JP2015182319A - テープカートリッジおよびテープ印刷装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】テープ印刷装置の大型化を抑制可能とすると共に、簡単な構造でカートリッジ装着部への位置決めを可能とするテープカートリッジ等を提供する。【解決手段】テープカートリッジ100が装着されるカートリッジ装着部5を開閉する開閉蓋7を備えたテープ印刷装置1に、着脱可能に装着されるテープカートリッジ100であって、開閉蓋7側となる表側に設けられ、把持位置と非把持位置との間で移動可能に構成された摘み部182と、摘み部182を把持位置に向かって付勢する付勢部284と、を備え、摘み部182は、開閉蓋7の閉塞状態において開閉蓋7に設けた押え部85により押さえられ、付勢部284は、摘み部182を介して押え部85の押圧力に抗するように変位する。【選択図】図8
Description
本発明は、テープ印刷装置のカートリッジ装着部に、着脱可能に装着されるテープカートリッジおよびテープ印刷装置に関する。
従来、この種のテープカートリッジとして、印字テープを収容したテープカセットと、インクリボンを収容したリボンカセットと、から成る2重構造のものが知られている(特許文献1参照)。この場合、テープ状ラベル作成装置による多色印字を可能とすべく、リボンカセットには、インクリボンのリボン色が異なる複数種のものが準備されている。一方、テープカセットおよびリボンカセットが装着されるテープ状ラベル作成装置は、リボン色が異なるリボンカセットが装着される毎に、印字テープを巻き戻して、多色印字を実施する。
テープカセットは、テープ状ラベル作成装置のカセットカバーに対応する内部に着脱自在に収容されている。テープカセットには、カセットケース内に印字テープが巻装されたテープスプールが設けられると共に、リボンカセットが着脱自在に装着されるリボンカセット収容部が形成されている。
リボンカセットは、リボンケースとリボンケースから水平に延びる上壁部とを有している。リボンケースには、インクリボンが巻装されたリボンスプールと、インクリボンを巻き取る巻取りスプールと、が設けられている。一方、上壁部には、2つの係合脚部が設けられており、2つの係合脚部は、装着時に装置側の一対のガイド軸に係合するようになっている。また、リボンケースの蓋部材の上面および上壁部の上面には、つまみ片がそれぞれ形成されている。
ユーザーは、この一対のつまみ片を把持し、テープ状ラベル作成装置に装着されたテープカセットに対し、リボンカセットを装着する。テープカセットに装着されたリボンカセットは、そのリボンケースの部分がテープカセットのリボンカセット収容部に挿入され、上壁部の2つの係合脚部が一対のガイド軸に外嵌する。
テープカセットは、テープ状ラベル作成装置のカセットカバーに対応する内部に着脱自在に収容されている。テープカセットには、カセットケース内に印字テープが巻装されたテープスプールが設けられると共に、リボンカセットが着脱自在に装着されるリボンカセット収容部が形成されている。
リボンカセットは、リボンケースとリボンケースから水平に延びる上壁部とを有している。リボンケースには、インクリボンが巻装されたリボンスプールと、インクリボンを巻き取る巻取りスプールと、が設けられている。一方、上壁部には、2つの係合脚部が設けられており、2つの係合脚部は、装着時に装置側の一対のガイド軸に係合するようになっている。また、リボンケースの蓋部材の上面および上壁部の上面には、つまみ片がそれぞれ形成されている。
ユーザーは、この一対のつまみ片を把持し、テープ状ラベル作成装置に装着されたテープカセットに対し、リボンカセットを装着する。テープカセットに装着されたリボンカセットは、そのリボンケースの部分がテープカセットのリボンカセット収容部に挿入され、上壁部の2つの係合脚部が一対のガイド軸に外嵌する。
このような、従来のリボンカセットでは、これに設けた一対のつまみ片が、リボンケース(の蓋部材)の上面から突出しているため、つまみ片に干渉しないように、カセットカバー(開閉蓋)を高い位置に配設する必要がある。このため、テープ印刷装置が大型化する課題があった。
また、リボンカセットは、その2つの係合脚部により、テープカセットを跨いで一対のガイド軸に対し位置決めされるために、リボンケースの他に、上壁部および一対の係合脚部等を必要とする。このため、リボンカセットを位置決めするための構造が複雑になる課題があった。
また、リボンカセットは、その2つの係合脚部により、テープカセットを跨いで一対のガイド軸に対し位置決めされるために、リボンケースの他に、上壁部および一対の係合脚部等を必要とする。このため、リボンカセットを位置決めするための構造が複雑になる課題があった。
本発明は、テープ印刷装置の大型化を抑制すると共に、簡単な構造でカートリッジ装着部への位置決めを可能とするテープカートリッジおよびテープ印刷装置を提供することを課題としている。
本発明のテープカートリッジは、テープカートリッジが装着されるカートリッジ装着部を開閉する開閉蓋を備えたテープ印刷装置に、着脱可能に装着される為のテープカートリッジであって、開閉蓋側となる表側に設けられ、把持位置と非把持位置との間で移動可能に構成された摘み部と、摘み部を把持位置に向かって付勢する付勢部と、を備え、カートリッジ装着部に装着され、開閉蓋が閉塞された場合に、摘み部は、開閉蓋に設けた押え部により押さえられ、開閉蓋が開放されている場合に、付勢部は、摘み部を把持位置に位置させることを特徴とする。
この構成によれば、摘み部は、把持位置と非把持位置との間で移動可能に構成されており、開閉蓋の閉塞状態において開閉蓋に設けた押え部により押さえられる。このため、開閉蓋を、把持位置に移動した摘み部に抵触しないように、高い位置に配設する必要はない。したがって、テープ印刷装置の大型化を抑制することができる。また、摘み部を把持位置に向かって付勢する付勢部は、摘み部を介して押え部の押圧力に抗するように変位する。これにより、開閉蓋に生ずる反力が、付勢部を介してテープカートリッドを弾力的に押圧する。したがって、摘み部を利用した簡単な構造で、テープカートリッドのカートリッジ装着部への押圧による位置決めを行うことができる。また、開閉蓋が開放している状態では、摘み部は、把持位置に自動的に立ち上がっているため、容易に把持することができる。
この場合、表側に位置するケース壁に設けられ、摘み部が出没する凹部を、更に備えることが好ましい。
この構成によれば、把持位置における摘み部の、ケース壁からの突出寸法を小さく抑えることができる。したがって、単体のテープカートリッドにおいて、摘み部が邪魔になるのを抑制することができる。
