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JP2015112389A - 内視鏡用装置及び内視鏡 - Google Patents

内視鏡用装置及び内視鏡 Download PDF

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JP2015112389A
JP2015112389A JP2013258017A JP2013258017A JP2015112389A JP 2015112389 A JP2015112389 A JP 2015112389A JP 2013258017 A JP2013258017 A JP 2013258017A JP 2013258017 A JP2013258017 A JP 2013258017A JP 2015112389 A JP2015112389 A JP 2015112389A
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佳史 村田
Keishi Murata
佳史 村田
誉貴 明石
Yoshitaka Akashi
誉貴 明石
一雄 飯嶋
Kazuo Iijima
一雄 飯嶋
高田 直幸
Naoyuki Takada
直幸 高田
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Abstract

【課題】ディストーション補正に応じて配光を行うことのできる内視鏡用装置及び内視鏡の提供。【解決手段】内視鏡用装置(100、300、500、600)は、挿入部(2)と、挿入部(2)に連結される湾曲部(1)と、撮像した画像の歪曲特性を補正可能な撮像光学系(10)と、前方照明光学系(31、32、33、5)と、前方照明光学系(31、32、33、5)よりも湾曲部(1)側に近い位置に設けられた後方照明光学系(41、42、43、44、48、49)と、を備える。前方照明光学系(31、32、33、5)及び後方照明光学系(41、42、43、44、48、49)が、出射する光量を独立に制御する。後方照明光学系(41、42、43、44、48、49)は、撮像光学系(10)の視野(F)内において、挿入部(2)の射影領域(Z1)の外側を照射するように、照明光を出射する。【選択図】図2

Description

本発明は内視鏡用装置及び内視鏡に関する。
照明部を有する内視鏡が利用されている。
例えば、特許文献1では、複数の照明部を有し、それぞれ照明光の強度を独立して制御する内視鏡が開示されている。このような内視鏡によれば、被検体の内部の形状に応じて、照明光を出射することができる。
特開2012−147882号公報
ところで、ディストーション補正に応じた配光を得ることのできる内視鏡用装置及び内視鏡が求められている。
ここで、所定の画像についてディストーション補正を行った際に生じる現象の一例について説明する。例えば、図13に示すように、内視鏡900は、挿入部901から前方に向かって、照明光を出射する。照明光は、撮像面F0において出射軸C9を中心とする略円状の領域D1、D2、D3、D4を照らす。領域D1、D2、D3、D4の順に直径がだんだんと大きくなる。領域D1、D2、D3、D4では、出射軸C9からの距離に応じて、照度が減少する。ここで、内視鏡900が撮像した画像I1についてディストーション補正を行わないまま、表示装置の画面に映す。すると、図14に示すように、画面には、領域D1、D2、D3及びD4が中心Cから膨張するように歪んだ画像I1が映し出される。
続いて、画像についてディストーション補正を画像I1について行う。すると、図15に示すように、画像I1(図14参照)における領域D1、D2、D3及びD4の外縁が中心Cに近づくように、歪みが補正されて、画像I2が画面に映し出される。従って、画像I2において、画面の中央にある領域D1は縮小し、画面の周辺にある領域、例えば領域D4は広がったように映し出される。
ここで、撮像面F0の周辺の領域では、撮像面F0の中央近傍の領域と比較して、照度がコサイン4乗則に比例して低下している。即ち、領域D1に対し領域D2、D3、D4は順次照度が下がったものとなっている。ゆえに、領域D1が相対的に小さくなり、領域D2、D3、D4が相対的に大きくなることで、ディストーション補正によって画面の暗い領域が増え、配光が悪化した印象を使用者に与えてしまう。
これを、照明光の光量増大により解決することはできない。なぜなら画像I2における周辺の領域に対し十分な照度が得られるようにすれば、中心の領域D1は光量過剰により白飛び(ハレーション)してしまうためである。これにより、使用者は画像の中心と周辺を観察する際に都度照明の切り替えを行わなければならず、使用者にとって非常に負担の大きいものとなる。
