。以下同様に、TPスキャン完了報告RP2,TPスキャン結果RSLT2の転送(Str2)、動作条件ST3とTPスキャン開始命令IS3の転送(Ssm3)、ノーマルスキャン結果NAL2の分析、ノイズ検出結果FAL2の分析、ノーマルスキャンDA3、ノイズ検出スキャンFS3などが順次行われる。
例えば、検出周期と検出期間を夫々変更してノイズ検出スキャンFS1,FS2,FS3を3回行い、夫々のノイズ検出スキャンFS1,FS2,FS3によるノイズ検出結果分析FAL1,FAL2,…による分析結果の中で外来ノイズの積み上げ値が最も小さい検出周期及び検出期間の組合せを最適なタッチ検出条件として把握する。把握された検出条件は、所要のタイミングで後のノーマルスキャンのスキャン設定に用いられる。即ち、サブプロセッサ5は、前記ノイズ検出スキャンで得られた複数の検出周期及び複数の検出期間に応ずるデータに基づいて、どの検出周期Tdcが、表示走査周期Tsyncの1/mの周期を持つ外来ノイズNRの周期の半分を奇数倍した周期に等しい第1関係に最も近くなっているか、更に、どの検出期間Tdtが、外来ノイズNRの周期の整数倍の期間に等しい第2関係に最も近くなっているかを評価し、タッチ位置の判別には前記評価にて最も近くなっているとされる結果が得られた検出周期Tdc及び検出期間Tdtによる検出データを用いる方向でタッチ判別のための制御を行う。
図7の外来ノイズに対処するタッチシーケンスは、Y電極YmとX電極Xn電極を持つ容量の前記X電極Xnに現れる信号を表示走査周期Tsyncに同期して周期的に積分する積分動作において、X電極Xnに重畳される周期的な外来ノイズNRによる誤差成分を相殺する誤差相殺方法の一例として位置付けられる。即ち、動作条件設定ST1、ST2、ST3、…のステップSsm1、Ssm2,Ssm3は検出周期Tdcの設定データを用意する第1ステップと、検出周期の検出期間Tdtを規定する検出期間設定データを用意する第3ステップとに相当する。ノイズ検出結果分析FAL1,FAL2のステップは、第1ステップで用意された複数の積分周期設定データの中から、前記誤差成分を相殺して前記積分動作の結果を得るのに好適なデータを判別する第2ステップ、そして、前記第3ステップで用意された複数の検出期間設定データの中から、前記誤差成分を相殺して前記積分動作の結果を得るのに好適なデータを判別する第4ステップに相当される。第2ステップで判別する前記好適なデータは、前記基準周期の1/mの周期を持つ外来ノイズの周期の半分を奇数倍した周期に等しい関係に最も近くなっている積分周期を指定する積分周期設定データとなる。同様に、第4ステップで判別する前記好適なデータは、前記外来ノイズの周期の整数倍の期間に等しい関係に最も近くなっている積分期間を指定する積分期間設定データとなる。
図8にはノーマルスキャンの動作タイミングの一例が示されている。ここでは外来ノイズを抑止するために検出周期Tdcと検出期間Tdtの双方を制御する。G1〜G640、D1〜D1440は表示コントローラ4が表示パネル2に出力する信号であり、それによって表示パネル2への画像情報が書き込まれる。この動作により液晶表示系の駆動ノイズが発生し、パルス駆動期間Tgpで示す期間はタッチ検出には不向きとなる。即ち、タッチ検出は、表示走査周期Tsyncの期間(Hsyncの周期)からパルス駆動期間Tgpを除いた期間で行われる。ここでは、検出期間Tdtは図18のスイッチSW2がオフ状態にされてX電極Xnが対応する積分回路に接続する期間である。検出周期TdcはTsync期間中のスイッチSW2のパルスの周期である。Y電極Ymは、スイッチSW2のオフタイミングから少し遅れて、同一周期で駆動される。少し遅らすのは、X電極Xnと積分回路を接続してから、電荷注入するためである。VOUTnは、図18の積分回路の出力であり、Y電極Ymからの電荷注入の影響が積上げられて得られる信号である。
