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JP2015024962A - 油性棒状化粧料 - Google Patents

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JP2015024962A JP2013153244A JP2013153244A JP2015024962A JP 2015024962 A JP2015024962 A JP 2015024962A JP 2013153244 A JP2013153244 A JP 2013153244A JP 2013153244 A JP2013153244 A JP 2013153244A JP 2015024962 A JP2015024962 A JP 2015024962A
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宗清 岡
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Abstract

【課題】油性棒状化粧料は静置しているにも関わらず、容器から飛び出し(容器中皿から抜け)てしまうという問題があった。油性棒状化粧料が容器から飛び出すと、使用性および美観を損ない、商品価値が著しく低下する。【解決手段】本願発明者等は上記実状に鑑みて検討を重ねた結果、油性棒状化粧料において下記(a)〜(c)を組合せることにより、成型性および使用感を損なうことなく容器から飛び出さない油性棒状化粧料が得られることを見出した。すなわち本願発明は、次の成分(a)〜(c);(a)多糖脂肪酸エステル誘導体(b)板状硫酸バリウム(c)ネオペンチルグリコールと脂肪酸からなるジエステルを含有することを特徴とする油性棒状化粧料である。【選択図】なし

Description

本願発明は油性棒状化粧料に関するものであり、さらに詳しくは、成型性および使用感を損なうことなく容器から飛び出さない油性棒状化粧料に関するものである。
油性棒状化粧料は、一般に、棒状化粧料用の繰り出し容器の筒体内に収容されて使用される化粧料である。使用性や携帯性に優れるため、油性化粧料に広く応用されている剤型の一つである。
しかしながら、油性棒状化粧料は静置しているにも関わらず、容器から飛び出してしまうという問題があった。本願発明における飛び出しとは、油性棒状化粧料が中皿容器から一部または完全に抜けることを示す。油性棒状化粧料が容器から飛び出すと、使用性および美観を損ない、商品価値が著しく低下する。これまで油性棒状化粧料の飛び出しに関しては、衝撃や振動等の外力作用時に支持体を用いて飛び出しを防止すること(特許文献1)、柔らかいタイプの棒状化粧料の場合に保持体を用いて飛び出しを防止すること(特許文献2)が知られている。しかしながら、静置状態での飛び出しの防止に関しては、支持体や保持体を用いても十分ではなく、有効な技術はまだない。
一方、多糖脂肪酸エステル誘導体は、使用性、安定性に優れた油性棒状化粧料を提供することが知られている(特許文献3、4)。板状硫酸バリウムは、水不溶性粉末アクリルポリマーとともに配合すると、ソフトフォーカス効果のある化粧料が得られることが知られている(特許文献5)。また、ネオペンチルグリコールと脂肪酸からなるジエステルは、クレンジング化粧料への配合が好適であることが知られている(特許文献6)。いずれの先行技術文献も、飛び出しの防止に関しては全く言及していない。
特開2007−29386号公報 特開2012−29866号公報 特開2011−144118号公報 特開2011−79767号公報 特表2010−513368号公報 特開2008−162965号公報
上記実状から、成型性および使用感を損なうことなく容器から飛び出さない油性棒状化粧料の開発が望まれていた。
本願発明者等は上記課題を解決するために検討を重ねた結果、油性棒状化粧料において
下記(a)〜(c)を組合せることにより、成型性および使用感を損なうことなく容器から飛び出さない油性棒状化粧料が得られることを見出した。
すなわち本願発明は、次の成分(a)〜(c);
(a)多糖脂肪酸エステル誘導体
(b)板状硫酸バリウム
(c)ネオペンチルグリコールと脂肪酸からなるジエステル
を含有することを特徴とする油性棒状化粧料である。
本願発明の油性棒状化粧料は、成型性および使用感を損なうことなく容器から飛び出さないという効果を有する。
以下、本願発明を詳細に説明する。本願発明の油性棒状化粧料は、成形型で成型したベースを容器に装填しても良いし、棒状容器に直接流し込んで成型しても良い。またファンデーション、頬紅、アイカラー、口紅といったメイクアップ化粧料として好適に提供できる。なかでも特にファンデーションが好ましい。
