JP2015104346A - ジャム類の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】フルクトースが減圧加熱濃縮工程以前に添加されているジャム類の製造方法であって、凍結加糖果実類の解凍物を減圧加熱濃縮する減圧加熱濃縮工程、減圧加熱濃縮工程で得られた濃縮物を冷却する冷却工程、及び冷却した濃縮物を加熱殺菌する加熱殺菌工程を含む。
【選択図】図1
Description
凍結加糖果実類の解凍物を減圧加熱濃縮する減圧加熱濃縮工程、
減圧加熱濃縮工程で得られた濃縮物を冷却する冷却工程、及び
冷却した濃縮物を加熱殺菌する加熱殺菌工程
を含むジャム類の製造方法を提供する。
本発明において、ジャム類とは、JAS法品質表示基準で定義されるところの「果実、野菜又は花弁を糖類等と共にゼリー化するようになるまで加熱したもの、またはそれらに果汁、ゲル化剤、酸味料、香料等を加えたもの」の他、フルーツソース等のように流動状のものも含む。このジャム類には、果実の原形がほとんど残っていないタイプと、果実の一部又は全部の原形を残したプレザーブスタイルの双方が含まれる。
図1は、本発明の一実施例のジャム類の製造方法の工程図である。この方法では、凍結加糖果実類の解凍物に減圧加熱濃縮工程を行い、その直後に冷却工程を行い、次いで加熱殺菌工程を行う。以下、各工程について説明する。
減圧加熱濃縮工程は、凍結加糖果実類の解凍物と適宜糖類とを含む仕込み原料を減圧加熱濃縮釜で減圧加熱濃縮する工程である。ここで、仕込み原料とは、減圧加熱濃縮工程開始時に減圧加熱濃縮釜に投入されている全ての原料をいう。
本発明では、減圧加熱濃縮工程以前にフルクトースが添加されていることを要件とする。
減圧加熱濃縮工程以前にフルクトースが添加されているとは、仕込み原料においてフルクトースが添加されていることを意味し、フルクトースの添加の時期は、減圧加熱濃縮以前であれば特に制限はない。フルクトースは、凍結加糖果実類の製造時に添加されていてもよく、凍結加糖果実類の解凍後、減圧加熱濃縮前に添加されていてもよい。
減圧加熱濃縮の具体的方法としては、果実類、糖類及び必要に応じて添加する添加剤を減圧加熱濃縮釜に投入し、20℃以上、65℃未満で減圧加熱濃縮することができる。特に、濃縮効率の観点から30℃以上(絶対圧力4.2kPa)とし、フルクトースのメイラード反応を抑制し、果実類本来の自然な甘さを得る観点から60℃以下(絶対圧力19.9kPa)として減圧加熱し、蒸気を留去させて濃縮する方法をあげることができる。
冷却工程は、減圧加熱濃縮により所定の割合に濃縮された濃縮物を、人為的に急速に冷却する工程である。この冷却は、自然放冷による冷却や、減圧加熱濃縮工程で使用した容器から次の工程で使用する容器へ内容物を単に移し替えることによる冷却を含まず、冷却手段を用いて強制的に冷却を促進する強制冷却を意味する。
加熱殺菌工程は、冷却工程により冷却された濃縮物を、例えば、70℃以上、110℃以下で0.5分以上、30分以下加熱する工程である。これにより、ジャム類を確実に常温流通させることが可能となる。
本発明では、必要に応じて、フルクトース以外の糖類を随時添加し、Brix糖度を調整することができる。これら、糖類の添加形態は、液状、粉状のいずれの形態の糖類でもよい。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明する。
実施例1
(1)イチゴの凍結加糖果実の製造
プラスチック製の筒状容器に、ヘタ取りし、水洗いしたイチゴ100部を充填し、イチゴの上からスクロース20部をふりかけ、蓋を閉じ、蓋を閉じた容器を−30℃の冷凍庫に入れて12時間保管し、凍結加糖イチゴを製造した。
凍結加糖イチゴが入った筒状容器を流水にさらし、凍結加糖イチゴを解凍した。
次に、この解凍物120部、スクロース12部、フルクトース11部、グルコース29部を減圧加熱濃縮釜に投入し、40℃で加熱することにより糖類を溶解し、さらに、バキュームニ−ダの絶対圧力7.4kPa、50℃で、全体量が150部になるまで濃縮した。
社内パネラーが、イチゴジャムの風味を次の基準で評価した。結果を表1に示す。
