JP2014231306A - 電動パワーステアリング装置、これに用いるベルト張力調整装置及びベルト張力調整方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な構成でベルトの張力を調整できる電動パワーステアリング装置、これに用いるベルト張力調整装置及びベルト張力調整方法を提供する。【解決手段】ベルト張力調整装置71は、駆動プーリ41の中心O1と従動プーリ42の中心O2とを結ぶ直線L3及びラック軸3の軸線と直交する方向の両側から、ラックハウジング5とモータ12との間に挿入される第1及び第2調整部材72,73を備える。第1調整部材72には、直交方向に貫通した貫通孔75が形成されるとともに、第2調整部材73側に向かって先細となるくさび部76が形成される。第2調整部材73には、第1調整部材72側に開口したねじ穴77が形成されるとともに、第1調整部材72側に向かって先細となるくさび部78が形成される。第1調整部材72と第2調整部材73とは、貫通孔75を介してねじ穴77に調整ボルト74が螺着されることで互いに連結される。【選択図】図3
Description
本発明は、電動パワーステアリング装置、これに用いるベルト張力調整装置及びベルト張力調整方法に関する。
従来、モータの回転をボール螺子機構等により転舵軸の軸方向移動に変換することで操舵系にアシスト力を付与する電動パワーステアリング装置(EPS)として、モータの軸線が転舵軸と平行となるように配置されたもの知られている。例えば特許文献1に記載のEPSは、モータの回転軸に連結された駆動プーリと、ハウジング内に転舵軸と同軸上で回転可能に収容された従動プーリと、これら駆動プーリ及び従動プーリに巻き掛けられたベルトとを備えている。そして、モータ駆動による駆動プーリの回転をベルトを介して従動プーリに伝達し、この従動プーリの回転をボール螺子機構により転舵軸の往復動に変換することで、操舵系にアシスト力を付与する構成となっている。
こうしたEPSにおいては、モータトルクの伝達効率向上等の観点から、ベルトの張力(テンション)の設定が重要な要素となる。しかし、ベルトの張力は、EPSの各構成部品の寸法公差等に起因して、製造される個体毎にばらつくことがある。そこで、従来から、モータをハウジングに対して相対移動させ、駆動プーリと従動プーリとの中心間距離を変更することでベルトの張力を調整することが提案されている。
図6に示すように、例えば特許文献2のEPSでは、転舵軸81を往復動可能に収容するハウジング82には、モータ83の配置された側に延出された延出部84が形成されている。延出部84には、転舵軸81の軸線方向に貫通したガイド孔85が形成されている。ガイド孔85は、モータ83に連結された駆動プーリ86とハウジング82内に回転可能に収容された従動プーリ87とを結ぶ直線と交差する方向に延びる長孔状に形成されている。ガイド孔85には、モータ83の一部とともに、ガイド孔85の長手方向(図6中、上下方向)に沿った幅が短手方向(図6中、左右方向)のモータ83側に向かって先細となるくさび部材88が収容されている。そして、ハウジング82には、ガイド孔85の短手方向に延び、ガイド孔85の内外に貫通したねじ孔89が形成されており、ねじ孔89には、くさび部材88を押圧可能なボルト90が螺着されている。
このように構成されたEPSでは、ボルト90のねじ込み量を変更してくさび部材88をガイド孔85内で短手方向に移動させることにより、モータ83がガイド孔85の長手方向に沿って移動し、駆動プーリ86と従動プーリ87との中心間距離が変化する。これにより、ボルト90のねじ込み量の調整を通じてベルト91の張力を調整できる。
ところが、上記特許文献2の構成では、ハウジング82にモータ83の一部及びくさび部材88が収容されるガイド孔85、及びガイド孔85の内外を貫通するねじ孔89等を形成する必要があり、ハウジング82の形状が複雑なものとなる。その結果、例えばEPSのコストが増大するといった問題があり、この点においてなお改善の余地があった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、簡易な構成でベルトの張力を調整できる電動パワーステアリング装置、これに用いるベルト張力調整装置及びベルト張力調整方法を提供することにある。
