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JP2015066801A - 非吸着性シーラントフィルム及びそれよりなる包装材用積層体 - Google Patents

非吸着性シーラントフィルム及びそれよりなる包装材用積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】 優れた非吸着性及びシール強度を示し、さらに、成膜が容易であるシーラントフィルムを提供する。
【解決手段】少なくとも、ベース樹脂層と、シール層とからなる非吸着性シーラントフィルムであって、該シール層は、ガラス転移点が70〜90℃である非晶性の共重合ポリエステルからなり、該ベース樹脂層上に押出コーティングにより積層される層であることを特徴とする、上記非吸着性シーラントフィルム。
【選択図】 図1

Description

本発明は、化成品、医薬品、食品等の内容物に含有される有効成分の吸着量が低減された非吸着性のシーラントフィルム及びそれよりなる包装材用積層体に関し、より詳細には、内容物中の有効成分の含有量を高く維持することができ、且つ、高いシール強度を示し、さらに、成膜が容易であるシーラントフィルム及びそれよりなる包装材用積層体に関する。
従来、包装袋や蓋材等の包装材の最内層には、高いシール強度を示すポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂や、アイオノマー、EMMA等のコポリマー樹脂からなるシーラント層が設けられている。これらの樹脂は、ヒートシールにより高い密着強度を達成することができるが、種々の有機化合物を吸着し易いことが知られている。したがって、これらの樹脂からなるシーラント層を最内層、すなわち内容物と接する層として有する包装材は、有機化合物を有効成分として含む化成品、医薬品、食品等の包装には不適であり、あらかじめ内容物中に有効成分を多めに含ませる等の対策が必要である。
そこで、良好なシール強度を有しながら、有効成分を吸着しにくいシーラント層の開発がなされている。代表的には、アクリロニトリル系樹脂からなる非吸着性シーラント層を最内層とする包装材が使用されている(特許文献1)。
しかしながら、アクリロニトリル系樹脂は、良好なシール強度が得られず、また高価であるため、より好ましい非吸着性シーラントフィルムの開発が求められている。
これに対し、例えば特許文献2には、最内層が、アルミニウム箔または無機物の蒸着膜で形成される非吸着性包装材が開示されている。前記包装材は、前記アルミニウム箔や蒸着膜に部分的に接着性樹脂層を形成することで製袋して使用されている。接着性樹脂層としては、ウレタン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル系樹脂等が開示されている。しかしながら、このような包装材は、その製造工程が複雑である。
特開平7−132946号公報 特開平10−45176号公報
本発明は、上記の問題点を解決し、優れた非吸着性及びシール強度を示し、さらに、成膜が容易であるシーラントフィルム、及びそれよりなる包装材用積層体を提供することを目的とする。
本発明者は、種々研究の結果、少なくとも、ベース樹脂層と、シール層とからなる非吸着性シーラントフィルムであって、該シール層は、ガラス転移点が70〜90℃である非晶性の共重合ポリエステルからなり、該ベース樹脂層上に押出コーティングにより積層される層であることを特徴とする、上記非吸着性シーラントフィルムが、上述の目的を達成することを見出した。
そして、本発明は、以下の点を特徴とする。
(1)少なくとも、ベース樹脂層と、シール層とからなる非吸着性シーラントフィルムであって、該シール層は、ガラス転移点が70〜90℃である非晶性の共重合ポリエステルからなり、該ベース樹脂層上に押出コーティングにより積層される層であることを特徴とする、上記非吸着性シーラントフィルム。
(2)前記ベース樹脂層の積層面に、易接着処理がなされていることを特徴とする、上記(1)に記載の非吸着性シーラントフィルム。
(3)前記シール層を前記ベース樹脂層上に押出コーティングする前に、該ベース樹脂層の積層面にアンカーコート剤を塗布することを特徴とする、上記(1)または(2)に記載の非吸着性シーラントフィルム。
(4)少なくとも、基材フィルム層と、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の非吸着性シーラントフィルムからなる層と、からなる包装材用積層体。
一般によく知られるポリオレフィン系樹脂のみからなる単層シーラントフィルムは、その厚さと、有機化合物吸着量及びシール強度とが比例する。したがって、包装袋のシーラントフィルムを、内容物の吸着を防ぐために薄くすると、シール強度が低下し、袋の耐衝撃性が低下する。また、耐衝撃性を高めるために、シーラントフィルムを厚くすると、内容物の吸着量が増大する。