本願発明で用いられる(a)多糖脂肪酸エステル誘導体としては、ミリスチン酸デキストリン、パルミチン酸デキストリン、(パルミチン酸/エチルヘキサン酸)デキストリン、ステアリン酸イヌリン等が挙げられる。特にこれらのもののうちステアリン酸イヌリンが好ましい。ミリスチン酸デキストリン、パルミチン酸デキストリン、(パルミチン酸/エチルヘキサン酸)デキストリンは、油性棒状化粧料に配合するには溶解温度及び溶解後の粘度が高く、生産時の操作性が難しくなる場合がある。本願発明で用いられる(a)多糖脂肪酸エステル誘導体の含有量は特に限定されないが、好ましくは0.01〜3.0質量%であり、より好ましくは0.5〜2.0質量%である。0.01質量%未満では十分な効果が出ない場合があり、3.0質量%より多いと、金型成型時に油性棒状化粧料の型離れが悪くなり、表面に傷、割れ、欠け等を生じる場合がある。
本願発明で用いられる(b)板状硫酸バリウムは、通常化粧品で用いられるものであれば、粒径・アスペクト比等は特に限定されない。(b)板状硫酸バリウムの含有量は特に限定されないが、好ましくは0.1〜10質量%であり、より好ましくは0.5〜5.0質量%である。0.1質量%未満では十分な効果が出ない場合があり、5.0質量%より多いと、のびのなめらかさが劣る場合がある。
(c)ネオペンチルグリコールと脂肪酸からなるジエステルは、脂肪酸の種類は特に限定されないが、例えばジイソノナン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリル酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール等が挙げられる。特にこれらのもののうち、ジイソノナン酸ネオペンチルグリコールが好ましい。(c)ネオペンチルグリコールと脂肪酸からなるジエステルの含有量は特に限定されないが、好ましくは2〜50質量%であり、より好ましくは5〜30質量%である。2質量%未満では十分な効果が出ない場合があり、50質量%より多いと、成型性が劣る場合がある。
本願発明の油性棒状化粧料には、本願発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて、前記成分以外の各種成分、例えば固形油、液状油、粉体、紫外線吸収剤、保湿剤、水性成分、界面活性剤、酸化防止剤、美容成分、防腐剤、水溶性高分子、皮膜形成剤、褪色防止剤、消泡剤、香料等を各種の効果を付与するために適宜配合することができる。
以下に実施例を挙げて、本願発明をさらに詳細に説明する。尚、これらは本願発明を何ら限定するものではない。
(実施例1〜6および比較例1〜9)油性ファンデーション(スティックタイプ)
表1に示す本願発明の油性棒状化粧料と、表2に示す比較品をそれぞれ調製し、得られた各試料について、成型性、容器からの飛び出しのなさ、のびの良さ(使用感)を次のように評価した。
(製造方法)
成分(1)〜(20)を均一加熱溶解および脱泡し、成形型に流し込んだ後冷却固化し、容器に装填して油性ファンデーション(スティックタイプ)を得た。
(製造方法)
成分(1)〜(23)を均一加熱溶解および脱泡し、成形型に流し込んだ後冷却固化し、容器に装填して油性ファンデーション(スティックタイプ)を得た。
(評価方法)
成型性について、次のように評価した。容器に充填を行う際の充填状態および冷却固化後の状態を、目視にて以下の4段階の判定基準により判定した。
良好な流れ込み、十分な形状保持:◎
充填ムラ、色ムラ:○
流れ込みにくい、ひび・欠け・はがれ:△
流れ込まない、形状保持できない:×
容器からの飛び出しのなさについて、次のように評価した。容器に装填された油性棒状化粧料を各処方3本ずつサイクル試験機中(−5〜40℃、2サイクル/日)に動かないように固定した。4週間後、飛び出した油性棒状化粧料の長さを測定して3本の長さの平均値を算出し、以下の4段階の判定基準により判定した。
0mm:◎
0mmを超えて1mm以下:○
1mmを超えて3mm以下:△
3mmを超える:×
のびの良さについて、官能検査パネル10名が適量を頬部に塗布し、次のように評価した。絶対評価にて7段階に評価し、各試料のパネル全員の評点の平均値から4段階判定基準により判定した。
(絶対評価)
(評点):(評価)
6:非常に良い
5:良い
4:やや良い
3:普通
2:やや悪い
1:悪い
0:非常に悪い
(判定基準)
(評点平均値) (判定)
5点を超える :非常に優れる:◎
3点を超えて5点以下:優れる :○
1点を超えて3点以下:劣る :△
1点以下 :非常に劣る :×
表1に示すように、本願発明品である実施例1〜6の油性棒状化粧料は、すべての項目で良好であった。
表2において、比較例1〜3に示すように、多糖脂肪酸エステル以外のよく知られたゲル化剤であるジステアルジモニウムヘクトライト、ジメチルシリル化シリカ、ショ糖脂肪酸エステルの配合では、容器からの飛び出しが起こった。また比較例4〜6に示すように、硫酸バリウム以外で化粧品に一般的に用いられる板状粉体であるタルク、マイカ、雲母チタンの配合では、成型時の流動性が悪くなり、成型性およびのびの良さが劣った。さらに比較例7〜9に示すように、イソノナン酸のエステルであるイソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸エチルヘキシル、イソノナン酸イソノニルの配合では、容器からの飛び出しが起こった。すなわち、多糖脂肪酸エステル誘導体、板状硫酸バリウム、ネオペンチルグリコールと脂肪酸からなるジエステルをすべて配合することが、成型性および使用感を損なうことなく、容器から飛び出さない油性棒状化粧料には必要である。