上記課題を解決する電動パワーステアリング装置は、転舵軸が往復動可能に収容されたハウジングと、前記転舵軸と平行になるように配置されたモータと、前記モータに連結された駆動プーリと、前記ハウジング内に回転可能に収容された従動プーリと、前記駆動プーリ及び前記従動プーリ間に巻き掛けられたベルトと、前記従動プーリの回転を前記転舵軸の往復動に変換する変換機構とを備えたものにおいて、前記駆動プーリの中心と前記従動プーリの中心とを結ぶ直線及び前記転舵軸の軸線と交差する方向の両側から、前記ハウジングと前記モータとの間に挿入される第1及び第2調整部材と、前記第1調整部材に形成された貫通孔を介して前記第2調整部材に形成されたねじ穴に螺着される調整ボルトとを備え、前記第1及び第2調整部材の少なくとも一方には、他方に向かって先細となるとともに、前記ハウジング及び前記モータの外周面に接触するくさび部が形成されたことを要旨とする。
上記課題を解決するベルト張力調整装置は、転舵軸が往復動可能に収容されたハウジングと、前記転舵軸と平行になるように配置されたモータと、前記モータに連結された駆動プーリと、前記ハウジング内に回転可能に収容された従動プーリと、前記駆動プーリ及び前記従動プーリ間に巻き掛けられたベルトと、前記従動プーリの回転を前記転舵軸の往復動に変換する変換機構とを備えた電動パワーステアリング装置に用いるものにおいて、前記駆動プーリの中心と前記従動プーリの中心とを結ぶ直線及び前記転舵軸の軸線と交差する方向の両側から、前記ハウジングと前記モータとの間に挿入可能な第1及び第2調整部材と、前記第1調整部材に形成された貫通孔を介して前記第2調整部材に形成されたねじ穴に螺着される調整ボルトとを備え、前記第1及び第2調整部材の少なくとも一方には、他方に向かって先細となるくさび部が形成されたことを要旨とする。
上記課題を解決するベルト張力調整方法は、転舵軸が往復動可能に収容されたハウジングと、前記転舵軸と平行になるように配置されたモータと、前記モータに連結された駆動プーリと、前記ハウジング内に回転可能に収容された従動プーリと、前記駆動プーリ及び前記従動プーリ間に巻き掛けられたベルトと、前記従動プーリの回転を前記転舵軸の往復動に変換する変換機構とを備えた電動パワーステアリング装置に用いるものにおいて、前記駆動プーリの中心と前記従動プーリの中心とを結ぶ直線及び前記転舵軸の軸線と交差する方向の両側から、前記ハウジングと前記モータとの間に挿入される第1及び第2調整部材と、前記第1調整部材に形成された貫通孔を介して前記第2調整部材に形成されたねじ穴に螺着される調整ボルトとを使用し、前記第1及び第2調整部材の少なくとも一方に形成された他方に向かって先細となるくさび部を前記ハウジング及び要旨とする。
上記各構成によれば、調整ボルトのねじ穴へのねじ込み量を変更し、第1調整部材と第2調整部材とを接離させることで、モータがハウジングに対して相対移動し、駆動プーリと従動プーリとの中心間距離が変化する。つまり、調整ボルトのねじ込み量の調整を通じてベルトの張力を調整できる。そして、上記構成では、ハウジングとモータとの間に挿入される第1及び第2調整部材を接離させてベルトの張力を調整するため、ハウジングにガイド孔及びガイド孔の内外に貫通したねじ孔等を形成せずともよく、該ハウジングの形状を簡素化できる。
上記電動パワーステアリング装置において、前記第1及び第2調整部材には、それぞれ前記くさび部が形成されることが好ましい。
上記構成によれば、駆動プーリと従動プーリとの中心間距離を広げる際に、第1及び第2調整部材の各くさび部が、駆動プーリの中心と従動プーリの中心とを結ぶ直線を挟んで両側からハウジング及びモータを押圧するようになる。そのため、駆動プーリと従動プーリとの中心間距離を安定して広げることができる。
上記構成によれば、駆動プーリと従動プーリとの中心間距離を広げる際に、第1及び第2調整部材の各くさび部が、駆動プーリの中心と従動プーリの中心とを結ぶ直線を挟んで両側からハウジング及びモータを押圧するようになる。そのため、駆動プーリと従動プーリとの中心間距離を安定して広げることができる。
