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JP2015032816A - ピック、搬送装置、処理装置及び搬送方法 - Google Patents

ピック、搬送装置、処理装置及び搬送方法 Download PDF

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JP2015032816A JP2013164050A JP2013164050A JP2015032816A JP 2015032816 A JP2015032816 A JP 2015032816A JP 2013164050 A JP2013164050 A JP 2013164050A JP 2013164050 A JP2013164050 A JP 2013164050A JP 2015032816 A JP2015032816 A JP 2015032816A
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Abstract

【課題】被処理体の搬送スループットを向上する。
【解決手段】
一実施形態に係るピックは、搬送アームに接続可能な基端部を有するベース部と、被処理体を下方から保持する複数の突起部であり、ベース部の一面上に設けられた該複数の突起部と、を備え、複数の突起は、複数の第一の突起部と一以上の第二の突起部とを含み、前記複数の第一の突起部は、前記一以上の第二の突起部の材料の耐熱性よりも高い耐熱性を有する材料から構成され、前記一以上の第二の突起部は、前記複数の第一の突起部の材料の摩擦係数よりも大きい摩擦係数を有する材料から構成され、前記複数の第一の突起部は、被処理体を保持するための第一の保持部を構成し、前記複数の第一の突起部の一部と前記一以上の第二の突起部とは、前記第一の保持部により被処理体を保持する領域から偏位した領域で被処理体を保持するための第二の保持部を構成する。
【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、ピック、搬送装置、処理装置及び搬送方法に関する。
従来から、複数の処理室の間において被処理体を搬送する装置が知られている。例えば、特許文献1には、六角形状の共通搬送室の周囲に複数の処理室が連結された真空処理装置内に格納された搬送装置が記載されている。この装置は、2つのピックを有する搬送機構を備えている。この装置では、汚染の伝播を抑制するために、被処理体に汚染が生じ易い処理を行う特定処理室に被処理体を搬入するまでは2つのピックのうち一方のピックを用い、特定処理室に被処理体を搬入した後は他方のピックを用いて被処理体を搬送している。
また、被処理体を保持するためのピックとしては様々な形状のものが知られている。例えば特許文献2には、回転可能な複数の受け座を用いて被処理体を外周から把持するピックが記載されている。特許文献3には、複数の支持タブが設けられたピックが記載されている。当該複数の支持タブの各々は、加熱されて膨張した被処理体を支持する面と冷却された被処理体を支持する面とを有している。また、特許文献4には、選択的に駆動できる複数のウエハ支持片により、プロセス毎に異なるウエハ支持部を選択可能なピックが記載されている。
ところで、特許文献1に記載の装置のように、被処理体に対して複数の処理を連続的に行う処理装置では、高温処理を行う処理室と低温処理を行う処理室とが混在している場合がある。この場合には、搬送装置のピックは、複数の処理室において行われる処理のうち、最も高い処理温度で加熱された被処理体を保持しうるものであることが必要となる。このため、一連の処理において高温処理を含む処理装置では、被処理体の保持材としてセラミック等の高耐熱性の材料を採用することが一般的である。しかしながら、セラミック等の高耐熱性の材料は、摩擦係数が小さいので、被処理体の保持力が小さくなりやすい。したがって、被処理体の位置ずれを防止するために被処理体の搬送速度を抑える必要があり、その結果、被処理体の搬送スループットの低下につながる。
そこで、搬送スループットを向上させるために、材質の異なる被処理体の支持部をピック面上に有する二つの搬送アームに備える搬送装置が知られている。特許文献5には、それぞれに材質の異なる被処理体を支持する突起部がピック面上に形成された二つの搬送アームを備え、第1の搬送アームのピック面上に被処理体を支持する突起部の材質として第2の搬送アームのピック面上に被処理体を支持する突起部よりも摩擦係数の大きい樹脂またはゴムを用いると共に、第2の搬送アームのピック面上に被処理体を支持する突起部の材質として第1の搬送アームのピック面上に被処理体を支持する突起部よりも耐熱温度の高いセラミックスを用いる搬送装置が記載されている。この装置では、第1の搬送アームのピック面上に被処理体を支持する突起部の耐熱温度以下の温度の被処理体を搬送する場合には第1の搬送アームを用い、第1の搬送アームのピック面上に被処理体を支持する突起部の耐熱温度よりも高温の被処理体を搬送する場合には第2の搬送アームを用いて被処理体を搬送する。そして、第1の搬送アームによる被処理体の搬送速度を第2の搬送アームによる被処理体の搬送速度よりも高速にすることにより被処理体の搬送スループットを向上している。
特開2004−119635号公報 特開2007−67345号公報 特開2009−111393号公報 特開平4−245661号公報 特開2011−205044号公報
しかしながら、特許文献5に記載の装置では、高温処理により加熱された被処理体を保持することができるのは第1の搬送アームのみであり、高温処理により加熱された二つの被処理体を2つの搬送アームで同時に保持することは困難である。このため、この装置を用いて高温処理により加熱された2つの被処理体を搬送する場合には、第1の搬送アームを用いて1枚ずつ被処理体を搬送させる必要がある。したがって、特許文献5に記載の装置では、例えば被処理体が並列搬送される場合等、高温処理により加熱された複数の被処理体を同時に搬送することが必要な状況下においては被処理体の搬送スループットが低下してしまうことなる。
