JP2015096352A - 自動車の後部車体構造 - Google Patents
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Abstract
Description
なお、図14において、87は前側ロアアーム、88は後側ロアアームであり、また、図中、矢印Fは車両前方を示し、矢印Rは車両後方を示す。
すなわち、車体の下面には、一般に燃料タンクが配設されており、図13に示すようにサブフレーム80を燃料タンク90の直後に設けた場合、前側クロスメンバ部82よりも車両前方に突出しているサイドメンバ部81の前端部が、後突時に燃料タンク90に接触しないよう、サイドメンバ部81の前端部と燃料タンク90の後部とを離間させる必要があった。このため、燃料タンク90の容量が小さくなったり、車体底部のレイアウトが車両前後方向に冗長になったりするという問題点があった。
図15(a),(b)では、サブフレーム80の場合よりも前側クロスメンバ部82が車両前方に配置されると共に、前側クロスメンバ部82の中央部には上下方向(図15(a),(b)では下方)に屈曲する屈曲部82bが形成され、該屈曲部82bにより形成された車両後方のスペースには燃料タンク90の一部が突出している。これにより、前側クロスメンバ部82の前方配置に関わらず燃料タンク90の容量を確保できるようにしている。
また、後突時にはリヤサブフレームに後突荷重が入力されるが、前側クロスメンバ部の車幅方向端部がリヤサイドフレームの下面に取付けられているので、リヤサブフレームが受けた後突荷重を、前側クロスメンバ部を介してリヤサイドフレームに伝達して、荷重分散を図ることができる。
また、サイドメンバ部において、リヤサイドフレームより車幅方向内側の部位が、車両側面視で上向きに突出するように屈曲形成されているので、後突時には、車両側面視で最も上向きに突出する頂部を起点としてサイドメンバ部を屈曲変形させることができ、後突荷重を効果的に吸収することができる。これにより、後突時におけるリヤサブフレームの前進を抑制することができる。
さらに、前側クロスメンバ部は、その中央部が上下方向に屈曲することなく、燃料タンクの直後の位置で車幅方向に延在しているため、リヤサブフレームの静剛性を補うための重量増加を回避しつつ、NVH性能の向上を図ることができる。
従って、燃料タンクの容量や、車体底部のレイアウト、重量、NVH性能を犠牲にすることなく、燃料タンクを保護することができる。
また、車幅方向外側端部が、車両側面視で略L字状をなし、サイドメンバ部の中心線よりも車幅方向内側でサイドメンバ部に接合されているので、接合長さ(面積)を可及的に短く(小さく)抑えることができ、通常時には、上述したように静剛性を前後左右方向に補強することができる一方、後突時には、サイドメンバ部のスムーズな屈曲変形が前記接合によって阻害されることを抑制できる。
図1は自動車の後部車体構造を示す底面図、図2は図1のA−A線矢視断面図、図3は図1のB−B線矢視断面図である。
上述のセンタフロアパネル1および図示しないフロントフロアパネルにはその車幅方向中央において車室内へ突出して、車両の前後方向に延びるトンネル部5を一体または一体的に形成すると共に、センタフロアパネル1およびフロントフロアパネルの車幅方向両端部には、サイドシル6を接合固定している。
上述のリヤシートパン2からスラント部3およびリヤフロア4にかけて、車両の前後方向に延びるリヤサイドフレーム7を設けている。
また、上述のスラント部3の後部に対応するリヤサイドフレーム7の前後方向中間部には、左右のリヤサイドフレーム7,7間に掛け渡される車体クロスメンバ10(いわゆるNo.4クロスメンバ)を設けている。
図1〜図3に示すように、上述のリヤシートパン2およびスラント部3の下部車外側には、一対のタンクバンド13,13を用いて、燃料タンク14が取付けられている。
また、図1に示すように、前後のクロスメンバ9,10間に対応して上述のリヤサイドフレームロア7Lには、トレーリングアーム取付部17を形成し、車体クロスメンバ10よりもさらに後方位置に対応して該リヤサイドフレームロア7Lには、後述するサスペンション用のスプリング27(図1参照)のバネ座(図示せず)を設け、このバネ座よりもさらに後方位置に対応して該リヤサイドフレームロア7Lには、後側車体取付部25の取付けポイントを設けている。
