JP2015004821A - 反射型スクリーン、映像表示システム - Google Patents
反射型スクリーン、映像表示システム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2015004821A JP2015004821A JP2013130019A JP2013130019A JP2015004821A JP 2015004821 A JP2015004821 A JP 2015004821A JP 2013130019 A JP2013130019 A JP 2013130019A JP 2013130019 A JP2013130019 A JP 2013130019A JP 2015004821 A JP2015004821 A JP 2015004821A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- screen
- layer
- reflective
- lens
- light
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Overhead Projectors And Projection Screens (AREA)
- Transforming Electric Information Into Light Information (AREA)
Abstract
【課題】明るく良好な映像が表示でき、かつ、天井への映像の映り込みを極力低減できる反射型スクリーン、及び、これを備える映像表示システムを提供することである。【解決手段】反射型スクリーン10は、レンズ面132と非レンズ面133とを有し背面側に凸となる単位レンズ131が複数配列されたフレネルレンズ形状を背面側に有するレンズ層13と、少なくとも単位レンズ131のレンズ面132に形成され、光を反射する反射層12と、映像源側の面に、映像源側に凸となる柱状の単位光学要素151が、この反射型スクリーン10のスクリーン面に沿って一方向に複数配列された表面光学層15と、を備えるものとした。単位光学要素151は、その配列方向及び反射型スクリーン10の厚み方向に平行な断面における断面形状が、略三角形形状であるものとした。【選択図】図4
Description
本発明は、投射された映像光を反射して表示する反射型スクリーンと、これを備える映像表示システムに関するものである。
近年、反射型スクリーンに映像を投射する映像源として、至近距離から比較的大きな入射角度で映像光を投写して大画面表示を実現する短焦点型の映像投射装置(プロジェクタ)等が広く利用されている。短焦点型の映像投射装置は、反射型スクリーンに対して、上方又は下方から従来の映像源よりも大きな入射角度で映像光を投射することができ、反射型スクリーンを用いた映像表示システムの省スペース化等に寄与している。
このような短焦点型の映像投射装置によって投射された映像光を良好に表示するために、単位レンズが複数配列されて形成されたリニアフレネルレンズ形状やサーキュラーフレネルレンズ形状を有するレンズ層の表面に反射層を形成した反射型スクリーン等が様々に開発されている(例えば、特許文献1,2)。
このような短焦点型の映像投射装置によって投射された映像光を良好に表示するために、単位レンズが複数配列されて形成されたリニアフレネルレンズ形状やサーキュラーフレネルレンズ形状を有するレンズ層の表面に反射層を形成した反射型スクリーン等が様々に開発されている(例えば、特許文献1,2)。
上述のような反射型スクリーンの下方であって反射型スクリーンに対して至近距離から大きな入射角度で映像光を投射する映像源を使用する映像表示システムでは、映像光の一部が、反射型スクリーンの映像源側表面で反射して天井等に到達し、天井に映像が映り込む場合がある。このような天井への映像の映り込みは、映像の快適な視認の妨げとなるという問題があった。
本発明の課題は、明るく良好な映像が表示でき、かつ、天井への映像の映り込みを極力低減できる反射型スクリーン、及び、これを備える映像表示システムを提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
請求項1の発明は、映像源(LS)から投射された映像光を反射させて観察可能に表示する反射型スクリーンであって、レンズ面(132)と非レンズ面(133)とを有し背面側に凸となる単位レンズ(131)が複数配列されたフレネルレンズ形状を背面側に有するレンズ層(13)と、少なくとも前記単位レンズの前記レンズ面に形成され、光を反射する反射層(12)と、映像源側の面に、映像源側に凸となる柱状の単位光学要素(151,251)が、該反射型スクリーンのスクリーン面に沿って一方向に複数配列された表面光学層(15,25)と、を備え、前記単位光学要素は、その配列方向及び該反射型スクリーンの厚み方向に平行な断面における断面形状が、略三角形形状であること、を特徴とする反射型スクリーン(10,20)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の反射型スクリーンにおいて、前記単位光学要素(151)は、画面上下方向を長手方向とし、画面左右方向に配列されていること、を特徴とする反射型スクリーン(10)である。
請求項3の発明は、請求項2に記載の反射型スクリーンにおいて、前記単位光学要素(151)は、該反射型スクリーンの画面左右方向中央では、前記断面形状が略二等辺三角形形状であり、画面左右方向の両端部に向かうにつれて、次第に又は段階的に、前記断面形状が不等辺三角形形状に変化していること、を特徴とする反射型スクリーン(10)である。
請求項4の発明は、請求項1に記載の反射型スクリーンにおいて、前記単位光学要素(251)は、画面左右方向を長手方向とし、画面上下方向に配列されていること、を特徴とする反射型スクリーン(20)である。
請求項5の発明は、請求項4に記載の反射型スクリーンにおいて、前記単位光学要素(251)は、頂点(t3)に対して画面上下方向下側となる面(253)がスクリーン面に平行な面となす角度(θ6)が、頂点に対して画面上下方向上側となる面(252)がスクリーン面に平行な面となす角度(θ5)よりも小さいこと、を特徴とする反射型スクリーン(20)である。
請求項6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の反射型スクリーンにおいて、前記表面光学層(15,25)は、ハードコート機能を有すること、を特徴とする反射型スクリーン(10,20)である。
請求項7の発明は、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の反射型スクリーン(10,20)と、前記反射型スクリーンに映像光を投射する映像源(LS)と、を備える映像表示システム(1)である。
請求項1の発明は、映像源(LS)から投射された映像光を反射させて観察可能に表示する反射型スクリーンであって、レンズ面(132)と非レンズ面(133)とを有し背面側に凸となる単位レンズ(131)が複数配列されたフレネルレンズ形状を背面側に有するレンズ層(13)と、少なくとも前記単位レンズの前記レンズ面に形成され、光を反射する反射層(12)と、映像源側の面に、映像源側に凸となる柱状の単位光学要素(151,251)が、該反射型スクリーンのスクリーン面に沿って一方向に複数配列された表面光学層(15,25)と、を備え、前記単位光学要素は、その配列方向及び該反射型スクリーンの厚み方向に平行な断面における断面形状が、略三角形形状であること、を特徴とする反射型スクリーン(10,20)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の反射型スクリーンにおいて、前記単位光学要素(151)は、画面上下方向を長手方向とし、画面左右方向に配列されていること、を特徴とする反射型スクリーン(10)である。
請求項3の発明は、請求項2に記載の反射型スクリーンにおいて、前記単位光学要素(151)は、該反射型スクリーンの画面左右方向中央では、前記断面形状が略二等辺三角形形状であり、画面左右方向の両端部に向かうにつれて、次第に又は段階的に、前記断面形状が不等辺三角形形状に変化していること、を特徴とする反射型スクリーン(10)である。
請求項4の発明は、請求項1に記載の反射型スクリーンにおいて、前記単位光学要素(251)は、画面左右方向を長手方向とし、画面上下方向に配列されていること、を特徴とする反射型スクリーン(20)である。
請求項5の発明は、請求項4に記載の反射型スクリーンにおいて、前記単位光学要素(251)は、頂点(t3)に対して画面上下方向下側となる面(253)がスクリーン面に平行な面となす角度(θ6)が、頂点に対して画面上下方向上側となる面(252)がスクリーン面に平行な面となす角度(θ5)よりも小さいこと、を特徴とする反射型スクリーン(20)である。
請求項6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の反射型スクリーンにおいて、前記表面光学層(15,25)は、ハードコート機能を有すること、を特徴とする反射型スクリーン(10,20)である。
