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JP2015021643A - ヒートポンプ装置 - Google Patents

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JP2015021643A
JP2015021643A JP2013148335A JP2013148335A JP2015021643A JP 2015021643 A JP2015021643 A JP 2015021643A JP 2013148335 A JP2013148335 A JP 2013148335A JP 2013148335 A JP2013148335 A JP 2013148335A JP 2015021643 A JP2015021643 A JP 2015021643A
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洋太 中村
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Abstract

【課題】従来よりも効率的に除霜を行うことが可能な技術を提供する。
【解決手段】本明細書が開示するヒートポンプ装置は、空気と冷媒の間で熱交換する蒸発器と、冷媒を加圧する圧縮機と、冷媒と被加熱流体の間で熱交換する凝縮器と、冷媒を減圧する膨張弁と、蒸発器、圧縮機、凝縮器、膨張弁の順に冷媒を循環させる冷媒経路と、凝縮器から膨張弁に至る冷媒経路の区間と、膨張弁から蒸発器に至る冷媒経路の区間とを、膨張弁を介することなく互いに接続する除霜経路と、除霜経路を開閉する除霜弁とを備える。このヒートポンプでは、加熱運転から除霜運転に切り替える際に、圧縮機を運転させた状態で、除霜弁を閉じた状態から開いた状態に切り替える。
【選択図】図1

Description

本明細書で開示する技術は、ヒートポンプ装置に関する。
特許文献1には、空気と冷媒の間で熱交換する蒸発器と、冷媒を加圧する圧縮機と、冷媒と水の間で熱交換する凝縮器と、冷媒を減圧する膨張弁と、蒸発器、圧縮機、凝縮器、膨張弁の順に冷媒を循環させる冷媒経路と、圧縮機から凝縮器に至る冷媒経路の区間と膨張弁から蒸発器に至る冷媒経路の区間とを接続するバイパス路と、バイパス路を開閉するバイパス弁と、凝縮器で加熱された水(温水)を貯留するタンクとを備えるヒートポンプ式給湯装置が開示されている。
特許文献1のヒートポンプ式給湯装置は、バイパス弁を閉じた状態で圧縮機を運転することによって、圧縮機から流出した冷媒を凝縮器及び膨張弁を順に経由させて蒸発器に流入させる加熱運転を行う。また、加熱運転中に、蒸発器の温度が所定の基準温度より低くなる場合、膨張弁を閉じ、バイパス弁を開いた状態で圧縮機を運転させる除霜運転を行う。除霜運転では、圧縮機から流出した高温の冷媒を、バイパス路を通過させ、凝縮器及び膨張弁を経由させることなく蒸発器に直接的に流入させる。加熱運転時に比べて高温の冷媒が蒸発器に流入することにより、蒸発器に付着した霜が除去される。
特開2001−263800号公報
特許文献1のヒートポンプ式給湯装置では、加熱運転中はバイパス路内を冷媒が流れない。そのため、特に冬季等の外気温が低い状況では、加熱運転中にバイパス路が冷える場合がある。そのような場合に、加熱運転から除霜運転に切り替えると、圧縮機から流出した高温の冷媒の温度が、バイパス路内を通過する間に低下してしまう。その結果、除霜運転を開始してからバイパス路が温まるまでの間、高温の冷媒が蒸発器に流入されず、効率的に除霜を行うことができない場合がある。
本明細書では、従来よりも効率的に除霜を行うことが可能な技術を提供する。
