JP2015113931A - 遊星ローラ式変速機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】遊星ローラ式変速機5では、キャリア10の複数の軸部18は、出力軸6の軸方向と交差する方向にキャリア10が移動したときに、当該キャリア10に伴って移動する少なくとも1つの軸部18の外周が、対応する遊星ローラ13の入力軸11側の内周ではなく固定輪12側の内周に接触するように設けられている。
【選択図】図1
Description
請求項2に記載の発明は、各軸部は、円筒面からなる外周面(17A)を有し、前記複数の軸部によって定まる前記キャリアのピッチ円直径(DPC)が、前記入力軸と前記遊星ローラとの軸間距離(WD)よりも大きく設定されていることを特徴とする、請求項1に記載の遊星ローラ式変速機である。
請求項4に記載の発明は、各軸部は、ピン(16)と、前記ピンに外嵌固定された円筒状のブッシュ(117)とを含み、前記切欠き部は、前記ブッシュの外周面(117A)に形成されている、請求項3に記載の遊星ローラ式変速機である。
図1は、本発明の一実施形態に係る遊星ローラ式変速機5が搭載された印刷機等の画像形成装置の動力伝達部1の概略構成を示す図である。図2は、図1の切断面線II-IIから見た断面図である。
画像形成装置の動力伝達部1は、被駆動体2と、被駆動体2を回転駆動する遊星ローラ式変速ユニット3と、被駆動体2の被駆動体入力軸4と遊星ローラ式変速機5の出力軸6とを連結するカップリング7とを含む。動力伝達部1では、遊星ローラ式変速ユニット3は、出力軸6が水平になる横向きの状態で載置されている。
ハウジング9は、電動モータ8を収容保持するたとえばアルミニウム製の第1ハウジング9Aと、次に述べる出力軸6の一部およびキャリア10を収容保持するたとえばアルミニウム製の第2ハウジング9Bとを含む。
入力軸11には、電動モータ8のモータ軸8Aが連結されている。なお、モータ軸8Aを入力軸11として設けてもよい。
固定輪12は、第1ハウジング9Aと第2ハウジング9Bとの間に、入力軸11と同心状に挟まれた状態で固定されている。固定輪12は、円環状をなし、たとえば軸受鋼を用いて形成されている。第1ハウジング9A、固定輪12および第2ハウジング9Bは、複数本のボルト15により固定されている。
電動モータ8からの回転駆動力が入力軸11に付与されることにより、各遊星ローラ13が所定の自転方向DRSに自転するとともに、所定の公転方向DRに公転する。遊星ローラ13の公転に伴って、キャリア10が回転(自転)する。キャリア10の回転駆動力が出力軸6を通じて遊星ローラ式変速機5から取り出され、この回転駆動力を用いて、画像形成装置の被駆動体2が回転駆動される。
CL1=(D1−DP1)/2
(D1:キャリア10回転中心から軸部18の外周の最内方位置までの距離、DP1:複数の遊星ローラ13において、各遊星ローラ13が軸部18に接触する位置のうち最内方位置の、キャリア10回転中心を中心とする円の径(内接径)) ・・・(1)
CL2=(D2−DP2)/2
(D2:キャリア10回転中心から軸部18の外周の最外方位置までの距離、DP2:複数の遊星ローラ13において、各遊星ローラ13が軸部18に接触する位置のうち最外方位置の、キャリア10回転中心を中心とする円の径(外接径)) ・・・(2)
また、見方を変えると、軸部18の外周の位置は、キャリア10のピッチ円直径DPCが、入力軸11と遊星ローラ13との軸間距離WDよりも大きくなるように設定されている、ということもできる。なお、この場合において、ピッチ円直径DPCは以下の式(3)で表すことができ、軸間距離WDは以下の式(4)で表すことができる。
DPC=(D1+D2)/2 ・・・(3)
WD=(DS+DP)/2
(DP:遊星ローラ13の外径、DS:入力軸11の外径) ・・・(4)
ところで、遊星ローラ式変速ユニット3が横向きの状態で載置されているために、キャリア10がその自重により所期位置から下がる(出力軸6の軸方向と交差する方向にキャリア10が移動する)ことがある。とくに、この実施形態のように、出力軸6の軸方向の一箇所を支持(片持ち支持)する場合には、キャリア10の下降が生じやすい。キャリア10の降下の結果、キャリア10の回転中心と、キャリア10の各軸部に遊嵌状態で支持された遊星ローラ13の公転中心とが一致しない状態、すなわち、遊星ローラの公転中心(入力軸11の回転軸線)に対するキャリア10の芯ずれが生じることがある。
遊星ローラ式変速機5では、キャリア10のピッチ円直径DPC(図2参照)が、入力軸11と遊星ローラ13との軸間距離WD(図2参照)よりも大きく設定されており、その結果、入力軸11側における軸部18と遊星ローラ13とのクリアランスが、固定輪12側における軸部18と遊星ローラ13とのクリアランスよりも大きく設けられている。