上記電動パワーステアリング装置において、前記ハウジング及び前記モータのいずれか一方の外周面における前記各くさび部と接触可能な範囲は、前記直線に関して対称に形成されるとともに、他方の外周面には、前記直線と直交する平坦面が形成され、前記第1調整部材のくさび部と前記第2調整部材のくさび部とは、前記直線に関して対称に形成されるとともに、前記各くさび部の前記平坦面と接触する接触面は、該平坦面と平行に形成されることが好ましい。
上記構成によれば、駆動プーリと従動プーリとの中心間距離を広げる際に、ハウジングとモータとは、駆動プーリの中心と従動プーリの中心とを結ぶ直線に沿って相対移動する。このとき、ハウジング及びモータの他方の平坦面と各くさび部の接触面とが前記直線に対して直交するため、各くさび部がハウジング及びモータのいずれか一方を押圧する際に発生する反力を平坦面でしっかりと受けることができ、駆動プーリと従動プーリとの中心間距離をより安定して広げることができる。
本発明によれば、簡易な構成でベルトの張力を調整できる。
以下、電動パワーステアリング装置(EPS)の一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、EPS1は、ステアリング操作により回転するピニオン軸2と、ピニオン軸2の回転に応じて軸方向に往復動することにより転舵輪(図示略)の舵角を変更する転舵軸としてのラック軸3とを備えている。また、EPS1は、ラック軸3が往復動可能に挿通されるハウジングとしてのラックハウジング5を備えている。
図1に示すように、EPS1は、ステアリング操作により回転するピニオン軸2と、ピニオン軸2の回転に応じて軸方向に往復動することにより転舵輪(図示略)の舵角を変更する転舵軸としてのラック軸3とを備えている。また、EPS1は、ラック軸3が往復動可能に挿通されるハウジングとしてのラックハウジング5を備えている。
ラックハウジング5は、円筒状に形成された第1ハウジング6と、円筒状に形成されるとともに第1ハウジング6の軸方向一端側(図1中、左側)に固定された第2ハウジング7とを備えている。第1ハウジング6における第2ハウジング7と反対側(図1中、右側)の端部には、ピニオン軸2がラック軸3と斜交する状態で回転可能に収容されている。そして、ラック軸3のラック歯とピニオン軸2のピニオン歯とが噛合されることでラックアンドピニオン機構(図示略)が構成されている。なお、ピニオン軸2には、ステアリングシャフトが連結されており、その先端にはステアリングホイール(ともに図示略)が固定されている。したがって、EPS1では、ステアリング操作に伴ってピニオン軸2が回転し、その回転がラックアンドピニオン機構によりラック軸3の軸方向移動に変換されることで、転舵輪の舵角、すなわち車両の進行方向が変更される。
また、EPS1は、操舵系にアシスト力を付与する操舵力補助装置11を備えている。操舵力補助装置11は、駆動源となるモータ12の回転を伝達機構13を介してボール螺子機構14に伝達し、ボール螺子機構14においてラック軸3の往復動に変換することで操舵系にアシスト力を付与する構成となっている。本実施形態のEPS1は、モータ12の軸線L1がラック軸3の軸線L2と平行となるように配置された所謂ラックパラレル型のEPSとして構成されている。
詳述すると、図2に示すように、第1ハウジング6は、円筒状の第1筒状部21と、第1筒状部21の第2ハウジング7側(図2中、左側)の端部に形成された第1収容部22とを有している。第1収容部22は、第1筒状部21よりも大径の筒状に形成されとともに、第1収容部22には、その周壁の一部をモータ12が配置された側(図2中、下側)に膨出した形状の膨出部23が形成されている。膨出部23の底部には、ラック軸3の軸方向に貫通した挿入孔24が形成されている。また、膨出部23の外周面には、径方向に突出した板状の固定部25が形成されている。そして、固定部25には、ラック軸3の軸方向に貫通した調整孔26が形成されている。調整孔26は、モータ12の中心と第1筒状部21の中心(後述する駆動プーリ41の中心O1と従動プーリ42の中心O2)とを結ぶ直線L3に沿った調整方向に長い長孔状に形成されている。
