JP2014220882A - 電力変換装置並びにそれを用いた蓄電システム - Google Patents
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Abstract
【課題】
単相電力変換回路が多重接続される電力変換装置における単相電力変換回路の総数を低減すること。
【解決手段】
電力変換装置の電力変換部は、複数個の単相電力変換回路(U21〜U24,V21〜24)が直列多重接続される単相電力変換回路群(A,B)を2個備え、これら2個の単相電力変換回路群は、互いにV結線されて、V結線回路部を構成し、このV結線回路部が三相交流電力を出力または入力する。
【選択図】図2
単相電力変換回路が多重接続される電力変換装置における単相電力変換回路の総数を低減すること。
【解決手段】
電力変換装置の電力変換部は、複数個の単相電力変換回路(U21〜U24,V21〜24)が直列多重接続される単相電力変換回路群(A,B)を2個備え、これら2個の単相電力変換回路群は、互いにV結線されて、V結線回路部を構成し、このV結線回路部が三相交流電力を出力または入力する。
【選択図】図2
Description
本発明は、交流電力を直流電力に、または直流電力を交流電力に変換する電力変換装置、並びにそれを用いた蓄電システムに関する。
近年、二酸化炭素の排出量の低減や、化石燃料への依存度の低下を図るために、風力や太陽光などの自然から得られる再生可能エネルギーを利用した発電システムの導入が進められている。再生可能エネルギーを利用した発電システムの導入にあたっては、気象条件に左右される再生可能エネルギーの変動に伴う電力変動を抑制するため、電気エネルギーの蓄積及び放出が可能な蓄電システムが用いられる。この蓄電システムは、電力変換装置を動作させて、再生可能エネルギーによって発電される電力が余剰である場合には余剰電力を蓄電装置に貯蔵し、電力需要に応じて、貯蔵電力を電力系統に放電する。
上記のように蓄電システムは電力系統と連系するため、蓄電システムが備える電力変換装置に対しては、高電圧化や大容量化が要求される。
電力変換装置を高電圧化および大容量化する技術として、次のような従来技術が知られている。本従来技術による電力変換装置においては、三相交流電力系統の各相に、複数の単相インバータを直列多重接続した単相インバータ群が設けられ、3相分の単相インバータ群がY結線される(例えば、特許文献1参照)。これにより、三相交流電力を入出力する電力変換装置を、小容量の単相インバータを用いて、高電圧化および大容量化することができる。
上記従来技術による電力変換装置においては、多数の単相インバータを必要とするため、電力変換装置が大型化したり、コストが増大したりする。また、各単相インバータには、複数の半導体スイッチング素子が用いられるため、電力変換装置に使用される半導体スイッチング素子の総数が大きくなる。このため、半導体スイッチング素子が発生する総電力損失が増加して、その結果、電力変換装置の変換効率が低下するという問題がある。
本発明は、上記の問題を考慮してなされたものであり、単相電力変換回路が多重接続される電力変換装置における単相電力変換回路の総数を低減することを課題とする。
上記課題を解決するために本発明による電力変換装置においては、複数の単相電力変換回路が直列多重接続される2個の単相電力変換回路群がV結線される。
上記本発明の一態様である電力変換装置は、三相交流電力を出力または入力する三相交流端子と、正負を一組とする複数組の直流端子と、三相交流端子および複数組の直流端子と電気的に接続され、直流電力を三相交流電力に、または三相交流電力を直流電力に変換する電力変換部とを備える。この電力変換部は、各々が直流側接続端子と交流側接続端子とを備える複数の単相電力変換回路を備え、これら複数個の単相電力変換回路の内、三相交流電力に応じた複数個の単相電力変換回路が、交流側接続端子によって直列多重接続される単相電力変換回路群を2個備える。これら2個の単相電力変換回路群は、互いにV結線されて、V結線回路部を構成する。このV結線回路部は、三相交流端子に電気的に接続され、三相交流端子を介して三相交流電力を出力または入力する。
複数個の単相電力変換回路が直列多重接続される単相電力変換回路群を交流電力の相数分備えることなく、2個の単相電力変換回路群によって電力変換が可能となる。これにより、電力変換装置に用いられる単相電力変換回路の総数を低減することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
以下、図面を用いて、本発明の実施形態について具体的に説明する。
《第1の実施形態》
