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JP2015145701A - 流体封入式防振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】軸方向の静的支持荷重が入力される場合にも耐久性が確保されると共に、軸方向の振動入力に対する防振効果を、コンパクトな構造で有利に得ることができる、新規な構造の流体封入式防振装置を提供すること。
【解決手段】本体ゴム弾性体16が第一のゴム弾性体56と第二のゴム弾性体58を軸方向に重ね合わせて構成されて、それらの重ね合わせ面間に一対の軸直液室88,88が形成されている。更に、一対の軸直液室88,88を隔てる一対の隔壁部80,80は、第一のゴム弾性体56から突出する第一の隔壁片82と、第二のゴム弾性体58から突出する第二の隔壁片84とを、周方向に重ね合わせて構成されている。また、第一のゴム弾性体56が第二のゴム弾性体58よりも厚肉大径とされていると共に、第一のゴム弾性体56がテーパ形状とされており、振動伝達系への装着状態で静的支持荷重が入力されて、第一のゴム弾性体56が圧縮されるようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車のエンジンマウントなどに用いられる流体封入式防振装置に係り、特に、軸方向と軸直角方向の何れにおいても防振効果を得ることができる二方向減衰型の流体封入式防振装置に関するものである。
従来から、振動伝達系を構成する部材間に介装されて、それら部材を防振連結する防振連結体乃至は防振支持体の一種として、防振装置が知られている。更に、防振装置としては、内部に封入された非圧縮性流体の流動作用に基づいた防振効果を利用する流体封入式防振装置も提案されており、自動車用のエンジンマウントなどに適用されている。この流体封入式防振装置は、第一の取付部材と第二の取付部材が本体ゴム弾性体で弾性連結されており、壁部の一部が本体ゴム弾性体で構成された受圧室と、壁部の一部が可撓性膜で構成された平衡室とに、それぞれ非圧縮性流体が封入されていると共に、それら受圧室と平衡室が第一のオリフィス通路によって相互に連通された構造を有している。そして、軸方向の振動入力時に、受圧室と平衡室に相対的な圧力差が惹起されて、第一のオリフィス通路を通じて流体流動が生ぜしめられることから、流体の流動作用に基づく防振効果が発揮される。
また、流体封入式防振装置としては、軸方向の振動入力に対する防振性能に加えて、軸直角方向の振動入力に対しても有効な防振効果が発揮されるようにした、いわゆる二方向減衰型のものも提案されている。即ち、特開2002−227912号公報(特許文献1)のように、第一の取付部材の軸直角方向両側に一対の軸直液室が形成されて、それら軸直液室に非圧縮性流体が封入されていると共に、それら軸直液室が第二のオリフィス通路によって相互に連通された構造を有している。そして、軸直角方向の振動入力時に、一対の軸直液室に相対的な圧力差が惹起されて、第二のオリフィス通路を通じて流体流動が生ぜしめられることから、流体の流動作用に基づく防振効果が発揮される。
ところで、特許文献1に示された流体封入式防振装置は、本体ゴム弾性体(16)を構成する厚肉の外側壁部(54)が、軸方向の荷重入力に対して剪断変形して、引張応力が作用する形状とされている。それ故、振動伝達系への装着状態において、パワーユニットなどの静的な支持荷重が軸方向に常時入力されると、耐久性の確保が難しく、静的支持荷重が他の防振装置によって支持される必要があった。
そこで、再公表WO2010/126060号公報(特許文献2)などでは、軸方向の静的支持荷重の入力に対して圧縮変形されて、引張応力の作用が低減乃至は回避されるようにした構造が提案されている。即ち、特許文献2では、本体ゴム弾性体(18)が、別体形成された第1ゴム弾性体(24)と第2ゴム弾性体(38)を、軸方向で相互に重ね合わせて構成されており、それら第1,第2ゴム弾性体が、何れも軸方向の静的支持荷重の入力に対して圧縮される形状とされていると共に、それら第1,第2ゴム弾性体の重ね合わせ面間に、一対の軸直液室(102)が形成されている。
また、特許文献2の構造では、軸方向内側に配されて受圧室(42)の壁部を構成する第2ゴム弾性体が、軸方向外側に配される第1ゴム弾性体よりも厚肉とされていることから、軸方向の振動入力時に受圧室に圧力変動を及ぼす実質的な有効ピストン面積が、第2ゴム弾性体のサイズによって設定される。しかし、内側に配される第2ゴム弾性体は、外側に配される第1ゴム弾性体よりも小径となることから、軸方向入力に対する有効ピストン面積が小さくなって、受圧室の内圧変動が小さくなることで防振性能が低下するおそれがあった。一方、特許文献2の構造において、軸方向入力に対する防振性能を確保するために、有効ピストン面積を大きく確保すると、流体封入式防振装置の外径寸法が大きくなって、大きな配設スペースが必要になったり、重量が増加するなどの不具合が問題となる。
特開2002−227912号公報 再公表WO2010/126060号公報