図3に示すように、第1筒状部21の外周面21aにおけるモータ12と対向する部分には、直線L3と直交する平坦面27が形成されている。そして、第1筒状部21の外周面21aは、直線L3に関して略対称に形成されている。
一方、図2に示すように、第2ハウジング7は、円筒状の第2筒状部31と、第2筒状部31の第1ハウジング6側(図2中、右側)の端部に形成された第2収容部32とを有している。第2収容部32は、第2筒状部31よりも大径の円筒状に形成されるとともに、第2収容部32には、調整方向におけるモータ12側に延出されて膨出部23を覆う板状のカバー部33が形成されている。
モータ12の回転軸45は、ラック軸3と平行になる姿勢で挿入孔24を介して膨出部23内に挿入されている。そして、モータ12は、固定ボルト35が調整孔26を介してモータケース36に形成されたねじ孔37に螺着されることで、膨出部23に固定されている。これにより、モータ12は、調整孔26が調整方向に延在する範囲内で、ラックハウジング5に対する調整方向の相対位置を変更して固定可能となっている。また、図3に示すように、モータ12(モータケース36)は、軸方向と直交する断面が円形状とされており、モータ12の外周面12aは、直線L3に関して略対称に形成されている。
図2に示すように、伝達機構13は、膨出部23内に収容されるとともに回転軸45と一体回転可能に連結された駆動プーリ41と、第1収容部22内に回転可能に収容されるとともにラック軸3の外周に配置された従動プーリ42と、これら駆動プーリ41及び従動プーリ42に巻き掛けられたベルト43とを備えている。なお、ベルト43は、ゴム等の弾性材からなる。ボール螺子機構14は、従動プーリ42と一体回転可能に設けられたボール螺子ナット46を有しており、ボール螺子ナット46をラック軸3に対して複数のボール47を介して螺合させることにより形成されている。
さらに詳述すると、駆動プーリ41は、円筒状に形成されている。そして、駆動プーリ41は、回転軸45と同軸上で該回転軸45の外周に一体回転可能に固定されている。従動プーリ42は、円筒状に形成されており、ベルト43が巻き掛けられる巻掛部51、及び巻掛部51から第2ハウジング7側に延出された延出部52を有している。また、従動プーリ42の第1ハウジング6側の端部には、その内径が第2ハウジング7側の部分よりも大きくされた拡径部53が形成されている。
ボール螺子ナット46は、円筒状に形成されており、その第1ハウジング6側の端部には、径方向外側に延出された円環状のフランジ部54が形成されている。なお、フランジ部54の外径は、拡径部53の内径と略等しく設定されている。一方、ボール螺子ナット46の第2ハウジング7側の端部には、雄ネジ部55が形成されている。
ボール螺子ナット46の外周には、フランジ部54が拡径部53内に挿入されるように従動プーリ42が嵌合されるとともに、延出部52に隣接するように転がり軸受56が嵌合されている。そして、雄ネジ部55にロックナット57が螺着され、従動プーリ42及び転がり軸受56が該ロックナット57とフランジ部54との間に挟み込まれることで、従動プーリ42及び転がり軸受56の内輪がボール螺子ナット46と一体回転可能に固定されている。なお、転がり軸受56の軸方向両側には、ゴム等の弾性部材58が第1ハウジング6及び第2ハウジング7の間でそれぞれ圧縮された状態で配置されている。また、転がり軸受56の外周には、Oリング59が第2収容部32との間で圧縮された状態で配置されている。したがって、従動プーリ42は、転がり軸受56を介してラックハウジング5内にラック軸3と同軸上で回転可能に収容されている。
また、ボール螺子ナット46の内周には、螺子溝61が形成されている。一方、ラック軸3の外周には、螺子溝61に対応する螺子溝62が形成されている。そして、螺子溝61,62によって螺旋状のボール軌道R1が形成されている。ボール軌道R1内には、各ボール47がボール螺子ナット46の螺子溝61とラック軸3の螺子溝62とに挟まれた状態で配設されている。つまり、ボール螺子ナット46は、ラック軸3の外周に各ボール47を介して螺合されている。これにより、各ボール47は、ラック軸3とボール螺子ナット46(従動プーリ42)との間の相対回転に伴い、その負荷(摩擦力)を受けつつボール軌道R1内を転動する。そして、各ボール47の転動によってラック軸3とボール螺子ナット46との軸方向の相対位置が変位することにより、モータ12のトルクがアシスト力として操舵系に付与される。なお、ボール軌道R1内を転動するボール47は、ボール螺子ナット46に設けられた該ボール軌道R1の二点間を短絡する循環路R2を通過することで無限循環するようになっている。