請求項7の発明は、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の反射型スクリーン(10,20)と、前記反射型スクリーンに映像光を投射する映像源(LS)と、を備える映像表示システム(1)である。
本発明によれば、明るく良好な映像が表示でき、かつ、天井への映像の映り込みを極力低減できる反射型スクリーン、及び、これを備える映像表示システムを提供することができる。
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張している。
また、板、シート等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無いので、シート、板、フィルムの文言は、適宜置き換えることができるものとする。
本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
本明細書中において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、平行や直交等の用語については、厳密に意味するところに加え、同様の光学的機能を奏し、平行や直交と見なせるものを含むものとする。
また、板、シート等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無いので、シート、板、フィルムの文言は、適宜置き換えることができるものとする。
本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
本明細書中において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、平行や直交等の用語については、厳密に意味するところに加え、同様の光学的機能を奏し、平行や直交と見なせるものを含むものとする。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の映像表示システム1を説明する図である。
図1(a)は、映像表示システム1の斜視図であり、図1(b)は、映像表示システム1の側面図である。
映像表示システム1は、反射型スクリーン10、映像源LS等を有している。本実施形態の映像表示システム1は、映像源LSから投影された映像光Lを反射型スクリーン10が反射して、その画面上に映像を表示する一般的な映像表示システムである。
この映像表示システム1は、例えば、映像光を映像源LSから投射するフロントプロジェクションテレビシステム等として用いることができる。
図1は、第1実施形態の映像表示システム1を説明する図である。
図1(a)は、映像表示システム1の斜視図であり、図1(b)は、映像表示システム1の側面図である。
映像表示システム1は、反射型スクリーン10、映像源LS等を有している。本実施形態の映像表示システム1は、映像源LSから投影された映像光Lを反射型スクリーン10が反射して、その画面上に映像を表示する一般的な映像表示システムである。
この映像表示システム1は、例えば、映像光を映像源LSから投射するフロントプロジェクションテレビシステム等として用いることができる。
映像源LSは、映像光Lを反射型スクリーン10へ投射する装置であり、汎用の短焦点型プロジェクタ等を用いることができる。この映像源LSは、使用状態において、反射型スクリーン10の画面を正面方向(スクリーン面の法線方向)から見た場合に、反射型スクリーン10の画面左右方向において中央であって、反射型スクリーン10の画面(表示領域)よりも下方側となる位置に配置されている。なお、スクリーン面とは、この反射型スクリーン10全体として見たときにおける、反射型スクリーン10の平面方向となる面を示すものである。
映像源LSは、反射型スクリーン10の画面に直交する方向(反射型スクリーン10の厚み方向)における反射型スクリーン10との距離が、従来の汎用プロジェクタに比べて大幅に近い位置から映像光Lを投射できる。即ち、この映像源LSは、従来の汎用プロジェクタに比べて、反射型スクリーン10までの投射距離が短く、その映像光Lの反射型スクリーン10に対する入射角度も大きい。
映像源LSは、反射型スクリーン10の画面に直交する方向(反射型スクリーン10の厚み方向)における反射型スクリーン10との距離が、従来の汎用プロジェクタに比べて大幅に近い位置から映像光Lを投射できる。即ち、この映像源LSは、従来の汎用プロジェクタに比べて、反射型スクリーン10までの投射距離が短く、その映像光Lの反射型スクリーン10に対する入射角度も大きい。
反射型スクリーン10は、映像源LSが投射した映像光Lを観察者O側へ向けて反射し、映像を表示するスクリーンである。使用状態において、この反射型スクリーン10の観察画面は、観察者O側から見て、長辺方向が画面左右方向となる略矩形状である。
なお、以下の説明中において、画面上下方向、画面左右方向、厚み方向とは、特に断りが無い場合、この反射型スクリーン10の使用状態における画面上下方向(鉛直方向)、画面左右方向(水平方向)、厚み方向(奥行き方向)であるとする。
反射型スクリーン10は、その背面側に、平板状の支持板50が、粘着材等からなる不図示の接合層を介して設けられており、この支持板50により、その平面性を維持している。なお、これに限らず、反射型スクリーン10は、不図示の枠部材等によってその四辺等が支持され、その平面性を維持する形態としてもよい。
この反射型スクリーン10は、対角80インチや対角100インチ等の大きな画面(表示領域)を有している。
なお、以下の説明中において、画面上下方向、画面左右方向、厚み方向とは、特に断りが無い場合、この反射型スクリーン10の使用状態における画面上下方向(鉛直方向)、画面左右方向(水平方向)、厚み方向(奥行き方向)であるとする。
反射型スクリーン10は、その背面側に、平板状の支持板50が、粘着材等からなる不図示の接合層を介して設けられており、この支持板50により、その平面性を維持している。なお、これに限らず、反射型スクリーン10は、不図示の枠部材等によってその四辺等が支持され、その平面性を維持する形態としてもよい。
この反射型スクリーン10は、対角80インチや対角100インチ等の大きな画面(表示領域)を有している。
図2は、第1実施形態の反射型スクリーン10の層構成を説明する図である。
図2では、反射型スクリーン10の観察画面(表示領域)の幾何学的中心(画面中央)となる点A(図1(a),(b)参照)を通り、画面上下方向に平行であって、スクリーン面に直交(厚み方向に平行)な断面の一部を拡大して示している。
反射型スクリーン10は、その映像源側(観察者側)から順に、表面光学層15、基材層14、レンズ層13、反射層12、保護層11等を備えている。
以下、各層について説明する。
図2では、反射型スクリーン10の観察画面(表示領域)の幾何学的中心(画面中央)となる点A(図1(a),(b)参照)を通り、画面上下方向に平行であって、スクリーン面に直交(厚み方向に平行)な断面の一部を拡大して示している。
反射型スクリーン10は、その映像源側(観察者側)から順に、表面光学層15、基材層14、レンズ層13、反射層12、保護層11等を備えている。
以下、各層について説明する。
基材層14は、レンズ層13や表面光学層15を形成する基材となるシート状の部材である。この基材層14の映像源側(観察者側)には、表面光学層15が一体に形成され、背面側(裏面側)には、レンズ層13が一体に形成されている。
基材層14は、光拡散層141と、着色層142とを有している。本実施形態の基材層14は、光拡散層141と着色層142とが一体に積層されている。
基材層14は、光拡散層141と、着色層142とを有している。本実施形態の基材層14は、光拡散層141と着色層142とが一体に積層されている。
光拡散層141は、光透過性を有する樹脂を母材とし、光を拡散する拡散材を含有する層である。この光拡散層141は、視野角を広げたり、明るさの面内均一性の向上を図ったりする機能を有する。
光拡散層141の母材となる樹脂としては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂や、PC(ポリカーボネート)樹脂、MS(メチルメタクリレート・スチレン)樹脂、MBS(メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン)樹脂、アクリル系樹脂、TAC(トリアセチルセルロース)樹脂、PEN(ポリエチレンナフタレート)樹脂等を挙げることができる。また、拡散材としては、アクリル系、スチレン系、アクリル・スチレンの共重合体等の樹脂製の粒子や、シリコン系等の無機粒子等を使用でき、その平均粒径は、約1〜50μmのものが好適である。
この光拡散層141の厚さは、反射型スクリーン10の画面サイズ等にも依るが、約100〜3000μmとすることが、像ぼけを生じることなく、十分な視野角や、明るさの面内均一性等を得る観点から好ましい。
