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JP2015188147A - 導波管およびその製造方法 - Google Patents

導波管およびその製造方法 Download PDF

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JP2015188147A
JP2015188147A JP2014064611A JP2014064611A JP2015188147A JP 2015188147 A JP2015188147 A JP 2015188147A JP 2014064611 A JP2014064611 A JP 2014064611A JP 2014064611 A JP2014064611 A JP 2014064611A JP 2015188147 A JP2015188147 A JP 2015188147A
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真弥 井上
満 本上
Mitsuru Motogami
満 本上
直樹 永岡
Naoki NAGAOKA
直樹 永岡
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Abstract

【課題】伝送効率を低下させることなくテラヘルツ帯域の電磁波を伝送可能でかつ容易に製造することが可能な導波管およびその製造方法を提供する。
【解決手段】導波管100は、外側金属層10、絶縁層20および内側金属層30からなる積層体L2を含む。積層体L2には、折曲部F1,F2,F3が設けられる。内側金属層30が内側になるように、外側金属層10が折曲部F1,F2,F3に沿って筒状に折曲される。この場合、積層体L2が折曲部F1,F2,F3に沿って一体的に折曲された状態で保持される。積層体L2の一端部と他端部とは、接着剤層40を介して互いに接着される。これにより、内側金属層30により囲まれた中空の導波路1が形成される。
【選択図】図2

Description

本発明は、テラヘルツ帯域、例えば0.05THz以上10THz以下の周波数の電磁波を伝送する導波管およびその製造方法に関する。
テラヘルツ帯域の電磁波を用いたテラヘルツ通信は、短距離超高速通信、および非圧縮・無遅延の超高精細映像伝送等の種々の用途への応用が期待されている。テラヘルツ帯域の電磁波を伝送するために導波管が用いられる。特許文献1に記載される導波管は、屈曲可能なジャバラ部を有し、ジャバラ部の両端に矩形状の管部が設けられる。
特開平6−326505号公報
特許文献1のフレキシブル導波管は、40GHz帯で使用可能に設計されている。テラヘルツ帯域の電磁波を伝送するためには、導波管の断面の寸法を1mm以下と極めて小さくする必要がある。特許文献1の導波管をこのような寸法で製造することは極めて困難である。
また、特許文献1の導波管では、使用可能な周波数帯を高くするため、管内に誘電体が設けられる。しかしながら、誘電体を通して電磁波が伝送される場合、誘電損失により伝送効率が低下する。
本発明の目的は、伝送効率を低下させることなくテラヘルツ帯域の電磁波を伝送可能でかつ容易に製造することが可能な導波管およびその製造方法を提供することである。
(1)第1の発明に係る導波管は、テラヘルツ帯域内の電磁波を伝送する導波路を有する導波管であって、支持層と、支持層の一面上に形成される絶縁層と、絶縁層の一面上に形成される導電層とを備え、支持層は、絶縁層および導電層よりも高い剛性を有し、導電層が内側になるように支持層が筒状に折曲されることにより、導電層により囲まれた導波路が形成される。
この導波管においては、支持層の一面上に絶縁層が形成され、絶縁層の一面上に導電層が形成される。導電層が内側になるように支持層が筒状に折曲されることにより、導電層により囲まれた導波路が形成される。
この場合、絶縁層および導電層よりも高い剛性を有する支持層によって導波路の形状および寸法が維持される。そのため、支持層の折曲位置および折曲角度を調整することにより、導波路の形状および寸法を容易に調整することができる。したがって、導波路の断面の寸法を極めて小さい値に容易に設定することができる。その結果、テラヘルツ帯域内の電磁波を伝送可能な導波管を容易に製造することができる。
また、導電層により囲まれた中空の導波路が形成されるので、導波路の誘電正接が空気と等しくなる。そのため、誘電損失による伝送効率の低下が防止される。