次に、ベルトの張力を調整するベルト張力調整装置の構成について説明する。
図2及び図3に示すように、ベルト張力調整装置71は、第1筒状部21(ラックハウジング5)とモータ12との間に配置される第1及び第2調整部材72,73と、第1及び第2調整部材72,73を連結する調整ボルト74とを備えている。
図2及び図3に示すように、ベルト張力調整装置71は、第1筒状部21(ラックハウジング5)とモータ12との間に配置される第1及び第2調整部材72,73と、第1及び第2調整部材72,73を連結する調整ボルト74とを備えている。
図3に示すように、第1調整部材72は、おおよそ直方体の一部を切り欠いた形状に形成されている。そして、第1調整部材72は、駆動プーリ41の中心O1と従動プーリ42の中心O2を結ぶ直線L3及びラック軸3の軸線L2と直交する直交方向の一方側(図3中、左側)から、その一辺が直交方向と平行になる姿勢で第1筒状部21とモータ12との間に挿入されている。第1調整部材72には、直交方向に貫通した貫通孔75が形成されている。また、第1調整部材72には、第2調整部材73側に向かって連続的に先細となるくさび部76が形成されている。
詳しくは、くさび部76のモータ12側のモータ側接触面76aは、ラック軸3の軸線L2及び直線L3に対して一定角度で斜交する平面状に形成されている。一方、くさび部76の第1筒状部21側のハウジング側接触面76bは、第1筒状部21の平坦面27と平行な(直線L3と直交する)平面状に形成されている。これにより、第1調整部材72のくさび部76は、直交方向の一方側から他方側(図3中、右側)に向かって調整方向に沿った幅が一定割合で小さくなるように形成されている。
第2調整部材73は、おおよそ直方体の一部を切り欠いた形状とされている。そして、第2調整部材73は、直交方向の他方側から、その一辺が該直交方向と平行になる姿勢で第1筒状部21とモータ12との間に挿入されている。第2調整部材73には、第1調整部材72側に開口したねじ穴77が形成されている。また、第2調整部材73には、第1調整部材72側に向かって連続的に先細となるくさび部78が形成されている。
詳しくは、くさび部78のモータ12側のモータ側接触面78aは、ラック軸3の軸線及び直線L3に対して一定角度で斜交する平面状に形成されている。なお、本実施形態の第2調整部材73のモータ側接触面78aの直線L3に対する傾斜角は、第1調整部材72のモータ側接触面76aの直線L3に対する傾斜角と略同一に形成されている。つまり、第1調整部材72のモータ側接触面76aと、第2調整部材73のモータ側接触面78aとは、直線L3に関して略対称に形成されている。一方、第2調整部材73の第1筒状部21側のハウジング側接触面78bは、第1筒状部21の平坦面27と平行な平面状に形成されている。
そして、第1調整部材72と第2調整部材73とは、調整ボルト74が第1調整部材72の貫通孔75に挿通された状態で、第2調整部材73のねじ穴77に螺着されることで互いに連結されている。
次に、本実施形態のEPSにおけるベルト張力の調整(作用)について説明する。
ベルト43の張力の調整は、固定ボルト35を緩めた状態で、調整ボルト74のねじ穴77へのねじ込み量を変更し、第1調整部材72と第2調整部材73とを互いに接離させることで行う。
ベルト43の張力の調整は、固定ボルト35を緩めた状態で、調整ボルト74のねじ穴77へのねじ込み量を変更し、第1調整部材72と第2調整部材73とを互いに接離させることで行う。
