JP2015050381A - 半導体発光素子及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】反射電極表面へのボイドの発生を抑制することで、光取り出し効率を更に向上させた半導体発光素子及びその製造方法を提供する。【解決手段】n型又はp型の第1半導体層35と、第1半導体層と導電型の異なる第2半導体層31と、第1半導体層及び第2半導体層の間に形成された発光層33とを有する半導体発光素子の製造方法であって、基板を準備する工程(a)、基板上に、第1半導体層、発光層及び第2半導体層を下から順に形成する工程(b)、第2半導体層の上層に、反射電極19を構成する第1導電層を蒸着する工程(c)、工程(c)の後に、アニール工程を行わずに、第1導電層の上面全面に、保護層18を構成する第2導電層を蒸着する工程(d)、及び工程(d)の後に、第1導電層と第2半導体層の間でオーミック接触が形成される温度でアニールする工程(e)を有する。【選択図】図1
Description
本発明は、支持基板上に、n型半導体層、p型半導体層、及びこれらの間に形成された発光層を有する半導体発光素子に関する。また、本発明はこのような半導体発光素子の製造方法に関する。
従来の半導体発光素子として、例えば下記特許文献1に記載の構造が開示されている。
図12は、特許文献1に開示された半導体発光素子の断面図を模式的に示したものである。従来の半導体発光素子90は、支持基板91上に導電層92、反射膜93、絶縁層94、反射電極95、半導体層99、及びn側電極100を備えて構成される。半導体層99は、p型半導体層96、発光層97、及びn型半導体層98が下からこの順に積層されて構成される。
絶縁層94は、n側電極100が形成されている位置の直下の位置を含む領域に形成される。絶縁層94の下層には金属材料からなる反射膜93が形成されているが、この反射膜93はオーミック性を有さず電極としての機能を奏さない。一方、反射電極95は金属材料からなり、p型半導体層96の間でオーミック接触が実現されることで電極(p側電極)として機能している。
反射電極95は、発光層97で発光した光のうち、支持基板91に向かう方向(図面下向き)に放射された光を反射させてn側半導体層98側(図面上向き)に取り出すことで、光の取り出し効率を高める目的を兼ねている。反射膜93も同様の目的で形成されており、反射電極95が形成されていない箇所を通過して下向きに進行した光を反射させてn側半導体層98側に進行方向を変えることで、光の取り出し効率が高められる。
図12に示す半導体発光素子90は、次のようにして製造される。まず、所定の基板上に半導体層99を成長させる。次に、半導体層99の上面に底面が接触するように反射電極95を構成する電極材料を蒸着させた後、この電極材料と半導体層99(より詳細にはp型半導体層96)とのオーミックコンタクトを得るために、例えば400℃〜600℃程度の高温でアニール処理を行う。その後、絶縁層94、反射膜93、導電層92を順に積層した後、導電層92側から支持基板91を貼り合わせ、半導体層99を成長させた基板を剥離する。
反射電極95を構成する材料としては金属材料が用いられる。金属と半導体の仕事関数は異なり、接触界面ではエネルギー準位に差が生じて障壁となることから、障壁があると電流が流れにくくなり動作電圧を増加させてしまう。従って、金属と半導体のように仕事関数が異なるものが接触して界面を形成する素子において、両者のエネルギー準位の障壁を減らし、反射電極95と半導体層99の間のコンタクト抵抗を低下させるためには、上述の高温アニール処理が必要となる。
上述したように、反射電極95は、発光層97で発光した光のうち、支持基板91に向かう方向に放射された光をn側半導体層98側に反射させることで、光の取り出し効率を高めることを意図して形成される。このため、反射電極95の構成材料としては、光の反射率の高い材料が好ましく、このような材料としてはAgやAlが挙げられる。しかし、上記の方法で半導体発光素子90を製造すると、反射電極95の表面に多数のボイドが発生することが判明した。
図13は、上記の方法で半導体発光素子90を製造した場合において、反射電極95にアニール処理を施した段階で、光取り出し側(図12におけるn型半導体層98の上方)から半導体層99を成長させる基板を通して撮影した写真である。図13の写真には、反射電極95の表面上にはボイド101に由来した多数の黒い斑点が現れている。このようなボイド101が反射電極95の表面に多数発生すると、反射電極95の表面における光の反射率が低下するため、光取り出し効率を低下させることになる。
本発明は、反射電極表面へのボイドの発生を抑制することで、光取り出し効率を更に向上させた半導体発光素子及びその製造方法を実現することを目的とする。
本発明は、n型又はp型の第1半導体層と、前記第1半導体層と導電型の異なる第2半導体層と、前記第1半導体層及び前記第2半導体層の間に形成された発光層とを有する半導体発光素子の製造方法であって、
基板を準備する工程(a)、
基板上に、前記第1半導体層、前記発光層及び前記第2半導体層を下から順に形成する工程(b)、
前記第2半導体層の上層に、反射電極を構成する第1導電層を蒸着する工程(c)、
前記工程(c)の後に、アニール工程を行わずに、前記第1導電層の上面全面に、保護層を構成する第2導電層を蒸着する工程(d)、
及び前記工程(d)の後に、前記第1導電層と前記第2半導体層の間でオーミック接触が形成される温度でアニールする工程(e)を有することを特徴とする。
基板を準備する工程(a)、
基板上に、前記第1半導体層、前記発光層及び前記第2半導体層を下から順に形成する工程(b)、
前記第2半導体層の上層に、反射電極を構成する第1導電層を蒸着する工程(c)、
前記工程(c)の後に、アニール工程を行わずに、前記第1導電層の上面全面に、保護層を構成する第2導電層を蒸着する工程(d)、
及び前記工程(d)の後に、前記第1導電層と前記第2半導体層の間でオーミック接触が形成される温度でアニールする工程(e)を有することを特徴とする。
本発明者は、鋭意研究により、従来の製造方法によって反射電極の表面に現れていた多数のボイドは、反射電極を構成する電極材料を蒸着後、高温でアニールを行う過程で、当該電極材料が凝集したことが原因で生じたものであるとの推察に至った。そこで、本発明の方法では、反射電極を構成する第1導電層を蒸着後、アニールすることなく第1導電層の上面全面に保護層を構成する第2導電層を蒸着してから、第1導電層と第2半導体層の間のオーミック接触を実現させるためのアニールを行っている。
この方法によれば、アニール時においては第1導電層の上面が第2導電層で覆われており露出していないため、アニール時に第1導電層を構成する材料が凝集することがない。この結果、「発明を実施するための形態」の項で後述するように、当該方法で製造された半導体発光素子の反射電極表面にはボイドの形成が大幅に抑制され、光取り出し効率が向上する。
なお、上記工程(e)におけるアニール温度を、450℃以上550℃以下とすることで、第1導電層と第2半導体層の間のオーミック接触を実現しながら、ボイドの発生を最大限抑制することができる。
上記第1導電層としては、光の反射率の高い材料で構成されるのが好ましく、例えば、Ag又はAlの少なくとも一方を含む材料を用いることができる。これらの材料で反射電極を構成した場合、高い反射率が実現できるが、仮に反射電極の表面にボイドが発生していた場合の光取り出し効率は大きく低下してしまう。上記方法によれば、このような高い反射率を確保できる材料で反射電極を形成しても、当該反射電極の表面へのボイドの発生が抑制されるため、高い光取り出し効率が実現できる。
上記第1導電層の形成膜厚は、例えば150nm以下とすることができる。反射電極の表面へのボイド形成を防止する観点からは、μmオーダーの厚膜で形成する方法も考えられる。しかし、このように厚膜で反射電極を形成する場合、蒸着工程に極めて時間がかかり、他のプロセスを阻害するばかりか、周辺箇所との高低差が生じて平坦性の確保が問題となる。上記方法によれば、150nm以下の薄い膜厚で反射電極を形成しても、表面へのボイドの発生が抑制される。