図9には図7におけるノイズ検出スキャン時の動作タイミング波形が例示される。図9の各波形のうち、Y電極Ymと出力信号VOUTn以外は、図8と同じである。ノイズ検出スキャンでは、スイッチSW2をノーマルスキャン同様に動作させるが、Y電極Ymは駆動させない。これにより、Y電極Ymから電荷を注入せずに積分動作を行なうことになる。即ち、出力信号VOUTnには、外来ノイズの影響による情報だけが積上げられていくことになる。即ち、外来ノイズの解析ではタッチの有無を考慮することを要さず、その判別が容易になって当該判別精度の向上に資することができる。
ノイズ検出スキャンの結果に対しては、外来ノイズの影響の積上げ結果の大小に基づいて、外来ノイズの影響がキャンセルされているか否かを判別することができる。換言すれば、設定した検出周期Tdc及び検出期間Tdtが外来ノイズのキャンセルに効果があるか否かを評価することになり、外来ノイズの影響の積上げ結果が最も小さくなる、最適な検出条件を探すことができる。これにより、タッチ検出精度を劣化させる着目すべき外来ノイズがTnr=Tsync/mであることに鑑みれば、外来ノイズに対し上記評価結果に基づいて最適な検出周期及び検出期間を用いたタッチ位置の判別が可能になる。
図7のシーケンス図に示すようなタッチ検出条件を順次切替える動作を所定インターバル毎に行ない、その結果から外来ノイズの影響の積上げ結果が最も小さくなる条件を最適条件として、次からのタッチ検出の条件に用いるようにすることができる。サブプロセッサ5がソフトウェアにしたがって指示したときだけ図7のシーケンス図に示すようなタッチ検出条件を順次切替える動作を行って、タッチ検出条件の再評価を行なってタッチ検出条件を最適化するようにしてもよい。また、図7に例示されるように複数の検出周期と検出期間を夫々設定するノイズ検出スキャンとノーマルスキャンを毎回行って、その中から最適なノーマルスキャン結果を選んでタッチ位置の判別に供する手順を採用してもよい。
≪設定による検出周期の制御精度≫
図11には検出周期Tdcによるノイズ抑止設定を試みた時の位相差、即ち、設定される検出周期Tdcの理論値と実際の設定値とのずれをTsyncで割ったものと、外来ノイズの影響により誤タッチ検出(誤動作)が発生する関係を例示する。
図11に例示されるように検出周期の設定のずれが0.5%より大きいと誤タッチが発生する虞が高くなることが予測される。図11において、位相差>0.01π[rad]/2π[rad]=0.5%にて誤タッチ発生有無の境界が存在している。縦軸のノイズ影響の100stepを誤タッチ発生と見積もっている。これに従えば、例えば、Tsync=25μsの液晶表示動作を行なうシステムであれば、検出周期Tdcの調整は、25μs×0.01π/2π=125nsより小さい精度で切り替えができるように構成が必要である。したがって、検出周期の設定精度についてその誤差が0.5%以下に抑えられるように考慮することは、外来ノイズを抑制する検出周期の設定の容易化に資することができる。
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、タッチパネルは表示パネルに対してインセル構造であることに限定されない。以上で説明した検出周期及び検出期間の例は一例であり適宜変更可能であることは言うまでもない。
また、第1電極と第2電極を持つ容量の前記第2電極に現れる信号を基準周期に同期して周期的に積分する積分動作において、前記第1電極に重畳される周期的な外来ノイズによる誤差成分を相殺する誤差相殺方法はタッチ検出に適用される場合に限定されず、その他の適宜の回路に適用可能であることは言うまでもない。
また、タッチパネルコントローラによる積分動作は、タッチパネルの駆動電極(Y1〜YM)と検出電極(X1〜XN)との間の容量成分を介して検出電極に現れる信号を周期的に取込む周期的な取り込み動作の一例である。この取り込み動作は積分動作に限定されず、検出電極に現れる信号を順次平均する平均処理などであってもよい。要するに、検出電極に現れる信号を積み上げ的に処理する操作であればよい。
また、検出周期と検出期間は適宜の組合せで個別に設定指定してよいことは言うまでもない。更に、検出期間を一定とし、検出周期だけ複数に緒候補から可変可能に設定するようにしてよいことは言うまでもない。
1 タッチパネル(TP)
2 表示パネル(DP)
3 タッチパネルコントローラ(TPC)