(2)支持層の他面に、一方向に平行に延びる複数の溝部が形成され、複数の溝部に沿って支持層が折曲されることにより、導波路が形成されてもよい。
この場合、支持層を容易に折曲することができる。それにより、導波路の断面を予め定められた形状および寸法に容易に形成することができる。
(3)支持層は、一方向に対して垂直な面上において矩形状をなすように折曲されてもよい。
この場合、矩形状の断面を有する導波路が形成される。そのため、テラヘルツ帯域の電磁波を良好に伝送することができる。
(4)支持層、絶縁層および導電層は、一方向に平行な端面をそれぞれ有し、支持層、絶縁層および導電層の少なくとも1つは、一方向に平行に延びる接着部を有し、導波路が形成されるように支持層が折曲された状態で、支持層、絶縁層および導電層の端面が、接着剤層を介して接着部に接着されてもよい。
この場合、折曲された状態の支持層の形状を容易に維持することができる。
(5)接着剤層の導電率は、10[S/m]以上であってもよい。
この場合、接着剤層に起因する電磁波の伝送損失が低減される。
(6)支持層は、導波路が延びる方向に並ぶように複数の部分に分離されてもよい。
この場合、支持層が分離された部分で、絶縁層および導電層を屈曲させることができる。それにより、導波管のフレキシブル性が高くなる。したがって、電磁波の伝送方向を任意に調整することができる。
(7)絶縁層は、樹脂により形成されてもよい。
この場合、絶縁層の可撓性を高めることができる。それにより、導波管のフレキシブル性が高くなり、電磁波の伝送方向を容易に調整することができる。
(8)第2の発明に係る導波管の製造方法は、テラヘルツ帯域内の電磁波を伝送する導波路を有する導波管の製造方法であって、支持層の一面上に支持体よりも低い剛性を有する絶縁層を形成する工程と、絶縁層の一面上に支持体よりも低い剛性を有する導電層を形成する工程と、導電層が内側になるように支持層を筒状に折曲することにより、導電層により囲まれた導波路を形成する工程とを備える。
この製造方法においては、支持層の一面上に絶縁層が形成され、絶縁層の一面上に導電層が形成される。導電層が内側になるように支持層が筒状に折曲されることにより、導電層により囲まれた導波路が形成される。
この場合、絶縁層および導電層よりも高い剛性を有する支持層によって導波路の形状および寸法が維持される。そのため、支持層の折曲位置および折曲角度を調整することにより、導波路の形状および寸法を容易に調整することができる。したがって、導波路の断面の寸法を極めて小さい値に容易に設定することができる。その結果、テラヘルツ帯域内の電磁波を伝送可能な導波管を容易に製造することができる。
また、導電層により囲まれた中空の導波路が形成されるので、導波路の誘電正接が空気と等しくなる。そのため、誘電損失による伝送効率の低下が防止される。
本発明によれば、伝送効率の低下が防止されつつテラヘルツ帯域の電磁波を伝送可能な導波管を容易に製造することが可能となる。
本発明の第1の実施の形態に係る導波管の外観斜視図である。 図1の導波管の断面図である。 図1および図2の導波管の製造工程を示す図である。 図1および図2の導波管の製造工程を示す図である。 図1および図2の導波管の製造工程を示す図である。 図1および図2の導波管の製造工程を示す図である。 積層体の他の折曲例について説明するための図である。 本発明の第2の実施の形態に係る導波管の外観斜視図である。 図8の導波管の模式的平面図である。 図8および図9の導波管の製造工程について説明するための図である。 図1および図2の導波管の変形例を示す断面図である。 他の実施の形態における導波管の断面図である。 実施例に係る導波管の断面図である。 実施例におけるシミュレーション結果を示す図である。 実施例におけるシミュレーション結果を示す図である。
以下、本発明の実施の形態に係る導波管およびその製造方法について説明する。以下の説明では、0.05THz〜10THzの周波数帯域をテラヘルツ帯域と呼ぶ。本実施の形態に係る導波管は、テラヘルツ帯域内の少なくとも特定の周波数を有する電磁波の伝送が可能である。
(A)第1の実施の形態
(1)導波管の構成
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る導波管の外観斜視図である。図2は、図1の導波管の断面図である。図1および図2に示すように、導波管100は矩形状の断面を有する筒体であり、筒体により囲まれる空間に電磁波が伝送される導波路1が形成される。導波管100は、外側金属層10、絶縁層20および内側金属層30からなる積層体L2を含む。