また、本発明の半導体発光素子は、
基板上に、n型又はp型の第1半導体層と、前記第1半導体層と導電型の異なる第2半導体層と、前記第1半導体層及び前記第2半導体層の間に形成された発光層とを有する半導体発光素子であって、
少なくとも前記第1半導体層及び前記第2半導体層のいずれか一方に接触して形成された反射電極と、
全面を前記反射電極に接触して形成された、前記反射電極とは異なる導電性材料からなる保護層とを備えたことを特徴とする。
基板上に、n型又はp型の第1半導体層と、前記第1半導体層と導電型の異なる第2半導体層と、前記第1半導体層及び前記第2半導体層の間に形成された発光層とを有する半導体発光素子であって、
少なくとも前記第1半導体層及び前記第2半導体層のいずれか一方に接触して形成された反射電極と、
全面を前記反射電極に接触して形成された、前記反射電極とは異なる導電性材料からなる保護層とを備えたことを特徴とする。
ここで、本発明の半導体発光素子として、n側電極とp側電極が、前記第1半導体層、前記第2半導体層及び前記発光層を含む積層体を挟んで上下に形成される、いわゆる縦型構造を採用する場合においては、前記基板を支持基板として構わない。この場合、前記反射電極は、前記第1半導体層よりも前記基板に近い位置に形成されている前記第2半導体層の底面に、上面を接触して形成され、前記保護層は、上面の全面を前記反射電極の底面に接触して形成される構成とすることができる。
また、n側電極とp側電極が基板面に平行な方向に離間して形成される、いわゆる横型構造を採用する場合においては、前記基板を例えばサファイア基板とすることができる。この場合、第1半導体層又は第2半導体層の一方に接触して形成された反射電極を備える構成としても構わないし、第1半導体層に接触して形成された反射電極と第2半導体層に接触して形成された反射電極の双方を備える構成としても構わない。
また、半導体発光素子が上記縦型構造を示す場合においては、上面を前記第1半導体層の底面に接触して形成された第1電極と、
前記第1電極の形成箇所の直下の位置において、上面を前記保護層の底面に接触して形成された絶縁層を更に備える構成とすることができる。
前記第1電極の形成箇所の直下の位置において、上面を前記保護層の底面に接触して形成された絶縁層を更に備える構成とすることができる。
この構成によれば、第1電極の形成箇所の直下の位置において、反射電極の底面に接触して形成された保護層の底面には絶縁層が形成される。このため、第1電極の形成箇所の直下の位置に反射電極が形成されていても、この箇所において、反射電極より下方に電流が流れることがない。電流経路は絶縁層が形成されていない領域に形成されることから、上記構成によれば、反射電極と第1電極が鉛直方向に対向する位置関係であっても、反射電極と第1電極に挟まれた領域における発光層内にのみ大部分の電流が流れるということはない。これにより、発光層内を流れる電流を支持基板の基板面に平行な方向(水平方向)に拡げる効果が得られ、光取り出し効率が更に向上する。
なお、前記反射電極は、Ag又はAlの少なくとも一方を含む材料で構成することができる。これらの材料は反射率が高いため、表面にボイドが形成されないことで光取り出し効率を更に向上させる効果が得られる。
また、前記反射電極は、例えば150nm以下の膜厚で形成することができる。これにより、薄い膜厚で形成しながらも、表面にボイドが形成されずに高い反射率を示す反射電極が形成されるため、高い光取り出し効率を示す発光素子が実現できる。
なお、本発明の半導体発光素子は、前記第1半導体層、前記第2半導体層、及び前記発光層の全てを窒化物半導体層で形成した窒化物半導体発光素子として実現することができる。
本発明によれば、反射電極の表面へのボイドの発生が抑制され、高い反射率を示し、光取り出し効率の高い半導体発光素子が実現できる。
本発明の半導体発光素子につき、図面を参照して説明する。なお、各図において図面の寸法比と実際の寸法比は必ずしも一致しない。また、本明細書において、「第1の層が第2の層の直下に位置する」とは、支持基板の基板面に垂直な方向に関して、第1の層の下方に第2の層が位置することを意味する。
[第1実施形態]
本発明の半導体発光素子の第1実施形態の構成について説明する。
本発明の半導体発光素子の第1実施形態の構成について説明する。
〈構造〉
図1は、第1実施形態の半導体発光素子の構成を模式的に示す断面図である。半導体発光素子1は、支持基板11、導電層20、絶縁層21、半導体層30及びn側電極(42,43)を含んで構成される。半導体層30は、p型半導体層(32,31)、発光層33、及びn型半導体層35が下からこの順に積層されて形成されている。
図1は、第1実施形態の半導体発光素子の構成を模式的に示す断面図である。半導体発光素子1は、支持基板11、導電層20、絶縁層21、半導体層30及びn側電極(42,43)を含んで構成される。半導体層30は、p型半導体層(32,31)、発光層33、及びn型半導体層35が下からこの順に積層されて形成されている。
(支持基板11)
支持基板11は、例えばCuW、W、Moなどの導電性基板、又はSiなどの半導体基板で構成される。
支持基板11は、例えばCuW、W、Moなどの導電性基板、又はSiなどの半導体基板で構成される。
(導電層20)
支持基板11の上層には、多層構造からなる導電層20が形成されている。この導電層20は、本実施形態では、ハンダ層13、ハンダ層15、ハンダ拡散防止層17、保護層18及び反射電極19を含む。
支持基板11の上層には、多層構造からなる導電層20が形成されている。この導電層20は、本実施形態では、ハンダ層13、ハンダ層15、ハンダ拡散防止層17、保護層18及び反射電極19を含む。
ハンダ層13及びハンダ層15は、例えばAu−Sn、Au−In、Au−Cu−Sn、Cu−Sn、Pd−Sn、Snなどで構成される。後述するように、これらのハンダ層13とハンダ層15は、支持基板11上に形成されたハンダ層13と、別の基板(後述するサファイア基板61)上に形成されたハンダ層15を対向させた後に、両者を貼り合わせることで形成されたものである。
ハンダ拡散防止層17は、例えばPt系の金属(TiとPtの合金)、W、Mo、Niなどで構成される。後述するように、ハンダ層を介した貼り合わせの際、ハンダを構成する材料が後述する反射電極19側に拡散し、反射率が落ちることによる発光効率の低下を防止する機能を果たしている。
反射電極19は、Ag又はAlの少なくとも一方を含む材料で構成される。これらは、いずれも高い反射率を示す材料である。半導体発光素子1は、発光層33から放射された光を、図1の上方向(n型半導体層35側)に取り出すことを想定しており、反射電極19は、発光層33から下向きに放射された光を上向きに反射させることで発光効率を高める機能を果たしている。なお、図1内における上向きの矢印は、光の取り出し方向を表している。
反射電極19は、本実施形態の構成では、n側電極(42,43)の直下の位置を含むp型半導体層(31,32)の下層に形成されている。特に、図1に示すように、本実施形態では反射電極19の上面は全てp型半導体層32と接触するように形成されている。そして、支持基板11とn側電極(42,43)の間に電圧が印加されると、支持基板11、ハンダ層(13,15)、ハンダ拡散防止層17、保護層18、反射電極19、半導体層30を介してn側電極(42,43)へと流れる電流経路が形成される。
保護層18は、本実施形態では反射電極19に近い側から順にNi/Ti/Ptの多層構造で形成される。この保護層18は、上面の全面が反射電極19の底面に接触するように形成されている。保護層18としては、反射電極19に接触する箇所(最上面)においては、Cu,Au,Mg,Ni等を用いることができ、その反対側の箇所(最下面)においては、Mo,W,Rh,Pt等を用いることができる。なお、保護層18が反射電極19に対する密着性が十分に確保できている場合には、Ti層を形成しないものとすることもできる。
この保護層18は、後述するように反射電極19の表面にボイドが形成されるのを防止する機能を有する。
(絶縁層21)
