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JP2015025067A - 耐指紋性を有する硬化被膜を形成可能な光硬化性組成物、その被膜およびその被覆基材 - Google Patents

耐指紋性を有する硬化被膜を形成可能な光硬化性組成物、その被膜およびその被覆基材 Download PDF

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JP2015025067A
JP2015025067A JP2013155499A JP2013155499A JP2015025067A JP 2015025067 A JP2015025067 A JP 2015025067A JP 2013155499 A JP2013155499 A JP 2013155499A JP 2013155499 A JP2013155499 A JP 2013155499A JP 2015025067 A JP2015025067 A JP 2015025067A
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【課題】本発明は、ハードコート性と耐指紋性との両方を兼ね備えた硬化被膜を形成可能な硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。【解決手段】本発明は、ポリブタジエン骨格含有ウレタン(メタ)アクリレート(a)、前記(a)以外の光重合性多官能化合物(b)、および光重合開始剤(c)を有する光硬化性組成物であり、前記光重合性多官能化合物(b)がポリカーボネート骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート(b2)を必須成分とし、前記光重合性多官能化合物(b)(固形分)100重量部に対し前記ポリブタジエン骨格含有ウレタン(メタ)アクリレート(a)(固形分)が0.005〜8重量部である、前記光硬化性組成物。【選択図】なし

Description

本発明は透明基材表面に耐指紋性を付与することができる被膜を形成可能な光硬化性組成物、その被膜、その被覆基材に関する。
光硬化性組成物に耐指紋性を発現させる方法としては主に2種類の方法が知られている。一つは指紋汚れを拭き取りやすくするために、フッ素系やシリコン系材料を使用した撥油型樹脂組成物を用いる方法である。当該組成物は撥油性であるため、これにより得られる被膜に指紋が付着しても濡れ広がらずに弾くため、付着した指紋が拭き取りやすいという利点がある。しかし、付着した指紋が濡れ広がらないため、当たった光が散乱しやすくなり、その結果、指紋汚れが目立ちやすくなるという問題も有している。
これに対して、親油型樹脂組成物は、これにより得られる被膜に指紋が付着しても濡れ広がり、当たった光も散乱しにくく、その結果、指紋が非常に目立ちにくいという利点を有している。しかし、従来の親油型ハードコートでは耐指紋性が良くても、ハードコート性(耐擦傷性)が不足しているという問題を有している。
特許文献1では、樹脂組成物として、ポリジエンベースのウレタンアクリレートと、ポリジエンを含まないウレタンアクリレートとを併用することが検討されている。しかしながら、樹脂組成物中にポリジエンベースのウレタンアクリレートの含有量が多く、ハードコート性が不足している。また、耐指紋性とハードコート性との両立については検討されていない。
特許文献2では、樹脂組成物として、ポリジエンウレタンアクリレートとそれ以外の重合性化合物とを併用することが開示されているが、得られる被膜の耐指紋性などに関する評価検討はされていない。また、評価において鉛筆硬度H以上が高硬度とされているが、それでは充分なハードコート性は得られない。
特許文献3および特許文献4には、被膜表面に凹凸を形成することで毛細管現象を利用し、指紋を見えづらくしたディスプレイ用表面材が記載されている。しかし、そのコーティング剤成分には、ブタジエンベースのウレタンアクリレートとそれ以外のウレタンアクリレートとの併用については記載されていない。
上記のように、従来の親油型ハードコートでは耐指紋性が良くても、ハードコート性(耐擦傷性)が不足しているという問題を有していた。
特許文献5および6には、ポリブタジエン骨格ウレタンアクリレートと汎用ウレタンアクリレートとを含有する塗膜組成物が開示されている。しかし、ポリカーボネート骨格ウレタンアクリレートについては記載されていない。
特開昭63−132979号公報 特開2008−189808号公報 特開2007−58162号公報 特開2008−96781号公報 特開2012−116007号公報 特開2013−1098号公報
本発明は、ハードコート性と耐指紋性との両方を兼ね備えた硬化被膜を形成可能な硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者等は前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、ハードコート性を示す光重合性多官能化合物と、耐指紋性を示すポリブタジエン骨格ウレタン(メタ)アクリレートとを、特定の量比で用いることで、ハードコート性と耐指紋性との両方を兼ね備えた硬化被膜(単に「被膜」ともいう。)を形成可能な硬化性樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明の要旨は以下のとおりである。
[1] ポリブタジエン骨格含有ウレタン(メタ)アクリレート(a)、前記(a)以外の光重合性多官能化合物(b)、および光重合開始剤(c)を有する光硬化性組成物であり、
前記光重合性多官能化合物(b)がポリカーボネート骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート(b2)を必須成分とし、
前記光重合性多官能化合物(b)(固形分)100重量部に対し前記ポリブタジエン骨格含有ウレタン(メタ)アクリレート(a)(固形分)が0.005〜8重量部である、前記光硬化性組成物。
