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JP2015075856A - 触覚提示装置 - Google Patents

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JP2015075856A
JP2015075856A JP2013210817A JP2013210817A JP2015075856A JP 2015075856 A JP2015075856 A JP 2015075856A JP 2013210817 A JP2013210817 A JP 2013210817A JP 2013210817 A JP2013210817 A JP 2013210817A JP 2015075856 A JP2015075856 A JP 2015075856A
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橋本 順一
Junichi Hashimoto
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Abstract

【課題】圧電フィルムを用いた場合であってもある程度強い振動を伝えることができる触覚提示装置を提供する。
【解決手段】駆動部は、圧電フィルム20A、20Bに駆動信号を印加する。圧電フィルム20Aは、エキサイタフィルム30の背面に装着されているため、この箇所においては、矢印S911に示す圧電フィルム20Aの収縮にともなってエキサイタフィルム30の背面側が収縮する。このとき、エキサイタフィルム30は、主面に直交する方向のうち正面側にわずかに湾曲することになる。一方、圧電フィルム20Bは、エキサイタフィルム30の正面に装着されているため、この箇所においては、矢印S915に示す圧電フィルム20Bの収縮にともなってエキサイタフィルム30の正面側が収縮する。このとき、エキサイタフィルム30は、主面に直交する方向のうち背面側にわずかに湾曲することになる。
【選択図】図5

Description

本発明は、利用者に振動を伝えることで触覚フィードバックを与える触覚提示装置に関する。
近年、タッチパネル式のキ−ボ−ド等において、利用者がキーをタッチした時に振動を伝えることで触覚フィードバックを与え、キーを「押した」と感じさせる触覚提示装置が提案されている。
例えば、特許文献1には、圧電セラミックス等からなる圧電バイモルフ素子の両端を低弾性体で保持し、当該圧電バイモルフの中央に被振動材を接続した構造が記載されている。特許文献1の構造では、圧電バイモルフ素子に交流信号を入力して振動させることにより、接続された被振動材を介して利用者に振動を伝える。
しかし、圧電セラミックスは割れやすいという課題がある。一方で、圧電フィルムのような割れにくいものは、振動を伝える力が弱く、触覚提示装置に用いることが難しい。
特開2005−303937号公報
仮に圧電フィルムを平板に貼り付けて当該平板を振動させる場合、当該平板が湾曲するため、平板から音が発生する。触覚提示装置においては、利用者に振動を伝えることが目的であり、振動による音の発生は抑えることが好ましい。
そこで、本発明の目的は、圧電フィルムを用いた場合であってもある程度強い振動を伝えることができ、平板に貼り付けた場合であっても当該平板からの音の発生を抑えることができる触覚提示装置を提供することにある。
この発明の触覚提示装置は、両主面に電極が形成された圧電性樹脂からなる圧電フィルムと、前記圧電フィルムが装着された平板状のエキサイタフィルムと、曲げ応力が発生する状態で前記エキサイタフィルムに固定された平板状の振動板と、タッチ操作を検出するタッチ検出部と、前記タッチ検出部がタッチ操作を検出したときに、前記圧電フィルムに駆動信号を印加する駆動部と、を備え、前記圧電フィルムは、前記エキサイタフィルムの一方の主面に装着される第1圧電フィルムと、前記エキサイタフィルムの他方の主面に装着される第2圧電フィルムと、を有し、前記第1圧電フィルムおよび前記第2圧電フィルムは、前記エキサイタフィルムを平面視して、互いに重ならない箇所が存在するように装着されているを備えたことを特徴とする。