また上記の問題は、特許文献1に開示される内視鏡の構成で、画像の周辺にある領域が画像の中心にある領域に対して相対的に強い照明光を用い、解決することもできない。なぜなら、ディストーション補正により照度が落ちたと感じる画像周辺部分を、ディストーション補正前と同等に保とうとして上記照明を発光させれば、画像中心部分が伴って明るくなり、画像周辺部分が明るくなるより先に画像中心が白飛びしてしまうためである。
このことを具体的に説明すれば次のようになる。例えば通常内視鏡で用いられるような、半画角75°、fsinθのディストーションを持つ対物レンズを考える。即ち、対物レンズの焦点距離をf、画像中心からの像高をh、その像高における主光線の入射角度をθとする。この光学系では、h=fsinθが成り立つ。その位置での画像中心に対する照度比En(h)はコサイン4乗則に従って
En(h)=cos(sin−1(h/f))
と表される。一方、これをディストーションが無いように完全補正したとすれば、その照度比En(h)は、Ec(h)に変化する。画角から決まる定数をAとすると、照度比Ec(h)は、
Ec(h)=cos(tan−1(Ah/f))
と表される。
これら照度比En(h)及びEc(h)を、それぞれ像高比と照度比を軸にとって関係を図示すると図16のようになる。
この図16から、ディストーション補正により画像周辺部分の照度向上に対して画像中心部分の照度向上が非常に大きく表れるということが分かる。つまり、特許文献1に開示される内視鏡の構成で画像周辺部分を照明しようとしても、画像周辺部分の照度向上よりも画像中心部分の照度向上の方が顕著に表れてしまい、結局画像周辺部分が暗いという問題を解決することはできないのである。
本発明は、上記した事情を背景としてなされたものであり、ディストーション補正に応じた配光を得ることのできる内視鏡用装置及び内視鏡を提供することを目的とする。
本発明にかかる内視鏡用装置は、
被検体内に挿入される挿入部と、
前記挿入部に連結される湾曲部と、
撮像した画像の歪曲特性を補正可能な撮像光学系と、
前記挿入部の先端部(例えば、一端部)に設けられた前方照明光学系と、
前記前方照明光学系よりも前記湾曲部に近い位置に設けられた後方照明光学系と、を備え、
前記前方照明光学系及び前記後方照明光学系が、出射する光量を独立に制御し、
前記後方照明光学系は、前記撮像光学系の視野内において、前記挿入部の射影領域の外側を照射するように、照明光を出射する。
このような構成によれば、ディストーション補正に応じた配光を行うことができる。
また、前記前方照明光学系が前記撮像光学系の視野内において照射する領域を照射領域(例えば、領域Z2)とすると、前記後方照明部の出射軸が、前記照射領域の内側を通過することを特徴としてもよい。また、前記撮像光学系は対物レンズを含み、前記対物レンズの半画角をωとし、撮像対象と前記先端部との距離をdとし、前記後方照明学系が前記照明光を出射すると、前記撮像対象における撮像面内において、前記対物レンズの光軸から、照度が最大となる位置までの距離をΔ(d)とし、前記対物レンズの最高解像力が得られる観察距離をdNとすると、
で表される式を満たすことを特徴としてもよい。また、観察距離dNの面内Δ(dN)において、前記前方照明光学系による照度をIfと、前記後方照明光学系による照度をIbとすると、2≦Ib/Ifを満たすことを特徴としてもよい。さらに、Ib/If≦8を満たすことを特徴としてもよい。
他方、本発明にかかる内視鏡は、上記した内視鏡用装置を有する内視鏡である。
本発明によれば、ディストーション補正に応じた配光を行うことのできる内視鏡用装置及び内視鏡を提供することができる。
実施の形態1にかかる内視鏡用装置の斜視図である。 実施の形態1にかかる内視鏡用装置の要部の模式図である。 照度比の分布図である。 実施の形態2にかかる内視鏡用装置の要部の模式図である。 撮像体距離と各種距離を示す表である。 実施の形態3にかかる内視鏡用装置の要部の模式図である。 実施の形態5にかかる内視鏡用装置の斜視図である。 実施の形態5にかかる内視鏡用装置の要部の模式図である。 実施の形態6にかかる内視鏡用装置の斜視図である。 実施の形態6にかかる内視鏡用装置の側面図である。 照度比の分布図である。 撮像体距離と各種距離を示す表である。 関連する内視鏡の模式図である。 関連する内視鏡を用いて得られる画像を示す模式図である。 関連する内視鏡を用いて得られる画像を示す模式図である。 ディストーション補正前と補正後の照度分布を表す図である。
実施の形態1.