これに対し、本発明の非吸着性シーラントフィルムは、ガラス転移点が70〜90℃である非晶性の共重合ポリエステルを押出し加工することにより、優れた非吸着性とシール強度との両方を達成するものである。
また、この傾向は、樹脂フィルムからなるベース樹脂層上に押出コーティングにより積層することにより、一層顕著になる。すなわち、該共重合ポリエステルからなるシール層を、樹脂フィルムからなるベース樹脂層で裏打ちすることにより、高い層間接着強度が得られ、且つ、非吸着性及びシール強度が高まることが見出された。
また、樹脂フィルムからなるベース樹脂層上に、共重合ポリエステルからなるシール層を積層する前に、該ベース樹脂層の積層面にアンカーコート剤を塗布することにより、層間接着強度が高まり、非吸着性及びシール強度が一層向上した。
本発明の非吸着性シーラントフィルムは、種々の有機化合物、特に脂溶性物質、例えばl−メントール、カンフル(樟脳)、イソプロピルメチルフェノール(IPMP)、ビタミンE酢酸エステル、リモネン等の成分を吸着しにくく、これらの包材として好適に使用することができる。
さらに、本発明の非吸着性シーラントフィルムをシーラント層として有する積層体は、種々の包装材として使用するのに適しており、特に、非吸着性が求められる医薬品用包装袋を形成するために、好適に使用することができる。
本発明の非吸着性シーラントフィルムの層構成について、一例を示す概略的断面図である。 本発明の非吸着性シーラントフィルムの層構成について、他の一例を示す概略的断面図である。 本発明の非吸着性シーラントフィルムを有する積層体の層構成について、一例を示す概略的断面図である。 本発明の非吸着性シーラントフィルムを有する積層体の層構成について、他の一例を示す概略的断面図である。
上記の本発明について以下に更に詳しく説明する。
<1>本発明の非吸着性シーラントフィルム及びそれを有する積層体の層構成
図1〜4は、本発明の非吸着性シーラントフィルム及びそれを有する積層体の層構成の一例を示す概略的断面図である。
本発明の非吸着性シーラントフィルムは、図1に示すように、ベース樹脂層1、及びシール層2、の2層を基本の構成とする。
また、図2に示すように、ベース樹脂層1にシール層を積層する前に、その積層面に、任意の易接着層3を設けておいてもよい。また場合により、易接着層3の表面にアンカーコート剤層4を設けておいてもよい。
さらに、本発明の非吸着性シーラントフィルムを有する積層体としては、図3に示すように、本発明の非吸着性シーラントフィルムAと、基材フィルムBとを有する積層体を挙げることができる。この積層体において、シール層2が最表層、すなわち包装体に適用した場合に最内層となる層を形成する。非吸着性シーラントフィルムAと基材フィルムBとは、接着剤層Cを介してラミネートすることにより積層してよい。また、基材フィルムBは、包装用途に応じて任意の構成を有してよい。
基材フィルムBの具体的態様としては、図4に示すように、樹脂フィルム5、接着剤層6及びアルミニウム箔7からなる態様を一例として挙げることができる。
以下、本発明において使用される樹脂名は、業界において慣用されるものが用いられる。
<2>ベース樹脂層
本発明の非吸着性シーラントフィルムのベース樹脂層は、任意の樹脂フィルムからなる。各種包装材や包装容器に用いられる任意の樹脂フィルムを使用することができ、貼り合わせる基材フィルムの種類等に応じて、適するものを自由に選択して使用する。
ベース樹脂層を構成する樹脂フィルムの具体例としては、オレフィン系樹脂(ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等)、ハロゲン含有樹脂(塩化ビニル系樹脂等)、ビニルアルコール系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂(ポリアミド6、ポリアミド66等)、ポリカーボネート系樹脂、ポリスルホン系樹脂(ポリエーテルスルホン、ポリスルホン等)、ポリフェニレンエーテル系樹脂等からなる樹脂フィルムが例示できる。上記樹脂フィルムは無延伸であってもよく、一軸又は二軸延伸フィルムであってもよい。また、2枚またはそれ以上の樹脂フィルムを貼り合わせた多層構成の樹脂フィルムであってもよい。
また、ベース樹脂層を構成する樹脂フィルムの積層面、すなわち接着性樹脂層を積層する面は、接着性樹脂層との密着性を高めるため、表面処理により易接着層(例えば、コロナ放電処理層、プライマー処理層など)を設けてもよい。
<3>シール層
本発明の非吸着性シーラントフィルムのシール層は、ガラス転移点が70〜90℃、より好適には70〜80℃である非晶性の共重合ポリエステルからなる。
