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JP2015068330A - 摺動部材 - Google Patents

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JP2015068330A
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So Sato
創 佐藤
後藤 利行
Toshiyuki Goto
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Abstract

【課題】摩擦損失を低減するために必要なディンプルの要素を特定することで、摩擦損失が低減される摺動部材を提供する。【解決手段】相互に摺動するよう配置された第1部材10と第2部材20とを備える摺動部材1において、第1部材10の第1摺動面11に無数のディンプル13が略均一に設けられている。このディンプル13の開口部の総面積の割合であるディンプル面積率が5〜50%、ディンプル13の直径(開口径)Dに対する深さHの比率であるアスペクト比が0.5〜4.5%であることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、摺動面にマイクロディンプルと称される複数の微細な窪みが形成された摺動部材に関する。
摺動面に微細な窪み(以下、ディンプル)を形成することで機器の摩擦損失を低減させることが検討されている。ディンプルを設ける技術は、対向する摺動面の間に必要な潤滑油を保持させることを主たる目的としている。
例えば、特許文献1は、一対の摺動部材の少なくとも一方の摺動面の全域又は一定の領域にディンプルを略均一に設け、かつ、ディンプルの開口部の総面積の割合であるディンプル面積率を5〜50%の範囲とすることを提案している。この提案によると、摺動面に荷重が作用したときに、その面圧を受けてディンプルに保持された潤滑油がディンプル以外の平坦部に滲み出ることにより、摺動面への油膜の生成が促進される、とされている。また、ディンプルの深さを0.5〜3.0μmの範囲とすることにより、潤滑油の摺動面への滲み出しの度合いを良好に維持し、油膜の生成を促すことができる、ことを述べている。
また、特許文献2は、摺動面を第1領域と第2領域に区画し、各々のディンプルの深さ及び開口率(面積率)を以下のように設定することを提案している。特許文献2の提案は、摺動条件により潤滑の条件が厳しい領域とそうでない領域に分けて、各々の領域に応じたディンプルの仕様を設定することを主旨としている。
第1領域: 深さ;1〜3μm 面積率;10〜25%
第2領域: 深さ;3〜12μm 面積率;20〜50%
特開2011−21597号公報 国際公開2013−5394
特許文献1、特許文献2を含めて、ディンプルについて種々の提案がなされているが、摺動の条件や潤滑の状態に依存することもあり、ディンプルの仕様と摩擦損失の関係について未だ解明されていないことが多い。
そこで本発明は、摩擦損失を低減するために必要なディンプルの仕様を特定することで、摩擦損失が低減される摺動部材を提供することを目的とする。
かかる目的のもと、本発明者らがディンプルの仕様について検討したところ、ディンプル開口面積率に加えてディンプルの深さと開口径の比によって規定されるアスペクト比が、摩擦係数に大きく関与することを知見した。
すなわち本発明は、摺動面の所定の領域に複数のディンプルが略均一に設けられる摺動部材であって、所定の領域の面積Aに対する複数のディンプルの各々の開口面積の総和Aの比率であるディンプル面積率が5〜50%であり、かつ、ディンプルの開口径Dに対するディンプルの深さHの比率であるアスペクト比が1〜4.5%であることを特徴とする。
本発明の摺動部材において、ディンプルの深さは15μm以下であることが好ましい。
ディンプルの形成方法によっては、ディンプルを深くすると、ディンプルの周囲にバリ、バルジによるかえりであるかえりが生じやすくなり、このかえりが摩擦抵抗を増大するように働く。このかえりは研磨すれば取り除くことが出来るが、研磨をすることなく摺動部材を使用することが要求される場合もある。そこで、本発明は、好ましくは、ディンプルの深さを15μm以下に制限する。本発明者等の検討によれば、ディンプルの深さが15μm以下であっても、必要な潤滑油を保持し、かつ摺動面への潤滑油の供給能も確保できる。