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、軸方向の静的支持荷重が入力される場合にも耐久性が確保されると共に、軸方向の振動入力に対する防振効果を、コンパクトな構造で有利に得ることができる、新規な構造の流体封入式防振装置を提供することにある。
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。
すなわち、本発明の第一の態様は、振動伝達系を構成する各一方の部材に取り付けられる第一の取付部材と第二の取付部材が本体ゴム弾性体によって相互に弾性連結されて、壁部の一部が該本体ゴム弾性体で構成されて軸方向の振動入力時に内圧変動を惹起される受圧室が形成されていると共に、壁部の一部が可撓性膜で構成されて容積変化を許容される平衡室が形成されており、それら受圧室と平衡室に非圧縮性流体が封入されていると共に、それら受圧室と平衡室を相互に連通する第一のオリフィス通路が形成されている一方、該第一の取付部材の軸直角方向両側に壁部の一部が該本体ゴム弾性体で構成された一対の軸直液室が形成されており、それら一対の軸直液室に非圧縮性流体が封入されていると共に、それら一対の軸直液室を相互に連通する第二のオリフィス通路が形成されている流体封入式防振装置において、前記本体ゴム弾性体が互いに別体とされた第一のゴム弾性体と第二のゴム弾性体を軸方向に重ね合わせて構成されており、該第一のゴム弾性体と該第二のゴム弾性体の間に前記一対の軸直液室が形成されていると共に、それら一対の軸直液室を隔てる一対の隔壁部が該第一のゴム弾性体から該第二のゴム弾性体に向かって突出する第一の隔壁片と該第二のゴム弾性体から該第一のゴム弾性体に向かって突出する第二の隔壁片とを周方向に重ね合わせて構成されている一方、該第一のゴム弾性体が該第二のゴム弾性体よりも厚肉大径でばね定数が大きく設定されていると共に、該第一のゴム弾性体が軸方向外方に向かって突出するテーパ形状とされて、前記振動伝達系への装着状態では該第一の取付部材と該第二の取付部材の間に接近方向の静的支持荷重が入力されて該第一のゴム弾性体が圧縮されるようになっていることを、特徴とする。
このような第一の態様に従う構造とされた流体封入式防振装置によれば、第一のゴム弾性体が、第二のゴム弾性体よりも厚肉でばね定数が大きくされていると共に、軸方向外方に突出するテーパ形状とされている。それ故、軸方向の静的な支持荷重の入力に対して、第一のゴム弾性体が主として圧縮変形することから、第一のゴム弾性体に作用する引張応力が抑えられて、耐久性の向上が図られる。
さらに、第一のゴム弾性体が第二のゴム弾性体よりも厚肉でばね定数が大きくされていることから、軸方向の振動入力に対する受圧室の有効ピストン面積が、厚肉とされた第一のゴム弾性体のサイズに応じて定まる。そこにおいて、第一のゴム弾性体が第二のゴム弾性体よりも大径とされていることから、有効ピストン面積が大きく確保されることで、受圧室の圧力変動が効率的に惹起されて、第一のオリフィス通路による防振効果が有利に発揮される。
本発明の第二の態様は、第一の態様に記載された流体封入式防振装置において、前記第一の隔壁片の突出先端が前記第二のゴム弾性体に対して離隔していると共に、前記第二の隔壁片の突出先端が前記第一のゴム弾性体に対して離隔しているものである。
第二の態様によれば、第一の隔壁片と第二の隔壁片の突出先端が拘束されるのを防いで、それら隔壁片の弾性変形が許容され易くなる。それ故、第二のオリフィス通路のチューニング周波数よりも高周波数の振動が軸直角方向に入力される場合に、第二のオリフィス通路の反共振などに起因する軸直角方向での著しい高動ばね化が、第一の隔壁片と第二の隔壁片の弾性変形によって回避されて、有効な防振効果を得ることができる。
本発明の第三の態様は、第一又は第二の態様に記載された流体封入式防振装置において、前記隔壁部を構成する前記第一の隔壁片と前記第二の隔壁片が周方向に離隔しており、それら第一の隔壁片と第二の隔壁片の重ね合わせ面間に隙間が形成されているものである。
第三の態様によれば、第一の隔壁片と第二の隔壁片の周方向の微小な弾性変形が、重ね合わせ面間の隙間によって容易に許容されることから、低動ばね化による防振効果が有利に発揮される。
また、重ね合わせ面間の隙間を、第一の隔壁片および第二の隔壁片の突出先端側で繋いで一対の軸直液室に連通させることにより、一対の軸直液室を相互に連通する連通流路を形成することもできる。これによれば、例えば、第二のオリフィス通路が実質的に閉塞される周波数の振動入力に対して、一対の軸直液室間で連通流路を通じた流体流動を生ぜしめることにより、高動ばね化を防いで、有効な振動絶縁効果を得ることができる。
本発明の第四の態様は、第一〜第三の何れか一つの態様に記載された流体封入式防振装置において、前記第一の隔壁片と前記第二の隔壁片の重ね合わせ面が突出方向に対して傾斜する傾斜面とされて、それら第一の隔壁片と第二の隔壁片がそれぞれ突出先端に向かって次第に薄肉とされているものである。
第四の態様によれば、第一の隔壁片と第二の隔壁片が突出先端に向かって次第に薄肉とされていることにより、成形後の脱型が容易になる。また、第一の隔壁片と第二の隔壁片の重ね合わせ面間に一対の軸直液室を相互に連通する連通流路を設ける場合には、第一の隔壁片と第二の隔壁片の重ね合わせ面が傾斜面とされることにより、連通流路内の流体流動がスムーズに生じて、防振効果が効率的に発揮される。