この場合、印刷テープ、および印刷テープが繰出し可能に巻回されたたテープコアを、更に備え、凹部は、ケース壁を介して、テープコアの内周部に臨むように配設されていることが好ましい。
テープコアは、印刷テープの巻き癖を抑制するために、比較的太径に形成されている。
この構成によれば、比較的太径に形成されているテープコアの内周部を利用して、凹部を配置するようにしているため、摘み部および凹部をスペース効率良く配置することができる。したがって、テープカートリッジの大型化を抑制することができる。
この構成によれば、比較的太径に形成されているテープコアの内周部を利用して、凹部を配置するようにしているため、摘み部および凹部をスペース効率良く配置することができる。したがって、テープカートリッジの大型化を抑制することができる。
この場合、凹部に対し摘み部は、凹部から突出する把持位置と、凹部内に没入する非把持位置との間で、起倒可能に取り付けられていることが好ましい。
この構成によれば、摘み部廻りの構造を単純化することができる。なお、凹部に対し摘み部は、回動可能に取り付けられていることが、より好ましい。かかる場合に、付勢部は、回動支軸に設けた捻じりコイルばねとすることが好ましい。
同様に、凹部に対し摘み部は、凹部から突出する把持位置と、凹部内に没入する非把持位置との間で、進退可能に取り付けられていることが好ましい。
この構成によれば、摘み部廻りの構造を単純化することができる。また、摘み部を持ち易い形状および持ち易い姿勢とすることができる。
この場合、テープコアは、凹部の外周面に回転自在に係合していることが好ましい。
この構成によれば、テープコアのコア軸と凹部とを兼用させることができ、構造の単純化とスペース専有の効率化とを図ることができる。
この場合、付勢部は、摘み部側の部位を径方向に延長させた圧縮コイルばねを有し、テープコアは、圧縮コイルばねの伸縮により、摘み部側の部位が係合および係合解除するラチェット部を有し、摘み部側の部位は、摘み部が把持位置に移動した状態で、ラチェットに対し係合し、摘み部が非把持位置に移動した状態で、ラチェットに対し係合解除することが好ましい。
この構成によれば、付勢部の圧縮コイルばねと、テープコアの回転止め機構における圧縮コイルばねとを兼用させることができる。これにより、付勢部を設けることによる部品点数や組付工数の増加を、抑制することができる。
また、摘み部は、滑り止め用の凹凸部を有していることが好ましい。
この構成によれば、摘み部を滑り難い構造とすることができ、その分、摘み部をコンパクトに構成することができる。
さらに、摘み部を非把持位置に保持するロック機構を、更に備えることが好ましい。
この構成によれば、テープカートリッジをカートリッジ装着部に対し着脱する際、摘み部は自動的に立ち上がった状態にあるため、テープカートリッジを把持する部位として容易に機能させることができる。
本発明のテープ印刷装置は、上記したテープカートリッジが着脱可能に装着されるカートリッジ装着部と、カートリッジ装着部を開閉すると共に、閉塞状態で、装着したテープカートリッジを押える押え部を有する開閉蓋と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、テープカートリッジの着脱の円滑さを損なうことなく、装置の大型化を抑制することができる。加えて、簡単な構造で、テープカートリッジのカートリッジ装着部への位置決めを行うことができる。
以下、添付の図面を参照して、本発明の一実施形態に係るテープカートリッジにつき、これが装着されるテープ印刷装置と共に説明する。このテープ印刷装置は、装着したテープカートリッジから印刷テープおよびインクリボンを繰り出しながら印刷を行い、印刷テープの印刷済み部分を切断して、ラベル(テープ片)を作成するものである。
[テープ印刷装置の概要]
図1は、テープ印刷装置およびこれに装着されるテープカートリッジの外観斜視図である。図1に示すように、テープ印刷装置1は、外殻を構成する装置ケース3と、テープカートリッジ100が着脱自在に装着されるカートリッジ装着部5と、カートリッジ装着部5を開閉する開閉蓋7と、を備えている。装置ケース3の上面には、奥側にカートリッジ装着部5が設けられ、中央にディスプレイ11が設けられ、手前側にキーボード13が設けられている。開閉蓋7の近傍には、指掛け用の窪入部15が設けられている。開閉蓋7は、この窪入部15に指を掛けて引き上げることで開放される。そして、装置ケース3の側面(左側面)には、印刷テープ102が排出される縦長のテープ排出口17が設けられている。
図1は、テープ印刷装置およびこれに装着されるテープカートリッジの外観斜視図である。図1に示すように、テープ印刷装置1は、外殻を構成する装置ケース3と、テープカートリッジ100が着脱自在に装着されるカートリッジ装着部5と、カートリッジ装着部5を開閉する開閉蓋7と、を備えている。装置ケース3の上面には、奥側にカートリッジ装着部5が設けられ、中央にディスプレイ11が設けられ、手前側にキーボード13が設けられている。開閉蓋7の近傍には、指掛け用の窪入部15が設けられている。開閉蓋7は、この窪入部15に指を掛けて引き上げることで開放される。そして、装置ケース3の側面(左側面)には、印刷テープ102が排出される縦長のテープ排出口17が設けられている。
また、テープ印刷装置1は、カートリッジ装着部5に立設された印刷ヘッド21を有する印刷機構部23と、カートリッジ装着部5の裏側空間に内蔵したテープ送り機構部25と、テープ排出口17の近傍に内蔵したテープ切断機構部27と、を備えている。ユーザーは、キーボード13から印刷情報を入力し、ディスプレイ11で印刷情報を確認した後、キー操作により印刷を実行する。印刷が指令されると、テープ送り機構部25が駆動することで、印刷テープ102とインクリボン110とが並走する。さらに、印刷機構部23からインクリボン110に加えられる熱によって、インクリボン110のインクを印刷テープ102へ熱転することで印刷が行われる。この印刷送りにより、印刷テープ102はテープ排出口17から排出されてゆき、印刷が完了すると、テープ切断機構部27が駆動して、印刷テープ102の印刷済み部分が切り離される。
[テープカートリッジの概要]
図2および図5に示すように、テープカートリッジ100は、印刷テープ102をテープコア104に巻回したテープロール106と、インクリボン110を繰出しコア112に巻回したリボンロール114と、を備えている。また、テープカートリッジ100は、使用後のインクリボン110を巻き取る巻取りコア116と、印刷ヘッド21がインクリボン110および印刷テープ102を介して当接すると共に印刷テープ102およびインクリボン110を送るプラテンローラー120(プラテン)と、を備えている。さらに、テープカートリッジ100は、これらテープロール106、リボンロール114、巻取りコア116およびプラテンローラー120を収容したカートリッジケース130を備えている。このように、本実施形態のテープカートリッジ100は、外殻をカートリッジケース130で覆われた、いわゆるシェル構造を有している。