図1は、本発明の第1の実施形態である蓄電システムの概略構成を示す。
《第1の実施形態》
図1は、本発明の第1の実施形態である蓄電システムの概略構成を示す。
図1の蓄電システムは、直流電力を三相交流電力に変換したり、三相交流電力を直流電力に変換したりする機能を有する電力変換装置1と、直流電力を貯蔵する複数の蓄電装置14からなる蓄電装置群7を備えている。三相交流電源系統8において三相交流電力が不足すると、蓄電装置群7に貯蔵される直流電力が、電力変換装置1により三相交流電力に変換され、変換後の三相交流電力が三相交流端子6を介して三相交流電源系統8に出力される。また、三相交流電源系統8において三相交流電力が余剰になると、電力変換装置1は、余剰な三相交流電力を、三相交流端子を介して入力し、入力した余剰電力を直流電力に変換し、変換後の直流電力を蓄電装置群7に貯蔵する。
電力変換装置1は、電力変換部2,中央制御装置3,連系リアクトル部4,正極側端子と負極側端子を一組とする複数組の直流端子15からなる直流端子群5および三相交流端子6を備えている。そして、電力変換装置1は、三相交流端子6を介して三相交流電源系統8と接続され、かつ直流端子群5を介して蓄電装置群7と接続される。
電力変換部2は、半導体スイッチング素子を含む主回路部を備える。本主回路部は、後述するように、複数の単相電力変換回路が直列多重接続される単相電力変換回路群を2個備え、これら2個の単相電力変換回路群がV結線されるV結線回路部を備えている。さらに、電力変換部2は、直流端子群5を介して蓄電装置群7と電気的に接続されている。直流端子群5における複数組の直流端子15には、それぞれ、蓄電装置群7における蓄電装置14が接続される。また、電力変換部2における三相交流電力の入出力部U相,V相,W相は、連系リアクトル部4と電気的に接続されている。本実施形態において、連系リアクトル部4は、U相およびV相にのみリアクトルを備えている。さらに、連系リアクトル部4は三相交流端子6を介して三相交流電源系統8と電気的に接続されている。
中央制御装置3には、あらかじめ制御プログラムが実装されており、その制御プログラムに基づいて電力変換装置1の電力変換部2に指令信号を送信する。図1には明記しないが、中央制御装置3に実装される制御プログラムは、三相交流電源系統8の電力供給状態を計測する電圧センサや電流センサの出力信号、並びに蓄電装置群7の作動状態を計測する電圧センサや電流センサや温度センサの出力信号に基づいて、蓄電装置7の作動状態を最適化しながら、三相交流電源系統8と電力を送受するための電力変換部2への指令信号を作成する。
蓄電装置群7は、図には明記しないが、電気的に直並列に接続された複数の蓄電装置、例えばリチウムイオン二次電池を備えている。複数の蓄電装置の電気的な接続の仕方は、電力変換装置1と蓄電装置群7によって構成される蓄電システムに要求される出力電圧や蓄電容量などに関する仕様に応じて、直列接続,並列接続,直並列接続のいずれかが用いられる。なお、本実施形態の蓄電システムは、再生可能エネルギーによる発電システムに対応して設けられており、この発電システムが高電圧かつ高容量の三相交流電源系統8と連系するため、複数の蓄電装置が電気的に直並列に接続された構成が用いられる。
図2は、図1の電力変換装置1を構成する電力変換部2の概略構成を示す。電力変換部2は、4個の単相電力変換回路U21,U22,U23,U24が直列多重接続される単相電力変換回路群Aと、4個の単相電力変換回路V21,V22,V23,V24が直列多重接続される単相電力変換回路群Bを有する。各単相電力変換回路は後述するように交流側接続端子および直流側接続端子を備えており、この交流側接続端子によって4個の単相電力変換回路が直列多重接続される。なお、各単相電力変換回路の直流側接続端子には、蓄電装置14が接続される。単相電力変換回路群Aの一端と単相電力変換回路群Bの一端が電気的に接続される。すなわち、電力変換部2は、単相電力変換回路群Aと単相電力変換回路群BとがV結線されるV結線回路部を備える。
図2に示したV結線回路部と外部回路との接続点2A,2Bには、それぞれ単相電力変換回路群Aの他端,単相電力変換回路群Bの他端が接続される。また、単相電力変換回路群Aと単相電力変換回路群Bの相互接続点2Dは、V結線回路部と外部回路との接続点2Cに接続される。なお、本実施形態では、相互接続点2Dと接続点2Cは、回路あるいは回路部品を介することなく、互いに直接接続されるので、同電位となる。V結線回路部と外部回路との接続点2A,2B,2Cは、それぞれ、図1に示した電力変換部2における三相交流電力の入出力部U相,V相,W相に接続される。このようなV結線回路部では、U相とW相間の線間電圧、およびV相とW相間の線間電圧を制御することにより三相交流電力を入出力する。