図1及び図2を参照して、実施の形態1にかかる内視鏡について説明する。図1は、実施の形態1にかかる内視鏡用装置の斜視図である。図2は、実施の形態1にかかる内視鏡用装置の要部の模式図である。
図1に示すように、内視鏡用装置100は、湾曲部1と、湾曲部1の端部に連結される
挿入部2と、を備える。内視鏡用装置100は、内視鏡に取り付けられて使用される。内視鏡用装置100は、撮像した画像についての信号を外部の表示装置に送ることができる。また、内視鏡は、画像についてディストーション補正、すなわち画像の歪曲特性を補正することができる画像処理部を有する。画像処理部が、撮像した画像についてディストーション補正を行い、表示装置が補正後の画像を表示する。ここに、ディストーション補正とは、ディストーションを完全に補正する完全補正でも、発生しているディストーションの絶対値を小さくする軽減補正でもよい。
湾曲部1は、被検体の内部の形状に応じて湾曲可能な紐状体である。また、湾曲部1は、挿入部2に搭載される撮像素子や照明素子等に、電気や信号を授受するためのケーブル等を内部に有する。
挿入部2は、湾曲部1に連結する他端部22と、他端部22に組み付けられる一端部21と、を有する。
一端部21は、前方照明部31、32と、撮像部10とを有する略円筒体である。前方照明部31、32は、所定の配光角度θを有する照明素子であって、例えば、LED(Laser Emitting Diode)である。図では省略しているが、挿入性・耐薬性の向上の目的で透明カバーが取り付けられていてもよい。光の拡散性を上げるため、この透明カバーが屈折力を持っていても勿論よい。また、照明素子は、LED以外にもライトガイドファイバー端からの光を拡散させるレンズ系であってもよく、また、蛍光ガラスを用いたものであってもよい。前方照明部31、32は一端部21の先端上面に設けられている。撮像部10は、対物レンズ及び撮像素子などを有し、光学軸A1に平行な方向について撮像することができる。前方照明部31、32は撮像部10の光学軸A1に関して対称な位置に設けられている。前方照明部31、32は、それぞれ独立に光量を制御することができる。前方照明部31、32の出射軸は、光学軸A1と平行である。なお、前方照明部31、32の出射軸は、光学軸A1から傾斜していてもよい。
他端部22は、透明な材料からなる略円筒体である。後方照明部41、42、43、44が、他端部22の内周面又はその近傍に設けられている。後方照明部41、42、43、44が、撮像部10の光学軸A1を中心とした仮想円の縁上に均等に配置されている。後方照明部41、42、43、44は、所定の配光角度θ2を有する照明素子であって、例えば、LEDである。配光角度θ2は、配光角度θと比較して、小さくても構わない。後方照明部41、42、43、44は、それぞれ独立に光量を制御することができる。後方照明部41、42、43、44の出射軸C1はそれぞれ、撮像部10の光学軸A1から傾斜している。なお、後方照明部41、42、43、44から照明光は、他端部22を通過して、内視鏡用装置100の外方へ出射されるが、他端部22による屈折が生じない、又は、ほとんど生じない。前方照明部31、32、及び、後方照明部41、42、43、44は、湾曲部1の内部のケーブル等により電気を供給される。
次に、図2を用いて、後方照明部41、42、43、44の位置及び向きの一例について説明する。図2に示すように、挿入部2の長手方向に垂直な断面形状を撮像面Fに射影した領域をZ1とし、前方照明部32が撮像面Fに照射する領域をZ2とし、後方照明部41、42、43、44がそれぞれ照射する領域Z3をとする。すると、領域Z3が領域Z1の外側に位置するように、後方照明部41、42、43、44の位置及び向きが調整されている。なお、図2では、理解を容易にするために後方照明部42の照明光を図示し、後方照明部41、43、44の照明光の図示については省略した。また、領域Z2が領域Z1よりも大きくなるように、前方照明部32から撮像面Fまでの距離と、配光角度θが決められる。
また、後方照明部41、42、43、44の出射軸が領域Z1と領域Z2との間を通過するように、後方照明部41、42、43、44の位置及び向きが調整されている。
計算例.
