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JP2014128101A - 電動圧縮機 - Google Patents

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JP2014128101A
JP2014128101A JP2012282610A JP2012282610A JP2014128101A JP 2014128101 A JP2014128101 A JP 2014128101A JP 2012282610 A JP2012282610 A JP 2012282610A JP 2012282610 A JP2012282610 A JP 2012282610A JP 2014128101 A JP2014128101 A JP 2014128101A
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balance weight
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Shuji Takimoto
修二 滝本
Hiroshi Fukasaku
博史 深作
Minoru Mera
実 米良
Hiroshi Ataya
拓 安谷屋
Tatsuya Horiba
達也 堀場
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Toyota Industries Corp
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Abstract

【課題】ロータコアの軽量化とバランスウェイトの薄型化とを可能にした電動圧縮機を提供すること。
【解決手段】圧縮部2と電動モータ3とハウジング11とフレーム12とを備えた電動圧縮機1。電動モータ3は、フレーム12とハウジング11とに回転可能に軸支された回転軸31と、回転軸31に固定されるとともに複数の磁性鋼板50を積層してなるロータコア5とを有する。ロータコア5の軸方向におけるフレーム12側の端面には、フレーム12の一部を収容する収容凹部41が形成されるとともに収容凹部41の端縁411よりも回転軸31に向かって延在するバランスウェイト7が配設されている。収容凹部41の一部を形成する大内径鋼板51は、収容凹部41の内周面の一部をバランスウェイト70よりも回転軸31に向かって突出させる突出部511を設けている。
【選択図】図1

Description

本発明は、電動モータにより圧縮部を駆動する電動圧縮機に関する。
電動圧縮機は、冷媒を圧縮する圧縮部と、該圧縮部を駆動する電動モータと、上記圧縮部及び上記電動モータを収納するハウジングと、該ハウジング内において上記電動モータを収容するモータ室と上記圧縮部を収容する圧縮空間とを仕切ると共に上記電動モータの回転軸を軸支するフレームとを備えている。
かかる電動圧縮機において、電動モータと圧縮部との並び方向における小型化、すなわち電動モータの回転軸の軸方向の小型化(以下、「軸短化」という。)を図るために、電動モータのロータとフレームとを一部オーバーラップさせる構造を採用したものが提案されている(特許文献1)。
特許文献1に記載の電動圧縮機においては、電動モータとフレームとをオーバーラップさせるために、電動モータのロータコアにおける圧縮部側に、フレームの一部を内周側に収容配置する収容凹部を形成している。この収容凹部の外径は、収容凹部を充分に確保するためのみならず、ロータコアの軽量化のためにもできるだけ大きくすることが求められている。
ロータコアを組み立てるにあたっては、複数の環状の磁性鋼板を積層して互いに固定する。このとき、複数の磁性鋼板の位置合わせをするために、磁性鋼板を柱状治具に嵌合しながら積層する。ところが、収容凹部の外周側に配される磁性鋼板(大内径鋼板)の内径は、収容凹部の外径であって、上記柱状治具の外径よりも大きい。それゆえ、大内径鋼板の位置決めをするために、収容凹部に相当する大きさの環状治具を配置したうえで、大内径鋼板を積層することとなる。
