JP2015015100A - ガス化燃料電池複合発電システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】炭化水素燃料をガス化するガス化炉10と、ガス化炉10で生成された燃料ガス及び酸化剤の供給を受けて電解質を介した電気化学反応により発電する燃料電池の燃料ガス系統14を直列に接続した多段直列接続燃料電池群30と、多段直列接続燃料電池群30から発電後に排出される高温の酸化剤を導入して運転される膨張タービン51を駆動源にして発電する膨張タービン発電部50と、を備えたガス化燃料電池複合発電システム。
【選択図】図1
Description
このような背景から、石炭のような炭化水素燃料を用い、二酸化炭素の回収とともに高効率の発電を可能にした複合発電システムの開発が望まれる。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、たとえば石炭のような炭化水素燃料を用い、高効率で二酸化炭素の回収が可能なガス化燃料電池複合発電システムを提供することにある。
本発明に係るガス化燃料電池複合発電システムは、炭化水素燃料をガス化するガス化炉と、前記ガス化炉で生成された燃料ガス及び酸化剤の供給を受けて電解質を介した電気化学反応により発電する燃料電池の燃料ガス系統を直列に接続した多段直列接続燃料電池群または該多段直列接続燃料電池群を並列に接続した燃料電池群ユニットと、前記燃料電池群ユニットから発電後に排出される高温の酸化剤を導入して運転される膨張タービンを駆動源にして発電する膨張タービン発電部と、を備えていることを特徴とするものである。
一方、上述したガス化燃料電池複合発電システムは、燃料電池群ユニットにおいて全量または略全量の燃料を消費するため、ガスタービンは適用しない。燃料電池群ユニットから発電後に排出される高温の酸化剤を導入して運転される膨張タービンを備え、この膨張タービンを駆動源にして発電する膨張タービン発電部を採用することにより、多段直列接続燃料電池群から排出される空気の排熱を利用した発電が可能となる。・・・「膨張タービン発電部」は請求項対応の用語であり、膨張タービンや発電機を含む構成を意味しているつもりです。
なお、二酸化炭素回収部は、排燃料ガスを冷却する冷却部と、冷却後の排燃料ガスを圧縮する圧縮部とを具備して構成される。
すなわち、燃料電池群ユニットは、供給された燃料ガスの全量または略全量を消費して発電し、しかも、燃料電池の電気化学反応により燃料ガスは二酸化炭素または水となるため、発電後に排出される排燃料ガス中から略全量の二酸化炭素を容易に回収することができる。さらに、膨張タービン発電部は、燃料電池群ユニットから発電後に排出される高温の酸化剤を導入して膨張タービンが運転されるので、燃料電池群ユニットから排出される酸化剤の排熱を利用した発電が可能となる。
図1に示す実施形態のガス化燃料電池複合発電システムは、石炭をガス化した燃料を用いる石炭ガス化燃料電池複合発電システムであり、ガス化炉でガス化した燃料ガスを用いた燃料電池を含んで複合発電を行うように構成された複合発電システムである。
また、本実施形態では、以下に説明するカスケードSOFC30を備えた構成のIGFC1とするが、複数のカスケードSOFC30を並列に接続した構成(不図示)を採用した場合にも適用可能であり、カスケードSOFC30及びこれを並列接続した構成の燃料電池群を総称して燃料電池群ユニットと呼ぶ。
ガス化炉10で生成された燃料ガスは、給水系統11を介して給水(冷却水)が供給されているガス化炉生成ガス冷却器(以下、「SGC」と呼ぶ)12を通過する。このSGC12では、燃料ガスが給水との熱交換により冷却される。SGC12で冷却された燃料ガスは、燃料ガス系統14によってガス精製部20へ導かれ、必要な処理が施された後にカスケードSOFC30へ供給される。また、燃料ガスを冷却した給水は、蒸気となってSGC蒸気系統13へ流出する。なお、ガス精製部20で施されるガス精製処理には、たとえば脱塵処理や脱硫処理等がある。
こうして排出される燃料ガスは、燃料ガス系統を直列に接続した次段のSOFC31に導かれて順次発電に使用されるため、最終段のSOFC31から排出される排燃料ガスは燃料ガス成分が略全量使用された状態となる。なお、図中の符号33は、最終段のSOFC31から排出される高温の空気を膨張タービン発電部50へ導く空気(酸化剤)排出系統である。
このように、カスケードSOFC30から排出された排燃料ガスを二酸化炭素回収部40に導入すれば、圧縮後の二酸化炭素ガスは、公知の手段により略全量を容易に回収することができる。