したがって、本技術分野においては、被処理体の搬送スループットを向上することができるピック、搬送装置、処理装置及び搬送方法が要請されている。
本発明の一側面に係るピックは、搬送アームに接続可能な基端部を有するベース部と、被処理体を下方から保持する複数の突起部であり、前記ベース部の一面上に設けられた該複数の突起部と、を備え、前記複数の突起部は、複数の第一の突起部と一以上の第二の突起部とを含み、前記複数の第一の突起部は、前記一以上の第二の突起部の材料の耐熱性よりも高い耐熱性を有する材料から構成されており、前記一以上の第二の突起部は、前記複数の第一の突起部の材料の摩擦係数よりも大きい摩擦係数を有する材料から構成されており、前記複数の第一の突起部は、前記被処理体を保持するための第一の保持部を構成し、前記複数の第一の突起部の一部と前記一以上の第二の突起部とは、前記第一の保持部により前記被処理体を保持する領域から偏位した領域で前記被処理体を保持するための第二の保持部を構成する。
本発明の一側面に係るピックでは、前記第一の保持部は、高耐熱性を有する前記複数の第一の突起部により構成されているので高温処理により加熱された被処理体を保持することができる。前記第二の保持部は、摩擦係数の高い前記一以上の第二の突起部を含む複数の突起部により構成されるので被処理体を高い保持力で保持することができる。したがって、本ピックを用いて被処理体を搬送することにより、高温処理により加熱された被処理体を前記第一の保持部により保持して搬送することができると共に、高温処理が行われていない被処理体を前記第二の保持部により保持して高い搬送速度で搬送することができる。また、本ピックは、高温の被処理体の搬送及び低温の被処理体の搬送の双方に利用可能である。したがって、本発明の一側面に係るピックによれば、被処理体の搬送スループットを向上することができる。
一形態のピックでは、前記一以上の第二の突起部が、前記複数の第一の突起部よりも前記ベース部の前記基端部側に設けられていてもよい。被処理体を搬送する際には、被処理体からピックに伝わる熱がピックの前記基端部から搬送アームに伝導されるので、ピックには前記基端部側に近づくほど温度が低くなるような温度分布が生じる。したがって、前記一以上の第二の突起部が前記ベース部の前記基端部側に配置されることにより、前記一以上の第二の突起部が熱によって損傷することを防止することができる。
一形態のピックでは、前記複数の第一の突起部の上端の高さ位置は、互いに同一であり、前記一以上の第二の突起部の上端の高さ位置は、前記複数の第一の突起部の上端の高さ位置よりも高くてもよい。この形態のピックによれば、前記第二の保持部により被処理体が保持される際に、当該被処理体が前記第一の突起部の前記一部と前記一以上の第二の突起部とにより保持されるので、前記第一の突起部の前記一部と前記一以上の第二の突起部の間に位置する前記第一の突起部の前記他の一部に当該被処理体が接触することが防止される。これにより、被処理体から前記一以上の第二の突起部への荷重の伝達が阻害されることがなくなり、被処理体の保持力が低下することを防止することができる。したがって、被処理体を高い保持力で保持することができる。
一形態のピックでは、前記複数の第一の突起部の前記一部は、前記複数の第一の突起部の他の一部が設けられた領域よりも前記一以上の第二の突起部から離れた領域に設けられており、前記複数の第一の突起部の前記他の一部の上端の高さ位置は、前記複数の第一の突起部の前記一部の上端の高さ位置、及び前記一以上の第二の突起部の上端の高さ位置よりも低くなっていてもよい。この形態のピックによれば、前記第二の保持部により被処理体が保持される際に、当該被処理体が前記第一の突起部の前記一部と前記一以上の第二の突起部とにより保持されるので、前記第一の突起部の前記一部と前記一以上の第二の突起部の間に位置する前記第一の突起部の前記他の一部に当該被処理体が接触することが防止される。これにより、被処理体から前記一以上の第二の突起部への荷重の伝達が阻害されることがなくなり、被処理体の保持力が低下することを防止することができる。したがって、被処理体を高い保持力で保持することができる。
一形態のピックでは、前記ベース部の材料の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する材料から構成された放熱部を更に備え、前記放熱部が前記一以上の第二の突起部と前記基端部との間において延在していてもよい。この形態によれば、前記一以上の第二の突起部に加わり得る熱を効率良く放熱することが可能となる。したがって、前記一以上の第二の突起部が熱によって損傷することをより効果的に防止することが可能である。
一形態のピックでは、前記ベース部が、前記複数の第一の突起部と同一の材料から形成されていてもよい。この形態によれば、高温処理により加熱された被処理体から伝わる熱により前記ベース部が損傷することを防止することができる。
一形態のピックでは、前記複数の第一の突起部が、セラミックにより構成され、前記一以上の第二の突起部が、エラストマーにより構成されていてもよい。この形態によれば、同一面上に、高い耐熱性を有する前記複数の第一の突起部を形成することができると共に、大きな摩擦係数を有する前記一以上の第二の突起部を形成することができる。
本発明の別の一側面に係る搬送装置は、上述したピックが接続された第1の搬送アームと、前記第1の搬送アームに接続されたピックと同じピック、又は、上述した別のピックが接続された第2の搬送アームと、を備え、前記第1の搬送アーム及び前記第2の搬送アームは、互いに連動して鉛直軸線周りに回転する。この搬送装置は、高温処理により加熱された被処理体を前記第1の搬送アーム及び前記第2の搬送アームの前記第一の保持部により保持して搬送することができると共に、高温処理が行われていない被処理体を前記第1の搬送アーム及び前記第2の搬送アームの前記第二の保持部により保持して高い搬送速度で搬送することができる。また、この搬送装置のピックは、高温の被処理体の搬送及び低温の被処理体の搬送の双方に利用可能である。したがって、この搬送装置によれば、被処理体の搬送スループットを向上することができる。
