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JP2015157884A - 透明両面粘着シート及び画像表示装置 - Google Patents

透明両面粘着シート及び画像表示装置 Download PDF

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JP2015157884A
JP2015157884A JP2014032074A JP2014032074A JP2015157884A JP 2015157884 A JP2015157884 A JP 2015157884A JP 2014032074 A JP2014032074 A JP 2014032074A JP 2014032074 A JP2014032074 A JP 2014032074A JP 2015157884 A JP2015157884 A JP 2015157884A
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Kahoru Niimi
かほる 新美
亮太 山本
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亮太 山本
誠 稲永
Makoto Inanaga
誠 稲永
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Abstract

【課題】被着体同士が貼着可能な、ホットメルト型の透明両面粘着シートの提供。【解決手段】光硬化可能な粘着剤層は、Tgが0℃未満のモノマーAと、Tgが0℃以上80℃未満のモノマーBと、Tgが80℃以上のモノマーCが、A:B:C=15〜40:85〜35:0〜25のモル比の共重体で、MWが5万から40万の(メタ)アクリル酸エステル共重合体若しくはビニル共重合体含有ベースポリマーと、架橋剤、光重合開始剤を含む樹脂組成物で、Aは、炭素数4以上の(メタ)アクリル酸エステルモノマー、Bは、炭素数4以下の(メタ)アクリル酸エステルモノマー、側鎖に環状骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマー、炭素数4以下のビニルモノマー又は側鎖に環状骨格を有するビニルモノマー、Cは、炭素数が1以下の(メタ)アクリル酸エステルモノマー、側鎖に環状骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーである、透明両面粘着シート。【選択図】なし

Description

本発明は、凹凸面への追従性並びに保管安定性に優れた透明両面粘着シートに関する。特にパソコン、モバイル端末(PDA)、ゲーム機、テレビ(TV)、カーナビ、タッチパネル、ペンタブレットなどのような画像表示装置の構成部材として好適に使用することができる透明両面粘着シート、並びに、これを用いた画像表示装置に関する。
近年、画像表示装置の視認性を向上させるために、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)又はエレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)等の画像表示パネルと、その前面側(視認側)に配置する保護パネルやタッチパネル部材との間の空隙を、粘着シートや液状の接着剤等で充填し、入射光や表示画像からの出射光の空気層界面での反射を抑えることが行われている。
このような画像表示装置用構成部材間の空隙に粘着剤を用いて充填する方法として、紫外線硬化性樹脂を含む液状の接着樹脂組成物を該空隙に充填した後、紫外線を照射し硬化せしめる方法が知られている(特許文献1)。
しかし、このような方法では、液を充填する際の作業が煩雑で生産性に劣るばかりか、印刷隠蔽層に隠蔽される部分など、紫外線の到達し難い箇所は接着剤を硬化させることが困難であり、安定した品質を得ることが難しいという課題を抱えていた。
また、画像表示装置用構成部材間の空隙を、粘着シートを用いて充填する方法も知られている。例えば特許文献2には、画像表示パネルに保護パネルやタッチパネル等の透明パネルを貼り合わせるのに好適に用いることができる透明粘着シートとして、異なる粘弾性挙動を有する第1粘着剤層及び第2粘着剤層をそれぞれ1層以上有し、且つ、これらの層を積層し一体化してなる構成を備えた粘着シートであって、周波数1Hzの温度分散で測定した動的剪断貯蔵弾性率G’の値が、特定の範囲内であることを特徴とする透明粘着シートが開示されている。
特許文献3には、中間樹脂層(A)と、表裏面層としての感圧接着剤層(B)とを有する透明両面粘着シートであって、各層はいずれも、1種類以上の(メタ)アクリル酸エステル系(共)重合体をベース樹脂とする層であり、温度範囲0℃〜100℃において、周波数1Hzにおける中間樹脂層(A)の貯蔵剪断弾性率(G'(A))が、感圧接着剤層(B)より高く、且つ、シート全体の押込硬度(アスカーC2硬度)が10〜80であることを特徴とする透明両面粘着シートが開示されている。
また、特許文献4には、重量平均分子量が2万から10万であるウレタン(メタ)アクリレートを主成分とした、25℃における損失正接が1未満であるホットメルトタイプの接着組成物をもちいたシートが開示されている。
国際公開2010/027041号公報 国際公開2010/044229号公報 国際公開2011/129200号公報 国際公開2010/038366号公報
携帯電話や携帯端末などを中心に画像表示装置の分野では、薄肉化、高精密化に加えて、デザインの多様化が進んでおり、それに伴って新たな課題が生じてきている。例えば、表面保護パネルの周縁部には、枠状に黒色の隠蔽部を印刷するのが従来は一般的であったが、デザインの多様化に伴って、この枠状の隠蔽部を黒色以外の色で形成することが行われ始めている。黒色以外の色で隠蔽部を形成する場合、黒色以外の色では隠蔽性が低いため、黒色に比べて隠蔽部、すなわち印刷部の高さが高くなる傾向にある。そのため、そのような印刷部を備えた構成部材を貼り合わせるための粘着シートには、大きな印刷段差に追従して隅々まで充填することができる印刷段差追従性が求められる。
中でも、粘着シートを介して、例えば印刷部が形成された表面保護パネルにフィルムを貼り合わせる場合には、印刷段差に追従して隅々まで充填することができると共に、粘着シートの表面が平滑にならないと、フィルムに歪や変形が生じるため、当該粘着シートには流動性が求められる。