図2に示したようなV結線回路部を用いることにより、U相とW相間の線間電圧、およびV相とW相間の線間電圧を単相電力変換回路群によって制御すれば、単相電力変換回路群を3相分用いることなく三相交流電力を入出力できる。従って、単相電力変換回路が多重接続される電力変換装置における単相電力変換回路の総数を低減できる。これにより、電力変換装置およびこれを用いる蓄電システムを小型化および低コスト化できる。また、電力変換装置に用いられる半導体スイッチング素子の総数が大幅に低減できるので、電力変換装置およびこれを用いる蓄電システムが発生する電力損失が低減される。このため、電力変換装置における電力変換効率が向上する。さらに、直列多重接続された複数の単相電力変換回路のそれぞれに蓄電装置が接続されるため、蓄電装置毎にその動作状態や劣化状態に応じた電力変換装置の運転が可能となるので、蓄電システムの寿命が向上する。
また、本実施形態においては、V結線回路部により制御される線間電圧の大きさは相電圧よりも大きくなるが、単相変換回路を直列多重接続することにより、電力変換部に用いられる半導体スイッチング素子やダイオードなどの半導体素子の耐圧を高くしなくてもよい。これにより、半導体素子の耐圧増大に伴う電力損失の増大による電力変換装置の変換効率低下という不都合を回避できる。
なお、図2に示した各単相電力変換回路について、定格の電圧および周波数は同じ大きさにしている。また、各単相電力変換回路に接続される蓄電装置については、電圧および容量性能を同じにしている。このため、単相電力変換回路群Aと単相電力変換回路群Bにおける単相電力変換回路の直列多重数は同数としている。なお、直列多重数は、本実施形態における4個に限らず、入出力する三相交流の電圧の大きさに応じて適宜設定される。また、V結線回路部によって入出力される各相の電圧および周波数が同じであれば、単相電力変換回路群Aと単相電力変換回路群Bとで、異なる定格電圧の単相電力変換回路を用いて、単相電力変換回路の直列多重数を異ならしめてもよい。また、単相電力変換回路群Aと単相電力変換回路群Bとで、異なる種類の蓄電装置、例えばリチウムイオン二次電池とキャパシタを使い分けてもよい。
図3は、図2において直列多重接続される単相電力変換回路の回路構成を示す。図2における単相電力変換回路U21,U22,U23,U24,V21,V22,V23,V24は同じ回路構成であるため、図3には、代表して単相電力変換回路U21を示す。
単相電力変換回路U21は、スイッチング回路30、スイッチング回路30に電気的に接続される交流側接続端子33、および直流端子15(図1)を介して蓄電装置14に接続される直流側接続端子35を備えている。
スイッチング回路30は、半導体スイッチング素子として、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)31a,31b,31c,31dが用いられる、単相フルブリッジ回路である。なお、半導体スイッチング素子としては、MOSFETに限らず、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)など、他の半導体スイッチング素子を用いても良い。
スイッチング回路30は、上アームのMOSFET31aのソースと下アームのMOSFET31bのドレインとが電気的に直列に接続されて構成された第1のアームと、上アームのMOSFET31cのソースと下アームのMOSFET31dのドレインとが電気的に直列に接続されて構成された第2のアームとを備える。上アームのMOSFET31a,31cのドレイン同士及び下アームのMOSFET31b,31dのソース同士が電気的に接続される。これにより、第1のアームと第2のアームとが電気的に並列に接続される。なお、本実施形態においては、上下アームに設けられるMOSFETは1並列であるが、単相電力変換回路U21の電流容量に応じて、複数のMOSFETを並列接続しても良い。
MOSFET31a,31b,31c,31dのドレインとソースとの間には、それぞれ、MOSFETの構造上、MOSFETに逆並列に接続される寄生ダイオードが内蔵される。具体的には、MOSFET31aのドレインとソースとの間にはダイオード32aが、MOSFET31bのドレインとソースとの間にはダイオード32bが、MOSFET31cのドレインとソースとの間にはダイオード32cが、MOSFET31dのドレインとソースとの間にダイオード32dが、それぞれ内蔵される。このため、本実施形態では、個別の還流ダイオードを外付けせずに、内蔵されるダイオード32a,32b,32c,32dを還流ダイオードとして用いる。なお、半導体スイッチング素子として一般的なIGBTを用いる場合には、IGBTのコレクタとエミッタとの間に個別の還流ダイオードを接続する。
