JP2014218396A - 積層ガラスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】光学特性に優れた積層ガラスが得られる、積層ガラスの製造方法を提供する。
【解決手段】積層ガラスを得る、積層ガラスの製造方法であって、表面粗さSaが5Å超である鏡面を少なくとも片面に有する第1のガラス板の上記鏡面上に、第2のガラス板を重ね合わせ、積層体を形成する積層工程と、上記積層体が収容されたチャンバ内を減圧して、3Pa以下の真空状態にする減圧工程と、上記真空状態の上記チャンバ内で上記積層体を加熱する加熱工程と、上記真空状態の上記チャンバ内で上記積層体をプレスするプレス工程と、を備え、上記加熱工程の加熱温度が、上記第1のガラス板の粘性がlogη=11.5となる温度、および、上記第2のガラス板の粘性がlogη=11.5となる温度のうち、いずれか低い方の温度以上である、積層ガラスの製造方法。
【選択図】図2
【解決手段】積層ガラスを得る、積層ガラスの製造方法であって、表面粗さSaが5Å超である鏡面を少なくとも片面に有する第1のガラス板の上記鏡面上に、第2のガラス板を重ね合わせ、積層体を形成する積層工程と、上記積層体が収容されたチャンバ内を減圧して、3Pa以下の真空状態にする減圧工程と、上記真空状態の上記チャンバ内で上記積層体を加熱する加熱工程と、上記真空状態の上記チャンバ内で上記積層体をプレスするプレス工程と、を備え、上記加熱工程の加熱温度が、上記第1のガラス板の粘性がlogη=11.5となる温度、および、上記第2のガラス板の粘性がlogη=11.5となる温度のうち、いずれか低い方の温度以上である、積層ガラスの製造方法。
【選択図】図2
Description
本発明は、積層ガラスの製造方法に関する。
従来、複数枚のガラス板を重ね合わせて積層体を形成し、形成した積層体に加熱およびプレスを施すことにより、積層ガラスを得る方法が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
上述したような方法によって得られた積層ガラスにおいては、隣り合うガラス板どうしの間(界面)にガストラップが発生し、透過率等の光学特性が部分的に低下する場合がある。
とりわけ、積層ガラスが、スマートフォン等の携帯機器に搭載されるカバーガラスとして用いられる場合には、特に、問題となる。
そこで、本発明は、光学特性に優れた積層ガラスが得られる、積層ガラスの製造方法を提供することを目的とする。
とりわけ、積層ガラスが、スマートフォン等の携帯機器に搭載されるカバーガラスとして用いられる場合には、特に、問題となる。
そこで、本発明は、光学特性に優れた積層ガラスが得られる、積層ガラスの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、重なり合う面の少なくとも一方を適度に粗い面とした積層体を真空状態にした後、加熱およびプレスを施すことで、ガストラップの発生が抑制された積層ガラスが得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(13)を提供する。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(13)を提供する。
(1)積層ガラスを得る、積層ガラスの製造方法であって、表面粗さSaが5Å超である鏡面を少なくとも片面に有する第1のガラス板の上記鏡面上に、第2のガラス板を重ね合わせ、積層体を形成する積層工程と、上記積層体が収容されたチャンバ内を減圧して、3Pa以下の真空状態にする減圧工程と、上記真空状態の上記チャンバ内で上記積層体を加熱する加熱工程と、上記真空状態の上記チャンバ内で上記積層体をプレスするプレス工程と、を備え、上記加熱工程の加熱温度が、上記第1のガラス板の粘性がlogη=11.5となる温度、および、上記第2のガラス板の粘性がlogη=11.5となる温度のうち、いずれか低い方の温度以上である、積層ガラスの製造方法。
(2)上記加熱工程の加熱温度が、上記第1のガラス板の粘性がlogη=7.65となる温度、および、上記第2のガラス板の粘性がlogη=7.65となる温度のうち、いずれか高い方の温度以下である、上記(1)に記載の積層ガラスの製造方法。
(3)上記プレス工程のプレス圧力が、0.03MPa以上である、上記(1)または(2)に記載の積層ガラスの製造方法。
(4)上記プレス工程において、上記積層体の端面を除く部分に加わるプレス圧力が均一である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の積層ガラスの製造方法。
(5)上記積層工程の前に、上記第1のガラス板の少なくとも片面を表面処理して上記鏡面にする表面処理工程を備える、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の積層ガラスの製造方法。
(6)上記積層工程の前に、上記第1のガラス板が有する上記鏡面、および、上記鏡面に重なり合う上記第2のガラス板の面を洗浄する洗浄工程を備える、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の積層ガラスの製造方法。
(7)上記第1のガラス板および上記第2のガラス板の形状が、互いに異なる、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の積層ガラスの製造方法。
(8)上記積層工程が、1枚の上記第1のガラス板と1枚の上記第2のガラス板とを重ね合わせて2層の上記積層体を形成する工程である場合において、上記第1のガラス板と上記第2のガラス板との熱膨張係数差が、30×10−7/K以下である、上記(7)に記載の積層ガラスの製造方法。