さらに、図1に示すように、ホイールハウス8内にはリヤサスペンションのダンパ取付部20を設けている。
図2,図3で示した車体構造に対して、図1に底面図で示すようにリヤサブフレーム21(以下単に、サブフレーム21と略記する)を取付けるものである。
図4〜図9に示すように、リヤサスペンションを支持するサブフレーム21は、左右のサイドメンバ部22,22と、前側クロスメンバ部23と、後側クロスメンバ部24とを備えている。
そして、サイドメンバ部22の後端部には後側車体取付部25が設けられており、図1に示すように、左右のサイドメンバ部22,22の後端部が、後側車体取付部25,25を介してそれぞれ左右のリヤサイドフレーム7(詳しくは、リヤサイドフレームロア7Lの取付けポイント)に取付けられる一方、左右のサイドメンバ部22,22の前端部が、接合により前側クロスメンバ部23のリヤサイドフレーム7よりも車幅方向内側に取付けられている。
そして、図9に示すように、前端部の接合部におけるサイドメンバ部22の中心線L1(図9参照)の高さ位置が、後側車体取付部25におけるサイドメンバ部22の中心線L2(図9参照)の高さ位置よりも低く設定されている。
また、サイドメンバ前部22Fでは、頂部22Tから前端部までの部位が、車両側面視で車両前方下向きに直線状に傾斜している。
上述のアッパアーム支持部28と、ロアアーム支持部29と、前側クロスメンバ部23とは前後に重なる位置、この実施例では前後方向の略同一位置に配置されている。
さらに、ロアアーム支持部29はサイドメンバ部22および前側クロスメンバ部23の下部にブラケット31(詳しくは、ロアアーム支持ブラケット31)を介して連結されている。
つまり、サイドメンバ部22の前端部近傍には、サスペンションの前側アーム(図示略の前側のアッパアーム、図1,図12に示す前側のロアアーム32)を枢支する支持部28,29が設けられたものであり、サスペンションの前側アッパアームの支持部28を構成するブラケット30と、その下方において前側ロアアーム32の支持部29を構成するブラケット31とが、前後に重なる位置で車幅方向に延設されたものである。
上述の後側クロスメンバ部24の左右両側部に相当する後方傾斜部位24Rおよび前方傾斜部位24Fは、後側ロアアーム支持部38,38から前後方向に分岐しており、この分岐した各傾斜部位24R,24Fの車幅方向両端部が上述のサイドメンバ部22に連結されており、該サイドメンバ部22と前方傾斜部位24Fと後方傾斜部位24Rとの三者により、トラス構造を形成しており、このトラス構造によりサブフレーム21を補強して、重量増加を抑えながら後側ロアアーム37の支持剛性、特に、通常時における静剛性を前後左右方向に補強すべく構成している。
また、図1、図3に示すように、上述の後側ロアアーム37はスプリング27のバネ座を兼ねるように、リヤサイドフレームロア7L側のバネ座と上下方向に対向する部分が膨出形成されている。
また、後突時には図13に矢印で示すように、サブフレーム21に後突荷重が入力されるが、前側クロスメンバ23が、車両平面視で車幅方向略直線状をなす中央部23Cと、該中央部23Cの車幅方向両端部から車幅方向外側前方に斜めに屈曲して延びる傾斜部23Sとにより車両平面視で略アーチ状をなしているので、アーチの脚部を構成する傾斜部23Sによって前記後突荷重を強固に受け止めることができる。
そして、傾斜部23Sの車幅方向端部がリヤサイドフレーム7の下面に取付けられているので、サブフレーム21が受けた後突荷重を、傾斜部23Sを介してリヤサイドフレーム7に伝達して、荷重分散を図ることができる。
これにより、後突荷重に対するサブフレーム21全体の耐久性を確保することができ、後突時におけるサブフレーム21の前進を抑制することができる。
なお、図中、矢印Fは車両の前方を示し、矢印Rは車両の後方を示す。また、図中、矢印INは車幅方向内方向を示し、矢印OUTは車幅方向外方を示す。
また、後突時にはサブフレーム21に後突荷重が入力されるが、前側クロスメンバ部23の車幅方向端部がリヤサイドフレーム7の下面に取付けられているので、サブフレーム21が受けた後突荷重を、前側クロスメンバ部23を介してリヤサイドフレーム7に伝達して、荷重分散を図ることができる。