本発明の第五の態様は、第一〜第四の何れか一つの態様に記載された流体封入式防振装置において、前記隔壁部において前記第一の隔壁片と前記第二の隔壁片の少なくとも一方が複数設けられており、それら第一の隔壁片と第二の隔壁片が周方向で交互に配置されて重ね合わされているものである。
第五の態様によれば、一対の軸直液室をより高度に仕切ることができて、軸直角方向の振動入力時に、一対の軸直液室の相対的な圧力変動がより効率的に惹起されることから、第二のオリフィス通路などによる防振効果を有効に得ることができる。また、第一の隔壁片と第二の隔壁片の重ね合わせ面間を延びる連通流路を形成する場合には、連通流路を狭い周方向領域で長く形成することができて、防振特性のチューニング自由度を大きくできる。
本発明の第六の態様は、第一〜第五の何れか一つの態様に記載された流体封入式防振装置において、前記第一の隔壁片が突出長さの半分以上に亘って前記第二の隔壁片に重ね合わされていると共に、該第二の隔壁片が突出長さの半分以上に亘って該第一の隔壁片に重ね合わされているものである。
第六の態様によれば、第一の隔壁片と第二の隔壁片が薄肉とされていても、相互に重ね合わされた状態に安定して保持されて、一対の軸直液室の短絡などが防止される。また、一対の軸直液室を相互に連通する連通流路が、第一の隔壁片と第二の隔壁片の重ね合わせ面間を延びて形成される場合には、連通流路の流路長を効率的に長く確保することができる。
本発明によれば、本体ゴム弾性体が、互いに別体とされた第一のゴム弾性体と第二のゴム弾性体で構成されており、それら第一のゴム弾性体と第二のゴム弾性体の間に一対の軸直液室が形成されることで、軸方向に加えて軸直角方向でも流体の流動作用に基づいた防振効果が発揮される。更に、第一のゴム弾性体が第二のゴム弾性体よりも厚肉でばね定数が大きくされていると共に、第一のゴム弾性体が軸方向外方に向かって突出するテーパ形状とされており、静的な支持荷重が軸方向に入力される場合にも、充分な耐久性が確保される。更にまた、第一のゴム弾性体が厚肉とされることで、軸方向の振動入力に対する受圧室の有効ピストン面積が、第一のゴム弾性体の大きさによって定められていると共に、第一のゴム弾性体が第二のゴム弾性体よりも大径とされていることから、受圧室の有効ピストン面積が大きく確保されて、軸方向の振動入力に対する防振性能の向上が図られる。
本発明の第一の実施形態としてのエンジンマウントを示す縦断面図であって、図5のI−I断面に相当する図。 図1に示すエンジンマウントを構成する第一のゴム弾性体の一体加硫成形品の斜視図。 図2に示す第一のゴム弾性体の一体加硫成形品の底面図。 図1に示すエンジンマウントを構成する第二のゴム弾性体の一体加硫成形品の斜視図。 図4に示す第二のゴム弾性体の一体加硫成形品の平面図。 図5に示す第二のゴム弾性体の一体加硫成形品の左側面図。 図1に示すエンジンマウントの要部を拡大して示す部分断面図であって、図1のVII−VII断面に相当する図。 図1に示すエンジンマウントの車両装着状態を示す縦断面図。 本発明の第二の実施形態としてのエンジンマウントの要部を示す部分断面図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1には、本発明に従う構造とされた流体封入式防振装置の第一の実施形態として、自動車用のエンジンマウント10が示されている。エンジンマウント10は、第一の取付部材12と第二の取付部材14が、本体ゴム弾性体16によって弾性連結された構造を有している。なお、以下の説明において、上下方向とは、原則として、マウント軸方向で車両装着状態の鉛直上下方向となる図1中の上下方向を言う。
より詳細には、第一の取付部材12は、鉄やアルミニウム合金などで形成された高剛性の部材とされており、上部が略円柱形状とされていると共に、下部が下方に向かって次第に小径となる逆向きの略円錐台形状とされている。更に、第一の取付部材12には、下方に向かって突出する小径円柱形状の嵌合凸部18が一体形成されている。更にまた、第一の取付部材12には、中心軸上を直線的に延びて、上面に開口するねじ孔20が形成されている。
第二の取付部材14は、第一の取付部材12と同様に高剛性の部材であって、薄肉大径の略円筒形状を有している。また、第二の取付部材14には、上端において外周側に突出する上フランジ22が一体形成されていると共に、下端において内周側に突出する下フランジ24が一体形成されている。更に、第二の取付部材14の上端部には、内周側に突出する内周突部26が一体形成されており、第二の取付部材14の上端部が部分的に厚肉とされている。
そして、第一の取付部材12が、第二の取付部材14に対して、同一中心軸上で上方に配置されて、それら第一の取付部材12と第二の取付部材14が、本体ゴム弾性体16によって相互に弾性連結されている。
また、第二の取付部材14には、可撓性膜28が取り付けられている。可撓性膜28は、全体として略円板形状を有するゴム弾性体やエラストマなどの薄膜によって構成されており、所定の弛みが設けられることで変形が容易に許容されるようになっている。また、可撓性膜28の外周面には、環状の固定部材30が加硫接着されており、固定部材30が第二の取付部材14の下端部に差し入れられると共に、第二の取付部材14に縮径加工が施されることにより、可撓性膜28が第二の取付部材14の下側開口を閉塞するように取り付けられている。