外側金属層10は例えばステンレス鋼からなり、絶縁層20は例えばポリイミドからなり、内側金属層30は例えば銅からなる。外側金属層10の一面上に絶縁層20が形成され、絶縁層20の一面上に内側金属層30が形成される。図2に示すように、積層体L2には、折曲部F1,F2,F3が設けられる。内側金属層30が内側になるように、外側金属層10が折曲部F1,F2,F3に沿って筒状に折曲される。この場合、積層体L2が折曲部F1,F2,F3に沿って一体的に折曲された状態で保持される。積層体L2の一端部と他端部とは、接着剤層40を介して互いに接着される。これにより、内側金属層30により囲まれた中空の導波路1が形成される。
(2)導波管の製造方法
図1の導波管100の製造方法について説明する。図3〜図7は、図1の導波管100の製造工程を示す図である。図3(a)、図4(a)および図5(a)は、製造過程にある導波管100の平面図である。図3(b)、図4(b)および図5(b)には、図3(a)、図4(a)および図5(a)のA1−A1線断面、A2−A2線断面、およびA3−A3線断面がそれぞれ示される。
図3に示すように、例えばステンレス鋼からなる外側金属層10の一面(図4では下面)上に例えばポリイミドからなる絶縁層20が形成されることにより、長尺状の積層体L1が形成される。絶縁層20は、例えばラミネートまたは塗布により形成される。外側金属層10の厚みt1は、例えば20μm以上100μm以下であることが好ましい。絶縁層20の厚みt2は、例えば1μm以上1000μm以下であることが好ましい。
外側金属層10は、絶縁層20および内側金属層30よりも高い剛性を有し、かつ折曲可能な材料からなる。外側金属層10の材料は、ステンレス鋼に限らず、アルミニウム(Al)等の他の金属、またはアルミニウム合金等の合金であってもよい。絶縁層20の材料は、ポリイミドに限らず、エポキシ等の他の樹脂材料であってもよい。
次に、図4に示すように、絶縁層20と反対側の外側金属層10の面(図4では上面)に例えばハーフエッチングにより複数(本例では3つ)の溝部Cが形成される。ハーフエッチングは、例えば所定のパターンを有するフォトレジストマスクおよび塩化鉄溶液を用いたウェットエッチングにより行うことができる。複数の溝部Cは、図2の折曲部F1,F2,F3に対応する位置に形成される。ハーフエッチングの代わりに、例えばYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)レーザを用いた機械的加工により複数の溝部Cが形成されてもよい。
次に、図5に示すように、絶縁層20の一面(図5では下面)上に例えば銅からなる内側金属層30が形成されることにより、積層体L2が形成される。内側金属層30は、例えば蒸着により形成される。内側金属層30の厚みt3は、例えば0.2μm以上1000μm以下であることが好ましい。内側金属層30の厚みt3は、表皮効果により電磁波が集中する厚み以上であることが好ましい。内側金属層30の材料は、銅に限らず、金(Au)、アルミニウム等の他の金属、または銅合金、アルミニウム合金等の合金、あるいはその他の導電性材料であってもよい。
図6に示すように、内側金属層30が内側になるように外側金属層10が折曲部F1〜F3に沿って折曲される。各折曲部F1〜F3における外側金属層10の折り曲げ角度は略90°である。その状態で、積層体L2の一端部と他端部とが接着剤層40により互いに接着される。本例では、積層体L2の一端部における外側金属層10、絶縁層20および内側金属層30の端面が、積層体L2の他端部における内側金属層30の一面に接着される。この場合、積層体L2の他端部における内側金属層30の一面が、接着部に相当する。
接着剤層40は導電性を有することが好ましい。接着剤層40の導電率は、10[S/m]以上であることが好ましく、10[S/m]以上であることがより好ましい。接着剤層40の材料として、例えば、導電性フィラーを含有する粘着剤が用いられる。
これにより、図1および図2の導波管100が完成する。導波管100の内側の幅方向の寸法(導波路1の幅方向の寸法)D1(図2)は、30μm以上5700μm以下であることが好ましい。導波管100の内側の厚み方向の寸法(導波路1の厚み方向の寸法)D2(図2)は、30μm以上5700μm以下であることが好ましい。
(3)他の折曲例