次に、図3を用いて、実施の形態1にかかる内視鏡用装置を使用した場合に得られる照度分布の計算例について説明する。図3は、照度比の分布図である。
内視鏡用装置100を用いて、平面状部を有する撮像体を撮像した。詳細には、内視鏡用装置100の撮像部10の光学軸A1が撮像体の平面状部と垂直に交差するように、内視鏡用装置100の位置及び向きを固定して、撮像した。後方照明部41、42、43、44は光量Rbの照明光を出射し、前方照明部31、32は光量Rfの照明光を出射する。ここで、Rb/Rf>1が成り立つように、光量RbとRfとを調整した。このような場合において、図3に撮像した画面の照度分布の計算結果を示した。
図3に示すように、画面中央部近傍の領域E1では、照度が小さく、暗い。一方、画面周辺部の領域E2では、照度が大きく、明るい。つまり、中抜けの照明となっており、ディストーション補正を行っても画面中央部を白飛びさせることなく画面周辺部を明るくすることができる。
以上、実施の形態1によれば、前方照明部による照明と、後方照明部による照明とを独立に制御して、後方照明部の向き及び位置を調整することで、ディストーション補正が完全補正か軽減補正かによらず、ディストーション補正に応じた配光を行うことができる。
また、実施の形態1によれば、照明光学系として前方照明部と後方照明部とをそれぞれ所定の出射角度で照明光を出射できるように設置している。これにより、小さな径の挿入部を採用し得て、被検体の内部への挿入をスムーズに行うことができる。
実施の形態2.
次に、図4及び5を用いて、実施の形態2にかかる内視鏡用装置について説明する。実施の形態2にかかる内視鏡用装置は、実施の形態1にかかる内視鏡用装置と比較して、前方照明部と後方照明部との向きのみを異にしている。その他の構成については共通しており、説明を省略する。図4は、実施の形態2にかかる内視鏡用装置の要部の模式図である。図5は、撮像体距離と各種距離を示す表である。
ここでは、前方照明部32と、後方照明部42とを例にとって説明する。図4に示すように、前方照明部32は、配光角度θの照明光を撮像体F0に向けて出射している。撮像面Fにおいて、配光角度θの照明光は、領域Z23を照射する。さらに、照明光は、配光角度0〜θ/2まで配光角度を有する光束を有する。撮像面Fにおいて、この光束は領域Z21を照射する。後方照明部42の出射軸C1が領域Z21とZ23との間の領域Z22を通過するように、後方照明部42は設置される。ここで、領域Z22、Z23は、領域Z21と比較して、前方照明部32による照明光の光量が少量であるものの、後方照明部42による照明光を受ける。つまり、領域Z21、Z22、Z23は、良好な配光を得るので、ディストーション補正に応じた配光をより確実に安定して行うことができる。
ここで、後方照明部42の出射軸C1が領域Z22を通過する場合について、より具体的に説明する。光学軸A1から領域Z21の外縁上の点P1までの距離をL1とする。また、光学軸A1から、出射軸C1と撮像面Fとの交点P2までの距離をL2とする。さらに、光学軸A1から領域Z23の外縁上の点P3までの距離L3とする。以下の数式1が成り立つと、後方照明部42の出射軸C1が領域Z22を通過する。
L1<L2<L3 …(数式1)
具体的には、距離L1、L2、L3が以下の数式2、3、4でそれぞれ表される。
L1=d1×tan(θ/2) ……………(数式2)
L2=(d1+d2)×tan(α) ……(数式3)
L3=d1×tan(θ) …………………(数式4)
撮像体距離d1:前方照明部32から撮像体までの距離[mm]
照明部間距離d2:前方照明部32から後方照明部42までの距離[mm]
出射角度α:光学軸A1と出射軸C1との交差する角度[°]
数式1が成り立つためには、撮像体距離d1と照明部間距離d2と出射角度αと配光角度θとを適切に決定すればよい。これらを適切に決定すると、上記した通り、ディストーション補正に応じた配光をより確実に安定して行うことができる。
さらに具体的な例について説明する。ここでは、照明部間距離d2=10[mm]、出射角度α=40[°]と調整し、さらに配光角度θ=140[°]とした場合の、撮像体距離d1=5、10、100[mm]における距離L1、L2、L3を求めた。
求めた結果を図5に示した。図5に示すように、撮像体距離d1[mm]が、5、10、100のいずれの場合であっても、距離L1<L2<L3が成り立っている。つまり、いずれの場合でも、ディストーション補正に応じた配光を行えると考えられる。
実施の形態3.