本発明の摺動部材において、一対をなす摺動部材の一方が静止し、他方が運動する場合があるが、この場合は、運動する方の摺動部材にディンプルを形成することが好ましい。
ディンプルに含まれる潤滑油の入れ替えにとって有利だからである。
本発明の摺動部材において、一方の摺動面にのみ耐摩耗性コーティングが施される場合があるが、この場合には、耐摩耗性コーティングは、ディンプルが形成されない方の摺動面にのみ施されることが好ましい。
ディンプルを設けていない摺動部材にコーティングを施すと、相手側の摺動部材のディンプル周囲のかえりを摩擦により比較的に早期に解消できるので、摺動面どうしのなじみがよくなる。
本発明によれば、ディンプル面積率を5〜50%、かつ、アスペクト比を1〜4.5%の範囲に設定することで、摩擦係数を低く抑えることのできる摺動部材を提供する。
本実施形態における摺動部材の構成を示す図である。 本実施形態におけるディンプルの種々の例を示す図である。 本実施形態において、運動する方の摺動部材にディンプルを設ける例を示す図である。 本実施形態において、コーティングを施す効果を説明するための図である。 実施例で用いた回転試験片の仕様を示すテーブルである。 実施例で得られた評価結果であって、横軸にディンプル面積率を、縦軸にアスペクト比をとった座標上に、摩擦係数をバブルの大きさで示したグラフである。 実施例で得られた評価結果であって、(a)はディンプルのディンプル面積率と摩擦係数の関係を示すグラフであり、(b)はアスペクト比と摩擦係数の関係を示すグラフである。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
本実施形態に係る摺動部材1は、第1部材10と第2部材20を備えている。
摺動部材1は、各種の機械要素に存在する摺動部分に適用される。したがって、ここでは単純な形状の摺動部材1を示しているが、実際に使用される機械要素に対応した形状の摺動部材とされる。
第1部材10及び第2部材20は、それぞれ、第1摺動面11と第2摺動面21を備えている。第1部材10と第2部材20は、第1摺動面11と第2摺動面21が接した状態で、相対的に移動する。第1摺動面11と第2摺動面21の間には、潤滑油が介在する。ここでいう相対的に移動する、とは、第2部材20が静止したままで第1部材10は運動する、第2部材20が静止したままで第1部材10が運動する、及び、第1部材10と第2部材の両方が運動する、の3つの形態を含んでいる。また、ここでいう運動は、直線的な運動に限らず、例えば、曲線的な運動、回転運動を含む。
本実施形態による摺動部材1は、第1部材10の第1摺動面11の全領域に複数のディンプル13を形成している。本実施形態は、複数のディンプル13が後述する範囲で同じ形状、寸法を有している。複数のディンプル13に限らず、摺動面にテクスチャリングを施して、摺動面に存在する潤滑油の機能を引き出すことが検討されている。本実施形態はその中で、ディンプル13のディンプル面積率及びアスペクト比を特定の範囲に設定することにより、第1摺動面11と第2摺動面21の間の摩擦係数を低く抑える。
はじめに、ディンプル面積率について図1を参照して説明する。
本実施形態の摺動部材1は、ディンプル面積率R1を5〜50%とする。後述する実施例が示すように、この範囲において摩擦係数を低く抑えることができるからである。ディンプル面積率R1が5〜50%の範囲において摩擦係数が小さい理由は明らかではないが、5%未満ではディンプル13の量が不足して、ディンプル13を形成することによる効果が不十分である。一方、ディンプル面積率R1が50%を超えるとディンプル13を除く摺動面11の面積が少なくなり、その分だけ摺動面21との接触圧力が大きくなり、摩擦力が増大したためと解される。ディンプル面積率R1は、好ましくは10〜45%とし、より好ましくは15〜40%とする。ディンプル面積率Aは、ディンプル13を形成する際に調整することができる。この調整方法については、後述するディンプル13の形成方法についての説明で、アスペクト比R2の調整とともに言及する。