[2] 前記光硬化性組成物からなる硬化被膜が耐指紋性を有する、上記[1]に記載の光硬化性組成物。
[3] 前記光重合性多官能化合物(b)が多官能性(メタ)アクリレートモノマー(b1)をさらに含有する、上記[1]または[2]に記載の光硬化性組成物。
[4] 前記多官能性(メタ)アクリレートモノマー(b1)がジペンタエリスリトールヘキサアクリレートであることを特徴とする、上記[3]に記載の光硬化性組成物。
[5] 前記ポリブタジエン骨格含有ウレタン(メタ)アクリレート(a)の重量平均分子量(Mw)が3,000〜13,000である、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の光硬化性組成物。
[6] 有機または無機微粒子(d)をさらに含有する、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の光硬化性組成物。
[7] 上記[1]〜[6]のいずれかに記載の光硬化性組成物から形成された硬化被膜。
[8] 上記[7]に記載の硬化被膜を基材上に形成した被膜付き基材。
[9] 基材の少なくとも片面に、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の光硬化性組成物を塗装した後、当該塗装面に光照射して該組成物を硬化させ、硬化被膜を形成させることを特徴とする被膜付き基材の製造方法。
[10] 基材の少なくとも片面に、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の光硬化性組成物を塗装した後、当該塗装面に光照射して該組成物を硬化させ、硬化被膜を形成させることによる、透明基材の防汚方法。
[11] 上記[8]に記載の被膜付き基材を備えることを特徴とする画像表示装置。
本発明の光硬化性組成物から得られた硬化被膜は、耐指紋性、ハードコート性、基材フィルムとの密着性、視認性などに優れる。特に、前記光硬化性組成物から得られた硬化被膜は、耐指紋性とハードコート性との両方を兼ね備える。
以下、本発明をより詳細に説明する。
[光硬化性組成物]
本発明の光硬化性組成物は、ポリブタジエン骨格含有ウレタン(メタ)アクリレート(a)、前記(a)以外の光重合性多官能化合物(b)、および光重合開始剤(c)を有し、
前記光重合性多官能化合物(b)はポリカーボネート骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート(b2)を必須成分とし、
前記光重合性多官能化合物(b)(固形分)100重量部に対し前記ポリブタジエン骨格含有ウレタン(メタ)アクリレート(a)(固形分)が0.005〜8重量部であることを特徴とする。
前記固形分とは、硬化被膜形成後に固形分となる成分または乾燥被膜形成成分のことをいい、固形分とは、60℃で3時間、常圧下に静置し、自然乾燥した後に残ったものを意味する。
前記光硬化性組成物から得られる被膜は、耐指紋用途に好適である。
<ポリブタジエン骨格含有ウレタン(メタ)アクリレート(a)>
前記ポリブタジエン骨格含有ウレタン(メタ)アクリレート(a)は、両末端に少なくとも1つの(メタ)アクリロイルオキシ基を有するポリブタジエン骨格含有ウレタン(メタ)アクリレートであり、例えば、1分子中にブタジエン骨格を含み、2個以上の水酸基を有するポリブタジエンポリオール(a1)、ポリイソシアネート(a2)および水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)を反応させて得られるポリブタジエン骨格含有ウレタン(メタ)アクリレートが挙げられる。
前記ポリブタジエン骨格含有ウレタン(メタ)アクリレート(a)は、上記1分子中にブタジエン骨格を含み、2個以上の水酸基を有するポリブタジエンポリオール(a1)から誘導される構成単位1〜99重量%、上記ポリイソシアネート(a2)から誘導される構成単位1〜99重量%、および上記水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)から誘導される構成単位1〜99重量%(但し、成分(a1)、成分(a2)および成分(a3)から誘導される各構成単位の合計は100重量%である。)を含有する。
なお、前記ポリブタジエンポリオール(a1)、前記ポリイソシアネート(a2)、および前記(メタ)アクリレート(a3)は、それぞれ上記した構成単位の重量比に対応する量で含まれている。
前記ポリブタジエン骨格含有ウレタン(メタ)アクリレート(a)の重量平均分子量は、好ましくは3000〜13000、より好ましくは4000〜10000である。前記重量平均分子量が13000を超えると、硬度の低下や分子量増加による相溶性の低下の恐れがあり好ましくない。重量平均分子量は、ポリスチレンを標準として用いて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)の測定結果から算出することができる。
前記ポリブタジエン骨格含有ウレタン(メタ)アクリレート(a)は、光硬化性組成物(固形分)100重量部に対して0.01〜7重量部、好ましくは0.2〜6重量部、さらに好ましくは0.2〜5重量部の割合で用いることが、硬度や耐擦傷性などの点で望ましい。
前記ポリブタジエン骨格含有ウレタン(メタ)アクリレート(a)としては、前記光重合性多官能化合物(b)(固形分)100重量部に対し、ポリブタジエン骨格含有ウレタン(メタ)アクリレート(a)(固形分)が、通常0.005〜8重量部、好ましくは0.005〜6重量部、より好ましくは0.01〜5重量部の割合で用いられる。上記範囲内の成分(a)を用いた場合、得られる被膜の外観、ハードコート性、耐指紋性などがバランスよく発現する傾向がある。
上記(b)成分100重量部に対して成分(a)が8重量部を超えると他成分とのバランスが崩れて被膜の外観が悪くなったり、ハードコート性が失われたりする傾向がある。また、この成分(a)が0.005重量部より少ないとハードコート性は発現するが耐指紋性が発現しなくなる傾向がある。
(ポリブタジエンポリオール(a1))