絶縁層21は、例えばSiO2、SiN、Zr2O3、AlN、Al2O3などで構成される。絶縁層21は、n側電極(42,43)の直下の位置に形成されており、絶縁層21の上面は保護層18の底面に接触している。この絶縁層21は、発光層33を流れる電流を支持基板11の基板面に平行な方向(水平方向)に拡げる役割を果たしている。更に、絶縁層21は半導体層30の外側の位置にも形成されており、プロセスの項で後述するように、素子分離時におけるエッチングストッパー層としても機能する。図1に示す半導体発光素子1においては、外周位置に係る絶縁層21が保護層18及び反射電極19の側面にも接触するように形成されている。
絶縁層21は、例えばSiO2、SiN、Zr2O3、AlN、Al2O3などで構成される。絶縁層21は、n側電極(42,43)の直下の位置に形成されており、絶縁層21の上面は保護層18の底面に接触している。この絶縁層21は、発光層33を流れる電流を支持基板11の基板面に平行な方向(水平方向)に拡げる役割を果たしている。更に、絶縁層21は半導体層30の外側の位置にも形成されており、プロセスの項で後述するように、素子分離時におけるエッチングストッパー層としても機能する。図1に示す半導体発光素子1においては、外周位置に係る絶縁層21が保護層18及び反射電極19の側面にも接触するように形成されている。
(半導体層30)
上述したように、半導体層30は、p型半導体層32、p型半導体層31、発光層33、及びn型半導体層35が下からこの順に積層されて形成される。
上述したように、半導体層30は、p型半導体層32、p型半導体層31、発光層33、及びn型半導体層35が下からこの順に積層されて形成される。
p型半導体層32は、例えばGaNで構成される。また、p型半導体層31は、例えばAlmGa1−mN(0≦m<1)で構成される。いずれの層も、Mg、Be、Zn、又はCなどのp型不純物がドープされている。なお、p型半導体層32は、p型半導体層31よりも不純物濃度が高濃度であり、コンタクト層を形成している。本実施形態では、これらのp型半導体層(31,32)が「第2半導体層」に対応する。
発光層33は、例えばInGaNからなる井戸層とAlGaNからなる障壁層が繰り返されてなる多重量子井戸構造を有する半導体層で形成される。これらの層はアンドープでもp型又はn型にドープされていても構わない。
n型半導体層35は、例えばAlnGa1−nN(0≦n<1)で構成される層とGaNで構成される層を含む多層構造で構成される。少なくともGaNで構成される層には、Si、Ge、S、Se、Sn、又はTeなどのn型不純物がドープされている。本実施形態では、n型半導体層35が「第1半導体層」に対応する。
(n側電極42,n側電極43)
n側電極(42,43)はn型半導体層35の上層に形成され、例えばCr−Auで構成される。このうち、n側電極43には、例えばAu、Cuなどで構成されるワイヤ45が連絡されており、このワイヤ45の他方は、半導体発光素子1が配置されている基板(支持基板11)の給電パターンなどに接続される(不図示)。つまり、n側電極43は、半導体発光素子1の給電端子として機能している。
n側電極(42,43)はn型半導体層35の上層に形成され、例えばCr−Auで構成される。このうち、n側電極43には、例えばAu、Cuなどで構成されるワイヤ45が連絡されており、このワイヤ45の他方は、半導体発光素子1が配置されている基板(支持基板11)の給電パターンなどに接続される(不図示)。つまり、n側電極43は、半導体発光素子1の給電端子として機能している。
一方、n側電極42は、n側電極43と電気的に接続され、例えばn型半導体層35の上面の広い範囲に網目状に形成されている。つまり、n型半導体層35の上面のうち、給電端子を構成するn側電極43とは異なる箇所においてn型半導体層35の上面と接触することで、通電時において水平方向に関してn型半導体層35の広い範囲に電流を流し、これによって発光層33内の広い範囲に電流を流すことを目的として形成されている。本実施形態では、これらのn側電極(42,43)が、「第1電極」に対応する。
なお、図示していないが、半導体層30の側面に保護膜としての絶縁層を形成しても構わない。なお、この保護膜としての絶縁層は、透光性を有する材料(例えばSiO2など)で構成するのが好ましい。また、上述の実施形態では、p型半導体層31を構成する一材料をAlmGa1−mN(0≦m<1)と記載し、n型半導体層35を構成する一材料をAlnGa1−nN(0≦n<1)と記載したが、これらは同一の材料であっても構わない。
また、光取り出し効率を更に高める目的で、n型半導体層35の上面に微小の凹凸(メサ構造)を形成しても構わない。
図2は、後述するステップを経て製造された図1に示す半導体発光素子1を、図13と同様に、反射電極19及び保護層18にアニール処理を施した段階で光取り出し側から半導体層30を成長させる基板を通して撮影した写真である。図13の写真と比較すると反射電極19の表面に黒い斑点が現れておらず、ボイドが形成されていないことが確認できる。これにより、後述する実施例で示されるように、従来の半導体発光素子90と比べて光取り出し効率が向上する。
また、図1に示す構成によれば、反射電極19はn側電極(42,43)の直下の位置を含む領域に形成されているものの、n側電極(42,43)の直下の位置においては反射電極19の底面に絶縁層21が形成されているため、n側電極(42,43)の直下の位置において反射電極19の底面より下方に電流が流れることがない。電流経路は絶縁層21が形成されていない領域に形成されることから、上記構成によれば、反射電極19とn側電極(42,43)が鉛直方向に対向する位置関係であっても、反射電極19とn側電極(42,43)に挟まれた領域における発光層33内にのみ大部分の電流が流れるということはない。つまり、図1に示す半導体発光素子1によれば、反射電極19の上層に絶縁層を設けなくても、発光層33内を流れる電流を支持基板11の基板面に平行な方向(水平方向)に拡げる効果が得られる。
図12に示す半導体発光素子90においても、電流を水平方向に拡げる目的で絶縁層94が設けられている。しかし、発光層97から下向きに放射された光が反射膜93によって反射されて上向きに取り出されるに際し、この光は、反射膜93で反射される前と反射した後の2回にわたって、絶縁膜94内を通過することになる。特許文献1には、絶縁膜94の材料として、SiO2、Al2O3、ZrO2、TiO2などの材料が挙げられているが、これらの材料によって絶縁膜94を形成した場合、絶縁膜94は透明膜として構成されるものの、この絶縁膜94内を光が通過する際に数%の光が絶縁膜94によって吸収されてしまう。より詳細には、発光層97から絶縁膜94を通過して反射膜93に達するまでに3−4%程度の光が吸収され、更に反射膜93で反射された光が絶縁膜94を通過してn型半導体層98側の外部に取り出されるまでに更に3−4%の光が吸収される。
これに対し、図1に示す構成によれば、発光層33から支持基板11側に放射された光が反射電極19で反射されてn型半導体層35側に取り出されるまでに、絶縁層によって吸収されることがないため、従来よりも更に光の取り出し効率が向上する。
〈製造方法〉
次に、半導体発光素子1の製造方法の一例につき、図3A〜図3Kに示す工程断面図を参照して説明する。なお、以下で説明する製造条件や膜厚などの寸法は、あくまで一例であって、これらの数値に限定されるものではない。
次に、半導体発光素子1の製造方法の一例につき、図3A〜図3Kに示す工程断面図を参照して説明する。なお、以下で説明する製造条件や膜厚などの寸法は、あくまで一例であって、これらの数値に限定されるものではない。
(ステップS1)
図3Aに示すように、サファイア基板61上にエピ層40を形成する。このステップS1は例えば以下の手順により行われる。
図3Aに示すように、サファイア基板61上にエピ層40を形成する。このステップS1は例えば以下の手順により行われる。
(サファイア基板61の準備)
