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JP2015023871A - 苦味及び/又は渋味がマスキングされたポリフェノール含有飲食品 - Google Patents

苦味及び/又は渋味がマスキングされたポリフェノール含有飲食品 Download PDF

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Koji Yoshinaka
幸治 芳仲
茜 坂井
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茜 坂井
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Abstract

【課題】ポリフェノール含有飲食品の本来の風味やおいしさを損ねることなく、ポリフェノール含有飲食品における苦味や渋味をマスキングできる方法を提供する。
【解決手段】高甘味度甘味料であるアドバンテームを、ポリフェノール含有飲食品に含有・添加することで、ポリフェノール含有飲食品の苦味や渋味をマスキングする。
【選択図】なし

Description

本発明は、アドバンテームを含有するポリフェノールの苦味及び/又は渋味がマスキングされたポリフェノール含有飲食品、アドバンテームを添加するポリフェノール含有飲食品の苦味及び/又は渋味のマスキング方法、及びアドバンテームを有効成分とするポリフェノール含有飲食品の苦味及び/又は渋味のマスキング剤に関する。
カテキン類に代表されるポリフェノールには、コレステロール上昇抑制作用、血圧上昇抑制作用、血糖上昇抑制作用、抗アレルギー作用、体脂肪抑制作用などの生理効果があるといわれており、このような生理効果を期待するためには、大量のポリフェノールを摂取することが必要である。
近年、ポリフェノールを高濃度に配合した茶飲料などが市販されて、ポリフェノールを簡便に大量摂取することができるようになっている。
しかしながら、カテキン類などのポリフェノールを高濃度に含む飲料は、飲んだときにポリフェノールの苦味や渋味が強く感じられ、特にその苦味や渋味を好まない人には、手軽に飲用することが難しいという問題点があった。
そのため、ポリフェノールを配合した飲料の苦味や渋味を改善する方法として、各種のマスキング剤を添加して、ポリフェノールの苦味や渋味をマスキングすることが検討され、種々の提案がなされている。
例えば、サイクロデキストリンを用いる方法(特許文献1)、高甘味度甘味料であるソーマチン(特許文献2)、グリチルリチン(特許文献3)、スクラロース(特許文献4、5)などを用いる方法、さらには高甘味度甘味料である羅漢果抽出物(特許文献6)やアスパルテームなど(特許文献7)を、その甘味を呈さない量(甘味閾値以下の量)用いる方法なども提案されている。
一方、アドバンテーム(化学名:N−[N−[3−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)プロピル]−L−α−アスパルチル]−L−フェニルアラニン 1−メチルエステルの1水和物)は、特許文献8の表1において、化合物番号1で示されるもので、スクラロースやソーマチンなどと同じ高甘味度甘味料であって、ショ糖の約30,000倍の甘味を有するものである。
非特許文献1には、アドバンテームが異味(苦味、えぐ味、渋味など)のマスキングに有効であり、アミノ酸(L-アルギニン)、ビタミン、ステビア(Reb-A)などの苦味をマスキングできることが示されている。
しかしながら、これらの文献のいずれにも、アドバンテームを含有・添加することにより、ポリフェノール含有飲食品の苦味及び渋味をマスキングできることは、記載も示唆もされていない。
特開平3−168046号公報 特開2008−17834号公報 特開2008−17835号公報 特開平10−262601号公報 特開2008−99677号公報 特開2014−82960号公報 特開平10−248501号公報 特許第3959964号公報
月刊フードケミカル2014年6月号,Vol.30,No.6,19-23頁