(9)上記積層工程が、2枚の上記第1のガラス板と1枚の上記第2のガラス板とを重ね合わせて3層の上記積層体を形成する工程である、上記(1)〜(7)のいずれかに記載の積層ガラスの製造方法。
(10)上記第2のガラス板の熱膨張係数が、上記第1のガラス板の熱膨張係数よりも大きい、上記(9)に記載の積層ガラスの製造方法。
(11)上記積層工程が、上記鏡面を両面に有する1枚の上記第1のガラス板と2枚の上記第2のガラス板とを重ね合わせて3層の上記積層体を形成する工程である、上記(1)〜(7)のいずれかに記載の積層ガラスの製造方法。
(12)上記第1のガラス板の熱膨張係数が、上記第2のガラス板の熱膨張係数よりも大きい、上記(11)に記載の積層ガラスの製造方法。
(13)カバーガラス用の積層ガラスを得る、上記(1)〜(12)のいずれかに記載の積層ガラスの製造方法。
本発明によれば、光学特性に優れた積層ガラスが得られる、積層ガラスの製造方法を提供することができる。
[積層ガラスの製造方法]
本発明の積層ガラスの製造方法(以下、「本発明の製造方法」ともいう。)は、積層ガラスを得る、積層ガラスの製造方法であって、概略的には、積層工程と、減圧工程と、加熱工程と、プレス工程と、を備える。以下、図面に基いて、本発明の製造方法が備える各工程を説明する。
本発明の積層ガラスの製造方法(以下、「本発明の製造方法」ともいう。)は、積層ガラスを得る、積層ガラスの製造方法であって、概略的には、積層工程と、減圧工程と、加熱工程と、プレス工程と、を備える。以下、図面に基いて、本発明の製造方法が備える各工程を説明する。
〔積層工程〕
図1は、積層体31を模式的に示す側面図である。積層工程では、第1のガラス板11の少なくとも片面に形成された後述する鏡面11aを、第2のガラス板21の片面(面21a)に接触させ、第1のガラス板11と第2のガラス板21とを重ね合わせて、積層体31を形成する。
図1は、積層体31を模式的に示す側面図である。積層工程では、第1のガラス板11の少なくとも片面に形成された後述する鏡面11aを、第2のガラス板21の片面(面21a)に接触させ、第1のガラス板11と第2のガラス板21とを重ね合わせて、積層体31を形成する。
ここで、「鏡面」とは、ガラス板の表面状態を表すものであり、表面粗さSaが30Å以下の面をいうものとする。
しかしながら、第1のガラス板11が少なくとも片面(一方の主面)に有する鏡面11aは、単に「鏡面」であればよいものではなく、表面処理等によって「粗い鏡面」となっている。
第1のガラス板11がこのような粗い鏡面11a(「粗鏡面11a」ともいう。)を有するため、積層体31において、第1のガラス板11と第2のガラス板21との界面には、図1に示すように、間隙31aが形成される。
第1のガラス板11がこのような粗い鏡面11a(「粗鏡面11a」ともいう。)を有するため、積層体31において、第1のガラス板11と第2のガラス板21との界面には、図1に示すように、間隙31aが形成される。
粗鏡面11aの表面粗さSaは、5Å超であり、本発明の効果がより優れるという理由から、6Å超が好ましく、7Å超がより好ましい。
もっとも、粗鏡面11aが粗すぎても、第2のガラス板21との融着面が減少し、界面に気泡が形成されるおそれがある。そこで、適度の融着面を維持する観点から、粗鏡面11aの表面粗さSaは、25Å未満が好ましく、20Å未満がより好ましい。
もっとも、粗鏡面11aが粗すぎても、第2のガラス板21との融着面が減少し、界面に気泡が形成されるおそれがある。そこで、適度の融着面を維持する観点から、粗鏡面11aの表面粗さSaは、25Å未満が好ましく、20Å未満がより好ましい。
なお、本発明において、表面粗さSaは、JIS−B0601:2001における二次元表面粗さの算術平均粗さ(Ra)の測定方法に準じ、これを三次元に拡張したもの(三次元表面粗さ)である。
すなわち、「三次元表面粗さ」とは、JIS−B0601:2001に規定される表面粗さ、つまり(X、Z)座標を基準とする二次元表面粗さに準じ、かかる基準を(X、Y、Z)座標に拡張した値を意味する。
このような表面粗さSa、つまり、三次元表面粗さにおける算術平均粗さ(Ra)は、例えば、株式会社菱化システム製の非接触表面・層断面形状計測システムVertScan2.0を用いて測定できる。
すなわち、「三次元表面粗さ」とは、JIS−B0601:2001に規定される表面粗さ、つまり(X、Z)座標を基準とする二次元表面粗さに準じ、かかる基準を(X、Y、Z)座標に拡張した値を意味する。
このような表面粗さSa、つまり、三次元表面粗さにおける算術平均粗さ(Ra)は、例えば、株式会社菱化システム製の非接触表面・層断面形状計測システムVertScan2.0を用いて測定できる。
積層工程で形成された積層体31は、まず、チャンバ41内に収容される。ここで、図2に基いて、チャンバ41の概要について説明する。
図2は、積層体31が収容されたチャンバ41を模式的に示す側面図である。チャンバ41の本体は、例えば石英管などの赤外線を通す物質で構成されている。チャンバ41は、積層体31をプレスするための一対の金型71(上型71aおよび下型71b)を備える。チャンバ41内に収容された積層体31は、上型71aと下型71bとの間に挟まれて配置される。上型71aの上方位置には、上下動自在なスライド部72が設けられている。スライド部72は、図示しない駆動源によって駆動して、上型71aを下型71bに向けて押圧する。
チャンバ41の本体外には、収容された積層体31を加熱するための加熱手段61が設けられている。加熱手段61は、例えば、赤外線ランプヒータである。チャンバ41の本体が赤外線を通す物質で構成されるため、加熱手段61の稼働により、チャンバ41内が加熱される。