図2および図5に示すように、テープカートリッジ100は、印刷テープ102をテープコア104に巻回したテープロール106と、インクリボン110を繰出しコア112に巻回したリボンロール114と、を備えている。また、テープカートリッジ100は、使用後のインクリボン110を巻き取る巻取りコア116と、印刷ヘッド21がインクリボン110および印刷テープ102を介して当接すると共に印刷テープ102およびインクリボン110を送るプラテンローラー120(プラテン)と、を備えている。さらに、テープカートリッジ100は、これらテープロール106、リボンロール114、巻取りコア116およびプラテンローラー120を収容したカートリッジケース130を備えている。このように、本実施形態のテープカートリッジ100は、外殻をカートリッジケース130で覆われた、いわゆるシェル構造を有している。
また、テープカートリッジ100は、カートリッジケース130に形成され、テープ印刷装置1に装着されたときに、印刷ヘッド21が挿入される挿入開口134を備えている。また、テープカートリッジ100は、カートリッジケース130に形成され印刷テープ102が送り出されるテープ送出口138を備えている。なお、詳細は後述するが、テープロール106は、カートリッジケース130の内側に突設した円筒状のコア軸192に回転自在に支持されている。
上記のテープ送り機構部25により、プラテンローラー120および巻取りコア116が駆動されると、印刷テープ102はテープコア104から繰り出され、インクリボン110は繰出しコア112から繰り出される。繰り出された印刷テープ102およびインクリボン110は、プラテンローラー120の部分で並走し、印刷ヘッド21によって印刷に供される。印刷が行われた印刷テープ102の繰出し端部(印刷済部分)は、テープ送出口138からテープ排出口17に向かって送り出される。一方、インクリボン110は、挿入開口134の周壁部分を周回し、巻取りコア116に巻き取られる。なお、テープカートリッジ100は、印刷テープ102のテープ幅に応じて、厚みの異なる複数種が用意されている。
[テープ印刷装置の詳細]
図1および図3に示すように、カートリッジ装着部5は、テープカートリッジ100の平面形状と相補的な平面形状に形成されると共に、装着可能な複数種のテープカートリッジ100のうち、最大厚のテープカートリッジ100に対応する深さを有して、窪入形成されている。この場合、カートリッジ装着部5の底板部を構成する装着ベース31と側板部33とは、樹脂等で一体に形成(成形)されている。カートリッジ装着部5と上記のテープ排出口17との間には、スリット状のテープ排出経路35が形成されており、この部分に、上記のテープ切断機構部27が内蔵されている。
図1および図3に示すように、カートリッジ装着部5は、テープカートリッジ100の平面形状と相補的な平面形状に形成されると共に、装着可能な複数種のテープカートリッジ100のうち、最大厚のテープカートリッジ100に対応する深さを有して、窪入形成されている。この場合、カートリッジ装着部5の底板部を構成する装着ベース31と側板部33とは、樹脂等で一体に形成(成形)されている。カートリッジ装着部5と上記のテープ排出口17との間には、スリット状のテープ排出経路35が形成されており、この部分に、上記のテープ切断機構部27が内蔵されている。
カートリッジ装着部5の装着ベース31には、テープカートリッジ100のコア軸192が嵌合して位置決めされる位置決め突起41と、ヘッドカバー43に覆われた印刷ヘッド21と、が立設されている。また、装着ベース31には、プラテンローラー120を回転駆動するプラテン駆動軸45と、巻取りコア116を回転駆動する巻取り駆動軸47と、が立設されている。また、巻取り駆動軸47の近傍に位置して装着ベース31には、印刷テープ102の種別(属性情報)を検出する検出部51と、繰出しコア112および巻取りコア116の回転止めを解除するコア解除部53と、が設けられている。
さらに、装着ベース31には、その対角位置に一対の小突起55が設けられ、加えて装着したテープカートリッジ100の中間部を掛け止めする一対の掛止め片57が設けられている。そして、装着ベース31の裏側空間には、プラテン駆動軸45および巻取り駆動軸47を回転させるモーターおよびギヤ列(いずれも、図示省略)等で構成される、上記のテープ送り機構部25が内蔵されている。テープ送り機構部25は、ギヤ列で動力分岐し、プラテン駆動軸45および巻取り駆動軸47を同期回転させる。
印刷機構部23は、サーマルヘッドで構成された印刷ヘッド21と、印刷ヘッド21を支持すると共に回動させるヘッド支持フレーム61と、を備えている。また、印刷機構部23は、ヘッド支持フレーム61を介して印刷ヘッド21を印刷位置と退避位置との間で回動させるヘッドリリース機構(図示省略)と、印刷ヘッド21(およびヘッド支持フレーム61)を覆うヘッドカバー43と、を備えている。
ヘッドリリース機構は、上記の開閉蓋7の開閉に連動して作動し、開閉蓋7の閉塞動作に連動して印刷ヘッド21を印刷位置に移動(回動)させる。また、ヘッドリリース機構は、開放動作に連動して印刷ヘッド21を退避位置に移動(回動)させる。印刷位置に移動した印刷ヘッド21は、プラテンローラー120にインクリボン110および印刷テープ102を介して当接し、退避位置に移動した印刷ヘッド21は、プラテンローラー120から離間する。これにより、テープカートリッジ100を着脱する際に、印刷テープ102やインクリボン110の印刷ヘッド21への干渉が防止される。
印刷ヘッド21には、複数の発熱素子が設けられ、複数の発熱素子は、プラテンローラー120の軸方向と同方向に列設されている。そして、印刷テープ102およびインクリボン110の送りと、複数の発熱素子の選択的駆動により印刷が行われる。ヘッドカバー43は、平面視略矩形に形成されおり、上記の装着ベース31(カートリッジ装着部5)と一体に形成(成形)されている。また、ヘッドカバー43は、装着ベース31から垂直に突出しており、その内側において印刷ヘッド21の回動を許容し、外側においてテープカートリッジ100の装着ガイドとして機能する。