本発明の更に別の一側面に係る処理装置は、上述の搬送装置を収容する筐体と、前記筐体に連結される複数の処理室と、前記筐体に連結される複数の予備減圧室と、を備える。この処理装置は、被処理体の搬送スループットを向上することができる。したがって、高いスループットで被処理体を処理することができる。
本発明の一側面に係る搬送方法は、上述の処理装置における被処理体の搬送方法であって、前記複数の処理室のうち所定の温度よりも高温で処理を行う第一の処理室から被処理体を取り出すときに、前記第1の搬送アーム又は前記第2の搬送アームにおける前記第一の保持部により該被処理体を保持した状態で該被処理体を搬送し、前記複数の処理室のうち所定の温度以下の温度で処理を行う第二の処理室、又は前記複数の予備減圧室から被処理体を取り出すときに、前記第1の搬送アーム又は前記第2の搬送アームにおける前記第二の保持部により該被処理体を保持した状態で該被処理体を搬送する。この方法によれば、被処理体の搬送スループットを向上することができる。
一形態の搬送方法では、前記第1の搬送アーム又は前記第2の搬送アームが前記第一の保持部により被処理体を保持しているときに、前記第1の搬送アーム及び前記第2の搬送アームは第一の速度で被処理体を搬送し、前記第1の搬送アーム及び前記第2の搬送アームが前記第二の保持部により被処理体を保持しているとき、又は、前記第1の搬送アーム及び前記第2の搬送アームの一方が前記第二の保持部により被処理体を保持し、且つ前記第1の搬送アーム及び前記第2の搬送アームの他方が被処理体を保持していないときに、前記第1の搬送アーム及び前記第2の搬送アームは前記第一の速度よりも速い第二の速度で被処理体を搬送してもよい。この形態の処理方法によれば、別の搬送アームに保持される被処理体の位置ずれを防止しつつ、被処理体の搬送スループットを向上することができる。
以上説明したように、本発明の種々の側面及び種々の形態によれば、被処理体の搬送スループットを向上することができるピック、搬送装置、処理装置及び搬送方法が提供される。
一実施形態に係る処理装置の上面図である。 一実施形態に係る搬送アームの上面図である。 図2のIII−III線に沿った断面図である。 一実施形態に係る搬送方法を示すフロー図である。 第一の保持部により被処理体を保持する搬送アームを示す上面図である。 第二の保持部により被処理体を保持する搬送アームを示す上面図である。 一実施形態に係る搬送方法による被処理体Wの搬送例を示す上面図である。 一実施形態に係る搬送方法による被処理体Wの搬送例を示す上面図である。 一実施形態に係る搬送方法による被処理体Wの搬送例を示す上面図である。 一実施形態に係る搬送方法による被処理体Wの搬送例を示す上面図である。 変形例に係るピックを示す上面図である。 変形例に係るピックを示す上面図である。 変形例に係るピックを示す断面図である。
以下、図面を参照して種々の実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
まず、一実施形態に係る処理装置について説明する。図1は、一実施形態に係る処理装置を上方から見た平面図である。なお、以下の説明は、ローダモジュールに接続している複数の載置台の並び方向をX方向、処理装置の通常の使用状態における高さ方向をZ方向、Z方向及びX方向に交差又は直交する方向をY方向として、記述されている。
図1に示す処理装置100は、被処理体Wに複数の処理を行うための装置である。処理装置100は、載置台102a〜102d、収容容器104a〜104d、ローダモジュールLM、ロードロックチャンバ(予備減圧室)LL1及びLL2、プロセスモジュール(処理室)PM11,PM12,PM13,PM21,PM22及びPM23、並びに、トランスファーチャンバ(筐体)110を備えている。プロセスモジュールPM11,PM12,PM13,PM21,PM22及びPM23は、トランスファーチャンバ110に接続されている。
載置台102a〜102dは、ローダモジュールLMのY方向における一方側の縁部に沿ってX方向に配列されている。載置台102a〜102d上にはそれぞれ、収容容器104a〜104dが載置されている。収容容器104a〜104dの内部には被処理体Wが収容される。
ローダモジュールLMは、一実施形態においては、Y方向よりもX方向において長尺の略箱形状を有している。ローダモジュールLMは、大気圧状態の搬送空間をその内部に画成するチャンバ壁を有している。ローダモジュールLMは、この搬送空間に搬送ユニットTUを有している。ローダモジュールLMの搬送ユニットTUは、収容容器104a〜104dの何れかから被処理体Wを取り出し、取り出した被処理体WをロードロックチャンバLL1及びLL2の何れかに搬送する。一実施形態においては、ローダモジュールLMの搬送ユニットTUは、X方向に移動し得る。
ロードロックチャンバLL1及びLL2は、ローダモジュールLMのY方向の他方側の縁部に沿ってX方向に配列されている。また、ローダモジュールLMのY方向の他方側には、トランスファーチャンバ110が設けられている。図1に示すように、ロードロックチャンバLL1及びLL2は、ローダモジュールLMとトランスファーチャンバ110との間に設けられている。
ロードロックチャンバLL1及びLL2は、ローダモジュールLMから搬送された被処理体Wを、その内部の搬送空間が減圧又は真空状態に置かれるトランスファーチャンバ110に移す前の予備減圧室として利用される。ロードロックチャンバLL1とローダモジュールLMとの間、ロードロックチャンバLL1とトランスファーチャンバ110との間、ロードロックチャンバLL2とローダモジュールLMとの間、ロードロックチャンバLL2とトランスファーチャンバ110との間のそれぞれには、開閉可能なゲートバルブが設けられている。