また、チャンバ41には、チャンバ41内を真空状態にするための減圧手段51が接続されている。減圧手段51は、例えば、真空ポンプである。
チャンバ41の本体外には、収容された積層体31を加熱するための加熱手段61が設けられている。加熱手段61は、例えば、赤外線ランプヒータである。チャンバ41の本体が赤外線を通す物質で構成されるため、加熱手段61の稼働により、チャンバ41内が加熱される。
また、チャンバ41には、チャンバ41内を真空状態にするための減圧手段51が接続されている。減圧手段51は、例えば、真空ポンプである。
〔減圧工程〕
減圧工程では、減圧手段51を稼働させることによって、積層体31が収容されたチャンバ41内を減圧して、真空状態にする。
チャンバ41内が減圧されて真空状態になることで、積層体31の間隙31aから空気が抜ける。間隙31aから空気が抜けた積層体31を、後述するようにして加熱およびプレスすることによって、界面のガストラップ発生が抑制された積層ガラスが得られる。
減圧工程では、減圧手段51を稼働させることによって、積層体31が収容されたチャンバ41内を減圧して、真空状態にする。
チャンバ41内が減圧されて真空状態になることで、積層体31の間隙31aから空気が抜ける。間隙31aから空気が抜けた積層体31を、後述するようにして加熱およびプレスすることによって、界面のガストラップ発生が抑制された積層ガラスが得られる。
減圧工程において、チャンバ41内の真空度は、3Pa以下であり、本発明の効果がより優れるという理由から、2Pa以下が好ましく、1.5Pa以下がより好ましい。
もっとも、ある程度の真空度になれば、間隙31aから空気が抜ける効果は飽和するため、チャンバ41内を過剰に減圧する技術的意義は薄く、かえってコスト高も懸念される。このような事情から、チャンバ41内の真空度は、1×10−7Pa以上が好ましく、1×10−6Pa以上がより好ましい。
もっとも、ある程度の真空度になれば、間隙31aから空気が抜ける効果は飽和するため、チャンバ41内を過剰に減圧する技術的意義は薄く、かえってコスト高も懸念される。このような事情から、チャンバ41内の真空度は、1×10−7Pa以上が好ましく、1×10−6Pa以上がより好ましい。
〔加熱工程〕
加熱工程では、加熱手段61を稼働させて、減圧工程によって真空状態となったチャンバ41内の積層体31を加熱する。加熱された積層体31においては、第1のガラス板11の鏡面11aと第2のガラス板21の面21aとが融着する。
加熱工程では、加熱手段61を稼働させて、減圧工程によって真空状態となったチャンバ41内の積層体31を加熱する。加熱された積層体31においては、第1のガラス板11の鏡面11aと第2のガラス板21の面21aとが融着する。
第1のガラス板11と第2のガラス板21とを融着させるという観点から、加熱工程の加熱温度は、第1のガラス板11の粘性がlogη=11.5となる温度、および、第2のガラス板21の粘性がlogη=11.5となる温度のうち、いずれか低い方の温度以上であり、高い方の温度以上であるのが好ましい。
また、加熱工程の加熱温度は、第1のガラス板11の粘性がlogη=7.65となる温度、および、第2のガラス板21の粘性がlogη=7.65となる温度のうち、いずれか高い方の温度以下であるのが好ましい。
なお、上記温度は、次のように求める。まず、ガラス板の徐冷点をJIS R3103−2に準拠して測定し、軟化点をJIS R3103−1に準拠して測定し、100dPa・sから10,000dPa・sの粘度となる温度を回転粘度計により測定し、徐冷点および軟化点と共にFulcher式にてフィッティングしてガラス板の粘度η(単位:dPa・s)がlogη=7.6〜12となる温度を求める。
また、加熱工程の加熱温度は、第1のガラス板11の粘性がlogη=7.65となる温度、および、第2のガラス板21の粘性がlogη=7.65となる温度のうち、いずれか高い方の温度以下であるのが好ましい。
なお、上記温度は、次のように求める。まず、ガラス板の徐冷点をJIS R3103−2に準拠して測定し、軟化点をJIS R3103−1に準拠して測定し、100dPa・sから10,000dPa・sの粘度となる温度を回転粘度計により測定し、徐冷点および軟化点と共にFulcher式にてフィッティングしてガラス板の粘度η(単位:dPa・s)がlogη=7.6〜12となる温度を求める。
加熱工程での加熱時間は、特に限定されないが、例えば、300〜600秒が好ましい。
〔プレス工程〕
プレス工程では、駆動源(図示せず)を稼働してスライド部72を駆動させることにより、減圧工程によって真空状態となったチャンバ41内で、上型71aを下型71bに向けて押し付けて、積層体31をプレスする。
プレス工程のプレス圧力が高いほど積層体31の界面から空気が抜けやすく、具体的には、プレス圧力は、0.03MPa以上が好ましく、0.1MPa以上がより好ましい。
もっとも、プレスによるガラス板表面の加傷を抑制するという理由から、プレス圧力は、100MPa以下が好ましい。
プレス工程では、駆動源(図示せず)を稼働してスライド部72を駆動させることにより、減圧工程によって真空状態となったチャンバ41内で、上型71aを下型71bに向けて押し付けて、積層体31をプレスする。
プレス工程のプレス圧力が高いほど積層体31の界面から空気が抜けやすく、具体的には、プレス圧力は、0.03MPa以上が好ましく、0.1MPa以上がより好ましい。
もっとも、プレスによるガラス板表面の加傷を抑制するという理由から、プレス圧力は、100MPa以下が好ましい。
なお、積層体31の端面を除く部分に加わるプレス圧力は、均一であるのが好ましい。これにより、積層体31の界面から均一に空気が抜け、得られる積層ガラスの透過率等の光学特性がより優れる。