外側金属層10の折曲位置は上記の例に限定されない。図7は、外側金属層10の他の折曲例について説明するための図である。図7の例について、図1および図2の例と異なる点を説明する。図7の例では、内側金属層30が内側になるように、外側金属層10が折曲部F1a,F2a,F3a,F4aに沿って折曲される。各折曲部F1a〜F4aにおける外側金属層10の折り曲げ角度は略90°である。その状態で、外側金属層10、絶縁層20および内側金属層30の一端面と他端面とが接着剤層40により互いに接着される。この場合、外側金属層10、絶縁層20および内側金属層30の他端面が接着部に相当する。
(4)効果
第1の実施の形態では、外側金属層10、絶縁層20および内側金属層30からなる積層体L2が形成され、内側金属層30が内側になるように外側金属層10が筒状に折曲されることにより、内側金属層30により囲まれた導波路1が形成される。この場合、絶縁層20および内側金属層30よりも高い剛性を有する外側金属層10によって導波路1の形状および寸法が維持される。そのため、外側金属層10の折曲位置をおよび折曲角度を調整することにより、導波路1の形状および寸法を容易に調整することができる。したがって、導波路1の断面の寸法を極めて小さい値に容易に設定することができる。その結果、テラヘルツ帯域内の電磁波を伝送可能な導波管100を容易に製造することができる。
また、本実施の形態では、外側金属層10の他面に複数の溝部Cが形成され、その複数の溝部Cに沿って外側金属層10が折曲される。これにより、外側金属層10を容易に折曲することができる。それにより、導波路1の断面を予め定められた形状および寸法に容易に形成することができる。
また、本実施の形態では、積層体L2の一端部と他端部とが導電性を有する接着剤層40を介して互いに接着される。これにより、接着剤層40に起因する電磁波の伝送損失の増大を抑制しつつ、積層体L2の形状を容易に維持することができる。
(B)第2の実施の形態
(1)導波管の構成
図8は、本発明の第2の実施の形態に係る導波管の外観斜視図である。図9は、図8の導波管の模式的平面図である。図8および図9の導波管100aについて、図1および図2の導波管100と異なる点を説明する。
本実施の形態に係る導波管100aにおいては、外側金属層10に複数のスリットSLが形成されることにより、外側金属層10が複数の領域10aに分離される。各スリットSLは、導波路1が延びる方向(以下、導波方向と呼ぶ)DRに対して垂直な面に沿うように形成される。本例において、複数のスリットSLは、それぞれ同じ幅を有し、かつ導波方向DRにおいて等間隔に形成される。それにより、複数の領域10aは、導波方向DRにおいてそれぞれ同じ幅を有し、かつ等間隔で配置される。
(2)導波管の製造方法
図8および図9の導波管100aの製造工程について、図3〜図6の例と異なる点を説明する。図10は、図8および図9の導波管100aの製造工程について説明するための図である。図10(a)は、製造過程にある導波管100aの平面図である。図10(b)には、図10(a)のA4−A4線断面が示され、図10(c)には、図10(a)のA5−A5線断面が示される。
まず、図3および図4の工程と同様に、外側金属層10の一面上に絶縁層20が形成され、外側金属層10の他面に複数の溝部Cが形成される。続いて、図10に示すように、外側金属層10に複数のスリットSLが溝部Cに対して垂直にかつ等間隔で形成される。これにより、外側金属層10が複数の領域10aに分離される。複数のスリットSLは、溝部Cと同様に、ハーフエッチングにより形成されてもよく、またはYAGレーザ等を用いた機械的加工により形成されてもよい。
各スリットSLの幅は、100μm以上10000μm以下であることが好ましい。隣り合うスリットSLの間隔は、50μm以上1000μm以下であることが好ましい。
その後、図5および図6の工程と同様に、絶縁層20の一面上に内側金属層30が形成され、外側金属層10が折曲部F1〜F3に沿って折曲されるとともに積層体L2の一端部と他端部とが接着剤層40により互いに接着される。これにより、図8および図9の導波管100aが完成する。
なお、外側金属層10の折曲位置は、図8および図9の例に限定されない。図7の例と同様に外側金属層10が折曲されてもよく、または他の位置で外側金属層10が折曲されてもよい。
(3)効果