このように第二の取付部材14に可撓性膜28が取り付けられることによって、本体ゴム弾性体16と可撓性膜28の軸方向間には、外部から流体密に隔てられた流体室32が形成されて、非圧縮性流体が封入されている。なお、流体室32に封入される非圧縮性流体は、特に限定されるものではないが、例えば、水やアルキレングリコール,ポリアルキレングリコール、エチレングリコール、シリコーン油、或いはそれらの混合液などが採用され、より好適には、0.1Pa・s以下の低粘性流体とされる。
また、第二の取付部材14には、仕切部材34が取り付けられている。仕切部材34は、略円板形状を有しており、仕切部材本体36に蓋板38を重ね合わせた構造を有している。仕切部材本体36は、金属や合成樹脂で形成された硬質の部材であって、外周部分には、上面に開口しながら周方向に一周弱の長さで延びる第一の周溝40が形成されている一方、中央部分には、上面に開口する円形の収容凹所42が形成されている。この仕切部材本体36の上面に薄肉円板形状の蓋板38が重ね合わされていると共に、蓋板38で覆われた収容凹所42に可動膜44が配設されている。可動膜44は、略円板形状の弾性体であって、外周部分が厚肉とされて仕切部材本体36と蓋板38の間で挟持されていると共に、中央部分が収容凹所42内で厚さ方向である上下に弾性変形可能とされている。
かくの如き構造とされた仕切部材34は、流体室32内で軸直角方向に広がるように配設されて、外周面が第二の取付部材14に押し当てられて支持されると共に、外周端部が固定部材30と第二の取付部材14の内周突部26との間で軸方向に挟持されている。これにより、流体室32が仕切部材34の上下両側に二分されており、仕切部材34の上方には、壁部の一部が本体ゴム弾性体16で構成されて、軸方向の振動入力時に内圧変動が惹起される受圧室46が形成されていると共に、仕切部材34の下方には、壁部の一部が可撓性膜28で構成されて、容積変化が許容される平衡室48が形成されている。なお、受圧室46と平衡室48には、それぞれ非圧縮性流体が封入されている。
また、第一の周溝40の上側開口が蓋板38で覆われていると共に、第一の周溝40の両端部が受圧室46と平衡室48の各一方に連通されており、受圧室46と平衡室48を相互に連通する第一のオリフィス通路50が、第一の周溝40を用いて形成されている。なお、第一のオリフィス通路50は、通路断面積(A)と通路長(L)の比(A/L)を適宜に設定することにより、流動流体の共振周波数であるチューニング周波数が、エンジンシェイクに相当する10Hz程度の低周波数にチューニングされている。
さらに、可動膜44の上面には、蓋板38を貫通する上透孔52を通じて受圧室46の液圧が及ぼされていると共に、可動膜44の下面には、仕切部材本体36を貫通する下透孔54を通じて平衡室48の液圧が及ぼされている。これにより、軸方向の小振幅振動の入力時に、受圧室46の液圧が、可動膜44の厚さ方向での微小な弾性変形によって平衡室48に伝達されて吸収されるようになっている。なお、可動膜44の厚さ方向の弾性変形は、第一のオリフィス通路50のチューニング周波数よりも高周波数において、共振状態で積極的に生ぜしめられるようになっており、例えば、共振周波数がアイドル振動や走行こもり音などの中乃至高周波数に設定されている。
ところで、本体ゴム弾性体16は、第一のゴム弾性体56と第二のゴム弾性体58とが、軸方向上下に重ね合わされた構造とされている。
第一のゴム弾性体56は、図1〜図3に示すように、厚肉の略円錐台形状を有しており、小径側端部の内周面が第一の取付部材12に加硫接着されていると共に、大径側端部の外周面が第二の取付部材14に加硫接着されている。なお、第一のゴム弾性体56は、第一の取付部材12と第二の取付部材14を備えた一体加硫成形品として形成されている。
さらに、第一のゴム弾性体56には、第一の大径凹所60が形成されている。第一の大径凹所60は、逆向きの略すり鉢形状を呈する凹所であって、第一のゴム弾性体56の大径側端面に開口している。これにより、第一のゴム弾性体56の外周面と内周面の両方が、上方に向かって縮径するテーパ面とされており、第一のゴム弾性体56が上方に向かって突出するテーパ形状とされている。
更にまた、第一のゴム弾性体56の外周端部には、シールゴム層62が一体形成されている。シールゴム層62は、薄肉大径の略円筒形状で、第一の大径凹所60の外周側において第一のゴム弾性体56から下方に延び出しており、第二の取付部材14の内周面を略全面に亘って覆うように被着形成されている。
一方、第二のゴム弾性体58は、図1および図4〜6に示すように、第一のゴム弾性体56よりも小径の略円錐台形状を有しており、小径側端部に第一の連結部材64が加硫接着されていると共に、大径側端部に第二の連結部材66が加硫接着されている。なお、第二のゴム弾性体58は、第一の連結部材64と第二の連結部材66を備えた一体加硫成形品として形成されている。