プレス工程におけるプレス時間は、特に限定されないが、例えば、10〜1,200秒が好ましい。
本発明の製造方法においては、加熱工程およびプレス工程の順序は特に限定されず、加熱工程およびプレス工程が、併せて行われる工程であってもよい。
以上説明したように、本発明の製造方法によれば、減圧工程で間隙31aから空気が抜けた積層体31が、加熱およびプレスされることで積層ガラスが得られるが、得られた積層ガラスにおいては、第1のガラス板11と第2のガラス板21との界面でのガストラップの発生が抑制され、光学特性に優れる。
本発明の製造方法によって得られた積層ガラスは、光学特性に優れることから、例えば、スマートフォンやタブレットPC等の携帯機器に搭載されるカバーガラスとして、好適に用いられる。
本発明の製造方法によって得られた積層ガラスは、光学特性に優れることから、例えば、スマートフォンやタブレットPC等の携帯機器に搭載されるカバーガラスとして、好適に用いられる。
このとき、透過性が優れ、カバーガラス用途により好適であるという理由から、第1のガラス板11と第2のガラス板21との屈折率差(Δn)は、0.1以下が好ましく、0.05以下がより好ましい。
なお、本発明において、屈折率は、d線に対する屈折率であり、株式会社島津デバイス製造社製の精密屈折計KPR−2000により測定したものである。
なお、本発明において、屈折率は、d線に対する屈折率であり、株式会社島津デバイス製造社製の精密屈折計KPR−2000により測定したものである。
〔表面処理工程〕
本発明の製造方法は、上述した積層工程の前に、第1のガラス板11の少なくとも片面を、表面処理によって粗鏡面11aにする表面処理工程を備えていてもよい。この工程は、例えば、表面処理工程の前は単なる「鏡面」であった第1のガラス板11の面を、続く積層工程に備えて、表面処理を施して粗鏡面11aにする工程;もともと「粗鏡面」である第1のガラス板11の面の表面粗さを調整する工程;等である。
本発明の製造方法は、上述した積層工程の前に、第1のガラス板11の少なくとも片面を、表面処理によって粗鏡面11aにする表面処理工程を備えていてもよい。この工程は、例えば、表面処理工程の前は単なる「鏡面」であった第1のガラス板11の面を、続く積層工程に備えて、表面処理を施して粗鏡面11aにする工程;もともと「粗鏡面」である第1のガラス板11の面の表面粗さを調整する工程;等である。
表面処理工程で行われる表面処理は、例えば、研磨である。研磨の方法としては、特に限定されず、例えば、酸化セリウムを水に溶かした液を供給しながら、第1のガラス板11と研磨パッド(図示せず)とを相対的に移動させる方法などが挙げられる。このとき、研磨時間および酸化セリウムの粒径を変動させることにより、研磨後のガラス板の表面粗さを調整できる。
〔洗浄工程〕
例えば、粗鏡面11aや面21aに埃が付着し、界面に埃を挟んだ積層体31が積層工程で形成された場合、ほとんどの埃は加熱工程での加熱によって昇華すると考えられるが、埃が昇華せずに残存した場合には、ガストラップの発生と同様に、得られる積層ガラスの光学特性を劣化させるおそれがある。
そこで、本発明の製造方法は、上述した積層工程の前に、少なくとも、第1のガラス板11の粗鏡面11aと、この粗鏡面11aに重なり合う第2のガラス板21の面21aとを洗浄する洗浄工程を備えるのが好ましい。
例えば、粗鏡面11aや面21aに埃が付着し、界面に埃を挟んだ積層体31が積層工程で形成された場合、ほとんどの埃は加熱工程での加熱によって昇華すると考えられるが、埃が昇華せずに残存した場合には、ガストラップの発生と同様に、得られる積層ガラスの光学特性を劣化させるおそれがある。
そこで、本発明の製造方法は、上述した積層工程の前に、少なくとも、第1のガラス板11の粗鏡面11aと、この粗鏡面11aに重なり合う第2のガラス板21の面21aとを洗浄する洗浄工程を備えるのが好ましい。
洗浄工程で行われる洗浄の方法としては、特に限定されず、例えば、第1のガラス板11および第2のガラス板21を水槽中で超音波洗浄した後に乾燥する方法;粗鏡面11aおよび面21aを洗浄剤で洗浄した後に水洗し、乾燥する方法;等が挙げられる。
このような洗浄工程の後において、粗鏡面11aおよび面21aの接触角は、光学特性がより優れるという理由から、20°以下が好ましく、10°以下がより好ましい。
なお、接触角とは、ガラスの濡れ性を評価する指標である。一般的に、同じガラスであっても面が清浄であるほど接触角は小さいため、接触角によって間接的に清浄度を評価できる。接触角は、例えば、協和界面科学株式会社製のポータブル接触角計PCA−1を用い、θ/2法に基づく液滴法で測定できる。
なお、接触角とは、ガラスの濡れ性を評価する指標である。一般的に、同じガラスであっても面が清浄であるほど接触角は小さいため、接触角によって間接的に清浄度を評価できる。接触角は、例えば、協和界面科学株式会社製のポータブル接触角計PCA−1を用い、θ/2法に基づく液滴法で測定できる。
第1のガラス板11および第2のガラス板21は、その製造方法は特に限定されず、例えば、フュージョン法で得られたものであっても、フロート法で得られたものであってもよく、ガラス組成も特に限定されない。
また、第1のガラス板11および第2のガラス板21の形状(板厚等のサイズを含む)も、本明細書において特別な断りのない限り、特に限定されない。
例えば、本発明の製造方法によって得られる積層ガラスをカバーガラスとして用いる場合は、第1のガラス板11および第2のガラス板21の板厚(図1中、上下方向の長さ)は、0.05〜2mmが好ましい。
例えば、本発明の製造方法によって得られる積層ガラスをカバーガラスとして用いる場合は、第1のガラス板11および第2のガラス板21の板厚(図1中、上下方向の長さ)は、0.05〜2mmが好ましい。
