JP2014236922A - X線ct装置、医用画像診断装置及びファントム - Google Patents
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Abstract
【課題】ファントムを用いた試験を容易に行なうこと。【解決手段】実施形態のX線CT装置は、ファントム群と、制御部と、解析部とを備える。ファントム群の個々のファントムは、ファントム本体と、当該ファントム本体の種類に対応する撮影条件及び使用目的を含むファントム情報を記憶し、当該ファントム情報を外部装置に送出可能な記憶媒体とを有する。制御部は、前記ファントム群から選択された選択ファントムが有する記憶媒体から、当該選択ファントムのファントム情報を取得し、取得したファントム情報に含まれる撮影条件を用いて前記選択ファントムの撮影を実行させる。解析部は、前記制御部の制御に基づいて実行された撮影により収集されたX線CT画像データに対して、前記選択ファントムのファントム情報に含まれる使用目的に応じた解析を行なう。【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、X線CT装置、医用画像診断装置及びファントムに関する。
従来、X線CT(Computed Tomography)装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置等の医用画像診断装置の定期点検や日常点検では、ファントム撮影で得られた画像を用いた画質確認や、測定を行う機会が少なくない。かかる点検では、通常、操作者は、試験に応じて必要なファントムを選択し、選択したファントムを固定具にセットして位置決めを行なう。
そして、操作者は、選択したファントムで行なわれる試験項目に応じた撮影プロトコル(撮影条件)を設定したうえで、ファントム撮影を行なう。そして、操作者は、画像を用いた画質確認や測定を行なう。これにより、操作者は、医用画像診断装置の性能評価や、評価結果に基づく校正等を行なう。しかし、操作者にとって、ファントムの位置決めや、撮影条件の設定等の作業は、煩雑である。特に、日常的な点検を行なう際には、かかる作業は、操作者にとって負担が大きい。
本発明が解決しようとする課題は、ファントムを用いた試験を容易に行なうことができるX線CT装置、医用画像診断装置及びファントムを提供することである。
実施形態のX線CT装置は、ファントム群と、制御部と、解析部とを備える。ファントム群の個々のファントムは、ファントム本体と、当該ファントム本体の種類に対応する撮影条件及び使用目的を含むファントム情報を記憶し、当該ファントム情報を外部装置に送出可能な記憶媒体とを有する。制御部は、前記ファントム群から選択された選択ファントムが有する記憶媒体から、当該選択ファントムのファントム情報を取得し、取得したファントム情報に含まれる撮影条件を用いて前記選択ファントムの撮影を実行させる。解析部は、前記制御部の制御に基づいて実行された撮影により収集されたX線CT画像データに対して、前記選択ファントムのファントム情報に含まれる使用目的に応じた解析を行なう。
以下、添付図面を参照して、X線CT(CT:Computed Tomography)装置の実施形態を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態に係るX線CT装置の構成について説明する。図1は、第1の実施形態に係るX線CT装置の構成例を示す図である。図1に示すように、第1の実施形態に係るX線CT装置は、架台装置10と、寝台装置20と、コンソール装置30とを有する。
まず、第1の実施形態に係るX線CT装置の構成について説明する。図1は、第1の実施形態に係るX線CT装置の構成例を示す図である。図1に示すように、第1の実施形態に係るX線CT装置は、架台装置10と、寝台装置20と、コンソール装置30とを有する。
架台装置10は、被検体PにX線を照射し、被検体Pを透過したX線を検出したデータを収集する装置であり、X線照射制御部11と、X線発生装置12と、検出器13と、収集部14と、回転フレーム15と、架台駆動部16とを有する。
回転フレーム15は、X線発生装置12と検出器13とを被検体Pを挟んで対向支持し、後述する架台駆動部16によって被検体Pを中心した円軌道にて高速に回転する円環状のフレームである。
X線発生装置12は、X線を発生し、発生したX線を被検体Pへ照射する装置であり、X線管12aと、ウェッジ12bと、コリメータ12cとを有する。
X線管12aは、後述するX線照射制御部11により供給される高電圧により被検体PにX線ビームを発生する真空管である。X線管12aは、回転フレーム15の回転にともない、X線ビームを被検体Pに対して照射する。X線管12aは、ファン角及びコーン角を持って広がるX線ビームを発生する。
ウェッジ12bは、X線管12aから照射されたX線のX線量を調節するためのX線フィルタである。コリメータ12cは、後述するX線照射制御部11の制御により、ウェッジ12bによってX線量が調節されたX線の照射範囲を絞り込むためのスリットである。
X線照射制御部11は、高電圧発生部として、X線管12aに高電圧を供給する装置であり、X線管12aは、X線照射制御部11から供給される高電圧を用いてX線を発生する。X線照射制御部11は、X線管12aに供給する管電圧や管電流を調整することで、被検体Pに対して照射されるX線量を調整する。また、X線照射制御部11は、コリメータ12cの開口度を調整することにより、X線の照射範囲(ファン角やコーン角)を調整する。
架台駆動部16は、回転フレーム15を回転駆動させることによって、被検体Pを中心とした円軌道上でX線発生装置12と検出器13とを旋回させる。
検出器13は、X線管12aから照射され被検体Pを透過したX線を検出する。例えば、検出器13は、X線発生装置12から照射され被検体Pを透過したX線の強度分布を示すX線強度分布データを検出する2次元アレイ型検出器(面検出器)である。検出器13には、チャンネル方向(図1に示すY軸方向)に配列された複数のX線検出素子(検出素子列)が、被検体Pの体軸方向(図1に示すZ軸方向)に沿って複数列配列される。
収集部14は、DAS(data acquisition system)であり、検出器13により検出されたX線強度分布データに対して、増幅処理やA/D変換処理等を行なってX線検出データを生成し、生成したX線検出データを後述するコンソール装置30に送信する。
寝台装置20は、被検体Pを載せる装置であり、天板22と、寝台駆動装置21とを有する。天板22は、被検体Pが載置される板である。寝台駆動装置21は、後述するスキャン制御部33の制御のもと、天板22をZ軸方向へ移動することにより、被検体Pを回転フレーム15内(撮影空間内)に移動させる。
架台装置10は、例えば、天板22を移動させながら回転フレーム15を回転させて被検体Pをらせん状にスキャンするヘリカルスキャンを実行する。又は、架台装置10は、天板22を移動させた後に被検体Pの位置を固定したままで回転フレーム15を回転させて被検体Pを円軌道にてスキャンするコンベンショナルスキャンを実行する。又は、架台装置10は、天板22の位置を一定間隔で移動させてコンベンショナルスキャンを複数のスキャンエリアで行なうステップアンドシュート方式を実行する。なお、X線CT装置は、後述するスキャン制御部33以外に、寝台駆動装置21を制御するための制御装置(図示せず)を、寝台装置20の近傍に有している。操作者は、かかる制御装置を操作することで、撮影前や撮影中に、天板22を移動させることが可能である。
そして、第1の実施形態に係る架台装置10には、図1に示すように、リーダー40が取り付けられる。リーダー40は、例えば、架台装置10の表面に取り付けられる。リーダー40は、IC(Integrated Circuit)タグから送出された情報を読み取る装置である。リーダー40は、例えば、ICカードリーダーである。ICタグは、種々の情報を記憶し、記憶する情報を外部装置に送出可能な記憶媒体である。第1の実施形態に係るリーダー40は、ICタグから読み取った情報を、後述する制御部39に無線通信により送信する。なお、ICタグ及びリーダー40については、後に詳述する。