4 表示コントローラ(DPC)
5 サブプロセッサ(SMPU)
6 ホストプロセッサ(HMPU)
7 その他周辺機器(PRPH)
10A、10B、10C 半導体装置
Y1〜YM 駆動電極(Y電極)
X1〜XN 検出電極(X電極)
G1〜G640 走査電極(ゲート電極)
D1〜D1440 信号電極(ドレイン電極)
300 駆動回路(YDRV)
301 積分回路(INTGR)
302 サンプルホールド回路(SH)
303 セレクタ(SLCT)
304 AD変換回路(ADC)
305 RAM
306 バスインタフェース回路(BIF)
308 シーケンス制御回路(SQENC)
310 検出回路(XDTC)
Cxy 交点容量は
VHSP プリチャージ電圧
SW1、SW2、SW2b スイッチ
AMPit オペアンプ
Cs 積分コンデンサ
Vsync 垂直同期信号
Hsync 水平同期信号
Tsync 表示走査周期(水平同期期間)
VOUT1〜VOUTN 検出信号
Tgp パルス駆動期間
Tdt 検出期間
Tdc 検出周期
Vfng ACチャージャノイズ
NR 外来ノイズ

Claims (24)

  1. タッチパネルの駆動電極と検出電極との間の容量成分を介して検出電極に現れる信号を周期的に取り込んで前記容量成分に応ずる検出データを生成するタッチパネルコントローラと、データプロセッサとを含む半導体装置であって、
    前記タッチパネルコントローラは、前記信号を周期的に取り込む検出周期と各周期における検出期間とを制御する制御回路を含み、
    前記データプロセッサは、前記制御回路に前記検出周期及び前記検出期間を設定すると共に、その設定にしたがって前記タッチパネルコントローラに前記検出データを生成させ、生成された検出データに基づいてタッチ位置を判別する演算処理を行ない、
    前記データプロセッサが設定する検出周期は、タイミング信号で規定される表示走査周期の1/m(mは正の整数)の半分を奇数倍した周期である、半導体装置。
  2. 請求項1において、前記データプロセッサは、タッチパネルコントローラで生成した複数の検出周期に応ずる検出データに基づいて、どの前記検出周期が、表示走査周期の1/m(mは正の整数)の周期を持つ外来ノイズの周期の半分を奇数倍した周期に等しくなる関係に最も近くなっているかを評価し、タッチ位置の判別には前記評価にて最も近くなっているとされる結果が得られた検出周期による検出データを用いる方向に制御する、半導体装置。
  3. 請求項1において、前記タッチパネルコントローラは、前記検出周期を設定する検出周期設定データで指定された周期の検出期間が検出期間設定データで指定され、
    前記検出期間設定データが規定する検出期間は、表示走査周期の1/mの整数倍の期間である、半導体装置。
  4. 請求項3において、前記タッチパネルコントローラは、検出周期設定データ及び検出期間設定データで指定された検出周期及び検出期間により前記検出データを生成し、
    前記データプロセッサは、複数の検出周期及び検出期間による検出データに基づいて、どの検出周期が、表示走査周期の1/mの周期を持つ外来ノイズの周期の半分を奇数倍した周期に等しい第1関係に最も近くなっているか、更に、どの検出期間が、前記外来ノイズの周期の整数倍の期間に等しい第2関係に最も近くなっているかを評価し、タッチ位置の判別には前記評価にて最も近くなっているとされる結果が得られた検出周期及び検出期間による検出データを用いる方向に制御する、半導体装置。
  5. 請求項4において、前記データプロセッサは、前記制御回路に設定する検出周期設定データと検出期間設定データを個別に設定変更する、半導体装置。
  6. 請求項1において、前記データプロセッサは、表示走査周期の1/mの半分を奇数倍した周期を指定するための複数の検出周期設定データが書き換え可能に格納された不揮発性メモリを有する、半導体装置。
  7. 請求項3において、前記データプロセッサは、表示走査周期の1/mの半分を奇数倍した周期を指定するための複数の検出周期設定データ、及び前記表示走査周期の1/mの整数倍の検出期間を指定するための複数の検出期間設定データが書き換え可能に格納された不揮発性メモリを有する、半導体装置。