このような触覚提示装置では、ユーザがタッチ操作を行うと、圧電フィルムに駆動信号が印加され、圧電フィルムが伸縮する。圧電フィルムが伸縮すると、エキサイタフィルムが伸縮する。振動板は、エキサイタフィルムの伸縮により、主面に直交する方向に振動する。振動板には、曲げ応力が発生しているため、圧電フィルムの伸縮に対して効率的に振動させることができる。したがって、本発明の触覚提示装置は、圧電フィルムを用いた場合であってもある程度強い振動を伝えることができる。
また、エキサイタフィルムは、両主面において複数の圧電フィルム(第1圧電フィルムおよび第2圧電フィルム)が互いに重ならないように装着されている。第1圧電フィルムが伸縮することによりエキサイタフィルムが変形する方向と、第2圧電フィルムが伸縮することによりエキサイタフィルムが変形する方向は、逆方向となる。したがって、エキサイタフィルムが伸縮するときに発生する音は、第1圧電フィルムが装着された箇所と第2圧電フィルムが装着された箇所とで、逆位相になり、これらの音が打ち消しあって低減することになる。
なお、1つのエキサイタフィルムの両主面に第1圧電フィルムおよび第2圧電フィルムを装着してもよいが、第1圧電フィルムが装着される第1エキサイタフィルムと、第2圧電フィルムが装着される第2エキサイタフィルムと、に分割されていてもよい。
一方、触覚提示装置は、以下のような態様とすることも可能である。すなわち、この発明の触覚提示装置は、両主面に電極が形成された圧電性樹脂からなる圧電フィルムと、前記圧電フィルムが装着された平板状のエキサイタフィルムと、曲げ応力が発生する状態で前記エキサイタフィルムに固定された平板状の振動板と、タッチ操作を検出するタッチ検出部と、前記タッチ検出部がタッチ操作を検出したときに、前記圧電フィルムに駆動信号を印加する駆動部と、前記振動板を支持する支持部材と、を備え、前記支持部材は、前記振動板の縁以外の少なくとも2箇所で前記振動板を支持することを特徴とする。
支持部材は、触覚提示装置を設置する接地面に接して振動板を支持する。振動板が振動したとき、支持部材は、接地面と平行な方向には動くが、法線方向にはほとんど動かない。したがって、振動板は、平面視して、支持部材の内側の箇所と外側(縁側)の箇所とでは、逆方向に移動することになる。よって、支持部材の内側の箇所と外側(縁側)の箇所とでは、逆位相の音が発生し、互いに打ち消しあって低減することになる。
なお、タッチ検出部は、振動板に対するタッチ操作を検出する態様であってもよいし、振動板に装着されるタッチパネルに対するタッチを検出する態様であってもよい。
また、振動板は、エキサイタフィルムの主面に対して直交する方向に湾曲された状態でエキサイタフィルムに固定されることにより曲げ応力を発生させる態様でもよいし、エキサイタフィルムに固定されていない状態では平板面が湾曲した形状であり、湾曲した平板面が平坦になるようにエキサイタフィルムに固定されることにより曲げ応力を発生させる態様であってもよい。
また、圧電性樹脂は、ポリフッ化ビニリデンを材料とすることもできるし、キラル高分子を材料とすることもできる。特に、キラル高分子がポリ乳酸である場合、他の構成とともに透光性を有する材質とすることで、正面視した略全面が高い透光性を有する触覚提示装置を実現することができる。
この発明によれば、圧電フィルムを用いた場合であってもある程度強い振動を伝えることができ、平板に貼り付けた場合であっても音の発生を抑えることができる。
触覚提示装置10の外観斜視図である。 触覚提示装置10の正面図および側面図である。 触覚提示装置10の部分拡大側面図である。 触覚提示装置10の構成を示すブロック図である。 触覚提示装置10の動作説明図である。 触覚提示装置10Aの外観斜視図である。 触覚提示装置10Aの構造説明図である。 触覚提示装置10Bの背面図および背面斜視図である。 触覚提示装置10Cの背面図および背面斜視図である。 触覚提示装置10Dの背面斜視図である。 触覚提示装置10Dの動作説明図である。 触覚提示装置10Eの背面斜視図である。 変形例に係る圧電フィルムの断面図である。
図1は、第1の実施形態に係る触覚提示装置10の外観斜視図である。図2(A)は、触覚提示装置10の正面図であり、図2(B)は、側面図である。
触覚提示装置10は、圧電フィルム20A、圧電フィルム20B、エキサイタフィルム30、振動板40、およびタッチパネル50を備えている。触覚提示装置10は、いわゆるキーボードであり、平板状のタッチパネル50には、キー配列に対応した位置に複数のタッチセンサ80が設けられている。タッチセンサ80が本発明のタッチ検出部に相当する。タッチセンサ80は、ユーザのタッチ操作を検出する機能であればどの様な方式であってもよく、メンブレン式、静電容量式、圧電フィルム式、等の様々な方式を用いることができる。