ディンプル面積率R1は、第1摺動面11の表面積Aに対するディンプル13の開口面積の総和Aの比率として、以下の式(1)で定義される。表面積Aは、第1摺動面11の全領域の表面積であり、開口面積Aは、個々のディンプル13の第1摺動面11に連なる開口部分の面積を全てのディンプル13の数だけ足し合わせた面積である。本実施形態は、全てのディンプル13が同じ寸法、形状を有しているので、1つのディンプル13の開口面積をadと、ディンプル13の数をnとすると、Aはad×nで表される。
R1=Ad/Ao×100 … (1)
次に、アスペクト比R2について、図1を参照して説明する。
摺動部材1は、アスペクト比R2を1.0〜4.5%とする。ディンプル面積率R1と同様に、この範囲において摩擦係数を低く抑えることができるからである。アスペクト比R2は、好ましくは1.0〜3.0%とし、より好ましくは1.0〜2.5%とする。
アスペクト比R2は、ディンプル13の直径(開口径)Dに対するディンプル13の深さHの比率として、以下の式(2)で定義される。本実施形態は、全てのディンプル13が同じ形状、寸法を有することを前提としているが、現実の形成工程で得られるディンプル13は形状、寸法に微差はあり得るので、アスペクト比R2が1.0〜4.5%の範囲に含まれるか否かは、複数のディンプル13についてアスペクト比R2を求めて判定する必要がある場合もある。
R2=H/D×100 … (2)
次に、ディンプル13の種々の形態について、図1及び図2を参照して説明する。
ディンプル13は、第1摺動面11に均一に分散して形成される。ここでいう均一は、工業的な生産規模でディンプル13を形成したときに生ずる誤差を含むことを許容するものであり、略均一と称される範疇を含んでいる。
ディンプル13は、図1の例では第1摺動面11の全域に亘って形成されているが、図2(a)に示すように、摺動面11の特定の部位(破線で囲んでいる)のみに設けることができる。例えば、特定の部位だけが摩擦による負荷条件が厳しい場合に、この特定の部位の潤滑性能を向上するために、特定の部位にのみディンプル13を設ける。特定の部位のみにディンプル13を設ける場合には、この特定の部位における面積をAとして上記の式(1)に従って特定される。
ディンプル13は、図1の例では格子状に配列されているが、図2(b)に示すように、千鳥格子状に配することもできる。
また、ディンプル13は、図1の例では同じ寸法のものを形成しているが、図2(c)に示すように、ディンプル面積率R1及びアスペクト比R2が本発明の範囲内において異なる寸法のディンプル13を合せて形成することもできる。
さらに、ディンプル13は、図1の例では理解を容易にするために半球状として描いているが、アスペクト比R2によって、ディンプル13の断面形状は変わる。また、ディンプル13の開口形状は、図1の例では円形としているが、楕円、多角形など、他の形態であってもよい。
摺動部材1は、前述したように、第1部材10と第2部材20の一方が運動し、他方が静止する場合がある。しかも、運動する側の部材と静止している側の部材との間の摺動面が部分的に一致するが、一方の部材には他方の部材と摺動しない場合がある。この場合には、ディンプル13は運動する部材10に形成することが好ましい。図3を参照してその理由を説明する。
図3(a)に示すように、静止する側を第1部材10とし、運動(黒塗り矢印)する側を第2部材20とし、ディンプル13を第2部材20に設けるものとする。第2部材20には、第1部材10と摺動しない領域が図中の両端に存在する。ディンプル13を設けた第2部材20において、第1部材10との摺動面以外から潤滑油Oが供給されるので、摺動面の冷却が期待される。また、それまでディンプル13に保持されていた潤滑油Oが、当該ディンプル13が第1部材10との間の摺動面から外れることで、外部に排出される。これによっても、摺動面の冷却が期待される。また、この潤滑油Oの排出に伴って、摺動面で発生した摩耗粉を摺動面外へ排出させることができる。
以上に対して、図3(b)に示すように、静止する第1部材10にディンプル13を形成すると、潤滑油Oがディンプル13の内部に滞留する傾向があるので、潤滑油Oの温度が上昇しやすい。