検出部51は、複数のマイクロスイッチ51aで構成されており、後述するテープカートリッジ100の被検出部180に対し選択的に係合し、印刷テープ102のテープ幅やテープ色、材質等の種別を検出する。そして、この検出結果に基づいて、印刷ヘッド21やテープ送り機構部25の駆動が制御される。コア解除部53は、繰出しコア112用および巻取りコア116用の2つの解除ピン53aで構成されている。詳細は後述するが、カートリッジケース130には、繰出しコア112および巻取りコア116にそれぞれ掛止めされる回転止めフック206が設けられている(図6参照)、テープカートリッジ100を装着すると、これら回転止めフック206に解除ピン53aが係合し、繰出しコア112および巻取りコア116の回転止めが解除される。
プラテン駆動軸45は、プラテンローラー120を挿通するように長く延びた固定軸45aと、固定軸45aの基部に回転自在に軸支されたスプライン形状の可動軸45bとを有している。テープ送り機構部25の回転動力は、この可動軸45bに伝達され、更に可動軸45bからプラテンローラー120に伝達される。同様に、巻取り駆動軸47は、固定軸47aと、固定軸47aに回転自在に軸支されたスプライン形状の可動軸47bとを有している。この場合も、テープ送り機構部25の回転動力は、可動軸47bに伝達され、更に可動軸47bから巻取りコア116に伝達される。
テープカートリッジ100をカートリッジ装着部5に装着すると、位置決め突起41にコア軸192(テープコア104)が係合し、プラテン駆動軸45にプラテンローラー120か係合し、更に巻取り駆動軸47に巻取りコア116が係合する。そして、開閉蓋7を閉塞すると、印刷ヘッド21が回動し、印刷テープ102およびインクリボン110を挟んでプラテンローラー120に当接して、テープ印刷装置1は印刷待機状態となる。
図1および図4に示すように、開閉蓋7は、奥側に設けたヒンジ部71を介して、装置ケース3に回動自在に、すなわち開閉自在に取り付けられている。開閉蓋7は、平面視矩形に形成され開閉蓋本体73と、開閉蓋本体73の中央に設けた覗き窓75と、開閉蓋本体73の裏面に突設されヒンジ部71に回動自在に軸支された一対の軸支片77と、を備えている。また、開閉蓋7は、開閉蓋本体73の裏面に突設され印刷ヘッド21を回動させる作動レバー79と、開閉蓋本体73の裏面に突設されテープカートリッジ100を押し込む押込み突起81と、を備えている。さらに、開閉蓋7は、開閉蓋本体73の裏面に突設され、内蔵する蓋閉塞検出スイッチ(図示省略)を作動させる(ONとする)押下突起83を備えている。
また、開閉蓋7は、覗き窓75の裏面に突設され、後述するテープカートリッジ100の摘み部182を押さえる押え部85を備えている。詳細は後述するが、開閉蓋7を閉塞すると、この押え部85が、摘み部182を介してテープカートリッジ100をカートリッジ装着部5(装着ベース31)に弾力的に押圧する。
覗き窓75は、横長に形成され、開閉蓋本体73とは別体となる透明(可視光に対し透明)な樹脂で構成されている。この覗き窓75越しに、カートリッジ装着部5に装着されたテープカートリッジ100が、視認(印刷テープ102の種別やテープ残量)できるようになっている。そして、覗き窓75と上記の押え部85とは、樹脂で一体に形成(成形)されている。同様に、一対の軸支片77、作動レバー79、押込み突起81および押下突起83と、開閉蓋本体73とは、樹脂で一体に形成(成形)されている。
作動レバー79は、開閉蓋本体73の裏面から突出しており、開閉蓋7の閉塞に伴って、カートリッジ装着部5の側方に設けたスリット開口87に挿入される。スリット開口87に挿入された作動レバー79は、上記のヘッドリリース機構を作動させ、印刷ヘッド21をプラテンローラー120に向かって回動させる。同様に、押下突起83は、開閉蓋7の閉塞に伴って、スリット開口87に隣接する矩形開口91に挿入され、蓋閉塞検出スイッチを作動(例えば「ON」)させる。押込み突起81は、テープカートリッジ100のプラテンローラー120の近傍位置に対応しており、開閉蓋7の閉塞に伴って、テープカートリッジ100がカートリッジ装着部5の装着ベース31に着座するようにこれを押し込む。
[テープカートリッジの詳細]
次に、図2、図5および図6を参照して、テープカートリッジ100について詳細に説明する。なお、テープカートリッジ100の説明では、図2を例に、テープカートリッジ100の上正面である装着方向手前の面を「表面」と、逆側の装着方向奥側の面を「裏面」と称するものとする。また、図2を例に、テープカートリッジ100の左側の側面を「左側面」と、右側の側面を「右側面」と、上側の円弧状の側面を「先端面」と、下側の側面を「基端面」と、称呼するものとする。
次に、図2、図5および図6を参照して、テープカートリッジ100について詳細に説明する。なお、テープカートリッジ100の説明では、図2を例に、テープカートリッジ100の上正面である装着方向手前の面を「表面」と、逆側の装着方向奥側の面を「裏面」と称するものとする。また、図2を例に、テープカートリッジ100の左側の側面を「左側面」と、右側の側面を「右側面」と、上側の円弧状の側面を「先端面」と、下側の側面を「基端面」と、称呼するものとする。
テープカートリッジ100は、上述のように、カートリッジケース130と、これに収容したテープロール106、リボンロール114、巻取りコア116およびプラテンローラー120と、を備えている。また、テープカートリッジ100は、カートリッジケース130に形成され挿入開口134と、プラテンローラー120の近傍において左側面に形成したテープ送出口138と、を備えている。さらに、テープカートリッジ100は、テープロール106が収容されている部位の表面、左側面および右側面に、2箇所に亘って貼着された識別シール141(図2参照)と、を備えている。識別シール141には、カートリッジケース130に収容されている印刷テープ102のテープ幅やテープ色、材質等が、表示されている。
カートリッジケース130は、テープカートリッジ100の外郭を構成するものであり(シェル構造)、右側面の基端側が幾分突出した、平面視「L」字状の外観を呈している。表裏方向においてカートリッジケース130は、カートリッジ装着部5に装着したときに奥側となる下ケース150と、手前側となる上ケース152と、で構成されている。本実施形態のカートリッジケース130は、上ケース152が収容されている印刷テープ102が視認可能に程度に透明な樹脂の成型品で構成され、下ケース150が不透明な樹脂の成型品で構成されている。上述のように、テープカートリッジ100は、厚みの異なる複数種が用意されており、この厚みの相違は下ケース150で調整され、上ケース152は共通の部品として用いられる。
上ケース152は、カートリッジケース130の表面を構成する天壁部156と、天壁部156の周縁部に垂設された上周壁部158と、で一体に形成(成形)されている。また、下ケース150は、カートリッジケース130の裏面を構成する底壁部160と、底壁部160の周縁部に立設された下周壁162と、上記の挿入開口134を画成すべく底壁部160に立設された開口周壁部164と、で一体に形成(成形)されている。