タッチパネル50は、平板状の振動板40の一方の主面(正面)に装着されている。振動板40は、平面視して矩形状である。振動板40は、他方の主面の(背面)において短手方向の両端がエキサイタフィルム30に固定されている。振動板40は、例えばアクリル樹脂PMMAで構成されている。なお、振動板40は、金属板、PET、ポリカーボネイト(PC)、PLLA、ガラス等の他の材料を用いてもよい。
なお、タッチパネル50は、必須ではない。例えば、振動板40の正面において、キー配列に対応した位置に複数のタッチセンサ80を設ける態様とすることも可能である。
エキサイタフィルム30は、振動板40と同様に平面視して矩形状である。エキサイタフィルム30は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)で構成されている。なお、エキサイタフィルム30は、ポリエチレンナノフタレート(PEN)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)等の他の材料を用いてもよい。また、圧電フィルム20と同じ材料であってもよい。エキサイタフィルム30の厚みは、伸縮性を阻害しないような厚み(例えば0.02〜0.5mm程度)が望ましい。
エキサイタフィルム30は、振動板40が装着された側の主面(正面)に圧電フィルム20Bが装着され、振動板40が装着された側と反対側の主面(背面)に圧電フィルム20Aが装着されている。圧電フィルム20Aおよび圧電フィルム20Bのいずれか一方が本発明の第1圧電フィルムに相当し、他方が第2圧電フィルムに相当する。圧電フィルム20Aおよび圧電フィルム20Bは、平面視して互いに重ならないように、エキサイタフィルム30の短手方向の中心位置を境にして分割されている。なお、圧電フィルム20Aおよび圧電フィルム20Bは、平面視して互いに重ならない箇所が存在すればよく、一部が重なっていてる態様であってもよい。
図3の触覚提示装置10の部分拡大側面図に示すように、圧電フィルム20Aは、平面視して矩形状のベースフィルム200と、該ベースフィルム200の対向する両主面に形成された電極201Aおよび電極201Bを備える。なお、圧電フィルム20Aおよび圧電フィルム20Bは、いずれも同一のものであるため、圧電フィルム20Bも同じ構造を有し、同じ機能を有する。
ベースフィルム200は、圧電性樹脂であり、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)、キラル高分子、等の材料を用いる。より好ましくは、透光性の高いポリ乳酸(PLA)を用いる。特にPLLAで構成されていることが望ましい。PLAを用いる場合、他の構成も透光性の高い材料を用いることにより、正面視した略全面が高い透光性を有する触覚提示装置10を実現することができる。
ベースフィルム200は、PLLAで構成される場合、図2(A)に示すように、延伸方向に対して各外周辺が略45°となるように裁断することで、矩形状を形成して、圧電性を持たせる。
電極201Aおよび電極201Bは、ベースフィルム200の両主面の略全面に形成されている。電極201Aおよび電極201Bは、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、ポリチオフェンを主成分とすることが好ましい。なお、電極201Aおよび電極201Bには、銀ナノワイヤ電極を用いることも可能であるし、透光性が低くてよい使用態様であれば、アルミ蒸着電極を用いることが好ましい。電極201Aおよび電極201Bには、図示しない引き出し用の配線導体が接続されており、駆動信号が当該配線導体を介して電極201Aおよび電極201Bへ印加されるようになっている。エキサイタフィルム30側に配置される電極201Aは、接着層60を介してエキサイタフィルム30に装着される。
図4に示すように、タッチパネル50に設けられたタッチセンサ80をユーザがタッチすると、駆動部81が圧電フィルム20Aおよび圧電フィルム20Bの電極201Aおよび電極201Bに駆動信号を印加する。これにより圧電フィルム20Aおよび圧電フィルム20Bが伸縮する。