光拡散層141の母材となる樹脂としては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂や、PC(ポリカーボネート)樹脂、MS(メチルメタクリレート・スチレン)樹脂、MBS(メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン)樹脂、アクリル系樹脂、TAC(トリアセチルセルロース)樹脂、PEN(ポリエチレンナフタレート)樹脂等を挙げることができる。また、拡散材としては、アクリル系、スチレン系、アクリル・スチレンの共重合体等の樹脂製の粒子や、シリコン系等の無機粒子等を使用でき、その平均粒径は、約1〜50μmのものが好適である。
この光拡散層141の厚さは、反射型スクリーン10の画面サイズ等にも依るが、約100〜3000μmとすることが、像ぼけを生じることなく、十分な視野角や、明るさの面内均一性等を得る観点から好ましい。
着色層142は、所定の透過率とするための灰色や黒色等の染料や顔料等により着色が施された層である。本実施形態では、着色層142は、光拡散層141の映像源側(観察者側)に位置している。
この着色層142は、反射型スクリーン10に入射する照明光等の不要な外光や迷光を吸収して、映像のコントラストを向上させる機能を有する。
着色層142は、例えば、染料や顔料を含有するPET樹脂や、PC樹脂、MS樹脂、MBS樹脂、アクリル系樹脂、TAC樹脂、PEN樹脂等により形成される。
着色層142は、反射型スクリーン10の画面サイズにも依るが、その厚さを約30〜3000μmとすることが好ましく、その透過率を約30〜80%とすることが好ましい。
基材層14は、光拡散層141と着色層142とを共押出成形することにより一体に積層されて形成されている。
この着色層142は、反射型スクリーン10に入射する照明光等の不要な外光や迷光を吸収して、映像のコントラストを向上させる機能を有する。
着色層142は、例えば、染料や顔料を含有するPET樹脂や、PC樹脂、MS樹脂、MBS樹脂、アクリル系樹脂、TAC樹脂、PEN樹脂等により形成される。
着色層142は、反射型スクリーン10の画面サイズにも依るが、その厚さを約30〜3000μmとすることが好ましく、その透過率を約30〜80%とすることが好ましい。
基材層14は、光拡散層141と着色層142とを共押出成形することにより一体に積層されて形成されている。
図3は、レンズ層13を説明する図である。
図3(a)は、レンズ層13を背面側正面方向から観察した様子を示しており、理解を容易にするために、反射層12や保護層11は省略して示している。図3(b)は、図2に示す断面の一部をさらに拡大して示している。
レンズ層13は、基材層14の背面側に設けられた光透過性を有する層であり、図3(a)に示すように、単位レンズ131が同心円上に複数配列されたサーキュラーフレネルレンズ形状をその背面側に有している。このサーキュラーフレネルレンズ形状は、その光学的中心(フレネルセンター)である点Cが、反射型スクリーン10の画面(表示領域)の領域外であって、反射型スクリーン10の下方に位置している。
なお、本実施形態では、レンズ層13がサーキュラーフレネルレンズ形状を有する例を上げて説明するが、単位レンズ131が画面上下方向に配列されるリニアフレネルレンズ形状を有する形態としてもよい。
図3(a)は、レンズ層13を背面側正面方向から観察した様子を示しており、理解を容易にするために、反射層12や保護層11は省略して示している。図3(b)は、図2に示す断面の一部をさらに拡大して示している。
レンズ層13は、基材層14の背面側に設けられた光透過性を有する層であり、図3(a)に示すように、単位レンズ131が同心円上に複数配列されたサーキュラーフレネルレンズ形状をその背面側に有している。このサーキュラーフレネルレンズ形状は、その光学的中心(フレネルセンター)である点Cが、反射型スクリーン10の画面(表示領域)の領域外であって、反射型スクリーン10の下方に位置している。
なお、本実施形態では、レンズ層13がサーキュラーフレネルレンズ形状を有する例を上げて説明するが、単位レンズ131が画面上下方向に配列されるリニアフレネルレンズ形状を有する形態としてもよい。
単位レンズ131は、図2や図3(b)に示すように、スクリーン面に直交する方向(反射型スクリーン10の厚み方向)に平行であって、単位レンズ131の配列方向に平行な断面における断面形状が、略三角形形状である。
この単位レンズ131は、背面側に凸であり、レンズ面132と、レンズ面132と頂点t1を挟んで対向する非レンズ面133とを備えている。
反射型スクリーン10の使用状態において、単位レンズ131は、レンズ面132が頂点t1を挟んで非レンズ面133よりも鉛直方向上側に位置している。
この単位レンズ131は、背面側に凸であり、レンズ面132と、レンズ面132と頂点t1を挟んで対向する非レンズ面133とを備えている。
反射型スクリーン10の使用状態において、単位レンズ131は、レンズ面132が頂点t1を挟んで非レンズ面133よりも鉛直方向上側に位置している。
単位レンズ131において、図3(b)に示すように、レンズ面132がスクリーン面に平行な面となす角度は、αであり、非レンズ面133がスクリーン面に平行な面となす角度は、β(β>α)である。
また、単位レンズ131の配列ピッチは、P1であり、単位レンズ131のレンズ高さ(スクリーンの厚み方向における頂点t1から単位レンズ131間の谷底となる点v1までの寸法)は、h1である。
理解を容易にするために、図2等では、単位レンズ131の配列ピッチP1、角度α,βは、単位レンズ131の配列方向において一定であるように示している。しかし、本実施形態の単位レンズ131は、実際には、配列ピッチP1は一定であるが、角度αが単位レンズ131の配列方向においてフレネルセンターとなる点Cから離れるにつれて次第に大きくなっている。
また、単位レンズ131の配列ピッチは、P1であり、単位レンズ131のレンズ高さ(スクリーンの厚み方向における頂点t1から単位レンズ131間の谷底となる点v1までの寸法)は、h1である。
理解を容易にするために、図2等では、単位レンズ131の配列ピッチP1、角度α,βは、単位レンズ131の配列方向において一定であるように示している。しかし、本実施形態の単位レンズ131は、実際には、配列ピッチP1は一定であるが、角度αが単位レンズ131の配列方向においてフレネルセンターとなる点Cから離れるにつれて次第に大きくなっている。
なお、これに限らず、角度α等は、一定としてもよいし、配列ピッチP1が、単位レンズ131の配列方向に沿って次第に変化する形態としてもよく、映像光を投影する映像源LSの画素(ピクセル)の大きさや、映像源LSの投射角度(反射型スクリーン10のスクリーン面への映像光の入射角度)、反射型スクリーン10の画面サイズ、各層の屈折率等に応じて、適宜変更可能である。
レンズ層13は、ウレタンアクリレートやエポキシアクリレート等の紫外線硬化型樹脂により形成されている。なお、レンズ層13は、電子線硬化型樹脂等の他の電離放射線硬化型樹脂により形成してもよい。
このレンズ層13は、例えば、基材層14の一方の面(本実施形態では、光拡散層141側の面)を、紫外線硬化型樹脂が充填されたサーキュラーフレネルレンズ形状を賦形する成形型に押圧し、紫外線を照射して硬化させた後に成形型から離型する紫外線成形法等により形成することができる。なお、レンズ層13の形成方法は、適宜選択してよく、この限りではない。
このレンズ層13は、例えば、基材層14の一方の面(本実施形態では、光拡散層141側の面)を、紫外線硬化型樹脂が充填されたサーキュラーフレネルレンズ形状を賦形する成形型に押圧し、紫外線を照射して硬化させた後に成形型から離型する紫外線成形法等により形成することができる。なお、レンズ層13の形成方法は、適宜選択してよく、この限りではない。
反射層12は、光を反射する作用を有する層である。この反射層12は、少なくともレンズ面132に形成される。
本実施形態の反射層12は、図2や図3(b)に示すように、レンズ面132に形成されているが、非レンズ面133には形成されていない形態となっている。
反射層12は、レンズ面132上に、アルミニウムや銀、ニッケル等の金属を蒸着する、スパッタリングする、又は金属箔を転写する等により形成される。
本実施形態の反射層12は、図2や図3(b)に示すように、レンズ面132に形成されているが、非レンズ面133には形成されていない形態となっている。
反射層12は、レンズ面132上に、アルミニウムや銀、ニッケル等の金属を蒸着する、スパッタリングする、又は金属箔を転写する等により形成される。
保護層11は、レンズ層13及び反射層12の背面側に設けられた層である。この保護層11は、反射層12の劣化や剥離、反射層12及びレンズ層13の破損等を抑制し、反射層12及びレンズ層13を保護する機能を有している。また、保護層11は、光を吸収する機能を有している。
この保護層11は、図2及び図3(b)に示すように、反射層12及び非レンズ面133を背面側から被覆している。従って、非レンズ面133上に保護層11が形成された形態となっている。また、保護層11は、レンズ層13の単位レンズ131の凹凸を十分に充填しており、その背面側の面は、スクリーン面に平行な略平面状となっている。
保護層11は、反射型スクリーン10の厚み方向において、単位レンズ131の頂点t1からその背面側表面までの寸法を、約5〜100μmとすることが、保護機能を十分発揮し、かつ光吸収性等を十分発揮する観点等から好ましい。