まず、c面サファイア基板61のクリーニングを行う。このクリーニングは、より具体的には、例えばMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:有機金属化学気相蒸着)装置の処理炉内にc面サファイア基板61を配置し、処理炉内に流量が10slmの水素ガスを流しながら、炉内温度を例えば1150℃に昇温することにより行われる。
まず、c面サファイア基板61のクリーニングを行う。このクリーニングは、より具体的には、例えばMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:有機金属化学気相蒸着)装置の処理炉内にc面サファイア基板61を配置し、処理炉内に流量が10slmの水素ガスを流しながら、炉内温度を例えば1150℃に昇温することにより行われる。
(アンドープ層36の形成)
次に、c面サファイア基板61の表面に、GaNよりなる低温バッファ層を形成し、更にその上層にGaNよりなる下地層を形成する。これらの低温バッファ層及び下地層がアンドープ層36に対応する。
次に、c面サファイア基板61の表面に、GaNよりなる低温バッファ層を形成し、更にその上層にGaNよりなる下地層を形成する。これらの低温バッファ層及び下地層がアンドープ層36に対応する。
アンドープ層36のより具体的な形成方法は例えば以下の通りである。まず、МОCVD装置の炉内圧力を100kPa、炉内温度を480℃とする。そして、処理炉内にキャリアガスとして流量がそれぞれ5slmの窒素ガス及び水素ガスを流しながら、原料ガスとして、流量が50μmol/minのトリメチルガリウム(TMG)及び流量が250000μmol/minのアンモニアを処理炉内に68秒間供給する。これにより、c面サファイア基板61の表面に、厚みが20nmのGaNよりなる低温バッファ層を形成する。
次に、MOCVD装置の炉内温度を1150℃に昇温する。そして、処理炉内にキャリアガスとして流量が20slmの窒素ガス及び流量が15slmの水素ガスを流しながら、原料ガスとして、流量が100μmol/minのTMG及び流量が250000μmol/minのアンモニアを処理炉内に30分間供給する。これにより、低温バッファ層の表面に、厚みが1.7μmのGaNよりなる下地層を形成する。
〈n型半導体層35の形成〉
次に、アンドープ層36の上層にAlnGa1−nN(0≦n≦1)の組成からなるn型半導体層35を形成する。
次に、アンドープ層36の上層にAlnGa1−nN(0≦n≦1)の組成からなるn型半導体層35を形成する。
n型半導体層35のより具体的な形成方法は、例えば以下の通りである。まず、引き続き炉内温度を1150℃とした状態で、MOCVD装置の炉内圧力を30kPaとする。そして、処理炉内にキャリアガスとして流量が20slmの窒素ガス及び流量が15slmの水素ガスを流しながら、原料ガスとして、流量が94μmol/minのTMG、流量が6μmol/minのトリメチルアルミニウム(TMA)、流量が250000μmol/minのアンモニア及び流量が0.025μmol/minのテトラエチルシランを処理炉内に60分間供給する。これにより、例えばAl0.06Ga0.94Nの組成を有し、Si濃度が3×1019/cm3で、厚みが2μmのn型半導体層35がアンドープ層36の上層に形成される。
なお、この後、TMAの供給を停止すると共に、それ以外の原料ガスを6秒間供給することにより、n−AlGaN層の上層に厚みが5nmのn型GaNを有するn型半導体層35を実現してもよい。
上記の説明では、n型半導体層35に含まれるn型不純物をSiとする場合について説明したが、n型不純物としては、Si以外にGe、S、Se、Sn又はTe等を用いることができる。
〈発光層33の形成〉
次に、n型半導体層35の上層にInGaNで構成される井戸層及びn型AlGaNで構成される障壁層が周期的に繰り返される多重量子井戸構造を有する発光層33を形成する。
次に、n型半導体層35の上層にInGaNで構成される井戸層及びn型AlGaNで構成される障壁層が周期的に繰り返される多重量子井戸構造を有する発光層33を形成する。
具体的には、まずMOCVD装置の炉内圧力を100kPa、炉内温度を830℃とする。そして、処理炉内にキャリアガスとして流量が15slmの窒素ガス及び流量が1slmの水素ガスを流しながら、原料ガスとして、流量が10μmol/minのTMG、流量が12μmol/minのトリメチルインジウム(TMI)及び流量が300000μmol/minのアンモニアを処理炉内に48秒間供給するステップを行う。その後、流量が10μmol/minのTMG、流量が1.6μmol/minのTMA、0.002μmol/minのテトラエチルシラン及び流量が300000μmol/minのアンモニアを処理炉内に120秒間供給するステップを行う。以下、これらの2つのステップを繰り返すことにより、厚みが2nmのInGaNよりなる井戸層及び厚みが7nmのn型AlGaNよりなる障壁層による15周期の多重量子井戸構造を有する発光層33が、n型半導体層35の上層に形成される。
〈p型半導体層31の形成〉
次に、発光層33の上層に、AlmGa1−mN(0≦m≦1)で構成されるp型半導体層31を形成する。
次に、発光層33の上層に、AlmGa1−mN(0≦m≦1)で構成されるp型半導体層31を形成する。
具体的には、MOCVD装置の炉内圧力を100kPaに維持し、処理炉内にキャリアガスとして流量が15slmの窒素ガス及び流量が25slmの水素ガスを流しながら、炉内温度を1025℃に昇温する。その後、原料ガスとして、流量が35μmol/minのTMG、流量が20μmol/minのTMA、流量が250000μmol/minのアンモニア及びp型不純物をドープするための流量が0.1μmol/minのビスシクロペンタジエニルマグネシウム(CP2Mg)を処理炉内に60秒間供給する。これにより、発光層33の表面に、厚みが20nmのAl0.3Ga0.7Nの組成を有する正孔供給層を形成する。その後、TMAの流量を4μmol/minに変更して原料ガスを360秒間供給することにより、厚みが120nmのAl0.13Ga0.87Nの組成を有する正孔供給層を形成する。これらの正孔供給層によりp型半導体層31が形成される。このp型半導体層31のp型不純物濃度は、例えば3×1019/cm3程度である。
〈p型半導体層32の形成〉
更にその後、TMAの供給を停止すると共に、CP2Mgの流量を0.2μmol/minに変更して原料ガスを20秒間供給することにより、厚みが5nm程度で、p型不純物濃度が1×1020/cm3程度のp+GaNよりなるp型半導体層32を形成する。
更にその後、TMAの供給を停止すると共に、CP2Mgの流量を0.2μmol/minに変更して原料ガスを20秒間供給することにより、厚みが5nm程度で、p型不純物濃度が1×1020/cm3程度のp+GaNよりなるp型半導体層32を形成する。
このようにしてサファイア基板61上に、アンドープ層36、n型半導体層35、発光層33、p型半導体層31、及びp型半導体層32からなるエピ層40が形成される。
(ステップS2)
次に、ステップS1で得られたウェハに対して活性化処理を行う。より具体的には、RTA(Rapid Thermal Anneal:急速加熱)装置を用いて、窒素雰囲気下中650℃で15分間の活性化処理を行う。
次に、ステップS1で得られたウェハに対して活性化処理を行う。より具体的には、RTA(Rapid Thermal Anneal:急速加熱)装置を用いて、窒素雰囲気下中650℃で15分間の活性化処理を行う。
(ステップS3)
次に、図3Bに示すように、p型半導体層32の上面の所定箇所に反射電極19を構成する電極材料(第1導電層19a)を蒸着する。ここでは、p型半導体層32の形成領域よりも内側において、p型半導体層32のほぼ全域に反射電極19を形成する場合を示している。より具体的には、後の工程で給電端子としてのn側電極42を形成する領域の直下に位置する箇所を含むように反射電極19が形成されるよう、例えばスパッタ装置にてp型半導体層32の上面に膜厚0.7nmのNi及び膜厚130nmのAgを成膜することで、第1導電層19aを蒸着する。第1導電層19aの膜厚としては、50nm以上150nm以下とするのが好ましい。