次に、図3および図4に示す例に基いて、第1のガラス板11および第2のガラス板21の形状が、互いに異なる場合について説明する。
<部分積層>
図3は、第1のガラス板11および第2のガラス板21の形状が互いに異なる積層体31の一例を、金型71とともに模式的に示す側面図である。
図3に示す例では、第2のガラス板21が単なる平板であるのに対して、第1のガラス板11の中央部分には貫通孔が形成されている。積層体31全体としては、中央部分に凹部を有する形状となって、部分積層されている。
図3は、第1のガラス板11および第2のガラス板21の形状が互いに異なる積層体31の一例を、金型71とともに模式的に示す側面図である。
図3に示す例では、第2のガラス板21が単なる平板であるのに対して、第1のガラス板11の中央部分には貫通孔が形成されている。積層体31全体としては、中央部分に凹部を有する形状となって、部分積層されている。
このように第1のガラス板11および第2のガラス板21の形状が互いに異なる場合であっても、上述したようにプレス圧力は均一であるのが好ましい。そこで、図3に示すように、積層体31の凹部に嵌る凸部を有する形状に成形された上型71aを用いることで、積層体31の端面を除く部分に対して、均一にプレス圧力を加える。
ところで、第1のガラス板11および第2のガラス板21のガラス組成が互いに異なる場合、一般的には、両者の熱膨張係数も互いに異なる。
図3に示すように、第1のガラス板11および第2のガラス板21の形状が互いに異なる場合においては、得られる積層ガラスの反りを防止するという観点から、第1のガラス板11と第2のガラス板21との熱膨張係数差は小さい方が好ましく、具体的には、30×10−7/K以下が好ましく、20×10−7/K以下がより好ましく、10×10−7/K以下がさらに好ましい。
なお、本発明において「熱膨張係数」は、50〜350℃での線膨張係数であり、熱膨張計を用いて5℃/分の昇温速度で測定したものである(以下、同様)。
図3に示すように、第1のガラス板11および第2のガラス板21の形状が互いに異なる場合においては、得られる積層ガラスの反りを防止するという観点から、第1のガラス板11と第2のガラス板21との熱膨張係数差は小さい方が好ましく、具体的には、30×10−7/K以下が好ましく、20×10−7/K以下がより好ましく、10×10−7/K以下がさらに好ましい。
なお、本発明において「熱膨張係数」は、50〜350℃での線膨張係数であり、熱膨張計を用いて5℃/分の昇温速度で測定したものである(以下、同様)。
また、積層体31を構成するガラス板の枚数(層数)も特に限定されず、例えば、後述するように3層以上であってもよい(図4参照)。
図4は、第1のガラス板11および第2のガラス板21の形状が互いに異なる3層の積層体31の一例を、金型71とともに模式的に示す側面図である。
図4に示す例では、2枚の第1のガラス板11が、その粗鏡面11aを、1枚の第2のガラス板21に向けて積層され、3層の積層体31が形成されている。このとき、第1のガラス板11および第2のガラス板21は、ともに平板形状であるが、第1のガラス板11は、端部が切り欠き成形され、第2のガラス板21よりも幅(図4中、左右方向の長さ)が短くなっている。その結果、積層体31全体としては、両面の中央部分に凸部を有する形状となっている。
このとき、図4に示すように、積層体31が両面に有する凸部が嵌る凹状に成形された上型71aおよび下型71bを用いることで、積層体31の端面を除く部分に対して、均一にプレス圧力を加えることができる。
なお、図4に示すような3層の場合には、第1のガラス板11と第2のガラス板21との熱膨張係数差が大きくても反りは生じないから、この熱膨張係数差は特に限定されない。
図4に示す例では、2枚の第1のガラス板11が、その粗鏡面11aを、1枚の第2のガラス板21に向けて積層され、3層の積層体31が形成されている。このとき、第1のガラス板11および第2のガラス板21は、ともに平板形状であるが、第1のガラス板11は、端部が切り欠き成形され、第2のガラス板21よりも幅(図4中、左右方向の長さ)が短くなっている。その結果、積層体31全体としては、両面の中央部分に凸部を有する形状となっている。
このとき、図4に示すように、積層体31が両面に有する凸部が嵌る凹状に成形された上型71aおよび下型71bを用いることで、積層体31の端面を除く部分に対して、均一にプレス圧力を加えることができる。
なお、図4に示すような3層の場合には、第1のガラス板11と第2のガラス板21との熱膨張係数差が大きくても反りは生じないから、この熱膨張係数差は特に限定されない。
<積層強化>
また、3層の積層体31とする場合、本発明の製造方法によって、いわゆる「積層強化ガラス」を得ることができる。
3層の積層強化ガラスは、概略的には、熱膨張係数が相対的に小さい一対の表面層と、熱膨張係数が相対的に大きい内部層とが相互に融着した構成を有することにより、表面層には圧縮応力が発生し、内部層には引張応力が発生し、機械的強度を高めたものである。
本発明の製造方法によって得られる3層の積層強化ガラスとしては、以下に説明する2種類の態様が挙げられる。
また、3層の積層体31とする場合、本発明の製造方法によって、いわゆる「積層強化ガラス」を得ることができる。
3層の積層強化ガラスは、概略的には、熱膨張係数が相対的に小さい一対の表面層と、熱膨張係数が相対的に大きい内部層とが相互に融着した構成を有することにより、表面層には圧縮応力が発生し、内部層には引張応力が発生し、機械的強度を高めたものである。
本発明の製造方法によって得られる3層の積層強化ガラスとしては、以下に説明する2種類の態様が挙げられる。
(積層強化の第1態様)