次に、図6を用いて、実施の形態3にかかる内視鏡用装置について説明する。実施の形態3にかかる内視鏡用装置は、実施の形態1にかかる内視鏡用装置と比較して、後方照明部の位置及び向きのみが異なる。その他の構成については共通しており、説明を省略する。図6は、実施の形態3にかかる内視鏡用装置の要部の模式図である。
図6に示すように、内視鏡用装置300の撮像部10は対物レンズ11を含む。撮像面Fには、対物レンズ11の半画角ωの2分の1の角度、すなわちω/2で撮像される領域Z31の外縁と、対物レンズ11の半画角ωで撮像される領域Z33の外縁とに囲まれる領域Z32がある。出射軸C1が領域Z32を通過するように、後方照明部の位置及び傾きを決める。前方照明部のみが照明光を出射した場合において、領域Z32では、ディストーション補正を行うと、特に暗くなったように見える。前方照明部による照明光に加えて、後方照明部による照明光が出射されると、領域Z32の照度を高めて、良好な配光を実現できる。なお、対物レンズ11の半画角ωと前方照明部の配光角度θとは、同じ又はほぼ同じだと好ましい。ここで、「ほぼ同じ」とは、誤差10%以内であることを意味する。
具体的には、以下の数式5が成り立つように、後方照明部の位置及び傾きを決める。
ω:対物レンズの半画角
Δ(d):対物レンズから距離dの間隔を有する面において、後方照明部が発光すると撮像面内において照度が最大となる位置から、対物レンズの光軸までの距離
dN:対物レンズの最高解像力が得られる観察距離
以上、実施の形態3にかかる内視鏡によれば、実施の形態1にかかる内視鏡と同様に、ディストーション補正に応じた配光を行うことができる。
実施の形態4.
次に、実施の形態4にかかる内視鏡用装置について説明する。実施の形態4にかかる内視鏡用装置は、実施の形態1にかかる内視鏡用装置と比較して、前方照明部と後方照明部とが異なる。その他の構成については共通しており、説明を省略する。
観察距離dNの面内Δ(dN)において、前方照明部による照度をIfと、後方照明部による照度をIbとすると、以下の数式6を満たすように、前方照明部と後方照明部との位置、向き、配光角度、光量等を決める。後方照明部は、前方照明部と比較して、大きな光量を出射できると、以下の数式6をより確実に満たすことができて好ましい。なお、前方照明部による照度If、及び、後方照明部による照度Ibは、計算を簡便にするため、それぞれ面内Δ(dN)における最大値を代表値として用いてもよい。
Ib/If≧2 …(数式6)
If:前方照明部による照度
Ib:後方照明部による照度
また、以下の数式7を満たすように、前方照明部と後方照明部との位置、向き、配光角度、光量等を決めると好ましい。
Ib/If≦8 …(数式7)
数式7を満たす前方照明部と後方照明部とを用いると、適度な性能を有する照明部を用いて、ディストーション補正に応じた配光を行うことができる。
ここで、実施の形態3及び4にかかる内視鏡用装置についての詳しい構成の一例について述べる。図1に示すように、光学軸A1をZ軸として、XYZ直交座標系が定められる。前方照明部31、32の座標(X,Y,Z)は、(±7,0,0)である。また、後方照明部41、42、43、44の座標(X,Y,Z)は、(±5,±5,−15)である。前方照明部31、32による照明光の出射軸は光学軸A1(Z軸)に平行である。前方照明部31、32による照明光の配光角度θは、140°である。後方照明部41、42、43、44の出射角度αは40°であり、後方照明部41、42、43、44の方位角、つまり、Y軸と後方照明部41、42、43、44による照明光の出射軸のなす角度は、±15、±165°である。挿入部2の直径はφ20mmである。d1は撮像体距離d1は、30mmである。
実施の形態5.