ところが、粘着シートに流動性が求められると言っても、室温で粘着シートが流動してしますと、シートとしての形状を保持できないようになり、粘着シートの保管安定性や取り回し時の作業性が損なわれることになってしまう。
そのため、通常状態では、シートとして形状を保持でき、必要な時に流動化させることができる粘着シートであるのが好ましい。
また、通常状態、すなわち室温において、適度な接着性、例えば、剥離可能な程度の接着性(“タック性”と称する)を備えていれば、粘着シートを介して貼着する際に位置決めがしやすく、作業上とても便利である。
そこで本発明は、通常状態、すなわち、室温状態では、シート状の形状を保持することができ、しかも、剥離可能な程度の接着性(“タック性”と称する)を備えることができ、さらには、ホットメルト可能な温度に加熱すると、流動性を発現させることができ、貼合面の段差部に追従して隅々まで充填することができ、最終的には、粘着シートを架橋させて被着体同士をしっかりと貼着することができる、新たな透明両面粘着シートを提供せんとするものである。
本発明は、光硬化可能な粘着剤層を少なくとも1層以上有する透明両面粘着シートであって、
前記光硬化可能な粘着剤層は、ガラス転移温度(Tg)が0℃未満のモノマーAと、ガラス転移温度(Tg)が0℃以上80℃未満のモノマーBと、ガラス転移温度(Tg)が80℃以上のモノマーCとが、A:B:C=15〜40:85〜35:0〜25のモル比率で共重合してなり、重量平均分子量50000〜400000の(メタ)アクリル酸エステル共重合体もしくはビニル共重合体を含有するベースポリマー(X)と、架橋剤(Y)と、光重合開始剤(Z)とを含む樹脂組成物から形成され、
前記モノマーAは、直鎖又は分岐した炭素数4以上の側鎖を有するアルキル基構造をもつ(メタ)アクリル酸エステルモノマーであり、
前記モノマーBは、炭素数4以下の(メタ)アクリル酸エステルモノマー、側鎖に環状骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマー、炭素数4以下のビニルモノマー又は側鎖に環状骨格を有するビニルモノマーであり、
前記モノマーCは、側鎖の炭素数が1以下である(メタ)アクリル酸エステルモノマー、側鎖に環状骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーである、ことを特徴とする透明両面粘着シートを提案する。
本発明が提案する透明両面粘着シートによれば、Tanδのピークを0〜20℃に調整することができ、通常状態、すなわち、室温状態では、シート状の形状を保持することができるばかりか、剥離可能な程度の接着性(“タック性”と称する)を備えることができる。また、ホットメルト可能な温度に加熱すると、流動性を発現させることができ、貼合面の段差部に追従して隅々まで充填することができる。そして、最終的には、未架橋状態の粘着シートに活性エネルギーを照射して粘着剤層を硬化させることができるから、被着体同士をしっかりと貼着することができる。よって、例えば保護パネル等から発生するアウトガスのガス圧に対して十分に対抗できるだけの接着力と凝集力を持たせることができる。
次に、実施の形態例に基づいて本発明を説明する。但し、本発明が次に説明する実施形態に限定されるものではない。
<本粘着シート>
本実施形態の一例に係る透明両面粘着シート(「本粘着シート」と称する)は、(メタ)アクリル酸エステル共重合体もしくはビニル共重合体を含有するベースポリマー(X)と、架橋剤(Y)と、光重合開始剤(Z)と、必要に応じて他の成分(W)とを含む粘着剤樹脂組成物(「本粘着剤樹脂組成物」と称する)から形成された粘着剤層を、少なくとも1層以上有する透明両面粘着シートである。
なお、ベースポリマーとは、本粘着剤樹脂組成物の主成分を為す樹脂の意味である。具体的な含有量を規定するものではないが、目安としては、本粘着剤樹脂組成物に含まれる樹脂の50質量%以上、中でも80質量%以上、その中でも90質量%以上(100質量%を含む)質量%以上を占める樹脂である(なお、ベースポリマーが2種類以上の場合は、それらの合計量が前記含有量に該当する。)。
<ベースポリマー(X)>
ベースポリマー(X)は、(メタ)アクリル酸エステル共重合体もしくはビニル共重合体であるのが好ましい。
上記(メタ)アクリル酸エステル共重合体もしくはビニル共重合体は、室温状態での形状保持性とホットメルト性とを両立させる観点から、重量平均分子量は50000〜400000であるのが好ましく、中でも60000以上或いは350000以下、その中でも70000以上或いは300000以下であるのがさらに好ましい。
アクリル酸エステル系共重合体は、これを調整するために用いるアクリルモノマーやメタクリルモノマーの種類、組成比率、さらには重合条件等を適宜選択することによって、ガラス転移温度(Tg)や分子量等の物性を適宜調整することが可能である。
この際、アクリル酸エステル共重合体を構成するアクリルモノマーとしては、例えば、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリート、イソオクチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、エチルアクリレート等を主原料として挙げることができる。
これらの他に、凝集力付与や極性付与等の目的に応じて、さまざまな官能基を有する(メタ)アクリルモノマーを上記アクリルモノマーと共重合させてもよい。
当該官能基を有する(メタ)アクリルモノマーとしては、例えばメチルメタクリレート、メチルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、アクリル酸、グリシジルアクリレート、N−置換アクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、含フッ素アルキルアクリレート、オルガノシロキシ基含有アクリレートなどを挙げることができる。
他方、ビニル共重合体としては、上記アクリルモノマーやメタクリルモノマーと共重合可能な酢酸ビニルや、アルキルビニルエーテル、ヒドロキシアルキルビニルエーテル等の各種ビニルモノマーも適宜重合してなるビニル共重合体を挙げることができる。
