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JP2015085599A - レーザブレイク装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】一度のレーザビームの照射で基板を分断することのできるブレイク装置を簡単な構成で提供する。【解決手段】直線状に延びる凸部2を上面に有するテーブル1と、テーブル1上に載置された基板Mを凸部2により湾曲隆起させた状態でテーブル1に吸着保持する吸引機構3と、凸部2によって隆起した基板Mの湾曲隆起部14の撓み量を測定する測定機構12と、測定機構12の測定値に基づいて吸引機構3の吸引力を制御して適正な撓み量に調整する制御部13と、基板Mの湾曲隆起部14の頂部表面に、該頂部の延在方向に沿ってレーザスポットを走査するレーザ照射部10と、レーザ照射直後のレーザスポットを冷却する冷却機構11とからなる構成とする。【選択図】図2

Description

本発明は、本発明は、ガラス、シリコン、セラミック等の脆性材料からなる基板のブレイク装置に関する。特に本発明は、脆性材料基板の分断にレーザビームを用いたレーザブレイク装置に関する。
従来からガラス等の脆性材料基板(以下「基板」という)の表面にスクライブライン(切り溝)を入れ、そのスクライブラインに沿ってブレイクバーを押し当てたり、ローラを圧接転動したりすることによって基板を撓ませることで基板を分断する方法は広く実施されている。
スクライブラインを形成する手段としては、カッターホイール(スクライビングホイールともいう)等の刃体で行う方法と、レーザビームを用いる方法がある。
刃体の場合は、その刃先を基板表面に押しつけながら刃体または基板を相対的に移動させることにより基板表面に連続した溝を形成する方法である。
また、レーザビームの場合は、基板をレーザビームに対して相対的に移動することでビームスポットを基板のブレイク予定ラインに沿って走査して加熱するとともに、これに追従して冷却ユニットのノズルから冷媒液を噴射する。このときの加熱によって生じる圧縮応力と、急冷によって生じる引張応力とによる応力分布を利用して亀裂(クラック)を生じさせ、ブレイク予定ラインの方向に沿って連続した溝を形成する方法である。両者は装置価格、加工対象基板、加工品質等の観点から使用用途に応じて使い分けられている。
基板にスクライブラインを加工した後、このスクライブラインに沿ってブレイクバーで分断する工程を省くために、刃先でスクライブラインを加工する際に、基板の分断をも行う方法が特許文献1で開示されている。
この方法によれば、本願図9(a)に示すように、テーブル21の表面に直線状の凸部22が設けられ、この凸部22の両脇にそれぞれ列をなすエア吸引孔23a、23bが設けられている。凸部に近い列のエア吸引孔23aと、遠い列のエア吸引孔23bはそれぞれ別の真空ポンプP1、P2につながっている。このテーブル21上に基板Mを載置し、まず遠い列のエア吸引孔23bで吸引させて基板Mをテーブル21に吸着させると同時に、左右のエア吸引孔23b、23bを底辺とした緩やかな曲面の湾曲隆起部24を形成する。この状態でカッターホイール25の刃先を湾曲隆起部24の頂部に押し当て、この頂部に沿って移動させてスクライブラインLを形成する。次いで、図9(b)に示すように、凸部22に近い列のエア吸引孔23aを吸引させる。これにより、湾曲隆起部24の勾配が急になってスクライブラインLを左右に引き裂く引張応力が強くなる結果、基板MがスクライブラインLからブレイクされるというものである。
特開平9−202635号公報 特開2011−201200号公報
しかしながら上記の方法では、最初に刃先で基板Mをスクライブする際、基板Mは緩やかではあるものの湾曲隆起しているので、湾曲隆起部24の凸面側の表面部分には一様に引張応力が働いている。そこにカッターホイール25の刃先を入れてスクライブすると、刃先によって生じた亀裂が先行して分断される所謂「先走り」と呼ばれる現象が発生する。この亀裂の「先走り」は、どの方向に進展するかが予測不能なため、その方向性を制御することは不可能であって、スクライブ予定ラインから外れることもある。そのため、加工の信頼性に欠けるという欠点があった。