本明細書が開示するヒートポンプ装置は、空気と冷媒の間で熱交換する蒸発器と、冷媒を加圧する圧縮機と、冷媒と被加熱流体の間で熱交換する凝縮器と、冷媒を減圧する膨張弁と、蒸発器、圧縮機、凝縮器、膨張弁の順に冷媒を循環させる冷媒経路と、凝縮器から膨張弁に至る冷媒経路の区間と、膨張弁から蒸発器に至る冷媒経路の区間とを、膨張弁を介することなく互いに接続する除霜経路と、除霜経路を開閉する除霜弁とを備える。そのヒートポンプ装置は、除霜弁を閉じた状態で圧縮機を運転させることによって、圧縮機から流出した冷媒を凝縮器及び膨張弁を順に経由させて蒸発器に流入させる加熱運転と、除霜弁を開いた状態で圧縮機を運転させることによって、圧縮機から流出した冷媒を、凝縮器及び除霜経路を順に経由させて蒸発器へ流入させる除霜運転とを実施可能であり、加熱運転から除霜運転に切り替える際に、圧縮機を運転させた状態で、除霜弁を閉じた状態から開いた状態に切り替える。
上記のヒートポンプ装置では、加熱運転から除霜運転に切り替える際に、圧縮機を運転させた状態で、除霜弁を閉じた状態から開いた状態に切り替える。そのため、加熱運転から除霜運転に切り替える際に、圧縮機を一度停止して再起動させる必要がない。そのため、加熱運転から除霜運転に切り替える際に冷媒温度が低下することを抑制することができる。また、圧縮機の再起動時に必要な電力消費を抑制することもできる。
さらに、上記のヒートポンプ装置では、加熱運転の終了時点では、凝縮器から膨張弁に至る冷媒経路の区間及び凝縮器内が、加熱運転中に流れていた高温の冷媒によって高温に保たれている。上記のヒートポンプ装置は、加熱運転から除霜運転に切り替えられると、圧縮機から流出した冷媒は、凝縮器及び除霜経路を順に経由して蒸発器へ流入する。圧縮機から流出させた高温の冷媒を、加熱運転中に温められていた経路を経由して蒸発器に流入させることができる。そのため、除霜運転時に圧縮機から流出された冷媒を、圧縮機から凝縮器に至る冷媒経路の区間と膨張弁から蒸発器に至る冷媒経路の区間とを接続するバイパス路を経由して蒸発器に供給する従来の構成と比べて、除霜運転の開始後に冷媒の温度が低下することを抑制することができる。除霜運転の開始直後から、比較的高温の冷媒を蒸発器に流入させて除霜を行うことができるため、従来よりも効率的に除霜を行うことができる。
実施例の給湯装置10の構成を模式的に示す図。 コントローラ70が実行する処理を示すフローチャート。
以下に説明する実施例の主要な特徴を列記しておく。なお、以下に記載する技術要素は、それぞれ独立した技術要素であって、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。
(特徴1)ヒートポンプ装置は、除霜運転から加熱運転に切り替える際に、膨張弁が開かれ、圧縮機を運転させた状態で、除霜弁を開いた状態から閉じた状態に切り替えることが好ましい。
万が一、膨張弁を閉じたまま除霜弁を閉じてしまうと、冷媒経路を循環する冷媒の圧力が急上昇してしまうおそれがある。この点、上記の構成によると、膨張弁を開いておいた上で、除霜弁を閉じることができるため、除霜運転から加熱運転に切り替える際に、冷媒経路を循環する冷媒の圧力が急激に上昇することを抑制することができる。そのため、除霜運転から加熱運転に切り替える際に圧縮機を一度停止して再起動させる必要もなく、除霜運転から加熱運転に切り替える際に冷媒温度が低下することを抑制することができる。また、圧縮機の再起動時に必要な電力消費を抑制することもできる。なお、「膨張弁が開かれ」る状態には、開いた状態の膨張弁の開度をそのまま維持すること、膨張弁の開度を閉じた状態から開くこと、膨張弁の開度が小さい状態から大きい状態に変化させること、のいずれも含まれる。
(特徴2)ヒートポンプ装置は、所定の加熱運転の終了条件を満たす場合に加熱運転を終了するとともに、除霜運転に切り替えることが好ましい。