第一の連結部材64は、小径の略有底円筒形状を有する硬質部材であって、第一の取付部材12の嵌合凸部18に外嵌可能とされた嵌合凹部68が形成されて、上方に向かって開口している。第二の連結部材66は、周方向に連続する環状の硬質部材であって、外周面に開口する環状溝70が全周に亘って形成されている。この環状溝70には、第二のゴム弾性体58と一体形成された一対の端壁部72,72が突出しており、それら一対の端壁部72,72の一方の周方向間には、周方向に一周弱の長さで延びる第二の周溝74が形成されていると共に、他方の周方向間には外周に向かって開口する連通凹所76が形成されている。
さらに、第二のゴム弾性体58には、第二の大径凹所78が形成されている。第二の大径凹所78は、逆向きの略すり鉢形状を呈する凹所であって、第二のゴム弾性体58の大径側端面に開口している。これにより、第二のゴム弾性体58は、外周面と内周面の両方が、上方に向かって縮径するテーパ面とされている。
そして、第一の連結部材64の嵌合凹部68に第一の取付部材12の嵌合凸部18が嵌着されると共に、第二の連結部材66が第二の取付部材14の内周突部26と仕切部材34との軸方向間で挟持される。これにより、第一の取付部材12と第二の取付部材14が、第二のゴム弾性体58によって相互に弾性連結されていると共に、第一のゴム弾性体56と第二のゴム弾性体58が、軸方向上下に重ね合わされている。
ここにおいて、第一のゴム弾性体56は、第二のゴム弾性体58よりも厚肉とされて、軸方向の入力に対するばね定数が、第二のゴム弾性体58よりも大きく設定されている。更に、第一のゴム弾性体56は、第二のゴム弾性体58よりも大径とされており、第二のゴム弾性体58が第一のゴム弾性体56の第一の大径凹所60に差し入れられている。
また、第一のゴム弾性体56の下方に第二のゴム弾性体58が重ね合わされており、それら第一のゴム弾性体56と第二のゴム弾性体58の重ね合わせ面間には、非圧縮性流体を封入された環状領域79が形成されている。なお、環状領域79には、流体室32と同様の非圧縮性流体が封入されている。
さらに、環状領域79は、一対の隔壁部80,80によって仕切られている。各隔壁部80は、第一のゴム弾性体56に一体形成された第一の隔壁片82と、第二のゴム弾性体58に一体形成された第二の隔壁片84とが、周方向に重ね合わされて構成されている。
第一の隔壁片82は、図2,3に示すように、薄肉の板形状とされており、径方向一方向で対向する位置に一対が形成されて、第一のゴム弾性体56の第一の大径凹所60の内面に突出している。更に、第一の隔壁片82の両面が、何れも突出方向に対して傾斜して、突出先端に向かって相互に接近する傾斜面とされて、第一の隔壁片82が突出先端に向かって次第に薄肉となっている。更にまた、第一の隔壁片82の突出先端は、第二のゴム弾性体58の外周面に略対応するテーパ形状とされている。また、第一の隔壁片82の突出長さ(L1 )の最大厚さ寸法(W1 )に対する比(L1 /W1 )が、好適には2以上、より好適には3以上とされており、第一の隔壁片82が扁平な板形状とされている(図7参照)。
第二の隔壁片84は、図4〜6に示すように、薄肉の板形状であって、二つが相互に略平行に広がるように形成されて、第二のゴム弾性体58の外周面に突出していると共に、それら各二つが径方向一方向で対向する位置に配されている。更に、第二の隔壁片84の両面が、何れも突出方向に対して傾斜して、突出先端に向かって相互に接近する傾斜面とされて、第二の隔壁片84が突出先端に向かって次第に薄肉となっている。更にまた、第二の隔壁片84の突出先端は、第一のゴム弾性体56の第一の大径凹所60の内周面に略対応するテーパ形状とされている。また、第二の隔壁片84の突出長さ(L2 )の最大厚さ寸法(W2 )に対する比(L2 /W2 )が、好適には2以上、より好適には3以上とされており、第二の隔壁片84が扁平な板形状とされている(図7参照)。
なお、第二の隔壁片84の変形剛性またはばね特性は、第一の隔壁片82と略等しくされていることが望ましい。これにより、後述する一対の軸直液室88,88の圧力作用に伴う相互の当接に際して、一方だけが大きく変形して安定した隔壁機能が発揮され難くなるなどの問題を、より確実に回避できる。より具体的には、第一の隔壁片82と第二の隔壁片84の変形剛性またはばね特性が、2倍以上には異ならないことが望ましく、より好適には1.5倍以上には異ならないようにされる。即ち、第一の隔壁片82と第二の隔壁片84の厚さ寸法や突出寸法を相互に略等しく(W1 ≒W2 ,L1 ≒L2 )、例えば2倍(より好適には1.5倍)以下の違いに設定する(0.5*W2 ≦W1 ≦2*W2 ,0.5*L2 ≦L1 ≦2*L2 )ことが好適である。
さらに、隔壁部80を構成する二つの第二の隔壁片84,84は、図5に示すように、周方向で互いに所定の距離を隔てて対向配置されており、それら二つの第二の隔壁片84,84の周方向間には、外周側に開口する直線的な差入溝86が形成されている。
そして、第一のゴム弾性体56と第二のゴム弾性体58が軸方向に重ね合わされることにより、第一の隔壁片82が、第一のゴム弾性体56から第二のゴム弾性体58に向かって突出すると共に、第二の隔壁片84が、第二のゴム弾性体58から第一のゴム弾性体56に向かって突出する。これにより、第一の隔壁片82が第二の隔壁片84,84の周方向間(差入溝86)に差し入れられると共に、第一の隔壁片82と第二の隔壁片84,84が周方向で相互に重ね合わされて、隔壁部80が構成されている。