なお、保護層11は、十分な保護機能及び光吸収機能を有するのであれば、単位レンズ131の凹凸形状に沿って略等しい厚さで形成される等、その背面側の面が凹凸形状を有していてもよい。
この保護層11は、図2及び図3(b)に示すように、反射層12及び非レンズ面133を背面側から被覆している。従って、非レンズ面133上に保護層11が形成された形態となっている。また、保護層11は、レンズ層13の単位レンズ131の凹凸を十分に充填しており、その背面側の面は、スクリーン面に平行な略平面状となっている。
保護層11は、反射型スクリーン10の厚み方向において、単位レンズ131の頂点t1からその背面側表面までの寸法を、約5〜100μmとすることが、保護機能を十分発揮し、かつ光吸収性等を十分発揮する観点等から好ましい。
なお、保護層11は、十分な保護機能及び光吸収機能を有するのであれば、単位レンズ131の凹凸形状に沿って略等しい厚さで形成される等、その背面側の面が凹凸形状を有していてもよい。
この保護層11は、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂やアクリル系樹脂等、これらの混合となる樹脂を母材とし、光吸収材として黒色等の暗色系の塗料や、黒色等の暗色系の染料や顔料等又はこれらを含有するビーズが添加され、さらに、反射層12を酸化等の劣化から保護する等の機能を有する各種添加剤等が添加された材料を、反射層12が形成されたレンズ層13の背面側に塗布して硬化させること等により、形成される。なお、保護層11は、光吸収材や各種添加剤を含有する熱硬化型樹脂もしくは紫外線硬化型樹脂を用いて形成してもよいし、黒色系の塗料等により形成してもよい。
図4は、第1実施形態の表面光学層15を説明する図である。図4(a)は、観察者側(映像源側)から表面光学層15を見た図であり、図4(b)は、単位光学要素151の配列方向に平行かつスクリーン面に直交する方向(厚み方向)に平行な断面での表面光学層15の断面の一部を拡大した図である。なお、理解を容易にするために、図4(a),(b)では、表面光学層15のみを示し、他の層は省略して示している。
表面光学層15は、反射型スクリーン10の最も映像源側(観察者側)に形成される層であり、その映像源側表面に単位光学要素151が複数配列されている。
表面光学層15は、ハードコート機能を有する紫外線硬化型樹脂等の電離放射線硬化型樹脂により形成されている。なお、表面光学層15は、熱可塑性樹脂等により形成してもよい。
表面光学層15は、反射型スクリーン10の最も映像源側(観察者側)に形成される層であり、その映像源側表面に単位光学要素151が複数配列されている。
表面光学層15は、ハードコート機能を有する紫外線硬化型樹脂等の電離放射線硬化型樹脂により形成されている。なお、表面光学層15は、熱可塑性樹脂等により形成してもよい。
単位光学要素151は、映像源側に凸となる略三角柱形状であり、画面上下方向を長手方向とし、画面左右方向に複数配列されている。
単位光学要素151は、図4(b)等に示すように、その配列方向の配列ピッチがP2、レンズ高さがh2であり、配列方向の幅がW2(W2=P2)である。
単位光学要素151の頂角は、θ1である。この単位光学要素151は、配列方向及びスクリーン面の法線方向に平行な断面における断面形状が、略二等辺三角形形状である。単位光学要素151の一方の面152がスクリーン面に平行な面となす角度は、θ2、頂点t2を挟んで対向する他方の面153がスクリーン面に平行な面となす角度は、θ3である。
単位光学要素151は、図4(b)等に示すように、その配列方向の配列ピッチがP2、レンズ高さがh2であり、配列方向の幅がW2(W2=P2)である。
単位光学要素151の頂角は、θ1である。この単位光学要素151は、配列方向及びスクリーン面の法線方向に平行な断面における断面形状が、略二等辺三角形形状である。単位光学要素151の一方の面152がスクリーン面に平行な面となす角度は、θ2、頂点t2を挟んで対向する他方の面153がスクリーン面に平行な面となす角度は、θ3である。
頂角θ1は、θ1=90°の場合、反射層12で反射して、画面左右方向において正面方向観察者側へ向かってきた光が、単位光学要素151の斜面152,153で全反射して再び背面側へ向かうという現象が生じるため、映像が暗くなる可能性がある。従って、θ1は、90°以外の角度とすることが好ましい。
また、例えば、θ1を鋭角(0°<θ1<90°)とした場合には、後述するような天井側への映像光の反射を抑制できるが、映像の正面輝度がやや低下する傾向を有する。
また、θ1を鈍角(θ1>90°)とした場合には、鋭角である場合に比べて、映像の正面輝度は向上するが、天井側への映像光の反射はやや強くなる。
従って、角度θ1に関しては、反射型スクリーン10の使用環境や画面の大きさ、所望する光学性能等に応じて適宜選択して設計してよい。
また、単位光学要素151の配列ピッチP2に関しては、単位レンズ131の配列ピッチP1よりも小さい方が、モアレを低減する等の観点から好ましい。
また、例えば、θ1を鋭角(0°<θ1<90°)とした場合には、後述するような天井側への映像光の反射を抑制できるが、映像の正面輝度がやや低下する傾向を有する。
また、θ1を鈍角(θ1>90°)とした場合には、鋭角である場合に比べて、映像の正面輝度は向上するが、天井側への映像光の反射はやや強くなる。
従って、角度θ1に関しては、反射型スクリーン10の使用環境や画面の大きさ、所望する光学性能等に応じて適宜選択して設計してよい。
また、単位光学要素151の配列ピッチP2に関しては、単位レンズ131の配列ピッチP1よりも小さい方が、モアレを低減する等の観点から好ましい。
図2等を参照しながら、本実施形態の反射型スクリーン10へ入射する映像光L1及び外光G1,G2の様子を説明する。理解を容易にするために、図2に示す映像光L1、外光G1,G2については、表面光学層15、基材層14、レンズ層13の屈折率が等しく、光拡散層141の拡散作用等については、省略して示している。
図2に示すように、映像源LSから投影された大部分の映像光L1は、反射型スクリーン10の下方から入射し、表面光学層15及び基材層14を透過してレンズ層13の単位レンズ131へ入射する。
そして、映像光L1は、レンズ面132へ入射して反射層12によって反射され、観察者O側へ向かって反射型スクリーン10から出射する。なお、映像光L1が反射型スクリーン10の下方から投射され、角度βが反射型スクリーン10の画面上下方向の各点における映像光L1の入射角度よりも大きいので、映像光L1が非レンズ面133に直接入射することはなく、非レンズ面133は、映像光L1の反射には影響しない。
図2に示すように、映像源LSから投影された大部分の映像光L1は、反射型スクリーン10の下方から入射し、表面光学層15及び基材層14を透過してレンズ層13の単位レンズ131へ入射する。
そして、映像光L1は、レンズ面132へ入射して反射層12によって反射され、観察者O側へ向かって反射型スクリーン10から出射する。なお、映像光L1が反射型スクリーン10の下方から投射され、角度βが反射型スクリーン10の画面上下方向の各点における映像光L1の入射角度よりも大きいので、映像光L1が非レンズ面133に直接入射することはなく、非レンズ面133は、映像光L1の反射には影響しない。
一方、照明光等の不要な外光G1,G2は、図2に示すように、主として反射型スクリーン10の上方から入射し、表面光学層15及び基材層14を透過してレンズ層13の単位レンズ131へ入射する。
そして、一部の外光G1は、非レンズ面133へ入射して、保護層11によって吸収される。また、一部の外光G2は、レンズ面132で反射して、主として反射型スクリーン10の下方側へ向かうので、観察者O側には直接届かず、また、届いた場合にもその光量は、映像光Lに比べて大幅に少ない。従って、反射型スクリーン10では、外光G1,G2による映像のコントラスト低下を抑制できる。
そして、一部の外光G1は、非レンズ面133へ入射して、保護層11によって吸収される。また、一部の外光G2は、レンズ面132で反射して、主として反射型スクリーン10の下方側へ向かうので、観察者O側には直接届かず、また、届いた場合にもその光量は、映像光Lに比べて大幅に少ない。従って、反射型スクリーン10では、外光G1,G2による映像のコントラスト低下を抑制できる。
ここで、反射型スクリーン10の最表面(最も観察者側の面)の形状等によっては、反射型スクリーンに投影された映像光のうち、一部の光は、反射型スクリーンの表面で反射する場合がある。
図5は、第1実施形態の表面光学層15の機能を説明する図である。
図5(a)は、本実施形態の反射型スクリーン10を側面から見た図であり、図5(b)は、本実施形態の反射型スクリーン10を画面上下方向上側から見た図である。また、図5(c)は、比較例の反射型スクリーン10Bを側面から見た図であり、図5(d)は、比較例の反射型スクリーン10Cを側面から見た図である。理解を容易にするために、図5においては、各反射型スクリーン10,10B,10Cを簡略化して示している。
図5は、第1実施形態の表面光学層15の機能を説明する図である。