上記特許文献2〜5に記載された方法では、ポリフェノールの苦味や渋味をマスキングできたとしても、高甘味度甘味料自体の甘味により、ポリフェノール含有飲食品の本来の風味やおいしさを損ねるという懸念があり、また上記特許文献1、6及び7に記載された方法では、ポリフェノールの苦味や渋味を十分にマスキングできないという問題点があった。
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであって、ポリフェノール含有飲食品の本来の風味やおいしさを損ねることなく、ポリフェノールの苦味、渋味がマスキングされた飲食品、及びポリフェノールの苦味、渋味のマスキング方法、並びにポリフェノールの苦味、渋味のマスキング剤を提供することを目的とするものである。
本発明者は、鋭意研究を重ねていたところ、高甘味度甘味料であるアドバンテームが、ポリフェノール含有飲食品の本来の風味やおいしさを損ねることなく、ポリフェノールの苦味及び/又は渋味をマスキングできることを見出した。
本発明は、下記に掲げるポリフェノールの苦味及び/又は渋味がマスキングされたポリフェノール含有飲食品に関するものである。
項1.アドバンテームを含有することを特徴とする、ポリフェノールの苦味及び/又は渋味がマスキングされたポリフェノール含有飲食品。
項2.アドバンテームを甘味の閾値以下の量含有することを特徴とする、項1記載のポリフェノールの苦味及び/又は渋味がマスキングされたポリフェノール含有飲食品。
項3.ポリフェノールが、カテキン類、酵素処理イソクエルシトリン、ヤマモモ抽出物、ナリンジン、又はクロロゲン酸である、項1又は2記載のポリフェノールの苦味及び/又は渋味がマスキングされたポリフェノール含有飲食品。
また、本発明は、下記に掲げるポリフェノール含有飲食品の苦味及び/又は渋味のマスキング方法に関するものである。
項4.アドバンテームを添加することを特徴とする、ポリフェノール含有飲食品の苦味及び/又は渋味のマスキング方法。
項5.アドバンテームを甘味の閾値以下の量添加することを特徴とする、項4記載のポリフェノール含有飲食品の苦味及び/又は渋味のマスキング方法。
項6.ポリフェノールが、カテキン類、酵素処理イソクエルシトリン、ヤマモモ抽出物、ナリンジン、又はクロロゲン酸である、項4又は5記載のポリフェノール含有飲食品の苦味及び/又は渋味のマスキング方法。
さらに、本発明は、下記に掲げるポリフェノール含有飲食品の苦味及び/又は渋味のマスキング剤に関するものである。
項7.アドバンテームを有効成分とすることを特徴とする、ポリフェノール含有飲食品の苦味及び/又は渋味のマスキング剤。
本発明によれば、ポリフェノール含有飲食品にアドバンテームを含有・添加することにより、ポリフェノール含有飲食品の本来の風味やおいしさを損ねることなく、ポリフェノール含有飲食品におけるポリフェノールの苦味や渋味をマスキングして、飲用しやすくできるという優れた効果を奏する。
本発明は、アドバンテームを含有することを特徴とする、ポリフェノールの苦味及び/又は渋味がマスキングされたポリフェノール含有飲食品に関するものである。
本発明の対象となる飲食品に含有されるポリフェノールとしては、通常経口摂取できるものであれば特に制限されるものではなく、例えば、カテキン類〔非重合体カテキン類(エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレード、エピガロカテキンガレートなどのエピ体カテキン類、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート、ガロカテキンガレードなどの非エピ体カテキン類など)、重合体カテキン類〕、テアフラビン類、テアルビジン類、タンニン、大豆イソフラボン、酵素処理ルチン、フラバンジェノール、ヤマモモ抽出物、酵素処理イソクエルシトリン、ピクノジェノール、ローズマリー抽出物、水溶性ローズマリン酸、5−アデニル酸、myo−イノシトール、エンジュ抽出物、酵素処理ヘスペリジン、シアノコバラミン、5−シチジル酸、トコトリエノール、トコフェノール、d−γ−トコフェノール、d−δ−トコフェノール、メナキノン(抽出物)、ルチン酵素分解物、リンゴポリフェノール、