コンソール装置30は、操作者によるX線CT装置の操作を受け付けるとともに、架台装置10によって収集されたX線検出データからX線CT画像データを再構成する装置であり、入力装置31と、表示装置32と、スキャン制御部33と、前処理部34と、投影データ記憶部35と、画像再構成部36と、画像記憶部37と、解析部38と、制御部39とを有する。
入力装置31は、X線CT装置の操作者が各種指示や各種設定の入力に用いるマウスやキーボード、ボタン、フットスイッチ等を有し、操作者から受け付けた指示や設定の情報を、制御部39に転送する。例えば、入力装置31は、操作者から、撮影条件を受け付ける。撮影条件には、架台装置10がX線検出データを収集するための各種条件(管電圧、管電流、スライス厚、撮影時間等)や、コンソール装置30がX線CT画像データを収集するための各種条件(画像再構成に用いられるアルゴリズムや関数等)が含まれる。
表示装置32は、操作者が参照するモニタであり、制御部39による制御のもと、X線CT画像データを操作者に表示したり、入力装置31を介して操作者から各種指示や各種設定等を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)を表示したりする。例えば、表示装置32は、操作者が撮影条件を入力し、撮影の開始並びに終了を指示するためのGUIを表示する。また、例えば、表示装置32は、ファントム撮影により再構成されたX線CT画像データや、当該X線CT画像データを用いて後述する解析部38が行なった解析結果等を表示する。
スキャン制御部33は、後述する制御部39の制御のもと、X線照射制御部11、架台駆動部16、収集部14及び寝台駆動装置21の動作を制御することで、架台装置10におけるX線検出データの収集処理を制御する。
前処理部34は、収集部14によって生成されたX線検出データに対して、対数変換処理と、オフセット補正、感度補正及びビームハードニング補正等の補正処理とを行なって、投影データを生成する。
投影データ記憶部35は、前処理部34により生成された投影データを記憶する。画像再構成部36は、投影データ記憶部35が記憶する投影データを用いてX線CT画像データを再構成する。再構成方法としては、種々の方法があり、例えば、逆投影処理が挙げられる。また、逆投影処理としては、例えば、FBP(Filtered Back Projection)法による逆投影処理が挙げられる。或いは、画像再構成部36は、逐次近似法を用いて、X線CT画像データを再構成しても良い。
また、画像再構成部36は、X線CT画像データに対して各種画像処理を行なうことで、様々な画像データを生成可能である。画像再構成部36は、再構成したX線CT画像データや、各種画像処理により生成した画像データを画像記憶部37に格納する。
解析部38は、画像記憶部37から読み出したX線CT画像データに対して、各種の解析処理を行なう処理部である。具体的には、解析部38は、ファントム撮影により再構成されたX線CT画像データの解析処理を行なう。なお、第1の実施形態に係る解析部38については、後に詳述する。
制御部39は、架台装置10、寝台装置20及びコンソール装置30の動作を制御することによって、X線CT装置の全体制御を行う。具体的には、制御部39は、スキャン制御部33を制御することで、架台装置10で行なわれるCTスキャンを制御する。また、制御部39は、前処理部34や、画像再構成部36を制御することで、コンソール装置30における画像再構成処理や画像生成処理を制御する。また、制御部39は、画像記憶部37が記憶する各種画像データを、表示装置32に表示するように制御する。
以上、第1の実施形態に係るX線CT装置の全体構成について説明した。ここで、第1の実施形態に係るX線CT装置は、ファントム撮影を行なう。以下、従来のファントム撮影について説明した後、第1の実施形態に係るX線CT装置で行なわれるファントム撮影について詳細に説明する。
従来、X線CT装置の定期点検や日常点検では、ファントム撮影で得られた画像を用いた画質確認や、測定が行なわれている。かかる点検では、通常、操作者は、試験に応じて必要なファントムを選択し、選択したファントム(以下、選択ファントム)を固定具にセットして位置決めを行なう。そして、操作者は、選択ファントムで行なわれる試験項目(使用目的)に応じた撮影プロトコル(撮影条件)を設定したうえで、ファントム撮影を行なう。そして、操作者は、収集されたX線CT画像データを用いた画質確認や測定を行なう。これにより、操作者は、X線CT装置の性能評価や、評価結果に基づくX線CT装置の校正等を行なう。
ここで、ファントム撮影で行なわれる試験項目としては、例えば、水ファントムの撮影で収集された画像を用いた「ノイズ(空間均一性)」の測定や、水領域のCT値と空気領域のCT値との比較で行なわれる「コントラストスケール(CT値の線形性)」の測定がある。また、CT値の線形性の測定には、例えば、CT値が異なる複数の物質(樹脂等)が等間隔で埋め込まれたファントムが用いられる場合もある。また、ファントム撮影で行なわれる試験項目としては、例えば、異なる幅のアクリ板が等間隔で挿入された水ファントムの撮影で収集された画像を用いた「空間分解能」の測定がある。
また、ファントム撮影で行なわれる試験項目としては、例えば、アクリル樹脂の円盤に、異なる直径の複数の穴が開けられたファントムの撮影で収集された画像を用いた「コントラスト分解能」の測定がある。これらの穴には、例えば、空気が充填される。また、コントラスト分解能の測定を行なう際には、穴の直径が数ミリメートル以下のファントムを用いて「高コントラスト分解能」の測定を行なう場合や、穴の直径が数ミリメートルから数十ミリメートルのファントムを用いて「低コントラスト分解能」の測定を行なう場合がある。
また、スライス厚は、コリメータ12cの開口度により決定されるが、スライス厚を決定する他の因子としては、X線発生装置12から照射されるX線の焦点サイズが挙げられる。このため、例えば、水ファントムに棒状のアルミニウム板をスライス面に対して斜めに挿入したファントムの撮影で収集された画像からアルミニウムに対応する領域の幅を測定して、実際に撮影されている「スライス厚」を測定することが行なわれている。また、ファントム撮影で行なわれる試験項目としては、例えば、アクリル樹脂の円盤に鉛ビーズが埋め込まれたファントムの撮影で収集された画像を用いた、「スライス感度分布」の測定がある。
操作者は、上述した様々なファントムを用いて、X線CT装置の点検を行なう。従来、操作者は、選択ファントムを天板22に設置した固定具に固定し、撮影空間内に選択ファントムを移動させる。例えば、操作者は、選択ファントムの中心が撮影空間の中心となる位置まで、天板22を移動させる。そして、操作者は、選択ファントムの仕様書等を参照して、選択ファントムで推奨されている撮影条件を入力し、ファントム撮影を開始する。そして、操作者は、X線CT画像データを参照して、選択ファントムの使用目的に応じた解析を行なう。具体的には、操作者は、選択ファントムの使用目的に応じた解析を行なうように、解析部38に指示を行なう。
例えば、操作者は、ファントム撮影で収集されたX線CT画像データに、測定用の関心領域を設定する。X線CT画像データにおける関心領域の位置は、撮影されたファントムの仕様により定まる位置である。そして、操作者は、撮影ファントムの使用目的に応じた解析方法を指定して、設定した関心領域を用いた解析処理を解析部38に実行させる。
しかし、操作者にとって、ファントムの位置決めや、撮影条件の設定等の作業は、煩雑である。特に、日常的な点検を行なう際には、かかる作業は、操作者にとって負担が大きい。
また、試験項目(使用目的)によっては、撮影条件(例えば、管電流)が異なると、X線CT装置が実現可能な性能が異なる場合がある。かかる場合、ファントムは、1つの試験項目(使用目的)に対して、複数の撮影条件で撮影される必要がある。