図5(a)は、本実施形態の反射型スクリーン10を側面から見た図であり、図5(b)は、本実施形態の反射型スクリーン10を画面上下方向上側から見た図である。また、図5(c)は、比較例の反射型スクリーン10Bを側面から見た図であり、図5(d)は、比較例の反射型スクリーン10Cを側面から見た図である。理解を容易にするために、図5においては、各反射型スクリーン10,10B,10Cを簡略化して示している。
比較例の反射型スクリーン10Bは、表面光学層15を備えておらず、その映像源側の表面が平滑面状である表面層15Bを備えている点以外は、本実施形態の反射型スクリーン10と同様の形態である。
比較例の反射型スクリーン10Cは、表面光学層15を備えておらず、表面マット層15Cを備えている点以外は、本実施形態の反射型スクリーン10と同様の形態である。表面マット層15Cは、その表面に微細な凹凸形状が形成されており、光を等方的に拡散する作用を有する層である。
比較例の反射型スクリーン10Cは、表面光学層15を備えておらず、表面マット層15Cを備えている点以外は、本実施形態の反射型スクリーン10と同様の形態である。表面マット層15Cは、その表面に微細な凹凸形状が形成されており、光を等方的に拡散する作用を有する層である。
反射型スクリーン10Bでは、その映像源側表面が平滑面等であるため、画面上方に入射する映像光L21は、図5(c)に示すように、一部が光L22のように反射型スクリーン10Bの上方へ略正反射して天井等に到達する。このような光L22は、天井に映像が映り込こむ要因となり、映像の快適な視認の妨げとなる。特に、反射型スクリーン10Bが暗室環境下に配置されている場合や、投射された映像が動画である場合、反射型スクリーン10Bが大画面である場合には、天井への映り込み部分の明るさが目立ったり、天井部分にぼんやりとした動画が視認されたりするため、観察者Oにとって、反射型スクリーン10Bに表示される映像を視認する際に、快適な視認を大きく妨げる。
反射型スクリーン10Cでは、画面上方に入射する映像光L31のうち、天井への反射光L32は反射型スクリーン10Bに比べてやや低減される。しかし、図5(d)に示すように、反射型スクリーン10Cへの入射時に表面マット層15Cの表面で映像光L31の一部の光L32が等方的に拡散反射されてしまい、映像がぼけたり、画面上方の映像のコントラストが低下したりする。
これらに対して、本実施形態の反射型スクリーン10によれば、表面光学層15の形状により、図5(a),(b)に示すように、画面上方に入射する映像光L41の一部であって表面光学層15の表面で反射した光L42は、単位光学要素151の斜面で画面左右方向に偏向させて反射させることができる。
従って、本実施形態によれば、天井への映像の映り込みの要因となる天井側へ反射する映像光を大幅に低減し、かつ、そのような天井への映像の映り込みを改善できる。また、この際に、観察者O側へ拡散反射される光は殆どないので、本実施形態によれば、映像がぼけたり、コントラストが低下したりすることを大幅に低減でき、良好な映像を表示できる。
さらに、表面光学層15は、複雑な形状ではなく、製造が容易であり、安価で性能のよい反射型スクリーン10とすることができる。
さらにまた、反射層12で反射された映像光が反射型スクリーン10から出射する際に、単位光学要素151によって左右方向に偏向されるので、画面左右方向の視野角を広げることができ、光拡散層141に用いる拡散材を低減できる。
従って、本実施形態によれば、天井への映像の映り込みの要因となる天井側へ反射する映像光を大幅に低減し、かつ、そのような天井への映像の映り込みを改善できる。また、この際に、観察者O側へ拡散反射される光は殆どないので、本実施形態によれば、映像がぼけたり、コントラストが低下したりすることを大幅に低減でき、良好な映像を表示できる。
さらに、表面光学層15は、複雑な形状ではなく、製造が容易であり、安価で性能のよい反射型スクリーン10とすることができる。
さらにまた、反射層12で反射された映像光が反射型スクリーン10から出射する際に、単位光学要素151によって左右方向に偏向されるので、画面左右方向の視野角を広げることができ、光拡散層141に用いる拡散材を低減できる。
なお、本実施形態において、単位光学要素151は、例えば、画面左右方向においてその断面形状が次第に、又は、段階的に変化する形態としてもよい。
図6は、第1実施形態の別の形態の表面光学層15の様子を示す図である。図6(a)は、反射型スクリーン10の画面左右方向に平行な断面を示し、画面左右方向の中央を領域A、観察者から見て画面左右方向の右端部を領域B、左側端部を領域Cとしている。図6(b)は、領域Aでの別の形態の単位光学要素151を示し、図6(c)は、領域Bでの別の形態の単位光学要素151を示し、図6(d)は、領域Cでの別の形態の単位光学要素151を示している。図6(b)〜(d)では、別の形態の表面光学層15において、単位光学要素151の配列方向に平行であって、スクリーンの厚み方向に平行な断面の様子を示している。
例えば、図6(b)に示すように、画面左右方向における中央の領域Aでは、単位光学要素151は、その断面形状が略二等辺三角形状である。
図6は、第1実施形態の別の形態の表面光学層15の様子を示す図である。図6(a)は、反射型スクリーン10の画面左右方向に平行な断面を示し、画面左右方向の中央を領域A、観察者から見て画面左右方向の右端部を領域B、左側端部を領域Cとしている。図6(b)は、領域Aでの別の形態の単位光学要素151を示し、図6(c)は、領域Bでの別の形態の単位光学要素151を示し、図6(d)は、領域Cでの別の形態の単位光学要素151を示している。図6(b)〜(d)では、別の形態の表面光学層15において、単位光学要素151の配列方向に平行であって、スクリーンの厚み方向に平行な断面の様子を示している。
例えば、図6(b)に示すように、画面左右方向における中央の領域Aでは、単位光学要素151は、その断面形状が略二等辺三角形状である。
そして、観察者Oから見て画面左右方向右側に進むにつれて、角度θ2が次第に小さく、角度θ3が次第に大きくなり、頂点t2が観察者Oから見て画面左右方向左側へ次第にずれていく。そして、図6(c)に示すように、観察者Oから見て画面左右方向の右端部となる領域Bでは、θ2<θ3であり、不等辺三角形形状となっている。
また、観察者Oから見て画面左右方向左側に進むにつれて、角度θ2が次第に大きく、角度θ3が次第に小さくなり、頂点t2が観察者Oから見て画面左右方向右側へ次第にずれていく。そして、図6(d)に示すように、観察者Oから見て画面左右方向の左端部となる領域Cでは、θ2>θ3であり、不等辺三角形形状となっている。
さらに、画面中央の点Aを通り、画面上下方向に走る直線を軸として、単位光学要素151の形状は、画面左右方向において対称である。
このような形態とすれば、天井への映像の映り込みの抑制効果に加えて、画面左右方向両端部において、映像光が単位光学要素151の面152,153に、単位光学要素151を有していない映像源側の面が平面状の反射型スクリーンに入射する場合よりも小さい入射角度で入射でき、効率よく光を反射型スクリーン10内へ入射させることができる。
また、観察者Oから見て画面左右方向左側に進むにつれて、角度θ2が次第に大きく、角度θ3が次第に小さくなり、頂点t2が観察者Oから見て画面左右方向右側へ次第にずれていく。そして、図6(d)に示すように、観察者Oから見て画面左右方向の左端部となる領域Cでは、θ2>θ3であり、不等辺三角形形状となっている。
さらに、画面中央の点Aを通り、画面上下方向に走る直線を軸として、単位光学要素151の形状は、画面左右方向において対称である。
このような形態とすれば、天井への映像の映り込みの抑制効果に加えて、画面左右方向両端部において、映像光が単位光学要素151の面152,153に、単位光学要素151を有していない映像源側の面が平面状の反射型スクリーンに入射する場合よりも小さい入射角度で入射でき、効率よく光を反射型スクリーン10内へ入射させることができる。
(第2実施形態)
図7は、第2実施形態の反射型スクリーン20を説明する図である。図7(a)は、反射型スクリーン20を表面光学層25側から見た図であり、図7(b)は、第2実施形態の反射型スクリーン20の層構成を説明する図であり、図7(c)は、図7(b)に示す断面における表面光学層25をさらに拡大して示した図である。
第2実施形態の反射型スクリーン20は、表面光学層25の単位光学要素251の形状が第1実施形態の反射型スクリーン10とは異なる点以外は、1実施形態の反射型スクリーン10と同様の形態である。従って、前述の第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
第2実施形態の反射型スクリーン20は、表面光学層25、基材層14、レンズ層13、反射層12、保護層11を備えている。
この第2実施形態の反射型スクリーン20は、前述の第1実施形態に示す映像表示システム1に使用可能である。
図7は、第2実施形態の反射型スクリーン20を説明する図である。図7(a)は、反射型スクリーン20を表面光学層25側から見た図であり、図7(b)は、第2実施形態の反射型スクリーン20の層構成を説明する図であり、図7(c)は、図7(b)に示す断面における表面光学層25をさらに拡大して示した図である。