本発明における共重合ポリエステルとしては、共重合ポリエチレンテレフタレート(PET)が代表例としてあげられる。このような共重合PETとしては、テレフタル酸とエチレングリコールとを主成分とし、これに、共重合成分としてテレフタル酸以外の多価カルボン酸及び/又はエチレングリコール以外の多価アルコールを、非晶性を示し且つガラス転移点が70〜90℃となるように添加し、共重合して得られる変性PETが用いられる。
なお、本発明において、非晶性とは、示差走査熱量計(DSC)を用いて−100℃から300℃まで20℃/分の速度で昇温した際に、融解ピークを持たないことを意味する。
また、本発明において、ガラス転移点は、JIS K7121に準拠して測定される。
共重合成分として添加される多価カルボン酸としては、イソフタル酸、オルトフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸(不飽和脂肪酸の二量体又はその水素添加物を主体とするもの)、ジフェニルカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、5−スルホイソフタル酸ナトリウム等が挙げられる。
また、共重合成分として添加される多価アルコールとしては、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ペンタエリスリトール、ビスフェノールAエチレンオキシド付加物等が挙げられる。
上記共重合PETの具体例としては、テレフタル酸とイソフタル酸とエチレングリコール、テレフタル酸とエチレングリコールと1,4−シクロヘキサンジメタノール、テレフタル酸とイソフタル酸とプロピレングリコール等による組み合わせの共縮合重合体からなるPETが挙げられる。
上記主成分及び共重合成分の混合比は、非晶性を示し且つ所望のガラス転移点を有する限り、特に限定されないが、例えば、原料となる多価カルボン酸の50モル%以上がテレフタル酸であり、また、原料となる多価アルコールの50モル%以上がエチレングリコールである。原料となるテレフタル酸及びエチレングリコールの量がこれより少ないと、耐衝撃性及び非吸着性が損なわれ得る。
また、原料となる多価カルボン酸及び多価アルコールの合計量100モル%に対して、主成分であるテレフタル酸及びエチレングリコールの合計量が、50〜95モル%であり、共重合成分の合計量が5〜50モル%であることが好ましい。共重合成分の合計量が5モル%より少ないと、非晶性が失われ、シール強度が損なわれる。
さらに、本発明においては、上記非晶性共重合ポリエステルのうち、ガラス転移点が70〜90℃となるように調製された共重合ポリエステルを用いる。この調製は、原料として使用する多価カルボン酸及び多価アルコールの化学構造等に応じて、これらの混合比や重合度等を変化させることにより、当業者が適宜に行うことができる。
本発明において、ガラス転移点が70〜90℃である非晶性ポリエステルを用いることにより、100〜200℃、より好ましくは120〜160℃でのヒートシールによって、優れたシール強度及びヒートシール性が発揮される。ガラス転移点がこの範囲を外れると、低温シール性が損なわれるか、または十分なシール強度が得られないため好ましくない。
上記の要件を満たす、ガラス転移点が70〜90℃である非晶性の共重合ポリエステルは商業的にも入手可能であり、本発明において好適に用いられるものとしては、バイロン(R)(東洋紡(株)製)、Eastar PETG(EASTMAN CHEMICAL(株)製)等が挙げられる。
ここで、シール層は、1〜10質量%の量で、より好ましくは3〜5質量%の量でアンチブロッキング剤を含有してもよい。この量でアンチブロッキング剤を含むことにより、シール強度、非吸着性及びベース樹脂層との層間接着強度を損なうことなく、フィルムの滑り性を改善することができる。
本発明において好適に用いられるアンチブロッキング剤としては、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、シリカ、酸化カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛等の酸化物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の水酸化物、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の硫酸塩、ケイ酸マグネ
シウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、アルミノケイ酸等のケイ酸塩、その他、カオリン、タルク、けいそう土等の無機化合物系のアンチブロッキング剤、及びこれらのうちの2種またはそれ以上からなる混合物が挙げられる。