本粘着シートのベースポリマー(X)としては、ガラス転移温度(Tg)が0℃未満のモノマーAと、ガラス転移温度(Tg)が0℃以上80℃未満のモノマーBと、ガラス転移温度(Tg)が80℃以上のモノマーCとが、A:B:C=10〜40:90〜35:0〜25のモル比率で共重合してなる(メタ)アクリル酸エステル共重合体もしくはビニル共重合体であるのが好ましい。
この際、モノマーA、B及びCの各ガラス転移温度(Tg)は、当該モノマーからポリマーを作製した際(ホモポリマー化)の各ガラス転移温度(Tg)の意味である。
前記モノマーAは、例えば炭素数4以上の側鎖を有するアルキル基構造をもつ(メタ)アクリル酸エステルモノマーであるのが好ましい。
この際、炭素数4以上の側鎖は、直鎖からなるものであっても、分岐した炭素鎖からなるものであってもよい。
より具体的には、前記モノマーAは、炭素数4〜10の直鎖アルキル基構造をもつ(メタ)アクリル酸エステルモノマーであるか、或いは、炭素数6〜18の分岐アルキル基構造をもつ(メタ)アクリル酸エステルモノマーであるのが好ましい。
ここで、「炭素数4〜10の直鎖アルキル基構造をもつ(メタ)アクリル酸エステルモノマー」としては、n−ブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、n−デシルアクリレートなどを挙げることができる。
他方、「炭素数6〜18の分岐アルキル基構造をもつ(メタ)アクリル酸エステルモノマー」としては、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、2−メチルヘキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソノニルアクリレート、イソデシルアクリレート、イソデシルメタクリレートなどを挙げることができる。
前記モノマーBは、炭素数4以下の(メタ)アクリル酸エステルモノマー、側鎖に環状骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマー、炭素数4以下のビニルモノマー、又は、側鎖に環状骨格を有するビニルモノマーであるのが好ましい。
中でも、上記モノマーBは、側鎖の炭素数が4以下のビニルモノマーであるのが特に好ましい。
ここで、「炭素数4以下の(メタ)アクリル酸エステルモノマー」としては、メチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリート、t−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレートなどを挙げることができる。
「側鎖に環状骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマー」としては、イソボルニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノールアクリレート、環状トリメチロールプロパンフォルマルアクリレート、4−エトキシ化クミルフェノールアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレ−ト、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレ−ト、ジシクロペンテニルアクリレ−トなどを挙げることができる。
「炭素数4以下のビニルモノマー」としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテルなどを挙げることができる。
「側鎖に環状骨格を有するビニルモノマー」としては、スチレン、シクロヘキシルビニルエーテル、ノルボルニルビニルエーテル、ノルボルネニルビニルエーテルなどを挙げることができる。中でも、側鎖の炭素数が4以下であるビニルモノマー、または側鎖の炭素数が4以下であるアクリル酸エステルモノマーが特に好適である。
前記モノマーCは、側鎖の炭素数が1以下である(メタ)アクリル酸エステルモノマー、又は、側鎖に環状骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーであるのが好ましい。
ここで、「側鎖の炭素数が1以下である(メタ)アクリル酸エステルモノマー」としては、メチルメタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸などを挙げることができる。
「側鎖に環状骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマー」としては、イソボルニルメタクリレート、3,3,5−トリメチルシクロヘキシルメタクリレート、ジシクロペンタニルアクリレ−ト、ジシクロペンタニルメタクリレート、ジシクロペンテニルメタクリレ−トなどを挙げることができる。
ベースポリマー(X)が、モノマーAと、モノマーBと、モノマーCとが、A:B:C=10〜40:90〜35:0〜25のモル比率で共重合してなる(メタ)アクリル酸エステル共重合体もしくはビニル共重合体を含んでいれば、Tanδのピークを0〜20℃に調整することができ、通常状態、すなわち、室温状態において、シート状の形状を保持することができ、しかも、剥離可能な程度の接着性(“タック性”と称する)を発現させることができる。また、ホットメルト可能な温度に加熱すると、流動性を発現するようになり、貼合面の段差部に追従して隅々まで充填することができる。
よって、かかる観点から、ベースポリマー(X)を構成する(メタ)アクリル酸エステル共重合体もしくはビニル共重合体におけるモノマーAと、モノマーBと、モノマーCとのモル比率は、A:B:C=10〜40:90〜35:0〜25であるのが好ましく、中でも13〜40:87〜35:0〜23、その中でも15〜40:85〜38:2〜20であるのが好ましい。
また、上記と同様の観点から、ベースポリマー(X)を構成する(メタ)アクリル酸エステル共重合体もしくはビニル共重合体におけるモノマーAと、モノマーBと、モノマーCとのモル比率は、B>A>Cであるのが好ましい。
<架橋剤(Y)>
本粘着シート中で架橋剤(Y)が架橋することで、本粘着シートは、高温環境下における高い凝集力を発現し、優れた耐発泡信頼性を得ることができる。
このような架橋剤(Y)としては、例えばエポキシ架橋剤やイソシアネート架橋剤、オキセタン化合物、シラン化合物、アクリル化合物等からなる架橋剤を適宜選択可能である。中でも、反応性や得られる硬化物の強度の点で、(メタ)アクリロイル基を2個以上、中でも3個以上有する多官能(メタ)アクリレートが好ましい。