次に、図7及び8を用いて、実施の形態5にかかる内視鏡について説明する。図7は、実施の形態5にかかる内視鏡用装置の模式図である。図8は実施の形態5にかかる内視鏡用装置の要部の模式図である。なお、図8は、図7に示す内視鏡用装置500から一端部21を除いた図である。実施の形態4にかかる内視鏡用装置500は、実施の形態1にかかる内視鏡用装置100と比較して、前方照明光学系として前方照明部31、32の代わりに前方照明部と導光板とを用いたところのみ異なる。その他の構成については共通しており、説明を省略する。
図7に示すように、内視鏡用装置500は、導光板5を有する。導光板5は、透明な材料からなる環状体又は半環状体である。導光板5は、上面に階段状に折れ曲がる階段状面を有する。導光板5は一端部21の先端に設置されている。なお、内視鏡用装置500では、導光板5の代わりに、下面に階段状に折れ曲がる階段状面を有する導光板を用いてもよい。このような導光板を用いる場合に、ミラーコートを導光板に施すと好ましい。
図8に示すように、一端部21の内部には前方照明部33が導光板5の側面に設置されており、導光板5の周方向に照明光を出射することができる。出射された照明光は、導光板5の底面において反射し、光学軸A1に沿った方向に進み、導光板5の上面から導光板5の外部へ出る。
内視鏡用装置500は、実施の形態1にかかる内視鏡用装置100の前方照明部31、32と比較して、大きな面積を有する導光板5の上面から、高い配光角度を有する均一な照明光を出射することができる。
以上、実施の形態5にかかる内視鏡用装置によれば、実施の形態1にかかる内視鏡用装置100と同様に、ディストーション補正に応じた配光を得ることができる。
実施の形態6.
次に、図9及び10を用いて、実施の形態6にかかる内視鏡について説明する。図9は、実施の形態6にかかる内視鏡用装置の模式図である。図10は実施の形態6にかかる内視鏡用装置の側面図である。実施の形態6にかかる内視鏡用装置600は、実施の形態1にかかる内視鏡用装置100と比較して、後方照明光学系として後方照明部41、42、43、44の代わりに、ライトガイドファイバーバンドルと傾斜ミラーを用いたところのみ異なる。その他の構成についてはほぼ共通しており、説明を省略する。なお、図9及び図10では、前方照明部31、32の出射軸は、光学軸A1から離れるように傾斜している。
図9に示すように、内視鏡用装置600は、ライトガイドファイバーバンドル48と、傾斜ミラー49とを有する。傾斜ミラー9は、上から下に向かって径が減じるように傾斜した面を有する。傾斜ミラー49の上部は一端部21に連結する。傾斜ミラー49は、ライトガイドファイバーバンドル48の上又は上方に位置する。より詳細には、傾斜ミラー49の下方に、ライトガイドファイバーバンドル端面481が位置する。傾斜ミラー49の周囲に、透明な材料からなる環状体の透明カバー23が取り付けられている。透明カバー23は、一端部21の下部に連結する。
ライトガイドファイバーバンドル48は、中空円筒形状である。ライトガイドファイバーバンドル48は、外部の照明ユニット(図示略)からの光を導光させ、中空円形状のライトガイドファイバーバンドル端面481より出射させることができる。ライトガイドファイバーバンドル端面481より出射された光は、傾斜ミラー49で反射され、透明カバー23から内視鏡用装置600の外側へと射出される。
計算例.
次に、図11を用いて、実施の形態1にかかる内視鏡用装置を使用した場合に得られる照度分布の計算例について説明する。図11は、照度比の分布図である。
内視鏡用装置600を用いて、実施の形態1にかかる計算例と同様の条件で、平面状部を有する撮像体を撮像した。このような場合において、図11に撮像した画面の照度分布の計算結果を示した。
図11に示すように、画面中央部近傍の領域E61では、照度が小さく、暗い。一方、画面周辺部の領域E62では、照度が大きく、明るい。つまり、中抜けの照明となっており、ディストーション補正を行っても画面中央部を白飛びさせることなく画面周辺部を明るくすることができる。
内視鏡用装置600は、実施の形態1にかかる内視鏡用装置100(図1参照。)の前方照明部31、32と比較して、内視鏡、特に挿入部2の周方向に対してムラがなく均一な照明とすることができるばかりでなく、照明ユニットなどの光源を外部に設けることが出来るので出射光量を大きくしながらも内視鏡、特に挿入部2を大径化させずに構成することができる。