前記ポリブタジエンポリオール(a1)としては、1分子中にブタジエン骨格を含み、2個以上の水酸基を有するポリブタジエンポリオールであり、例えば1,3−ブタジエンがトランス1,4結合したポリブタジエン構造を有するものであってもよく、1,3−ブタジエンがシス1,4結合したポリブタジエン構造を有するものであってもよく、1,3−ブタジエンが1,2結合したポリブタジエン構造を有するものであってもよい。また、これら結合が混在したポリブタジエン構造を有するものであってもよい。
前記ポリブタジエンポリオール(a1)としては、分子中にポリブタジエン構造及び2つの水酸基を有するものが好ましく、鎖状のポリブタジエン構造の両端にそれぞれ水酸基を有するものがより好ましい。前記ポリブタジエンポリオール(a1)としては、従来公知のものが挙げられ、例えばNISSO−PB GI−1000、GI−2000、GI−3000などの両末端水酸基水素化ポリブタジエン類(商品名、日本曹達(株)製)、Poly bd R−45HT、R−15HTなどの水酸基末端液状ポリブタジエン類(商品名、出光興産(株)製)などを用いることができる。 前記ポリブタジエンポリオールは、1種単独又は2種以上を混合して用いることができる。
(ポリイソシアネート(a2))
前記ポリイソシアネート(a2)としては、例えば、芳香族系、脂肪族系、脂環式系などのポリイソシアネートが挙げられ、中でもトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリフェニルメタンポリイソシアネート、変性ジフェニルメタンジイソシアネート、水添化キシリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、フェニレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジントリイソシアネート、ナフタレンジイソシアネートなどのポリイソシアネート或いはこれらポリイソシアネートの三量体化合物、ビューレット型ポリイソシアネート、水分散型ポリイソシアネート、またはこれらポリイソシアネートとポリオールの反応生成物などを挙げることができる。
(水酸基含有(メタ)アクリレート(a3))
前記水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)としては、(メタ)アクリロイルオキシ基{CH2=CR(Rは水素原子またはメチル基を示す。)-C(=O)O-}を1つ有する単官能モノマーであってもよく、(メタ)アクリロイルオキシ基を2またはそれ以上有する多官能モノマーであってもよい。
水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)のうちで、単官能モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。多官能モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
前記ポリブタジエン骨格含有ウレタン(メタ)アクリレート(a)は、ポリブタジエンポリオール(a1)、ポリイソシアネート(a2)および水酸基含有(メタ)アクリレートモノマー(a3)を、必要により触媒の存在下に、反応させることによって調製することができる。この調製において、例えばポリブタジエンポリオール(a1)、ポリイソシアネート(a2)および水酸基含有(メタ)アクリレートモノマー(a3)を一度に反応させてもよいし、あるいは、例えばポリエーテル骨格を有するポリオール化合物(a1)とポリイソシアネート(a2)とを反応させた後、水酸基含有(メタ)アクリレートモノマー(a3)を反応させてもよい。
ポリブタジエンポリオール(a1)とポリイソシアネート(a2)との反応は、ポリブタジエンポリオール(a1)の水酸基1当量に対して、ポリイソシアネート(a2)のイソシアネート基1.1〜2.5当量を反応させるのが好ましく、1.3〜2.0当量を反応させるのが、成分(a1)と成分(a2)との反応効率の点、あるいは、反応物中の残存ポリイソシアネート(a2)と、後で添加される水酸基含有(メタ)アクリレートモノマー(a3)とのウレタン反応を促進させる点で特に好ましい。反応温度は、70〜100℃が好ましく、反応時間は、1〜20時間程度が同様の理由から好ましい。
また、ポリブタジエンポリオール(a1)とポリイソシアネート(a2)との反応において触媒を用いる場合には、ブチル錫ジラウレートのような金属系触媒または1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7のようなアミン系触媒などを用いて、反応を促進させるのがより好ましい。
ポリブタジエンポリオール(a1)、ポリイソシアネート(a2)および水酸基含有(メタ)アクリレートモノマー(a3)を一度に反応させる場合においては、水酸基含有(メタ)アクリレートモノマー(a3)の量は、ポリイソシアネート(a2)1当量に対して1.0〜1.5当量を用いるのが好ましく、1.0〜1.3当量用いるのがより好ましい。反応温度は60〜100℃が好ましく、反応時間は1〜20時間であるのが好ましい。
また、ポリブタジエンポリオール(a1)とポリイソシアネート(a2)とを反応させた後、水酸基含有(メタ)アクリレートモノマー(a3)を反応させる場合においては、ポリブタジエンポリオール(a1)およびポリイソシアネート(a2)の反応物のイソシアネート基1当量に対して、水酸基含有(メタ)アクリレートモノマー(a3)の水酸基0.95〜1.5当量を反応させるのが好ましく、1.0〜1.1当量を反応させるのが特に好ましい。反応温度は60〜100℃が好ましく、反応時間は1〜20時間であるのが好ましい。
前記ポリブタジエン骨格含有ウレタン(メタ)アクリレート(a)の好ましい例としては、アートレジンFNI−2T50(商品名、根上工業(株)製)、アートレジンFNI−2(商品名、根上工業(株)製)が挙げられる。
<光重合性多官能化合物(b)>