トランスファーチャンバ110は、一実施形態においては、多角形の箱形をなし、その内部に減圧可能な搬送空間Sを画成している。搬送空間Sには、一実施形態の搬送装置10が配置されている。搬送装置10は、搬送アーム10a及び10b(第1の搬送アーム、第2の搬送アーム)を備えている。搬送アーム10a及び10bは、アーム軸12a及び12bにより軸支されている。アーム軸12a及び12bは、それぞれ搬送アーム10a,10bの基端を鉛直軸線周りに回転可能に支持している。搬送アーム10a及び10bとしては、例えば、多関節アームが用いられ、一実施形態では、搬送装置10は、搬送アーム10a及び搬送アーム10bが互いに連動して鉛直軸線周りに回転する、リンク式の搬送アームや回転軸が共通な多関節独立式アームを備えていてもよい。
図2は、図1に示す搬送アーム10aの上面図である。なお、以下では、搬送アーム10aについて説明するが、搬送アーム10bも搬送アーム10aと同様の構造を有する。搬送アーム10aは、屈伸部14を有するアーム部16を備える多関節アームであり、その先端に被処理体Wを載置するピック50が接続されている。搬送アーム10aは、屈伸部14を屈伸させることによってアーム軸12aを中心に径方向(水平方向)へ伸縮する。
搬送装置10は、搬送アーム10a,10bに接続された駆動部18を含み得る(図1参照)。駆動部18は、トランスファーチャンバ110の外部に設けられた制御部20からの制御信号に基づいて、搬送アーム10a,10bを水平方向に移動させるための駆動力を搬送アーム10a,10bに付与する。駆動部18として例えばステッピングモータが利用される。制御部20は、予め設定された処理装置100による被処理体Wの処理条件を記憶している。この処理条件は、プロセスモジュールPM11,PM12,PM13,PM21,PM22及びPM23における被処理体Wの処理温度、及び被処理体の搬送経路を含んでいる。制御部20は、被処理体Wの処理条件に基づいて、搬送アームの水平方向の伸縮量、及び鉛直軸周りの回転速度を決定し、決定された伸縮量及び回転速度で搬送アーム10a,10bを動作させるための制御信号を駆動部18に出力する。
次に、図2を参照して一実施形態に係るピックについて説明する。ピック50は、ベース部52、第一の突起部54a〜54d及び第二の突起部56a,56bを備えている。ベース部52は、一対の主面を有し、平面視においてU字状をなしている。ベース部52は、先端部58a及び基端部58bを有している。基端部58bには、搬送アーム10a,10bのアーム部16が接続されている。ベース部52は、例えばセラミック等の高耐熱性を有する材料から構成されている。
ベース部52の一面上には、第一の突起部54a〜54d及び第二の突起部56a,56bが設けられている。第一の突起部54a〜54d及び第二の突起部56a,56bは、被処理体を下方から支持するための保持部として機能する。第一の突起部54a〜54dは、例えばアルミナ等のセラミック材料から構成されており、第二の突起部56a,56bの耐熱性よりも高い耐熱性を有している。第二の突起部56a,56bは、エラストマー系の材料から構成されており、第一の突起部54a〜54dの摩擦係数よりも大きな摩擦係数を有している。エラストマー系の材料としては、例えばフッ素系ゴム等の高分子材料を用いることができる。例えば第二の突起部56a,56bの材料としてフッ素系ゴムを用いた場合には、第二の突起部56a,56bの耐熱温度は250℃程度となる。
次に、図2及び図3を参照して、第一の突起部54a〜54d及び第二の突起部56a,56bの配置について説明する。図3は、図2のIII−III線に沿ったピック50の断面図である。
ベース部52は、互いに平行に延びる第一の部分52a及び第二の部分52bと、第一の部分52a及び第二の部分52bを基端部58b側で連結する第三の部分52cとを含んでいる。第一の部分52a上には、第一の突起部54a及び54cが形成されている。第一の突起部54cは、第一の突起部54aよりも基端部58b側に設けられている。また、第二の部分52b上には、第一の突起部54b及び54dが形成されている。第一の突起部54dは、第一の突起部54bよりも基端部58b側に設けられている。即ち、複数の第一の突起部の一部である突起部54a,54bは、複数の第一の突起部の他の一部である突起部54c,54dが設けられた領域よりも、第二の突起部56a,56bから離れた領域に設けられている。
第三の部分52c上には、第二の突起部56a,56bが形成されている。即ち、第二の突起部56a,56bは、第一の突起部54a〜54dよりも基端部58b側に設けられている。一実施形態では、第一の突起部54a,54b、第一の突起部54c,54d、及び第二の突起部56a,56bは、ピック50の幅方向中心線に対して線対称となる位置に配置され得る。
また、一実施形態では、図3(a),(b)に示すように、第一の突起部54a〜54dの上端の高さ位置は互いに同一とされる。第二の突起部56a,56bの上端の高さ位置は、第一の突起部54a〜54dの上端の高さ位置よりも高い。なお、高さ位置とは、これら複数の突起部が形成されたベース部52の一面の法線方向において当該一面を基準とした位置として定義され得る。
第一の突起部54a〜54dは、被処理体Wを保持するための第一の保持部HS1を構成する。以下、第一の保持部HS1により被処理体Wが保持される領域を第一の保持領域HA1と称する。即ち、第一の保持部HS1を構成する第一の突起部54a〜54dは、それぞれの上端で被処理体Wを下方から支持することにより、第一の保持領域HA1において被処理体Wを保持する。図2に示すように、上方からの平面視においては、第一の保持領域HA1内に第一の突起部54a〜54dが配置されている。なお、図3(a)に示すように、第一の突起部54a〜54dの上端の高さ位置は互いに同一であるので、被処理体Wは第一の突起部54a〜54dにより略水平に保持される。