また、1つの撮影条件で、複数の試験項目の試験を行なうことができるファントムがある。例えば、スライス厚とCT値の線形性とを同時に測定可能なファントムがある。かかるファントムは、複数の試験項目(複数の使用目的)に対して、1つの撮影条件で撮影される必要がある。更に、操作者は、かかるファントムの撮影で収集された画像を用いて、複数種類の解析を行なう必要がある。
また、複数の試験項目の試験を行なうことができるファントムには、各試験項目で1つの撮影条件で撮影される必要があるファントムがある。かかるファントムは、試験項目数分の複数の撮影条件で撮影される必要があり、更に、操作者は、複数の撮影条件それぞれで撮影された複数の画像それぞれを用いて、該当する解析を行なう必要がある。
更に、複数の試験項目の試験を行なうことができるファントムには、各試験項目で異なる複数の撮影条件で撮影される必要があるファントムがある。かかるファントムは、全ての撮影条件で撮影される必要があり、更に、操作者は、全ての撮影条件で撮影された複数の画像それぞれを用いて、該当する解析を行なう必要がある。
このように、撮影条件と使用目的との組み合わせが複数あるファントムを用いる場合では、撮影条件と使用目的との組み合わせが1つのファントムを用いる場合より、操作者の負担が更に増大する。
また、複数種の試験用モジュールを組み合わせた1つファントムを用いて複数項目の試験を実施する場合がある。例えば、空間均一性測定用のモジュールと、CT値の線形性測定用のモジュールと、空間分解能測定用のモジュールと、スライス厚測定用のモジュールとを組み合わせたファントムがある。
かかる場合、試験を効率的に行なうためには、撮影条件や撮影位置を含めた複数の撮影条件の設定を一連の撮影プロトコルとして設定して、ファントム撮影を行なうことが望ましい。しかし、このような撮影プロトコルの設定は、複雑な作業となるため、従来、操作者は、複数モジュールを組み合わせたファントムを用いた点検を、試験用モジュールごとの個別の試験として実施していた。
このように、従来のファントムを用いた試験では、操作者の負担が大きい。そこで、第1の実施形態に係るX線CT装置は、ファントムを用いた試験を容易に行なうため、以下に説明するファントム群を用いた制御部39の制御が行なわれる。
まず、第1の実施形態では、以下に説明するファントム群が用いられる。すなわち、第1の実施形態に係るファントム群を構成する個々のファントムは、ファントム本体と、記憶媒体とを有する。かかる記憶媒体は、ファントム本体の種類に対応する撮影条件及び使用目的を含むファントム情報を記憶し、当該ファントム情報を外部装置に送出可能である。また、ファントム群の各ファントムが有する記憶媒体は、ファントム情報として、更に、自装置を有するファントムの撮影時の位置に関する位置情報を記憶する。ここで、上記の記憶媒体は、上述したICタグである。リーダー40は、自装置を中心とする受信可能範囲まで運ばれたファントムのICタグから、当該ICタグが記憶するファントム情報を受信し、受信したICタグを制御部39に送信する。図2は、第1の実施形態に係るファントム撮影の概要を示す図である。
操作者は、図2に例示するように、上記のファントム群から選択した選択ファントムを、寝台装置20に運ぶ。架台装置10に取り付けられたリーダー40は、図2に例示するように、選択ファントムのファントム本体に取り付けられたICタグからファントム情報を受信し、受信したファントム情報を、制御部39に送信する。
制御部39は、リーダー40を介して、ファントム群から選択された選択ファントムが有する記憶媒体(ICタグ)から、当該選択ファントムのファントム情報を取得する。そして、制御部39は、取得したファントム情報に含まれる撮影条件を用いて選択ファントムの撮影を実行させる。ここで、制御部39は、選択ファントムが有する記憶媒体(ICタグ)から取得したファントム情報に含まれる位置情報に基づいて、選択ファントムを撮影空間に移動させた後、撮影を実行させる。すなわち、コンソール装置30(制御部39及びスキャン制御部33)は、図2に例示するように、ファントム情報に基づいた撮影開始指示を架台装置10及び寝台装置20に送信する。これにより、X線CT装置は、選択ファントムのファントム情報に基づいたファントム撮影を実行する。
そして、解析部38は、制御部39の制御に基づいて実行された撮影により収集されたX線CT画像データに対して、選択ファントムのファントム情報に含まれる使用目的に応じた解析を行なう。
このように、第1の実施形態では、制御部39は、選択ファントムの撮影前に、リーダー40から受信した選択ファントムのファントム情報に基づいて、架台装置10、寝台装置20及びコンソール装置30の動作を制御することによって、ファントム撮影及びファントム撮影で収集されたX線CT画像データの解析処理を自動的に実行させる。なお、リーダー40は、寝台装置20に置かれた選択ファントムのファントム情報のみが制御部39に送信されるのであれば、架台装置10の他、寝台装置20や、寝台装置20に隣接した位置等、任意の場所に取り付けることが可能である。また、ファントム情報の送受信は、上述したように、非接触型の通信で行なわれる場合であっても、接触型の通信で行なわれる場合であっても良い。
上述した制御部39が行なう制御処理の具体例について、図3〜図7を用いて以下説明する。図3は、第1の実施形態に係るファントム群の一例を示す図である。
例えば、第1の実施形態に係るファントム群は、図3に示すように、ファントム100、ファントム101、ファントム102、ファントム103及びファントム104等を含む。なお、第1の実施形態に係るファントム群は、図3に例示する5つのファントム以外にも、多数のファントムを有する。
図3に示すファントム100は、ファントム本体100a及びICタグ100bを有する。ICタグ100bは、図3に示すように、ファントム本体100aのファントム情報として、「撮影条件:S100、使用目的:U100、位置情報:D100」を記憶する。ファントム本体100aは、例えば、空間均一性測定用のファントムである。
また、図3に示すファントム101は、ファントム本体101a及びICタグ101bを有する。ICタグ101bは、図3に示すように、ファントム本体101aのファントム情報として、「撮影条件:S101、使用目的:U101、位置情報:D101」を記憶する。ファントム本体101aは、例えば、空間分解能測定用のファントムである。
図3に例示するファントム100やファントム101を用いた撮影では、1つの撮影条件により収集されたX線CT画像データに対して、1つの使用目的に応じた解析が行なわれることになる。
ここで、上述したように、1つの使用目的に対して、複数の撮影条件が設定されるファントムも存在する。かかるファントムが有するICタグは、1つの使用目的に複数の撮影条件が対応付けられたファントム情報を記憶する。
図3に示すファントム102は、1つの使用目的に対して、2つの撮影条件が設定されるファントムの一例である。ファントム102は、図3に示すように、ファントム本体102a及びICタグ102bを有する。ICタグ102bは、図3に示すように、「撮影条件:S102−1、S102−2」と「使用目的:U102、位置情報:D102」とが対応付けられたファントム本体102aのファントム情報を記憶する。ファントム本体102aは、例えば、スライス厚測定用のファントムである。図3に例示するファントム102を用いた撮影では、2つの撮影条件により収集された2種類のX線CT画像データに対して、1つの使用目的に応じた解析が行なわれることになる。
また、上述したように、複数の使用目的それぞれに対して、1つ又は複数の撮影条件が設定されるファントムも存在する。かかるファントムが有するICタグは、複数の使用目的それぞれに1つ又は複数の撮影条件が対応付けられたファントム情報を記憶する。