図5は、積層強化の第1態様における積層体31を模式的に示す側面図である。図5に示すように、積層強化の第1態様においては、上述した積層工程では、2枚の第1のガラス板11を、1枚の第2のガラス板21に重ね合わせて、3層の積層体31を形成する。このとき、第2のガラス板21の熱膨張係数が、第1のガラス板11の熱膨張係数よりも大きい。
このように形成された積層体31を、上述したようにして加熱およびプレスすることによって、表面層(第1のガラス板11)に圧縮応力が発生し、内部層(第2のガラス板21)に引張応力が発生した積層強化ガラスが得られる。
図5は、積層強化の第1態様における積層体31を模式的に示す側面図である。図5に示すように、積層強化の第1態様においては、上述した積層工程では、2枚の第1のガラス板11を、1枚の第2のガラス板21に重ね合わせて、3層の積層体31を形成する。このとき、第2のガラス板21の熱膨張係数が、第1のガラス板11の熱膨張係数よりも大きい。
このように形成された積層体31を、上述したようにして加熱およびプレスすることによって、表面層(第1のガラス板11)に圧縮応力が発生し、内部層(第2のガラス板21)に引張応力が発生した積層強化ガラスが得られる。
(積層強化の第2態様)
図6は、積層強化の第2態様における積層体31を模式的に示す側面図である。図6に示すように、積層強化の第2態様においては、第1のガラス板11の両面に粗鏡面11aが形成され、上述した積層工程では、このような1枚の第1のガラス板11に、2枚の第2のガラス板21を重ね合わせて、3層の積層体31を形成する。このとき、第1のガラス板11の熱膨張係数が、第2のガラス板21の熱膨張係数よりも大きい。
このように形成された積層体31を、上述したようにして加熱およびプレスすることで、表面層(第2のガラス板21)に圧縮応力が発生し、内部層(第1のガラス板11)に引張応力が発生した積層強化ガラスが得られる。
図6は、積層強化の第2態様における積層体31を模式的に示す側面図である。図6に示すように、積層強化の第2態様においては、第1のガラス板11の両面に粗鏡面11aが形成され、上述した積層工程では、このような1枚の第1のガラス板11に、2枚の第2のガラス板21を重ね合わせて、3層の積層体31を形成する。このとき、第1のガラス板11の熱膨張係数が、第2のガラス板21の熱膨張係数よりも大きい。
このように形成された積層体31を、上述したようにして加熱およびプレスすることで、表面層(第2のガラス板21)に圧縮応力が発生し、内部層(第1のガラス板11)に引張応力が発生した積層強化ガラスが得られる。
なお、積層強化ガラスを得る場合、第1態様および第2態様のいずれにおいても、内部層の板厚が、表面層の板厚よりも厚いのが好ましく、引張応力と圧縮応力とのバランスに優れるという理由から、2層の表面層の合計板厚と内部層の板厚との比(表面層の合計/内部層)が、0.05〜1.5であるのがより好ましく、0.1〜1.0であるのがさらに好ましい。
また、積層強化ガラスを得る場合、第1態様および第2態様のいずれにおいても、表面層の軟化点は、内部層の軟化点よりも高いのが好ましい。
さらに、内部層および表面層のガラス転移温度としては、それぞれ450℃以上であるのが好ましく、500℃以上であるのがより好ましい。
そして、表面層と内部層との熱膨張係数差は、5×10−7〜70×10−7/Kが好ましく、5×10−7〜60×10−7/Kがより好ましい。
さらに、内部層および表面層のガラス転移温度としては、それぞれ450℃以上であるのが好ましく、500℃以上であるのがより好ましい。
そして、表面層と内部層との熱膨張係数差は、5×10−7〜70×10−7/Kが好ましく、5×10−7〜60×10−7/Kがより好ましい。
なお、図1〜図6においては、第1のガラス板11と第2のガラス板21との重ね合わせ面のうち、一方(第1のガラス板11)のみが「粗い鏡面」を有する場合を示したが、粗鏡面11aと重なり合う第2のガラス板21の面21aが、粗鏡面11aと同様の「粗い鏡面」であってもよい。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
下記実施例等において使用されたガラス板の詳細は下記のとおりである。
(ガラス板A)
・組成:SiO2 64.3モル%、Al2O3 6モル%、MgO 11モル%、CaO 0.1モル%、SrO 0.06モル%、BaO 0.04モル%、Na2O 12モル%、K2O 4モル%、ZrO2 2.5モル%
・熱膨張係数:91×10−7/K
・ガラス転移温度:620℃
・軟化点:842℃
・屈折率:1.52
・ヤング率:78GPa
・ポアソン比:0.22
・logη=11.5となる温度:672℃
・logη=7.65となる温度:840℃
・表面粗さSa:両面ともに7Å
(ガラス板A)
・組成:SiO2 64.3モル%、Al2O3 6モル%、MgO 11モル%、CaO 0.1モル%、SrO 0.06モル%、BaO 0.04モル%、Na2O 12モル%、K2O 4モル%、ZrO2 2.5モル%
・熱膨張係数:91×10−7/K
・ガラス転移温度:620℃
・軟化点:842℃
・屈折率:1.52
・ヤング率:78GPa
・ポアソン比:0.22
・logη=11.5となる温度:672℃
・logη=7.65となる温度:840℃
・表面粗さSa:両面ともに7Å
(ガラス板B)
・組成:SiO2 73モル%、Al2O3 7モル%、MgO 6モル%、Na2O 14モル%
・熱膨張係数:79×10−7/K
・ガラス転移温度:617℃
・軟化点:850℃
・屈折率:1.5
・ヤング率:71GPa
・ポアソン比:0.2
・logη=11.5となる温度:765℃
・logη=7.65となる温度:937℃