具体的には、図4(a)に示すように、調整ボルト74のねじ穴77へのねじ込み量を大きくし、第1調整部材72と第2調整部材73とを近接させると、くさび部76,78における調整方向の幅の大きい部分がラックハウジング5の第1筒状部21とモータ12との間に入り込む。その結果、くさび部76,78が直線L3を挟んで両側からラックハウジング5及びモータ12を押圧する。これにより、モータ12が第1筒状部21から離間することで、駆動プーリ41と従動プーリ42との中心間距離が広げられ、ベルト43の張力が高くなる。このとき、本実施形態では、モータ12の外周面12a及び第1筒状部21の外周面21aが直線L3に関して略対称に形成されるとともに、第1及び第2調整部材72,73のくさび部76,78が直線L3に関して略対称に形成されているため、ラックハウジング5とモータ12とは、直線L3に略沿って相対移動する。
一方、図4(b)に示すように、調整ボルト74のねじ穴77へのねじ込み量を小さくし、第1調整部材72と第2調整部材73とを離間させると、くさび部76,78における調整方向の幅の大きい部分がラックハウジング5の第1筒状部21とモータ12との間から抜け出る。これにより、ベルト43の弾性回復によってモータ12が第1筒状部21に近接することで、駆動プーリ41と従動プーリ42との中心間距離が狭められ、ベルト43の張力が低くなる。
そして、ベルト43の張力を調整した後に、固定ボルト35をしっかりとねじ孔37に螺着することで、モータ12をラックハウジング5に対して固定する。このように本実施形態のベルト張力調整装置71では、調整ボルト74のねじ込み量の調整を通じてベルト43の張力を調整可能となっている。
次に、本実施形態の効果について記載する。
(1)ラックハウジング5とモータ12との間に挿入される第1及び第2調整部材72,73を接離させてベルト43の張力を調整するため、ラックハウジング5にガイド孔及びガイド孔の内外に貫通したねじ孔等を形成せずともよく、ラックハウジング5の形状を簡素化できる。
(1)ラックハウジング5とモータ12との間に挿入される第1及び第2調整部材72,73を接離させてベルト43の張力を調整するため、ラックハウジング5にガイド孔及びガイド孔の内外に貫通したねじ孔等を形成せずともよく、ラックハウジング5の形状を簡素化できる。
(2)調整ボルト74のねじ穴77へのねじ込み量を変更することで、第1調整部材72と第2調整部材73とを接離させるため、容易に駆動プーリ41と従動プーリ42との中心間距離を精度よく変化させることができ、精度良くベルト43の張力を調整できる。
(3)本実施形態のEPS1は、ベルト張力調整装置71を備えているため、例えば経年変化等によりベルト43の張力が変化した場合に、容易に再調整を行うことができる。
(4)駆動プーリ41と従動プーリ42との中心間距離を広げる際に、第1及び第2調整部材72,73のくさび部76,78が直線L3を挟んで両側からラックハウジング5及びモータ12を押圧するため、駆動プーリ41と従動プーリ42との中心間距離を安定して広げることができる。
(4)駆動プーリ41と従動プーリ42との中心間距離を広げる際に、第1及び第2調整部材72,73のくさび部76,78が直線L3を挟んで両側からラックハウジング5及びモータ12を押圧するため、駆動プーリ41と従動プーリ42との中心間距離を安定して広げることができる。
(5)モータ12の外周面12a及び第1筒状部21の外周面21aを直線L3に関して略対称に形成するとともに、第1及び第2調整部材72,73のくさび部76,78を直線L3に関して略対称に形成したため、駆動プーリ41と従動プーリ42との中心間距離を広げる際に、ラックハウジング5とモータ12とは直線L3に沿って相対移動する。そして、モータ12の外周面12aに平坦面27を形成し、第1及び第2調整部材72,73のモータ側接触面76a,78aをそれぞれ平坦面27と平行な平面状に形成した。そのため、ハウジング側接触面76b,78bがラックハウジング5を押圧する際に発生する反力を平坦面27及びモータ側接触面76a,78aでしっかりと受けることができ、駆動プーリ41と従動プーリ42との中心間距離をより安定して広げることができる。
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の態様にて実施することもできる。
・上記実施形態では、モータ側接触面76a,78aを直線L3に対して一定角度で傾斜した平面状に形成したが、これに限らず、例えばモータ側接触面76a,78aの直線L3に対する傾斜角が直交方向に沿って連続的に変化する曲面状に形成してもよい。