このため、膨張タービン発電部50は、膨張タービン51による発電を行うとともに、カスケードSOFC30の各SOFC31に対して空気の供給が可能になる。
膨張タービン51に供給される高温の空気(排空気)は、ガスタービンの運転に用いられる高温の燃焼ガス温度(1500℃程度)と比較すると、燃焼器を使用しない構成のため、たとえば600℃程度とかなり低い温度になる。このような排空気の温度は、すなわち膨張タービン51の入口空気温度は、空気流量により調整可能であり、カスケードSOFC30の出口温度と同等である。
なお、排熱回収ボイラ70で蒸気の生成に使用された出口排気は、たとえば排気系統71を通って煙突72から大気へと放出される。
圧縮機52によりカスケードSOFC30の動作圧力(たとえば0.3MPa程度)まで空気(外気)を加圧する場合、圧縮機出口の空気温度は150〜200℃程度である。カスケードSOFC30に供給される空気の入口温度が低ければ、空気単位流量当りの冷却熱量が増加するため、空気流量は減少する。しかし、カスケードSOFC30の酸化剤利用率(酸化剤中の酸素が電気化学反応に使用される割合)が増加し、SOFC運転の負荷となるだけでなく、カスケードSOFC30の入口と出口で流量差が大ききなるため、膨張タービン51の仕事に対する圧縮機52の仕事が増加する。
そこで、本実施形態では、膨張タービン51の出口排気を用いて加熱し、圧縮機52の出口空気を再生させる。
すなわち、図示の再生熱交換器34は、膨張タービン51の出口排気をカスケードSOFC30に供給することで、出口排気を空気の加熱再生に利用して排熱損失を低減することができる。換言すれば、再生熱交換器34を通過して排出される空気の排熱損失が減少するため効率が向上し、さらに、SOFCの酸化剤利用率が低下するため、カスケードSOFC30への負荷を低減できる。
この再熱蒸気サイクルには、排燃料ガス系統16に直列接続された高温側冷却器41H及び低温側冷却器41Lが設けられている。また、この再熱蒸気サイクルは、低温側冷却器41Lを予熱器とし、かつ、ガス化炉10のSGC12を蒸発器として生成した蒸気で高圧蒸気タービン43を駆動し、さらに、高圧側冷却器41Hを再熱器とし、高圧蒸気タービン43から排出された蒸気を昇温させて低圧蒸気タービン44を駆動した後、この蒸気を復水器45で復水させてポンプ46により低温側冷却器41L及びSGC12へ戻すように構成されている。
上述した本実施形態によれば、二酸化炭素回収型としたIGFC1が有するシステムの特徴、すなわちカスケードSOFC30で燃焼ガスを全量消費するという特徴に対応して適正化された系統を用いることで、複合発電システム全体としての発電効率を向上させることができる。
すなわち、第1実施例の空気供給系統32Bは、再生熱交換器34の下流側において空気供給系統32a,32bに分岐し、各々が1段目SOFC31a及び2段目SOFC31bに接続される。また、空気排出系統33Aについても、1段目SOFC31a及び2段目SOFC31bに接続された空気排出系統33a,33bが膨張タービン51の上流側で合流している。
なお、図示のカスケードSOFC30において、図中の符号36は、1段目SOFC31aから排出された燃料ガス(排燃料ガス)中の水分を除去する水分回収装置である。
なお、空気供給系統32Bが空気供給系統32a,32bに分岐する位置については、再生熱交換器34の後流側とすることで熱交換器を共用することが望ましいのであるが、特に限定されるものではない。
第2実施例の空気供給系統32Cは、中間冷却器35を介した複数の圧縮機52,52Aによる多段圧縮を行って空気を供給する。さらに、各段のSOFC31及び膨張タービン51,51Aは、1段目SOFC31a、膨張タービン51A、2段目SOFC31b及び膨張タービン51の順に、交互に直列接続されている。また、1段目SOFC31aと2段目SOFC31bとの間には、上流側から順に燃料ガス(排燃料ガス)の減圧装置37及び水分回収装置36が設けられている。
そして、最も前段側となる1段目SOFC31aから排出される高温空気により、最も後段(高圧)側となる圧縮機52Aと同軸の膨張タービン51Aを運転し、最も後段側となる2段目SOFC31bから排出される高温空気により、最も前段(低圧)側となる圧縮機52と同軸の膨張タービン51を運転する。
さらに、最も後段側となる圧縮機52Aの下流に配置されている再生熱交換器34に対して、最も前段側の圧縮機52と同軸の膨張タービン51から排出される出口排気を供給する。