上記の構成によると、ヒートポンプ装置は、加熱運転の終了後に毎回除霜運転を行うことができる。そのため、次回の加熱運転を行う場合、除霜済みの蒸発器を用いて効率の良い加熱運転を行うことができる。従って、加熱運転を毎回効率良く行うことができる。また、上記の構成によると、除霜運転の開始時に、圧縮機から流出させた高温の冷媒を、加熱運転中に温められていた経路を経由して蒸発器に流入させることができるため、効率良く除霜を行うこともできる。
(実施例)
図1に示す本実施例の給湯装置10は、カラン(図示せず)や浴槽といった給湯箇所へ温水を供給する装置である。図1に示すように、給湯装置10は、温水を貯める貯湯タンク18と、貯湯タンク18の温水を循環加熱するヒートポンプ30と、補助熱源であるガス熱源機12を備えている。なお、給湯装置10は、貯湯タンク18に貯めた温水の熱を暖房にも利用する給湯暖房装置であってもよい。また、給湯装置10は、貯湯タンク18を必ずしも有する必要はなく、ヒートポンプ30で加熱した温水を給湯箇所(あるいは暖房箇所)へ直接的に供給するものであってもよい。
貯湯タンク18には、給水管16と出湯管14が接続されている。図示省略するが、貯湯タンク18には、複数の温度センサが高さ方向に沿って配置されている。貯湯タンク18に配置されている各温度センサは、後述のヒートポンプ30のコントローラ70に接続されている。コントローラ70は、各温度センサの検出結果に基づいて、貯湯タンク18内の温水温度及び温水量(即ち熱量)を把握することができる。給水管16は、貯湯タンク18へ上水を供給する管路である。給水管16は、貯湯タンク18の底部に接続されている。図示省略するが、給水管16には、各種のセンサや弁などが設けられている。出湯管14は、貯湯タンク18から給湯箇所へ温水を送る管路である。出湯管14は、貯湯タンク18の上部に接続されている。図示省略するが、出湯管14にも、各種のセンサや弁などが設けられている。
ガス熱源機12は、出湯管14の経路上に設けられている。ガス熱源機12は、貯湯タンク18からの温水の温度が、必要とされる温度を下回るときに、燃料ガスを燃焼することによって当該温水を加熱することができる。それにより、給湯装置10は、大量又は高温の給湯要求があり、貯湯タンク18の温水量及び温水温度では不十分である場合に、ガス熱源機12を稼働させることによって、不足する熱量を補うことができる。あるいは、外気温が極めて低いときなど、ヒートポンプ30の能力が著しく低下する場合でも、ガス熱源機12を稼働させることによって、必要とされる給湯を行うことができる。
ヒートポンプ30は、大気から採熱して水を加熱するヒートポンプである。ヒートポンプ30は、加熱往路22と加熱復路20を通じて、貯湯タンク18に接続されている。加熱往路22は、貯湯タンク18内の水を、ヒートポンプ30に送る管路である。加熱復路20は、ヒートポンプ30で加熱された温水を、貯湯タンク18へ戻す管路である。加熱往路22と加熱復路20は一連に接続されており、貯湯タンク18とヒートポンプ30との間で水を循環させる循環経路を構成している。加熱往路22には、循環ポンプ60が設けられている。循環ポンプ60は、後述するヒートポンプ30のコントローラ70によって制御される。図示省略するが、加熱往路22及び加熱復路20には、各種のセンサや弁などが設けられている。
ヒートポンプ30は、蒸発器32と、圧縮機34と、凝縮器36と、膨張弁38とを備えている。蒸発器32と圧縮機34と凝縮器36と膨張弁38の間は、冷媒経路42、44、46、48によって順に接続されており、冷媒を循環させる循環経路が構成されている。また、ヒートポンプ30は、各部の動作を制御するコントローラ70を備えている。