上アームのMOSFET31a,31cのドレインは直流側接続端子35の正極側に電気的に接続されている。また、下アームのMOSFET31b,31dのソースは直流側接続端子35の負極側に電気的に接続されている。
第1のアームの中点、すなわち上アームのMOSFET31aのソースと下アームのMOSFET31bのドレインとの電気的な接続点、及び第2のアームの中点、すなわち上アームのMOSFET31cのソースと下アームのMOSFET31dのドレインとの電気的な接続点は、それぞれ、交流側接続端子33と電気的に接続される。2つの交流側接続端子33のうち、一方の交流側接続端子33は電力変換装置1の連系リアクトル部4のU相リアクトルに電気的に接続されている。他方の交流側接続端子33は、単相電力変換回路U21に直列多重接続される単相電力変換回路U22の交流側接続端子の一方に電気的に接続される。
また、単相電力変換回路U21は、制御装置34を備えている。制御装置34は、中央制御装置3から信号伝送された指令信号に応じて、電力変換装置1および蓄電システムが三相交流電源系統8と連系するように、MOSFET31a,31b,31c,31dのオン・オフ駆動を制御する。このため、制御装置34は、中央制御装置3から信号伝送された指令信号を入力し、この入力された指令信号や、制御装置が備える記憶装置に予め記憶された記憶情報などに基づいて、MOSFET31a,31b,31c,31dをオン・オフスイッチングさせるための駆動パターンを制御プログラムにしたがって演算する。そして、制御装置34は、演算された駆動パターンに応じてゲート駆動信号を生成し、生成されたゲート駆動信号をMOSFET31a,31b,31c,31dのゲートに出力する。ゲートに与えられたゲート駆動信号によって、MOSFET31a,31b,31c,31dのオン・オフ駆動が制御される。
次に、図4乃至図7を用いて電力変換装置1を構成する単相電力変換回路U21,U22,U23,U24,V21,V22,V23,V24の動作の一例について説明する。
図4は、電力変換装置1における三相各相の相電圧目標値、線間電圧目標値並びに線間電圧出力値を示す。ここで、線間電圧として、電力変換部2における、U相とW相の線間電圧およびV相とW相の線間電圧を示す。なお、図4においては、横軸は時間を示し、縦軸は図上方より、相電圧目標値、線間電圧目標値、線間電圧出力値を示す。
中央制御装置3は、三相交流電源系統8と連系するために、電力変換部2の相電圧目標値を演算する。相電圧目標値U,V,Wは、三相交流であるため、それぞれの振幅は同等、位相差は120°である。この相電圧目標値に基づき、中央制御装置3はU相とW相間の線間電圧目標値UWと、V相とW相間の線間電圧目標値VWを演算する。この線間電圧目標値UW,VWは、図2における接続点2Aと接続点2Dとの間(U−W線間)に接続される単相電力変換回路U21,U22,U23,U24のそれぞれの出力電圧と、接続点2Bと接続点2Dとの間(V−W線間)に接続される単相電力変換回路V21,V22,V23,V24のそれぞれの出力電圧を発生させるための駆動パターンを演算するために用いられる。
駆動パターンの演算方法の概要を、図5を用いて説明する。
図5は、線間電圧目標値とPWM(Pulse Width Modulation)制御用キャリアである三角波を示す。本実施形態では、前述のU−W相間およびV−W相間に4台の単相電力変換回路が接続されるため、それぞれの小型変換装置に対応したキャリア1〜4が用いられる。小型変換装置U21および小型変換装置V21に利用するキャリア1と線間電圧目標値UWとVWを比較し、線間電圧目標値UWおよびVWがキャリア1よりも大きい場合には、小型変換装置U21とV21が正の電圧を出力するように、駆動パターンを演算する。また、線間電圧目標値UWおよびVWがキャリア1よりも小さい場合には電圧を出力せず、0とするように、駆動パターンを演算する。また、線間電圧目標値UWおよびVWが負の場合は、線間電圧目標値の絶対値とキャリア1を比較し、線間電圧目標値UWおよびVWの絶対値がキャリア1よりも大きい場合には、単相電力変換回路U21とV21が負の電圧を出力するように、駆動パターンを演算する。なお、U21およびV21以外の単相電力変換回路の動作も同様であるが、電圧のバイアスレベルを変更したキャリア2〜4と線間電圧目標値とを比較することにより、それぞれの単相電力変換回路が単相交流電圧を出力するための駆動パターンを演算する。