更に詳しい構成の一つの例について説明する。ライトガイドファイバーバンドル端面481は内径がφ11、外形がφ16の中空円形状である。傾斜ミラー49は内視鏡用装置600の外側に向けて光を反射するよう、内視鏡用装置600の光学軸A1に対して、48°傾けてある。例えば、傾斜ミラー49として最大外径φ18の傾斜ミラーを用いると、傾斜ミラー面で反射した光線の内、最も視野の内側を照射する光線は内視鏡用装置600の光学軸A1に対し64°の傾きを有する。
求めた結果を図12に示した。図12は、撮像体距離と各種距離を示す表である。図12に示すように、撮像体距離d1[mm]が、10、20、100のいずれの場合であっても、距離L1<L2<L3が成り立っている。つまり、いずれの場合でも、ディストーション補正に応じた配光を行えると考えられる。
ここで、さらに詳しい構成の一つの例について説明する。図1に示すXYZ直交座標系を定めると、前方照明部31、32の座標(X,Y,Z)は、(±7,0,0)である。前方照明部31、32の出射軸は、Z軸に関して±8°傾斜する。ライトガイドファイバーバンドル48の内径は11mmであり、その外径は16mmである。傾斜ミラー49の座標(X,Y,Z)は、(±7,0,−10)である。Z座標が−10mmでは、傾斜ミラー49の外径は、例えば、φ18である。Z座標が−10mmから低くなるにつれて、傾斜ミラー49の外径が小さくなるように、傾斜ミラー49のミラー面は傾斜する。ライトガイドファイバーバンドル48の出射端のNA(Numerical Aperture)は120°である。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、前方照明部及び後方照明部の数、配光角度等を適宜変更してもよい。また、後方照明部は、一端部の、特に、前方照明部よりも湾曲部に近い位置に設置されていてもよい。更に、実施例では有限個の照明系による離散的な照明系で構成したものについても、拡散板や導光板を用いて、内視鏡の周方向に一様かつ連続的な照度分布が得られるようなものとしてもよい。
1 湾曲部、 2 挿入部、 5 導光板、 10 撮像部、
11 対物レンズ、 21 一端部、 22、23 他端部(透明カバー)、
31、32、33 前方照明部、 41、42、43、44 後方照明部、
48 ライトガイドファイバーバンドル、 49 傾斜ミラー、
100、300、500、600 内視鏡用装置、 A1 光学軸、
C1 出射軸、 d1 撮像体距離、 d2 照明部間距離、
dN 観察距離、 F 撮像面、 I1、I2 画像、
L1、L2、L3 距離、 P1、P2、P3 点、 Rb、Rf 光量、
E1、E2、Z1、Z2、Z21、Z23 領域、
α 出射角度、 θ、θ2 配光角度、 ω 半画角。

Claims (6)

  1. 被検体内に挿入される挿入部と、
    前記挿入部に連結される湾曲部と、
    撮像した画像の歪曲特性を補正可能な撮像光学系と、
    前記挿入部の先端部に設けられた前方照明光学系と、
    前記前方照明光学系よりも前記湾曲部に近い位置に設けられた後方照明光学系と、を備え、
    前記前方照明光学系及び前記後方照明光学系が、出射する光量を独立に制御し、
    前記後方照明光学系は、前記撮像光学系の視野内において、前記挿入部の射影領域の外側を照射するように、照明光を出射する内視鏡用装置。
  2. 前記前方照明光学系が前記撮像光学系の視野内において照射する領域を照射領域とすると、
    前記後方照明光学系の出射軸が、前記照射領域の内側を通過することを特徴とする請求項1に記載される内視鏡用装置。
  3. 前記撮像光学系は対物レンズを含み、
    前記対物レンズの半画角をωとし、
    撮像対象と前記先端部との距離をdとし、
    前記後方照明光学系が発光すると、前記撮像対象における撮像面内において、前記対物レンズの光軸から、照度が最大となる位置までの距離をΔ(d)とし、
    前記対物レンズの最高解像力が得られる観察距離をdNとすると、
    が成り立つことを特徴とする請求項1に記載される内視鏡用装置。
  4. 観察距離dNの面内Δ(dN)において、
    前記前方照明光学系による照度をIfと、
    前記後方照明光学系による照度をIbとすると、
    2≦Ib/If
    を満たすことを特徴とするとする請求項1に記載される内視鏡用装置。
  5. Ib/If≦8
    を満たすことを特徴とする請求項4に記載の内視鏡用装置。
  6. 請求項1〜5のうちいずれか1項に記載の内視鏡用装置を備える内視鏡。
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