一方、電動圧縮機においては、電動モータが圧縮部の可動スクロールを揺動させる際のバランスを確保するために、バランスウェイトをロータコアの積層方向の端部に配設してある。すなわち、ロータコアの積層方向の両端に配置されたエンドプレートにおける、積層方向外側の面に、バランスウェイトが固定されている。該バランスウェイト及びエンドプレートも、上記複数の磁性鋼板と共に積層されて固定される。
特開平7−158569号公報
しかしながら、上記ロータコアの積層方向の端部に配置したバランスウェイトの厚みを大きくすると、電動圧縮機の軸短化を阻害するおそれがある。すなわち、電動圧縮機の軸短化の観点からは、なるべくバランスウェイトの厚みを小さくすることが要請されている。その一方で、バランスウェイトには所定の質量が求められる。そこで、バランスウェイトの幅、すなわち、ロータコアの径方向におけるバランスウェイトの寸法を大きくすることが求められる。
それゆえ、バランスウェイトの薄型化と上述のロータコアの軽量化との観点から、ロータコアにおける収容凹部が形成された側の端部に配置されるバランスウェイトは、その内周縁が収容凹部の端縁よりも内方となるようにすることが考えられる。すなわち、上述のように収容凹部の外形を大きくしつつバランスウェイトの内周縁を収容凹部の端縁よりも外周側に収める構成では、バランスウェイトの薄型化に限界が生じることとなる。
ところが、このような寸法関係とすると、上述のようにロータコアを組み立てる際に、バランスウェイトの内周縁が環状治具の外周面よりも内側に配置されてしまう。その結果、ロータコアを組み付立てた後、環状治具がロータコアとバランスウェイトとの間から抜けなくなってしまうという問題が生じる。このような製造上の観点から、ロータコアの軽量化とバランスウェイトの薄型化との両立が困難であった。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたもので、ロータコアの軽量化とバランスウェイトの薄型化とを可能にした電動圧縮機を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、冷媒を圧縮する圧縮部と、該圧縮部を駆動する電動モータと、ハウジングと、該ハウジング内に固定されることにより該ハウジング内を上記圧縮部が収容される圧縮空間と上記電動モータが収容されるモータ室とに区画するフレームとを有する電動圧縮機であって、
上記電動モータは、上記フレームと上記ハウジングとに回転可能に軸支された回転軸と、該回転軸に固定されるとともに複数の磁性鋼板を積層してなるロータコアとを有し、
該ロータコアの軸方向における上記フレーム側の端面には、上記フレームの一部を収容する収容凹部が形成されるとともに該収容凹部の端縁よりも上記回転軸に向かって延在するバランスウェイトが配設され、
複数の上記磁性鋼板のうち上記収容凹部の一部を形成する大内径鋼板は、上記収容凹部の内周面の一部を上記バランスウェイトよりも上記回転軸に向かって突出させる突出部を設けていることを特徴とする電動圧縮機にある(請求項1)。
上記電動圧縮機において、上記バランスウェイトは、上記収容凹部の端縁よりも上記回転軸に向かって延在している。これにより、上記バランスウェイトの幅、すなわちロータの径方向におけるバランスウェイトの寸法を、大きくすることができる。その結果、バランスウェイトの薄型化を実現することができる。これにより、電動圧縮機の軸短化を図りやすくなる。
また、その一方で、上記収容凹部の径大化を図ることができ、その分、上記収容凹部の外周側に配された磁性鋼板である大内径鋼板の内径を大きくすることができる。その結果、大内径鋼板の質量を小さくして、ロータコアの軽量化を図ることができる。
また、上記大内径鋼板は上記突出部を設けてなる。それゆえ、複数の磁性鋼板を積層してロータコアを組み立てる際に、大内径鋼板の位置決めを容易に行うことができる。すなわち、位置決め用の治具に突出部を当接させながら、大内径鋼板を積層配置することにより、その径方向の位置決めを行うことができる。そして、突出部がバランスウェイトの内周縁よりも内周側へ突出しているため、上記治具の外周面をバランスウェイトの内周縁よりも内側に配置することができる。それゆえ、バランスウェイトが一体化されたロータコアを組み立てた後に、治具をロータコアから取り外すことができる。