図1および図2(B)に示すように、振動板40は、エキサイタフィルム30の存在する側(振動板40の背面側)に対して反対側(振動板40の正面側)に湾曲して突出する形状となるように、エキサイタフィルム30へ固定されている。この構成により、振動板40とエキサイタフィルム30との間には、中空領域100が形成される。そして、この振動板40のある側が触覚提示装置10の正面側となり、エキサイタフィルム30がある側が触覚提示装置10の背面側となる。
ただし、本実施形態において、振動板40の湾曲状態は、説明のために誇張して記載しており、実際には、振動板40の主面とエキサイタフィルム30の主面は、より平行に近く、中空領域100は、できるだけ少ないほうが望ましい。
このように、振動板40は、平板面が湾曲した状態でエキサイタフィルム30に固定されるため、図2(B)の白抜き矢印F901のように、曲げ応力が加わった状態でエキサイタフィルム30に固定される。また、エキサイタフィルム30には、図2(B)の白抜き矢印S901に示すように、エキサイタフィルム30の主面における短手方向に引張力が係った状態となる。
図5は、触覚提示装置10の動作説明図であり、図5(A)は、駆動信号により圧電フィルム20Aおよび圧電フィルム20Bが縮んだタイミングでの状態を示す。図5(B)は、駆動信号が印加されていない、または駆動信号の振幅が0の状態を示す。図5(C)は、駆動信号により圧電フィルム20Aおよび圧電フィルム20Bが伸びたタイミングでの状態を示す。
駆動部81が、圧電フィルム20Aおよび圧電フィルム20Bに駆動信号を印加し、圧電フィルム20Aおよび圧電フィルム20Bの第一方向の電界を印加すると、図5(A)に示すように、圧電フィルム20Aおよび圧電フィルム20Bは、振動板40およびエキサイタフィルム30の固定端に直交する方向に沿って収縮する。
圧電フィルム20Aは、エキサイタフィルム30の背面に装着されているため、この箇所においては、矢印S911に示す圧電フィルム20Aの収縮にともなってエキサイタフィルム30の背面側が収縮する。このとき、エキサイタフィルム30は、主面に直交する方向のうち正面側にわずかに湾曲することになる。
一方、圧電フィルム20Bは、エキサイタフィルム30の正面に装着されているため、この箇所においては、矢印S915に示す圧電フィルム20Bの収縮にともなってエキサイタフィルム30の正面側が収縮する。このとき、エキサイタフィルム30は、主面に直交する方向のうち背面側にわずかに湾曲することになる。
エキサイタフィルム30の全体としては、収縮することになるため、振動板40は、エキサイタフィルム30との固定箇所(短手方向の端部)から中央方向に引っ張られる。これにより、振動板40は、図5(A)の矢印F911に示すように、前方へより突出するように湾曲する。
一方、駆動部81が、圧電フィルム20に駆動信号を印加し、上記第一方向とは逆の第二方向の電界を印加すると、図5(C)に示すように、圧電フィルム20Aは、振動板40およびエキサイタフィルム30の固定端に直交する方向に沿って伸張する。圧電フィルム20Aは、エキサイタフィルム30の背面に装着されているため、この箇所においては矢印S912に示す圧電フィルム20Aの伸張にともなってエキサイタフィルム30の背面側が伸張する。このとき、エキサイタフィルム30は主面に直交する方向のうち背面側にわずかに湾曲することになる。
また、圧電フィルム20Bは、エキサイタフィルム30の正面に装着されているため、この箇所においては、矢印S917に示す圧電フィルム20Bの伸張にともなってエキサイタフィルム30の正面側が伸張する。このとき、エキサイタフィルム30は、主面に直交する方向のうち正面側にわずかに湾曲することになる。
そして、振動板40は、中央方向からエキサイタフィルム30に固定されている箇所(短手方向の端部)に引っ張られる。これにより、振動板40は、図5(C)の矢印F912に示すように、前方への突出量が低下した湾曲状態となる。
したがって、振動板40は、駆動信号の振幅に応じて、図5(B)の状態を基準に、図5(A)の状態や図5(C)の状態に遷移して、正面方向および背面方向(振動板40主面に直交する方向)に沿って振動する。これにより、駆動信号に応じた振動が振動板40を介してタッチパネル50に伝達され、タッチパネル50をタッチしたユーザに伝達される。したがって、ユーザは、タッチパネル50のタッチセンサ80をタッチすると、振動がフィードバックされるため、キーを「押した」と感じることができる。