第2実施形態の反射型スクリーン20は、表面光学層25の単位光学要素251の形状が第1実施形態の反射型スクリーン10とは異なる点以外は、1実施形態の反射型スクリーン10と同様の形態である。従って、前述の第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
第2実施形態の反射型スクリーン20は、表面光学層25、基材層14、レンズ層13、反射層12、保護層11を備えている。
この第2実施形態の反射型スクリーン20は、前述の第1実施形態に示す映像表示システム1に使用可能である。
表面光学層25は、図7に示すように、画面左右方向を長手方向とする略三角柱形状の単位光学要素251が、画面上下方向に複数配列されている。
この表面光学層25は、画面上下方向に平行であって厚み方向に平行な断面における断面形状が、略三角形形状であり、頂点t3に対して画面上下方向下側に位置する面253と、上側に位置する面252とを有している。また、この単位光学要素251の頂角をθ4、面252がスクリーン面に平行な面となす角度をθ5、面253がスクリーン面に平行な面となす角度をθ6とする。
この単位光学要素251は、その配列方向に平行であって反射型スクリーンの厚み方向に平行な断面における断面形状が、画面上下方向において非対称な不等辺三角形形状であり、θ5>θ6となっている。
また、この単位光学要素251の配列ピッチは、P3であり、その配列方向の幅は、W3である。ここでは、幅W3は、配列ピッチP3に等しい。
この表面光学層25は、画面上下方向に平行であって厚み方向に平行な断面における断面形状が、略三角形形状であり、頂点t3に対して画面上下方向下側に位置する面253と、上側に位置する面252とを有している。また、この単位光学要素251の頂角をθ4、面252がスクリーン面に平行な面となす角度をθ5、面253がスクリーン面に平行な面となす角度をθ6とする。
この単位光学要素251は、その配列方向に平行であって反射型スクリーンの厚み方向に平行な断面における断面形状が、画面上下方向において非対称な不等辺三角形形状であり、θ5>θ6となっている。
また、この単位光学要素251の配列ピッチは、P3であり、その配列方向の幅は、W3である。ここでは、幅W3は、配列ピッチP3に等しい。
図8は、第2実施形態の表面光学層25の機能を説明する図である。図8では、本実施形態の反射型スクリーン20の画面上方の表面光学層25に入射する光(映像光L5,外光G3)の様子示している。
図8に示すように、反射型スクリーン20の画面上方では、映像光L5は、単位光学要素251の下側の面253に対して単位光学要素251を有していない映像源側の面が平面状の反射型スクリーンに入射する場合よりも小さい入射角度で入射することができる。従って、映像光L5は、面253から反射型スクリーン120内へ効率よく入射でき、反射型スクリーン20の表面で反射して天井側へ反射する光を大幅に抑制することができる。
また、照明光等の外光G3は、単位光学要素251の上側の面252に入射して、前述の外光G1,G2のように、着色層142で吸収されたり、単位レンズ131の非レンズ面133上に形成された保護層11に吸収されたり、反射層12で下方側へ反射されたりする。従って、観察者O側に到達する外光を大幅に抑制することができ、外光によるコントラストの低下を抑制することができる。
図8に示すように、反射型スクリーン20の画面上方では、映像光L5は、単位光学要素251の下側の面253に対して単位光学要素251を有していない映像源側の面が平面状の反射型スクリーンに入射する場合よりも小さい入射角度で入射することができる。従って、映像光L5は、面253から反射型スクリーン120内へ効率よく入射でき、反射型スクリーン20の表面で反射して天井側へ反射する光を大幅に抑制することができる。
また、照明光等の外光G3は、単位光学要素251の上側の面252に入射して、前述の外光G1,G2のように、着色層142で吸収されたり、単位レンズ131の非レンズ面133上に形成された保護層11に吸収されたり、反射層12で下方側へ反射されたりする。従って、観察者O側に到達する外光を大幅に抑制することができ、外光によるコントラストの低下を抑制することができる。
従って、本実施形態においても、明るく良好な映像を表示でき、かつ、天井への映像の映り込みを大幅に抑制できる。特に、本実施形態では、映像光を効率よく反射型スクリーン20内へ入射させるので、表面で天井側へ反射する光を大幅に抑制できる。
また、表面光学層25は、複雑な形状ではなく、製造が容易であり、安価で性能のよい反射型スクリーン20とすることができる。
さらにまた、反射層12で反射された映像光が反射型スクリーン20から出射する際に、単位光学要素251によって画面上下方向に偏向されるので、画面上下方向の視野角を広げることができ、光拡散層141に用いる拡散材を低減できる。
また、表面光学層25は、複雑な形状ではなく、製造が容易であり、安価で性能のよい反射型スクリーン20とすることができる。
さらにまた、反射層12で反射された映像光が反射型スクリーン20から出射する際に、単位光学要素251によって画面上下方向に偏向されるので、画面上下方向の視野角を広げることができ、光拡散層141に用いる拡散材を低減できる。
なお、単位光学要素251は、配列方向に沿ってその形状(配列ピッチP2、角度θ4,θ5,θ6等)が変化する形態としてもよい。
また、本実施形態において、画面上方からの照明光等の外光の影響が小さい場合等は、単位光学要素251は、例えば、その断面形状が略二等辺三角形形状(θ5=θ6)であってもよい。
その場合、頂角θ4は、θ4=90°の場合、反射層12で反射して、画面上下方向において正面方向観察者側へ向かってきた光が、単位光学要素251の斜面252,253で全反射して再び背面側へ向かうという現象が生じるため、映像が暗くなる可能性がある。従って、θ4は、90°以外の角度とすることが好ましい。
また、例えば、θ4を鋭角(0°<θ4<90°)とした場合には、後述するような天井側への映像光の反射を抑制できるが、正面輝度がやや低下する傾向を有する。
また、θ4を鈍角(θ4>90°)とした場合には、鋭角の場合に比べて、正面輝度は向上するが、天井側への映像光の反射はやや強くなる。
従って、角度θ4に関しては、反射型スクリーン20の使用環境や画面の大きさ、所望する光学性能等に応じて適宜選択して設計してよい。
また、単位光学要素251の配列ピッチP3に関しては、単位レンズ131の配列ピッチP1よりも小さい方が、モアレを低減する等の観点から好ましい。
また、本実施形態において、画面上方からの照明光等の外光の影響が小さい場合等は、単位光学要素251は、例えば、その断面形状が略二等辺三角形形状(θ5=θ6)であってもよい。
その場合、頂角θ4は、θ4=90°の場合、反射層12で反射して、画面上下方向において正面方向観察者側へ向かってきた光が、単位光学要素251の斜面252,253で全反射して再び背面側へ向かうという現象が生じるため、映像が暗くなる可能性がある。従って、θ4は、90°以外の角度とすることが好ましい。
また、例えば、θ4を鋭角(0°<θ4<90°)とした場合には、後述するような天井側への映像光の反射を抑制できるが、正面輝度がやや低下する傾向を有する。
また、θ4を鈍角(θ4>90°)とした場合には、鋭角の場合に比べて、正面輝度は向上するが、天井側への映像光の反射はやや強くなる。
従って、角度θ4に関しては、反射型スクリーン20の使用環境や画面の大きさ、所望する光学性能等に応じて適宜選択して設計してよい。
また、単位光学要素251の配列ピッチP3に関しては、単位レンズ131の配列ピッチP1よりも小さい方が、モアレを低減する等の観点から好ましい。
(変形形態)
以上説明した各実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)反射型スクリーン10,20の厚み方向において、表面光学層15,25と反射層12との間に位置する層に関しては、所望する光学特性や使用される環境等に合わせて、適宜選択して設けることができる。
例えば、反射型スクリーン10,20は、反射型スクリーンとしての平面性を維持するために、光透過性を有するガラス基板や樹脂板等を設けてもよい。
また、例えば、反射型スクリーン10,20は、画面左右方向の拡散作用が、画面上下方向における拡散作用よりも大きい異方性拡散層等を備える形態としてもよい。
以上説明した各実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)反射型スクリーン10,20の厚み方向において、表面光学層15,25と反射層12との間に位置する層に関しては、所望する光学特性や使用される環境等に合わせて、適宜選択して設けることができる。
例えば、反射型スクリーン10,20は、反射型スクリーンとしての平面性を維持するために、光透過性を有するガラス基板や樹脂板等を設けてもよい。
また、例えば、反射型スクリーン10,20は、画面左右方向の拡散作用が、画面上下方向における拡散作用よりも大きい異方性拡散層等を備える形態としてもよい。