光重合性多官能化合物(b)は、ポリブタジエン骨格含有ウレタン(メタ)アクリレート(a)を含有する光硬化性組成物を硬化してなる硬化塗膜中において塗膜硬度を向上させる働きを有する。前記光重合性多官能化合物(b)としては、前記ポリブタジエン骨格含有ウレタン(メタ)アクリレート(a)以外のものであり、ポリカーボネート骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート(b2)を必須成分とするものが挙げられる。
ポリカーボネート骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート(b2)以外の成分としては、例えば多官能性(メタ)アクリレート系モノマー(b1)、光硬化性(メタ)アクリレート系樹脂などが挙げられる。
前記光重合性多官能化合物(b)は、ポリカーボネート骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート(b2)を必須成分とするために、ポリブタジエン骨格含有ウレタン(メタ)アクリレート(a)との相溶性に優れ、硬化塗膜の耐指紋性、耐熱性、耐候性が良好になる。
前記光重合性多官能化合物(b)(固形分)は、光硬化性組成物(固形分)100重量部に対して1〜99重量部、好ましくは10〜60重量部、さらに好ましくは25〜45重量部の割合で用いることが耐指紋性と塗膜硬度のバランスなどの点で望ましい。
(ポリカーボネート骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート(b2))
前記光重合性多官能化合物(b)の必須成分である前記ポリカーボネート骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート(b2)は、分子の両末端に少なくとも1つの(メタ)アクリロイルオキシ基を有し、分子中に少なくとも1つのポリカーボネート基を有する化合物である。
前記ポリカーボネート骨格を有するウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えばポリカーボネート骨格を有するポリオール化合物、ポリイソシアネートおよび水酸基含有(メタ)アクリレートモノマーとの反応物が挙げられる。
前記ポリカーボネート骨格を有するポリオール化合物としては、例えば1,3‐プロパンジオール、1,4‐ブタンジオール、1,6‐ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のジオールと、ホスゲン、ジアリルカーボネート(例えばジフェニルカーボネート)若しくは環式カーボネート(例えばプロピレンカーボネート)との反応生成物等が挙げられる。これらは1種単独使用でも2種以上を併用してもよい。
前記ポリイソシアネートとしては、例えばトリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。
前記水酸基含有(メタ)アクリレートモノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートや、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基含有多官能(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ポリカーボネート骨格を有するウレタン(メタ)アクリレートモノマー(b2)の好ましい例としては、「アートレジン3320HA」(商品名、根上工業(株)製)が挙げられる。
(多官能性(メタ)アクリレート系モノマー(b1))
前記多官能性(メタ)アクリレート系モノマー(b1)は、該モノマー(b1)を含む光硬化性組成物を硬化してなる硬化塗膜中において塗膜硬度向上の働きを有するが、前記多官能性(メタ)アクリレート系モノマー(b1)としては、重合性官能基である(メタ)アクリロイル基をモノマー中に2個以上有する(メタ)アクリレートモノマーが挙げられ、その具体例としては、例えば、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の2官能モノマー:トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能モノマーが挙げられる。これらのアクリレート系モノマー は、1種単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
前記多官能性(メタ)アクリレート系モノマー(b1)の中でも、多官能モノマーが好ましく、特にジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートがより好ましい。
(光硬化性(メタ)アクリレート系樹脂)
前記光硬化性(メタ)アクリレート系樹脂としては、脂肪族、芳香族のいずれの(メタ)アクリレート系モノマーからなる樹脂でもよい。本発明で用いられる光硬化性(メタ)アクリレート樹脂は、1分子中に2個以上のアクリロイル基(CH2=CH−CO−)またはメタクリロイル基(CH2=C(CH3)−CO−)を有する樹脂である。このような光硬化性(メタ)アクリレート樹脂の具体例としては、例えば成分(a)、成分(b2)以外のウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレートエポキシ(メタ)アクリレートなどの光硬化性(メタ)アクリレート系モノマーを重合して得られる樹脂が挙げられる。これらの光硬化性(メタ)アクリレート樹脂は、1種単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
<光重合開始剤(c)>
前記光重合開始剤(c)としては、アルキルフェノン系光重合開始剤、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤、水素引き抜き型開始剤などが挙げられる。
前記アルキルフェノン系光重合開始剤として、例えば2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−オキソ−2−フェニル酢酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノンなどが挙げられる。