他の実施形態に係る遊星ローラ式変速機105のうち、前述の実施形態に係る遊星ローラ式変速機5と共通の構成については同一の参照符号を付し、説明を省略する。
また、第2実施形態では、各軸部18は、ブッシュ17に代えてブッシュ117を備える。ブッシュ117は、略円筒状をなしている。ブッシュ117は円筒面を含む外周面117Aを有しているが、外周面117Aには、平坦面からなる切欠き部111が前記の円筒面から径方向内方へと退避するように形成されている。各切欠き部111は、ブッシュ117における入力軸11の周方向の一部分に配置されており、ブッシュ117の軸方向の全域に亘って延びている。
図6は、別の形態に係る遊星ローラ式変速機205の構成を示す断面図である。図7は、別の形態に係る遊星ローラ式変速機205においてキャリア(図示しない)が芯ずれしている状態を示す断面図である。
第1実施形態において、ブッシュ17に代えて、転がり軸受やすべり軸受などの軸受けを用いることもできる。
また、前述の各実施形態において、ピン16と遊星ローラ13との間にブッシュ等を介在させずに、ピンに遊星ローラ13に直接支持させることもできる。この場合、ピン16のみによって軸部18が構成される。
また、前述の各実施形態では、遊星ローラ式変速機5,105を画像形成装置に搭載する場合を例に挙げて説明したが、他の装置に適用される遊星ローラ式変速機にも本発明を適用することができる。
CL1 =D 1−DP1
(D1:キャリア10回転中心から軸部18の外周の最内方位置までの距離、DP1:複数の遊星ローラ13において、各遊星ローラ13が軸部18に接触する位置のうち最内方位置の、キャリア10回転中心を中心とする円の径(内接径)) ・・・(1)
CL2=D P2 −D 2
(D2:キャリア10回転中心から軸部18の外周の最外方位置までの距離、DP2:複数の遊星ローラ13において、各遊星ローラ13が軸部18に接触する位置のうち最外方位置の、キャリア10回転中心を中心とする円の径(外接径)) ・・・(2)
また、見方を変えると、軸部18の外周の位置は、キャリア10のピッチ円直径DPCが、入力軸11と遊星ローラ13との軸間距離WDよりも大きくなるように設定されている、ということもできる。なお、この場合において、ピッチ円直径DPC の半径は以下の式(3)で表すことができ、軸間距離WDは以下の式(4)で表すことができる。
DPC の半径=(D1+D2)/2 ・・・(3)
WD=(DS+DP)/2
(DP:遊星ローラ13の外径、DS:入力軸11の外径) ・・・(4)
ところで、遊星ローラ式変速ユニット3が横向きの状態で載置されているために、キャリア10がその自重により所期位置から下がる(出力軸6の軸方向と交差する方向にキャリア10が移動する)ことがある。とくに、この実施形態のように、出力軸6の軸方向の一箇所を支持(片持ち支持)する場合には、キャリア10の下降が生じやすい。キャリア10の降下の結果、キャリア10の回転中心と、キャリア10の各軸部に遊嵌状態で支持された遊星ローラ13の公転中心とが一致しない状態、すなわち、遊星ローラの公転中心(入力軸11の回転軸線)に対するキャリア10の芯ずれが生じることがある。
Claims (4)
- 入力軸と、
前記入力軸の周囲において当該入力軸に同心状に配置された固定輪と、
前記入力軸および前記固定輪の双方に転がり接触する複数の円筒状の遊星ローラと、
出力軸と、
前記複数の遊星ローラに1対1対応で設けられ、対応する前記遊星ローラの内部を挿通して当該遊星ローラを遊嵌状態で回転可能に支持する複数の軸部を有し、前記出力軸に、当該出力軸に同伴回転可能に固定されたキャリアとを含み、
前記キャリアの前記複数の軸部は、前記出力軸の軸方向と交差する方向に前記キャリアが移動したときに、当該キャリアに伴って移動する少なくとも1つの軸部の外周が、対応する前記遊星ローラの前記入力軸側の内周ではなく前記固定輪側の内周に接触するように設けられていることを特徴とする、遊星ローラ式変速機。 - 各軸部は、円筒面からなる外周面を有し、
前記複数の軸部によって定まる前記キャリアのピッチ円直径が、前記入力軸と前記遊星ローラとの軸間距離よりも大きく設定されていることを特徴とする、請求項1に記載の遊星ローラ式変速機。 - 各軸部は外郭円筒状をなし、
各軸部の外周面における前記入力軸側の部分には、径方向内方へと退避する切欠き部が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の遊星ローラ式変速機。 - 各軸部は、ピンと、前記ピンに外嵌固定された円筒状のブッシュとを含み、
前記切欠き部は、前記ブッシュの外周面に形成されている、請求項3に記載の遊星ローラ式変速機。
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