第2の実施の形態においても、上記第1の実施の形態と同様に、外側金属層10が折曲されることによって内側金属層30により囲まれた導波路1が形成される。そのため、外側金属層10の折曲位置および折曲角度を調整することにより、導波路1の形状および寸法を容易に調整することができる。したがって、導波路1の断面の寸法を極めて小さい値に容易に設定することができる。その結果、テラヘルツ帯域内の電磁波を伝送可能な導波管100aを容易に製造することができる。
また、本実施の形態では、外側金属層10が複数の領域10aに分離されるので、導波管100aを容易に屈曲させることができる。それにより、電磁波の伝送方向を任意に調整することができる。
(4)スリットの他の例
図8および図9の例では、複数のスリットSLが導波方向DRに対して垂直な面に沿うようにかつ等間隔で形成されるが、スリットSLの位置および角度はこれに限定されない。導波管100aを所望の方向に屈曲可能であれば、複数のスリットSLが導波方向DRに対して傾斜する面に沿うように形成されてもよく、または導波方向DRの周りに螺旋状に形成されてもよい。また、スリットSLの間隔が一定でなくてもよい。
(C)他の変形例
図11および図12は、導波管100の変形例を示す断面図である。図8および図9の導波管100aにおいても図11または図12の例と同様に変形させることができる。
図11の導波管100においては、積層体L2の両端面が、中央に向かって傾斜するように設けられる。この場合、外側金属層10、絶縁層20および内側金属層30の一端面と他端面とを容易に接着することができる。
図12(a)の例においては、導波管100は三角形状の断面を有する。この場合、外側金属層10が折曲部F1b,F2bに沿って折曲され、積層体L2の一端部と他端部とが接着剤層40を介して接着される。図12(b)の例においては、導波管100は五角形状の断面を有する。この場合、外側金属層10が折曲部F1c,F2c,F3c,F4cに沿って折曲され、積層体L2の一端部と他端部とが接着剤層40を介して接着される。図12(c)の例においては、導波管100は円形状の断面を有する。この場合、外側金属層10が円形に折曲され、積層体L2の一端部と他端部とが接着剤層40を介して接着される。
このように、導波管100,100aは矩形以外の多角形状の断面を有してもよく、または円形状の断面を有してもよく、または他の形状の断面を有してもよい。
また、上記実施の形態では、折曲部に対応する外側金属層10の位置に溝部Cが形成されるが、本発明はこれに限らない。外側金属層10を折曲可能である場合には、折曲部に対応する位置に溝部でなくミシン目が形成されてもよく、または単にインク等による印のみが付されてもよく、あるいは何も設けられなくてもよい。
また、上記実施の形態では、接着剤層40を介して積層体L2の一端部と他端部とが接着されることにより積層体L2の形状が保持されるが、本発明はこれに限らない。融着等の他の方法により積層体L2の一端部と他端部とが接合されてもよい。また、積層体L2の形状が保持可能であれば、外側金属層10が折曲された状態で積層体L2が接着および接合されなくてもよい。
(D)請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応関係
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
上記実施の形態においては、外側金属層10が支持層の例であり、絶縁層20が絶縁層の例であり、内側金属層30が導電層の例であり、導波路1が導波路の例である。
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
(E)実施例
接着剤層40の有無およびその導電性の高低と電磁波の伝送効率との関係をシミュレーションにより解析した。図13は、実施例に係る導波管100の断面図である。図13(a)には、実施例1〜5に係る導波管100が示され、図13(b)には、実施例6に係る導波管100が示される。
図13(a)に示すように、実施例1〜5の導波管100は、図1および図2の導波管100と同じ構成を有する。外側金属層10の厚みt1を50μmとし、絶縁層20の厚みt2を25μmとし、内側金属層30の厚みt3を16μmとした。また、導波路1の幅方向の寸法D1を864μmとし、導波路1の厚み方向の寸法D2を432μmとした。また、外側金属層10の材料をステンレスとし、その導電率を1.1×10[S/m]とした。内側金属層30の材料を銅とし、その導電率を5.9×10[S/m]とした。