このような多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリエトキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリプロポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFポリエトキシジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリオキシエチル(メタ)アクリレート、ε-カプロラクトン変性トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ヒドロキシビバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシビバリン酸ネオペングリコールのε−カプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリエトキシトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等の紫外線硬化型の多官能モノマー類のほか、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート等の多官能アクリルオリゴマー類を挙げることができる。
上記に挙げた中でも、被着体への密着性や耐熱性、湿熱白化抑制の効果を向上させる観点から、極性官能基を含有する多官能モノマーもしくはオリゴマーが、好ましい。その中でも、イソシアヌル環骨格を有する多官能(メタ)アクリル酸エステルを用いるのが好ましい。
架橋剤(Y)の含有量は、特に制限されるものではない。目安としては、ベースポリマー(X)100質量部に対して0.5〜20質量部、中でも1質量部以上或いは15質量部以下、その中でも2質量部以上或いは10質量部以下の割合であるのが好ましい。
架橋剤(Y)を上記範囲で含有することで、未架橋状態における本粘着シートの形状安定性と、架橋後の粘着シートにおける耐発泡信頼性とを両立させることができる。但し、他の要素とのバランスでこの範囲を超えてもよい。
<光重合開始剤(Z)>
光重合開始剤(Z)は、前述の架橋剤(Y)の架橋反応における反応開始助剤としての機能を果たす。活性エネルギー線を引き金としてラジカルを発生する有機過酸化物や、光重合開始剤等を適宜使用することができる。中でも、光重合開始剤、とくに波長380nm以下の紫外線に感応する光重合開始剤が、架橋反応の制御のしやすさの観点から好ましい。
光重合開始剤は、ラジカル発生機構によって大きく2つに分類され、光重合性開始剤自身の単結合を開裂分解してラジカルを発生させることができる開裂型光重合開始剤と、光励起した開始剤と系中の水素供与体とが励起錯体を形成し、水素供与体の水素を転移させることができる水素引抜型光重合開始剤と、に大別される。
これらのうちの開裂型光重合開始剤は、光照射によってラジカルを発生する際に分解して別の化合物となり、一度励起されると反応開始剤としての機能をもたなくなる。このため、架橋反応が終了した後の粘着シート中に活性種として残存することがなく、粘着シートに予期せぬ光劣化等をもたらす可能性がないため、好ましい。
他方、水素引抜型光重合開始剤は、紫外線などの活性エネルギー線照射によるラジカル発生反応時に、開裂型光重合開始剤のような分解物を生じないので、反応終了後に揮発成分となりにくく、被着体へのダメージを低減させることができる点で有用である。
前記開裂型光重合開始剤としては、例えばベンゾインブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシアセトフェノン、ジフェニル−2,4,6−トリメチルベンゾイルホスフィンオキサイドやそれらの誘導体などを挙げることができる。
前記水素引抜型光重合開始剤としては、例えばベンゾフェノン、ミヒラーケトン、2−エチルアントラキノン、チオキサンソンやその誘導体などを挙げることができる。
但し、光重合開始剤として前記に挙げた物質に限定するものではない。本粘着剤樹脂組成物は、開裂型光重合開始剤及び水素引抜型光重合開始剤のいずれか一種を使用してもよいし、両者を組み合わせて使用してもよい。
光重合開始剤(Z)の含有量は特に制限されるものではない。目安としては、ベースポリマー(X)100質量部に対して0.1〜10質量部、中でも0.5質量部以上或いは5質量部以下、その中でも1質量部以上或いは3質量部以下の割合で含有するのが好ましい。
光重合開始剤(Z)の含有量を上記範囲とすることで、活性エネルギー線に対する適度な反応感度を得ることができる。
<他の成分(W)>
本粘着剤樹脂組成物は、上記以外の成分として、通常の粘着剤樹脂組成物に配合されている公知の成分を含有してもよい。例えば、必要に応じて、粘着付与樹脂や、酸化防止剤、光安定化剤、金属不活性化剤、老化防止剤、吸湿剤などの各種の添加剤を適宜含有させることが可能である。
また、必要に応じて反応触媒(三級アミン系化合物、四級アンモニウム系化合物、ラウリル酸スズ化合物など)を適宜含有してもよい。
<積層構成>
本粘着シートは、本粘着剤樹脂組成物から形成された粘着剤層からなる単層の粘着シートであってもよいし、当該粘着剤層の他に、中間樹脂層を備えた2層以上の多層構成の粘着シートであってもよい。
この際、本粘着剤樹脂組成物を、離型フィルムの上に単層又は多層のシート状に形成して、粘着剤層を備えた単層又は多層の本粘着シートを作製するようにしてもよい。
また、本粘着剤樹脂組成物を、画像表示装置構成部材の上に単層又は多層のシート状に成形して、当該画像表示装置構成部材上に、粘着剤層を備えた単層又は多層の本粘着シートを作製するようにしてもよい。
本粘着シートを多層の透明両面粘着シートとする場合には、最外層は、上記単層の場合と同様に、凹凸追随性と耐発泡信頼性とを兼ね備えているのが好ましいから、上記の本粘着剤樹脂組成物を用いて形成するのが好ましい。
他方、中間層は、画像表示装置構成部材との粘着には寄与しないため、透明性を損なわず、かつ最外層の2次硬化反応を阻害しない程度の光透過性を有し、かつ、カット性及びハンドリング性を高める性質を有しているのが好ましい。
