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JP2015186876A - ダイアフラムシートの製造方法 - Google Patents

ダイアフラムシートの製造方法 Download PDF

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浩貴 飯田
Hirotaka Iida
浩貴 飯田
仲濱 秀斉
Hideharu Nakahama
秀斉 仲濱
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Abstract

【課題】ダイアフラムシート内部に気泡がなく、優れた耐久性を有するエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)を含むダイアフラムシートの製造方法及を提供する。【解決手段】本発明のショアA硬度40〜60であるダイアフラムシートの製造方法は、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)を含む未架橋ゴムシートの両面を通気度が0.5〜10cm3/cm2・sである織物で挟み込み、熱および圧力を加えて前記未架橋ゴムシートを架橋させることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池モジュールラミネータ用ダイアフラムシートの製造方法に関する。
一般に、太陽電池モジュールは、ガラス板とバックシートの間に太陽電池素子と封止材を封入した構造となっており、各部材は太陽電池モジュール用ラミネータを用いて接着される。ラミネータによる接着工程は、ラミネータ装置内で太陽電池モジュール構成部材を積層したものをダイアフラムシートと熱板との間に挟み、ラミネータ装置内の所定の空間を真空状態にし、熱板を加熱し、封止材を熱溶融および熱架橋することによって行われる。
従来、ダイアフラムシートは、太陽電池モジュール構成部材を押さえ付けて真空を保つための柔軟性および加工温度に耐える耐熱性の観点からシリコーンゴムダイアフラムが広く用いられてきた(例えば、特許文献1参照)。さらに、ブチルゴムまたはエチレンプロプレンジエンゴム(EPDM)ダイアフラムシートも使用されている(例えば、特許文献2、3参照)。
特公平4−65556号 国際公開第2004/030900号 特開2011−199262号
しかしながら、従来、太陽電池モジュールラミネータ用ダイアフラムシートとして、十分な耐久性を有するものはなかった。例えば、ダイアフラムシートの耐久性向上を目的とし、封止材であるエチレンビニル酢酸(EVA)ガスの影響を受けにくいエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)ダイアフラムシートも使用されているが、プレス成形が主であり、製造コストが高く、耐久性も十分ではない。製造コスト削減のため、ロートキュア成形のエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)ダイアフラムシートも使用されているが、プレス成形に比べ、成形圧力が低いためシート内部に気泡が残存しやすく、これが原因でシートが破断し、耐久性が十分でないという問題があった。
本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであり、ダイアフラムシート内部に気泡がなく、優れた耐久性を有するエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)ダイアフラムシートの製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するべく、本発明の要旨構成は以下のとおりである。すなわち、本発明のショアA硬度が45〜60であるダイアフラムシートの製造方法は、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)を含む未架橋ゴムシートの両面を、通気度が0.5〜10cm/cm・sである織物で挟み込み、熱および圧力を加えて前記未架橋ゴムシートを架橋させることを特徴とする。
ここで、前記織物が平織であることが好ましい。
また、前記織物のカバーファクターが2500〜3500であることが好ましい。
本発明によれば、ダイアフラムシート内部に気泡がなく、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)を含む優れた耐久性を有するダイアフラムシートの製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る織物で未架橋ゴムシートを挟み込んだシートの構成を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係るロートキュア成形による製造方法を示す説明図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態をより詳細に説明する。
本発明の一実施形態によるダイアフラムシートの製造方法を説明する。この製造方法は、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)を含む未架橋ゴムシート10を織物20A、20Bで挟み込み、その後、熱と圧力を加え未架橋ゴムシートの架橋および成形を行う。本発明者らは、このような製造方法で得られたダイアフラムシートは、シート内部に気泡が残存せず、その結果、繰り返し使用によっても破断せず、耐久性の高いことを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の製造方法は、織物で挟み込んだエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)を含む未架橋ゴムシートを架橋させることができれば成形方法は特に限られないが、プレス成形、ロートキュア成形、アイロンプレス成形が挙げられ、連続的にゴムシートを成形できる点で図2に示すようなロートキュア成形が好ましい。