一方、基板表面にレーザビームでスクライブラインを形成した後、基板を反転させてスクライブラインの反対側の位置に2回目のレーザビームを照射することにより、亀裂を厚み方向に浸透させて基板をブレイクするレーザブレイク方法が特許文献2で提案されている。
このレーザブレイク方法によれば、最初にスクライブラインを加工した基板をブレイク装置に搬送することなくスクライブラインに沿ってブレイクすることが可能である。しかしながら、基板を反転させるための反転機構が必要となって装置が大掛かりとなり、特に、基板面積が大きくなるほど、反転が困難になるという問題が生じていた。
そこで本発明は、一度のレーザビームの照射で分断することのできるレーザブレイク装置を簡単な構成で提供することを目的とする。
さらに本発明は、基板の湾曲がブレイクしやすい設定条件から変動が生じた場合に、これを検知してブレイクしやすい設定条件に戻す自動制御機能を備えたブレイク装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明では次のような技術的手段を講じた。すなわち本発明のレーザブレイク装置は、直線状に延びる凸部を上面に有するテーブルと、前記テーブル上に載置された基板を、前記凸部の部分で湾曲隆起させた状態でテーブルに吸着保持する吸引機構と、前記凸部によって隆起した基板の湾曲隆起部の撓み量を測定する測定機構と、前記測定機構の測定値に基づいて前記吸引機構の吸引力を制御し、予め設定した撓み量設定値に近づくように撓み量を調整する制御部と、前記基板の湾曲隆起部の頂部表面に当該頂部の延在方向に沿ってレーザビームのビームスポットを走査するレーザ照射部、および、当該レーザ照射部に追随してビームスポットの直後を冷却する冷却機構からなるレーザブレイク機構を備える構成とした。
本発明は上記の構成としたから、基板の湾曲隆起部に対し、レーザ照射による加熱と冷却機構による冷却とによって生じる熱応力によって形成された亀裂は、該亀裂を中心として左右に引き裂く引張応力によって基板厚み方向に浸透し、ガラス基板を完全分断することができる。このとき、加熱とその直後の冷却による亀裂は、加熱と冷却を行った部分のみにしか発生しないので、刃先によるブレイクの場合のように亀裂が先行して不規則に進展する「先走り」現象はなくなる。これにより、レーザビームおよび冷媒の走査に伴って、凸部から外れることなくブレイク予定ラインに沿って真っ直ぐにブレイクすることができ、加工の信頼性が高く、高品質の製品を得ることができる。
さらに本発明では、測定機構による測定によって予め設定した基板の湾曲隆起部の撓み量設定値から変動が生じたことが検知されると、制御部が自動的に吸引機構の吸引力を制御して初期の撓み量設定値に近づけるようにフィードバック制御する。撓み量設定値は、レーザブレイクに適した撓み量に設定しておくことができるので、これにより、信頼性の高いブレイクが可能になり、安定した品質の製品を提供することができる。
本発明において、前記吸引機構は、真空ポンプに連なる多数のエア吸引孔で形成され、該エア吸引孔は前記凸部の両脇部分の左右対称位置で、該凸部の延在方向に平行して複数の列をなすように所定のピッチで形成されている構成とするのがよい。
これにより、凸部によって基板が湾曲隆起したときに、凸部の延在方向に沿ったどの位置であっても、凸部を横断する断面形状において均等な撓み量で撓ませることができる。
本発明において、前記凸部をテーブルに対して着脱可能に取り付けるようにするのがよい。
これにより、凸部をテーブルから取り外せば、基板を隆起させず平坦な状態でテーブル上に載置することができ、スクライブラインのみを加工する一般的なレーザスクライブ装置としても使用することもできる。
本発明に係るレーザブレイク装置の一例を示す概略的な正面図。 図1の装置における要部説明図。 図1の装置におけるテーブル部分を示す平面図。 図1の装置に載置された基板の隆起部分を示す説明図。 図1の装置によってブレイクされた基板の実験データを示す図。 図1の装置によってブレイクされた基板の別の実験データを示す図。 撓み量から引張応力を求める数式を説明するための参考図。 本発明の測定機構を用いて湾曲隆起部の撓み量を測定した結果を示す図。 従来の刃先によるブレイクを説明する図。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