オキザノール、オリザノール、γ−オリザノール、テアフラビン、DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)、ザクロポリフェノール、ポリメトキシフラボン(PMFs)、キサントフモール、ホップフラバノイド、プロアントシアニジン(ブドウ種子ポリフェノール)、ルテオリン、ルテオリン−7−グルコシド、ストリクチニン、ペラルゴニジン、アピゲニン、ジオスミン、ルテオリン、ゲニスチン、ダイゼイン、ヘスペレチン、ナリンジン、ナリンゲニン、フロレチン、ゲルセチン、ケンフェノール、ミリセチン、タイニーズタンニン、コリラジン、レッドクローバ、沙棘フラボン、ポリフェノール素材(緑茶抽出物、ウーロン茶抽出物、甜茶抽出物、マテ、ブドウ種子抽出物、赤ブドウ葉抽出物、カシス(ブラックカラント)抽出物、リンゴ抽出物、クランベリー抽出物、赤ワインポリフェノール、カカオポリフェノール、ブルーベリー抽出物、ライチ種子・抽出物、キウイ種子、柑橘果皮(ヘスペリジン)、ユズ種子、アムラ果実、ザクロ果皮、松樹皮エキス、月見草、グアバ葉、ミント、ユーカリ、コーヒー豆、黒米抽出物、黒大豆抽出物、ピーナツ種皮、エンジュ・ソバ葉(ルチン)、そば実、ザクロ、さとうきび、フキ、赤ショウガ、バラ花びら、シソ、大麦、黒豆エキス、オリーブ抽出物、アカショウマ)、スルホラファン、アップルフェノン(リンゴポリフェノール)、エルソルビン酸、プロアントシアニジン、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、没食子酸プロピル(PG)、クエルセチンマロニルクルコシド、ココアフラバノール、メラトニン、ケルセチン、γオリザノール・フェルラ酸、フィチン酸(酸味料)タータリブチルヒドロキノン、チオジプロピオン酸ジラウリル、L-アスコルビン酸、L-アスコルビン酸ステアリン酸エステル、L-アスコルビン酸ナトリウム、L-アスコルビン酸パルミチン酸エステル、亜硫酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸カルシウムニナトリウム、エチレンジアミン四酢酸ニナトリウム、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、クエン酸イソプロピル、次亜硫酸ナトリウム、L-システイン塩酸塩、ジブチルヒドロキシトルエン、dl-アルファ-トコフェロール、二酸化硫黄、ピロ亜硫酸カリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、ルチン抽出物、アオイ花抽出物、アスペルギルステレウス抽出物、エラグ酸、ガンマ-オイザノール、カテキン、カンゾウ油性抽出物、グアヤク脂、クローブ抽出物、酵素処理ルチン、酵素処理リンゴ抽出物、ごま油不ケン化物、コメヌカ油抽出物、コメヌカ酵素分解物、食用カンナ抽出物、製油除去ウイキョウ抽出物、セイヨウワサビ抽出物、セサモリン、セサモール、セージ抽出物、セリ抽出物、チャ抽出物、テンペ抽出物、ドクダミ抽出物、トコトリエノール、d−アルファ-トコフェロール、d−ベータ-トコフェロール、d−ガンマ-トコフェロール、ナタネ抽出物、生コーヒー豆抽出物、ノルジヒドログアヤレチック酸、ヒマワリ種子抽出物、ピメンタ抽出物、フェルラ酸、ブドウ種子抽出物、ブルーベリー抽出物、プロポリス抽出物、ヘゴ・イチョウ抽出物、ヘスペレチン、ペパー抽出物、ホウセンカ抽出物、没食子酸、ミックストコフェロール、メラロイカ精油、モリン、ユーカリ葉抽出物、リンドウ根抽出物、サツマイモ茎葉ポリフェノール、アスタキサンチン、フラボノイド、テルペノイド、杜仲葉配糖体(ゲポニシド酸)、大豆たんぱく質、ラクトトリペプチド、カプサイシン、カプシエイト、ラズベリーケトン、カルノソール、エキネノン、ゼアキサンチン、ルテイン、β−クリプトキサンチン、ナリンゲニン、タキシフォリン、アピゲニン、クリシン、ルテオリン、ルチン、ケンフェロール、ケンフェロール、イソラムネチン、テルペンラクトン、スチルベン、プロアントシアニジン、フラバン−3−オール、β−クリプトキサンチン、カンタキサンチン、ホエニコキサンチン、サポニン、イソフラボン、マロニル―β−グルコシド、ヘスペリジン、ナリルチン、クロロゲン酸、アントシアニン、クェルセチン配糖体、フロレチン配糖体、イソプレノイド、フィタン酸、ゲニステイン、ダイゼイン、グゥアバ葉ポリフェノールなどが挙げられる。