そして、振動板40には、非動作状態で定常的な曲げ応力が与えられているため、圧電フィルム20A、圧電フィルム20B、およびエキサイタフィルム30の伸張時に振動板40に与えられる力は、当該曲げ応力と同じ方向となる。したがって、触覚提示装置10は、振動板40を効率的に振動させることができ、圧電フィルムを用いた場合であってもある程度強い振動を伝えることができる。また、モータ等による振動に比べると、触覚提示装置10を薄くすることができる。
さらに、エキサイタフィルム30は、圧電フィルム20Aが装着されている箇所と圧電フィルム20Bが装着されている箇所とで、湾曲する方向が逆方向となっている。したがって、エキサイタフィルム30が伸縮するときに発生する音は、圧電フィルム20Aが装着された箇所と圧電フィルム20Bが装着された箇所とで、逆位相になり、これらの音が打ち消しあって低減することになる。
なお、中空領域100には、シリコーンゲル等の柔らかい樹脂を充填し、エキサイタフィルム30および振動板40が振動することにより生じる音をより抑制するしてもよい。
次に、第2の実施形態に係る触覚提示装置について説明する。図6は、第2の実施形態に係る触覚提示装置10Aの外観斜視図である。図7(A)は、振動板40Aを固定する前の状態を示し、図7(B)は、振動板40Aを固定した後の状態を示す構造説明図である。
第2の実施形態に係る触覚提示装置10Aは、第1の実施形態に示した触覚提示装置10に対して、振動板40Aの主面とエキサイタフィルム30の主面とが平行になるように、振動板40Aの端部がフレーム70を介してエキサイタフィルム30に固定される点で異なる。また、この例では、圧電フィルム20Aは、エキサイタフィルム30の背面側に装着され、圧電フィルム20Bは、エキサイタフィルム30の正面側に装着されている。他の構成は、触覚提示装置10と同じである。
振動板40Aは、第1の実施形態に示した振動板40と同じ材質であるが、図7(A)に示すように、エキサイタフィルム30に固定されていない状態では、平板面が湾曲した形状である。このような形状は、例えば、平坦な主面を有する振動板を熱処理等により屈曲させることで実現できる。
振動板40Aは、図7(A)の白抜き矢印St902に示すように、両端に曲げ力を加えながら、図7(B)に示すように、湾曲した平板面が平坦となるようにフレーム70を介してエキサイタフィルム30に固定する。振動板40Aは、このような状態でエキサイタフィルム30に固定されることにより、第1の実施形態と同様に曲げ応力が発生した状態となる。また、図7(B)の太矢印S902に示すように、エキサイタフィルム30は、主面に平行で振動板40を固定する両端辺に対して直交する方向の中心から固定端方向に向かって引っ張られる。
このような構成であっても、上述の第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。さらに、本実施形態の構成を用いれば、振動板40Aの主面を平坦に固定することができる。したがって、振動板40Aに装着するタッチパネル50Aも平坦にすることができる。
次に、第3の実施形態に係る触覚提示装置について、図を参照して説明する。図8(A)は、第3の実施形態に係る触覚提示装置10Bを背面側から見た図である。図8(B)は、触覚提示装置10Bの背面斜視図である。触覚提示装置10Bは、第1の実施形態に係る触覚提示装置10に対して、圧電フィルム20Aおよび圧電フィルム20Bが平面視して互いに重ならないように、エキサイタフィルム30の長手方向の中心位置を境にして分割されている。その他の構成は、触覚提示装置10と同様である。
この場合も、エキサイタフィルム30は、圧電フィルム20Aが装着されている箇所と圧電フィルム20Bが装着されている箇所とで、湾曲する方向が逆方向となる。したがって、エキサイタフィルム30が伸縮するときに発生する音は、圧電フィルム20Aが装着された箇所と圧電フィルム20Bが装着された箇所とで、逆位相になり、これらの音が打ち消しあって低減することになる。
次に、図9(A)は、第4の実施形態に係る触覚提示装置10Cを背面側から見た図である。図9(B)は、背面斜視図である。触覚提示装置10Cは、振動板40の長手方向の両端に沿って、エキサイタフィルム30が複数(この例では4つ)のエキサイタフィルム30AR、エキサイタフィルム30BR、エキサイタフィルム30AL、およびエキサイタフィルム30BLに分割され、それぞれ圧電フィルム20AR、圧電フィルム20BR、圧電フィルム20AL、および圧電フィルム20BLが装着されている。圧電フィルム20ARは、エキサイタフィルム30ARの背面側に装着され、圧電フィルム20ALは、エキサイタフィルム30ALの背面側に装着され、圧電フィルム20BRは、エキサイタフィルム30BRの正面側に装着され、圧電フィルム20BLは、エキサイタフィルム30BLの正面側に装着されている。その他の構成は、触覚提示装置10と同様である。