また、少なくとも第一の突起部54a,54b及び第二の突起部56a,56bは、被処理体Wを保持するための第二の保持部HS2を構成する。第二の保持部HS2は、第一の保持領域HA1から偏位した領域で被処理体Wを保持する。以下、第二の保持部HS2により被処理体Wが保持される領域を第二の保持領域HA2と称する。この第二の保持領域HA2は、平面視において第一の保持領域HA1と部分的に重複している。第二の保持部HS2を構成する第一の突起部54a,54b及び第二の突起部56a,56bは、それぞれの上端で被処理体Wを下方から支持することにより、第二の保持領域HA2において被処理体Wを保持する。上方からの平面視においては、第二の保持領域HA2内に第一の突起部54a〜54d及び第二の突起部56a,56bが配置される。なお、図3(b)に示すように、第二の突起部56a,56bの上端の高さ位置は第一の突起部54a〜54dの上端の高さ位置よりも高いので、被処理体Wは、第一の突起部54a,54b及び第二の突起部56a,56bにより、基端部58b側から先端部58aに向かうにつれて低くなるように傾斜された状態で保持される。
また、一実施形態では、ピック50は放熱部60を更に備え得る。放熱部60は、第二の突起部56a,56bと基端部58bとの間にそれぞれ設けられている。放熱部60は、ベース部の材料よりも熱伝導率の高い材料により構成される。放熱部60は、被処理体Wからピック50に伝わった熱を外部に輻射すると共に、アーム部16に伝えることによりピック50の熱を放熱する。放熱部60の材料としては、例えばアルミニウムやカーボン系材料を用いることができる。
図1の説明に戻り、搬送装置10は、減圧可能な搬送空間S内において被処理体WをプロセスモジュールPM11,PM12,PM13,PM21,PM22,PM23の何れかに搬送する。トランスファーチャンバ110とプロセスモジュールPM11,PM12,PM13,PM21,PM22,PM23それぞれとの間には、開閉可能なゲートバルブが設けられている。
プロセスモジュールPM11,PM12,PM13は、トランスファーチャンバ110のX方向における一方側の縁部に沿ってY方向に配列されている。また、プロセスモジュールPM21,PM22,PM23は、トランスファーチャンバ110のX方向における他方側の縁部に沿ってY方向に配列されている。プロセスモジュールPM11,PM12,PM13,PM21,PM22,PM23は、それらの内部に収容した被処理体Wを処理する。プロセスモジュールによる処理には、例えば、エッチング、成膜、アッシング、スパッタ成膜、化学的酸化物除去等の処理が含まれる。
図1に示す実施形態の処理装置100では、収容容器104a〜104dの何れかに収容されている被処理体Wは、ローダモジュールLM、ロードロックチャンバLL1又はLL2、及び、搬送装置10を介して、プロセスモジュールPM11,PM12,PM13,PM21,PM22,PM23の何れかに搬送され、搬送先のプロセスモジュールにおいて処理される。搬送先のプロセスモジュールにおいて処理された被処理体Wは、搬送装置10、及び、ロードロックチャンバLL1又はLL2を介して、ローダモジュールLMに戻される。
次に、図4を参照し、一実施形態に係る搬送方法について説明する。図4は、搬送装置10がリンク式の搬送アームを備えている場合における、一実施形態に係る搬送方法を示すフロー図である。このフロー図は、搬送アーム10a及び10bの内、一方の搬送アーム10aに着目した被処理体Wの搬送方法を示している。一実施形態に係る搬送方法では、まず工程S1において制御部20が搬送アーム10aによる被処理体Wの搬送先のプロセスモジュールの処理温度を取得する。次に、工程S2において、制御部20が、当該プロセスモジュールの処理温度が所定の温度以下であるか否かを判定する。ここで、所定の温度としては、例えば第二の突起部56a,56bの材料の耐熱温度とすることができる。
工程S2において被処理体Wの処理温度が所定の温度よりも高いと判定された場合には、工程S3において制御部20が、ピック50の第一の保持部HS1により被処理体Wを保持するように搬送アーム10aを制御する。具体的には、制御部20は、図5に示すように、被処理体Wの位置が第一の保持領域HA1に一致するよう、アーム軸12aからピック50の先端部58aまでの距離を距離L1に調整する。続いて、工程S4において、制御部20が、搬送アーム10aの先端を水平方向に移動させることにより、被処理体Wを第一の保持部HS1により保持した状態で、被処理体Wを第一の速度で目標位置に搬送する。
一方、工程S2において被処理体Wの処理温度が所定の温度以下である場合には、工程S5において制御部20が、ピック50の第二の保持部HS2により被処理体Wを保持するように搬送アーム10aを制御する。具体的には、制御部20は、図6に示すように、被処理体Wの位置が第二の保持領域HA2に一致するよう、アーム軸12aからピック50の先端部58aまでの距離を距離L2に調整する。一実施形態では、この距離L2は、距離L1よりも長い距離である。
工程S5において搬送アーム10aにより第二の保持領域HA2で被処理体Wが保持されると、続いて工程S6において、制御部20は、他方の搬送アームである搬送アーム10bが被処理体Wを第一の保持部HS1で保持しているか否かを判定する。搬送アーム10bが被処理体Wを第一の保持部HS1で保持していないと判定された場合、即ち、搬送アーム10a及び搬送アーム10bが第二の保持部HS2により被処理体Wを保持しているとき、又は、搬送アーム10aが第二の保持部HS2により被処理体Wを保持し、且つ搬送アーム10bが被処理体Wを保持していないときには、工程S7において、制御部20が、搬送アーム10aの先端を水平方向に移動させることにより、被処理体Wを第一の速度よりも速い第二の速度で目標位置に搬送する。