蒸発器32は、空気中の熱を冷媒に吸熱させる熱交換器である。蒸発器32には、室外ファン54によって送風が行われる。室外ファン54は、ファンモータ56によって駆動される。蒸発器32では、膨張弁38を通過したミスト状の冷媒が、空気中の熱を吸収して蒸発する。一例ではあるが、本実施例では、冷媒として二酸化炭素を採用している。ただし、冷媒の種類については特に限定されない。ファンモータ56は、コントローラ70へ電気的に接続されており、その動作、即ち、室外ファン54の動作が、コントローラ70によって制御される。また、蒸発器32には、蒸発器32の温度を測定する蒸発器温度センサ57が備えられている。さらに、蒸発器32の近傍には、外気温を測定する外気温センサ58も備えられている。蒸発器温度センサ57及び外気温センサ58も、コントローラ70へ電気的に接続されている。
圧縮機34は、蒸発器32の出口側に接続されており、蒸発器32からの冷媒を圧縮する。蒸発器32で気化した冷媒は、圧縮されることによって、高温高圧の状態になる。圧縮機34の構造、方式については、特に限定されない。圧縮機34はコントローラ70へ電気的に接続されており、圧縮機34の動作はコントローラ70によって制御される。
凝縮器36は、圧縮機34の出口側に接続されている。凝縮器36は、冷媒と水との間で熱交換を行う熱交換器である。凝縮器36には、加熱往路22を通じて、貯湯タンク18の水が送られる。凝縮器36では、圧縮機34からの冷媒が凝縮しながら放熱し、その放熱によって貯湯タンク18からの水が加熱される。加熱後の水は、加熱復路20を通じて、貯湯タンク18に戻される。それにより、貯湯タンク18に温水が貯められる。
膨張弁38は、凝縮器36の出口側に接続されている。本実施例の膨張弁38は、一例ではあるが、その開度を電気的に調整可能な電子膨張弁である。膨張弁38はコントローラ70へ電気的に接続されており、膨張弁38の動作はコントローラ70によって制御される。凝縮器36からの冷媒は、膨張弁38を通過することによって、急速に膨張する(ミスト状になる)。膨張弁38の出口側は、蒸発器32の入口側に接続されており、低温低圧となった(ミスト状の)冷媒が蒸発器32に送られる。蒸発器32では、前述のとおり、大気から採熱することによって冷媒が気化される。以上の冷凍サイクルにより、ヒートポンプ30は、大気の熱を利用して貯湯タンク18内の水を加熱することができる。
ヒートポンプ30では、上記した冷凍サイクルの結果、蒸発器32に霜が付着することがある。蒸発器32への着霜は、ヒートポンプ30の熱効率を有意に低下させる。そのことから、本実施例のヒートポンプ30では、除霜経路50と除霜弁52が付加されている。
除霜経路50は、凝縮器36の出口側を、膨張弁38をバイパスして、蒸発器32の入口側に接続する冷媒の経路である。除霜経路50の上流端は、凝縮器36と膨張弁38を接続する冷媒経路の区間46に接続されており、除霜経路50の下流端は、膨張弁38と蒸発器32を接続する冷媒経路の区間48に接続されている。除霜弁52は、除霜経路50上に設けられており、除霜経路50を開通/閉鎖するための開閉弁である。除霜弁52は、その開閉を電気的に制御可能な電子制御弁である。除霜弁52は、コントローラ70へ電気的に接続されており、除霜弁52の動作はコントローラ70によって制御される。
コントローラ70は、圧縮機34、ファンモータ56、膨張弁38、除霜弁52、循環ポンプ60を制御することによって、貯湯タンク18に温水を貯めるための沸き上げ運転と、蒸発器32に付着した霜を除去するための除霜運転とを実行する。コントローラ70が実行する処理、及び、沸き上げ運転と除霜運転の各内容については後で詳しく説明する。
(コントローラ70が実行する処理)
次いで、図2を参照して、本実施例のコントローラ70が実行する処理について説明する。給湯装置10の運転が開始されると、S10において、コントローラ70は、沸き上げ運転を開始するタイミングが到来することを監視する。例えば、予め予約された給湯時刻までに貯湯タンク18内に設定温度の温水を貯めるために、給湯時刻より所定時間(例えば30分)前に沸き上げ運転を開始する必要がある場合、給湯時刻より所定時間前の時刻が到来すると、コントローラ70は、S10でYESと判断し、S12に進む。一方、S10でNOの場合には監視を継続する。なお、他の例では、コントローラ70は、ユーザによって沸き上げ指示が入力された場合に、S10でYESと判断してもよい。