本発明のポリフェノール含有飲食品に含まれるポリフェノールの量は、その種類によって異なるが、飲食品中に0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜1質量%である。
本発明の対象となるポリフェノール含有飲食品は、例えば、緑茶、抹茶、ほうじ茶、ウーロン茶、ジャスミン茶、紅茶などの茶飲料、コーヒー、ココアなどの非茶系飲料、炭酸飲料、清涼飲料、豆乳飲料、野菜系飲料、コラーゲン飲料、ワインやぶどう酒などのアルコール飲料、柿、栗、ぶどう、銀杏などの果汁又は果肉を含む飲食品、柑橘類(グレープフルーツ、オレンジ、レモンなど)の果汁や果肉を含む飲食品、カレー、シチュー、水産練り製品、ソース類、ドレッシング類、スープ類、米菓(もち、せんべいなど)、スナック類、飴類、キャンデー、グミ、チョコレート、ゼリー、まんじゅう、羊羹、パン、サプリメントなどの機能性食品などを例示することができる。
これらの飲食品の中で、好ましくは上記の各飲料、特に好ましくは上記の茶飲料が挙げられる。
また、本発明は、ポリフェノールを含有する医薬品や医薬部外品にも適用することができる。
本発明に使用されるアドバンテーム(化学名:N−[N−[3−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)プロピル]−L−α−アスパルチル]−L−フェニルアラニン 1−メチルエステルの1水和物)は、ショ糖の約30,000倍の甘味を有する高甘味度甘味料であり、味の素株式会社で開発されたもので、既に甘味料としてオーストラリアなどで認可されており、最近日本においても食品添加物として指定され、使用が認可されたものである。
アドバンテームは、例えば、前記特許文献8の実施例1に記載された製法に従って、製造することができる。
ポリフェノールの苦味及び/又は渋味をマスキングするために、ポリフェノール含有飲食品に含有・添加されるアドバンテームの量は、0.01ppm〜1ppm、好ましくは0.02ppm〜0.5ppm、より好ましくは0.05ppm〜0.3ppmである。
アドバンテームの量が0.01ppmより少ないと、ポリフェノールの苦味及び/又は渋味をマスキングする効果が十分ではなく、逆に1ppmより多いと、アドバンテームの後に残る甘味が感じられるようになり、ポリフェノール含有飲食品の本来の味を損なうおそれがあるので、いずれも好ましくない。
さらに、アドバンテームは、その甘味閾値(0.2ppm)以下の甘味を呈さない量でも、ポリフェノールの苦味及び/又は渋味をマスキングすることができるという優れた効果を奏する。
本発明のポリフェノール含有飲食品は、アドバンテームを含有・添加する以外は、常法により製造することができる。
アドバンテームは最終製品に含有されていればよく、アドバンテームの添加の時期や順序などは問わないが、アドバンテームは微量で甘味を呈するので、アドバンテームをポリフェノール含有飲食品に含有・添加する際には、水などに溶解させて使用するか、又は固形状態でデキストリンや糖アルコール(例えば、還元パラチノース、マルチトール、ソルビトールなど)などを混合して、例えば1,000倍又は10,000倍に希釈して使用することが好ましい。
また、本発明ポリフェノール含有飲食品には、アドバンテーム以外の甘味料を併用してもよい。
甘味料としては、ショ糖、ブドウ糖、果糖、果糖ブドウ糖液糖、水飴、還元水飴、はちみつ、異性化糖、転化糖、オリゴ糖(イソマルトオリゴ糖、還元キシロオリゴ糖、還元ゲンチオオリゴ糖、キシロオリゴ糖、ゲンチオオリゴ糖、ニゲロオリゴ糖、テアンデオリゴ糖、大豆オリゴ糖など)、トレハロース、パラチノース、糖アルコール(エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール、還元パラチノース、マンニトールなど)、高甘味度甘味料(アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムカリウム、ネオテーム、ステビア抽出物、羅漢果抽出物、ソーマチン、グリチルリチン、サッカリンなど)を、1種又は2種以上を用いることができる。