この場合、エキサイタフィルム30ARおよびエキサイタフィルム30ALと、エキサイタフィルム30BRおよびエキサイタフィルム30BLとで、湾曲する方向が逆方向となる。したがって、エキサイタフィルム30ARおよびエキサイタフィルム30ALが伸縮するときに発生する音と、エキサイタフィルム30BRおよびエキサイタフィルム30BLが伸縮するときに発生する音は、逆位相になり、これらの音が打ち消しあって低減することになる。
次に、図10は、第5の実施形態に係る触覚提示装置10Dの背面斜視図である。図11は、触覚提示装置10Dの動作説明図である。触覚提示装置10Dは、触覚提示装置10Cの構成に加えて、支持部材51Aおよび支持部材51Bを備えている。その他の構成は、触覚提示装置10Cと同様である。
支持部材51Aおよび支持部材51Bは、振動板40の縁以外の少なくとも2箇所で当該振動板40を支持して、接地面に接する。この例では、支持部材51Aおよび支持部材51Bは、円柱形状であり、側面が接地面に接する例を示しているが、このような構造に限るものではない。また、この例では、支持部材51Aおよび支持部材51Bは、それぞれ3つずつ設ける態様を示しているが、この例に限らず、振動板40の縁以外の少なくとも2箇所で当該振動板40を支持することができれば、どのような数であってもよい。
この例においても、振動板40は、駆動信号の振幅に応じて、図11(A)の状態を基準に、図11(B)の状態や図11(C)の状態に遷移して、正面方向および背面方向(振動板40主面に直交する方向)に沿って振動する。ここで、図11(B)に示すように、圧電フィルム20ARが収縮してエキサイタフィルム30AR(他のエキサイタフィルムも同様である。)が収縮したとき、支持部材51Aおよび支持部材51Bは、接地面と平行な方向に移動して両者が近づくことになる。しかし、支持部材51Aおよび支持部材51Bは、接地面の法線方向にはほとんど移動しない。したがって、振動板40は、支持部材51Aおよび支持部材51Bの内側の箇所では正面側に移動し、外側(縁側)の箇所では、背面側に移動することになる。
同様に、図11(C)に示すように、エキサイタフィルム30AR(他のエキサイタフィルムも同様である。)が伸張したとき、支持部材51Aおよび支持部材51Bは、接地面と平行な方向に移動して両者が遠ざかることになり、接地面の法線方向にはほとんど移動しない。したがって、振動板40は、支持部材51Aおよび支持部材51Bの内側の箇所では背面側に移動し、外側(縁側)の箇所では、正面側に移動することになる。
このように、振動板40は、平面視して支持部材の内側の箇所と外側(縁側)の箇所とでは、逆方向に移動するため、振動板40から発生する音は逆位相となる。したがって、振動板40から発生する音は、平面視して支持部材の内側の箇所と外側(縁側)の箇所とで互いに打ち消しあって低減することになる。
なお、支持部材は、振動板を平面視して内側の箇所と外側(縁側)の箇所との面積が同一となる位置に設置することが好ましいが、少なくとも振動板の縁以外の2箇所を支持することで、振動板から発生する音を低減することができればどの位置に設置してもよい。
なお、図10においては、正面側に圧電フィルムが装着されたエキサイタフィルムと、背面側に圧電フィルムが装着されたエキサイタフィルムと、を設け、振動板およびエキサイタフィルムの振動で発生する音を両方とも低減する例を示したが、図12に示すように、いずれか一方(この例では正面側)に全ての圧電フィルムを装着して振動板で発生する音だけを低減するようにしてもよいし、1つの圧電フィルムが装着されたエキサイタフィルムを1つ設け、振動板で発生する音だけを低減する態様であってもよい。
次に、図13(A)は、圧電フィルムの変形例に係る圧電フィルム20Dの側面図である。図3に示した圧電フィルム20Aは、1つのベースフィルム200を電極201Aおよび電極201Bで挟む構造であったが、図13(A)に示す圧電フィルム20Dは、ベースフィルム200、電極201Aおよび電極201Bが複数積層されてなる。この例では、各ベースフィルム200を挟んで、交互に電極201Aと電極201Bとが配置されている。このように複数のベースフィルム200、電極201Aおよび電極201Bを積層することで、より伸縮性が向上することになり、強い振動を発生させることができる。