一方、工程S6において、搬送アーム10bが被処理体Wを第一の保持部HS1で保持していると判定された場合には、工程S8において制御部20が、搬送アーム10aの第二の保持部HS2により被処理体Wを保持した状態で、被処理体Wを第一の速度で目標位置に搬送する。このように、他方の搬送アーム10bが第一の保持部HS1で被処理体Wを保持している場合には、一方の搬送アーム10aで被処理体Wを低速で搬送する。これにより、一方の搬送アーム10aと連動して動作する他方の搬送アーム10bが高速に動作して、他方の搬送アーム10b上の被処理体Wに位置ずれが生じることが防止される。
次に、図7〜10を参照し、処理装置100を用いて被処理体Wを搬送する一実施形態に係る搬送方法を具体的な一例を挙げて説明する。本例で用いる処理装置100により行われる処理は次のようなものとする。ロードロックチャンバLL1に載置された被処理体WをプロセスモジュールPM11,PM12,PM13の順で搬送すると共に、ロードロックチャンバLL2に載置された被処理体WをプロセスモジュールPM21,PM22,PM23の順で搬送する。プロセスモジュールPM11,PM21は、被処理体Wの自然酸化膜を化学的に除去する処理を行う。この自然酸化膜の除去処理は、第二の突起部56a,56bの材料の耐熱温度よりも低い温度で実施される低温処理である。プロセスモジュールPM12,PM22は、自然酸化膜が除去された被処理体Wの表面にCVD法などを用いて金属薄膜の成膜処理を行う。プロセスモジュールPM13,PM23は、プロセスモジュールPM12,PM22により金属薄膜が形成された被処理体Wの表面にCVD法などを用いて別の金属薄膜の成膜処理を行う。プロセスモジュールPM12,PM13,PM22,PM23で行われる成膜処理は、第二の突起部56a,56bの材料の耐熱温度よりも高い温度(例えば、700℃)で実施される高温処理である。
この場合、図7に示すように、まず搬送アーム10a,10bのピック50がゲートバルブを介してロードロックチャンバLL1,LL2内に挿入され、搬送アーム10a,10bのピック50によりロードロックチャンバLL1,LL2内の被処理体Wが保持される。この際、ロードロックチャンバLL1,LL2内では被処理体Wは加熱されていないので、被処理体Wは搬送アーム10a,10bのピック50の第二の保持部HS2により保持される。その後、ロードロックチャンバLL1内の被処理体Wは、搬送アーム10aによりロードロックチャンバLL1から取り出され、相対的に高速な第二の速度でプロセスモジュールPM11内に搬送される。また、ロードロックチャンバLL2内の被処理体Wは、搬送アーム10bによりロードロックチャンバLL2から取り出され、相対的に高速な第二の速度でプロセスモジュールPM21内に搬送される。
プロセスモジュールPM11,PM21において被処理体Wの自然酸化膜の除去処理が終了すると、図8に示すように、搬送アーム10a,10bのピック50がゲートバルブを介してプロセスモジュールPM11,PM21内に挿入され、搬送アーム10a,10bのピック50によりプロセスモジュールPM11,PM21内の被処理体Wが保持される。この際、プロセスモジュールPM11,PM21による自然酸化膜の除去処理は低温処理であるので、被処理体Wは搬送アーム10a,10bのピック50の第二の保持部HS2により保持される。その後、プロセスモジュールPM11内の被処理体Wは、搬送アーム10aによりプロセスモジュールPM11から取り出され、相対的に高速な第二の速度でプロセスモジュールPM12内に搬送される。また、プロセスモジュールPM21内の被処理体Wは、搬送アーム10bによりプロセスモジュールPM21から取り出され、相対的に高速な第二の速度でプロセスモジュールPM22内に搬送される。
プロセスモジュールPM12,PM22において金属薄膜の成膜処理が終了すると、図9に示すように、搬送アーム10a,10bのピック50がゲートバルブを介してプロセスモジュールPM12,PM22内に挿入され、搬送アーム10a,10bのピック50によりプロセスモジュールPM12,PM22内の被処理体Wが保持される。この際、プロセスモジュールPM12,PM22による金属薄膜の成膜処理は高温処理であるので、被処理体Wは高温の被処理体Wを保持可能なピック50の第一の保持部HS1により保持される。その後、プロセスモジュールPM12内の被処理体Wは、搬送アーム10aによりプロセスモジュールPM12から取り出され、相対的に低速な第一の速度でプロセスモジュールPM13内に搬送される。また、プロセスモジュールPM22内の被処理体Wは、搬送アーム10bによりプロセスモジュールPM22から取り出され、相対的に低速な第一の速度でプロセスモジュールPM23内に搬送される。
プロセスモジュールPM13,PM23において別の金属薄膜の成膜処理が終了すると、図10に示すように、搬送アーム10a,10bの先端がゲートバルブを介してプロセスモジュールPM13,PM23内に挿入され、搬送アーム10a,10bのピック50によりプロセスモジュールPM13,PM23内の被処理体Wが保持される。この際、プロセスモジュールPM13,PM23による別の金属薄膜の成膜処理は高温処理であるので、被処理体Wは高温の被処理体Wを保持可能なピック50の第一の保持部HS1により保持される。その後、プロセスモジュールPM13内の被処理体Wは、搬送アーム10aによりプロセスモジュールPM13から取り出され、相対的に低速な第一の速度でロードロックチャンバLL1内に搬送される。また、プロセスモジュールPM23内の被処理体Wは、搬送アーム10bによりプロセスモジュールPM23から取り出され、相対的に低速な第一の速度でロードロックチャンバLL2内に搬送される。