前記アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤として、例えば2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドなどが挙げられる。
前記水素引き抜き型開始剤としては、ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸メチル、2,4−ジエチルチオキサントン、2−エチルアントラキノン、カンファーキノンなどが挙げられる。これらの光重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、また2種以上を併用してもよい。
前記光重合開始剤(c)の好ましい例としては、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−オキソ−2−フェニル酢酸メチルが挙げられる。
前記光重合開始剤(c)は、光硬化性組成物(固形分)100重量部に対して、0.1〜10重量部、好ましくは2〜8重量部、さらに好ましくは3〜6重量部の割合で用いられる。
<有機または無機微粒子(d)>
本発明の光硬化性組成物は、得られる塗膜の硬度、強度、樹脂量の低減によるコスト削減、防眩性を向上させる等の観点から、必要に応じて、有機または無機微粒子(d)をさらに含んでいてもよい。前記有機または無機微粒子(d)としては、従来公知のものが挙げられ、無機微粒子としては例えばシリカ、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムなどの金属酸化物が挙げられる。有機微粒子としては、例えばアクリル、ウレタン、シリコンなどが挙げられる。これらは1種類単独、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
前記有機または無機微粒子(d)の平均粒子径としては100nm〜10μmが好ましい。
前記有機または無機微粒子(d)は、光硬化性組成物(固形分)全体100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは1〜5重量部、さらに好ましくは2〜3重量部の割合で用いられる。前記有機または無機微粒子(d)の含有量が10重量部を超える場合には、得られる被膜の膜強度が弱くなる傾向にある。
本願発明の硬化性樹脂組成物中に、前記有機または無機微粒子(d)を含む場合の各成分(成分(a):ポリブタジエン骨格含有ウレタン(メタ)アクリレート(a)、成分(b):成分(a)以外の光重合性多官能化合物、成分(c):光重合開始剤(c)、成分(d):有機または無機微粒子)の重量比は、前記硬化性樹脂組成物(固形分)100重量部に対して、以下のとおりである。
成分(a)(固形分):0.005〜8重量部、好ましくは0.2〜6重量部、より好ましくは0.2〜5重量部
成分(b)(固形分):1〜99重量部、好ましくは10〜60重量部、より好ましくは25〜45重量部
成分(c):0.1〜10重量部、好ましくは2〜8重量部、より好ましくは3〜6重量部
成分(d):0.1〜10重量部、好ましくは1〜5重量部、より好ましくは2〜3重量部。
<有機溶剤>
本発明の光硬化性組成物は、必要に応じて、塗工性、レベリング性等の観点から有機溶剤で希釈されていてもよい。
前記有機溶剤としては、従来公知のものが使用でき、例えば芳香族炭化水素類(例:キシレン、トルエンなど)、ケトン類(例:メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなど)、エステル類(例:酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチルなど)、アルコール類(イソプロピルアルコール、ブタノールなど)、グリコールエーテル類(プロピレングリコールモノメチルエーテルなど)などの各種有機溶剤が挙げられる。これらは1種単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。中でも、ポリブタジエン骨格含有ウレタン(メタ)アクリレートが低極性であるため、トルエン、キシレンなどの低極性溶剤が好ましく、特にトルエンがより好ましい。
<その他の成分>
本発明の光硬化性組成物は、さらに、必要に応じて、重合禁止剤、非反応性希釈剤、消泡剤、沈降防止剤、レベリング剤、分散剤、熱安定剤、紫外線吸収剤などを、本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。
[硬化被膜]
本発明の硬化被膜は、本発明の光硬化性組成物から形成されることを特徴とする。
本発明の光硬化性組成物から得られた硬化被膜は、耐指紋性、ハードコート性、基材(フィルム)との密着性、視認性などに優れる。特に、前記光硬化性組成物から得られる被膜は、耐指紋性とハードコート性の両方を兼ね備える。
[被膜付き基材、製造方法]
本発明の被膜付き基材は、本発明の硬化被膜を下記に詳述するような基材上に形成したものである。
また、前記被膜付き基材の製造方法は、下記基材の少なくとも片面に、上記のいずれかに記載の光硬化性組成物を塗装した後、当該塗装面に光照射して該組成物を硬化させ、硬化被膜を形成させることを特徴とする。
前記基材としては、例えば透明性のある基材(透明基材)、鏡面仕上げ物などが挙げられる。
(透明基材)
前記透明基材としては、例えば、各種透明プラスチックフィルム、例えばトリアセチルセルロースフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ジアセチルセルロースフィルム、アセテートブチレートセルロースフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリアクリル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、(メタ)アクリルニトリルフィルムなどが挙げられ、中でも、ポリエチレンテレフタレートフィルムが強度や光学特性等のバランスなどの点で好ましい。
(鏡面仕上げ物)