さらに、第一の隔壁片82と第二の隔壁片84,84は、径方向で対向する周上の二箇所に形成されており、周上の二箇所にそれぞれ隔壁部80が形成されている。これにより、第一のゴム弾性体56と第二のゴム弾性体58の間に形成された環状領域79が、二つの隔壁部80,80によって周方向に分割されて、壁部の一部が本体ゴム弾性体16で構成された一対の軸直液室88,88が形成されている。なお、一対の軸直液室88,88には、それぞれ非圧縮性流体が封入されている。また、本実施形態では、後述するエンジンマウント10の車両装着状態において、隔壁部80,80が車両左右方向に位置決めされて、一対の軸直液室88,88が車両前後方向で対向して、第一の取付部材12を挟んだ両側に配置される。
本実施形態では、第一の隔壁片82と第二の隔壁片84,84が周方向で相互に離隔しており、それら第一の隔壁片82と第二の隔壁片84,84の重ね合わせ面間に、それぞれ隙間90が形成されている。更に、本実施形態では、第一の隔壁片82の突出先端が、第二のゴム弾性体58に対して外側に離隔していると共に、第二の隔壁片84の突出先端が、第一のゴム弾性体56に対して内側に離隔している。これにより、第一の隔壁片82と第二の隔壁片84,84の重ね合わせ面間の隙間90,90が、第一の隔壁片82の先端側で相互に連通されていると共に、それら隙間90,90が、第二の隔壁片84,84の先端側で一対の軸直液室88,88の各一方に連通されており、もって、一対の軸直液室88,88を相互に連通する連通流路92が形成されている。
さらに、第一の隔壁片82の先端から突出長さの半分以上が、第二の隔壁片84,84に周方向で重ね合わされてオーバーラップしていると共に、第二の隔壁片84,84の先端から突出長さの半分以上が、第一の隔壁片82に周方向で重ね合わされてオーバーラップしている。
また、第二の連結部材66の第二の周溝74は、外周側の開口部が第二の取付部材14によって流体密に覆われていると共に、周方向の両端部が一対の軸直液室88,88の各一方に連通されており、一対の軸直液室88,88を相互に連通する第二のオリフィス通路94が、第二の周溝74を利用して形成されている。なお、第一のオリフィス通路50は、第二のオリフィス通路94を周方向に外れた位置で、第二の連結部材66の連通凹所76を通じて受圧室46に連通されている。
このような構造とされたエンジンマウント10は、図8に示すように、車両に装着されるようになっている。即ち、第一の取付部材12が、ねじ孔20に螺着されるボルト95で固定されるインナブラケット96を介して、振動伝達系を構成する一方の部材であるパワーユニット98に取り付けられると共に、第二の取付部材14が、外嵌されるアウタブラケット100を介して、振動伝達系を構成する他方の部材である車両ボデー102に取り付けられる。これにより、パワーユニット98がエンジンマウント10を介して車両ボデー102に防振支持される。
また、車両装着状態において、エンジンマウント10には、パワーユニット98の分担支持荷重が軸方向上下に入力されることから、本体ゴム弾性体16の弾性変形によって、第一の取付部材12と第二の取付部材14が、軸方向で相対的に接近変位せしめられる。エンジンマウント10では、本体ゴム弾性体16を構成する第一のゴム弾性体56と第二のゴム弾性体58が、何れも、上方に向かって突出する略円錐台形状とされており、静的な分担支持荷重の入力によって、第一,第二のゴム弾性体56,58がそれぞれ圧縮変形される。なお、第一のゴム弾性体56が第二のゴム弾性体58よりも厚肉でばね定数が大きくされていることから、エンジンマウント10に入力されるパワーユニット98の分担支持荷重が、主として第一のゴム弾性体56によって支持されて、第一のゴム弾性体56が圧縮される。また、図8にも示すように、第一,第二のゴム弾性体56,58は、静的な分担支持荷重によって圧縮変形された状態においても、上方に突出する略円錐台形状とされている。
そして、車両装着状態において、エンジンシェイクに相当する低周波大振幅振動が軸方向に入力されると、受圧室46と平衡室48の間に相対的な液圧差が惹起されて、それら受圧室46と平衡室48の間で、第一のオリフィス通路50を通じた流体流動が生ぜしめられる。これにより、流体の流動作用に基づいて、目的とする防振効果(高減衰効果)が発揮される。
本実施形態のエンジンマウント10では、第一のゴム弾性体56が第二のゴム弾性体58よりも厚肉でばね定数が大きくされており、軸方向の振動入力時に受圧室46に内圧変動を生ぜしめる有効ピストン径が、ばね定数の大きい第一のゴム弾性体56の内周径によって決定される。ここにおいて、第一のゴム弾性体56が第二のゴム弾性体58よりも大径とされていることから、軸方向の振動入力に対する受圧室46の有効ピストン面積が大きく確保されている。それ故、受圧室46と平衡室48の相対的な圧力差が効率的に生ぜしめられて、流体の流動作用に基づいた防振効果をより有利に得ることができる。