また、シール層は、さらに必要ならば、本発明の効果を損なわない範囲で、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤(脂肪酸アミド等)、難燃化剤、無機ないし有機充填剤、架橋剤、染料、顔料等の着色剤、更には、改質用樹脂等の添加剤の1種ないし2種以上を含んでもよい。
<4>非吸着性シーラントフィルムの製造
本発明の非吸着性シーラントフィルムは、ベース樹脂層を形成する樹脂フィルム上に、シール層を形成する上記共重合ポリエステルを押出コーティングすることにより製造される。
押出温度は、共重合ポリエステルの種類に応じて当業者が適宜に選択でき、例えば200〜280℃の広範囲の温度域であってよい。
樹脂フィルム上に上記共重合ポリエステルを押出コーティングすることにより、高い非吸着性及びシール強度が発揮される。
ここで、ベース樹脂層の層厚は、10〜30μm、より好ましくは10〜20μmである。10μmより薄いと基材としての強度不足であり、また30μmより厚いとシーラントフィルムとして固く、コストも高くなるため好ましくない。
また、シール層の層厚は、15〜60μm、より好ましくは20〜50μmである。15μmより薄いと安定性が悪く、シール強度が弱くなり、また60μmより厚いとシーラントフィルムとして固く、コストも高くなるため好ましくない。
ベース樹脂層上にシール層を押出コーティングする前に、ベース樹脂層の積層面を表面処理してもよい。
特に、ベース樹脂層を構成する樹脂フィルムの積層面に、ポリウレタン系、ポリエステル系またはアクリル系のアンカーコート剤を塗布することにより、また場合によってはさらにオゾン処理することにより、層間の接着性がさらに向上する。
<5>積層体
本発明のシーラントフィルムからなる層に、基材フィルム層を積層して、包装材用積層体を得ることができる。
ここで用いる基材フィルム層としては、プラスチックフィルム等の単層フィルム、または多層積層フィルムが用いられるが、特に限定されず、各種包装袋及び包装容器に用いられる任意のフィルムを使用することができる。これらの中から、包装する内容物の種類や充填後の加熱処理の有無等の使用条件に応じて、適するものを自由に選択して使用する。好ましく使用される積層体の具体例としては、二軸延伸PETフィルム上に、接着剤層を介してアルミニウム箔を貼り合わせた多層積層フィルムを基材フィルムとして、該アルミニウム箔側の面上に、本発明の非吸着性シーラントフィルムを、シール層が最表層となるように重ね合せ、ドライラミネート等で積層してもよい。
<6>包装袋
上記の積層体を使用し、非吸着性シーラントフィルムからなる層が最内層となるように製袋して、包装袋とすることができる。また、上記積層体を、非吸着性シーラントフィルム層を最内層とする蓋材として使用し、包装容器を製造することができる。
包装袋を製造するには、上記積層体を二つ折にするか、または積層体2枚を用意し、その非吸着性シーラントフィルム層の面を対向させて重ね合わせ、その周辺端部を、例えば
、スタンディングパウチ型、側面シール型、二方シール型、三方シール型、四方シール型、封筒貼りシール型、合掌貼りシール型(ピローシール型)、ひだ付シール型、平底シール型、角底シール型、ガゼット型等のヒートシール形態によりヒートシールして、種々の形態の包装袋とする。
上記において、ヒートシールの方法としては、例えば、バーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シール等の公知の方法で行うことができる。
上記積層体を蓋材として使用する包装容器を製造するには、樹脂製容器の開口部に、非吸着性シーラントフィルム層の面が接するように積層体を重ね合せ、袋と同様にヒートシールすることによって行うことができる。
上記積層体よりなる包装袋や包装容器は、特に、有機化合物を有効成分として含む化成品、医薬品、医薬部外品、化粧品、食品等の包装のために、例えば、貼付剤の外袋として、または化粧水等の詰め替え用内容物に使用されるスタンディングパウチとして、好適に使用することができる。
次に本発明について、実施例を挙げて具体的に説明する。
[実施例1]
(1)ベース樹脂層として2軸延伸ナイロンフィルム(興人フィルム&ケミカルズ(株)製ボニールQ;厚さ15μm)を用意し、その一方の面上にポリウレタン系アンカーコート剤(三井化学(株)製タケラック/タケネート、A−3210/A−3075;配合比3/1)を版深20μmの斜線版を用いて塗工量0.4g/m2で塗布した。