次に、摺動部材1は、第1部材10の第1摺動面11と第2部材20の第2摺動面21の一方又は双方に耐摩耗性のコーティングを施すことができる。摺動部材1は、潤滑油が第1摺動面11と第2摺動面21の間に介在しており、摺動部材1における潤滑状態は、流体潤滑領域、混合潤滑領域及境界潤滑領域の3つに区分される。流体潤滑領域は、第1摺動面11と第2摺動面21が潤滑油膜で隔てられているが、混合潤滑領域と境界潤滑領域、特に境界潤滑領域においては第1摺動面11と第2摺動面21同士が直接接触する。耐摩耗性のコーティングは主に境界潤滑領域に対応するために、第1部材10、第2部材20を構成する材料よりも高硬度の材料で構成される。
コーティングは第1部材10と第2部材20の少なくとも一方に設けることができる。ただし、ディンプル13が形成される摺動部材1においては、ディンプル13が形成される第1部材10よりも第2部材20に耐摩耗性のコーティングを形成することが好ましい。以下、図4を参照してこの理由を説明する。
図4(a)は、ディンプル13が形成されていない第2部材20に耐摩耗性のコーティング25を形成した例(ケースA)を示している。ディンプル13は、第1部材10に形成されており、ディンプル13の周囲には、かえり17が生じているものとする。
一方、図4(b)は、ディンプル13が形成されている第1部材10に耐摩耗性のコーティング15を形成した例(ケースB)を示している。コーティング15は、かえり17の表面にも形成されており、局部的に突出している。
ケースAにおいては、境界潤滑領域にして第1部材10と第2部材20が直接接触すると、かえり17よりもコーティング25が高硬度であるために、コーティング25が損傷し難い。逆に、かえり17はコーティング25により研磨されることになるので、かえり17は除去される。
これに対してケースBにおいては、コーティング15の突出する部分が、硬度の低い第2部材20に突き当たるので、第2摺動面21を損傷させる。かえり17をラッピングするなどして除去してからコーティング15を施せばこの問題は生じないが、ケースAに比べて工程が増える。また、かえり17を除去したとしても、ディンプル13の周縁部分はコーティング25に局部的な力が加わるなどして、コーティング25が剥離しやすい。
以上の理由により、コーティングを施す場合には、ディンプル13が形成されていない側の摺動部材に施すことが好ましい。
耐摩耗性のコーティングは、摺動部材1の摺動条件、摺動部材1を構成する材料などに応じて設けられる。コーティングの材料としては、金属窒化物、金属炭化物及び金属炭窒化物、例えばTiN,TiC、CrN、CrC、また、DLC(diamond‐like carbon)などを用いることができる。
ここで、かえり17は、ディンプル13を形成した分の肉がディンプル13の開口部分の周囲に流動することで生じる。したがって、ディンプル13の深さhが深くなるほど、かえり17の突出量が顕著になる。したがって、本実施形態では、かえり17が生じるのを抑えるために、ディンプル13の深さの上限を15μm以下にすることを推奨する。ディンプル13の深さhの上限は、より好ましくは12μm、さらに好ましくは10μmとする。一方、ディンプル13は、潤滑油を保持する観点から、下限を1μm、さらには3μmとすることが好ましい。
次に、ディンプル13の形成方法について説明する。
本発明は、必要な形状、数、配列に形成できる限り、ディンプル13の形成方法を問わない。例えば、ショットブラスト(又はショットピーニング)による形成方法を適用することができる。
ショットブラストによる形成方法は、略球状の投射粒子を摺動部材1の第1摺動面11に投射する。無数のディンプル13を均一に形成するために、第1摺動面11にマスキングを施す。このマスキングは、ディンプル13を形成したいところだけを投射粒子が通過して、第1摺動面11に到達するように設けられる。このディンプル13を形成する方法は、マイクロブラストと称される。
マイクロブラストによる形成方法の他にも、突起を有する硬質な金型を押し付けて転写させる方法、レーザビームによるディンプル13の形成、エッチングによるディンプル13の形成、細径のドリルを用いた機械加工によるディンプル13の形成などを適用することができる。
本実施形態の摺動部材1は、種々の機械、装置類の摺動部材に適用可能であり、その材質、運転条件、潤滑油の条件などに応じて、本実施形態の範囲において、ディンプル13を形成すればよい。