  8. 請求項1において、表示パネルの前記表示走査周期毎の走査電極の駆動に同期して表示パネルの信号電極に階調信号を供給する表示コントローラを更に有する、半導体装置。
  9. 請求項1において、前記タッチパネルコントローラは、検出周期設定データで指定された検出周期の前記周期的な取り込みによるタッチ検出とノイズ検出を行ない、
    前記タッチ検出では前記検出周期に同期する周期で前記駆動電極を駆動して前記周期的な取り込みを行ない、
    前記ノイズ検出では前記駆動電極の駆動を停止して前記周期的な取り込みを行ない、
    前記データプロセッサは、前記ノイズ検出で得られた複数の検出周期に応ずるデータに基づいて、どの検出周期が、表示走査周期の1/mの周期を持つ外来ノイズの周期の半分を奇数倍した周期に等しい関係に最も近くなっているかを評価し、前記タッチ位置の判別は前記タッチ検出で得られたデータに基づいて行ない、前記タッチ位置の判別には前記評価にて最も近くなっているとされる結果が得られた検出周期によるデータを用いる、半導体装置。
  10. 請求項9において、前記タッチパネルコントローラは更に、前記周期的な取り込みの各周期の検出期間を検出期間設定データで指定された検出期間に設定して前記タッチ検出とノイズ検出を行ない、
    前記検出期間設定データが規定する検出期間は、表示走査周期の1/mの整数倍の期間である、半導体装置。
  11. 請求項10において、前記データプロセッサは、前記制御回路に設定する検出周期設定データと検出期間設定データを個別に設定変更する、半導体装置。
  12. 請求項1において、前記タッチパネルコントローラは、検出周期設定データ及び検出期間設定データで指定された検出周期及び検出期間による前記周期的な取り込みによりタッチ検出とノイズ検出を行ない、
    前記タッチ検出では前記検出周期に同期する周期で前記駆動電極を駆動して前記周期的な取り込みを行ない、
    前記のノイズ検出では前記駆動電極の駆動を停止して前記周期的な取り込みを行ない、
    前記データプロセッサは前記タッチ検出で得られたデータに基づいてタッチ位置の判別を行ない、前記ノイズ検出で得られた複数の検出周期及び複数の検出期間に応ずるデータに基づいて、どの検出周期が、表示走査周期の1/mの周期を持つ外来ノイズの周期の半分を奇数倍した周期に等しい第1関係に最も近くなっているか否か、更に、どの検出期間が、前記外来ノイズの周期の整数倍の期間に等しい第2関係に最も近くなっているかを評価し、タッチ位置の判別には前記評価にて最も近くなっているとされる結果が得られた検出周期及び検出期間による検出データを用いる方向に制御する、半導体装置。
  13. 請求項12において、前記データプロセッサは、前記制御回路に設定する検出周期設定データと検出期間設定データを個別に設定変更する半導体装置。
  14. 表示走査周期に同期して表示パネルの駆動制御を行なう表示コントローラと、
    前記表示コントローラによる駆動制御に同期して、タッチパネルの駆動電極と検出電極との間の容量成分を介して前記検出電極に現れる信号を周期的に取り込むことにより前記容量成分に応ずる検出データを検出する制御を行なうタッチパネルコントローラと、を含む半導体装置であって、
    前記タッチパネルコントローラは、検出周期設定データで指定された検出周期で前記周期的な取り込みを行ない、
    前記検出周期設定データが規定する検出周期は、前記表示走査周期の1/m(mは正の整数)の半分を奇数倍した周期である、半導体装置。
  15. 請求項14において、前記タッチパネルコントローラは更に、前記検出周期設定データで指定された前記周期的な取り込みの各周期の検出期間が検出期間設定データで指定され、
    前記検出期間設定データが規定する検出期間は、表示走査周期の1/mの整数倍の期間である、半導体装置。
  16. タッチパネルの駆動電極と検出電極との間の容量成分を介して検出電極に現れる信号を周期的に取り込んで前記容量成分に応ずるデータを生成する半導体装置であって、