前記鏡面仕上げ物としては、例えば、金属粉の真空蒸着、金属粉含有塗料による塗装、めっき処理などを施した物などが挙げられる。
本発明の鏡面仕上げ物は、前記光硬化性組成物から形成された被膜を鏡面仕上げ物上に形成した被膜付き基材を備えることを特徴とする。
前記鏡面仕上げ物は、例えば、携帯電話、パソコン、電化製品、自動車、建材、家具、装飾容器などに使用することができる。
前記鏡面仕上げ物の表面上に、本発明の光硬化性組成物から形成された被膜を設けることにより、指紋跡の付着を防ぐことができる。
(コーティング法)
前記光硬化性組成物の塗装(コーティング)方法としては、光硬化性組成物の種類や組成および被塗物基材の種類等に対応したコーティング工程の状況に応じて適時選択することができ、例えばスプレーコート法、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法やエクストルージョンコート法などが挙げられ、中でも、作業性および生産性の観点からスプレーコート法が好ましい。
(光照射)
前記被膜の硬化は、活性エネルギー線の光照により行われる。活性エネルギー線としては、遠紫外線、紫外線、近紫外線、赤外線などの光線に加えて、X線、γ線などの電磁波、電子線、プロトン線、中性子線などが挙げられ、中でも、硬化速度、照射装置の入手のし易さ、価格などの面から、紫外線が好ましい。
紫外線で硬化させる方法としては、200〜500nm波長域の光を発する高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ等を用いて、100〜3000mJ/cm2ほど照射する方法
硬化させる方法としては、乾燥、硬化時間を短縮させるために5〜60℃程度の加熱により前記被膜を乾燥、硬化させてもよいが、通常は、常温、大気圧下で1〜14日程度放置することで、前記被膜を乾燥、硬化させる。
[防汚方法]
本発明の基材の防汚方法は、基材の少なくとも片面に、前記光硬化性組成物を塗装した後、当該塗装面に光照射して該組成物を硬化させ、硬化膜を形成させることを特徴とする。
この方法における、基材、塗装方法、硬化方法等は、前記被膜付き基材の製造方法に記載したものと同様である。
(膜厚)
前記硬化被膜の膜厚は、基材を防汚できる程度の厚みであれば特に限定されないが、好ましくは2〜10μm、より好ましくは3〜5μmである。
このような膜厚の被膜を形成する際は、1回の塗装で、所望の厚みの被膜を形成してもよいし、用途(例えば防汚性)に応じ、2回(必要によりそれ以上)の塗装で、所望の厚みの被膜を形成してもよい。
[画像表示装置]
本発明の画像表示装置は、前記光硬化性組成物から形成された被膜を(透明)基材上に形成した被膜付き基材を備えることを特徴とする。
前記画像表示装置は、例えば、テレビ、カーナビゲーションシステム、PDA、携帯電話、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、電子広告板(デジタルサイネージ)、携帯ゲーム機、音楽再生装置、パソコン、電子書籍(電子ペーパー)用端末装置などのディスプレイ部分に使用することができる。
前記画像表示装置の表面上に、本発明の光硬化性組成物から形成された被膜を(透明)基材上に形成させた被膜付き基材を設けることにより、指紋跡の付着を防ぐことができる。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
以下、実施例および比較例の光硬化性組成物を、下記条件で塗装した後、光硬化処理することにより各被膜を形成した。
100μmPETフィルム(縦200mm×横150mm×厚み100μm)(商品名「コスモシャインA4300」(東洋紡製))に、下記実施例および比較例により製造した光硬化性組成物をその乾燥膜厚が4〜5μmとなるように1回塗布し、高圧水銀ランプにて紫外線を照射し(照射量:300〜400mJ/cm2)、被膜を硬化させた。室温で7日間乾燥させて、被膜付き基材(フィルム)を作成した。
得られた各硬化被膜について、以下のような評価を行った。その結果を表1および2に示す。
(NV値)
下記式によりNV(Non-volatile Organic Compound)値(%)を求めた。
NV値=((乾燥後の光硬化性組成物の質量)/(乾燥前の光硬化性組成物の質量))×100
(ドライ膜厚)
下記の方法により膜厚の算出を行った。
(使用したバーコーター#10の番号10×塗装する塗料の固形分50%÷100)
(ヘイズ(HZ))
日本電色工業製 ヘイズメーターNDH2000にて測定した。
(全光線透過率(TT))
日本電色工業製 ヘイズメーターNDH2000にて測定した。
(接触角)
常温常湿環境(温度20℃、相対湿度50%RH)下で前記被膜の表面上に1.0μlの純水とオレイン酸をそれぞれ滴下させ、滴下より10秒後に形成された液滴の接触角を市販の接触角計「CA−X150(協和界面科学(株)製)」を用いて測定した。
(鉛筆硬度試験)
JIS K 5600に準拠して三菱鉛筆製「ユニ(商品名)」を用いて評価した。
(耐擦傷性試験)
学振型摩擦試験機(荷重500g、スチールウール#0000を使用。(株)大栄科学精器製作所製、型番RT−200。)にて50回の往復試験を行い、その後、目視にて傷の有無を評価した。
◎:傷がない。
○:ほとんど傷がない。
△:僅かに傷がある。
×:傷が多くある。
(碁盤目付着性試験(1mm幅、100マス))
JIS K-5400に記載されている碁盤目試験の方法に準じて、被膜上にカッターで1mm幅、100マスの傷を入れ、碁盤目を付けた試験片を作製し、セロテープ(商品名、ニチバン(株)製)を試験片に貼り付けた後、このセロテープを速やかに、基盤面に対して45度斜め上方の方向に引っ張って剥離させ、残った碁盤目の被膜数を数え、この数を付着性の指標とした。
合格 :基盤目残存数が99/100以上
不合格 :基盤目残存数が98/100以下。
(指紋付着防止性(指紋の視認性))
塗膜上に人差し指で指紋を付着させ、その見えにくさを目視にて評価した。
○:指紋が見えにくい。
×:指紋がはっきりと見える。
(指紋拭き取り性)