上述した駆動パターンに基づいて単相電力変換回路U21,U22,U23,U24,V21,V22,V23,V24が単相交流電圧を出力することにより、図4下段に示す線間電圧出力値が得られる。U−V線間電圧出力値UVは、4台の単相電力変換回路U21,U22,U23,U24が直列多重接続され、かつ各単相電力変換回路が正および負の値並びに0の電圧を出力するため、正側及び負側のそれぞれについて、電圧0を含めて5つの電圧レベルを有する。このため、本実施形態においては、高電圧でしかも線間電圧目標値の正弦波に近い波形を有する線間電圧出力値を得ることができる。
図6は、第1の実施形態における、U−W線間の線間電圧出力値と、U−W線間に接続される単相電力変換回路U21,U22,U23,U24の出力電圧を示す。図6において、横軸は時間を示し、縦軸は図上方より線間電圧目標値UW,単相電力変換回路U21の出力電圧、単相電力変換回路U22の出力電圧、単相電力変換回路U23の出力電圧、単相電力変換回路U24の出力電圧を示す。上述の通り、中央制御装置3において、図4に示す線間電圧目標値UWに基づいて単相電力変換回路U21,U22,U23,U24の駆動パターンが演算される。この駆動パターンに基づき、単相電力変換回路U21,U22,U23,U24が図6に示すような単相交流電圧を出力する。単相電力変換回路U21,U22,U23,U24は交流側接続端子が直列接続されているため、図6上段の様に、図4に示すU−W線間の線間電圧目標値UWに近い階段状のU−V線間出力電圧値が得られる。
図7は、第1の実施形態における、V−W線間の線間電圧出力値と、V−W線間に接続される単相電力変換回路V21,V22,V23,V24の出力電圧を示す。図7において、横軸は時間を示し、縦軸は図上方より線間電圧目標値VW,単相電力変換回路V21の出力電圧、単相電力変換回路V22の出力電圧、単相電力変換回路V23の出力電圧、単相電力変換回路V24の出力電圧を示す。上述の通り、中央制御装置3において、図4に示す線間電圧目標値VWに基づいて単相電力変換回路V21,V22,V23,V24の駆動パターンが演算される。この駆動パターンに基づき、単相電力変換回路V21,V22,V23,V24が図7に示すような単相交流電圧を出力する。単相電力変換回路V21,V22,V23,V24は交流側接続端子が直列接続されているため、V−W線間電圧は図7上段の様に、図4に示すV−W線間の線間電圧目標値VWに近い階段状のV−W線間出力電圧値が得られる。
《第2の実施形態》
次に、図8乃至図14を用いて、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、主に、第2の実施形態の構成及び動作において、第1の実施形態とは異なる点について説明する。第1の実施形態と同じ構成及び動作については、説明を簡略にしたり省略したりする。
《第2の実施形態》
次に、図8乃至図14を用いて、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、主に、第2の実施形態の構成及び動作において、第1の実施形態とは異なる点について説明する。第1の実施形態と同じ構成及び動作については、説明を簡略にしたり省略したりする。
図8は、本発明の第2の実施形態である蓄電システムの概略構成を示す。本実施形態においては、後述するように電力変換部2の回路構成が第1の実施形態とは異なる。また、それに伴って、連系リアクトル部4は、三相交流のU相,V相,W相の各相にリアクトルを備える。その他の構成については、第1の実施形態と同様である。
図9は、図8の電力変換装置1を構成する電力変換部2の概略構成を示す。電力変換部2は、4個の単相電力変換回路U21,U22,U23,U24が直列多重接続される単相電力変換回路群Aと、4個の単相電力変換回路V21,V22,V23,V24が直列多重接続される単相電力変換回路群Bを有する。各単相電力変換回路は交流側接続端子および直流側接続端子を備えており、この交流側接続端子によって4個の単相電力変換回路が直列多重接続される。なお、各単相電力変換回路の直流側接続端子には、蓄電装置14が接続される。単相電力変換回路群Aの一端と単相電力変換回路群Bの一端が電気的に接続される。すなわち、電力変換部2は、単相電力変換回路群Aと単相電力変換回路群BとがV結線されるV結線回路部を備える。
図9に示した電力変換部2におけるV結線回路部と外部回路との接続点2A,2Bには、それぞれ単相電力変換回路群Aの他端,単相電力変換回路群Bの他端が接続される。また、単相電力変換回路群Aと単相電力変換回路群Bの相互接続点2Dには、一台の単相電力変換回路W21における一方の交流側接続端子が接続される。単相電力変換回路W21の他方の交流側接続端子は、電力変換部2と外部回路との接続点2Cに接続される。V結線回路部と外部回路との接続点2A,2B,2Cは、それぞれ、図8に示した電力変換部2における三相交流電力の入出力部U相,V相,W相に接続される。