図9は、変形形態の反射型スクリーン30の層構成を説明する図である。図9では、前述の図2に示す断面に相当する断面を示している。
また、図9に示す反射型スクリーン30のように、表面光学層15と光拡散層141との間に、光制御層36を備える形態としてもよい。この光制御層36は、支持層361と、光透過部362と、光吸収部363とを備え、映像光の光路を制御するとともに、迷光や外光の一部を吸収する機能を有する層である。
支持層361は、光透過部362を形成す基材(ベース)となる層である。支持層361は、PET樹脂、PC樹脂、アクリル樹脂等の光透過性を有するシート状の部材を用いることができる。図9に示す形態では、支持層361の映像源側には表面光学層15が形成され、表面光学層15の基材も兼ねている。この支持層361は、着色材を含有し、着色層142としての機能を有することが、外光の吸収効果の向上や、不使用時の画面の品位等を向上させる観点から好ましい。
また、図9に示す反射型スクリーン30のように、表面光学層15と光拡散層141との間に、光制御層36を備える形態としてもよい。この光制御層36は、支持層361と、光透過部362と、光吸収部363とを備え、映像光の光路を制御するとともに、迷光や外光の一部を吸収する機能を有する層である。
支持層361は、光透過部362を形成す基材(ベース)となる層である。支持層361は、PET樹脂、PC樹脂、アクリル樹脂等の光透過性を有するシート状の部材を用いることができる。図9に示す形態では、支持層361の映像源側には表面光学層15が形成され、表面光学層15の基材も兼ねている。この支持層361は、着色材を含有し、着色層142としての機能を有することが、外光の吸収効果の向上や、不使用時の画面の品位等を向上させる観点から好ましい。
光透過部362は、支持層361の背面側に一体に形成されている。
光透過部362は、光を透過し、画面左右方向を長手方向とし、画面上下方向に互いに隣接して複数配列されている。この光透過部362の配列方向に平行であって反射型スクリーン30の厚み方向に平行な断面形状は、図9に示すように、略台形形状である。
この光透過部362は、例えば、紫外線硬化型樹脂等の電離放射線硬化型樹脂等により形成される。
光透過部362は、光を透過し、画面左右方向を長手方向とし、画面上下方向に互いに隣接して複数配列されている。この光透過部362の配列方向に平行であって反射型スクリーン30の厚み方向に平行な断面形状は、図9に示すように、略台形形状である。
この光透過部362は、例えば、紫外線硬化型樹脂等の電離放射線硬化型樹脂等により形成される。
光吸収部363は、光透過部362間の谷部に形成され、光を吸収する作用を有する要素であり、外光や迷光等を吸収する作用を有する。この光吸収部363は、図9に示すように、配列方向に平行であって、反射型スクリーン30の厚み方向に平行な断面形状が、略楔形形状である。楔形形状とは、一端が広く、他端に至るにしたがってしだいに狭くなっている形状を意味し、三角形形状や台形形状を含む形状であるものとする。
光吸収部363は、光を吸収する光吸収粒子含有する紫外線硬化型樹脂等の電離放射線硬化型樹脂等を、光透過部362間の谷部にワイピング(スキージング)して充填し、硬化させる等により形成される。
光吸収粒子としては、カーボンブラック、グラファイト、黒色酸化鉄等の金属塩、顔料、染料等で着色された有機微粒子や着色したガラスビーズ等の光吸収性を有する着色粒子が好ましい。また、映像光の特性に合わせて、特定の波長を選択的に吸収する着色粒子としてもよい。
光吸収部363は、光を吸収する光吸収粒子含有する紫外線硬化型樹脂等の電離放射線硬化型樹脂等を、光透過部362間の谷部にワイピング(スキージング)して充填し、硬化させる等により形成される。
光吸収粒子としては、カーボンブラック、グラファイト、黒色酸化鉄等の金属塩、顔料、染料等で着色された有機微粒子や着色したガラスビーズ等の光吸収性を有する着色粒子が好ましい。また、映像光の特性に合わせて、特定の波長を選択的に吸収する着色粒子としてもよい。
図9に示す光透過部362は、画面上下方向における背面側端部の幅が、映像源側端部の幅に比べて小さい形態となっているが、これに限らず、画面上下方向における背面側端部の幅が、映像源側端部の幅に比べて大きい形態としてもよい。このとき、支持層361の映像源側に光透過部362及び光吸収部363を形成してもよいし、支持層361を備えず、光拡散層141の映像源側の面に光透過部362及び光吸収部363を形成してもよい。
光透過部362と光吸収部363との界面が、スクリーン面の法線方向(厚み方向)に対してなす角度は、0°以上20°以下とすることが好ましい。
また、光透過部362の屈折率Npと、光吸収部363の屈折率をNbとの大小関係は、所望する光学性能に応じて適宜設定できる。
このような光制御層36を設けて、映像光の画面上下方向における視野角を制御したり、外光をより効率よく吸収し、コントラストの向上を図ったりしてもよい。
なお、図9では、反射型スクリーン30は、表面光学層15を備える例を示したが、これに限らず、表面光学層25を備える形態としてもよい。
また、光透過部362の屈折率Npと、光吸収部363の屈折率をNbとの大小関係は、所望する光学性能に応じて適宜設定できる。
このような光制御層36を設けて、映像光の画面上下方向における視野角を制御したり、外光をより効率よく吸収し、コントラストの向上を図ったりしてもよい。
なお、図9では、反射型スクリーン30は、表面光学層15を備える例を示したが、これに限らず、表面光学層25を備える形態としてもよい。
(2)表面光学層15,25は、ハードコート機能と天井への映像光の映り込み低減機能とを備える例を示したが、これに限らず、反射防止機能や防眩機能、紫外線吸収機能、防汚機能や帯電防止機能等を適宜選択してさらに付与してもよい。この場合、例えば、これらの機能を表面光学層15,25が備えてもよいし、これらの機能を有する層を表面光学層15,25と基材層14との間に別層として設けてもよいし、表面光学層15,25を形成する樹脂に、上述の機能を有するものを選択して形成してもよい。
(3)反射層12は、白色又は銀色系の塗料や、白色又は銀色系の顔料やビーズ等を含有する紫外線硬化型樹脂又は熱硬化性樹脂、銀やアルミニウム等の金属蒸着膜や金属箔等を粉砕した粒子や微小なフレークを含む塗料等を、スプレーコートや、ダイコート、スクリーン印刷、ワイピングによる溝充填等の各種塗布方法により塗布して硬化させることにより形成してもよい。
また、反射層12は、非レンズ面133上にも形成される形態としてもよい。この場合、反射層12は、単位レンズ131間の谷部を充填しその背面側の面が略平面状となる形態としてもよいし、単位レンズ131の凹凸形状に沿って所定の厚さで形成される形態としてもよいし、十分な反射特性を有しているならば、その厚さが均一でなくともよい。
また、反射層12は、非レンズ面133上にも形成される形態としてもよい。この場合、反射層12は、単位レンズ131間の谷部を充填しその背面側の面が略平面状となる形態としてもよいし、単位レンズ131の凹凸形状に沿って所定の厚さで形成される形態としてもよいし、十分な反射特性を有しているならば、その厚さが均一でなくともよい。
(4)単位レンズ131は、その断面形状が、例えば、略台形形状であり、レンズ面132と非レンズ面133とが、スクリーン面に平行な不図示の頂面を挟んで対向する形態としてもよい。このとき、頂面は、映像光の反射に寄与しない領域に形成されることが好ましい。頂面上には、保護層11を形成してもよいし、反射層12を形成してもよい。
また、単位レンズ131は、図2等に示す断面において、レンズ面132及び非レンズ面133の一部が曲線状となっていてもよいし、レンズ面132及び非レンズ面133の少なくとも一方の面が、複数の面から構成される形態としてもよい。
また、単位レンズ131は、図2等に示す断面において、レンズ面132及び非レンズ面133の一部が曲線状となっていてもよいし、レンズ面132及び非レンズ面133の少なくとも一方の面が、複数の面から構成される形態としてもよい。
(5)着色層142は、拡散材を含有していてもよい。また、基材層14を単層とし、拡散材と顔料や染料等の着色材とを共に含有する形態としてもよい。
また、光拡散層141と着色層142とは、それぞれ別体として成形され、不図示の粘着剤等により一体に接合されていてもよい。
また、光拡散層141と着色層142とは、それぞれ別体として成形され、不図示の粘着剤等により一体に接合されていてもよい。
(6)反射型スクリーン10,20は、例えば、支持板50を備えず、粘着材層等を介して壁面等に接合される形態としてもよいし、支持板50を裏面に接合した状態で壁面に固定されたり、フック等の支持部材で壁面に吊り下げされる形態等としてもよい。
また、反射型スクリーン10,20は、不使用時には巻き取って保管できる巻き取り可能な形態としてもよい。このような形態の場合には、支持板50等を設けず、反射型スクリーン10,20の背面側を、光を透過しにくい布製又は樹脂製の遮光幕や耐傷性を向上させる層等で被覆する形態としてもよい。