<風味>
A:果実類本来の自然な甘さが非常に感じられた。
B:果実類本来の自然な甘さが感じられた。
C:果実類本来の自然な甘さが若干感じられた。
D:果実類本来の自然な甘さが感じられなかった。
凍結加糖イチゴの製造に使用した糖類、又は減圧加熱濃縮するイチゴの解凍物に添加した糖類を表1のように変える以外は実施例1と同様にイチゴジャムを製造し、評価した。結果を表1に示す。
冷却方法を、減圧加熱濃縮した濃縮物を冷却用配管に通すことに代えて、4〜5℃の糖液を注入することにより(実施例8)、又は4〜5℃の冷水を注入することにより行った(実施例9)。この場合、糖液としては、減圧加熱完了時において添加されている糖類の組成と同組成の糖液を使用した。
また、冷却工程を行わない以外は実施例1と同様にイチゴジャムを製造した(比較例1)。
これらの評価結果を表1に示す。
イチゴに代えてリンゴ、アンズを使用し、実施例1と同様にジャムを製造し、評価した。結果を表1に示す。
凍結加糖イチゴを、解凍せずに減圧加熱濃縮釜に入れて減圧加熱濃縮した以外は実施例1と同様にイチゴジャムを製造し、評価した。結果を表1に示す。
凍結加糖イチゴを解凍後、常圧で90℃で加熱濃縮した以外は実施例1と同様にイチゴジャムを製造し、評価した。結果を表1に示す。
Claims (7)
- フルクトースが減圧加熱濃縮工程以前に添加されているジャム類の製造方法であって、
凍結加糖果実類の解凍物を減圧加熱濃縮する減圧加熱濃縮工程、
減圧加熱濃縮工程で得られた濃縮物を冷却する冷却工程、及び
冷却した濃縮物を加熱殺菌する加熱殺菌工程
を含む、ジャム類の製造方法。 - 冷却工程において、減圧加熱濃縮工程で得られた濃縮物を強制冷却する請求項1記載のジャム類の製造方法。
- 冷却工程において、減圧加熱濃縮工程で得られた濃縮物の品温を10℃以上冷却する請求項1又は2記載のジャム類の製造方法。
- 減圧加熱濃縮工程において、減圧加熱濃縮を20〜65℃で行う請求項1〜3のいずれかに記載のジャム類の製造方法。
- 減圧加熱濃縮工程の仕込み原料におけるフルクトースの合計添加量が、原料果実類100質量部に対し、0.9質量部以上、60質量部以下である請求項1〜4のいずれかに記載のジャム類の製造方法。
- 最終的に得るジャム類において、全糖類の合計添加量に対するフルクトースの添加量の割合が、3/100以上、20/100以下である請求項1〜5のいずれかに記載のジャム類の製造方法。
- 凍結加糖果実類が、果実類100質量部と糖類5〜30質量部から製造されたものである請求項1〜6のいずれかに記載のジャム類の製造方法。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN113349357A (zh) * | 2021-06-10 | 2021-09-07 | 休比食品(江苏)有限公司 | 一种黄金蜜瓜果酱的制备方法 |
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KR20020047528A (ko) * | 2000-12-13 | 2002-06-22 | 산들식품주식회사 | 신규한 꿀딸기잼 및 그 제조방법 |
WO2006070882A1 (ja) * | 2004-12-28 | 2006-07-06 | Aohata Corporation | ジャム類の製造方法 |
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2013
- 2013-11-29 JP JP2013248067A patent/JP2015104346A/ja active Pending
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"低糖度ジャム、果実の甘み強調、キューピーが刷新", 日経産業新聞, JPN6017008078, 17 January 2013 (2013-01-17), pages 17, ISSN: 0003516332 * |
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