実施例1における接着剤層40の導電率を10[S/m]とし、実施例2における接着剤層40の導電率を10[S/m]とし、実施例3における接着剤層40の導電率を10[S/m]とし、実施例4における接着剤層40の導電率を10[S/m]とし、実施例5における接着剤層40の導電率を10[S/m]とした。
図13(b)に示すように、実施例6では、接着剤層40が設けられず、外側金属層10、絶縁層20および内側金属層30がそれぞれ無端の筒状に設けられる。これらの点を除いて、実施例6に係る導波管100は、実施例1〜5の導波管100と同じ構成を有する。実施例6の構成は、シミュレーション上の仮想的な構成である。
実施例1〜6の導波管100において、テラヘルツ帯域の電磁波が伝送されるときの透過特性をシミュレーションにより求めた。図14および図15は、実施例1〜6におけるシミュレーション結果を示す図である。図14において、横軸は電磁波の周波数[THz]を示し、縦軸は伝送損失[dB/mm]を示す。図15において、横軸は接着剤層40の導電率[S/m]を示し、縦軸は伝送損失[dB/mm]を示す。
図14および図15に示すように、接着剤層40の導電率が高いほど、伝送損失が小さいことがわかった。接着剤層40の導電率が10[S/m]以上である実施例4および実施例5においては、接着剤層40が設けられない実施例6と伝送損失がほぼ同じであることがわかった。
また、図15に示すように、電磁波の周波数が低い場合、接着剤層40の導電率の差による電磁波の伝送損失の差が大きい。接着剤層40の導電率が10[S/m]以上である実施例3〜5では、電磁波の周波数が0.22[THz]または0.25[THz]である場合でも、接着剤層40が設けられない実施例6との伝送損失の差が小さい。そのため、接着剤層40の導電率が10[S/m]以上であることが好ましいことがわかった。
本発明は、テラヘルツ帯域の周波数を有する電磁波の伝送に利用することができる。
1 導波路
10 外側金属層
20 絶縁層
30 内側金属層
40 接着剤層
100 導波管
C 溝部
SL スリット

Claims (8)

  1. テラヘルツ帯域内の電磁波を伝送する導波路を有する導波管であって、
    支持層と、
    前記支持層の一面上に形成される絶縁層と、
    前記絶縁層の一面上に形成される導電層とを備え、
    前記支持層は、前記絶縁層および前記導電層よりも高い剛性を有し、
    前記導電層が内側になるように前記支持層が筒状に折曲されることにより、前記導電層により囲まれた前記導波路が形成される、導波管。
  2. 前記支持層の他面に、一方向に平行に延びる複数の溝部が形成され、
    前記複数の溝部に沿って前記支持層が折曲されることにより、前記導波路が形成される、請求項1記載の導波管。
  3. 前記支持層は、前記一方向に対して垂直な面上において矩形状をなすように折曲される、請求項2記載の導波管。
  4. 前記支持層、前記絶縁層および前記導電層は、一方向に平行な端面をそれぞれ有し、
    前記支持層、前記絶縁層および前記導電層の少なくとも1つは、前記一方向に平行に延びる接着部を有し、
    前記導波路が形成されるように前記支持層が折曲された状態で、前記支持層、前記絶縁層および前記導電層の前記端面が、接着剤層を介して前記接着部に接着される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の導波管。
  5. 前記接着剤層の導電率は、10[S/m]以上である、請求項4記載の導波管。
  6. 前記支持層は、前記導波路が延びる方向に並ぶように複数の部分に分離される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の導波管。
  7. 前記絶縁層は、樹脂により形成される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の導波管。
  8. テラヘルツ帯域内の電磁波を伝送する導波路を有する導波管の製造方法であって、
    支持層の一面上に前記支持体よりも低い剛性を有する絶縁層を形成する工程と、
    前記絶縁層の一面上に前記支持体よりも低い剛性を有する導電層を形成する工程と、
    前記導電層が内側になるように前記支持層を筒状に折曲することにより、前記導電層により囲まれた前記導波路を形成する工程とを備える、導波管の製造方法。
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