・上記実施形態では、モータ側接触面76a,78aを直線L3に対して一定角度で傾斜した平面状に形成したが、これに限らず、例えばモータ側接触面76a,78aの直線L3に対する傾斜角が直交方向に沿って連続的に変化する曲面状に形成してもよい。
・上記実施形態では、第1及び第2調整部材72,73にくさび部76,78を形成したが、これに限らず、例えば図5に示すように、第2調整部材73の第1調整部材72側の側面全体を直線L3と平行な平面状とし、第2調整部材73にくさび部を形成しなくてもよい。同様に、第1調整部材72にくさび部を形成しなくてもよい。
・上記実施形態では、第1筒状部21の外周面21aに平坦面27を形成したが、これに限らず、モータ12の外周面12aに平坦面を形成し、モータ側接触面76a,78aを平坦面と平行な平面状に形成してもよい。また、第1筒状部21及びモータ12の外周面12aに平坦面を形成しなくてもよい。なお、この場合には、モータ側接触面76a,78a及びハウジング側接触面76b,78bをそれぞれ直線L3に対して斜交した平面状に形成することが好ましい。
・上記実施形態では、モータ12の外周面12a及び第1筒状部21の外周面21aを直線L3に関して略対称に形成したが、これに限らず、非対称に形成してもよい。また、第1調整部材72のくさび部76と第2調整部材73のくさび部78とを直線L3に関して非対称に形成してもよい。なお、これらの場合には、ラックハウジング5とモータ12とは、直線L3からずれて相対移動するようになるため、調整孔26をラックハウジング5とモータ12とが相対移動する際の軌跡に沿って延びる長孔状に形成することが好ましい。
・上記実施形態では、変換機構としてボール螺子機構14を用いたが、これに限らず、モータ12の回転をラック軸3の軸方向移動に変換することができればよく、例えば遊星ローラ螺子機構等を用いてもよい。
・上記実施形態において、ベルト張力調整装置71を用いてベルト43の張力を調整した後に該ベルト張力調整装置71を取り外し、製造される各EPSに対して繰り返し同じベルト張力調整装置71を使用してもよい。
1…電動パワーステアリング装置(EPS)、3…ラック軸、5…ラックハウジング、12…モータ、12a…外周面、13…伝達機構、21…第1筒状部、21a…外周面、26…調整孔、27…平坦面、41…駆動プーリ、42…従動プーリ、43…ベルト、71…ベルト張力調整装置、72…第1調整部材、73…第2調整部材、74…調整ボルト、75…貫通孔、76,78…くさび部、76a,78a…モータ側接触面、76b,78b…ハウジング側接触面、77…ねじ穴、L1,L2…軸線、L3…直線、O1,O2…中心。
Claims (5)
- 転舵軸が往復動可能に収容されたハウジングと、前記転舵軸と平行になるように配置されたモータと、前記モータに連結された駆動プーリと、前記ハウジング内に回転可能に収容された従動プーリと、前記駆動プーリ及び前記従動プーリ間に巻き掛けられたベルトと、前記従動プーリの回転を前記転舵軸の往復動に変換する変換機構とを備えた電動パワーステアリング装置において、
前記駆動プーリの中心と前記従動プーリの中心とを結ぶ直線及び前記転舵軸の軸線と交差する方向の両側から、前記ハウジングと前記モータとの間に挿入される第1及び第2調整部材と、
前記第1調整部材に形成された貫通孔を介して前記第2調整部材に形成されたねじ穴に螺着される調整ボルトとを備え、
前記第1及び第2調整部材の少なくとも一方には、他方に向かって先細となるとともに、前記ハウジング及び前記モータの外周面に接触するくさび部が形成されたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 請求項1に記載の電動パワーステアリング装置において、
前記第1及び第2調整部材には、それぞれ前記くさび部が形成されたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 請求項2に記載の電動パワーステアリング装置において、