図1は本発明に係るレーザブレイク装置の概略的な構成図である。本発明の加工対象としてガラス、シリコン、セラミック等の脆性材料からなる基板が適用されるが、ここでは板厚1mm以下(より具体的には0.2mm〜0.8mm程度)のガラス基板、特に、レーザブレイクが比較的困難とされる無アルカリガラス(コーニング社製無アルカリガラス:商品名「EAGLE2000(登録商標)」)を加工する場合を例に説明する。
このブレイク装置Aは、ガラス基板Mを載置するテーブル1を備えている。テーブル1は、図2並びに図3に示すように、表面に直線状に延びた凸部2と、テーブル1上に載置したガラス基板Mを吸着保持する吸引機構3とを備えている。吸引機構3は、テーブル1上面に開口する多数のエア吸引孔3a…を備えている。また、凸部2は、高さ0.1〜0.8mm、幅が5〜10mmの範囲内で形成するのがよい。
エア吸引孔3aは、凸部2の両脇部分の左右対称位置で、凸部2の延在方向に平行して複数の列をなすように所定のピッチで形成されている。また、エア吸引孔3aは外部に設置した真空ポンプPにダクト4を介して連通されている。これにより、テーブル1上に基板Mを載置してエア吸引孔3a…で基板Mを吸引したときに、基板Mが凸部2の部分で隆起して湾曲隆起部14を形成するようにしている。このとき、エア吸引孔3a…が、凸部2の両脇部分の左右対称位置で、凸部2の延在方向に平行して複数の列をなすように形成されているので、凸部2の延在方向に沿ったどの位置であっても凸部を横断する断面形状において均等な撓み量で撓ませることができる。
また、エア吸引孔3aの吸引力を調整することにより、湾曲隆起部14の撓み量が変化するようにしている。すなわち、エア吸引孔3aの吸引力を強くすると、図4(b)に示すように、基板Mはテーブル1に強く吸引されて凸部2の左右側面に近づくため湾曲隆起部14の撓み量は大きくなり、吸引力を弱めると、図4(a)のように、基板Mの密着力が弱まって撓み量が小さくなるようにしている。なお、基板Mの撓み量は、凸部2における基板Mの曲率半径Rで表すことができる。ただし、曲率半径Rが大きいほど撓み量は小さく、曲率半径Rが小さいほど撓み量は大きくなる。
テーブル1は、水平なレール5に沿って図1の前後方向に移動できるようになっており、モータ(図示外)によって回転するネジ軸6により駆動される。さらに、テーブル1はモータを内蔵する回転駆動部7により水平面内で回動できるようになっている。
テーブル1を挟んで設けてある両側の支持柱8、8に、テーブル1を跨ぐようにして横梁9が設けられ、この横梁9に、レーザ光源からのレーザビームを基板Mに出射するレーザ照射部10と、このレーザ照射部10による基板の加熱領域(レーザスポット)に追従して、加熱領域の直後を冷却する冷媒噴射部11とが設けられている。なお、レーザ光源並びに該光源からレーザ照射部10にレーザビームを送る光学的経路は、図面の複雑化を避けるために省略した。これらのレーザ照射部10と冷媒噴射部11とによりレーザブレイク機構が構成される。
さらに、ガラス基板Mの撓み量を測定するピックテスタなどの測定機構12が上記横梁9、もしくはブレイク装置Aのフレーム部分に支持されて配置されている。この測定機構12は、ガラス基板Mの撓み量を測定し、その測定値をコンピュータの制御部13(図2参照)に伝達する。
制御部13には予め目標となる撓み量設定値13aが設定してある。撓み量設定値13aは、後述するように実験的に求めたブレイクに最適な撓み量である。
そして、制御部13は測定機構12の測定値に基づいて、撓み量設定値13aに近似するように吸引機構3の真空ポンプPでフィードバック制御してエア吸引孔3a…の吸引力を調整し、予め設定した適正な撓み量となるように調整する。なお、本実施形態では真空ポンプPにより吸引力の調整を行っているが、真空ポンプPの直前に流量制御弁を設けて開度をフィードバック制御することにより吸引力を調整してもよい。
ここで、撓み量の測定方法について説明する。
図8は、測定機構12を用いて湾曲隆起部14の撓み量を測定した結果を示しており、図8におけるグラフ上の各点は、ガラス基板Mの表面の高さを2mm間隔で測定した結果をプロットしたものである。
湾曲隆起部14の表面の形状は、ガラス基板M表面の各測定位置をx、基板の高さをyとすると、以下の式で精度よく近似できる。
y=ax+bx+c