・表面粗さSa:両面ともに7Å
・組成:SiO2 73モル%、Al2O3 7モル%、MgO 6モル%、Na2O 14モル%
・熱膨張係数:79×10−7/K
・ガラス転移温度:617℃
・軟化点:850℃
・屈折率:1.5
・ヤング率:71GPa
・ポアソン比:0.2
・logη=11.5となる温度:765℃
・logη=7.65となる温度:937℃
・表面粗さSa:両面ともに7Å
<実施例1>
まず、図1に基いて説明した積層体31を形成した。具体的には、第1のガラス板11および第2のガラス板21としてガラス板Aを用い、ともに同じ形状とした(板厚:0.9mm)。第1のガラス板11の片面を、酸化セリウムを水に溶かした液を供給しながら研磨パッドを用いて研磨し、表面粗さSaが6Åである粗鏡面11aとした。その後、第1のガラス板11および第2のガラス板21を水槽中で超音波洗浄および乾燥し、粗鏡面11a上に、第2のガラス板21を重ね合わせ、積層体31を形成した。
次に、形成した積層体31を、図2に基いて説明したチャンバ41内に収容して、金型71(上型71aおよび下型71b)に挟んで配置した後、減圧手段51を稼働させて、チャンバ41内を0.5Paの真空状態にした。
次に、真空状態にしたチャンバ41内において、加熱手段61を稼働させ、積層体31を、700℃で、5分間加熱した。このとき、併せて、駆動源(図示せず)を稼働させてスライド部72を駆動して、上型71aを下側71bに向けて押し付けて、0.7MPaのプレス圧力で、積層体31を10分間プレスした。
その後、積層体31を徐冷し、チャンバ41内から取り出すことで、実施例1の積層ガラスを得た。
まず、図1に基いて説明した積層体31を形成した。具体的には、第1のガラス板11および第2のガラス板21としてガラス板Aを用い、ともに同じ形状とした(板厚:0.9mm)。第1のガラス板11の片面を、酸化セリウムを水に溶かした液を供給しながら研磨パッドを用いて研磨し、表面粗さSaが6Åである粗鏡面11aとした。その後、第1のガラス板11および第2のガラス板21を水槽中で超音波洗浄および乾燥し、粗鏡面11a上に、第2のガラス板21を重ね合わせ、積層体31を形成した。
次に、形成した積層体31を、図2に基いて説明したチャンバ41内に収容して、金型71(上型71aおよび下型71b)に挟んで配置した後、減圧手段51を稼働させて、チャンバ41内を0.5Paの真空状態にした。
次に、真空状態にしたチャンバ41内において、加熱手段61を稼働させ、積層体31を、700℃で、5分間加熱した。このとき、併せて、駆動源(図示せず)を稼働させてスライド部72を駆動して、上型71aを下側71bに向けて押し付けて、0.7MPaのプレス圧力で、積層体31を10分間プレスした。
その後、積層体31を徐冷し、チャンバ41内から取り出すことで、実施例1の積層ガラスを得た。
<実施例2>
研磨の条件を変更して、第1のガラス板11の片面を、表面粗さSaが7.5Åの面にした以外は、実施例1と同様にして、実施例2の積層ガラスを得た。
研磨の条件を変更して、第1のガラス板11の片面を、表面粗さSaが7.5Åの面にした以外は、実施例1と同様にして、実施例2の積層ガラスを得た。
<実施例3>
積層体31が収容されたチャンバ41内を2Paとした以外は、実施例1と同様にして、実施例3の積層ガラスを得た。
積層体31が収容されたチャンバ41内を2Paとした以外は、実施例1と同様にして、実施例3の積層ガラスを得た。
<実施例4>
第1のガラス板11の中央部分に貫通孔を形成することで、図3に基いて説明した凹部を有する積層体31を形成し、この凹部に嵌る凸状に成形された上型71aを用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例4の積層ガラスを得た。
第1のガラス板11の中央部分に貫通孔を形成することで、図3に基いて説明した凹部を有する積層体31を形成し、この凹部に嵌る凸状に成形された上型71aを用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例4の積層ガラスを得た。
<実施例5>
図5に基いて説明した積層強化の第1態様の積層体31を得た。具体的には、内部層の第2のガラス板21としてガラス板A(板厚:0.9mm)を、表面層である2枚の第1のガラス板11としてガラス板B(板厚:0.05mm)を用い、板厚以外は同じ形状とした。これ以外の条件は、実施例1と同様にして、実施例5の積層ガラス(積層強化ガラス)を得た。
図5に基いて説明した積層強化の第1態様の積層体31を得た。具体的には、内部層の第2のガラス板21としてガラス板A(板厚:0.9mm)を、表面層である2枚の第1のガラス板11としてガラス板B(板厚:0.05mm)を用い、板厚以外は同じ形状とした。これ以外の条件は、実施例1と同様にして、実施例5の積層ガラス(積層強化ガラス)を得た。
<実施例6>
図6に基いて説明した積層強化の第2態様の積層体31を得た。具体的には、内部層の第1のガラス板11としてガラス板A(板厚:0.9mm)を、表面層である2枚の第2のガラス板21としてガラス板B(板厚:0.05mm)を用い、板厚以外は同じ形状とした。第1のガラス板11の両面を実施例1と同様にして研磨した。これ以外の条件は、実施例1と同様にして、実施例6の積層ガラス(積層強化ガラス)を得た。
図6に基いて説明した積層強化の第2態様の積層体31を得た。具体的には、内部層の第1のガラス板11としてガラス板A(板厚:0.9mm)を、表面層である2枚の第2のガラス板21としてガラス板B(板厚:0.05mm)を用い、板厚以外は同じ形状とした。第1のガラス板11の両面を実施例1と同様にして研磨した。これ以外の条件は、実施例1と同様にして、実施例6の積層ガラス(積層強化ガラス)を得た。