上ケース152における上周壁部158の下端面には、適宜の間隔で複数の接合ピン170が設けられる一方、下ケース150の下周壁162には、この複数の接合ピン170に対応して複数の接合孔172が設けられている(図5参照)。下ケース150に、テープロール106やリボンロール114等の構成部品を配設した後、複数の接合孔172に複数の接合ピン170を圧入するように上ケース152を接合することによって、テープカートリッジ100が組み立てられる。なお、各接合孔172は、成形の容易性を考慮し貫通孔となっている。
一方、下ケース150の左側面および右側面には、上記の一対の掛止め片57に掛け止めされる一対の掛止受け部174が設けられている(図2および図6参照)。装着したテープカートリッジ100の一対の掛止受け部174に、カートリッジ装着部5側の一対の掛止め片57が掛け止めされることにより、テープカートリッジ100の浮き上がりが防止される。また、下ケース150の裏面には、上記の一対の小突起55が幾分余裕をもって嵌合する嵌合小穴176が設けられている(図6参照)。嵌合小穴176に、カートリッジ装着部5側の一対の小突起55が嵌合されることによって、装着ベース31上におけるテープカートリッジ100の簡単な位置決めが為される。
さらに、下ケース150の裏面には、基端面側の左隅部(表面側から見て右隅部)に位置して、上記の検出部51に対応する被検出部180が設けられている(図6参照)。被検出部180は、検出部51の複数のマイクロスイッチ51aに対応する部分で構成され、この部分に設けた受け穴180aの有無により、複数のビットパターンを得るようにしている。すなわち、このビットパターンが、上記した印刷テープ102の種別に対応している。
一方、テープカートリッジ100の表面の、2箇所の識別シール141の間に位置して、テープカートリッジ100を把持する為の摘み部182が設けられている(図2参照)。すなわち、上記のコア軸192(テープコア104)の直上に位置して、上ケース152の表面には、摘み部182が設けられている。詳細は後述するが、摘み部182は、テープカートリッジ100をカートリッジ装着部5に着脱する際に、テープカートリッジ100を把持する部位として機能する。また、摘み部182は、開閉蓋7を閉塞したときに、テープカートリッジ100を押圧する開閉蓋7の押え部85を受ける部位として機能する。
図5に示すように、カートリッジケース130内の上側空間(先端面側)には、広くテープロール106が収容されるテープ収容エリア190が構成されている。テープ収容エリア190の中央には、下ケース150に一体に形成(成形)されたコア軸192が立設されている。コア軸192は、円筒状に形成されており、その外周面にはテープロール106(テープコア104)が回転自在に軸支されている。また、プラテンローラー120の近傍に位置してテープ収容エリア190には、繰り出された印刷テープ102をプラテンローラー120に導くテープガイド194が、下ケース150に一体に立設されている。
すなわち、カートリッジケース130の内部には、テープロール106を起点とし、テープガイド194およびプラテンローラー120を経てテープ送出口138に至るテープ送り経路196が構成されている。テープロール106から繰り出された印刷テープ102は、テープガイド194を介してプラテンローラー120に導かれ、ここで印刷に供され、更にプラテンローラー120からテープ送出口138に導かれる。
テープロール106は、印刷テープ102およびテープコア104を有すると共に、ロール状の印刷テープ102の両端面に貼着された2枚の円形フイルム198を有している。この2枚の円形フイルム198は、テープコア104に巻回した印刷テープ102のバラケを防止している。また、テープコア104には、図示では省略したが、逆転止め機構が組み込まれている(但し、後述する第2実施形態では、類似の逆転止め機構を図示している。)。テープカートリッジ100を持ち運びするときには、この逆転止め機構によって、印刷テープ102の逆転が防止される。一方、テープカートリッジ100をテープ印刷装置1のカートリッジ装着部5に装着すると、上記の位置決め突起41により逆転止め機構の逆転止めが解除され、印刷テープ102の送りが可能になる。
カートリッジケース130内の基部右側には、挿入開口134に隣接してリボン収容エリア200が構成されている。リボン収容エリア200の右寄りには、リボンロール114(繰出しコア112)を回転自在に支持する繰出し側軸受部202が、また左寄りには、巻取りコア116を回転自在に支持する巻取り側軸受部204が、それぞれカートリッジケース130に一体に形成されている。すなわち、上ケース152および下ケース150に、それぞれ繰出し側軸受部202および巻取り側軸受部204が形成されている。
下ケース150に形成された繰出し側軸受部202および巻取り側軸受部204の切欠き部分には、先端部をこれら繰出し側軸受部202および巻取り側軸受部204に臨ませた回転止めフック206が、それぞれ一体に形成されている。そして、一方の回転止めフック206は繰出しコア112に、他方の回転止めフック206は巻取りコア116に、それぞれ回転止め状態に係合されている。
繰出し側軸受部202の近傍に位置してリボン収容エリア200には、繰り出されたインクリボン110をプラテンローラー120に導く第1リボンガイド210が、下ケース150に一体に立設されている。また、上記の開口周壁部164の外周側には、インクリボン110の周回をガイドする複数の第2リボンガイド212が一体に形成されている。
すなわち、カートリッジケース130の内部には、リボンロール114を起点とし、第1リボンガイド210、プラテンローラー120および複数の第2リボンガイド212を経て巻取りコア116に至るリボン送り経路214が構成されている。リボンロール114から繰り出されたインクリボン110は、第1リボンガイド210を介してプラテンローラー120に導かれ、ここで印刷に供され、更にプラテンローラー120から開口周壁部164(複数の第2リボンガイド212)を周回して巻取りコア116に巻き取られる。
リボンロール114は、インクリボン110および繰出しコア112を有すると共に、繰出しコア112に制動負荷を付与する円環状の板ばね220を有している(図5(b)参照)。板ばね220は、周方向において波状に形成されており、軸方向において上ケース152の天壁部156と繰出しコア112との間に介設されている。すなわち、繰出しコア112には、この板ばね220の弾発力により回転制動負荷が付与される。これにより、巻取りコア116により繰り出されてゆくインクリボン110には、バックテンションが付与されその弛みが防止される。