S12では、コントローラ70は、沸き上げ運転を開始する。具体的には、S12では、コントローラ70は、膨張弁38を開き、除霜弁52を閉じた状態で、圧縮機34、ファンモータ56、及び、循環ポンプ60を作動させる。これにより、圧縮機34、凝縮器36、膨張弁38、蒸発器32の順に冷媒が循環する。上記の通り、圧縮機34から流出し、凝縮器36に流入する冷媒は、高温高圧の気体状態である。また、循環ポンプ60が作動することにより、貯湯タンク18内の水が、加熱往路22を通じて、凝縮器36内に送られる。凝縮器36では、圧縮機34からの冷媒が凝縮しながら放熱し、その放熱によって貯湯タンク18からの水が加熱される。加熱後の水は、加熱復路20を通じて、貯湯タンク18の上部に戻される。それにより、貯湯タンク18に温水が貯められる。貯湯タンク18の上部には、高温の水の層が形成され、下部には、低温の水の層が形成される。S12で沸き上げ運転を開始すると、コントローラ70は、S14、S16の各監視を同時に行う。
S14では、コントローラ70は、沸き上げが終了することを監視する。S14では、コントローラ70は、貯湯タンク18に設置された複数の温度センサの検出温度に基づいて、貯湯タンク18が設定温度の温水で満たされる状態(いわゆる満蓄状態)になることを監視する。貯湯タンク18が設定温度の温水で満たされる状態になると、コントローラ70は、S14でYESと判断し(即ち、沸き上げが終了したと判断し)、S20に進む。なお、他の例では、コントローラ70は、貯湯タンク18内に、設定温度の温水が予め設定された量だけ貯められた場合に、S14でYESと判断してもよい。一方、S14でNOの場合には、S14、S16の各監視を継続する。
S20では、コントローラ70は、沸き上げ運転を終了するとともに、除霜運転を開始する。具体的には、コントローラ70は、圧縮機34を作動させた状態で、除霜弁52を開くとともに、ファンモータ56及び循環ポンプ60を停止させる。なお、コントローラ70は、除霜弁52を開いた後に、膨張弁38を閉じる。これにより、圧縮機34、凝縮器36、除霜経路50、蒸発器32の順に冷媒が循環する。除霜運転では、冷媒は膨張弁38を経由しない。圧縮機34から流出する高温の冷媒は、凝縮器36及び除霜経路50を順に経由し、蒸発器32に流入する。これにより、蒸発器32の温度を上昇させて、蒸発器32に付着した霜を融解させる。除霜運転を継続することで、蒸発器32に付着した霜が除去される。S20で除霜運転が開始されると、コントローラ70は、S24の監視を実行する。
S16では、コントローラ70は、蒸発器32の温度が所定の基準温度Th以下になることを監視する。具体的には、S16では、コントローラ70は、蒸発器温度センサ57の検出温度が所定の基準温度Th以下になることを監視する。所定の基準温度Thは、蒸発器32の温度がその温度以下になる場合、蒸発器32の外側に霜が付着する可能性が高くなる温度であり、例えば−5℃に設定されている。蒸発器温度センサ57の検出温度が所定の基準温度Th以下である場合、コントローラ70は、S16でYESと判断し、S22に進む。一方、S16でNOの場合には、S14、S16の各監視を継続する。
S22では、コントローラ70は、沸き上げ運転を中断し、除霜運転を開始する。S22でコントローラ70が実行する具体的な処理は、S20と同様であるため、詳しい説明を省略する。ただし、S22では、コントローラ70は、沸き上げ運転が中断されたことを示す情報を記憶する。S22で除霜運転が開始されると、コントローラ70は、S24の監視を実行する。