また、アイドリング振動や走行こもり音に相当する中乃至高周波数の小振幅振動が、軸方向に入力されると、第一のオリフィス通路50が反共振によって閉塞される一方、可動膜44の弾性変形によって液圧吸収作用が発揮される。それ故、受圧室46の実質的な密閉が回避されて、目的とする防振効果(低動ばね効果)が発揮される。
また、路面の凹凸を乗り越える際などに、車両前後方向に比較的に振幅の大きな低周波振動が入力されると、一対の軸直液室88,88に相対的な圧力差が生じて、それら軸直液室88,88の間で、第二のオリフィス通路94を通じた流体流動が生ぜしめられる。このことからも明らかなように、エンジンマウント10は、上下方向と前後方向の振動入力に対して有効な防振効果を発揮する、二方向減衰型の流体封入式防振装置とされている。
本実施形態のエンジンマウント10では、第一の隔壁片82と第二の隔壁片84,84が周方向に隙間90,90をもって重ね合わされている。そして、前後方向の大振幅振動が入力されると、一対の軸直液室88,88の相対的な圧力差に基づいて、第一の隔壁片82と第二の隔壁片84,84が厚さ方向に弾性変形して、それら第一の隔壁片82と第二の隔壁片84,84の重ね合わせ面が相互に当接する。これにより、連通流路92が遮断されて、連通流路92を通じた流体流動が制限されることから、第二のオリフィス通路94を通じての流体流動が効率的に惹起されて、目的とする防振効果を有利に得ることができる。
特に本実施形態では、第一の隔壁片82と第二の隔壁片84,84が、何れも突出先端に向かって次第に薄肉となっていることから、一対の軸直液室88,88の液圧差や連通流路92内の流速による圧力低下などによって、第一,第二の隔壁片82,84,84が弾性変形し易くなっている。それ故、一対の軸直液室88,88の相対的な液圧差が大きくなる大振幅振動の入力時に、連通流路92が速やかに遮断されて、第二のオリフィス通路94による防振効果をより有利に得ることができる。
また、車両前後方向に比較的に振幅の小さな中乃至高周波振動が入力されると、隔壁部80,80に設けられた連通流路92,92を通じて、一対の軸直液室88,88間で流体が流動せしめられる。これにより、第二のオリフィス通路94が反共振で実質的に閉塞されたとしても、一対の軸直液室88,88の密閉が回避されて、低動ばね化による防振効果を得ることができる。
本実施形態では、第一の隔壁片82の周方向両側に第二の隔壁片84が重ね合わされており、第一の隔壁片82と第二の隔壁片84,84が、それぞれ突出先端から突出長さの半分以上に亘って相互に重ね合わされている。これにより、薄肉の第一,第二の隔壁片82,84,84を採用しても、それら第一,第二の隔壁片82,84,84の重なり合いが解除され難くなって、一対の軸直液室88,88の短絡が回避されることから、目的とする防振性能を安定して得ることができる。更に、第一,第二の隔壁片82,84,84の重ね合わせ面間を延びる連通流路92は、流路長を大きく確保されて、優れた防振効果を得ることができる。
さらに、第一の隔壁片82と第二の隔壁片84の両面が、突出方向に対して傾斜して、先端側が相互に接近する傾斜面とされていることから、封入流体が連通流路92を小さな抵抗で流動せしめられて、目的とする防振効果を効率的に得ることができる。
また、第一の隔壁片82と第二の隔壁片84の両面が傾斜面とされることで、第一の隔壁片82を備えた第一のゴム弾性体56と、第二の隔壁片84を備えた第二のゴム弾性体58とを成形する際に、脱型が容易になる。
図9には、本発明の第二の実施形態としてのエンジンマウントの要部が示されている。即ち、本実施形態では、隔壁部80,80において、第一の隔壁片82と第二の隔壁片84,84が周方向で相互に当接して重ね合わされており、第一の実施形態の隙間90,90がない構造とされている。更に、第二の隔壁片84,84の突出先端部分が、第一の隔壁片82の中間部分に周方向の各一方側から当接されており、第二の隔壁片84,84の突出先端が第一のゴム弾性体56に対して内側に離隔している。更にまた、第一の隔壁片82の突出先端は、第二のゴム弾性体58に対して外側に離隔している。なお、図示されていない部分については、第一の実施形態と同様の構造を採用可能である。
このような本実施形態に従う構造とされたエンジンマウントによれば、第一の隔壁片82と第二の隔壁片84,84が予め当接していることから、軸直角方向に大きな振幅の低周波振動が入力されると、第二のオリフィス通路94を通じた流体流動が効率的に生ぜしめられて、目的とする防振効果がより有利に発揮される。
また、中乃至高周波数の小振幅振動が入力されると、第一の隔壁片82と第二の隔壁片84,84で構成された隔壁部80が、周方向に弾性変形することで、液圧吸収作用が発揮されて、低動ばね化による振動絶縁作用が発揮される。しかも、第一の隔壁片82の突出先端が第二のゴム弾性体58から離隔していると共に、第二の隔壁片84,84の突出先端が第一のゴム弾性体56から離隔しており、それら第一,第二の隔壁片82,84,84の変形が、第一,第二のゴム弾性体56,58との摩擦によって制限されることなく、容易に生ぜしめられる。