さらに、本発明のポリフェノール含有飲食品には、酸味料(アスコルビン酸、クエン酸、グルコン酸、コハク酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、リンゴ酸及びこれらの塩類など)、酸化防止剤、香料、色素、乳化剤、保存料、調味料、pH調整剤、品質安定剤などの添加剤を単独、あるいは併用して配合しても良い。
また、本発明は、アドバンテームを添加することを特徴とする、ポリフェノール含有飲食品の苦味及び/又は渋味のマスキング方法に関するものである。
本発明の方法の対象となるポリフェノール、及びポリフェノール含有飲食品は、上記の通りである。
本発明の方法に使用するために、ポリフェノール含有飲食品に添加されるアドバンテームの量は、0.01ppm〜1ppm、好ましくは0.02ppm〜0.5ppm、より好ましくは0.05ppm〜0.3ppmである。
アドバンテームの量が0.01ppmより少ないと、ポリフェノールの苦味及び/又は渋味をマスキングする効果が十分ではなく、逆に1ppmより多いと、アドバンテームの後に残る甘味が感じられるようになり、ポリフェノール含有飲食品の本来の味を損なうおそれがあるので、いずれも好ましくない。
アドバンテームをポリフェノール含有飲食品に0.01ppm〜1ppm添加することにより、ポリフェノール含有飲食品の本来の風味やおいしさを損ねることなく、ポリフェノール含有飲食品の苦味及び/又は渋味をマスキングすることができる。
さらに本発明は、アドバンテームを有効成分とすることを特徴とする、ポリフェノール含有飲食品の苦味及び/又は渋味のマスキング剤に関するものである。
本発明のマスキング剤に含有されるアドバンテームは、製剤中に0.01〜5質量%である。
本発明のマスキング剤は、アドバンテームを水などに溶解させて溶液状態とするか、又はデキストリンや糖アルコール(例えば、還元パラチノース、マルチトール、ソルビトールなど)などを混合して、例えば1,000倍又は10,000倍に希釈して固形状態とする。
本発明のマスキング剤は、ポリフェノール含有飲食品に、アドバンテーム濃度が0.01ppm〜1ppmとなるように添加される。
本発明のマスキング剤には、本発明の効果を損なわない程度に、前記の甘味料や高甘味度甘味料(例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテームなど)、酸味料、香料、色素、防腐剤、安定化剤、酸化防止剤などを添加することができる。
以下、本発明の内容を以下の実施例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
なお、以下の記載において、「%」は質量%を示し、「*」は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の製品を、「※」は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商標をそれぞれ示す。
(実施例1)
市販品のポリフェノール含有茶飲料(350ml中に茶カテキンを540mg含有)に、アドバンテームを表1の各量添加し溶解して、アドバンテームを含有するポリフェノール含有茶飲料を調製した。
それらの苦味及び渋味のマスキング効果を、アドバンテーム無添加区と比較して、以下の基準により評価して、結果を表1に示した。
◎:非常に効果がある ○:効果がある
△:やや効果がある ×:効果がない・異味がする
アドバンテームは添加量が多いほど茶カテキンの苦味や渋味のマスキング効果が強いということはなく、甘味閾値以下の量である0.1ppm前後の添加量で最も効果が強いことが確認された。
(実施例2)
SD緑茶エキスパウダー No.16714*を、0.25%になるように水に溶解し、さらに、アドバンテームを表2の各量添加し溶解して、アドバンテームを含有する緑茶飲料を調製した。
当該緑茶エキスパウダーは、カテキン類を28%以上含有し、そのカテキン類の分析例を表3に示した。