次に、図3Bに示すように、p型半導体層32の上面の所定箇所に反射電極19を構成する電極材料(第1導電層19a)を蒸着する。ここでは、p型半導体層32の形成領域よりも内側において、p型半導体層32のほぼ全域に反射電極19を形成する場合を示している。より具体的には、後の工程で給電端子としてのn側電極42を形成する領域の直下に位置する箇所を含むように反射電極19が形成されるよう、例えばスパッタ装置にてp型半導体層32の上面に膜厚0.7nmのNi及び膜厚130nmのAgを成膜することで、第1導電層19aを蒸着する。第1導電層19aの膜厚としては、50nm以上150nm以下とするのが好ましい。
なお、ここでは第1導電層19aの材料としてNiとAgの合金を採用しているが、Alを含む材料を用いることもできる。
(ステップS4)
ステップS3において第1導電層19aを蒸着した後、アニール工程を行うことなく、引き続き、図3Cに示すように、第1導電層19aの上面全面に保護層18を構成する導電性材料(第2導電層)を蒸着する。一例として、膜厚20nmのNi、膜厚20nmのTi、及び膜厚30nmのPtを成膜することで、保護層18を形成する。保護層18の膜厚としては、20nm以上100nm以下とするのが好ましい。
ステップS3において第1導電層19aを蒸着した後、アニール工程を行うことなく、引き続き、図3Cに示すように、第1導電層19aの上面全面に保護層18を構成する導電性材料(第2導電層)を蒸着する。一例として、膜厚20nmのNi、膜厚20nmのTi、及び膜厚30nmのPtを成膜することで、保護層18を形成する。保護層18の膜厚としては、20nm以上100nm以下とするのが好ましい。
なお、保護層18を形成する第2導電層の材料として、第1導電層19aに接触する箇所には、Niの他にCu、Au、Mg等を用いることができ、最上面に形成する層としては、Ptの他にMo、W、Rh等を用いることができる。また、保護層18が第1導電層19aに対して十分な密着性を確保できている場合には、中間層としてのTiの形成を行わないものとすることもできる。
(ステップS5)
RTA装置等を用いてドライエア雰囲気中で450℃〜550℃、60秒〜300秒間のアニール処理を行い、第1導電層19aとp型半導体層(31,32)とのオーミック接触を形成させる。この工程により、第1導電層19aは反射電極19として機能する。
RTA装置等を用いてドライエア雰囲気中で450℃〜550℃、60秒〜300秒間のアニール処理を行い、第1導電層19aとp型半導体層(31,32)とのオーミック接触を形成させる。この工程により、第1導電層19aは反射電極19として機能する。
ステップS4において第1導電層19aの上面全面に保護層18を形成した状態で本ステップS5に係るアニール工程を行うことにより、保護層18がバリア層として機能し、反射電極19の上面へのボイドの形成を防止する効果が得られる。
(ステップS6)
次に、図3Dに示すように、保護層18の上層の所定箇所に絶縁層21を形成する。特に、後の工程でn側電極(42,43)を形成する領域の下方に位置する箇所に絶縁層21を形成する。このとき、図3Dに示すように、絶縁層21の一部が保護層18及び反射電極19の側面を覆うように形成することができる。
次に、図3Dに示すように、保護層18の上層の所定箇所に絶縁層21を形成する。特に、後の工程でn側電極(42,43)を形成する領域の下方に位置する箇所に絶縁層21を形成する。このとき、図3Dに示すように、絶縁層21の一部が保護層18及び反射電極19の側面を覆うように形成することができる。
より具体的には、絶縁層21の非形成領域に係る保護層18の上層をマスクしておき、例えばSiO2をスパッタリング法によって膜厚200nm程度成膜する。なお成膜する材料は絶縁性材料であればよく、例えばSiN、Al2O3でも良い。
(ステップS7)
図3Eに示すように、保護層18及び絶縁層21の上面を覆うようにハンダ拡散防止層17及びハンダ層15を形成する。
図3Eに示すように、保護層18及び絶縁層21の上面を覆うようにハンダ拡散防止層17及びハンダ層15を形成する。
より詳細には、電子線蒸着装置(EB装置)にて保護層18及び絶縁層21の上面を覆うように、膜厚100nmのTiと膜厚200nmのPtを3周期成膜することで、ハンダ拡散防止層17を形成する。更にその後、ハンダ拡散防止層17の上面(Pt表面)に、膜厚10nmのTiを蒸着させた後、Au80%Sn20%で構成されるAu−Snハンダを膜厚3μm蒸着させることで、ハンダ層15を形成する。
なお、このハンダ層15の形成ステップにおいて、サファイア基板61とは別に準備された支持基板11の上面にもハンダ層13を形成するものとして構わない(図3F参照)。このハンダ層13は、ハンダ層15と同一の材料で構成されるものとしてよく、次のステップにおいてハンダ層13と接合されることで、サファイア基板61と支持基板11が貼り合わせられる。この支持基板11としては、構造の項で前述したように、例えばCuWが用いられる。
更に、この図3Fにおいて、支持基板11上にハンダ層13の材料の拡散を防止するための保護層をハンダ拡散防止層17と同様の材料で形成し、この保護層の上層にハンダ層13を形成するものとしても構わない。
(ステップS8)
次に、図3Gに示すように、サファイア基板61と支持基板11とを貼り合わせる。一例としては、280℃の温度、0.2MPaの圧力下で、ハンダ層15と支持基板11の上層に形成されたハンダ層13とを貼り合わせる。
次に、図3Gに示すように、サファイア基板61と支持基板11とを貼り合わせる。一例としては、280℃の温度、0.2MPaの圧力下で、ハンダ層15と支持基板11の上層に形成されたハンダ層13とを貼り合わせる。
(ステップS9)
次に、図3Hに示すように、サファイア基板61を剥離する。より具体的には、サファイア基板61を上に、支持基板11を下に向けた状態で、サファイア基板61側からKrFエキシマレーザを照射して、サファイア基板61とエピ層40の界面を分解させることでサファイア基板61の剥離を行う。サファイア61はレーザが通過する一方、その下層のGaN(アンドープ層36)はレーザを吸収するため、この界面が高温化してGaNが分解される。これによってサファイア基板61が剥離される。
次に、図3Hに示すように、サファイア基板61を剥離する。より具体的には、サファイア基板61を上に、支持基板11を下に向けた状態で、サファイア基板61側からKrFエキシマレーザを照射して、サファイア基板61とエピ層40の界面を分解させることでサファイア基板61の剥離を行う。サファイア61はレーザが通過する一方、その下層のGaN(アンドープ層36)はレーザを吸収するため、この界面が高温化してGaNが分解される。これによってサファイア基板61が剥離される。
その後、図3Iに示すように、ウェハ上に残存しているGaN(アンドープ層36)を、塩酸等を用いたウェットエッチング、又はICP装置を用いたドライエッチングによって除去し、n型半導体層35を露出させる。なお、本ステップS9においてアンドープ層36が除去されて、p型半導体層32、p型半導体層31、発光層33、及びn型半導体層35が下からこの順に積層されてなる半導体層30が残存する。
(ステップS10)
次に、図3Jに示すように、隣接する素子同士を分離する。具体的には、隣接素子との境界領域に対し、ICP装置を用いて絶縁層21の上面が露出するまで半導体層30をエッチングする。上述したように、このとき絶縁層21はエッチング時のストッパーとしても機能する。
次に、図3Jに示すように、隣接する素子同士を分離する。具体的には、隣接素子との境界領域に対し、ICP装置を用いて絶縁層21の上面が露出するまで半導体層30をエッチングする。上述したように、このとき絶縁層21はエッチング時のストッパーとしても機能する。
(ステップS11)
次に、図3Kに示すように、n型半導体層35の上面のうち、絶縁層21が形成されている箇所の直上の位置にn側電極(42,43)を形成する。具体的には、膜厚100nmのCrと膜厚3μmのAuからなる電極を形成した後、窒素雰囲気中で250℃、1分間のシンタリングを行う。