中間層を形成するベースポリマーの種類は、透明樹脂であれば、特に限定するものではない。中間層を形成するベースポリマーは、最外層のベースポリマーと同一の樹脂であっても異なる樹脂であってもよい。中でも、透明性の確保や作製し易さ、さらには積層境界面での光の屈折を防ぐ観点から、最外層のベースポリマーと同一のアクリル系樹脂を用いるのが好ましい。
中間層及び他の樹脂層は、活性エネルギー線硬化性を有していてもいなくてもよい。例えば紫外線架橋によって硬化するように形成してもよいし、熱によって硬化するように形成してもよい。また、特に後硬化しないように形成してもよい。但し、最外層との密着性等を考慮すると、後硬化するように形成するのが好ましく、特に紫外線架橋するように形成するのが好ましい。
その際、架橋開始剤の含有量が多くなると光透過率が低下するため、中間層における架橋開始剤の外層における含有率よりも低い含有率で紫外線架橋剤を含むのが好ましい。
本粘着シートを多層の透明両面粘着シートとする場合、積層構成としては、具体的には、本粘着剤樹脂組成物と、他の粘着剤樹脂組成物とを積層した2種2層構成や、中間樹脂層を介して表裏に本粘着剤樹脂組成物を配した2種3層構成や、本粘着剤樹脂組成物と、中間樹脂組成物と、他の粘着剤樹脂組成物とをこの順に積層してなる3種3層構成などを挙げることができる。
また、本粘着剤樹脂組成物と他の粘着剤樹脂組成物とを、それぞれ異なる離型フィルム乃至画像表示装置構成部材上にシート状に成形し、両粘着面を積層して本粘着シートを得るようにしてもよいし、また、本粘着剤樹脂組成物と、中間樹脂組成物と、粘着剤樹脂組成物とを、この順に共押出して2種3層の本粘着シートを得るようにしてもよいし、また、中間樹脂層の表裏面に本粘着剤樹脂組成物又は他の粘着剤樹脂組成物を積層して本粘着シートを得るようにしてもよい。
但し、これらの製法に限定するものではない。
<厚み>
上記粘着剤層の各層の厚みは、20μm〜250μmであるのが好ましい。
上記粘着剤層の各層の厚みが20μm以上であれば、高印刷段差等の凹凸への追従することが可能である一方、250μm以下であれば、薄肉化の要求にこたえることができる。
さらに、従来の画像表示装置における周縁の隠蔽層の印刷高さがより高く、具体的には80μm程度の段差までをも埋める観点から、粘着剤層の各層の厚みは100μm以上がより好ましく、特に120μm以上であるのがさらに好ましい。他方、薄肉化の要求にこたえる観点からは、230μm以下であるのが好ましく、特に200μm以下であるのがさらに好ましい。
<硬化前の形状保持性>
前記光硬化可能な粘着剤層は、硬化前の状態で、以下の(1)を満たすように調製することができる。よって、本粘着シートは、室温状態ではシート状の形状を保持することができる。
(1)当該粘着剤層を形成する粘着剤樹脂組成物から、厚さ150μmの粘着シートを成形し、さらに30mm×30mmに裁断し、この粘着シートに離型フィルムを積層して試験片を作製し、この試験片に500gfの荷重をかけた状態で40℃にて60時間養生したときの、試験片端部からはみだした粘着剤層長さの最大値L1が2mm以下。
<硬化前の剥離力>
また、前記光硬化可能な粘着剤層は、硬化前の状態で以下の(2)を満たすように調製することができる。よって、本粘着シートは、通常状態、すなわち、室温状態において、剥離可能な程度の接着性(“タック性”と称する)を発現することができる。
(2)当該粘着剤層を形成する粘着剤樹脂組成物から、厚さ150μmの粘着シートを成形し、ソーダライムガラスに2kgのロールを1往復して前記粘着シートを貼り合わせた直後に、温度23℃にて剥離角180℃、剥離速度60mm/分で引き剥がしたときの180°剥離力が10N/cm以上。
<硬化後の剥離力>
前記光硬化可能な粘着剤層は、硬化後の状態で以下の(3)(4)を満たすように調製することができる。よって、本粘着シートは、未架橋状態の本粘着シートに活性エネルギーを照射して本粘着シートを硬化させることで、被着体同士をしっかりと貼着することができる。
(3)当該粘着剤層を形成する粘着剤樹脂組成物から、厚さ150μmの粘着シートを成形し、ソーダライムガラスに2kgのロールを1往復して前記粘着シートを貼り合わせて紫外線を照射して、23℃、50%RHで15時間養生した後、温度23℃、剥離速度60mm/分でソーダライムガラスから前記粘着シートを引き剥がした際の180°剥離力が10N/cm以上。
(4)当該粘着剤層を形成する粘着剤樹脂組成物から、厚さ150μmの粘着シートを成形し、ソーダライムガラスに2kgのロールを1往復して前記粘着シートを貼り合わせて紫外線を照射して、23℃、50%RHで15時間養生した後、温度85℃、剥離速度60mm/分でソーダライムガラスから前記粘着シートを引き剥がした際の180°剥離力が5N/cm以上。
<用途>
本粘着シートは、透明で、接着性を備えているばかりか、加熱によって粘着シート内に歪みを残すことなく、貼合面の段差部に追従して隅々まで充填することができ、さらには、取り回し時の作業性を損なうことなく、高温や高湿環境下での耐発泡性を維持することができる。
よって、本粘着シートは、例えばパソコン、モバイル端末(PDA)、ゲーム機、テレビ(TV)、カーナビ、タッチパネル、ペンタブレットなど、LCD、PDP又はELなどの画像表示パネルを用いた平面型画像表示装置において、画像表示パネルに対して保護パネルやタッチパネル等の透明パネル乃至フィルム部材を貼り合わせるのに好適に用いることができる。
例えば、携帯電話の表示画面などでは、タッチパネルフィルム等の機能性フィルム上に粘着シートを介して表面保護パネルを積層する構成が採用されている。この際、該保護パネルの裏面には、周縁部に隠蔽用印刷部(厚さ5μm〜80μm程度)が付設され、隠蔽用印刷部の縁に形成される段差部の入隅部内にまで粘着剤が十分に入り込まないと、気泡が残留して画面の視認性が低下することになる。また、段差近傍でフィルム部材が屈曲して外観不良となったり、フィルムの屈曲による残留歪が起点となって、積層した部材間に発泡や剥離が起こったりするおそれがあった。
本粘着シートは、このような5μm〜20μm程度の段差はもちろん、50μm〜80μm程度の段差があっても、段差の隅々まで充填して気泡を残留させることなく貼着することができる。しかも、たとえ被着体の一方が屈曲性をもつフィルム部材であったとしても、当該粘着シートをホットメルトさせることで、表面を歪みなく平滑に均すことが可能であるため、フィルム部材に歪や変形を生じさせずに、部材を貼合一体化することができる。さらには、貼合後に粘着シートを架橋することで、例えば85℃程度の高温環境下においても、粘着シートは流動せずに高凝集力を維持できることから、耐発泡信頼性に極めて優れている。