被膜上に人差し指で指紋を付着させ、それをウエスで拭き取り、指紋が見えなくなるまでに要した拭き取り回数を評価した。
1〜2回:非常に良好。
3〜4回:良好。
5〜6回:あまり良好ではない。
7回以上:悪い。
(塗膜外観)
塗装したフィルムを、塗装面を上に向けた状態で、目の前でフィルム前方奥側を45°上に傾け、下方から塗膜面を観察した。
4:良好に見える。
3:わずかにハジキ等がある。
2:ハジキが発生もしくはゆず肌のようにブツブツな塗膜になる。
1:ハジキの発生に加えてゆず肌のようにブツブツな塗膜になる。
(総合判定)
◎:「指紋拭き取り性」が4回以内、かつ、「耐擦傷性」が◎もしくは○、かつ、「塗膜外観」が4の場合
○:「指紋拭き取り性」が4回以内、かつ、「耐擦傷性」が◎もしくは○、かつ、「塗膜外観」が3の場合、または、
「指紋拭き取り性」が4回以内、かつ、「耐擦傷性」が△、かつ、「塗膜外観」が4の場合
△:「指紋拭き取り性」が4回以内、かつ、「耐擦傷性」が△、かつ、「塗膜外観」が3の場合
×:上記の◎、○、△以外の場合。
[実施例1]
ポリブタジエン骨格含有ウレタン(メタ)アクリレート樹脂として「アートレジンFNI−2T50(商品名:ポリブタジエン骨格含有ウレタンアクリレート樹脂)」(重量平均分子量:8,000)(根上工業社製)0.01重量部、光重合性多官能化合物として「アートレジン3320HA」(根上工業社製)(商品名:ポリカーボネート骨格を有するウレタンアクリレート)25.8重量部、「アロニックスM−400(商品名;ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)」(東亜合成社製)17.2重量部、光重合開始剤として「DAROCUR MBF(商品名;2−オキソ−2−フェニル酢酸メチル)」(BASF社製)1.8重量部および「イルガキュア−184D(商品名;1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)」(BASF社製)3.2重量部,重合禁止剤としてハイドロキノン(三井化学社製)0.02重量部をトルエン47.8重量部に溶解させて撹拌し、光硬化性組成物を得た。
[実施例2]
ポリブタジエン骨格含有ウレタン(メタ)アクリレート樹脂として「アートレジンFNI−2T50」0.2重量部、光重合性多官能化合物として「アートレジン3320HA」25.8重量部、「アロニックスM−400」17.2重量部、光重合開始剤として「DAROCUR MBF」1.8重量部および「イルガキュア−184D」3.2重量部,重合禁止剤としてハイドロキノン0.02重量部をトルエン47.8重量部に溶解させて撹拌し、光硬化性組成物を得た。
[実施例3]
ポリブタジエン骨格含有ウレタン(メタ)アクリレート樹脂として「アートレジンFNI−2T50」0.5重量部、光重合性多官能化合物として「アートレジン3320HA」25.8重量部、「アロニックスM−400」17.2重量部、光重合開始剤として「DAROCUR MBF」1.8重量部および「イルガキュア−184D」3.2重量部,重合禁止剤としてハイドロキノン0.02重量部をトルエン47.8重量部に溶解させて撹拌し、光硬化性組成物を得た。
[実施例4]
ポリブタジエン骨格含有ウレタン(メタ)アクリレート樹脂として「アートレジンFNI−2T50」1.0重量部、光重合性多官能化合物として「アートレジン3320HA」25.8重量部、「アロニックスM−400」17.2重量部、光重合開始剤として「DAROCUR MBF」1.8重量部および「イルガキュア−184D」3.2重量部,重合禁止剤としてハイドロキノン0.02重量部をトルエン47.8重量部に溶解させて撹拌し、光硬化性組成物を得た。
[実施例5]
ポリブタジエン骨格含有ウレタン(メタ)アクリレート樹脂として「アートレジンFNI−2T50」2.0重量部、光重合性多官能化合物として「アートレジン3320HA」25.8重量部、「アロニックスM−400」17.2重量部、光重合開始剤として「DAROCUR MBF」1.8重量部および「イルガキュア−184D」3.2重量部,重合禁止剤としてハイドロキノン0.02重量部をトルエン47.8重量部に溶解させて撹拌し、光硬化性組成物を得た。
[実施例6]
ポリブタジエン骨格含有ウレタン(メタ)アクリレート樹脂として「アートレジンFNI−2T50」4.2重量部、光重合性多官能化合物として「アートレジン3320HA」25.8重量部、「アロニックスM−400」17.2重量部、光重合開始剤として「DAROCUR MBF」1.8重量部および「イルガキュア−184D」3.2重量部,重合禁止剤としてハイドロキノン0.02重量部をトルエン47.78重量部に溶解させて撹拌し、光硬化性組成物を得た。
[実施例7]
ポリブタジエン骨格含有ウレタン(メタ)アクリレート樹脂として「アートレジンFNI−2T50」5.0重量部、光重合性多官能化合物として「アートレジン3320HA」25.8重量部、「アロニックスM−400」17.2重量部、光重合開始剤として「DAROCUR MBF」1.8重量部および「イルガキュア−184D」3.2重量部,重合禁止剤としてハイドロキノン0.02重量部をトルエン47.8重量部に溶解させて撹拌し、光硬化性組成物を得た。
[実施例8]
ポリブタジエン骨格含有ウレタン(メタ)アクリレート樹脂として「アートレジンFNI−2T50」6.0重量部、光重合性多官能化合物として「アートレジン3320HA」25.8重量部、「アロニックスM−400」17.2重量部、光重合開始剤として「DAROCUR MBF」1.8重量部および「イルガキュア−184D」3.2重量部,重合禁止剤としてハイドロキノン0.02重量部をトルエン47.8重量部に溶解させて撹拌し、光硬化性組成物を得た。
[実施例9]
ポリブタジエン骨格含有ウレタン(メタ)アクリレート樹脂として「アートレジンFNI−2T50」4.2重量部、光重合性多官能化合物として「アートレジン3320HA」43.0重量部、光重合開始剤として「DAROCUR MBF」1.8重量部および「イルガキュア−184D」3.2重量部,重合禁止剤としてハイドロキノン0.02重量部をトルエン47.8重量部に溶解させて撹拌し、光硬化性組成物を得た。