S24では、コントローラ70は、S20又はS22で除霜運転が開始されてから、所定の除霜時間が経過することを監視する。所定の除霜時間は、蒸発器32に付着した霜が十分に除去されるために必要な時間であり、例えば15分に設定されている。S20又はS22で除霜運転が開始されてから所定の除霜時間が経過する場合、コントローラ70は、S24でYESと判断し、S26に進む。一方、S24でNOの場合にはS24の監視を継続する。
S26では、コントローラ70は、沸き上げが終了しているか否かを判断する。具体的には、S26では、コントローラ70は、沸き上げ運転が中断されたことを示す情報(S22参照)を記憶しているか否かを判断する。上記の通り、S20で沸き上げ運転を終了して除霜運転を開始していた場合には、コントローラ70は、沸き上げ運転が中断されたことを示す情報を記憶していない。その場合、コントローラ70は、S26でYESと判断し、S28に進む。
S28では、コントローラ70は、除霜運転を終了する。具体的には、S28では、コントローラ70は、圧縮機34を停止させる。S28を終えると、コントローラ70は、S10に戻り、再び沸き上げ開始タイミングが到来することを監視する。
一方、S22で沸き上げ運転を中断して除霜運転を開始していた場合には、コントローラ70は、沸き上げ運転が中断されたことを示す情報を記憶している。その場合、コントローラ70は、S26でNOと判断し、S12に戻る。戻った先のS12では、コントローラ70は、除霜運転を終了するとともに、中断していた沸き上げ運転を再開する。具体的には、コントローラ70は、閉じられていた膨張弁38を開き、圧縮機34を作動させた状態で、開かれていた除霜弁52を閉じる。さらに、コントローラ70は、ファンモータ56及び循環ポンプ60を作動させる。これにより、ヒートポンプ30の運転内容が、除霜運転から沸き上げ運転に切り替わる。これにより、圧縮機34、凝縮器36、膨張弁38、蒸発器32の順に冷媒が再び循環し、貯湯タンク18内に温水が貯められる。S12で沸き上げ運転を再開させた後の各処理の内容は上記と同様である。
以上、本実施例の給湯装置10の構成、及び、コントローラ70が実行する各処理の内容について説明した。上記の通り、本実施例のヒートポンプ30は、図2のS20、S22に示すように、沸き上げ運転から除霜運転に切り替える際に、圧縮機34を運転させた状態で、除霜弁52を開く。そのため、沸き上げ運転から除霜運転に切り替える際に、圧縮機34を一度停止して再起動させる必要がない。そのため、沸き上げ運転から除霜運転に切り替える際に冷媒温度が低下することを抑制することができる。また、圧縮機34の再起動時に必要な電力消費を抑制することもできる。
また、本実施例のヒートポンプ30は、沸き上げ運転の終了(又は中断)時点(S20又はS22)では、凝縮器36から膨張弁38に至る冷媒経路の区間46、及び、凝縮器36内が、沸き上げ運転中に流れていた高温の冷媒によって高温に保たれている。本実施例のヒートポンプ30は、S20又はS22において沸き上げ運転から除霜運転に切り替えられると、圧縮機34から流出した冷媒は、凝縮器36及び除霜経路50を経由して蒸発器32に流入する。圧縮機34から流出させた高温の冷媒を、沸き上げ運転中に温められていた経路を経由して蒸発器32に流入させることができる。そのため、除霜運転時に圧縮機から流出された冷媒を、圧縮機から凝縮器に至る冷媒経路の区間と膨張弁から蒸発器に至る冷媒経路の区間とを接続するバイパス路を経由して蒸発器に供給する従来の構成と比べて、除霜運転の開始後に冷媒の温度が低下することを抑制することができる。除霜運転の開始直後から、比較的高温の冷媒を蒸発器32に流入させて除霜を行うことができるため、従来よりも効率的に除霜を行うことができる。