実施例7:油性ファンデーション(スティックタイプ)
成分名 配合量(質量%)
(1)ジカプリル酸ネオペンチルグリコール※7 35.0
(2)トリイソステアリン酸ポリグリセリル−2※24 10.2
(3)固形パラフィン※12 5.0
(4)マイクロクリスタリンワックス※11 7.0
(5)合成ワックス※25 3.0
(6)シア脂 5.0
(7)リン酸トリオレイル※15 0.5
(8)トコフェロール 0.2
(9)ステアリン酸イヌリン※1 0.1
(10)ジメチコン2質量%被覆処理酸化チタン 15.0
(11)ジメチコン2質量%被覆処理ベンガラ 0.7
(12)ジメチコン2質量%被覆処理黄酸化鉄 2.2
(13)ジメチコン2質量%被覆処理黒酸化鉄 0.1
(14)メチコン2質量%被覆処理マイカ 5.0
(15)板状硫酸バリウム(粒径10μm)※4 7.0
(16)ポリメチルシルセスキオキサン※26 3.0
(17)ナイロン−12※9 1.0
※24:トリイソステアリン酸ポリグリセリル−2(リソレックス PGIS 23 高級アルコール工業社製)
※25:合成ワックス(LIPWAX A−4 日本ナチュラルプロダクツ社製)
※26:ポリメチルシルセスキオキサン(トスパール2000B* モメンティブ社製)
製法:成分(1)〜(17)を均一加熱溶解し、棒状容器に流し込んだ後冷却固化し、油性ファンデーション(スティックタイプ)を得た。
実施例8:口紅(スティックタイプ)
成分名 配合量(質量%)
(1)固形パラフィン※12 10.0
(2)マイクロクリスタリンワックス※11 4.5
(3)カルナウバロウ※27 1.0
(4)マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル※28 9.0
(5)トリイソステアリン酸ポリグリセリル−2※24 27.3
(6)ジイソノナン酸ネオペンチルグリコール※6 15.0
(7)トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン※29 15.0
(8)メトキシケイヒ酸エチルヘキシル※30 4.0
(9)トコフェロール 0.1
(10)ミリスチン酸デキストリン※2 1.0
(11)酸化亜鉛 2.0
(12)黄酸化鉄 3.2
(13)酸化チタン 0.7
(14)赤色201号 0.1
(15)赤色202号 0.8
(16)板状硫酸バリウム(粒径20μm)※5 0.3
(17)雲母チタン 6.0
※27:カルナウバロウ(精製カルナウバワックス No.1 セラリカ野田社製)
※28:マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル(Plandool−MAS 日本精化社製)
※29:トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン(KAK TTI 高級アルコール工業社製)
※30:メトキシケイヒ酸エチルヘキシル(ノムコートTAB 日清オイリオ社製)
製法:成分(1)〜(17)を均一加熱溶解し、容器に流し込んだ後冷却固化し、口紅(スティックタイプ)を得た。
本願発明の油性棒状化粧料は、実施例7〜8に関しても、成型性および使用感を損なうことなく容器から飛び出さない油性棒状化粧料を得ることができた。
本願発明は、成型性および使用感を損なうことなく容器から飛び出さない油性棒状化粧料を得ることができるものである。

Claims (5)

  1. 次の成分(a)〜(c);
    (a)多糖脂肪酸エステル誘導体
    (b)板状硫酸バリウム
    (c)ネオペンチルグリコールと脂肪酸からなるジエステル
    を含有することを特徴とする油性棒状化粧料。
  2. 次の成分(a)〜(c)の含有量が;
    (a)多糖脂肪酸エステル誘導体 0.01〜3質量%
    (b)板状硫酸バリウム 0.1〜10質量%
    (c)ネオペンチルグリコールと脂肪酸からなるジエステル 2〜50質量%
    であることを特徴とする請求項1記載の油性棒状化粧料。
  3. 次の成分(a)〜(c)の含有量が;
    (a)多糖脂肪酸エステル誘導体 0.05〜2質量%
    (b)板状硫酸バリウム 0.5〜5質量%
    (c)ネオペンチルグリコールと脂肪酸からなるジエステル 5〜30質量%
    であることを特徴とする請求項1記載の油性棒状化粧料。
  4. 前記成分(a)がステアリン酸イヌリンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の油性棒状化粧料。
  5. 前記成分(c)がジイソノナン酸ネオペンチルグリコールであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の油性棒状化粧料。

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