次に、図3Kに示すように、n型半導体層35の上面のうち、絶縁層21が形成されている箇所の直上の位置にn側電極(42,43)を形成する。具体的には、膜厚100nmのCrと膜厚3μmのAuからなる電極を形成した後、窒素雰囲気中で250℃、1分間のシンタリングを行う。
そして、各素子同士を例えばレーザダイシング装置によって分離し、支持基板11の裏面を例えばAgペーストにてパッケージと接合し、給電端子としてのn側電極43に対してワイヤボンディングを行う。例えば、50gの荷重でΦ100μmのボンディング領域にAuからなるワイヤ45を連結させることで、ワイヤボンディングを行う。これにより、図1に示す窒化物半導体発光素子1が形成される。
なお、ステップS10とステップS11の間に、KOH等のアルカリ溶液を浸すことでn型半導体層35の表面に凹凸(メサ構造)を形成しても構わない。また、n型半導体層35の上面にn側電極(42,43)を形成した後、半導体層30の側面を覆うように絶縁層を形成しても構わない。
[第2実施形態]
本発明の半導体発光素子の第2実施形態の構成について説明する。なお、第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
本発明の半導体発光素子の第2実施形態の構成について説明する。なお、第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
図4は、第2実施形態の半導体発光素子の構成を模式的に示す断面図である。半導体発光素子1aは、第1実施形態の半導体発光素子1と比較して、絶縁層21がp型半導体層32と接触して形成されている点が異なる。より詳細には、プロセス時において、絶縁層21を、反射電極19及び保護層18よりも先に形成した点が異なる。
以下、図4に示す半導体発光素子1aの製造方法につき、第1実施形態と異なる箇所のみを説明する。
まず、第1実施形態と同様、ステップS1及びS2を実行して、サファイア基板61の上層にエピ層40を形成する。
(ステップS2A)
次に、図5Aに示すように、第1実施形態のステップS6と同様の方法で、後の工程でn側電極(42,43)を形成する領域の下方に位置する箇所に絶縁層21を形成する。
次に、図5Aに示すように、第1実施形態のステップS6と同様の方法で、後の工程でn側電極(42,43)を形成する領域の下方に位置する箇所に絶縁層21を形成する。
(ステップS2B)
次に、図5Bに示すように、ステップS3と同様の方法で反射電極19を構成する電極材料(第1導電層19a)を蒸着する。本実施形態では、絶縁層21及びp型半導体層32の上面を覆うように全面に第1導電層19aを蒸着させる。
次に、図5Bに示すように、ステップS3と同様の方法で反射電極19を構成する電極材料(第1導電層19a)を蒸着する。本実施形態では、絶縁層21及びp型半導体層32の上面を覆うように全面に第1導電層19aを蒸着させる。
(ステップS2C)
次に、図5Cに示すように、ステップS4と同様の方法で第1導電層19aの上面全面に保護層18を構成する導電性材料(第2導電層)を蒸着する。このときも第1実施形態と同様、ステップS2B実行後に、アニール工程を行うことなく本ステップを実行する。
次に、図5Cに示すように、ステップS4と同様の方法で第1導電層19aの上面全面に保護層18を構成する導電性材料(第2導電層)を蒸着する。このときも第1実施形態と同様、ステップS2B実行後に、アニール工程を行うことなく本ステップを実行する。
その後、ステップS5と同様にアニール処理を行い、第1導電層19aとp型半導体層(31,32)とのオーミック接触を形成させる。この工程により、第1導電層19aは反射電極19として機能する。以下は、第1実施形態と同様に、ステップS7〜S11を実行することで、図4に示す半導体発光素子1aが形成される。
本実施形態の構成においても、第1実施形態と同様、反射電極19を構成する第1導電層19aの蒸着後にはアニール工程を行わず、第1導電層19aの上面全面が保護層18に覆われた状態でアニール工程を行っているため、反射電極19の上面へのボイドの形成が防止され、高い反射率が確保される。
なお、図4に示す半導体発光素子1aによれば、発光層33から下向きに放射された光が反射電極19によって反射されて上向きに取り出されるに際し、この光は、反射電極19で反射される前と反射した後の2回にわたって、絶縁膜21内を通過することになる。このため、絶縁層21においてこの光の一部が吸収される点において、第1実施形態の構成よりは光取り出し効率が多少低下する。しかし、反射電極19の上面へのボイド形成が防止され、高い反射率が実現されているため、従来よりは光取り出し効率が向上する。
[別実施形態]
以下、別実施形態について説明する。
以下、別実施形態について説明する。
〈1〉 本発明は、上述した図1及び図4に示す構造に限られず、反射電極19を構成する導電性材料(第1導電層19a)を蒸着した後、アニール処理を行わずに第1導電層19aの上面を保護層18で覆ってから反射電極19と半導体層30(より詳細にはp型半導体層32)とのオーミックコンタクトを実現させるためのアニール処理を行って実現された半導体発光素子を対象とする。
図6は、別実施形態に係る半導体発光素子1bの構成の一例を模式的に示す断面図である。この構成は、反射電極19がn側電極(42,43)の直下の位置には形成されておらず、n側電極(42,43)の直下の位置には絶縁層21が形成されている。そして、この絶縁層21の底面には反射膜18が形成されている。
この半導体発光素子1bは、図12に示した従来の半導体発光素子90において、反射電極95(図6内における反射電極19に対応)を形成するに際し、この電極材料を蒸着した後に、アニール工程を行うことなく保護層18を形成してからアニール処理を行なったものである。
図6に示す半導体発光素子1bにおいても、反射電極19の上面にボイドが形成されるのを防止できているため、従来の半導体発光素子90よりも反射電極19における反射率が向上し、高い光取り出し効率が実現される。
〈2〉 上述した各実施形態に係る半導体発光素子(1,1a,1b)は、いずれも光取り出し面をn側とし、その反対側をp側として実現したものを想定していた。しかし、本発明は、n側とp側を完全に反転させた構成として実現しても構わない。
〈3〉 上述実施形態では、半導体発光素子(1,1a,1b)として、窒化物半導体からなる発光素子を採り上げて説明した。しかし、本発明の構成は、他の半導体からなる発光素子にも適用が可能である。
〈4〉 上述した各実施形態に係る半導体発光素子(1,1a,1b)では、発光層33内を流れる電流を水平方向に拡げる目的で、n側電極(42,43)の直下の位置に絶縁層21を設ける構成としている。しかし、本発明は必ずしもこの絶縁層21を設けなくても構わない。ただし、同一電流量における光取り出し効率を向上させる観点からは絶縁層21を設ける方が好ましい。
〈5〉 上述の各実施形態では、半導体発光素子が備えるn側電極(42,43)とp側電極を構成する反射電極19とが、半導体層30を挟むように鉛直方向に離間して配置された、いわゆる「縦型構造」を示す場合について説明した。しかし、本発明は、n側電極とp側電極が半導体層30に対して同方向に配置されてなる、いわゆる「横型構造」を示す場合に適用することも可能である。この場合は、サファイア基板61をリフトオフする工程(ステップS9)を有さず、半導体発光素子はサファイア基板61上に形成されることになる。
図7は、この別実施形態の窒化物半導体発光素子1cの概略断面図である。なお、第1実施形態と同一の材料については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。また、図7内における矢印は光の取り出し方向を示しており、図1に示す窒化物半導体発光素子1とは光取り出し方向が反対である。
この窒化物半導体発光素子1cは、サファイア基板61、半導体層30a、反射電極19,19b、保護層18、給電端子51、給電端子52を備える。半導体層30aは、p型半導体層31、p型半導体層32、発光層33、n型半導体層35、及びアンドープ層36を含んで構成される。なお、この実施形態では、p型半導体層32の上面に形成される反射電極19と区別するために、n型半導体層35の上面に形成される反射電極を「反射電極19b」と称しているが、両者は同一の材料で構成されるものとしても構わない。