また、本実施例のヒートポンプ30は、S26でNOと判断された後のS12において、除霜運転から沸き上げ運転に切り替える際に、膨張弁38が開かれ、圧縮機34を運転させた状態で、開かれていた除霜弁52を閉じる。万が一、膨張弁38を閉じたまま除霜弁52を閉じてしまうと、冷媒経路を循環する冷媒の圧力が急上昇してしまうおそれがある。本実施例のヒートポンプ30では、膨張弁38を開いておいた上で、除霜弁52を閉じることができるため、除霜運転から沸き上げ運転に切り替える際において、冷媒経路を循環する冷媒の圧力が急激に上昇することを抑制することができる。そのため、この場合も、除霜運転から沸き上げ運転に切り替える際に圧縮機34を一度停止して再起動させる必要もなく、除霜運転から沸き上げ運転に切り替える際に冷媒温度が低下することを抑制することができる。また、圧縮機34の再起動時に必要な電力消費を抑制することもできる。
また、本実施例のヒートポンプ30では、沸き上げ運転が終了すると、引き続き除霜運転が実行される(S20)。そのため、沸き上げ運転の終了後に毎回除霜運転を行うことができる。そのため、次回の加熱運転を行う場合、除霜済みの蒸発器32を用いて効率の良い加熱運転を行うことができる。加熱運転を毎回効率良く行うことができる。
本実施例と請求項の記載の対応関係を説明しておく。ヒートポンプ30が「ヒートポンプ装置」の一例である。貯湯タンク18内の水が「被加熱流体」の一例である。沸き上げ運転が「加熱運転」の一例である。貯湯タンク18が設定温度の温水で満たされる状態(いわゆる満蓄状態)になる場合が、「所定の加熱運転の終了条件を満たす場合」の一例である。
以上、実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば、以下の各実施例が含まれる。
(変形例1) 上記の実施例では、コントローラ70は、沸き上げ運転が終了すると、引き続き除霜運転を実行する(S20)。これに代えて、コントローラ70は、沸き上げ運転が終了する場合に、蒸発器32の温度が所定の基準温度Th(例えば、−5℃)以下である場合に、除霜運転を実行するようにしてもよい。この変形例によると、ヒートポンプ30は、沸き上げ運転が終了した時点で、蒸発器32が、除霜運転が不要な状態である場合に、除霜運転を省略することができる。除霜運転を無駄に行うことを抑制することができる。また、他の例では、コントローラ70は、沸き上げ運転が終了する場合に、蒸発器32の温度が所定の基準温度Th(例えば、−5℃)以下であり、かつ、外気温が所定の基準外気温(例えば、6℃)以下である場合に、除霜運転を実行するようにしてもよい。
(変形例2) 上記の実施例では、コントローラ70は、S12で沸き上げ運転が開始された後、沸き上げが終了する前に、蒸発器32の温度が所定の基準温度Th(例えば、−5℃)以下になる場合(S16でYES)に、沸き上げ運転を中断して除霜運転を開始する(S22)。これに代えて、コントローラ70は、S12で沸き上げ運転が開始された後、沸き上げが終了する前に、蒸発器32の温度が所定の基準温度Th(例えば、−5℃)以下であり、かつ、外気温が所定の基準外気温(例えば、6℃)以下である場合に、沸き上げ運転を中断して除霜運転を開始するようにしてもよい。
(変形例3) また、コントローラ70は、S12で沸き上げ運転が開始された後、沸き上げが終了する前に、所定時間(例えば、60分)継続して沸き上げ運転が行われる場合に、沸き上げ運転を中断して除霜運転を開始するようにしてもよい。例えば、沸き上げ運転を開始してから60分以上継続して沸き上げ運転が行われると、蒸発器32の外側に霜が付着する可能性が高くなる。この変形例による場合も、適切に除霜運転を実行することができる。