このとき、湾曲隆起部14の頂点の曲率半径Rは、以下の式で算出される。
R=a/2
なお、図8の例における湾曲隆起部14の表面の形状および曲率半径Rは、以下のようになる。
y=−0.0003482327x+0.0002151961x+0.0014773994
R=0.0003482327/2≒1436mm
次に、上記のブレイク装置Aによるブレイク動作手順について説明する。
まずテーブル1上にガラス基板Mを載置する。この場合、ブレイク予定ラインが凸部2の頂部にくるように載置する。そして吸引機構3を作動させてガラス基板Mを吸引する。この吸引工程により、ガラス基板Mは、図4に示すように凸部2の部分で隆起して湾曲隆起部14を形成する。
次いで、スクライビングホイール(図示外)をブレイク予定ラインの基板端の位置に軽く衝突させて初期亀裂を形成しておく(なお、基板をテーブルに載置する前に予め前工程で初期亀裂を形成しておいてもよい)。そして、ガラス基板Mをレーザ照射部10に対して相対的に移動させながら、初期亀裂の位置を起点にして、レーザ照射部10からレーザビームを湾曲隆起部14上のブレイク予定ラインに沿って照射するとともに、これに追従して冷媒噴射部11のノズルから冷媒を噴射する。このときの加熱によって生じる圧縮応力と、急冷によって生じる引張応力とによる応力分布によって亀裂(クラック)が進行する。このとき、湾曲隆起部14は上方に撓んでいるので、その表面部分は亀裂を中心として左右に引張応力が作用しており、この引張応力によって上記亀裂が厚み方向に深く浸透してガラス基板Mを完全分断する。
なお、レーザビームによる加熱と、その直後の冷却による亀裂は、上記した湾曲隆起部14への照射であっても加熱と冷却を行った部分のみにしか発生しないことが発明者等の反復実験によって明らかとなった。したがって、先に述べた刃先によるブレイクの場合のように、亀裂が先行して不規則に進展する「先走り」現象はみられず、レーザビームおよび冷媒の走査に伴って凸部2から外れることなくブレイク予定ラインに沿って真っ直ぐにブレイクすることができる。
上記したレーザビームによる加熱と、その直後の冷却による基板のブレイクの成否は、レーザビームの出力や走査速度に加えて、基板Mの材質、厚み、凸部2による基板Mの湾曲隆起部14の撓みにより生じる引張応力によって決定される。
図5は実験対象となるガラス基板として、コーニング社製無アルカリガラス:商品名「EAGLE2000」を使用し、基板Mの厚みを0.5mm、凸部2の高さを0.2mm、幅を7mm、湾曲隆起部14の曲率半径Rを2545mmとして、レーザビームの出力並びに走査速度を段階的に変化させて実験を行った結果を示すものである。
なお、曲率半径Rが2545mmの場合の湾曲隆起部14に生じる引張応力は6.97MPaである。曲率半径Rと引張応力とは反比例の関係にあり、引張応力は曲率半径Rから後述する計算式により導き出すことができる。
この実験によれば、斜線部分で示す広い領域において良好なブレイクを行うことができた。
例えば、レーザビームの出力を400W、走査速度を560mm/sで行ったときのブレイク結果は、図5の○印で示すように有効な領域を示す斜線部分内にあって、良好にブレイクされたことがわかる。
図6は上記した条件に撓み量、すなわち、引張応力を変えて実験したデータを示すものである。
図6(a)は、撓み量として湾曲隆起部14の曲率半径Rを3528mm(引張応力5.02MPa)に設定してブレイクを行った結果を示す。結果は図6(a)に斜線で示したように正常なブレイクが可能な有効領域は著しく減少し、ブレイク可能な加工条件がほとんどなかった。
また、図6(b)は、撓み量として湾曲隆起部14の曲率半径Rを1945mm(引張応力9.11MPa)に設定してブレイクを行った結果を示す。結果は図6(b)に斜線で示したように正常なブレイクが可能な有効領域は著しく減少し、さらに図中「△」の記号で示した条件では、ブレイクは可能だが亀裂が曲がるなどの品質不良を生じる領域があり、曲率半径Rが2545mmの場合と比較すると正常なブレイクが可能な加工条件の範囲が狭くなっていた。これにより、湾曲隆起部14の撓み量がブレイクの成否に大きな影響を与えることが理解できる。
基板の撓みによって生じる引張応力は次のようにして求めることができる。