ダイアフラムシートは、例えば、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)と添加剤(架橋剤および共架橋剤を除く)とを混合したエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)組成物を成形後、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)に架橋剤を添加(必要に応じてさらに共架橋剤を添加)し架橋する。例えば、図2に示すように、ロートキュア成形において、ロール2、3、4で架橋および成形を行い、ロール6で織物20A、ロール7でダイアフラムシート、ロール8で織物20Bをそれぞれ巻き取ることが出来る。
通常、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)組成物に架橋剤を添加し、これをシートに成形するときは160℃程度の温度で架橋および成形加工されるが、この温度ではエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)を架橋するのに長い時間が必要であった。架橋時間を短くした場合(ロートキュア成形では、ロールの送り速度を早くした場合)は、架橋剤がダイアフラムシート中に残留する。その結果、そのダイアフラムシートを太陽電池モジュールラミネータに装着させ太陽電池モジュールの製造を行うと、ダイアフラムシート、すなわちエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)の架橋反応がさらに進み、シート内部には反応によって発生したガスにより気泡が発生することで、ダイアフラムシートがすぐに破断してしまう。
よって、このような観点から架橋時間を短くする方法としてダイアフラムシートの架橋および成形温度は、170℃以上とすることが好ましく、180℃以上とすることがより好ましい。また、ロートキュア成形でシート化する際、ロールでの加熱時間が、t(90)+5分以上となるようにロールの送り速度を調整することが好ましく、またt(90)+10分以上となるようにロールの送り速度を調整することがより好ましい。ここで、t(90)とは、JIS K6300−2に従って、未架橋ゴムを架橋させた場合において、架橋反応が90%進行するまでにかかった時間(分)のことをいう。
また、架橋剤として有機過酸化物を用いる場合、ダイアフラムシート中に有機過酸化物が残存することを防止する観点から、ダイアフラムシート成形時または成形後に、有機過酸化物が十分に分解する程度の熱処理工程を含むことが好ましい。有機過酸化物は、半減期の6〜7倍の時間でほぼ分解することから、例えば、ダイアフラムシートの成形時または成形後に、1分間半減期温度以上の温度で6分以上加熱する工程を含むことが好ましい。
さらに、図2に示すように、ロール2、3、4で架橋および成形を同時に行う際、圧力は100〜250kgf/cm以上であることが好ましい。圧力が100kgf/cm未満では、架橋反応で発生するガスの抜けが悪く、ガスがシート内部に残存し、それが原因でシートが破断してしまう。また、圧力が250kgf/cmを超えると、ロートキュア装置に歪が発生しやすく、安定生産ができない。
(エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)組成物)
ダイアフラムシートは、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)と必要に応じて添加される添加剤とを含むエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)組成物から形成することができる。
<エチレンプロピレンジエン(EPDM)>
エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)は、エチレンとプロピレンとの共重合体であるエチレンプロピレンゴム(EPM)に少量の非共役ジエンモノマーである第3成分を導入し、側鎖中に二重結合を持たせたものである。第3成分としては、任意の非共役ジエンを用いることができ、単独でも2種以上混合しても差し支えない。例えば、1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエンなどの鎖状非共役ジエン化合物、ビニルシクロヘキセン、シクロヘキサジエン、メチルテトラヒドロインデン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネンなどの環状非共役ジエン化合物を挙げることができる。これらの中でも、好ましい非共役ジエンは、5−エチリデン−2−ノルボルネンである。また、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)中の第3成分の割合は、通常20重量%以下である。
<添加剤>
エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)に添加される添加剤としては、カーボンブラック、シリカ、クレー、タルク、マイカおよび炭酸カルシウム等の補強材、芳香族系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイルおよびパラフィン系プロセスオイル等の軟化剤、加工助剤、酸化防止剤、架橋剤、共架橋剤等を挙げることができる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤または、フェノール系酸化防止剤にホスファイト系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤を任意に組み合わせたものを用いることができる。