(2)次いで、このアンカーコート剤塗布面上に、シール層として非晶性PET(東洋紡(株)製SI−173;ガラス転移点78℃)を押出しコーティングにより層厚30μmとなるように積層し、ベース樹脂層/アンカーコート剤層/シール層の層構成を有する本発明の非吸着性シーラントフィルムを製造した。
(3)一方、2軸延伸PETフィルム(東洋紡績(株)製E5100;厚さ12μm)を用い、その一方の面上に接着剤(ロックペイント(株)製ロックボンドJ/アドロック、RU77T/H−7;配合比10/1)を、版深90μmの斜線版を用いて塗工量3.0g/m2で塗布し、厚さ7μmのアルミ箔(日本製箔(株)製 A1N30H−O)と貼り合せ、40℃の恒温槽に48時間保管し、接着剤を硬化させて、基材フィルムとした。(4)上記基材フィルムのアルミ箔を設けた面に接着剤を同様に塗布し、上記(2)で製造した本発明のシーラントフィルムを、シール層が最外層となるように貼り合せ、40℃の恒温槽に48時間保管し、接着剤を硬化させて、積層体を製造した。得られた積層体の層構成は以下のとおりであった:
基材フィルム層(PETフィルム/接着剤層/アルミ箔)/接着剤層/ベース樹脂層/アンカーコート剤層/シール層
[比較例1]
シール層の形成において、非晶性PETの代わりに低密度ポリエチレン樹脂(LDPE;日本ポリエチレン(株)製ノバテックLC522)を使用した以外は、実施例1と同様にして、シーラントフィルム及び積層体を製造した。
[比較例2]
シール層の形成において、非晶性PETの代わりに直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE;住友化学(株)製 スミカセンCW8003)を使用した以外は、実施例1と同様にして、シーラントフィルム及び積層体を製造した。
[評価方法・結果]
(1)吸着性試験(l−メントール)
実施例及び比較例のシーラントフィルムを10cm×10cm四方に切り取り、その初期重量を測定した。
容積10リットルのステンレス容器内にl−メントール固体(純正化学(株))10gを入れ、蓋をして容器内をl−メントール蒸気で満たし、その中に切り取ったシーラントフィルムを吊り下げて、40℃で7日間保管した。
保管後、シーラントフィルムを取り出して重量を測定し、初期重量との差からl−メントールの吸着量を算出した。
(2)吸着性試験(酢酸dl−α−トコフェロール)
実施例及び比較例のシーラントフィルムを5cm×5cm四方に切り取り、その初期重量を測定した。
シール層側の面に酢酸dl−α−トコフェロール溶液(関東化学(株))を塗布し、ガラスシャーレに塗布面を下にして密着させ、蓋をして40℃で7日間保管した。
保管後、シーラントフィルムを取り出して塗布面のdl−α−トコフェロール溶液を除去した後、重量を測定し、初期重量との差から酢酸dl−α−トコフェロールの吸着量を算出した。
(3)シール強度試験
実施例及び比較例のシーラントフィルムを、ベース樹脂層を外側にして重ね合せ、ヒートシーラー(テスター産業(株)製TP−701S HEAT SEAL TESTER)で、160℃で1秒間、圧力1kgf/cm2でヒートシールした。
次いで、これを幅15mmの短冊状に切り出し、テンシロン引張試験機((株)オリエンテック製 RTC−1310A)を用いて圧着されたシール部を引き剥がし、シール強度を測定した。このときの引張速度は300mm/分とした。
以下の表に結果を示す。
Figure 2015066801
実施例1のシーラントフィルムは、高い非吸着性及びシール強度を示した。これに対し、比較例1及び2の積層体は、高いシール強度は示すものの、多量のl−メントール及び酢酸dl−α−トコフェロールを吸着した。
A.非吸着性シーラントフィルム
B.基材フィルム
C.接着剤層
1.ベース樹脂層
2.シール層
3.易接着層
4.アンカーコート剤層
5.樹脂フィルム
6.接着剤層
7.アルミニウム箔

Claims (4)

  1. 少なくとも、ベース樹脂層と、シール層とからなる非吸着性シーラントフィルムであって、
    該シール層は、ガラス転移点が70〜90℃である非晶性の共重合ポリエステルからなり、該ベース樹脂層上に押出コーティングにより積層される層であることを特徴とする、上記非吸着性シーラントフィルム。
  2. 前記ベース樹脂層の積層面に、易接着処理がなされていることを特徴とする、請求項1に記載の非吸着性シーラントフィルム。
  3. 前記シール層を前記ベース樹脂層上に押出コーティングする前に、該ベース樹脂層の積層面にアンカーコート剤を塗布することを特徴とする、請求項1または2に記載の非吸着性シーラントフィルム。
  4. 少なくとも、基材フィルム層と、請求項1〜3のいずれか1項に記載の非吸着性シーラントフィルムからなる層と、からなる包装材用積層体。
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