以上説明したピック50では、高耐熱性を有する第一の突起部54a〜54d及び摩擦係数の大きな第二の突起部56a,56bがベース部52の一面上に設けられている。そして、第一の突起部54a〜54dが、被処理体Wを保持するための第一の保持部HS1を構成し、第一の突起部54a,54b及び第二の突起部56a,56bが、第一の保持部HS1により被処理体を保持する領域から偏位した領域で被処理体を保持するための第二の保持部HS2を構成している。第一の保持部HS1は、高耐熱性を有する第一の突起部54a〜54dにより構成されているので高温処理により加熱された被処理体Wを保持することができる。第二の保持部HS2は、摩擦係数の高い第二の突起部56a,56bを含む突起部により構成されるので被処理体Wを高い保持力で保持することができる。したがって、本ピックを用いて被処理体Wを搬送することにより、高温処理により加熱された被処理体Wを第一の保持部HS1により保持して搬送することができると共に、高温処理が行われていない被処理体Wを第二の保持部HS2により保持して高い搬送速度で搬送することができる。また、一つのピック50を、高温の被処理体Wの搬送及び低温の被処理体Wの搬送の双方に利用可能である。したがって、ピック50によれば、被処理体Wの搬送スループットを向上することができる。
また、被処理体Wを搬送する際には、被処理体Wからピック50に伝わる熱がピックの基端部から搬送アーム10a,10bに拡散されるので、ピックには基端部58b側に近づくほど温度が低くなるような温度分布が生じる。しかしながら、ピック50においては、第二の突起部56a,56bが、第一の突起部54a〜54dよりもベース部52の基端部58b側の位置に設けられているので、第二の突起部56a,56bが熱によって損傷することが防止される。
また、ピック50では、第一の突起部54a〜54dの上端の高さ位置は、互いに同一であり、第二の突起部56a,56bの上端の高さ位置は第一の突起部54a〜54dの上端の高さ位置よりも高くなるように構成されている。被処理体Wを第二の保持部HS2で保持する際に、被処理体Wが第一の突起部54c,54dに接触することが防止される。これにより、被処理体Wから第二の突起部56a,56bへの荷重の伝達が阻害されることがなくなり、被処理体Wの保持力が低下することを防止することができる。
また、第二の突起部56a,56bと基端部58bとの間に延びる放熱部60が設けられているので、第二の突起部56a,56bに加わり得る熱を効率良く放熱することが可能である。したがって、第二の突起部56a,56bが熱によって損傷することをより効果的に防止することが可能である。
また、ピック50は、第一の突起部54a〜54dが、セラミックにより構成され、第二の突起部56a,56bが、エラストマーにより構成されているので、第一の突起部54a〜54dの耐熱性を高くし、第二の突起部56a,56bの摩擦係数を大きなものとすることができる。また、ベース部52が、第一の突起部54a〜54dと同一の材料であるセラミックにより形成されているので、被処理体Wから伝わる熱によりベース部52が損傷することを防止することができる。
また、搬送装置10は、かかるピック50を備えているので、高温処理により加熱された被処理体Wを第一の保持部HS1により保持して搬送することができると共に、高温処理が行われていない被処理体Wを第二の保持部HS2により保持して高い搬送速度で搬送することができる。また、搬送装置10は、単一のピックを、高温の被処理体の搬送及び低温の被処理体の搬送の双方に利用可能である。したがって、搬送装置10によれば、被処理体Wの搬送スループットを向上することができる。
また、処理装置100は、搬送装置10を収容するトランスファーチャンバ110と、トランスファーチャンバ110に連結されるプロセスモジュールPM11,PM12,PM13,PM21,PM22及びPM23と、ロードロックチャンバLL1及びLL2と、を備えている。かかる処理装置100によれば、被処理体Wの搬送スループットを向上することができる。したがって、処理装置100によれば、高いスループットで被処理体Wを処理することができる。
また、上述した実施形態に係る処理方法では、所定の温度より高温で処理を行うプロセスモジュールPM12,PM13,PM22及びPM23から被処理体Wを取り出す場合には、第一の保持部HS1により被処理体Wを保持して該被処理体Wを搬送する。また、所定の温度以下の低温で処理を行うプロセスモジュールPM11,PM21、及び予備減圧を行うロードロックチャンバLL1,LL2から被処理体Wを取り出す場合には、第二の保持部HS2により被処理体Wを保持して該被処理体Wを搬送する。これにより、被処理体Wの搬送スループットを向上することができる。
また、上述した実施形態に係る処理方法では、搬送アーム10aが第一の保持部HS1で被処理体Wを保持している場合には相対的に低速な第一の速度で被処理体Wを搬送する。これに対し、搬送アーム10aが第二の保持部HS2により被処理体Wを保持し、且つ搬送アーム10bが第二の保持部HS2により被処理体Wを保持しているとき、又は搬送アーム10aが第二の保持部HS2により被処理体Wを保持し、且つ搬送アーム10bが被処理体Wを保持していないときに、搬送アーム10aは相対的に速い第二の速度で被処理体Wを搬送する。この処理方法によれば、搬送アーム10bに保持される被処理体Wの位置ずれを防止しつつ、被処理体Wの搬送スループットを向上することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることなく種々の変形態様を構成可能である。例えば上記実施形態では、ピック50に4個の第一の突起部54a〜54dが形成されているが、第一の突起部の数は5個以上であってもよいし、3個であってもよい。また、第二の突起部の数は2個に限定されず、ピック50は、一以上であれば任意の数の第二の突起部を備えることができる。一例としては、図11に示すように、ベース部52の第三の部分52cにおける第二の保持領域HA2の周縁部に沿った位置に複数の第二の突起部56を形成してもよい。また、別の一例としては、図12に示すように、ベース部52の第三の部分52cにおける第二の保持領域HA2の周縁部に沿った位置に扇形状の第二の突起部56を形成してもよい。