具体的な用途として、冷凍サイクルにおいて冷媒を圧縮する圧縮機が掲げられる。この圧縮機としては、ロータリー式圧縮機、スクロール式圧縮機などがあるが、いずれも軸受部分を含め複数の摺動部分を備えているので、本発明を適宜適用すればよい。
[実施例]
以下、本発明の根拠となる実験の結果を実施例として説明する。
本実験は、リングオンディスク式の摩擦試験装置を用いた。この試験装置は、試験片の格納部が大気と区画された耐圧容器になっており、冷媒雰囲気中での摩擦試験ができるようになっている。耐圧容器内にはディスク状の固定試験片とリング状の回転試験片が配置されており、回転試験片は外部に設けられた駆動モータによって回転運動を行う。固定試験片は油圧シリンダにより軸方向に進退が可能であり、回転試験片に押し付けることができる。固定試験片と回転試験片の間の摺動面に発生する摩擦力は、油圧シリンダと固定試験片の間に設けられるトーションバーに設置される歪ゲージによって計測される。
固定試験片は鋳鉄により作製し、回転試験片も鋳鉄により作製した。また、回転試験片には、図6に示す仕様のディンプルをそれぞれ形成した。ディンプルを除く摺動面は、表面粗さがRaで0.3μm程度である。
耐圧容器内は冷媒R410Aの環境下とし、潤滑油にはポリオールエステル系冷凍機油を用いた。また、回転試験片の回転数は1700rpmの一定とし、油圧シリンダの圧力を一定間隔で増加させることで、負荷荷重を変化させた。各々の荷重で10分間保持し、最後の1分間の平均値で摩擦係数を評価した。
評価結果を図6及び図7に示す。
図6に示すように、ディンプル面積率及びアスペクト比ともに、大きすぎても小さすぎても摩擦係数の値は大きくなっており、それぞれに最適範囲が存在することが判る。
この最適範囲を図7に基づいて特定すると、仮に摩擦係数を0.02以下にするとすれば、ディンプル面積率は5〜50%の範囲にすればよく、また、アスペクト比は1.0〜4.5%の範囲にすればよい。
ディンプル面積率に関して、さらに摩擦係数を低くするには10〜45%の範囲にし、より摩擦係数を低くするには15〜40%の範囲にすればよい。後者の場合には、摩擦係数を0.01以下にすることができる。
アスペクト比に関して、さらに摩擦係数を低くするには1.0〜3.0%の範囲にし、より摩擦係数を低くするには1.0〜2.5%の範囲にすればよい。後者の場合には、摩擦係数を0.01以下にすることができる。
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
例えば、摺動部材1は、一方の部材にディンプルを形成する例を示したが、一対の部材の両方にディンプルを形成することもできる。
また、実施例における摺動の環境は冷凍サイクルに用いられる圧縮機を想定した例にすぎず、冷媒の存在しない環境下で使用される摺動部材に本発明を適用することができるし、また、使用する潤滑油もポリオールエステル系冷凍機油に限らず、他の系等の潤滑油を使用できる。
1 摺動部材
10 第1部材
11 第1摺動面
13 ディンプル
15,25 コーティング
20 第2部材
21 第2摺動面
O 潤滑油

Claims (4)

  1. 相互に摺動するよう配置された一対の摺動部材の少なくとも一方の前記摺動部材の摺動面の所定領域に、ディンプルが略均一に形成され、
    前記所定領域の面積Aに占める前記ディンプルの開口部の総面積Aの比率(A/A)であるディンプル面積率が5〜50%、
    前記ディンプルの開口径Dに対する深さHの比率であるアスペクト比(H/D)が0.5〜4.5%である、
    ことを特徴とする摺動部材。
  2. 前記ディンプルの深さhが15μm以下である、請求項1に記載の摺動部材。
  3. 一対の前記一方が静止し、他方が運動する前記摺動部材であって、
    運動する方の前記摺動部材に前記ディンプルが形成される、
    請求項1又は請求項2に記載の摺動部材。
  4. 前記摺動面に耐摩耗性コーティングが施される前記摺動部材において、
    前記耐摩耗性コーティングは、前記ディンプルが形成されない方の前記摺動面にのみ施される、
    請求項3に記載の摺動部材。
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