    前記周期的な取り込みによる検出周期及び各周期における検出期間とを制御する制御回路と、
    前記検出周期を規定する複数の検出周期設定データを格納するための記憶回路とを含み、
    前記記憶回路に格納される複数の検出周期設定データが規定する夫々の検出周期は、タイミング信号で規定される表示走査周期の1/m(mは正の整数)の半分を奇数倍した周期である、半導体装置。
  17. 請求項16において前記記憶回路は、前記検出期間を規定する複数の検出期間設定データを格納するための領域を更に有し、
    前記記憶回路に格納される検出期間設定データが規定する複数種類の検出期間は、表示走査周期の1/mの整数倍の期間である、半導体装置。
  18. 請求項17において前記記憶回路は、検出周期設定データ及び検出期間設定データが書き込まれた電気的に書き換え可能な不揮発性メモリ、又は前記検出周期設定データ及び検出期間設定データが書き込まれる揮発性メモリである、半導体装置。
  19. 表示走査周期に同期して表示パネルの駆動制御を行なう表示コントローラと、
    前記表示コントローラによる駆動制御に同期して、タッチパネルの駆動電極と検出電極との間の容量成分を介して前記検出電極に現れる信号を周期的に取り込むことにより前記容量成分に応ずる検出データを検出する制御を行なうタッチパネルコントローラと、を含む半導体装置であって、
    前記タッチパネルコントローラは、検出周期設定データで指定された検出周期による前記周期的な取り込みによるタッチ検出とノイズ検出を行ない、
    前記タッチ検出では前記検出周期に同期する周期で前記駆動電極を駆動して前記周期的な取り込みを行ない、
    前記ノイズ検出では前記駆動電極の駆動を停止して前記周期的な取り込みを行ない、
    前記検出周期設定データが規定する検出周期は、前記表示走査周期の1/m(mは正の整数)の半分を奇数倍した周期である、半導体装置。
  20. 請求項19において、前記タッチパネルコントローラは更に、前記周期的な取り込みの各周期の検出期間を検出期間設定データで指定された検出期間に設定して前記タッチ検出とノイズ検出を行ない、
    前記検出期間設定データが規定する検出期間は、表示走査周期の1/mの整数倍の期間である、半導体装置。
  21. 第1電極と第2電極を持つ容量の前記第2電極に現れる信号を基準周期に同期して周期的に取り込む取り込み動作において、前記第1電極に重畳される周期的な外来ノイズによる誤差成分を相殺する誤差相殺方法であって、
    前記取り込み動作の検出周期を規定する複数の検出周期設定データを用意する第1ステップと、
    前記第1ステップで用意された複数の検出周期設定データの中から、前記誤差成分を相殺して前記取り込み動作の結果を得るのに好適なデータを判別する第2ステップとを含み、
    前記複数の検出周期設定データが規定する夫々の検出周期は、基準周期の1/m(mは正の整数)の半分を奇数倍した周期である、誤差相殺方法。
  22. 請求項21において、前記第2ステップで判別する前記好適なデータは不適なデータに比べて、前記検出周期が、前記基準周期の1/mの周期を持つ外来ノイズの周期の半分を奇数倍した周期に等しい関係に最も近くなっている、検出周期設定データである、誤差相殺方法。
  23. 請求項22において、前記検出周期の検出期間を規定する複数の検出期間設定データを用意する第3ステップと、
    前記第3ステップで用意された複数の検出期間設定データの中から、前記誤差成分を相殺して前記取り込み動作の結果を得るのに好適なデータを判別する第4ステップとを含み、
    前記複数の検出期間設定データが規定する複数種類の検出期間は、基準周期の1/mの整数倍の期間である、誤差相殺方法。
  24. 請求項23において、前記第4ステップで判別する前記好適なデータは不適データに比べて、前記検出期間が、前記外来ノイズの周期の整数倍の期間に等しい関係に最も近くなっている、検出期間設定データである、誤差相殺方法。
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