図9においては、単相電力変換回路群Aと単相電力変換回路群BとがV結線されるV結線回路部と、単相電力変換回路W21とが、Y結線回路部を構成している。このような、Y結線回路部では、U相,V相,W相の相電圧を制御することにより三相交流電力を入出力する。ここで、電力変換部2の入出力電圧の大部分はV結線回路部が負担し、V結線回路部における単相電力変換回路群の負担分より小さな一部の電圧を単相電力変換回路W21が負担する。
図9に示したようなV結線回路部および入出力電圧の一部を負担する1台の単相電力変換回路を用いて、U相,V相,W相の相電圧を制御すれば、単相電力変換回路群を3相分用いることなく三相交流電力を入出力できる。従って、前述の第1の実施形態と同様に、電力変換装置およびこれを用いる蓄電システムを小型化および低コスト化できると共に、電力変換装置における電力変換効率が向上する。また、第1の実施形態と同様に、蓄電装置毎にその動作状態や劣化状態に応じた電力変換装置の運転が可能となるので、蓄電システムの寿命が向上する。
さらに、第2の実施形態によれば、1台の単相電力変換回路W21が、U−W線間の出力電圧とV−W間の出力電圧の各一部を共通的に負担するため、第一の実施形態のように単相電力変換回路群だけで出力電圧を負担する場合に比べ、単相電力変換回路群における単相電力変換回路の直列多重数を低減することができる。
なお、第1の実施形態と同様に、図9に示した各単相電力変換回路についても、定格の電圧および周波数、並びに蓄電装置の電圧および容量性能を同じ大きさにしている。このため、単相電力変換回路群Aと単相電力変換回路群Bにおける単相電力変換回路の直列多重数は同数としている。また、第1の実施形態と同様に、直列多重数は、入出力する三相交流の電圧の大きさに応じて適宜設定される。また、第1の実施形態と同様に、単相電力変換回路群Aと単相電力変換回路群B並びに単相電力変換回路W21とで、異なる定格電圧の単相電力変換回路を用いて、単相電力変換回路の直列多重数を異ならしめてもよいし、異なる種類の蓄電装置、例えばリチウムイオン二次電池とキャパシタを使い分けてもよい。
第2の実施形態における単相電力変換回路U21,U22,U23,U24,V21、V22,V23,V24,W21の回路構成は、図3に示す第1の実施形態における単相電力変換回路と同じであるため、図示および説明を省略する。
次に、図10乃至図14を用いて電力変換装置1を構成する単相電力変換回路U91,U92,U93,U94,V91,V92,V93,V94,W91の動作の一例について説明する。
図10は、電力変換装置1における三相各相の相電圧目標値、線間電圧目標値並びに線間電圧出力値を示す。ここで、線間電圧として、電力変換部2における、U相とW相の線間電圧およびV相とW相の線間電圧を示す。なお、図4においては、横軸は時間を示し、縦軸は図上方より、相電圧目標値、線間電圧目標値、線間電圧出力値を示す。
中央制御装置3は、三相交流電源系統8と連系するために、電力変換部2の相電圧目標値を演算する。相電圧目標値U,V,Wは、三相交流であるため、それぞれの振幅は同等、位相差は120°である。この相電圧目標値に基づき、中央制御装置3はU相とW相間の線間電圧目標値UWと、V相とW相間の線間電圧目標値VWを演算する。この線間電圧目標値UW,VWは、図9における接続点2Aと接続点2Cとの間(U−W線間)に接続される単相電力変換回路U21,U22,U23,U24およびW21のそれぞれの出力電圧と、接続点2Bと接続点2Cとの間(V−W線間)に接続される単相電力変換回路V21,V22,V23,V24およびW21のそれぞれの出力電圧を発生させるための駆動パターンを演算するために用いられる。
以下、駆動パターンの演算方法の概要を説明する。
図11は、中央制御装置3にて演算される各相の相電圧目標値を示す。但し、図5に示したようなPWM制御用キャリアについては記載を省略している。なお、本実施形態では、図5に示した4個のキャリア1〜4に、単相電力変換回路W21をPWM制御するためのキャリアを加え、5個のキャリアが用いられる。