図3に示すファントム103は、2つの使用目的それぞれに対して、1つの撮影条件が設定されるファントムの一例である。ファントム103は、図3に示すように、ファントム本体103a及びICタグ103bを有する。ICタグ103bは、図3に示すように、「撮影条件:S103−1、使用目的:U103−1」と「撮影条件:S103−2、使用目的:U103−2」と「位置情報:D103」とが対応付けられたファントム本体103aのファントム情報を記憶する。ファントム本体103aは、例えば、スライス厚及びスライス感度分布の測定用のファントムである。図3に例示するファントム103を用いた撮影では、2つの撮影条件により収集された2種類のX線CT画像データそれぞれに対して、該当する使用目的に応じた解析が行なわれることになる。
なお、図3には図示していないが、例えば、2つの使用目的それぞれに対して、2つの撮影条件が設定されるファントムも、ファントム群には含まれている。
また、ファントム群には、複数のモジュールが組み合わされたファントムが含まれている。かかるファントムが有するICタグは、ファントム情報として、複数のモジュールそれぞれの撮影条件、使用目的及び位置情報を記憶する。
図3に示すファントム104は、図面の左から右に向かって、第1モジュール104a1、第2モジュール104a2、第3モジュール104a3の順に組み合わされたファントム本体と、ICタグ104bと有する。第1モジュール104a1は、例えば、CT値の線形性測定用のモジュールであり、第2モジュール104a2は、例えば、空間分解能測定用のモジュールであり、第3モジュール104a3は、例えば、スライス厚測定用のモジュールである。ファントム104は、寝台装置20から見た場合、撮影空間の奥方向に向かって順次移動されることで、第1モジュール104a1、第2モジュール104a2、第3モジュール104a3の順に撮影が行なわれるように、組み立てられている。
ファントム104が有するICタグ104bは、図3に示すように、第1モジュール104a1のファントム情報として、「撮影条件:S1041、使用目的:U1041、位置情報:D1041」を記憶する。また、ICタグ104bは、図3に示すように、第2モジュール104a2のファントム情報として、「撮影条件:S1042、使用目的:U1042、位置情報:D1042」を記憶する。また、ICタグ104bは、図3に示すように、第3モジュール104a3のファントム情報として、「撮影条件:S1043、使用目的:U1043、位置情報:D1043」を記憶する。図3に例示するファントム104を用いた撮影では、ファントム104の3箇所それぞれで1つの撮影条件により収集された3種類のX線CT画像データそれぞれに対して、該当する使用目的に応じた解析が行なわれることになる。
なお、正しい順番で組み立てが行なわれるのであれば、ファントム104の各モジュールにICタグが取り付けられても良い。また、図3には図示していないが、例えば、3つのモジュール構成のファントムであり、各モジュールで2つの撮影条件が設定されるファントムも、ファントム群には含まれている。
ここで、図3に例示する撮影条件には、管電圧、管電流、スライス厚、撮影時間等、架台装置10がX線検出データを収集するための各種条件が含まれる。また、図3に例示する撮影条件には、前処理用の補正処理の方法や、画像再構成に用いられるアルゴリズムや関数等、コンソール装置30がX線CT画像データを再構成するための各種条件等が含まれる。
また、図3に例示する使用目的は、例えば、高コントラスト分解能測定といった試験項目の情報以外にも、解析部38が自動解析を行なうための種々の情報が含まれている。例えば、使用目的に含まれる情報は、測定用に収集されたX線CT画像データに設定される関心領域の位置、関心領域から抽出する情報の種類の情報である。また、例えば、使用目的に含まれる情報は、関心領域から抽出した情報から解析結果を算出するための解析方法、解析結果が許容範囲であるか否かを判定するための閾値の情報である。なお、撮影条件が複数である場合、撮影条件ごとの閾値の情報が、使用目的に設定される。ただし、第1の実施形態は、使用目的として、試験項目の情報のみが含まれ、解析部38が、操作者が設定した情報に基づいて、解析処理を行なう場合であっても良い。
また、図3に例示する位置情報は、撮影空間内で撮影に適した位置までファントムを移動させるために必要とされる天板22の移動距離に関する情報である。例えば、図3に例示する位置情報は、初期位置に位置する天板22に取り付けられた固定具から固定具に固定されたファントムまでの距離と、天板22の初期位置から架台装置10の撮影空間の中心までの距離とから定まる距離の値である。これについて、図4、図5及び図6を用いて説明する。図4、図5及び図6は、ファントム情報に含まれる位置情報の一例を説明するための図である。なお、図4、図5及び図6それぞれは、図面の左右方向が、天板22の長手方向となっている。
固定具23は、図4に例示するように、初期位置に配置された天板22の上に設置される。固定具23の端面には、図4に例示するように、ファントム取り付け用のピン23aが配置される。固定具23は、図4に例示するように、ピン23aが架台装置10側に突出し、かつ、ピン23aが配置される端面と天板22の架台装置10側の端面と一致するように設置される。図4に例示する位置P0は、初期位置に位置する天板22の架台装置10側の端面の位置である。図4に例示する位置P0は、選択ファントムであるファントム100が取り付けられる固定具23の端面の位置となる。
また、図4に例示する位置Psは、架台装置10の回転フレーム15により形成される撮影空間の中心位置である。ここで、位置P0と位置Psとの長手方向の距離は、X線CT装置のシステム構成により定まる既知の距離である。また、固定具23に取り付けた場合に、ファントム100の長手方向における中心の位置P1と位置P0との距離は、ファントム100の仕様書に記載された寸法、又は、ファントム100を実測して得られる寸法と、固定具23の寸法とから、取得可能な距離である。すなわち、位置P0と位置P1との距離と、位置P0と位置Psとの距離とは、既知の値となる。
図3で説明したファントム100の位置情報「D100」は、図4に示すように、位置P0と位置Psとの距離から、位置P0と位置P1との距離を差し引いた値である。すなわち、初期位置に配置された天板22が撮影空間に向かって長手方向に「D100」移動されると、ファントム100の中心は、図5に示すように、撮影空間の中心の位置Psまで移動される。同様に、選択ファントムがファントム101である場合、初期位置に配置された天板22が撮影空間に向かって長手方向に「D101」移動されると、ファントム101の中心は、撮影空間の中心まで移動されることになる。
また、同様に、選択ファントムがファントム102又はファントム103である場合、初期位置に配置された天板22が撮影空間に向かって長手方向に「D102」又は「D103」移動されると、ファントム102又はファントム103の中心は、撮影空間の中心まで移動されることになる。
また、選択ファントムがファントム104である場合、初期位置に配置された天板22が長手方向に沿って「D1041」移動されると、第1モジュール104a1の中心は、図6の(A)に示すように、撮影空間の中心位置まで移動される。また、第1モジュール104a1の中心が撮影空間の中心位置に位置した状態で、第1モジュール104a1の撮影が終了した後は、以下の移動が行なわれる。すなわち、天板22が、更に、長手方向に沿って「D1042−D1041」移動されると、第2モジュール104a2の中心は、図6の(B)に示すように、撮影空間の中心位置まで移動される。
また、第2モジュール104a2の中心が撮影空間の中心位置に位置した状態で、第2モジュール104a2の撮影が終了した後は、以下の移動が行なわれる。すなわち、天板22が、更に、長手方向に沿って「D1043−D1042」移動されると、第3モジュール104a3の中心は、図6の(C)に示すように、撮影空間の中心位置まで移動される。