また、上記実施形態では、第一の突起部54a〜54dの上端の高さ位置が互いに同一とされ、第二の突起部56a,56bの上端の高さ位置が、第一の突起部54a〜54dの上端の高さ位置よりも高いものとされているが、一実施形態では、図13に示すように、第一の突起部54c及び54dは、その上端の高さ位置が、第一の突起部54a及び54cの上端の高さ位置、及び第二の突起部56a,56bの上端の高さ位置よりも低くなるように形成されていてもよい。この場合、第一の突起部54a及び54cの上端の高さ位置と第二の突起部56a,56bの上端の高さ位置は、同一としてもよい。このような形態では、図13(a)に示すように、第一の保持領域HA1において基端部58b側から先端部58aに向かうにつれて高くなるように傾斜された状態で被処理体Wが第一の突起部54a〜54dにより保持される。また、図13(b)に示すように、第二の保持領域HA2において被処理体Wが第一の突起部54a,54b及び第二の突起部56a,56bにより水平に支持される。
10…搬送装置、10a,10b…搬送アーム、12a…アーム軸、14…屈伸部、16…アーム部、18…駆動部、20…制御部、50…ピック、52…ベース部、54a,54b,54c,54d…第一の突起部、56a,56b…第二の突起部、58b…基端部、60…放熱部、100…処理装置、110…トランスファーチャンバ、HA1…第一の保持領域、HA2…第二の保持領域、HS1…第一の保持部、HS2…第二の保持部、LL1,LL2…ロードロックチャンバ、LM…ローダモジュール、PM11,PM12,PM13,PM21,PM22,PM23…プロセスモジュール、S…搬送空間、TU…搬送ユニット、W…被処理体。

Claims (11)

  1. 搬送アームに接続可能な基端部を有するベース部と、
    被処理体を下方から保持する複数の突起部であり、前記ベース部の一面上に設けられた該複数の突起部と、
    を備え、
    前記複数の突起部は、複数の第一の突起部と一以上の第二の突起部とを含み、
    前記複数の第一の突起部は、前記一以上の第二の突起部の材料の耐熱性よりも高い耐熱性を有する材料から構成されており、
    前記一以上の第二の突起部は、前記複数の第一の突起部の材料の摩擦係数よりも大きい摩擦係数を有する材料から構成されており、
    前記複数の第一の突起部は、前記被処理体を保持するための第一の保持部を構成し、前記複数の第一の突起部の一部と前記一以上の第二の突起部とは、前記第一の保持部により前記被処理体を保持する領域から偏位した領域で前記被処理体を保持するための第二の保持部を構成する、
    ピック。
  2. 前記一以上の第二の突起部が、前記複数の第一の突起部よりも前記ベース部の前記基端部側に設けられている、請求項1に記載のピック。
  3. 前記複数の第一の突起部の上端の高さ位置は、互いに同一であり、
    前記一以上の第二の突起部の上端の高さ位置は、前記複数の第一の突起部の上端の高さ位置よりも高い、
    請求項2に記載のピック。
  4. 前記複数の第一の突起部の前記一部は、前記複数の第一の突起部の他の一部が設けられた領域よりも前記一以上の第二の突起部から離れた領域に設けられており、
    前記複数の第一の突起部の前記他の一部の上端の高さ位置は、前記複数の第一の突起部の前記一部の上端の高さ位置、及び前記一以上の第二の突起部の上端の高さ位置よりも低い、
    請求項2に記載のピック。
  5. 前記ベース部の材料の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する材料から構成された放熱部を更に備え、
    前記放熱部が前記一以上の第二の突起部と前記基端部との間において延在している、
    請求項1〜4の何れか一項に記載のピック。
  6. 前記ベース部が、前記複数の第一の突起部と同一の材料から形成されている、請求項1〜5の何れか一項に記載のピック。
  7. 前記複数の第一の突起部が、セラミックにより構成され、
    前記一以上の第二の突起部が、エラストマーにより構成される、請求項1〜6の何れか一項に記載のピック。
  8. 請求項1〜7の何れか一項に記載のピックが接続された第1の搬送アームと、
    前記第1の搬送アームに接続されたピックと同じピック、又は、請求項1〜7の何れか一項に記載の別のピックが接続された第2の搬送アームと、を備え、
    前記第1の搬送アーム及び前記第2の搬送アームは、互いに連動して鉛直軸線周りに回転する、
    搬送装置。
  9. 請求項8に記載の搬送装置を収容する筐体と、
    前記筐体に連結される複数の処理室と、
    前記筐体に連結される複数の予備減圧室と、
    を備える処理装置。
  10. 請求項9に記載の処理装置における被処理体の搬送方法であって、
    前記複数の処理室のうち所定の温度よりも高温で処理を行う第一の処理室から被処理体を取り出すときに、前記第1の搬送アーム又は前記第2の搬送アームにおける前記第一の保持部により該被処理体を保持した状態で該被処理体を搬送し、
    前記複数の処理室のうち所定の温度以下の温度で処理を行う第二の処理室、又は前記複数の予備減圧室から被処理体を取り出すときに、前記第1の搬送アーム又は前記第2の搬送アームにおける前記第二の保持部により該被処理体を保持した状態で該被処理体を搬送する、
    搬送方法。
  11. 前記第1の搬送アーム又は前記第2の搬送アームが前記第一の保持部により被処理体を保持しているときに、前記第1の搬送アーム及び前記第2の搬送アームは第一の速度で被処理体を搬送し、
    前記第1の搬送アーム及び前記第2の搬送アームが前記第二の保持部により被処理体を保持しているとき、又は、前記第1の搬送アーム及び前記第2の搬送アームの一方が前記第二の保持部により被処理体を保持し、且つ前記第1の搬送アーム及び前記第2の搬送アームの他方が被処理体を保持していないときに、前記第1の搬送アーム及び前記第2の搬送アームは前記第一の速度よりも速い第二の速度で被処理体を搬送する、
    請求項10に記載の搬送方法。
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