この構成においても、上述した各実施形態と同様に、反射電極19,19bを構成する金属材料(第1導電層)を蒸着した後、アニール処理を行うことなく保護層18を形成し、その後にアニール処理を行うことで、反射電極19,19bの表面へのボイドの形成が防止される。
以下、図7に示す窒化物半導体発光素子1cの製造方法について、第1実施形態と異なる箇所のみを説明する。
まず第1実施形態と同様に、ステップS1及びステップS2を実行する。
(ステップS12)
ステップS2の後(図3A参照)、図8Aに示すように、n型半導体層35の一部上面が露出するまで、p型半導体層32、p型半導体層31、及び発光層33を、ICP装置を用いたドライエッチングによって除去する。なお、本ステップにおいて、n型半導体層35についても一部エッチング除去しても構わない。
ステップS2の後(図3A参照)、図8Aに示すように、n型半導体層35の一部上面が露出するまで、p型半導体層32、p型半導体層31、及び発光層33を、ICP装置を用いたドライエッチングによって除去する。なお、本ステップにおいて、n型半導体層35についても一部エッチング除去しても構わない。
(ステップS13)
図8Bに示すように、p型半導体層32の上面、及び露出したn型半導体層35の上面に、第1実施形態と同様の電極材料(第1導電層19a)を蒸着する。
図8Bに示すように、p型半導体層32の上面、及び露出したn型半導体層35の上面に、第1実施形態と同様の電極材料(第1導電層19a)を蒸着する。
(ステップS14)
次に、ステップS13において第1導電層19aを蒸着後、アニール工程を行うことなく、引き続き、保護層18を構成する導電性材料(第2導電層)を蒸着する。この保護層18の材料も第1実施形態と同様の材料を用いることができる。
次に、ステップS13において第1導電層19aを蒸着後、アニール工程を行うことなく、引き続き、保護層18を構成する導電性材料(第2導電層)を蒸着する。この保護層18の材料も第1実施形態と同様の材料を用いることができる。
(ステップS15)
第1実施形態のステップS5と同様に、RTA装置等を用いてドライエア雰囲気中で450℃〜550℃、60秒〜300秒間のアニール処理を行い、第1導電層19aとp型半導体層(31,32)、並びに第1導電層19aとn型半導体層35とのオーミック接触を形成させる。この工程により、第1導電層19aは反射電極19,反射電極19bとして機能する(図8C参照)。この実施形態においても、ステップS14において第1導電層19aの上面全面に保護層18を形成した状態で本ステップS15に係るアニール工程が行われるため、保護層18がバリア層として機能し、反射電極19,反射電極19bの上面へのボイドの形成を防止する効果が得られる。
第1実施形態のステップS5と同様に、RTA装置等を用いてドライエア雰囲気中で450℃〜550℃、60秒〜300秒間のアニール処理を行い、第1導電層19aとp型半導体層(31,32)、並びに第1導電層19aとn型半導体層35とのオーミック接触を形成させる。この工程により、第1導電層19aは反射電極19,反射電極19bとして機能する(図8C参照)。この実施形態においても、ステップS14において第1導電層19aの上面全面に保護層18を形成した状態で本ステップS15に係るアニール工程が行われるため、保護層18がバリア層として機能し、反射電極19,反射電極19bの上面へのボイドの形成を防止する効果が得られる。
(ステップS16)
その後、反射電極19b側の保護層18の上面に給電端子51を、反射電極19側の保護層18の上面に給電端子52をそれぞれ形成する。より具体的には、給電端子51,52を形成する導電材料膜(例えば膜厚100nmのCrと膜厚3μmのAuからなる材料膜)を全面に形成後、リフトオフによって給電端子51,52を形成する。その後、窒素雰囲気中で250℃1分間のシンタリングを行う。
その後、反射電極19b側の保護層18の上面に給電端子51を、反射電極19側の保護層18の上面に給電端子52をそれぞれ形成する。より具体的には、給電端子51,52を形成する導電材料膜(例えば膜厚100nmのCrと膜厚3μmのAuからなる材料膜)を全面に形成後、リフトオフによって給電端子51,52を形成する。その後、窒素雰囲気中で250℃1分間のシンタリングを行う。
そして、ボンディング電極53を介して基板55と給電端子51を接続し、ボンディング電極54を介して基板55と給電端子52を接続することで、図7に示した窒化物半導体発光素子1cが形成される。
[実施例]
実施例及び比較例の各素子に対し、電流電圧特性と発光特性を対比した。
実施例及び比較例の各素子に対し、電流電圧特性と発光特性を対比した。
(実施例1)
上述した方法によって製造された第1実施形態の半導体発光素子1(図1)を実施例1とした。なお、膜厚1nmのNiと膜厚130nmのAgで反射電極19を形成し、膜厚20nmのNi、膜厚20nmのTi、及び膜厚30nmのPtにて保護層18を形成した。
上述した方法によって製造された第1実施形態の半導体発光素子1(図1)を実施例1とした。なお、膜厚1nmのNiと膜厚130nmのAgで反射電極19を形成し、膜厚20nmのNi、膜厚20nmのTi、及び膜厚30nmのPtにて保護層18を形成した。
(実施例2)
上述した方法によって製造された第2実施形態の半導体発光素子1a(図4)を実施例2とした。反射電極19及び保護層18の構成は、実施例1と共通とした。
上述した方法によって製造された第2実施形態の半導体発光素子1a(図4)を実施例2とした。反射電極19及び保護層18の構成は、実施例1と共通とした。
(実施例3)
上述した方法によって製造された別実施形態の半導体発光素子1b(図6)を実施例3とした。反射電極19及び保護層18の構成は、実施例1と共通とした。
上述した方法によって製造された別実施形態の半導体発光素子1b(図6)を実施例3とした。反射電極19及び保護層18の構成は、実施例1と共通とした。
(比較例1)
実施例1の素子1に対し、保護層18を設けない構成とした(図9A参照)。すなわち、比較例1の素子2においては、反射電極19を構成する導電性材料を蒸着後、保護層18を形成することなくアニール処理を行なって反射電極19を形成した。比較例1の素子2が備える導電層20aは、ハンダ層(13,15)、ハンダ拡散防止層17、及び反射電極19によって構成される。
実施例1の素子1に対し、保護層18を設けない構成とした(図9A参照)。すなわち、比較例1の素子2においては、反射電極19を構成する導電性材料を蒸着後、保護層18を形成することなくアニール処理を行なって反射電極19を形成した。比較例1の素子2が備える導電層20aは、ハンダ層(13,15)、ハンダ拡散防止層17、及び反射電極19によって構成される。
(比較例2)
実施例2の素子1aに対し、保護層18を設けない構成とした(図9B参照)。すなわち、比較例2の素子2aにおいては、反射電極19を構成する導電性材料を蒸着後、保護層18を形成することなくアニール処理を行なって反射電極19を形成した。比較例2の素子2aが備える導電層20aは、ハンダ層(13,15)、ハンダ拡散防止層17、及び反射電極19によって構成される。
実施例2の素子1aに対し、保護層18を設けない構成とした(図9B参照)。すなわち、比較例2の素子2aにおいては、反射電極19を構成する導電性材料を蒸着後、保護層18を形成することなくアニール処理を行なって反射電極19を形成した。比較例2の素子2aが備える導電層20aは、ハンダ層(13,15)、ハンダ拡散防止層17、及び反射電極19によって構成される。
(比較例3)
実施例3の素子1bに対し、保護層18を設けない構成とした(図9C参照)。すなわち、比較例3の素子2bにおいては、反射電極19を構成する導電性材料を蒸着後、保護層18を形成することなくアニール処理を行なって反射電極19を形成した。比較例3の素子2bが備える導電層20aは、ハンダ層(13,15)、ハンダ拡散防止層17、及び反射電極19によって構成される。なお、反射膜93も導電層で構成される。