ここで、図2〜図6に例示するように、記憶媒体であるICタグは、ファントム本体の端部に取り付けられている。換言すると、記憶媒体であるICタグは、ファントム本体の撮影領域外に取り付けられる。このようにICタグの取り付け位置を限定することで、ICタグがX線CT画像データに写りこんで、解析部38による解析精度が低下することを回避できる。
そして、制御部39及び解析部38は、選択ファントムのファントム情報に基づいて、以下の処理を行なう。すなわち、選択ファントムのファントム情報において、1つの使用目的に1つの撮影条件が対応付けられている場合、制御部39は、選択ファントムの撮影を1つの撮影条件それぞれで実行させる。そして、解析部38は、1つの撮影条件で収集されたX線CT画像データに対して1つの使用目的に応じた解析処理を行なう。
図7は、第1の実施形態に係る解析部を説明するための図である。例えば、選択ファントムであるファントム100は、位置情報「D100」により移動された後、撮影条件「S100」により撮影される。その結果、画像再構成部36は、図7の(A)に示すように、撮影条件「S100」に基づく画像「I(S100)」を再構成する。そして、解析部38は、図7の(A)に示すように、画像「I(S100)」を使用目的「U100」に基づいて解析する。また、例えば、選択ファントムであるファントム101は、位置情報「D101」により移動された後、撮影条件「S101」により撮影される。その結果、画像再構成部36は、図7の(B)に示すように、撮影条件「S101」に基づく画像「I(S101)」を再構成する。そして、解析部38は、図7の(B)に示すように、画像「I(S101)」を使用目的「U101」に基づいて解析する。
また、選択ファントムのファントム情報において、1つの使用目的に複数の撮影条件が対応付けられている場合、制御部39は、選択ファントムの撮影を複数の撮影条件それぞれで実行させる。そして、解析部38は、複数の撮影条件それぞれで収集された複数のX線CT画像データそれぞれに対して1つの使用目的に応じた解析処理を行なう。
例えば、選択ファントムであるファントム102は、位置情報「D102」により移動された後、撮影条件「S102−1」と撮影条件「S102−2」とで撮影される。その結果、画像再構成部36は、図7の(C)に示すように、撮影条件「S102−1」に基づく画像「I(S102−1)」と、撮影条件「S102−2」に基づく画像「I(S102−2)」とを再構成する。そして、解析部38は、図7の(C)に示すように、画像「I(S102−1)」を使用目的「U102」に基づいて解析し、画像「I(S102−2)」を使用目的「U102」に基づいて解析する。
また、選択ファントムのファントム情報において、複数の使用目的それぞれに1つ又は複数の撮影条件が対応付けられている場合、制御部39は、選択ファントムの撮影を、当該選択ファントムのファントム情報に含まれる全ての撮影条件で実行させる。そして、解析部38は、全ての撮影条件で収集された複数のX線CT画像データそれぞれに対して該当する使用目的に応じた解析処理を行なう。
例えば、選択ファントムであるファントム103は、位置情報「D103」により移動された後、撮影条件「S103−1」と撮影条件「S103−2」とで撮影される。その結果、画像再構成部36は、図7の(D)に示すように、撮影条件「S103−1」に基づく画像「I(S103−1)」と、撮影条件「S103−2」に基づく画像「I(S103−2)」とを再構成する。そして、解析部38は、図7の(D)に示すように、画像「I(S103−1)」を使用目的「U103−1」に基づいて解析し、画像「I(S103−2)」を使用目的「U103−2」に基づいて解析する。
また、選択ファントムのファントム情報に、当該選択ファントムを構成する複数のモジュールそれぞれの撮影条件及び位置情報が設定されている場合、制御部39は、複数のモジュールそれぞれの撮影を、該当するモジュールの撮影条件及び位置情報に基づいて実行させる。そして、解析部38は、複数のモジュールそれぞれで収集された各X線CT画像データに対して該当する使用目的に応じた解析処理を行なう。
例えば、選択ファントムであるファントム104の第1モジュール104a1は、位置情報「D1041」により移動された後、撮影条件「S1041」により撮影される。その結果、画像再構成部36は、図7の(E)に示すように、撮影条件「S1041」に基づく画像「I(S1041)」を再構成する。そして、解析部38は、図7の(E)に示すように、画像「I(S1041)」を使用目的「U1041」に基づいて解析する。
また、選択ファントムであるファントム104の第2モジュール104a2は、位置情報「D1041」及び「D1042」により移動された後、撮影条件「S1042」により撮影される。その結果、画像再構成部36は、図7の(E)に示すように、撮影条件「S1042」に基づく画像「I(S1042)」を再構成する。そして、解析部38は、図7の(E)に示すように、画像「I(S1042)」を使用目的「U1042」に基づいて解析する。
また、選択ファントムであるファントム104の第3モジュール104a3は、位置情報「D1042」及び「D1043」により移動された後、撮影条件「S1043」により撮影される。その結果、画像再構成部36は、図7の(E)に示すように、撮影条件「S1043」に基づく画像「I(S1043)」を再構成する。そして、解析部38は、図7の(E)に示すように、画像「I(S1043)」を使用目的「U1043」に基づいて解析する。
解析部38が出力した解析結果は、例えば、制御部39の制御により、表示装置32に表示される。解析結果は、解析により得られた測定値の他、解析に用いたX線CT画像データが含まれる。かかるX線CT画像データには、更に、解析部38が解析に用いた関心領域の位置を示す所定の図形が重畳されている。
或いは、解析部38は、更に、解析結果と使用目的に設定された閾値とを比較して、当該解析結果が許容範囲内であるか、許容範囲外であるかを判定する。解析部38が出力した判定結果は、例えば、制御部39の制御により、解析結果とともに、表示装置32に表示される。ここで、制御部39は、解析部38による解析結果が、選択ファントムで得られる解析結果の許容範囲外である場合、警告を出力する。例えば、表示装置32は、制御部39の指示により、「解析結果は、許容範囲外です」等のメッセージを表示する。なお、第1の実施形態は、解析部38による解析結果が、選択ファントムで得られる解析結果の許容範囲内である場合、制御部39は、解析結果の許容範囲内であることを出力しても良い。例えば、表示装置32は、制御部39の指示により、「解析結果は、許容範囲内です」等のメッセージを表示しても良い。なお、第1の実施形態は、解析部38が出力する情報が解析結果のみであり、判定結果が含まれない場合であっても良い。
次に、図8を用いて、第1の実施形態に係るX線CT装置のファントム撮影処理について説明する。図8は、第1の実施形態に係るX線CT装置のファントム撮影処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図8に例示するように、第1の実施形態に係るX線CT装置の制御部39は、リーダー40からファントム情報を取得したか否かを判定する(ステップS101)。ここで、ファントム情報を取得していない場合(ステップS101否定)、制御部39は、ファントム情報を取得するまで待機する。
一方、ファントム情報を取得した場合(ステップS101肯定)、スキャン制御部33を介した制御部39の制御により、寝台装置20の寝台駆動装置21は、位置情報に基づいて、選択ファントムの位置が撮影位置になるまで、天板22を移動させる(ステップS102)。そして、スキャン制御部33を介した制御部39の制御により、架台装置10は、撮影条件に基づいて、選択ファントムを撮影する(ステップS103)。