フェノール系酸化防止剤の一種であるヒンダードフェノール系酸化防止剤を用いる場合には、耐熱性の観点から分子量が400以上のものが好ましく、500以上のものがより好ましい。分子量が400未満であると、飛散、揮散および接触する物質に抽出される場合がある。また、高分子量のものを用いることによって、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)組成物の耐熱性を向上させることができる。
分子量が400以上のヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、例えば、4,4’−メチレン−ビス−(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(BASF株式会社製 イルガノックス1076)、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](BASF株式会社製 イルガノックス1010)、3,9−ビス[2−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン(住友化学株式会社製 スミライザーGA−80)などを挙げることができる。
架橋剤としては、有機過酸化物を用いることが好ましい。有機過酸化物を用いると、他の架橋剤を用いるのと比較して長期耐熱安定性に優れ、また、架橋剤のブリードによる他の材料への汚染がない点で好ましい。例えば、ジアシルパーオキサイド、アルキルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、パーオキシカーボネート、パーオキシケタール、ジアルキルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、ケトンパーオキサイドなどを挙げることができ、中でも1分間半減期温度が158℃以上の有機過酸化物が成形安定性の観点で好ましく、具体的には、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンなどを挙げることができる。
共架橋剤は、架橋効率を上げる観点から、架橋剤と共に用いても良く、共架橋剤としては、例えば、トリアリルイソシアヌート(TAIC)、エチレングリコールジメタクリレート(EG)、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMP)などを挙げることができる。
各添加剤のエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)100重量部に対する添加量は、柔軟性や耐熱性の観点から、補強材が30〜200重量部であることが好ましく、50〜150重量部であることがより好ましく、軟化剤が10〜150重量部であることが好ましく、30〜100重量部であることがより好ましく、酸化防止剤が0.01〜10重量部であることが好ましく、0.1〜5.0重量部であることがより好ましい。
(織物)
本発明の製造方法に用いる織物は、糸を経緯に組み合わせて作った布地であれば、特に限られない。例えば、平織、綾織、朱子織を挙げることができる。これらの中でも、未架橋ゴムシートを架橋させる際のガス抜けが容易で、ロートキュア成形時にゴムシートに皺が入りにくい平織を用いることが好ましい。また、成形加工時に糸が抜け難い長繊維(フィラメント)を使用した織物が好ましく、長繊維の中でも耐熱性の高いポリエステル、ナイロンを使用した織物が特に好ましい。
<通気度>
織物の通気度は、0.5〜10cm/cm・sであることが好ましく、0.8〜5.0cm/cm・sであることがより好ましい。通気度が0.5m/cm・s未満では、ゴムシートの内部に気泡が残存するとともに、ゴムシートの表面にモアレが発生し外観不良となる。また、通気度が10cm/cm・sを超えると、未架橋ゴムシートを架橋させる際に織物の布目にゴムが入り込みガス抜けが悪く気泡が残存する。なお、織物の通気度とは、JIS L1096に従って測定された織物を通過する空気量(cm/cm・s)をいう。
<カバーファクター>
織物のカバーファクターは、2500〜3500であることが好ましく、2800〜3300であることがより好ましい。カバーファクターが2500未満では、織物の布目にゴムが入り込みガス抜けが悪く気泡が残存する。また、カバーファクターが3500を超えると、織物が硬くなり、ゴムシートの成形性が悪くなる。ここで、カバーファクターとは、織物の経糸または緯糸が幅2.54cm当たりに並ぶ本数をそれぞれの糸密度とするとき、次式で与えられる値をいう。
カバーファクター = x・d1/2 + y・d’1/2
x :織物の2.54cm当たりの経糸本数
y :織物の2.54cm当たりの緯糸本数
d :経糸のマルチフィラメント糸のトータル繊度(デシテックス)
d’:緯糸のマルチフィラメント糸のトータル繊度(デシテックス)
(ダイアフラムシート)
本発明の製造方法によって得られるダイアフラムシートのショアA硬度は45〜60であることが好ましい。ショアA硬度が45未満では、モジュールの跡がシートに付きやすく、そこからシートが破断し、耐久性が低くなる。また、太陽電池モジュール製造時において、ショアA硬度が45未満のダイアフラムシートを使用した場合、太陽電池モジュールのサイズ変更を行なうと、変更前の太陽電池モジュールの跡が変更後の新しいサイズの太陽電池モジュールに転写され外観不良となる。ショアA硬度が60を超えると、シートが硬くなりすぐに破断し、耐久性が低くなる。
また、ダイアフラムシートの巾は1.5〜4mであることが好ましい。巾が1.5m未満の場合、一般に使用されている太陽電池モジュール製造ラミネータのダイアフラムシートとして巾が不足し、装置に装着することができず、巾が4mを超える場合は、太陽電池モジュール製造時において、モジュール面内を均一に加圧することができない。