そのため、本粘着シートは、貼合面に高印刷段差などの段差部や凹凸部を備えた画像表示装置構成部材がある場合、特に、凹凸部を備えた部材と屈曲性のフィルム部材とを貼合するのに好適に用いることができる。
より具体的には、本粘着シートを介して2つの画像表示装置構成部材を仮接着して積層した後、仮接着した積層物を加熱して透明両面粘着シートの粘着剤層を加熱溶融させ、次に、少なくとも一方の画像表示装置構成部材の外側から、活性エネルギー線を透明両面粘着シートの前記粘着剤層に照射し、当該粘着剤層を架橋させて、2つの画像表示装置構成部材を接着させるのが好ましい。
この際、画像表示装置構成用積層体としては、タッチパネル、画像表示パネル、表面保護パネル及び位相差フィルム、偏光フィルムから成る群のうちの何れか、或いは2種類以上の組み合わせからなる積層体を挙げることができる。
当該粘着剤層を架橋させる際には、本粘着シートを介して画像表示装置構成部材側から光照射し、この部材を介して本粘着シートを光架橋するのが好ましい。
<用語の説明>
一般的に「シート」とは、JISにおける定義上、薄く、その厚さが長さと幅のわりには小さく平らな製品をいい、一般的に「フィルム」とは、長さ及び幅に比べて厚さが極めて小さく、最大厚さが任意に限定されている薄い平らな製品で、通常、ロールの形で供給されるものをいう(日本工業規格JIS K6900)。しかし、シートとフィルムの境界は定かでなく、本発明において文言上両者を区別する必要がないので、本発明においては、「フィルム」と称する場合でも「シート」を含むものとし、「シート」と称する場合でも「フィルム」を含むものとする。
また、画像表示パネル、保護パネル等のように「パネル」と表現する場合、板体、シートおよびフィルムを包含するものである。
本明細書において、「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」或いは「好ましくはYより小さい」の意も包含するものである。
また、「X以上」(Xは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「好ましくはXより大きい」の意を包含し、「Y以下」(Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「好ましくはYより小さい」の意も包含するものである。
以下、実施例及び比較例によりさらに詳しく説明する。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
A成分としての2−エチルヘキシルアクリレート(ホモポリマーとした時のガラス転移温度:−70℃)55質量部と、B成分としての酢酸ビニル(ホモポリマーとした時のガラス転移温度:32℃)40質量部と、C成分としてのアクリル酸(ホモポリマーとした時のガラス転移温度:106℃)5質量部とがランダム共重合してなるビニル共重合体(重量平均分子量:17万、A:B:Cのモル比率=36:56:8)を用意した。
このように用意したビニル共重合体1kgに対して、架橋剤としての(2,4,6−トリオキソ−1,3,5−トリアジナン−1,3,5−トリイル)トリエチレントリアクリラート(東亜合成製アロニックスM315)75gと、光重合開始剤としてのエザキュアKTO46(Lanberti社製)15gとを均一混合し、粘着剤樹脂組成物1を作製した。
この粘着剤樹脂組成物1を、剥離処理したポリエチエレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂製ダイアホイルMRA100厚さ100μm)に、厚みが150μmとなるようシート状に賦形し、さらにこれに、剥離処理したポリエチレンテレテフタレートフィルム(三菱樹脂製ダイアホイルMRF75厚さ75μm)を被覆して、粘着シート1(厚み150μm)を作製した。
[実施例2]
A成分としての2−エチルヘキシルアクリレート(ホモポリマーとした時のガラス転移温度:−70℃)30質量部と、B成分としてのメチルアクリレート(ホモポリマーとした時のガラス転移温度:8℃)65質量部と、C成分としてのアクリル酸(ホモポリマーとした時のガラス転移温度:106℃)5質量部とがランダム共重合してなるアクリルエステル共重合体(重量平均分子量20万、A:B:Cのモル比率=16:77:7)を用意した。
このように用意したアクリル酸エステル共重合体1kgに対して、架橋剤として1,10−デカンジオールジメタクリレート(新中村化学社製DOD−N)100g、光重合開始剤として2,4,6−トリメチルベンゾフェノンと4−メチルベンゾフェノンの混合物(Lanberti社製、エザキュアTZT)20gを均一混合して得た粘着剤樹脂組成物2を用いた以外は、実施例1と同様にして粘着シート2を作製した。
[実施例3]
A成分としての2−エチルヘキシルアクリレート(ホモポリマーとした時のガラス転移温度:−70℃)40質量部と、B成分としての酢酸ビニル(ホモポリマーとした時のガラス転移温度:32℃)50質量部と、C成分としてのメタクリル酸メチル(ホモポリマーとした時のガラス転移温度:105℃)10質量部とがランダム共重合してなるビニル共重合体(重量平均分子量18万、A:B:Cのモル比率=24:65:11)を用意した。
このように用意したビニル共重合体1kgに対して、架橋剤として(2,4,6−トリオキソ−1,3,5−トリアジナン−1,3,5−トリイル)トリエチレントリアクリラート(東亜合成製アロニックスM315)50g、光重合開始剤として2,4,6−トリメチルベンゾフェノンと4−メチルベンゾフェノンの混合物(Lanberti社製、エザキュアTZT)20gを均一混合して得た粘着剤樹脂組成物3を用いた以外は、実施例1と同様にして粘着シート3を作製した。
[比較例1]
A成分としての2−エチルヘキシルアクリレート(ホモポリマーとした時のガラス転移温度:−70℃)77質量部と、B成分としての酢酸ビニル(ホモポリマーとした時のガラス転移温度:32℃)19質量部と、C成分としてのアクリル酸(ホモポリマーとした時のガラス転移温度:106℃)4質量部とがランダム共重合してなるビニル共重合体(重量平均分子量40万、A:B:Cのモル比率=60:32:8)を用意した。