なお、カスケードSOFC30Aが3段以上のSOFC31を直列に接続している場合には、最も前段側のSOFC31aから排出される高温空気で最も後段(高圧)側の圧縮機52Aと同軸の膨張タービンを運転することは同じであるが、最も後段側のSOFC31は最終段となる。
このT−S線図によれば、実線表示の直列多段圧縮を採用することにより、線図に囲まれた面積が拡大している。このため、第1実施例の並列単段圧縮と比較して、第2実施例に示した直列多段圧縮のサイクル熱効率が優れている。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、たとえばSOFC以外の高温・高圧燃料電池にも適用可能であるなど、その要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
10 ガス化炉
11 給水系統
12 ガス化炉生成ガス冷却器(SGC)
13,13A SGC蒸気系統
14 燃料ガス系統
16 排燃料ガス系統
20 ガス精製部
30 カスケードSOFC(多段直列接続燃料電池群)
31 固体酸化物形燃料電池(SOFC)
32,32A〜32C 空気供給系統
33,33A 空気排出系統
34 再生熱交換器
40 二酸化炭素回収部
41 二酸化炭素冷却器(冷却部)
41H 高温側冷却器
41L 低温側冷却器
42 二酸化炭素圧縮機(圧縮部)
43 高圧蒸気タービン
44 低圧蒸気タービン
50 膨張タービン発電部
51 膨張タービン
52 圧縮機
53 発電機
54 吸気系統
55,55A 排気系統
70 排熱回収ボイラ(HRSG)
71 排気系統
72 煙突
73 HRSG蒸気系統
80 蒸気タービン
81 発電機
Claims (7)
- 炭化水素燃料をガス化するガス化炉と、
前記ガス化炉で生成された燃料ガス及び酸化剤の供給を受けて電解質を介した電気化学反応により発電する燃料電池の燃料ガス系統を直列に接続した多段直列接続燃料電池群または該多段直列接続燃料電池群を並列に接続した燃料電池群ユニットと、
前記燃料電池群ユニットから発電後に排出される高温の酸化剤を導入して運転される膨張タービンを駆動源にして発電する膨張タービン発電部と、
を備えていることを特徴とするガス化燃料電池複合発電システム。 - 前記膨張タービンにより駆動され、前記燃料電池に酸化剤を供給する圧縮機を備えていることを特徴とする請求項1に記載のガス化燃料電池複合発電システム。
- 前記燃料電池群ユニットの燃料ガス系統から発電後に排出される排燃料ガスを導入し、前記排燃料ガス中の二酸化炭素を回収する二酸化炭素回収部を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載のガス化燃料電池複合発電システム。
- 前記圧縮機から前記燃料電池に供給する酸化剤と、前記膨張タービンの運転後に排出される出口排気とを熱交換させる再生熱交換器を備えていることを特徴とする請求項2または3に記載のガス化燃料電池複合発電システム。
- 前記燃料電池群ユニットへ前記圧縮機から酸化剤を供給する酸化剤供給系統は、各燃料電池へ並列接続されていることを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載のガス化燃料電池複合発電システム。
- 前記燃料電池群ユニットへ前記圧縮機から酸化剤を供給する酸化剤供給系統は、中間冷却器を介した複数の圧縮機による多段圧縮を行って酸化剤を供給するとともに、前記燃料電池及び前記膨張タービンが交互に直列接続されていることを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載のガス化燃料電池複合発電システム。
- 前記二酸化炭素回収部は、再熱蒸気サイクルを構成するとともに前記排燃料ガス系統に直列接続された高温側冷却器及び低温側冷却器を備え、
前記再熱蒸気サイクルは、前記低温側冷却器を予熱器とし、かつ、前記ガス化炉の生成ガス冷却器を蒸発器として生成した蒸気で高圧蒸気タービンを駆動し、さらに、前記高温圧側冷却器を再熱器とし、前記高圧蒸気タービンから排出された蒸気を昇温させて低圧蒸気タービンを駆動した後、復水させて前記低温側冷却器に戻すように構成されていることを特徴とする請求項3から6のいずれか1項に記載のガス化燃料電池複合発電システム。
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