<未架橋ゴムシート>
エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)(三井化学株式会社製、EPT4070:100重量部)と、補強材としてカーボンブラック(旭カーボン株式会社製、旭カーボン#50G(SRF):30重量部、旭カーボン#60G(FEF):80重量部)と、軟化剤としてパラフィン系オイル(出光株式会社製、パラフィンオイルPW−90:80重量部)と、加工助剤(亜鉛華1号:5重量部、ステアリン酸:1重量部)と、酸化防止剤としてヒンダードフェノール系酸化防止剤(BASF株式会社製、イルガノックス1076:3重量部)とを、270Lバンバリーミキサーを用いて10分間160℃以下の温度で混練りを行なった。その後、コンパウンドの温度が80℃以下になってから架橋剤として有機過酸化物(日本油脂株式会社製、パークミルD40C:7重量部)と、共架橋剤(日本化成株式会社製、TAIC M−60:3重量部)とを、添加してショアA硬度が55となるようにロールにてシート状にして未架橋ゴムシートを作製した。以下、この未架橋ゴムシートをEPDM−1と記す。
また、補強材であるカーボンブラックと軟化剤であるパラフィン系オイルの量を変えてショアA硬度が40、45、50、60、65となるように同様の方法で5種類の未架橋ゴムシートも作製した。以下、この未架橋ゴムシートをそれぞれEPDM−2、EPDM−3、EPDM−4、EPDM−5、EPDM−6と記す。具体的には、EPDM−2はショアA硬度が40となるようにカーボンブラックである旭カーボン#50G(SRF)を15重量部、旭カーボン#60G(FEF)を80重量部と、パラフィン系オイルであるパラフィンオイルPW−90を100重量部とした以外は同様の方法でシートを作製した。EPDM−3はショアA硬度が45となるようにカーボンブラックである旭カーボン#50G(SRF)を0重量部、旭カーボン#60G(FEF)を100重量部と、パラフィン系オイルであるパラフィンオイルPW−90を100重量部とした以外は同様の方法でシートを作製した。EPDM−4はショアA硬度が50となるようにカーボンブラックである旭カーボン#50G(SRF)を45重量部、旭カーボン#60G(FEF)を60重量部と、パラフィン系オイルであるパラフィンオイルPW−90を80重量部とした以外は同様の方法でシートを作製した。EPDM−5はショアA硬度が60となるようにカーボンブラックである旭カーボン#50G(SRF)を0重量部、旭カーボン#60G(FEF)を110重量部と、パラフィン系オイルであるパラフィンオイルPW−90を80重量部とした以外は同様の方法でシートを作製した。EPDM−6はショアA硬度が65となるようにカーボンブラックである旭カーボン#50G(SRF)を15重量部、旭カーボン#60G(FEF)を100重量部と、パラフィン系オイルであるパラフィンオイルPW−90を70重量部とした以外は同様の方法でシートを作製した。
<織物>
織物は、織組織として平織、綾織、朱子織の3種類を用意した。また、平織については、平織−1(通気度:0.3cm/cm・s、カバーファクター:3525)、平織−2(通気度0.5cm/cm・s、カバーファクター:3300)、平織−3(通気度1.2cm/cm・s、カバーファクター:3184)、平織−4(通気度2.5cm/cm・s、カバーファクター:3052)、平織−5(通気度5.0cm/cm・s、カバーファクター:2878)、平織−6(通気度10cm/cm・s、カバーファクター:2556)、平織−7(通気度15cm/cm・s、カバーファクター:2390)の7種類の平織物を用意した。さらに、綾織については、綾織−1(通気度3.0cm/cm・s、カバーファクター:3408)、朱子織については、朱子織−1(通気度3.2cm/cm・s、カバーファクター:3489)の織物を用意した。なお、通気度は、JIS L1096に従って測定された織物を通過する空気量(cm/cm・s)の値であり、カバーファクターは次式で与えられる値である。
カバーファクター = x・d1/2 + y・d’1/2
x :織物の2.54cm当たりの経糸本数
y :織物の2.54cm当たりの緯糸本数
d :経糸のマルチフィラメント糸のトータル繊度(デシテックス)
d’:緯糸のマルチフィラメント糸のトータル繊度(デシテックス)
[実施例1]
まず、厚み3mmのEPDM−1を用意した。次に、EPDM−1を平織−2で挟み込み、図2によるロートキュア成形にて、未架橋ゴムシートを架橋させ、ダイアフラムシートを得た。ロートキュア成形のロール3の温度は190℃、圧力は150kgf/cm、ロールの加熱時間が20分となるようにロールの送り速度を調整し、架橋および成形を行なった。
[実施例2]
平織−2に替えて平織−3を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ダイアフラムシートを得た。
[実施例3]
平織−2に替えて平織−4を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ダイアフラムシートを得た。
[実施例4]
平織−2に替えて平織−5を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ダイアフラムシートを得た。
[実施例5]
平織−2に替えて平織−6を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ダイアフラムシートを得た。
[実施例6]
EPDM−1および平織−2に替えて、それぞれEPDM−3および平織−4を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ダイアフラムシートを得た。