繰出しコア112は円筒状に形成され、その下ケース150側の端部には、周方向に複数の切欠き222が形成されている(図6参照)。そして、複数の切欠き222には、上記の回転止めフック206が係脱するようになっている。なお、繰出しコア112を支持する下ケース150側の繰出し側軸受部202は円形の開口で構成されているが、上ケース152側の繰出し側軸受部202は、円筒状の突出部分で構成されている。そして、この突出部分に上記の板ばね220が装着されている(いずれも、図5(b)参照)。
同様に、巻取りコア116は円筒状に形成され、その下ケース150側の端部には、周方向に複数の切欠き224が形成されている。そして、複数の切欠き224には、上記の回転止めフック206が係脱する。また、巻取りコア116の内周面にはスプライン溝226が形成され、上記の巻取り駆動軸47にスプライン係合する。これにより、巻取り駆動軸47の回転力が巻取りコア116に伝達され、インクリボン110が巻き取られる。
カートリッジケース130内の基部左側には、挿入開口134に隣接してプラテン収容エリア230が構成されている。プラテン収容エリア230の中央には、下ケース150に形成した楕円状(長円状)開口の下軸受部234と(図6参照)、上ケース152に形成した楕円状(長円状)開口の上軸受部232と(図5(b)参照)が設けられている。そして、上軸受部232および下軸受部234には、プラテンローラー120が回転自在且つ僅かに移動(横移動)可能に支持されている。すなわち、楕円状の上軸受部232および下軸受部234に支持されたプラテンローラー120は、プラテン駆動軸45に係合するホーム位置と、印刷テープ102を挟み込んでテープガイド194に接する挟持位置との間で、移動(微小移動)可能に構成されている。
ところで、このテープカートリッジ100は、印刷テープ102の繰出し端部を、テープ送出口138から外部に僅かに突出された状態で持ち運びされる(図1参照)。その際、誤って印刷テープ102の繰出し端部に押込み力や引込み力が作用すると、これに引きずられたプラテンローラー120が上記の挟持位置に移動する。これにより、印刷テープ102の繰出し端部が、テープ送出口138からカートリッジケース130内に引き込まれることが防止される。
プラテンローラー120は、円筒状のローラー基体240と、ローラー基体240の外周面に装着したゴムローラー242と、を有している。ゴムローラー242は、軸方向において印刷ヘッド21に対応する長さを有しており、印刷位置に移動した印刷ヘッド21は、印刷テープ102およびインクリボン110を挟み込んでこのゴムローラー242に接触する。また、ローラー基体240の内周面にはスプライン溝244が形成され、上記のプラテン駆動軸45にスプライン係合する。これにより、プラテン駆動軸45の回転力がプラテンローラー120に伝達され、印刷テープ102(およびインクリボン110)が印刷送りされる。
[摘み部と押え部(第1実施形態)]
次に、図7および図8を参照して、第1実施形態に係るテープカートリッジ100の摘み部182の構造について、開閉蓋7の押え部85の構造と共に詳細に説明する。上述のように、摘み部182は、上ケース152の表面に設けられ、これに対応して押え部85は、開閉蓋7の裏面に突出するように設けられている。
次に、図7および図8を参照して、第1実施形態に係るテープカートリッジ100の摘み部182の構造について、開閉蓋7の押え部85の構造と共に詳細に説明する。上述のように、摘み部182は、上ケース152の表面に設けられ、これに対応して押え部85は、開閉蓋7の裏面に突出するように設けられている。
図7および図8に示すように、テープカートリッジ100には、識別シール141の間、すなわちテープコア104(コア軸192)の直上に位置して、摘み部182が設けられている。具体的には、上ケース152の天壁部156(ケース壁)には、テープコア104(コア軸192)の直上に位置して、平面視矩形の凹部260が設けられており、この凹部260内に収容されるようにして摘み部182が設けられている。
テープコア104は、印刷テープ102が巻装されたリール部270と、リール部270の内側に設けられた転接部272とを有している。転接部272は、リール部270の上下中間部に設けられ、下ケース150から延びるコア軸192の上部に回転自在に支持されている。リール部270は、印刷テープ102の巻き癖を抑制すべく比較的太径に形成されている。このため、リール部270の内周面と、転接部272の上面とで囲まれた部位に円形のコア内スペース274が生じ、このコア内スペース274に、上記の凹部260が窪入形成されている。
凹部260は、コア内スペース274に内包される形で、上ケース152(天壁部156)に一体に形成されている。また、凹部260は、矩形に形成された摘み部182に合わせて矩形に形成され、摘み部182が没する為の十分な深さを有している。なお、摘み部182は、必ずしも矩形でなくてもよい。
摘み部182は、基端部に軸孔280を有して矩形の板状に形成されており、軸孔280に挿通した回動支軸282を介して、凹部260に回動自在に支持されている。この場合、凹部260に対し摘み部182は、回動支軸282を中心に把持位置と非把持位置との間で回動自在に、すなわち起倒自在に支持されている。また、回動支軸282には、捻じりコイルばねで構成された付勢部284が設けられており、付勢部284は、摘み部182を把持位置に向かって付勢している。なお、把持位置は、付勢部284が自由状態となった位置であり(付勢力ゼロ)、摘み部182は、天壁部156に対し斜め45°前後の角度で傾いている。
一方、図8に示すように、摘み部182を押える押え部85は、閉塞した開閉蓋7の摘み部182に対応する位置に配設されている。具体的には、押え部85は、開閉蓋7の覗き窓75の裏面中央に突出するように設けられている。押え部85は、例えば断面円形或いは断面矩形に形成され、開閉蓋7の閉塞に伴って、カートリッジ装着部5に装着されたテープカートリッジ100の摘み部182を押圧する。
図8(a)は、テープカートリッジ100の着脱に際し、摘み部182を把持している状態を表している。付勢部284により把持位置に回動した(凹部260から突出)摘み部182を把持すると、摘み部182は、テープカートリッジ100(天壁部156)に対し垂直な姿勢となる。ユーザーは、摘み部182を介してテープカートリッジ100把持し、この状態でカートリッジ装着部5に対し、テープカートリッジ100の装着および離脱(引抜き)を行う。