また、サイドメンバ部22において、リヤサイドフレーム7より車幅方向内側のサイドメンバ前部22Fが、車両側面視で上向きに突出するように屈曲形成されているので、後突時には、車両側面視で最も上向きに突出する頂部22Tを起点としてサイドメンバ部22を屈曲変形させることができ、後突荷重を効果的に吸収することができる。これにより、後突時におけるサブフレーム21の前進を抑制することができる。
さらに、前側クロスメンバ部23は、その中央部が上下方向に屈曲することなく、燃料タンク14の直後の位置で車幅方向に延在しているため、サブフレーム21の静剛性を補うための重量増加を回避しつつ、NVH性能の向上を図ることができる。
従って、燃料タンク14の容量や、車体底部のレイアウト、重量、NVH性能を犠牲にすることなく、燃料タンク14を保護することができる。
また、側端部24E1、24E2が、車両側面視で略L字状をなし、サイドメンバ部22の中心線L3,L5よりも車幅方向内側でサイドメンバ部22に接合されているので、接合長さ(面積)を可及的に短く(小さく)抑えることができ、通常時には、上述したように静剛性を前後左右方向に補強することができる一方、後突時には、サイドメンバ部22のスムーズな屈曲変形が前記接合によって阻害されることを抑制できる。
この発明のリヤサブフレームは、実施例のサブフレーム21に対応し、
以下同様に、
ロアアームは、後側ロアアーム37に対応し、
リヤフロアパンは、リヤフロア4に対応し、
車幅方向外側端部は、側端部24E1,24E2に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
14…燃料タンク
21…サブフレーム
22…サイドメンバ部
22C…屈曲部
22F…サイドメンバ前部
22R…サイドメンバ後部
22T…頂部
23…前側クロスメンバ部
24…後側クロスメンバ部
24C…中央部
24E1,24E2…側端部
24F…前方傾斜部位
24R…後方傾斜部位
27…スプリング
37…後側ロアアーム
L1,L2,L3,L5…中心線
Claims (5)
- 左右のサイドメンバ部と、前側および後側クロスメンバ部とを有するリヤサブフレームを備えた自動車の後部車体構造であって、
前記左右のサイドメンバ部は、それぞれ車体後部左右のリヤサイドフレームの下面に後端部が取付けられる一方、
前記前側クロスメンバ部に前端部が取付けられ、
前記後端部の取付部から、後輪サスペンションの後輪車軸より車両後方に位置するロアアームのスプリングまで車幅方向内側前方に延びるサイドメンバ後部と、
前記スプリングの車幅方向内側で車両前方に向かって屈曲する屈曲部と、
前記リヤサイドフレームより車幅方向内側において、前記屈曲部から前記前端部の取付部まで車体前後中心線と車両平面視で略平行に延びるサイドメンバ前部とを有し、
前記リヤサイドフレームより車幅方向内側の部位が、車両側面視で上向きに突出するように屈曲形成され、
前記前側クロスメンバ部は、前記リヤサイドフレームの前部において、車体の下面に配設された燃料タンクの直後の位置で車幅方向に延在すると共に、
車幅方向両端部が前記左右のリヤサイドフレームの下面に取付けられた
自動車の後部車体構造。 - 前記前端部の取付部における前記サイドメンバ部の中心線の高さ位置が、前記後端部の取付部における前記サイドメンバ部の中心線の高さ位置よりも低く設定された
請求項1記載の自動車の後部車体構造。 - 前記左右のリヤサイドフレームの間には、車両側面視で前方かつ上方に傾斜するリヤフロアパンが配設され、
前記サイドメンバ部は、前記リヤフロアパンの下方に配設された
請求項1または2記載の自動車の後部車体構造。 - 前記サイドメンバ部において、車両側面視で最も上向きに突出する頂部から前記前端部までの部位が、車両側面視で車両前方下向きに直線状に傾斜している
請求項1〜3のいずれか一項に記載の自動車の後部車体構造。 - 前記後側クロスメンバ部は、前記後端部の取付部よりも車両前方に中央部が設けられ、
該中央部に前記ロアアームが枢支され、
前記後側クロスメンバ部の側部が、車両平面視で前記中央部から前記後端部の取付部側に傾斜して延びる後方傾斜部位と、車両前方外側に傾斜して延びる前方傾斜部位と、に分岐しており、
前記後方傾斜部位および前記前方傾斜部位の車幅方向外側端部は、車両側面視で略L字状をなし、
前記サイドメンバ部の中心線よりも車幅方向内側で前記サイドメンバ部に接合されている
請求項1〜4のいずれか一項に記載の自動車の後部車体構造。
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