[実施例10]
ポリブタジエン骨格含有ウレタン(メタ)アクリレート樹脂として「アートレジンFNI−2T50」(6.4重量部、光重合性多官能化合物として「アートレジン3320HA」39.8重量部、「アロニックスM−400」26.5重量部、光重合開始剤として「DAROCUR MBF」2.8重量部および「イルガキュア−184D」5.0重量部,重合禁止剤としてハイドロキノン0.02重量部、酢酸エチル0.98重量部、顔料分散剤として「フローレンG−700(商品名)」(共栄社化学製)0.25重量部をトルエン15.7重量部に溶解させて撹拌し、そこに無機微粒子として「ニップシールSS−50B(商品名)」(東ソー・シリカ社製、平均粒子径2μmの疎水性シリカ)2.55重量部を加えて分散させ、光硬化性組成物を得た。
[実施例11]
ポリブタジエン骨格含有ウレタン(メタ)アクリレート樹脂として「アートレジンFNI−2(商品名:ウレタンアクリレート樹脂)」(重量平均分子量:5,200)2.1重量部、光重合性多官能化合物として「アートレジン3320HA」25.8重量部、「アロニックスM−400」17.2重量部、光重合開始剤として「DAROCUR MBF」1.8重量部および「イルガキュア−184D」3.2重量部,重合禁止剤としてハイドロキノン(三井化学社製)0.02重量部をトルエン49.88重量部に溶解させて撹拌し、光硬化性組成物を得た。
[比較例1]
光重合性多官能化合物として「アートレジン3320HA」25.8重量部、「アロニックスM−400」17.2重量部、光重合開始剤として「DAROCUR MBF」1.8重量部および「イルガキュア−184D」3.2重量部,重合禁止剤としてハイドロキノン0.02重量部をトルエン47.8重量部に溶解させて撹拌し、光硬化性組成物を得た。
[比較例2]
ポリブタジエン骨格含有ウレタン(メタ)アクリレート樹脂として「アートレジンFNI−2T50」7.0重量部、光重合性多官能化合物として「アートレジン3320HA」25.8重量部、「アロニックスM−400」17.2重量部、光重合開始剤として「DAROCUR MBF」1.8重量部および「イルガキュア−184D」3.2重量部,重合禁止剤としてハイドロキノン0.02重量部をトルエン47.78重量部に溶解させて撹拌し、光硬化性組成物を得た。
[比較例3]
ポリブタジエン骨格含有ウレタン(メタ)アクリレート樹脂として「アートレジンFNI−2T50」8.0重量部、光重合性多官能化合物として「アートレジン3320HA」25.8重量部、「アロニックスM−400」17.2重量部、光重合開始剤として「DAROCUR MBF」1.8重量部および「イルガキュア−184D」3.2重量部,重合禁止剤としてハイドロキノン0.02重量部をトルエン47.8重量部に溶解させて撹拌し、光硬化性組成物を得た。
[比較例4]
ポリブタジエン骨格含有ウレタン(メタ)アクリレート樹脂として「アートレジンFNI−2T50」16.0重量部、光重合性多官能化合物として「アートレジン3320HA」25.8重量部、「アロニックスM−400」17.2重量部、光重合開始剤として「DAROCUR MBF」1.8重量部および「イルガキュア−184D」3.2重量部,重合禁止剤としてハイドロキノン0.02重量部をトルエン47.8重量部に溶解させて撹拌し、光硬化性組成物を得た。
[比較例5]
ポリブタジエン骨格含有ウレタン(メタ)アクリレート樹脂として「アートレジンFNI−2T50」45重量部、光重合開始剤として「DAROCUR MBF」1.8重量部および「イルガキュア−184D」3.2重量部,重合禁止剤としてハイドロキノン0.02重量部、トルエン50重量部に溶解させて撹拌し、光硬化性組成物を得た。
Figure 2015025067
Figure 2015025067

Claims (11)

  1. ポリブタジエン骨格含有ウレタン(メタ)アクリレート(a)、前記(a)以外の光重合性多官能化合物(b)、および光重合開始剤(c)を有する光硬化性組成物であり、
    前記光重合性多官能化合物(b)がポリカーボネート骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート(b2)を必須成分とし、
    前記光重合性多官能化合物(b)(固形分)100重量部に対し前記ポリブタジエン骨格含有ウレタン(メタ)アクリレート(a)(固形分)が0.005〜8重量部である、前記光硬化性組成物。
  2. 前記光硬化性組成物からなる硬化被膜が耐指紋性を有する、請求項1に記載の光硬化性組成物。
  3. 前記光重合性多官能化合物(b)が多官能性(メタ)アクリレートモノマー(b1)をさらに含有する、請求項1または2に記載の光硬化性組成物。
  4. 前記多官能性(メタ)アクリレートモノマー(b1)がジペンタエリスリトールヘキサアクリレートであることを特徴とする、請求項3に記載の光硬化性組成物。
  5. 前記ポリブタジエン骨格含有ウレタン(メタ)アクリレート(a)の重量平均分子量(Mw)が3,000〜13,000である、請求項1〜4のいずれかに記載の光硬化性組成物。
  6. 有機または無機微粒子(d)をさらに含有する、請求項1〜5のいずれかに記載の光硬化性組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の光硬化性組成物から形成された硬化被膜。
  8. 請求項7に記載の硬化被膜を基材上に形成した被膜付き基材。
  9. 基材の少なくとも片面に、請求項1〜6のいずれかに記載の光硬化性組成物を塗装した後、当該塗装面に光照射して該組成物を硬化させ、硬化被膜を形成させることを特徴とする被膜付き基材の製造方法。
  10. 基材の少なくとも片面に、請求項1〜6のいずれかに記載の光硬化性組成物を塗装した後、当該塗装面に光照射して該組成物を硬化させ、硬化被膜を形成させることによる、透明基材の防汚方法。
  11. 請求項8に記載の被膜付き基材を備えることを特徴とする画像表示装置。
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