図8(b)は、テープカートリッジ100をカートリッジ装着部5に装着した状態(開閉蓋7を閉めかけている状態)を表している。摘み部182は、付勢部284により把持位置に向けて付勢されており、摘み部182は、天壁部156に対し斜め45°前後の角度で傾いている。すなちわ、付勢部284は、自由状態に変位しており、摘み部182は、凹部260から突出し起立した姿勢となっている。
図8(c)は、開閉蓋7を閉塞した状態を表している。開閉蓋7を閉塞すると、開閉蓋7の押え部85は、付勢部284に抗して摘み部182を押圧する。これにより、摘み部182は、把持位置から非把持位置に回動し、凹部260に没入するように倒込み姿勢となる。この状態では、付勢部284の付勢力が、摘み部182を介して押え部85(開閉蓋7)に作用する。一方で、開閉蓋7(押え部85)は、この付勢力の反力を、摘み部182および付勢部284を介して、テープカートリッジ100に作用させる。したがって、テープカートリッジ100は、閉塞した開閉蓋7により、弾力的に押圧される。
以上のように、第1実施形態によれば、摘み部182は、付勢部284により付勢された状態で、凹部260から出没するように把持位置と非把持位置との間で回動自在に構成されている。このため、摘み部182を、テープカートリッジ100をカートリッジ装着部5に着脱する際に、摘み部182は自動的に立ち上がった状態にあるため、テープカートリッジ100を把持する部位として容易に機能させることができる。したがって、カートリッジ装着部5に指を差し入れる部位も必要なく、テープ印刷装置1をコンパクトに構成することができる。また、開閉蓋7を閉塞すると、摘み部182は非把持位置に回動するため、開閉蓋7の閉塞の邪魔なることがなく、この点でもテープ印刷装置1をコンパクトに構成することができる。
一方、摘み部182および付勢部284を、開閉蓋7を閉塞したときに、テープカートリッジ100を弾力的に押圧するよう機能させることができる。これにより、テープカートリッジ100の浮き上がりを防止することができるだけでなく、テープカートリッジ100をカートリッジ装着部5に位置決めすることができる。したがって、印刷ヘッド21等からの押圧力により、テープカートリッジ100が位置ズレを抑制することで印刷品質を高めることができる。
なお、第1実施形態の摘み部182は、前後方向に延在する回動支軸282を中心に回動するが、これを左右方向に延在する回動支軸282を中心に回動する構成としてもよい。また、摘み部182の表面に、凹凸部等の滑止めを設けることが好ましい。かかる場合には、摘み部182が把持し易い構造となるため、摘み部182を小さくすることも可能である。また、図示しないが、変形例として、摘み部182を付勢部284のばね力に抗して凹部260の内部にいる状態でロックするロック機構を付け加えることもできる。ロック機構を付加しておけば、複数のテープカートリッジ100を保管しておくに際し、重ね合わせておくこと(保管すること)も容易となる。なお、このロック機構を付け加える事は後述の他の実施例に応用することもできることは言うまでもない。
[摘み部と押え部(第2実施形態)]
次に、図9および図10を参照して、第2実施形態に係るテープカートリッジ100Aの摘み部182Aの構造について、開閉蓋7の押え部85の構造と共に詳細に説明する。また、第2実施形態では、主に第1実施形態と異なる部分について説明する。
次に、図9および図10を参照して、第2実施形態に係るテープカートリッジ100Aの摘み部182Aの構造について、開閉蓋7の押え部85の構造と共に詳細に説明する。また、第2実施形態では、主に第1実施形態と異なる部分について説明する。
図9および図10に示すように、上ケース152の天壁部156には、円筒状の上コア軸310が垂設され、下ケース150の底壁部160には、円筒状の下コア軸312が立設されている。上コア軸310と下コア軸312との上下の間隙には、テープコア104の転接部272が臨んでいる。テープコア104は、リール部270の部分で、同軸上に位置する上コア軸310および下コア軸312に回転自在に支持されている。
転接部272の下面には、放射状に延びる複数の溝により構成されたラチェット部314が設けられている(図5(a)参照)。一方、上コア軸310の内周部には、凹部260が構成されており、この凹部260には、把持位置と非把持位置と間で進退する摘み部182Aが、収容されている。また、下コア軸312の内周部には、摘み部182Aを把持位置に向かって付勢すると共に圧縮コイルばねで構成された付勢部284Aが、収容されている。
圧縮コイルばねで構成された付勢部284Aは、その線材端部316が径方向に延在し、上記のラチェット部314に下側から係脱するようになっている。すなわち、付勢部284Aにより摘み部182Aが把持位置に移動(前進)している状態で、線材端部316がラチェット部314に対し係合し、付勢部284Aに抗して摘み部182Aが非把持位置に移動(後退)している状態で、線材端部316がラチェット部314に対し係合解除する。すなわち、テープコア104のラチェット部314と、摘み部182Aを付勢する付勢部284Aとにより、テープコア104(テープロール106)の逆転止め機構が構成されている。
上述のように、上コア軸310の内周部には、無底の凹部260が構成されている。また、凹部260には、摘み部182Aが把持位置と非把持位置との間で進退自在に設けられている。摘み部182Aは、上半部が凹部260に対し出没する摘み部本体320と、上コア軸310の内周面に進退自在にガイドされる被ガイド部322と、摘み部本体320の下側に連なり付勢部284Aに当接する当接軸部324と、で一体に形成されている。
被ガイド部322は、摘み部本体320より太径に形成され、当接軸部324は、摘み部本体320より細径に形成されており、摘み部182Aは、全体として段付きの円柱状に形成されている。摘み部本体320には、上半部の側面に環状凹部326が形成され、この環状凹部326が把持したときの滑り止めとして機能している。被ガイド部322は、上コア軸310の内周面に対し上下方向にスライド自在(進退自在)に摺接している。また、当接軸部324は、テープコア104の転接部272な内周部に遊挿されるようにして、付勢部284Aに当接している。なお、環状凹部326に代えて、ローレット加工のような凹凸部を設けるようにしてもよい。
把持位置に移動した摘み部182Aは、付勢部284Aにより付勢され、その被ガイド部322が、凹部260の開口縁部に下側から当接している。この状態で摘み部182Aは、摘み部本体320の上半部が凹部260から突出し、摘み部本体320の環状凹部326が露出する。また、非把持位置に移動した摘み部182Aは、開閉蓋7の押え部85により押し込まれ、摘み部本体320が凹部260内に没する。