図7に示すように、基板を曲げる(撓ませる)と、基板の厚みtの中間線のb寸法は基板を曲げる前と同じであるが、基板表面線のa寸法はb寸法より長くなる。各線の比率a/bは、基板表面の曲率半径R、すなわち撓み量を測定することにより求められる。そしてa寸法の伸びの割合εから、基板表面に作用する引張応力σを計算することができる。数式で表すと次の通りである。
寸法の比率(a/b):R/(R−(t/2))
a寸法の伸びの割合ε:(a−b)/b=(a/b)−1
引張応力σ=εE
ただし、Eは加工対象となるガラス基板のヤング率
これにより、湾曲隆起部14の基板M表面の曲率半径Rを測定することにより、湾曲隆起部14表面に発生する引張応力を知ることができる。
上記したように、湾曲隆起部14の撓み量がブレイクの成否に大きな影響力を与えるものであるから、ブレイク加工中において撓み量を予め設定した適正な数値に保持することが重要である。すなわち、図5で示した例では、レーザビームの出力を400W、走査速度を560mm/sでブレイクするためには、適正な撓み量として湾曲隆起部14の基板M表面の曲率半径Rを2545mm付近に維持することが望ましい。
そこで、最初にブレイク加工を行う際に、湾曲隆起部14の撓み量をブレイク可能な上記数値を設定しておき、上記したブレイク加工を行う中で、例えばブレイク加工100〜1000回に1回程度の頻度で、測定機構12により撓み量を測定する。測定の結果、もしも撓み量の測定値に変動があれば、その信号は制御部13に送られ、制御部13の撓み量設定値13aとの比較によるフィードバック制御により真空ポンプPの吸引力が調整され、以後は調整後の吸引力によって撓み量が適正な設定値となるように調整される。これにより、ブレイク可能な撓み量、すなわち、湾曲隆起部14にかかる引張応力を継続保持することが可能となり、レーザブレイクを効率的に行うことができる。
測定機構12による撓み量の測定は、上述したようにブレイク加工100〜1000回に1回としたが、手間さえ問題にしなければブレイク加工ごとに毎回行ってもよい。
なお、本発明では、上記した凸部2をテーブル1に対して着脱可能に取り付けるようにすることもできる。
これにより、凸部2をテーブル1から取り外せば、基板Mを隆起させず平坦な状態でテーブル1上に載置することができ、スクライブラインのみを加工する一般的なレーザスクライブ装置として使用することも可能となる。
以上本発明の代表的な実施例について説明したが、本発明は必ずしも上記の実施形態に特定されるものでなく、その目的を達成し、発明の趣旨を逸脱しない範囲内で適宜修正、変更することが可能である。
本発明のブレイク装置は、レーザビームの照射によって基板を分断するブレイク装置に適用することができる。
A ブレイク装置
M 基板
R 曲率半径
1 テーブル
2 凸部
3 吸引機構
3a エア吸引孔
10 レーザ照射部
11 冷媒噴射部(冷却機構)
12 測定機構
13 制御部
13a 撓み量設定値
14 湾曲隆起部

Claims (3)

  1. 直線状に延びる凸部を上面に有するテーブルと、
    前記テーブル上に載置された基板を、前記凸部の部分で湾曲隆起させた状態でテーブルに吸着保持する吸引機構と、
    前記凸部によって隆起した基板の湾曲隆起部の撓み量を測定する測定機構と、
    前記測定機構の測定値に基づいて前記吸引機構の吸引力を制御し、予め設定した撓み量設定値に近づくように撓み量を調整する制御部と、
    前記基板の湾曲隆起部の頂部表面に当該頂部の延在方向に沿ってレーザビームのビームスポットを走査するレーザ照射部、および、当該レーザ照射部に追随してビームスポットの直後を冷却する冷却機構からなるレーザブレイク機構を備えたことを特徴とするレーザブレイク装置。
  2. 前記吸引機構は、真空ポンプに連なる多数のエア吸引孔で形成され、該エア吸引孔は前記凸部の両脇部分の左右対称位置で、該凸部の延在方向に平行して複数の列をなすように所定のピッチで形成されている請求項1に記載のレーザブレイク装置。
  3. 前記凸部がテーブルに対して着脱可能に取り付けられている請求項1または請求項2に記載のレーザブレイク装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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