[実施例7]
EPDM−1および平織−2に替えて、それぞれEPDM−4および平織−4を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ダイアフラムシートを得た。
[実施例8]
EPDM−1および平織−2に替えて、それぞれEPDM−5および平織−4を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ダイアフラムシートを得た。
[実施例9]
EPDM−1および平織−2に替えて、それぞれEPDM−4および綾織−1を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ダイアフラムシートを得た。
[実施例10]
EPDM−1および平織−2に替えて、それぞれEPDM−4および朱子織−1を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ダイアフラムシートを得た。
[比較例1]
平織−2に替えて平織−1を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ダイアフラムシートを得た。
[比較例2]
平織−2に替えて平織−7を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ダイアフラムシートを得た。
[比較例3]
EPDM−1および平織−2に替えて、それぞれEPDM−2および平織−4を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ダイアフラムシートを得た。
[比較例4]
EPDM−1および平織−2に替えて、それぞれEPDM−6および平織−4を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ダイアフラムシートを得た。
これらのダイアフラムシートに対して、以下の評価を行った。
<外観評価>
外観評価は、ダイアフラムシートの外観を評価するものである。ダイアフラムシートを目視で観察した。評価基準は以下のとおりとした。評価結果を表1および表2に示す。
○:皺およびモアレなし
△:軽微な皺が発生
×:皺やモアレが多数発生
<内部気泡評価>
内部気泡評価は、ダイアフラムシート内部に気泡が残存しているかどうかを評価するものであり、ダイアフラムシートを触診して評価を行った。評価基準は以下のとおりとした。評価結果を表1および表2に示す。
○:気泡なし
×:気泡あり
<耐久性試験>
耐久性試験は、ダイアフラムシートの耐久性を評価する試験である。実施例、比較例のダイアフラムシートを太陽電池モジュールラミネータ(日清紡メカトロニクス株式会社製、Lam1537)にセットし、加工温度155℃、プレス時間10分を1サイクルとして太陽電池モジュール製造作業を行った。この太陽電池モジュール製造作業を繰り返し行い、ダイアフラムシートに亀裂が発生するまでの回数を調べた。試験結果を表3に示す。
<跡付き性試験>
跡付き性試験とは、太陽電池モジュールを製造する際にダイアフラムシートに太陽電池モジュールの跡の付きやすさを評価するものである。実施例、比較例のダイアフラムシートを太陽電池モジュールラミネータ(日清紡メカトロニクス株式会社製、Lam1537)にセットして、太陽電池モジュールラミネータの熱板上に、縦20cm、横20cm、厚み2cmのガラス板を熱板有効面積50cm×50cmの平面台座上に設置し、上方から縦70cm、横70cm、厚み3mmのダイアフラムシートで130℃、48時間プレスした。ダイアフラムシートのガラス板との接触箇所に生じた凹凸の差を跡付き性として試験を行った。ダイアフラムシートの跡付き性が大きいということは、継続的にラミネート加工する際にダイアフラムシートの機能である太陽電池モジュールを均一に抑えることができなくなる。また、跡付きによる皺が継続的な加工で亀裂に達し、耐久性を低下させる。したがって、跡付き性を3mm以下にすることが重要である。評価基準は以下のとおりとした。評価結果を表3に示す。
○:跡付き性3mm以下
×:跡付き性3mm超え
表1に示すように、通気度が0.5〜10cm/cm・sの範囲であり、カバーファクターが2500〜3500の範囲である織物を用いることにより、ダイアフラムシートの外観も良好で、内部に気泡が残存しないシートが得られた。
表2に示すように、通気度が0.5〜10cm/cm・sの範囲であり、カバーファクターが2500〜3500の範囲である平織物を用いてショアA硬度が45〜60の範囲のダイアフラムシートを製造することにより、耐久性が高いシートが得られた。
本発明によれば、ダイアフラムシート内部に気泡がなく、優れた耐久性を有するエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)を含むダイアフラムシートの製造方法を提供することができる。
10 未架橋ゴムシート
20A 織物
20B 織物

Claims (3)

  1. エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)を含む未架橋ゴムシートの両面を、通気度が0.5〜10cm/cm・sである織物で挟み込み、熱および圧力を加えて前記未架橋ゴムシートを架橋させる
    ことを特徴とするショアA硬度が45〜60ダイアフラムシートの製造方法。
  2. 前記織物が平織である
    ことを特徴とする請求項1に記載のダイアフラムシートの製造方法。
  3. 前記織物のカバーファクターが2500〜3500である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のダイアフラムシートの製造方法。






















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