図10(a)は、テープカートリッジ100Aの着脱に際し、摘み部182Aを把持している状態を表している。摘み部182Aは、付勢部284Aにより把持位置に移動(前進)しており、摘み部本体320の環状凹部326が、凹部260から突出している。ユーザーは、摘み部182Aを介してテープカートリッジ100A把持し、この状態でカートリッジ装着部5に対し、テープカートリッジ100Aの装着および離脱(引抜き)を行う。
また、この状態で、付勢部284Aの線材端部316がラチェット部314に係合している。これにより、テープカートリッジ100Aを持ち運びするとき、および着脱するときに、テープロール106の逆転(実際には、正逆回転)が防止される。
図10(b)は、テープカートリッジ100Aをカートリッジ装着部5に装着した状態を表している。この場合の摘み部182Aおよび付勢部284Aは、図10(a)と同一の状態となっている。
図10(c)は、開閉蓋7を閉塞した状態を表している。開閉蓋7を閉塞すると、開閉蓋7の押え部85は、付勢部284Aに抗して摘み部182Aを押圧する。これにより、摘み部182Aは、把持位置から非把持位置に移動(後退)し、凹部260に没入する。この状態では、付勢部284Aの付勢力が、摘み部182Aを介して押え部85(開閉蓋7)に作用する。一方で、開閉蓋7(押え部85)この付勢力の反力を、摘み部182Aおよび付勢部284Aを介して、テープカートリッジ100Aに作用させる。したがって、テープカートリッジ100Aは、閉塞した開閉蓋7により、弾力的に押圧される。
また、摘み部182Aに押されて付勢部284Aが圧縮されることにより、付勢部284Aの線材端部316がラチェット部314に対し係合解除する。これにより、テープロール106の逆転(実際には、正逆回転)が解除され、テープ印刷装置1による印刷テープ102の送りが可能になる。
以上のように、第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、摘み部182Aを、テープカートリッジ100Aを把持する部位として機能させることができると共に、摘み部182Aが、開閉蓋7の閉塞の邪魔なることがない。したがって、テープ印刷装置1をコンパクトに構成することができる。また、摘み部182Aおよび付勢部284Aを、開閉蓋7を閉塞したときに、テープカートリッジ100Aを弾力的に押圧するよう機能させることができる。これにより、テープカートリッジ100Aの浮き上がりを防止することができるだけでなく、テープカートリッジ100Aをカートリッジ装着部5に位置決めすることができる。
しかも、第2実施形態の付勢部284Aは、逆転止め機構のばねを兼ねている。このため、付勢部284Aを設けたことによる部品点数や組付工数の増加を、抑制することができる。
なお、第2実施形態の付勢部284Aは、逆転止め機構のばねを兼ねることなく、摘み部182Aを付勢する単なるコイルばねや板ばねであってもよい。
1 テープ印刷装置、3 装置ケース、5 カートリッジ装着部、7 開閉蓋、21 印刷ヘッド、23 印刷機構部、25 テープ送り機構部、31 装着ベース、43 ヘッドカバー、45 プラテン駆動軸、47 巻取り駆動軸、73 開閉蓋本体、75 覗き窓、85 押え部、100,100A テープカートリッジ、102 印刷テープ、104 テープコア、110 インクリボン、120 プラテンローラー、130 カートリッジケース、150 下ケース、152 上ケース、156 天板部、182,182A 摘み部、260 凹部、270 リール部、272 転接部、282 回動支軸、284 付勢部、310 上コア軸、312 下コア軸、314 ラチェット部、316 線材端部、320 摘み部本体、322 被ガイド部、324 当接軸部、326 環状凹部
Claims (10)
- テープカートリッジが装着されるカートリッジ装着部を開閉する開閉蓋を備えたテープ印刷装置に、着脱可能に装着される為のテープカートリッジであって、
前記開閉蓋側となる表側に設けられ、把持位置と非把持位置との間で移動可能に構成された摘み部と、
前記摘み部を前記把持位置に向かって付勢する付勢部と、を備え、
前記カートリッジ装着部に装着され、前記開閉蓋が閉塞された場合に、前記摘み部は、前記開閉蓋に設けた押え部により押さえられ、
前記開閉蓋が開放されている場合に、前記付勢部は、前記摘み部を前記把持位置に位置させることを特徴とするテープカートリッジ。 - 前記表側に位置するケース壁に設けられ、前記摘み部が出没する凹部を、更に備えたことを特徴とする請求項1に記載のテープカートリッジ。
- 印刷テープ、および前記印刷テープが繰出し可能に巻回されたたテープコアを、更に備え、
前記凹部は、前記ケース壁を介して、前記テープコアの内周部に臨むように配設されていることを特徴とする請求項2に記載のテープカートリッジ。 - 前記凹部に対し前記摘み部は、前記凹部から突出する前記把持位置と、前記凹部内に没入する前記非把持位置との間で、起倒可能に取り付けられていることを特徴とする請求項3に記載のテープカートリッジ。
- 前記凹部に対し前記摘み部は、前記凹部から突出する前記把持位置と、前記凹部内に没入する前記非把持位置との間で、進退可能に取り付けられていることを特徴とする請求項3に記載のテープカートリッジ。
- 前記テープコアは、前記凹部の外周面に回転自在に係合していることを特徴とする請求項5に記載のテープカートリッジ。
- 前記付勢部は、前記摘み部側の部位を径方向に延長させた圧縮コイルばねを有し、
前記テープコアは、前記圧縮コイルばねの伸縮により、前記摘み部側の部位が係合および係合解除するラチェット部を有し、
前記摘み部側の部位は、前記摘み部が前記把持位置に移動した状態で、前記ラチェット部に対し係合し、前記摘み部が前記非把持位置に移動した状態で、前記ラチェット部に対し係合解除することを特徴とする請求項6に記載のテープカートリッジ。 - 前記摘み部は、滑り止め用の凹凸部を有していることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のテープカートリッジ。
- 前記摘み部を前記非把持位置に保持するロック機構を、更に備えたことを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載のテープカートリッジ。
- 請求項1ないし9のいずれかに記載のテープカートリッジが着脱可能に装着される前記カートリッジ装着部と、
前記カートリッジ装着部を開閉すると共に、閉塞状態で、装着した前記テープカートリッジを押える前記押え部を有する前記開閉蓋と、を備えたことを特徴とするテープ印刷装置。
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