そして、解析部38は、撮影で収集されたX線CT画像データに対して、使用目的に応じた解析を実行する(ステップS104)。なお、ステップS102〜ステップS104の処理は、ファントム情報の撮影条件、使用目的及び位置情報の組み合わせが複数である場合、組み合わせごとに実行される。
そして、解析部38は、解析結果が許容範囲内か否かを判定する(ステップS105)。ここで、解析結果が許容範囲内である場合(ステップS105肯定)、制御部39の制御により、表示装置32は、解析結果を表示し(ステップS106)、処理を終了する。
一方、解析結果が許容範囲外である場合(ステップS105否定)、制御部39の制御により、表示装置32は、解析結果及び警告を表示し(ステップS107)、処理を終了する。
上述したように、第1の実施形態では、ファントム試験に必要となる「撮影条件、使用目的及び位置情報を含むファントム情報」を記憶するICタグをファントム本体に取り付けておく。これにより、制御部39は、試験用に選択されたファントムから、ファントム情報を取得して、撮影用の位置決め処理、撮影条件(撮影プロトコル)の設定処理を行なう。また、制御部39から使用目的が通知された解析部38は、撮影で収集されたX線CT画像データに対して、使用目的に応じた解析を行なって、解析結果を出力する。また、第1の実施形態では、かかる解析結果に、X線CT装置の性能を評価した判定結果も含めることができる。すなわち、第1の実施形態では、操作者は、ファントム群から試験用のファントムを選択し、選択したファントムを固定具23に取り付け、ファントム撮影開始の指示を行なうだけで、ファントム試験を終了することができる。その結果、第1の実施形態では、ファントムを用いた試験を容易に行なうことができる。
なお、上記では、ファントム情報に撮影条件、使用目的及び位置情報が設定される場合について説明した。しかし、第1の実施形態は、選択ファントムの撮影時の位置決め作業が容易である場合は、ファントム情報に位置情報が設定されない場合であっても良い。かかる場合でも、撮影条件が自動設定され、解析処理が自動で行なわれるので、ファントムを用いた試験を容易に行なうことができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、選択ファントムの撮影前にファントム情報が操作者により変更される場合について、図9を用いて説明する。図9は、第2の実施形態を説明するための図である。
第2の実施形態では、選択ファントムの撮影前にファントム情報が操作者により変更される場合について、図9を用いて説明する。図9は、第2の実施形態を説明するための図である。
第2の実施形態に係るX線CT装置は、図1を用いて説明した第1の実施形態に係るX線CT装置と同様に構成される。ただし、第2の実施形態に係る制御部39は、更に、以下の制御を行なう。すなわち、第2の実施形態に係る制御部39は、リーダー40から取得した選択ファントムのファントム情報を表示装置32に表示させる。そして、第2の実施形態に係る制御部39は、表示装置32に表示されたファントム情報を参照した操作者から当該ファントム情報に含まれる撮影条件及び位置情報の少なくとも一方の変更を受け付けた場合、調整後のファントム情報に基づいて、選択ファントムの撮影を実行させる。
例えば、選択ファントムがファントム101である場合、制御部39の制御により、表示装置32は、図9の左図に示すように、ファントム101のファントム情報「撮影条件:S101、使用目的:U101、位置情報:D101」を表示する。操作者は、図9の左図に示すファントム情報を参照して、例えば、図9の右図に示すように、「撮影条件:S101」を「撮影条件:S101#」に変更する。また、操作者は、図9の左図に示すファントム情報を参照して、例えば、図9の右図に示すように、「位置情報:D101」を「位置情報:D101#」に変更する。なお、図9では、作図上、ファントム情報及び変更後のファントム情報を記号で示しているが、実際には、詳細な条件が記載されたファントム情報及び変更後のファントム情報が表示装置32に表示される。
かかる変更が行なわれた場合、選択ファントムであるファントム101は、位置情報「D101#」により移動された後、撮影条件「S101#」により撮影される。その結果、画像再構成部36は、撮影条件「S101#」に基づく画像「I(S101#)」を再構成する。そして、解析部38は、画像「I(S101#)」を使用目的「U101」に基づいて解析する。
なお、第1の実施形態で説明した内容は、ファントム情報が撮影前に変更され、変更後のファントム情報により、選択ファントムの撮影が行なわれる点以外は、第2の実施形態でも適用される。
また、第2の実施形態は、撮影条件及び位置情報だけでなく、使用目的が変更される場合であっても良い。例えば、制御部39は、操作者から選択ファントムのファントム情報に含まれる使用目的で設定された解析方法の変更を受け付けた場合、調整後の解析方法に基づいて解析を行なうように解析部38を指示しても良い。かかる場合、解析部38は、事前に設定された解析方法でなく、撮影前に変更された解析方法により、X線CT画像データの解析を行なって、解析結果を出力する。
次に、図10を用いて、第2の実施形態に係るX線CT装置のファントム撮影処理について説明する。図10は、第2の実施形態に係るX線CT装置のファントム撮影処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図10に例示するように、第2の実施形態に係るX線CT装置の制御部39は、リーダー40からファントム情報を取得したか否かを判定する(ステップS201)。ここで、ファントム情報を取得していない場合(ステップS201否定)、制御部39は、ファントム情報を取得するまで待機する。
一方、ファントム情報を取得した場合(ステップS201肯定)、制御部39の制御により、表示装置32は、ファントム情報を表示する(ステップS202)。そして、制御部39は、ファントム情報の変更を受け付けたか否かを判定する(ステップS203)。ここで、ファントム情報の変更を受け付けない場合(ステップS203否定)、制御部39は、撮影開始要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS204)。一方、ファントム情報の変更を受け付けた場合(ステップS203肯定)、制御部39は、同様に、撮影開始要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS204)。
ここで、撮影開始要求を受け付けない場合(ステップS204否定)、制御部39は、ステップS203に戻って、ファントム情報の変更を受け付けたか否かを判定する。すなわち、図10に例示するフローチャートでは、操作者は、撮影開始要求を入力しない限り、何度でも、ファントム情報を変更することが可能である。
一方、撮影開始要求を受け付けた場合(ステップS204肯定)、スキャン制御部33を介した制御部39の制御により、寝台装置20の寝台駆動装置21は、撮影開始要求受け付け時のファントム情報の位置情報に基づいて、選択ファントムの位置が撮影位置になるまで、天板22を移動させる(ステップS205)。そして、スキャン制御部33を介した制御部39の制御により、架台装置10は、撮影開始要求受け付け時のファントム情報の撮影条件に基づいて、選択ファントムを撮影する(ステップS206)。選択ファントムの撮影が開始される。
そして、解析部38は、撮影で収集されたX線CT画像データに対して、使用目的に応じた解析を実行する(ステップS207)。なお、ステップS205〜ステップS207の処理は、撮影開始要求受け付け時のファントム情報の撮影条件、使用目的及び位置情報の組み合わせが複数である場合、組み合わせごとに実行される。また、使用目的(解析方法)が変更されている場合、ステップS207では、解析部38は、撮影で収集されたX線CT画像データに対して、変更後の使用目的(変更後の解析方法)に応じた解析を実行する。
そして、解析部38は、解析結果が許容範囲内か否かを判定する(ステップS208)。ここで、解析結果が許容範囲内である場合(ステップS208肯定)、制御部39の制御により、表示装置32は、解析結果を表示し(ステップS209)、処理を終了する。