このように用意したビニル共重合体1kgに対して、架橋モノマーとして(2,4,6−トリオキソ−1,3,5−トリアジナン−1,3,5−トリイル)トリエチレントリアクリラート(東亜合成製アロニックスM315)50g、光重合開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製Irgacure184)20gを均一混合して得た粘着剤樹脂組成物4を用いた以外は、実施例1と同様にして粘着シート4を得た。
[比較例2]
A成分としてのブチルアクリレート(ホモポリマーとした時のガラス転移温度:−70℃)70質量部と、A成分としてのエチルアクリレート(ホモポリマーとした時のガラス転移温度:−22℃)25質量部と、C成分としてのアクリル酸(ホモポリマーとした時のガラス転移温度:106℃)5質量部とがランダム共重合してなるアクリル酸エステル共重合体(重量平均分子量100万、A:A:Cのモル比率=55:36:8)を用意した。
このように用意したアクリル酸エステル共重合体1kgに対して、架橋モノマーとして、プロポキシ化ペンタエリスリトールトリアクリレート50g、光重合開始剤として4−メチルベンゾフェノンと2,4,6−トリメチルベンゾフェノンとの混合物(Lanberti社製EsacureTZT)15gを均一混合して得た粘着剤樹脂組成物5を用いた以外は、実施例1と同様にして粘着シート5を作製した。
[比較例3]
カーボネート骨格を有するポリウレタンアクリレート(根上工業社製、UN5500、重量平均分子量6.7万)1kgに対して、フェノキシ樹脂(InChem社製PKHH重量平均分子量5.2万)650g、光重合開始剤として1−シクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製、Irgacure184)43gを均一混合してなる接着組成物6を用いた以外は、実施例1と同様にして粘着シート6を作製した。
<評価>
(加工適性)
実施例及び比較例で作製した粘着シート1〜6を、離型フィルムを積層したままトムソン打抜機を用いて50mm×80mmのトムソン刃で100枚カットし、端部の形状を観察した。
端部の潰れや離型フィルムの浮きが10枚以上みられたものを「×」と評価し、10枚以上無かったものを「○」と判定した。
(保管安定性)
粘着シート1〜6の裁断品(厚さ150μm)を30mm×30mmに裁断し、100mm×100mm×3mmのガラス板間に挟むように積層し、天面のガラス板に500gfの錘を乗せて40℃で60時間静置した。
養生後に粘着シート端部がつぶれ、試験片端部からはみだした粘着剤の長さの最大値L1が2mmを超えるものを「×」、試験片端部から粘着剤がはみださないか或いははみだした粘着剤の長さの最大値が2mm以下であるものを「○」と判定した。
(硬化前接着力)
実施例及び比較例で作製した粘着シート1〜6の一方の離型フィルムを剥がし、裏打ちフィルムとして50μmのPETフィルム(三菱樹脂製ダイアホイルT100、50μm)を貼合した。
上記積層品を長さ150mm、巾10mmに裁断した後、残る離型フィルムを剥がして露出した粘着面を、ソーダライムガラスに2kgのロールを1往復させて前記粘着シートをロール圧着した。
この接着力測定サンプルを、試料作製直後に、23℃にて剥離角180°、剥離速度60mm/分で引き剥がしたときのガラスへの剥離力(N/cm)を測定し、硬化前の接着力を求めた。
(硬化後接着力)
実施例及び比較例で作製した粘着シート1〜6の一方の離型フィルムを剥がし、裏打ちフィルムとして50μmのPETフィルム(三菱樹脂製ダイアホイルT100、50μm)を貼合した。
上記積層品を長さ150mm、巾10mmに裁断した後、残る離型フィルムを剥がして露出した粘着面を、2kgのロールを1往復してソーダライムガラスにロール圧着した。貼合品にオートクレーブ処理(80℃,ゲージ圧0.2MPa,20分)を施して仕上げ貼着した後、紫外線を365nmの積算光量が2000mJ/cm2となるよう照射して粘着シートを硬化し、23℃、50%RHで15時間養生して、剥離力測定試料とした。
上記剥離力測定サンプルを、23℃又は85℃の環境下にて、剥離角180°、剥離速度60mm/分で引き剥がしたときのガラスへの剥離力(N/cm)を測定した。
(全光線透過率、ヘイズ)
加工性評価にて裁断した粘着シート1〜6の一方の離型フィルムを剥がして露出した粘着面を、ソーダライムガラス(82mm×53mm×0.5mm厚)にロール圧着した。次いで残る離型フィルムを剥がし、ゼオノアフィルム(日本ゼオン製100μm厚)をロール貼合した後、オートクレーブ処理(80℃、ゲージ圧0.2MPa、20分)を施して仕上げ貼着し、積層体を作製した。積送品にオートクレーブ処理(80℃,ゲージ圧0.2MPa,20分)を施して仕上げ貼着した後、紫外線を365nmの積算光量が2000mJ/cm2となるよう照射して粘着シートを硬化し、光学特性測定サンプルを作製した。
前記積層体の初期並びに65℃90%RHの湿熱環境下にて100時間保管した後について、ヘイズメーター(日本電色工業株式会社製NDH5000)を用いて、JIS K7361−1に準じた全光線透過率及び、JIS K7136に準じて測定したヘイズ値を求めた。
(貼合性)
加工性評価にて裁断した粘着シート1〜6の一方の剥離フィルムを剥がして露出した粘着面を、周縁部5mmに厚さ80μmの印刷を施したソーダライムガラス(82mm×53mm×0.5mm厚)の印刷面に、粘着シートの4辺が印刷段差にかかるようにしてプレス圧着した(絶対圧5kPa、温度85℃、プレス圧0.02MPa)次いで残る剥離フィルムを剥がし、ゼオノアフィルム(日本ゼオン製100μm厚)をプレス貼合した後、オートクレーブ処理(80℃、ゲージ圧0.2MPa、20分)を施して仕上げ貼着し、積層体を作製した。
作製した積層体を目視観察し、印刷段差近傍で粘着シートが浮いたり、歪んで凹凸ムラが見えたりしたものを「×」、気泡なく平滑に貼合されたものを「○」と判定した。
Figure 2015157884
実施例1〜3で作製した粘着シートは、特定の組成比からなるアクリル酸エステル共重合体を用いているため、室温における加工やハンドリング性に優れ、未架橋にもかかわらず保管時の形状安定性に優れたシートであるばかりか、ホットメルトさせたときの、凹凸面への追従性に優れたものであった。