また、大内径鋼板は、突出部を部分的に設けており、それ以外の部位においては、内周輪郭をバランスウェイトの内周縁よりも外周側へ後退させて形成することができる。それゆえ、上述の位置決め機能を確保しつつ、大内径鋼板の軽量化を図ることができる。
上記電動圧縮機の製造方法においては、上記本体治具と上記環状治具とを用いて、磁性鋼板の径方向の位置決めを行うことができる。そして、上記突出部を上記環状治具の上記外周面に当接させながら、上記大内径鋼板を上記本体治具に組み付け、上記ロータが一体化された段階で、上記ロータ及び上記環状治具を上記柱状部から取り外すと共に上記環状治具を上記ロータから取り外す。これにより、上述したような軽量化を図ったロータコアと薄型化を図ったバランスウェイトとを備えたロータを、容易に組み立てることができる。
以上のごとく、本発明によれば、ロータコアの軽量化とバランスウェイトの薄型化とを可能にした電動圧縮機を提供することができる。
実施例1における、電動圧縮機の断面図。 実施例1における、圧縮部側から見た、ロータの平面図。 図2のA−A線矢視断面図。 図2のB−B線矢視断面図。 実施例1における、大内径鋼板の平面図。 実施例1における、ロータの組立方法の平面説明図。 図6のC−C線矢視断面図。 図6のD−D線矢視断面図。 実施例2における、大内径鋼板の平面図。 比較例における、圧縮部側から見た、ロータの平面図。 比較例における、ロータの組立方法の断面説明図であって、図10のE−E線矢視断面相当の説明図。
上記電動圧縮機は、例えば、電気自動車やハイブリッド自動車等に搭載され、空調機の冷媒圧縮に用いることができる。
上記収容凹部の端縁は、上記大内径鋼板の内周側輪郭のうち回転中心から最も遠い部分の輪郭に一致する。
また、上記ロータコアにおける上記圧縮部と反対側の端部にもバランスウェイトを固定することができる。ただし、このバランスウェイトの内周縁の位置は、特に限定されない。
また、上記突出部は、上記大内径鋼板における少なくとも周方向の3箇所に設けてあることが好ましい。この場合には、上記大内径鋼板の径方向の位置決めを容易かつ確実に行うことができる。
また、上記ロータコアの軸方向における上記フレーム側の端面と上記バランスウェイトとの間には環状のエンドプレートが配設され、上記突出部は上記エンドプレートの内周縁よりも上記回転軸に向かって延在した構成とすることが好ましい(請求項2)。この場合には、上記バランスウェイトを安定して配置することができる。また、上記突出部が上記エンドプレートの内周縁よりも内周側へ突出しているため、ロータの組み立て時に、位置決め用の治具の外周面をエンドプレートの内周縁よりも内側に配置することができる。それゆえ、ロータを組み立てた後に、エンドプレートに干渉することなく、治具をロータから取り外すことができる。
なお、上記圧縮部側の上記エンドプレートは、内周縁が上記収容凹部の端縁よりも内周側となるように配置されていることがより好ましい。この場合には、上記エンドプレートによってバランスウェイトをより安定して支承することができる。
また、上記複数の磁性鋼板は、上記収容凹部の一部を構成する収容孔が設けられた上記大内径鋼板と、上記回転軸と嵌合する軸孔が設けられた小内径鋼板とを含むことが好ましい(請求項3)。この場合には、上記小内径鋼板によって上記ロータを上記回転軸に固定することができるため、ロータの構成を簡素化しやすく、軸短化を図りやすい。
また、上記ロータコアには、上記磁性鋼板を複数枚合わせて締結する締結部材を挿入するための締結孔が設けられ、該締結孔は、上記突出部から周方向にずれた位置にあることが好ましい(請求項4)。この場合には、ロータコアの組み立て時の位置決めの基準となる上記突出部の寸法安定性を確保することができる。その結果、ロータコアの寸法精度を向上させやすい。すなわち、上記締結孔に挿入した上記締結部材を締結する際には、締結孔の周囲が応力を受けることがある。これにより、締結孔の周囲が若干変形することも考えられる。それゆえ、上記締結孔が上記突出部から周方向にずれた位置に設けてあることにより、締結孔の周囲が若干変形しても、その変形が突出部の寸法に影響することを防ぐことができる。
(実施例1)
上記電動圧縮機の実施例につき、図1〜図8を用いて説明する。