一方、解析結果が許容範囲外である場合(ステップS208否定)、制御部39の制御により、表示装置32は、解析結果及び警告を表示し(ステップS210)、処理を終了する。
上述したように、第2の実施形態では、操作者は、選択ファントムの撮影前に、撮影条件や撮影位置を調整することができる。例えば、固定具23の取り付け位置は、必ずしも正確でない場合がある。また、例えば、ファントム情報で設定された撮影条件と、実際に被検体Pの撮影で設定される撮影条件とが若干異なる場合がある。このような場合、ファントム情報の調整が必要となるが、第2の実施形態では、操作者は、かかる調整を、ファントム情報を参照して容易に行なうことができる。その結果、第2の実施形態では、ファントムを用いた試験を容易かつ正確に行なうことができる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、第1の実施形態又は第2の実施形態で説明した処理により選択ファントムの解析結果が出力された後にファントム情報が操作者により変更される場合について、図11を用いて説明する。図11は、第3の実施形態を説明するための図である。
第3の実施形態では、第1の実施形態又は第2の実施形態で説明した処理により選択ファントムの解析結果が出力された後にファントム情報が操作者により変更される場合について、図11を用いて説明する。図11は、第3の実施形態を説明するための図である。
第3の実施形態に係るX線CT装置は、図1を用いて説明した第1の実施形態に係るX線CT装置と同様に構成される。ただし、第3の実施形態に係る制御部39は、更に、以下の制御を行なう。すなわち、第3の実施形態に係る制御部39は、解析部38の解析結果を表示装置32に表示させる。そして、第3の実施形態に係る制御部39は、表示装置32に表示された解析結果を参照した操作者から選択ファントムのファントム情報に含まれる撮影条件及び位置情報の少なくとも一方の変更を受け付けた場合、調整後のファントム情報に基づいて、選択ファントムの再撮影を実行させる。かかる場合、解析部38は、再撮影により収集されたX線CT画像データに対して解析を行なう。
例えば、選択ファントムがファントム101である場合、制御部39の制御により、表示装置32は、図11の(A)に示すように、ファントム101のファントム情報「撮影条件:S101、使用目的:U101、位置情報:D101」とともに、解析結果「R101」を表示する。「R101」は、撮影条件「S101」に基づく画像「I(S101)」に対して解析部38が使用目的「U101」に応じて解析を行なって出力した解析結果である。
操作者は、図11の(A)に示す「R101」を参照して、例えば、図11の(B)に示すように、「撮影条件:S101」を「撮影条件:S101@」に変更する。また、操作者は、図11の(A)に示す「R101」を参照して、例えば、図11の(B)に示すように、「位置情報:D101」を「位置情報:D101@」に変更する。
かかる変更が行なわれた場合、選択ファントムであるファントム101は、位置情報「D101@」により移動された後、撮影条件「S101@」により撮影される。その結果、画像再構成部36は、撮影条件「S101@」に基づく画像「I(S101@)」を再構成する。そして、解析部38は、画像「I(S101@)」を使用目的「U101」に基づいて解析し、解析結果「R101@」を出力する。
かかる場合、制御部39の制御により、表示装置32は、図11の(B)に示すように、変更後のファントム情報「撮影条件:S101@、使用目的:U101、位置情報:D101@」とともに、解析結果「R101@」を表示する。
なお、第1の実施形態及び第2の実施形態で説明した内容は、ファントム情報が解析終了後に変更され、変更後のファントム情報により、選択ファントムの再撮影が行なわれる点以外は、第3の実施形態でも適用される。
また、第3の実施形態は、再撮影前に、撮影条件及び位置情報だけでなく、使用目的が変更される場合であっても良い。例えば、制御部39は、操作者から選択ファントムのファントム情報に含まれる使用目的で設定された解析方法の変更を受け付けた場合、調整後の解析方法に基づいて解析を行なうように解析部38を指示しても良い。かかる場合、解析部38は、事前に設定された解析方法でなく、撮影前に変更された解析方法により、再撮影で収集されたX線CT画像データの解析を行なって、解析結果を出力する。
次に、図12を用いて、第3の実施形態に係るX線CT装置のファントム撮影処理について説明する。図12は、第3の実施形態に係るX線CT装置のファントム撮影処理の一例を説明するためのフローチャートである。なお、図12に例示するフローチャートは、最初の選択ファントムの撮影が終了して、解析結果が表示された後の処理を例示したものである。
図12に例示するように、第3の実施形態に係るX線CT装置の制御部39は、解析結果表示後に、撮影終了要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS301)。ここで、撮影終了要求を受け付けない場合(ステップS301否定)、制御部39は、ファントム情報の変更及び再撮影開始要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS302)。ここで、ファントム情報の変更及び再撮影開始要求を受け付けない場合(ステップS302否定)、制御部39は、ステップS301に戻って、撮影終了要求を受け付けたか否かを判定する。
一方、ファントム情報の変更及び再撮影開始要求を受け付けた場合(ステップS302肯定)、スキャン制御部33を介した制御部39の制御により、寝台装置20の寝台駆動装置21は、再撮影開始要求受け付け時のファントム情報の位置情報に基づいて、選択ファントムの位置が撮影位置になるまで、天板22を移動させる(ステップS303)。そして、スキャン制御部33を介した制御部39の制御により、架台装置10は、再撮影開始要求受け付け時のファントム情報の撮影条件に基づいて、選択ファントムを撮影する(ステップS304)。
そして、解析部38は、撮影で収集されたX線CT画像データに対して、使用目的に応じた解析を実行する(ステップS305)。なお、ステップS303〜ステップS305の処理は、再撮影開始要求受け付け時のファントム情報の撮影条件、使用目的及び位置情報の組み合わせが複数である場合、組み合わせごとに実行される。また、使用目的(解析方法)が変更されている場合、ステップS305では、解析部38は、再撮影で収集されたX線CT画像データに対して、変更後の使用目的(変更後の解析方法)に応じた解析を実行する。
そして、解析部38は、解析結果が許容範囲内か否かを判定する(ステップS306)。ここで、解析結果が許容範囲内である場合(ステップS306肯定)、制御部39の制御により、表示装置32は、解析結果を表示する(ステップS307)。一方、解析結果が許容範囲外である場合(ステップS306否定)、制御部39の制御により、表示装置32は、解析結果及び警告を表示する(ステップS308)。
そして、ステップS307又はステップS308の処理が行なわれた後、制御部39は、ステップS301に戻って、撮影終了要求を受け付けたか否かを判定する。そして、撮影終了要求を受け付けた場合(ステップS301肯定)、制御部39は、選択ファントムの撮影処理を終了する。
上述したように、第3の実施形態では、操作者は、例えば、解析結果を参照して、撮影位置がずれているか否か、撮影条件の調整が必要であるか否かを判定することができる。撮影位置や撮影条件の調整が必要と判断した場合、操作者は、必ファントム情報を変更して、選択ファントムの再撮影を実行させることができる。その結果、第3の実施形態では、ファントムを用いた再試験を容易に行なうことができる。