これに対し、比較例1は、中程度のTgをもつ成分(B)の組成比が少ない反面、低Tg成分(A)の比率の高いアクリル酸エステル共重合体を主成分としていることから、室温域での流動性が高く、裁断時のカット端面がベタつき加工性に劣るばかりか、経時で粘着シートが流れだし保管安定性にも劣るものであった。
比較例2は、ポリマーの分子量が高く、流動性に乏しい粘着シートであるため、凹凸箇所へ貼合すると段差近傍で気泡がかみ込み、貼合後の外観に劣るものであった。
比較例3は、可とう性のオリゴマー樹脂が主原料のシートで粘着性をもたず、裁断時に離型フィルムの浮きがみられ、加工性に劣るものであった。

Claims (13)

  1. 光硬化可能な粘着剤層を少なくとも1層以上有する透明両面粘着シートであって、
    前記光硬化可能な粘着剤層は、ガラス転移温度(Tg)が0℃未満のモノマーAと、ガラス転移温度(Tg)が0℃以上80℃未満のモノマーBと、ガラス転移温度(Tg)が80℃以上のモノマーCとが、A:B:C=10〜40:90〜35:0〜25のモル比率で共重合してなり、重量平均分子量50000〜400000の(メタ)アクリル酸エステル共重合体もしくはビニル共重合体を含有するベースポリマー(X)と、架橋剤(Y)と、光重合開始剤(Z)とを含む樹脂組成物から形成され、
    前記モノマーAは、炭素数4以上の側鎖を有するアルキル基構造をもつ(メタ)アクリル酸エステルモノマーであり、
    前記モノマーBは、炭素数4以下の(メタ)アクリル酸エステルモノマー、側鎖に環状骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマー、炭素数4以下のビニルモノマー、又は、側鎖に環状骨格を有するビニルモノマーであり、
    前記モノマーCは、側鎖の炭素数が1以下である(メタ)アクリル酸エステルモノマー、又は、側鎖に環状骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーである、ことを特徴とする透明両面粘着シート。
  2. 上記ベースポリマー(X)において、モノマーAと、モノマーBと、モノマーCの共重合モル比率は、B>A>Cであることを特徴とする請求項1記載の透明両面粘着シート。
  3. 上記モノマーBは、側鎖の炭素数が4以下であるビニルモノマー、または側鎖の炭素数が4以下であるアクリル酸エステルモノマーであることを特徴とする請求項1又は2に記載の透明両面粘着シート。
  4. 上記モノマーAは、炭素数4〜10の直鎖アルキル基構造をもつ(メタ)アクリル酸エステルモノマーであるか、或いは、炭素数6〜18の分岐アルキル基構造をもつ(メタ)アクリル酸エステルモノマーであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の透明両面粘着シート。
  5. 上記架橋剤(Y)は、2官能以上の(メタ)アクリル酸エステル化合物であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の透明両面粘着シート。
  6. 上記粘着剤層の各層の厚みは、20μm〜250μmであることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の透明両面粘着シート。
  7. 前記光硬化可能な粘着剤層は、硬化前の状態で、以下の(1)を満たすことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の透明両面粘着シート。
    (1)当該粘着剤層を形成する粘着剤樹脂組成物から、厚さ150μmの粘着シートを成形し、さらに30mm×30mmに裁断し、この粘着シートに離型フィルムを積層して試験片を作製し、この試験片に500gfの荷重をかけた状態で40℃にて60時間養生したときの、試験片端部からはみだした粘着剤層長さの最大値L1が2mm以下。
  8. 前記光硬化可能な粘着剤層は、硬化前の状態で以下の(2)を満たすことを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の透明両面粘着シート。
    (2)当該粘着剤層を形成する粘着剤樹脂組成物から、厚さ150μmの粘着シートを成形し、ソーダライムガラスに2kgのロールを1往復して前記粘着シートをロール圧着した直後に、23℃にて剥離角180°、剥離速度60mm/分で引き剥がしたときのガラスへの180°剥離力が10N/cm以上。
  9. 前記光硬化可能な粘着剤層は、硬化後の状態で以下の(3)及び(4)を満たすことを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の透明両面粘着シート。
    (3)当該粘着剤層を形成する粘着剤樹脂組成物から、厚さ150μmの粘着シートを成形し、ソーダライムガラスに2kgのロールを1往復して前記粘着シートを貼り合わせて紫外線を照射して、23℃、50%RHで15時間養生した後、温度23℃、剥離速度60mm/分でソーダライムガラスから前記粘着シートを引き剥がした際の180°剥離力が10N/cm以上。
    (4)当該粘着剤層を形成する粘着剤樹脂組成物から、厚さ150μmの粘着シートを成形し、ソーダライムガラスに2kgのロールを1往復して前記粘着シートを貼り合わせて紫外線を照射して、23℃、50%RHで15時間養生した後、温度85℃、剥離速度60mm/分でソーダライムガラスから前記粘着シートを引き剥がした際の180°剥離力が5N/cm以上。
  10. 請求項1〜9の何れかに記載の透明両面粘着シートと、離型フィルムとを積層してなる構成を備えた透明両面粘着シート積層体。
  11. 請求項1〜9の何れかに記載の透明両面粘着シートを介して画像表示装置構成部材側から光照射し、この部材を介して透明両面粘着シートを光架橋してなる構成を備えた画像表示装置構成用積層体。
  12. 前記画像表示装置構成部材が、タッチパネル、画像表示パネル、表面保護パネル及び位相差フィルム、偏光フィルムから成る群のうちの何れか、或いは2種類以上の組み合わせからなる積層体であることを特徴とする請求項11に記載の画像表示装置構成用積層体。
  13. 請求項11又は12の画像表示装置構成用積層体を用いて構成された画像表示装置。
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