また、反射型スクリーン10,20は、不使用時には巻き取って保管できる巻き取り可能な形態としてもよい。このような形態の場合には、支持板50等を設けず、反射型スクリーン10,20の背面側を、光を透過しにくい布製又は樹脂製の遮光幕や耐傷性を向上させる層等で被覆する形態としてもよい。
(7)表面光学層15,25及びレンズ層13が、紫外線硬化型樹脂製であり、基材層14のそれぞれの面に紫外線成形法により一体に形成される例を示したが、これに限らず、例えば、熱可塑性樹脂製等であり、押出成形法や射出成形法等により表面光学層15,25及びレンズ層13を形成してもよい。
(8)映像源LSは、鉛直方向において反射型スクリーン10,20より上方に位置し、映像光Lが反射型スクリーン10の上方から斜めに投射される形態としてもよい。このとき、反射型スクリーン10は、図2や図3,図7等に示す表面光学層15,25やレンズ層13の上下方向を反転させた形態とすればよい。
なお、本実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した各実施形態によって限定されることはない。
1 映像表示システム
10,20 反射型スクリーン
11 保護層
12 反射層
13 レンズ層
131 単位レンズ
14 基材層
15,25 表面光学層
151,251 単位光学要素
LS 映像源
10,20 反射型スクリーン
11 保護層
12 反射層
13 レンズ層
131 単位レンズ
14 基材層
15,25 表面光学層
151,251 単位光学要素
LS 映像源
Claims (7)
- 映像源から投射された映像光を反射させて観察可能に表示する反射型スクリーンであって、
レンズ面と非レンズ面とを有し背面側に凸となる単位レンズが複数配列されたフレネルレンズ形状を背面側に有するレンズ層と、
少なくとも前記単位レンズの前記レンズ面に形成され、光を反射する反射層と、
映像源側の面に、映像源側に凸となる柱状の単位光学要素が、該反射型スクリーンのスクリーン面に沿って一方向に複数配列された表面光学層と、
を備え、
前記単位光学要素は、その配列方向及び該反射型スクリーンの厚み方向に平行な断面における断面形状が、略三角形形状であること、
を特徴とする反射型スクリーン。 - 請求項1に記載の反射型スクリーンにおいて、
前記単位光学要素は、画面上下方向を長手方向とし、画面左右方向に配列されていること、
を特徴とする反射型スクリーン。 - 請求項2に記載の反射型スクリーンにおいて、
前記単位光学要素は、該反射型スクリーンの画面左右方向中央では、前記断面形状が略二等辺三角形形状であり、画面左右方向の両端部に向かうにつれて、次第に又は段階的に、前記断面形状が不等辺三角形形状に変化していること、
を特徴とする反射型スクリーン。 - 請求項1に記載の反射型スクリーンにおいて、
前記単位光学要素は、画面左右方向を長手方向とし、画面上下方向に配列されていること、
を特徴とする反射型スクリーン。 - 請求項4に記載の反射型スクリーンにおいて、
前記単位光学要素は、頂点に対して画面上下方向下側となる面がスクリーン面に平行な面となす角度が、頂点に対して画面上下方向上側となる面がスクリーン面に平行な面となす角度よりも小さいこと、
を特徴とする反射型スクリーン。 - 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の反射型スクリーンにおいて、
前記表面光学層は、ハードコート機能を有すること、
を特徴とする反射型スクリーン。 - 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の反射型スクリーンと、
前記反射型スクリーンに映像光を投射する映像源と、
を備える映像表示システム。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013130019A JP2015004821A (ja) | 2013-06-20 | 2013-06-20 | 反射型スクリーン、映像表示システム |
US13/967,456 US9030736B2 (en) | 2012-09-28 | 2013-08-15 | Reflection screen and image display system |
US14/554,319 US9285669B2 (en) | 2012-09-28 | 2014-11-26 | Reflection screen and image display system |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013130019A JP2015004821A (ja) | 2013-06-20 | 2013-06-20 | 反射型スクリーン、映像表示システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015004821A true JP2015004821A (ja) | 2015-01-08 |
Family
ID=52300766
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013130019A Pending JP2015004821A (ja) | 2012-09-28 | 2013-06-20 | 反射型スクリーン、映像表示システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2015004821A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114600007A (zh) * | 2019-11-08 | 2022-06-07 | 3M创新有限公司 | 包括光控膜和菲涅耳透镜的光学系统 |
CN115128896A (zh) * | 2022-07-29 | 2022-09-30 | 青岛海信激光显示股份有限公司 | 屏幕及系统 |
-
2013
- 2013-06-20 JP JP2013130019A patent/JP2015004821A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114600007A (zh) * | 2019-11-08 | 2022-06-07 | 3M创新有限公司 | 包括光控膜和菲涅耳透镜的光学系统 |
CN115128896A (zh) * | 2022-07-29 | 2022-09-30 | 青岛海信激光显示股份有限公司 | 屏幕及系统 |
CN115128896B (zh) * | 2022-07-29 | 2024-06-11 | 青岛海信激光显示股份有限公司 | 屏幕及系统 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US9030736B2 (en) | Reflection screen and image display system | |
JP2014010404A (ja) | 反射スクリーン、映像表示システム | |
JP2013218073A (ja) | 反射スクリーン、映像表示システム | |
CN109917613B (zh) | 反射型屏幕和影像显示系统 | |
JP6492597B2 (ja) | 反射スクリーン、映像表示システム | |
JP5939116B2 (ja) | 反射スクリーン、映像表示システム | |
JP2014199375A (ja) | 反射スクリーン、映像表示システム | |
JP2012226103A (ja) | 反射スクリーン、映像表示システム | |
JP2016062031A (ja) | 反射型スクリーン、映像表示システム | |
JP6272013B2 (ja) | 反射型スクリーン、映像表示システム | |
JP5949355B2 (ja) | 反射スクリーン、映像表示システム | |
JP6476812B2 (ja) | 反射スクリーン、映像表示システム | |
JP2014077883A (ja) | 反射スクリーン、映像表示システム | |
JP2013213882A (ja) | 反射スクリーン、映像表示システム | |
JP2014142429A (ja) | 反射型スクリーン、前面投射型表示装置、多画面表示装置 | |
JP2015014649A (ja) | 反射型スクリーン、映像表示システム | |
JP2015004821A (ja) | 反射型スクリーン、映像表示システム | |
JP5998769B2 (ja) | 反射スクリーン、映像表示システム | |
JP5974789B2 (ja) | 反射スクリーン、映像表示システム | |
JP6398517B2 (ja) | 反射型スクリーン、映像表示システム | |
JP2014119607A (ja) | 透過型スクリーン、背面投射型表示装置、多画面表示装置 | |
JP6507563B2 (ja) | 反射スクリーン、映像表示システム | |
JP2015069110A (ja) | 反射型スクリーン、映像表示システム | |
JP2015055855A (ja) | 反射型スクリーン、映像表示システム | |
JP2016200845A (ja) | 反射型スクリーン、映像表示システム |