図11において、横軸は時間を示し、縦軸は相電圧目標値を示す。図中、実線,点線および破線は、それぞれ、U相の相電圧目標値、V相の相電圧目標値およびW相の相電圧目標値を示す。U相電圧目標値およびV相電圧目標値は、図10に示す線間電圧目標値UWおよびVWの振幅の絶対値が所定値V0以上となった場合に、振幅をその所定値に制限したものである。また、W相電圧目標値は、線間電圧目標値UWおよびVWの振幅の絶対値が所定値V0を超える場合における、振幅の絶対値と所定値V0との差分を示す。図9に示す第2の実施形態における電力変換部9のY結線回路部では、単相電力変換回路W21によってU−W線間電圧およびV−W線間電圧を同時に制御することができる。これにより図11に示すように、出力電圧値の一部をW相電圧目標値とすることで、図10に示す線間電圧目標値UWおよびVWに応じて電力変換部2の線間電圧を出力することができる。
図12は、第2の実施形態における、U相の相電圧出力値と、U相に接続された単相電力変換回路U21,U22,U23,U24の出力電圧を示す。図12において、横軸は時間を示し、縦軸は図上方より、U相電圧目標値、単相電力変換回路U21の出力電圧、単相電力変換回路U22の出力電圧、単相電力変換回路U23の出力電圧、単相電力変換回路U24の出力電圧を示す。上述のように、中央制御装置3において、図11に示すU相電圧目標値と、図示しないPWM制御用キャリアを比較することにより、単相電力変換回路U21,U22,U23,U24の駆動パターンが演算される。この駆動パターンに基づき、単相電力変換回路U21,U22,U23,U24が図12に示すような単相交流電圧を出力する。単相電力変換回路U21,U22,U23,U24は直列多重接続されているため、図12最上段の様に、図11における相電圧目標値Uに近い波形を有する階段状のU相電圧出力値が得られる。なお、本実施形態では、W相に接続する単相電力変換回路W91が電圧を出力するため、単相電力変換回路U24は交流周期の全期間において電圧0を出力する。
図13は、第2の実施形態における、V相の相電圧出力値と、V相に接続された単相電力変換回路V21,V22,V23,V24の出力電圧を示す。図13において、横軸は時間を示し、縦軸は図上方より、V相電圧目標値、単相電力変換回路V21の出力電圧、単相電力変換回路V22の出力電圧、単相電力変換回路V23の出力電圧、単相電力変換回路V24の出力電圧を示す。上述のように、中央制御装置3において、図11に示すV相電圧目標値と、図示しないPWM制御用キャリアを比較することにより、単相電力変換回路V21,V22,V23,V24の駆動パターンが演算される。この駆動パターンに基づき、単相電力変換回路V21,V22,V23,V24が図13に示すような単相交流電圧を出力する。単相電力変換回路V21,V22,V23,V24は直列多重接続されているため、図13最上段の様に、図11における相電圧目標値Vに近い波形を有する階段状のV相電圧出力値が得られる。なお、本実施形態では、W相に接続する単相電力変換回路W91が電圧を出力するため、単相電力変換回路V24は交流周期の全期間において電圧0を出力する。
図14は、第2の実施形態における、W相に接続された単相電力変換回路W21の出力電圧を示す。図14の横軸は時間、縦軸は単相電力変換回路W21の出力電圧を示す。上述のように、中央制御装置3において、図11に示すW相電圧目標値と図示しないPWM制御用キャリアを比較することにより、単相電力変換回路W21の駆動パターンが演算される。この駆動パターンに基づき、単相電力変換回路W21が図14に示すような単相交流電圧を出力する。
本実施形態の電力変換部は、図9に示したように、単相電力変換回路群AおよびBによるV結線回路部と一台の単相電力変換回路W21とのY結線回路構成を備えるため、図12に示すU相電圧出力値と、図13に示すV相電圧出力値と、図14に示すW相電圧出力値を合成することにより、図10最下段に示す三相交流電圧を出力する。これにより、電力変換部を含む電力変換装置と蓄電装置群とを備える蓄電システムは、三相交流電源系統8と連系し、三相交流電源系統8と蓄電装置7の間で三相交流電力を入出力可能となる。
本発明の実施形態は、上記のものに限らず、本発明の技術的思想の範囲内において、様々な実施形態が可能である。例えば、単相電力変換回路の直流側接続端子にキャパシタを接続することにより、系統電圧の安定化を図るための静止型無効電力補償装置に本発明を適用できる。また、単相電力変換回路の直流側接続端子に太陽電池パネルを接続することにより、太陽光発電システムに本発明を適用できる。さらに、本発明による蓄電システムは、三相交流電源系統に限らず、発電機などの交流電源負荷と連系しても良い。
1 電力変換装置
2 電力変換部
3 中央制御装置
4 連系リアクトル部
5 直流端子群
6 三相交流端子
7 蓄電装置群
8 三相交流電源系統
14 蓄電装置
15 直流端子
30 スイッチング回路
31a,31b,31c,31d MOSFET
32a,32b,32c,32d ダイオード
33 交流側接続端子