一方、図13(B)は、変形例2に係る圧電フィルム20Eの側面図である。図13(B)に示す圧電フィルム20Eは、1つのベースフィルム200を電極201Aおよび電極201Bで挟み、かつこれらベースフィルム200、電極201Aおよび電極201Bを折り曲げて重ねることにより、積層構造を実現するものである。この場合も、より伸縮性が向上することになり、強い振動を発生させることができる。ただし、この場合、電極を折り曲げる箇所においては、導電性ペースト等を塗布して、電気的接続を補強することが好ましい。
10…触覚提示装置
20A,20B…圧電フィルム
30…エキサイタフィルム
40…振動板
50…タッチパネル
80…タッチセンサ
81…駆動部

Claims (10)

  1. 両主面に電極が形成された圧電性樹脂からなる圧電フィルムと、
    前記圧電フィルムが装着された平板状のエキサイタフィルムと、
    曲げ応力が発生する状態で前記エキサイタフィルムに固定された平板状の振動板と、
    タッチ操作を検出するタッチ検出部と、
    前記タッチ検出部がタッチ操作を検出したときに、前記圧電フィルムに駆動信号を印加する駆動部と、を備え、
    前記圧電フィルムは、前記エキサイタフィルムの一方の主面に装着される第1圧電フィルムと、前記エキサイタフィルムの他方の主面に装着される第2圧電フィルムと、を有し、
    前記第1圧電フィルムおよび前記第2圧電フィルムは、前記エキサイタフィルムを平面視して、互いに重ならない箇所が存在するように装着されていることを特徴とする触覚提示装置。
  2. 前記エキサイタフィルムは、前記第1圧電フィルムが装着された第1エキサイタフィルムと、前記第2圧電フィルムが装着された第2エキサイタフィルムと、に分割されてなることを特徴とする請求項1に記載の触覚提示装置。
  3. 両主面に電極が形成された圧電性樹脂からなる圧電フィルムと、
    前記圧電フィルムが装着された平板状のエキサイタフィルムと、
    曲げ応力が発生する状態で前記エキサイタフィルムに固定された平板状の振動板と、
    タッチ操作を検出するタッチ検出部と、
    前記タッチ検出部がタッチ操作を検出したときに、前記圧電フィルムに駆動信号を印加する駆動部と、
    前記振動板を支持する支持部材と、を備え、
    前記支持部材は、前記振動板の縁以外の少なくとも2箇所で前記振動板を支持することを特徴とする触覚提示装置。
  4. 前記タッチ検出部は、前記振動板に装着されるタッチパネルにより実現される請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の触覚提示装置。
  5. 前記振動板は、前記エキサイタフィルムの主面に対して直交する方向に湾曲された状態で前記エキサイタフィルムに固定されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の触覚提示装置。
  6. 前記振動板は、前記エキサイタフィルムに固定されていない状態では平板面が湾曲した形状であり、前記湾曲した平板面が平坦になるように前記エキサイタフィルムに固定されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の触覚提示装置。
  7. 前記圧電フィルムは、前記電極および前記圧電性樹脂が複数積層されてなることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の触覚提示装置。
  8. 前記圧電性樹脂は、ポリフッ化ビニリデンを材料とすることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の触覚提示装置。
  9. 前記圧電性樹脂は、キラル高分子を材料とすることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の触覚提示装置。
  10. 前記キラル高分子は、ポリ乳酸からなることを特徴とする請求項9に記載の触覚提示装置。
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