(変形例4) また、コントローラ70は、S12で沸き上げ運転が開始された後、沸き上げが終了する前に、蒸発器32の温度が所定の基準温度Th(例えば、−5℃)以下になることと、外気温が所定の基準外気温(例えば、6℃)以下になることと、沸き上げ運転の開始後所定時間(例えば、60分)継続して沸き上げ運転が行われたことと、のうちの少なくとも1つ以上が成立する場合に、沸き上げ運転を中断して除霜運転を開始するようにしてもよい。
(変形例5) 上記の実施例では、コントローラ70は、蒸発器32の温度を基準として、沸き上げ運転を中断して除霜運転を開始するか否かを決めている(S16)。これに限られず、例えば、コントローラ70は、蒸発器32の入口側(又は出口側)の冷媒温度を基準として、沸き上げ運転を中断して除霜運転を開始するか否かを決めてもよい。
(変形例6) 上記の実施例では、コントローラ70は、除霜運転を行う場合、除霜弁52を開いた後に、膨張弁38を閉じている。これに代えて、コントローラ70は、除霜運転を行う場合、膨張弁38を閉じることなく、除霜弁52を開くようにしてもよい。この場合、冷媒経路内のごく一部の冷媒は膨張弁38で減圧されるが、大部分の冷媒は除霜経路50を通過する。本変形例の構成によっても、上記の実施例とほぼ同様の作用効果を発揮することができる。
(変形例7) 上記の実施例では、本明細書で開示する技術を実現するための給湯装置10を例として説明した。これに限らず、本明細書で開示する技術を実現するための装置は、ヒートポンプ30で被加熱流体を加熱可能な装置であれば、任意の装置とすることができる。例えば、暖房機能をさらに備える給湯暖房装置、又は、給湯機能を備えない暖房装置であってもよい。また、ヒートポンプ30によって加熱される被加熱流体も、水に限らず、任意の被加熱流体(例えば、不凍液等)であってもよい。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は、複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
10:給湯装置
12:ガス熱源機
14:出湯管
16:給水管
18:貯湯タンク
20:加熱復路
22:加熱往路
30:ヒートポンプ
32:蒸発器
34:圧縮機
36:凝縮器
38:膨張弁
42、44、46、48:冷媒経路
50:除霜経路
52:除霜弁
54:室外ファン
56:ファンモータ
57:蒸発器温度センサ
58:外気温センサ
60:循環ポンプ
70:コントローラ

Claims (3)

  1. 空気と冷媒の間で熱交換する蒸発器と、
    冷媒を加圧する圧縮機と、
    冷媒と被加熱流体の間で熱交換する凝縮器と、
    冷媒を減圧する膨張弁と、
    蒸発器、圧縮機、凝縮器、膨張弁の順に冷媒を循環させる冷媒経路と、
    凝縮器から膨張弁に至る冷媒経路の区間と、膨張弁から蒸発器に至る冷媒経路の区間とを、膨張弁を介することなく互いに接続する除霜経路と、
    除霜経路を開閉する除霜弁と、
    を備え、
    除霜弁を閉じた状態で圧縮機を運転させることによって、圧縮機から流出した冷媒を凝縮器及び膨張弁を順に経由させて蒸発器に流入させる加熱運転と、除霜弁を開いた状態で圧縮機を運転させることによって、圧縮機から流出した冷媒を、凝縮器及び除霜経路を順に経由させて蒸発器へ流入させる除霜運転とを実施可能であり、
    加熱運転から除霜運転に切り替える際に、圧縮機を運転させた状態で、除霜弁を閉じた状態から開いた状態に切り替える、
    ヒートポンプ装置。
  2. 除霜運転から加熱運転に切り替える際に、膨張弁が開かれ、圧縮機を運転させた状態で、除霜弁を開いた状態から閉じた状態に切り替える、請求項1のヒートポンプ装置。
  3. 所定の加熱運転の終了条件を満たす場合に加熱運転を終了するとともに、除霜運転に切り替える、請求項1又は2のヒートポンプ装置。
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