さらに、本実施形態では、第二の隔壁片84,84の突出先端部分が、第一の隔壁片82の中間部分に当接していると共に、第二の隔壁片84,84の中間部分が、第一の隔壁片82の突出先端部分に対して周方向に離隔しており、第一の隔壁片82と第二の隔壁片84,84の重ね合わせ面が部分的に当接している。それ故、第一の隔壁片82と第二の隔壁片84,84が相互に及ぼしあう拘束力が抑えられて、隔壁部80の微小な弾性変形がより容易に生ぜしめられる。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、一対の軸直液室88,88を隔てる隔壁部80が周上の二箇所に形成されていれば、各隔壁部80を構成する第一の隔壁片82と第二の隔壁片84の数は、特に限定されない。
さらに、二つの隔壁部は、互いに同じ構造である必要はなく、例えば、一方の隔壁部が、一つの第一の隔壁片82と一つの第二の隔壁片84とを周方向に重ね合わせた構造とされると共に、他方の隔壁部が、二つの第一の隔壁片82,82の間に一つの第一の隔壁片82を差し入れて周方向に重ね合わせた構造とされていても良い。
また、第一の隔壁片82の突出先端が、第二のゴム弾性体58の外面に当接した構造も採用され得る。同様に、第二の隔壁片84の突出先端が、第一のゴム弾性体56の内面に当接した構造も採用可能である。
さらに、第一の隔壁片82と第二の隔壁片84は、少なくとも重ね合わせ面が傾斜面とされて、突出先端に向かって次第に薄肉となっていることが望ましいが、例えば、それら隔壁片82,84の少なくとも一方が、両面が突出方向と略平行に広がって、略一定の厚さで突出する形状とされていても良い。
10:エンジンマウント(流体封入式防振装置)、12:第一の取付部材、14:第二の取付部材、16:本体ゴム弾性体、28:可撓性膜、46:受圧室、48:平衡室、50:第一のオリフィス通路、56:第一のゴム弾性体、58:第二のゴム弾性体、80:隔壁部、82:第一の隔壁片、84:第二の隔壁片、88:軸直液室、90:隙間、92:連通流路、94:第二のオリフィス通路、98:パワーユニット(振動伝達系を構成する部材)、102:車両ボデー(振動伝達系を構成する部材)

Claims (6)

  1. 振動伝達系を構成する各一方の部材に取り付けられる第一の取付部材と第二の取付部材が本体ゴム弾性体によって相互に弾性連結されて、壁部の一部が該本体ゴム弾性体で構成されて軸方向の振動入力時に内圧変動を惹起される受圧室が形成されていると共に、壁部の一部が可撓性膜で構成されて容積変化を許容される平衡室が形成されており、それら受圧室と平衡室に非圧縮性流体が封入されていると共に、それら受圧室と平衡室を相互に連通する第一のオリフィス通路が形成されている一方、
    該第一の取付部材の軸直角方向両側に壁部の一部が該本体ゴム弾性体で構成された一対の軸直液室が形成されており、それら一対の軸直液室に非圧縮性流体が封入されていると共に、それら一対の軸直液室を相互に連通する第二のオリフィス通路が形成されている流体封入式防振装置において、
    前記本体ゴム弾性体が互いに別体とされた第一のゴム弾性体と第二のゴム弾性体を軸方向に重ね合わせて構成されており、
    該第一のゴム弾性体と該第二のゴム弾性体の間に前記一対の軸直液室が形成されていると共に、それら一対の軸直液室を隔てる一対の隔壁部が該第一のゴム弾性体から該第二のゴム弾性体に向かって突出する第一の隔壁片と該第二のゴム弾性体から該第一のゴム弾性体に向かって突出する第二の隔壁片とを周方向に重ね合わせて構成されている一方、
    該第一のゴム弾性体が該第二のゴム弾性体よりも厚肉大径でばね定数が大きく設定されていると共に、該第一のゴム弾性体が軸方向外方に向かって突出するテーパ形状とされて、前記振動伝達系への装着状態では該第一の取付部材と該第二の取付部材の間に接近方向の静的支持荷重が入力されて該第一のゴム弾性体が圧縮されるようになっていることを特徴とする流体封入式防振装置。
  2. 前記第一の隔壁片の突出先端が前記第二のゴム弾性体に対して離隔していると共に、前記第二の隔壁片の突出先端が前記第一のゴム弾性体に対して離隔している請求項1に記載の流体封入式防振装置。
  3. 前記隔壁部を構成する前記第一の隔壁片と前記第二の隔壁片が周方向に離隔しており、それら第一の隔壁片と第二の隔壁片の重ね合わせ面間に隙間が形成されている請求項1又は2に記載の流体封入式防振装置。
  4. 前記第一の隔壁片と前記第二の隔壁片の重ね合わせ面が突出方向に対して傾斜する傾斜面とされて、それら第一の隔壁片と第二の隔壁片がそれぞれ突出先端に向かって次第に薄肉とされている請求項1〜3の何れか一項に記載の流体封入式防振装置。
  5. 前記隔壁部において前記第一の隔壁片と前記第二の隔壁片の少なくとも一方が複数設けられており、それら第一の隔壁片と第二の隔壁片が周方向で交互に配置されて重ね合わされている請求項1〜4の何れか一項に記載の流体封入式防振装置。
  6. 前記第一の隔壁片が突出長さの半分以上に亘って前記第二の隔壁片に重ね合わされていると共に、該第二の隔壁片が突出長さの半分以上に亘って該第一の隔壁片に重ね合わされている請求項1〜5の何れか一項に記載の流体封入式防振装置。
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