前記ハウジング及び前記モータのいずれか一方の外周面における前記各くさび部と接触可能な範囲は、前記直線に関して対称に形成されるとともに、他方の外周面には、前記直線と直交する平坦面が形成され、
前記第1調整部材のくさび部と前記第2調整部材のくさび部とは、前記直線に関して対称に形成されるとともに、前記各くさび部の前記平坦面と接触する接触面は、該平坦面と平行に形成されたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 転舵軸が往復動可能に収容されたハウジングと、前記転舵軸と平行になるように配置されたモータと、前記モータに連結された駆動プーリと、前記ハウジング内に回転可能に収容された従動プーリと、前記駆動プーリ及び前記従動プーリ間に巻き掛けられたベルトと、前記従動プーリの回転を前記転舵軸の往復動に変換する変換機構とを備えた電動パワーステアリング装置に用いるベルト張力調整装置において、
前記駆動プーリの中心と前記従動プーリの中心とを結ぶ直線及び前記転舵軸の軸線と交差する方向の両側から、前記ハウジングと前記モータとの間に挿入可能な第1及び第2調整部材と、
前記第1調整部材に形成された貫通孔を介して前記第2調整部材に形成されたねじ穴に螺着される調整ボルトとを備え、
前記第1及び第2調整部材の少なくとも一方には、他方に向かって先細となるくさび部が形成されたことを特徴とするベルト張力調整装置。 - 転舵軸が往復動可能に収容されたハウジングと、前記転舵軸と平行になるように配置されたモータと、前記モータに連結された駆動プーリと、前記ハウジング内に回転可能に収容された従動プーリと、前記駆動プーリ及び前記従動プーリ間に巻き掛けられたベルトと、前記従動プーリの回転を前記転舵軸の往復動に変換する変換機構とを備えた電動パワーステアリング装置に用いるベルト張力調整方法において、
前記駆動プーリの中心と前記従動プーリの中心とを結ぶ直線及び前記転舵軸の軸線と交差する方向の両側から、前記ハウジングと前記モータとの間に挿入される第1及び第2調整部材と、
前記第1調整部材に形成された貫通孔を介して前記第2調整部材に形成されたねじ穴に螺着される調整ボルトとを使用し、
前記第1及び第2調整部材の少なくとも一方に形成された他方に向かって先細となるくさび部を前記ハウジング及び前記モータの外周面に接触させた状態で、前記調整ボルトのねじ込み量を変更することを特徴とするベルト張力調整方法。
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JP2013113235A JP2014231306A (ja) | 2013-05-29 | 2013-05-29 | 電動パワーステアリング装置、これに用いるベルト張力調整装置及びベルト張力調整方法 |
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JP2013113235A JP2014231306A (ja) | 2013-05-29 | 2013-05-29 | 電動パワーステアリング装置、これに用いるベルト張力調整装置及びベルト張力調整方法 |
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CN107010101A (zh) * | 2015-10-29 | 2017-08-04 | 株式会社万都 | 电动助力转向装置 |
CN109723774A (zh) * | 2017-10-30 | 2019-05-07 | 北京精密机电控制设备研究所 | 一种紧凑型的带传动调节装置 |
BE1029963B1 (de) * | 2022-06-30 | 2023-06-20 | Thyssenkrupp Presta Ag | Lenkgetriebe für ein Kraftfahrzeug |
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2013
- 2013-05-29 JP JP2013113235A patent/JP2014231306A/ja active Pending
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