なお、上記の第1の実施形態〜第3の実施形態で説明した制御方法は、ファントム情報を記憶する記憶媒体を取り付けたファントムで構成されるファントム群を用いることで、ファントムを用いた試験が行なわれる医用画像診断装置全てに適用することができる。かかる医用画像診断装置としては、例えば、X線診断装置や、超音波診断装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)装置、PET(Positron Emission computed Tomography)装置等の核医学イメージング装置が挙げられる。
また、第1の実施形態〜第3の実施形態で図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。更に、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部又は任意の一部が、CPU及び当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、或いは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
以上、説明したとおり第1の実施形態〜第3の実施形態によれば、ファントムを用いた試験を容易に行なうことができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
38 解析部
39 制御部
39 制御部
Claims (12)
- 個々のファントムが、ファントム本体と、当該ファントム本体の種類に対応する撮影条件及び使用目的を含むファントム情報を記憶し、当該ファントム情報を外部装置に送出可能な記憶媒体とを有しているファントム群と、
前記ファントム群から選択された選択ファントムが有する記憶媒体から、当該選択ファントムのファントム情報を取得し、取得したファントム情報に含まれる撮影条件を用いて前記選択ファントムの撮影を実行させる制御部と、
前記制御部の制御に基づいて実行された撮影により収集されたX線CT画像データに対して、前記選択ファントムのファントム情報に含まれる使用目的に応じた解析を行なう解析部と、
を備えたことを特徴とするX線CT装置。 - 前記ファントム群の各ファントムが有する記憶媒体は、前記ファントム情報として、更に、自装置を有するファントムの撮影時の位置に関する位置情報を記憶し、
前記制御部は、前記選択ファントムが有する記憶媒体から取得したファントム情報に含まれる位置情報に基づいて、前記選択ファントムを撮影空間に移動させた後、撮影を実行させることを特徴とする請求項1に記載のX線CT装置。 - 前記記憶媒体は、前記ファントム本体の撮影領域外に取り付けられることを特徴とする請求項1又は2に記載のX線CT装置。
- 前記記憶媒体は、前記ファントム本体の端部に取り付けられることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のX線CT装置。
- 前記選択ファントムのファントム情報において、1つの使用目的に複数の撮影条件が対応付けられている場合、
前記制御部は、前記選択ファントムの撮影を前記複数の撮影条件それぞれで実行させ、
前記解析部は、前記複数の撮影条件それぞれで収集された複数のX線CT画像データそれぞれに対して前記1つの使用目的に応じた解析処理を行なうことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のX線CT装置。 - 前記選択ファントムのファントム情報において、複数の使用目的それぞれに1つ又は複数の撮影条件が対応付けられている場合、
前記制御部は、前記選択ファントムの撮影を、当該選択ファントムのファントム情報に含まれる全ての撮影条件で実行させ、
前記解析部は、前記全ての撮影条件で収集された複数のX線CT画像データそれぞれに対して該当する使用目的に応じた解析処理を行なうことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のX線CT装置。 - 前記ファントム群は、複数のモジュールが組み合わされたファントムを含み、
前記複数のモジュールが組み合わされたファントムが有する記憶媒体は、前記ファントム情報として、前記複数のモジュールそれぞれの撮影条件、使用目的及び位置情報を記憶し、
前記制御部は、前記選択ファントムのファントム情報に、当該選択ファントムを構成する複数のモジュールそれぞれの撮影条件及び位置情報が設定されている場合、複数のモジュールそれぞれの撮影を、該当するモジュールの撮影条件及び位置情報に基づいて実行させ、
前記解析部は、複数のモジュールそれぞれで収集された各X線CT画像データに対して該当する使用目的に応じた解析処理を行なうことを特徴とする請求項2〜6のいずれか1つに記載のX線CT装置。 - 前記制御部は、前記選択ファントムのファントム情報を表示部に表示させ、前記表示部に表示されたファントム情報を参照した操作者から当該ファントム情報に含まれる撮影条件及び位置情報の少なくとも一方の変更を受け付けた場合、調整後のファントム情報に基づいて、前記選択ファントムの撮影を実行させることを特徴とする請求項2〜7のいずれか1つに記載のX線CT装置。
- 前記制御部は、前記解析部の解析結果を表示部に表示させ、前記表示部に表示された解析結果を参照した操作者から前記選択ファントムのファントム情報に含まれる撮影条件及び位置情報の少なくとも一方の変更を受け付けた場合、調整後のファントム情報に基づいて、前記選択ファントムの再撮影を実行させ、
前記解析部は、再撮影により収集されたX線CT画像データに対して解析を行なうことを特徴とする請求項2〜8のいずれか1つに記載のX線CT装置。 - 前記制御部は、前記解析部による解析結果が、前記選択ファントムで得られる解析結果の許容範囲外である場合、警告を出力することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載のX線CT装置。
- 個々のファントムが、ファントム本体と、当該ファントム本体の種類に対応する撮影条件及び使用目的を含むファントム情報を記憶し、当該ファントム情報を外部装置に送出可能な記憶媒体とを有しているファントム群と、
前記ファントム群から選択された選択ファントムが有する記憶媒体から、当該選択ファントムのファントム情報を取得し、取得したファントム情報に含まれる撮影条件を用いて前記選択ファントムの撮影を実行させる制御部と、
前記制御部の制御に基づいて実行された撮影により収集された医用画像データに対して、前記選択ファントムのファントム情報に含まれる使用目的に応じた解析を行なう解析部と、
を備えたことを特徴とする医用画像診断装置。 - ファントム本体と、
前記ファントム本体の種類に対応する撮影条件及び使用目的を含むファントム情報を記憶し、当該ファントム情報を外部装置に送出可能な記憶媒体と、
を備えたことを特徴とするファントム。
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JP2013122048A JP2014236922A (ja) | 2013-06-10 | 2013-06-10 | X線ct装置、医用画像診断装置及びファントム |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101837483B1 (ko) * | 2017-07-24 | 2018-03-13 | 청주대학교 산학협력단 | Ct 팬텀 유닛 |
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CN112535488A (zh) * | 2019-09-23 | 2021-03-23 | 佳能医疗系统株式会社 | 解析装置 |
-
2013
- 2013-06-10 JP JP2013122048A patent/JP2014236922A/ja active Pending
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