それらの苦味及び渋味のマスキング効果を実施例1と同様に評価して、結果を表2に示した。
(実施例3)
FDウーロン茶エキスパウダー No.16297*を、0.25%になるように水に溶解し、さらに、アドバンテームを表4の各量添加し溶解して、アドバンテームを含有するウーロン茶飲料を調製した。
それらの苦味及び渋味のマスキング効果を実施例1と同様に評価して、結果を表4に示した。
(実施例4)
FDジャスミン茶エキスパウダー No.16347*を、0.25%になるように水に溶解し、さらに、アドバンテームを表5の各量添加し溶解して、アドバンテームを含有するジャスミン茶飲料を調製した。
それらの苦味及び渋味のマスキング効果を実施例1と同様に評価して、結果を表5に示した。
(実施例5)
酵素処理イソクエルシトリン(以下、「EMIQ」という)を水に溶解して、EMIQの0.1%水溶液を調製した。
この水溶液に、アドバンテームを表6の各量添加し溶解して、アドバンテームを含有するEMIQ含有水溶液を調製し、それらの苦味及び渋味のマスキング効果を実施例1と同様に評価して、結果を表6に示した。
(実施例6)
ヤマモモ抽出物として、サンメリン※Y−AF(ヤマモモ抽出物3%含有品)*を使用し、これを水に溶解して、ヤマモモ抽出物の0.6%水溶液を調製した。
この水溶液に、アドバンテームを表7の各量添加し溶解して、アドバンテームを含有するヤマモモ抽出物含有水溶液を調製し、それらの渋味のマスキング効果を実施例1と同様に評価して、結果を表7に示した。
(実施例7)
ナリンギンを少量のエタノールを用いて溶解し、さらに水を加えてナリンギンの0.1%水溶液を調製した。
この水溶液に、アドバンテームを表8の各量添加し溶解して、アドバンテームを含有するナリンギン含有水溶液を調製し、それらの苦味のマスキング効果を実施例1と同様に評価して、結果を表8に示した。
(実施例8)
コーヒー豆(L値20、ブレンド(コロンビア50%、ブラジル50%))に7倍量の熱湯を加え、コーヒー抽出液(可溶性固形分3%)を得た。
これを水で40%に希釈し、ブラックコーヒーを調製した。
このブラックコーヒーに、アドバンテームを表9の各量添加し溶解して、アドバンテームを含有するブラックコーヒーを調製し、コーヒー抽出液に含まれるクロロゲン酸に起因する渋味のマスキング効果を、実施例1と同様に評価して、結果を表9に示した。
本発明は、アドバンテームを含有・添加することにより、ポリフェノール含有飲食品の本来の風味やおいしさを損ねることなく、ポリフェノール含有飲食品における苦味及び/又は渋味をマスキングすることができるので、飲食品の分野において有用である。

























Claims (7)

  1. アドバンテームを含有することを特徴とする、ポリフェノールの苦味及び/又は渋味がマスキングされたポリフェノール含有飲食品。
  2. アドバンテームを甘味の閾値以下の量含有することを特徴とする、請求項1記載のポリフェノールの苦味及び/又は渋味がマスキングされたポリフェノール含有飲食品。
  3. ポリフェノールが、カテキン類、酵素処理イソクエルシトリン、ヤマモモ抽出物、ナリンジン、又はクロロゲン酸である、請求項1又は2記載のポリフェノールの苦味及び/又は渋味がマスキングされたポリフェノール含有飲食品。
  4. アドバンテームを添加することを特徴とする、ポリフェノール含有飲食品の苦味及び/又は渋味のマスキング方法。
  5. アドバンテームを甘味の閾値以下の量添加することを特徴とする、請求項4記載のポリフェノール含有飲食品の苦味及び/又は渋味のマスキング方法。
  6. ポリフェノールが、カテキン類、酵素処理イソクエルシトリン、ヤマモモ抽出物、ナリンジン、又はクロロゲン酸である、請求項4又は5記載のポリフェノール含有飲食品の苦味及び/又は渋味のマスキング方法。
  7. アドバンテームを有効成分とすることを特徴とする、ポリフェノール含有飲食品の苦味及び/又は渋味のマスキング剤。











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