34 制御装置
35 直流側接続端子
U21,U22,U23,U24 単相電力変換回路
V21,V22,V23,V24 単相電力変換回路
W21 単相電力変換回路
A,B 単相電力変換回路群
2 電力変換部
3 中央制御装置
4 連系リアクトル部
5 直流端子群
6 三相交流端子
7 蓄電装置群
8 三相交流電源系統
14 蓄電装置
15 直流端子
30 スイッチング回路
31a,31b,31c,31d MOSFET
32a,32b,32c,32d ダイオード
33 交流側接続端子
34 制御装置
35 直流側接続端子
U21,U22,U23,U24 単相電力変換回路
V21,V22,V23,V24 単相電力変換回路
W21 単相電力変換回路
A,B 単相電力変換回路群
Claims (10)
- 三相交流電力を出力または入力する三相交流端子と、
正負を一組とする複数組の直流端子と、
前記三相交流端子および前記複数組の直流端子と電気的に接続され、直流電力を三相交流電力に、または三相交流電力を直流電力に変換する電力変換部と、
を備える電力変換装置において、
前記電力変換部は、各々が直流側接続端子と交流側接続端子とを備える複数の単相電力変換回路を備え、
前記複数個の単相電力変換回路の内、前記三相交流電力に応じた複数個の前記単相電力変換回路が、前記交流側接続端子によって直列多重接続される単相電力変換回路群を2個備え、
前記2個の単相電力変換回路群は、互いにV結線されて、V結線回路部を構成し、
前記V結線回路部は、前記三相交流端子に電気的に接続され、前記三相交流端子を介して前記三相交流電力を出力または入力することを特徴とする電力変換装置。 - 請求項1に記載の電力変換装置において、前記2個の単相電力変換回路群の相互接続点には、1個の前記単相電力変換回路の交流側端子が接続され、前記相互接続点は前記1個の前記単相電力変換回路を介して前記三相交流端子の一相分と電気的に接続されることを特徴とする電力変換装置。
- 請求項2に記載の電力変換装置において、前記V結線回路部の両端および前記1個の前記単相電力変換回路は、それぞれリアクトルを介して三相交流端子に接続されることを特徴とする電力変換装置。
- 請求項2に記載の電力変換装置において、前記複数の単相電力変換回路は、線間電圧の目標値に応じてPWM制御されることを特徴とする電力変換装置。
- 請求項4に記載の電力変換装置において、前記相電圧の目標値を演算する中央制御装置を備えることを特徴とする電力変換装置。
- 請求項1に記載の電力変換装置において、前記V結線回路部における前記2個の単相電力変換回路群の相互接続点が、直接、前記三相交流端子の一相分と電気的に接続されることを特徴とする電力変換装置。
- 請求項6に記載の電力変換装置において、前記V結線回路部の両端は、リアクトルを介して、前記三相交流端子の二相分と電気的に接続されることを特徴とする電力変換装置。
- 請求項6に記載の電力変換装置において、前記複数の単相電力変換回路は、線間電圧の目標値に応じてPWM制御されることを特徴とする電力変換装置。
- 請求項8に記載の電力変換装置において、前記線間電圧の目標値を演算する中央制御装置を備えることを特徴とする電力変換装置。
- 複数の蓄電装置と、
前記複数の蓄電装置に貯蔵される直流電力を三相交流電力に、または前記三相交流電力を前記直流電力に変換する電力変換装置と、
を備える蓄電システムにおいて、
前記電力変換装置が請求項1または請求項2に記載の電力変換装置であり、
前記単相電力変換回路群における複数の前記単相電力変換回路の各々に、前記複数の蓄電装置が接続されることを特徴とする蓄電システム。
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JP2013097317A JP2014220882A (ja) | 2013-05-07 | 2013-05-07 | 電力変換装置並びにそれを用いた蓄電システム |
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Cited By (1)
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CN105207607A (zh) * | 2015-09-21 | 2015-12-30 | 北京科诺伟业科技股份有限公司 | A~c三相交流串联式光伏方阵 |
-
2013
- 2013-05-07 JP JP2013097317A patent/JP2014220882A/ja active Pending
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