実施例3の素子1bに対し、保護層18を設けない構成とした(図9C参照)。すなわち、比較例3の素子2bにおいては、反射電極19を構成する導電性材料を蒸着後、保護層18を形成することなくアニール処理を行なって反射電極19を形成した。比較例3の素子2bが備える導電層20aは、ハンダ層(13,15)、ハンダ拡散防止層17、及び反射電極19によって構成される。なお、反射膜93も導電層で構成される。
図10は、実施例の各素子(1,1a,1b)及び比較例の各素子(2,2a,2b)に対して電圧を印加したときの、流れる電流値と電圧値の関係(I−V特性)を示すグラフである。実施例の各素子と比較例の各素子を対比すると、同一の電流値を流すのに必要な電圧値はほぼ同等であり、比較例の構成と同等の低電圧駆動が実現できていることが分かる。
図11は、実施例の各素子(1,1a,1b)及び比較例の各素子(2,2a,2b)に対して電流を供給したときに得られる発光出力と電流値の関係を示すグラフである。比較例1と実施例1、比較例2と実施例2、及び比較例3と実施例3をそれぞれ対比すると、図11によれば、保護層18を形成した各実施例の方が、いずれも対応する比較例より発光出力が向上していることが分かる。
この結果より、反射電極19を構成する電極材料を蒸着後、保護層18を形成してからアニール処理を行った実施例の方が、反射電極19の上面へのボイドの形成が防止され、反射率が向上したことに伴って光取り出し効率が向上していることが分かる。
また、実施例2と実施例1を比べると、実施例1の方が光取り出し効率が高い。これにより、反射電極19の上層に絶縁層を設けない構成としたことで、絶縁層内での一部の光の吸収がなくなり光の取り出し効率が更に向上していることが分かる。
1 : 第1実施形態の半導体発光素子
1a : 第2実施形態の半導体発光素子
1b : 別実施形態の半導体発光素子
1c : 別実施形態の半導体発光素子
2 : 比較例1の半導体発光素子
2a : 比較例2の半導体発光素子
2b : 比較例3の半導体発光素子
11 : 支持基板
13 : ハンダ層
15 : ハンダ層
17 : ハンダ拡散防止層
18 : 保護層
19 : 反射電極
19a : 第1導電層
19b : 反射電極
20 : 導電層
21 : 絶縁層
30,30a : 半導体層
31 : p型半導体層
32 : p型半導体層
33 : 発光層
35 : n型半導体層
36 : アンドープ層
40 : エピ層
42 : n側電極
43 : n側電極(給電端子)
45 : ワイヤ
51 : 給電端子
52 : 給電端子
53 : ボンディング電極
55 : 基板
90 : 従来の半導体発光素子
91 : 支持基板
92 : 導電層
93 : 反射膜
94 : 絶縁層
95 : 反射電極
96 : p型半導体層
97 : 発光層
98 : n型半導体層
99 : 半導体層
100 : n側電極
101 : ボイド
1a : 第2実施形態の半導体発光素子
1b : 別実施形態の半導体発光素子
1c : 別実施形態の半導体発光素子
2 : 比較例1の半導体発光素子
2a : 比較例2の半導体発光素子
2b : 比較例3の半導体発光素子
11 : 支持基板
13 : ハンダ層
15 : ハンダ層
17 : ハンダ拡散防止層
18 : 保護層
19 : 反射電極
19a : 第1導電層
19b : 反射電極
20 : 導電層
21 : 絶縁層
30,30a : 半導体層
31 : p型半導体層
32 : p型半導体層
33 : 発光層
35 : n型半導体層
36 : アンドープ層
40 : エピ層
42 : n側電極
43 : n側電極(給電端子)
45 : ワイヤ
51 : 給電端子
52 : 給電端子
53 : ボンディング電極
55 : 基板
90 : 従来の半導体発光素子
91 : 支持基板
92 : 導電層
93 : 反射膜
94 : 絶縁層
95 : 反射電極
96 : p型半導体層
97 : 発光層
98 : n型半導体層
99 : 半導体層
100 : n側電極
101 : ボイド
Claims (11)
- n型又はp型の第1半導体層と、前記第1半導体層と導電型の異なる第2半導体層と、前記第1半導体層及び前記第2半導体層の間に形成された発光層とを有する半導体発光素子の製造方法であって、
基板を準備する工程(a)、
基板上に、前記第1半導体層、前記発光層及び前記第2半導体層を下から順に形成する工程(b)、
前記第2半導体層の上層に、反射電極を構成する第1導電層を蒸着する工程(c)、
前記工程(c)の後に、アニール工程を行わずに、前記第1導電層の上面全面に、保護層を構成する第2導電層を蒸着する工程(d)、
及び前記工程(d)の後に、前記第1導電層と前記第2半導体層の間でオーミック接触が形成される温度でアニールする工程(e)を有することを特徴とする半導体発光素子の製造方法。 - 前記工程(e)が、450℃以上550℃以下の温度でアニールする工程であることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子の製造方法。
- 前記第1導電層が、Ag又はAlの少なくとも一方を含む材料で構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体発光素子の製造方法。
- 前記第1導電層が、150nm以下の厚みで構成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体発光素子の製造方法。
- 前記第1半導体層、前記第2半導体層、及び前記発光層の全てが窒化物半導体層で形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体発光素子の製造方法。
- 基板上に、n型又はp型の第1半導体層と、前記第1半導体層と導電型の異なる第2半導体層と、前記第1半導体層及び前記第2半導体層の間に形成された発光層とを有する半導体発光素子であって、
少なくとも前記第1半導体層及び前記第2半導体層のいずれか一方に接触して形成された反射電極と、
全面を前記反射電極に接触して形成された、前記反射電極とは異なる導電性材料からなる保護層とを備えたことを特徴とする半導体発光素子。 - 前記反射電極は、前記第1半導体層よりも前記基板に近い位置に形成されている前記第2半導体層の底面に、上面を接触して形成され、
前記保護層は、上面の全面を前記反射電極の底面に接触して形成されたことを特徴とする請求項6に記載の半導体発光素子。 - 上面を前記第1半導体層の底面に接触して形成された第1電極と、
前記第1電極の形成箇所の直下の位置において、上面を前記保護層の底面に接触して形成された絶縁層とを備えたことを特徴とする請求項7に記載の半導体発光素子。 - 前記反射電極が、Ag又はAlの少なくとも一方を含む材料で構成されていることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
- 前記反射電極が、150nm以下の厚みで構成されることを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
- 前記第1半導体層、前記第2半導体層、及び前記発光層の全てが窒化物半導体層で形成されていることを特徴とする請求項6〜10のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2016158093A1 (ja) * | 2015-03-31 | 2016-10-06 | ウシオ電機株式会社 | 窒化物半導体発光素子 |
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2013
- 2013-09-03 JP JP2013182308A patent/JP2015050381A/ja active Pending
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