<比較例1>
研磨の条件を変更して、第1のガラス板11の片面を、表面粗さSaが3Åの面にした以外は、実施例1と同様にして、比較例1の積層ガラスを得た。
研磨の条件を変更して、第1のガラス板11の片面を、表面粗さSaが3Åの面にした以外は、実施例1と同様にして、比較例1の積層ガラスを得た。
<比較例2>
積層体31が収容されたチャンバ41内を窒素雰囲気とした以外は、実施例1と同様にして、比較例2の積層ガラスを得た。
積層体31が収容されたチャンバ41内を窒素雰囲気とした以外は、実施例1と同様にして、比較例2の積層ガラスを得た。
<評価>
上述した各実施例および比較例の積層ガラスについて、5サンプルずつ製造し、各サンプルの外観を目視で確認した。
その結果、実施例1〜6では、いずれのサンプルにもガストラップは確認されず、積層ガラスの光学特性に優れることが分かった。
これに対して、比較例1では、4サンプルにガストラップが確認されたことから、積層ガラスの光学特性に劣ることが分かった。
また、比較例2では、5サンプルにガストラップが確認されたことから、積層ガラスの光学特性に劣ることが分かった。
上述した各実施例および比較例の積層ガラスについて、5サンプルずつ製造し、各サンプルの外観を目視で確認した。
その結果、実施例1〜6では、いずれのサンプルにもガストラップは確認されず、積層ガラスの光学特性に優れることが分かった。
これに対して、比較例1では、4サンプルにガストラップが確認されたことから、積層ガラスの光学特性に劣ることが分かった。
また、比較例2では、5サンプルにガストラップが確認されたことから、積層ガラスの光学特性に劣ることが分かった。
11 第1のガラス板
11a 鏡面(粗鏡面)
21 第2のガラス板
21a 面
31 積層体
31a 間隙
41 チャンバ
51 減圧手段
61 加熱手段
71 金型
71a 上型
71b 下型
72 スライド部
11a 鏡面(粗鏡面)
21 第2のガラス板
21a 面
31 積層体
31a 間隙
41 チャンバ
51 減圧手段
61 加熱手段
71 金型
71a 上型
71b 下型
72 スライド部
Claims (13)
- 積層ガラスを得る、積層ガラスの製造方法であって、
表面粗さSaが5Å超である鏡面を少なくとも片面に有する第1のガラス板の前記鏡面上に、第2のガラス板を重ね合わせ、積層体を形成する積層工程と、
前記積層体が収容されたチャンバ内を減圧して、3Pa以下の真空状態にする減圧工程と、
前記真空状態の前記チャンバ内で前記積層体を加熱する加熱工程と、
前記真空状態の前記チャンバ内で前記積層体をプレスするプレス工程と、を備え、
前記加熱工程の加熱温度が、前記第1のガラス板の粘性がlogη=11.5となる温度、および、前記第2のガラス板の粘性がlogη=11.5となる温度のうち、いずれか低い方の温度以上である、積層ガラスの製造方法。 - 前記加熱工程の加熱温度が、前記第1のガラス板の粘性がlogη=7.65となる温度、および、前記第2のガラス板の粘性がlogη=7.65となる温度のうち、いずれか高い方の温度以下である、請求項1に記載の積層ガラスの製造方法。
- 前記プレス工程のプレス圧力が、0.03MPa以上である、請求項1または2に記載の積層ガラスの製造方法。
- 前記プレス工程において、前記積層体の端面を除く部分に加わるプレス圧力が均一である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層ガラスの製造方法。
- 前記積層工程の前に、前記第1のガラス板の少なくとも片面を表面処理して前記鏡面にする表面処理工程を備える、請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層ガラスの製造方法。
- 前記積層工程の前に、前記第1のガラス板が有する前記鏡面、および、前記鏡面に重なり合う前記第2のガラス板の面を洗浄する洗浄工程を備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層ガラスの製造方法。
- 前記第1のガラス板および前記第2のガラス板の形状が、互いに異なる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の積層ガラスの製造方法。
- 前記積層工程が、1枚の前記第1のガラス板と1枚の前記第2のガラス板とを重ね合わせて2層の前記積層体を形成する工程である場合において、
前記第1のガラス板と前記第2のガラス板との熱膨張係数差が、30×10−7/K以下である、請求項7に記載の積層ガラスの製造方法。 - 前記積層工程が、2枚の前記第1のガラス板と1枚の前記第2のガラス板とを重ね合わせて3層の前記積層体を形成する工程である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の積層ガラスの製造方法。
- 前記第2のガラス板の熱膨張係数が、前記第1のガラス板の熱膨張係数よりも大きい、請求項9に記載の積層ガラスの製造方法。
- 前記積層工程が、前記鏡面を両面に有する1枚の前記第1のガラス板と2枚の前記第2のガラス板とを重ね合わせて3層の前記積層体を形成する工程である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の積層ガラスの製造方法。
- 前記第1のガラス板の熱膨張係数が、前記第2のガラス板の熱膨張係数よりも大きい、請求項11に記載の積層ガラスの製造方法。
- カバーガラス用の積層ガラスを得る、請求項1〜12のいずれか1項に記載の積層ガラスの製造方法。
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