本例の電動圧縮機1は、図1に示すごとく、冷媒を圧縮する圧縮部2と、該圧縮部2を駆動する電動モータ3と、ハウジング11と、フレーム12とを有する。フレーム12は、ハウジング11内に固定されることにより、該ハウジング11内を圧縮部2が収容される圧縮空間14と、電動モータ3が収容されるモータ室13とに区画している。
図1〜図4に示すごとく、電動モータ3は、フレーム12とハウジング11とに回転可能に軸支された回転軸31と、回転軸31に固定されるとともに複数の磁性鋼板50を積層してなるロータコア5とを有する。図1に示すごとく、電動圧縮機1における電動モータ3は、ハウジング11に固定されたステータ32と、該ステータ32の内側において回転軸31と共に回転するロータ4とを備えている。このロータ4が、回転軸31と該回転軸31に固定されたロータコア5とからなる。
図1〜図4に示すごとく、ロータコア5の軸方向におけるフレーム12側の端面には、フレーム12の一部を収容する収容凹部41が形成されている。また、ロータコア5の軸方向におけるフレーム12側の端面には、収容凹部41の端縁411よりも回転軸31に向かって延在するバランスウェイト6が配設されている。
収容凹部41の外周側に配された磁性鋼板50である大内径鋼板51は、収容凹部41の内周面の一部をバランスウェイト6よりも回転軸31に向かって突出させる突出部511を設けている。
複数の磁性鋼板50は、収容凹部41の一部を構成する収容孔516(図5参照)が設けられた大内径鋼板51と、回転軸31と嵌合する軸孔521が設けられた小内径鋼板52とを含む。そして、大内径鋼板51は、バランスウェイト7の内周縁71よりも内周側へ突出した突出部511を、周方向の4箇所に設けてなる。
なお、図5に示すごとく、複数の突出部511は、これらが形成されていない周方向領域の角度範囲が少なくとも180°未満となるように、分散配置されている。本例においては、突出部511は、大内径鋼板51における周方向の4箇所に等間隔で形成されている。
4個の突出部511は、軸方向から見た形状において、略円弧状の先端部を備えている。また、大内径鋼板51は、略円環状に形成されている。そして、突出部511が形成されていない部位においては、大内径鋼板51の内周輪郭512は、回転中心を中心とした円の一部を構成する円弧状に形成されている。また、突出部511の形成部以外における内周輪郭512は、図2に示すごとく、バランスウェイト7の内周縁71よりも外周側へ後退させて形成してある。
図3、図4に示すごとく、ロータコア5の軸方向におけるフレーム12側の端面とバランスウェイト7との間には環状のエンドプレート6が配設されている。突出部511はエンドプレート6の内周縁61よりも回転軸31に向かって延在している。すなわち、ロータ4は、軸方向における圧縮部2側の一端に、上記バランスウェイト7を配設してなる。また、ロータ4は、軸方向における他端にも、バランスウェイト70を設けている。すなわち、ロータコア5の軸方向におけるフレーム12と反対側の端面にも、エンドプレート60が配設されており、該エンドプレート60にバランスウェイト70が配設されている。このバランスウェイト70は、軸方向から見たとき、圧縮部2側のバランスウェイト7に対して180°位相の異なる位置に配置されている。ただし、ロータ4の他端に設けられたバランスウェイト70は、特にその内周縁の位置が限定されるものではない。
圧縮部2側のエンドプレート6は、図2、図4に示すごとく、内周縁61が収容凹部41の端縁411よりも内周側となるように配置されている。また、図2、図3に示すごとく、突出部511はエンドプレート6の内周縁61よりも内周側へ突出している。
エンドプレート6におけるロータコア5と反対側の面に、バランスウェイト7が載置され、固定されている。バランスウェイト7は、ロータ4を軸方向に貫通するリベット等の締結部材(図示略)によって、磁性鋼板5、エンドプレート6、60、そして他方のバランスウェイト70と共に、一体化されて固定されている。また、バランスウェイト7は、円環状のエンドプレート6の半周未満の部分に沿った円弧形状に形成されている。また、バランスウェイト7は、円環状のエンドプレート6から、内周側にも外周側にもはみ出ない状態で、配置されている。
図3、図4に示すごとく、ロータコア5は、複数の磁性鋼板50として、複数の大内径鋼板51と、複数の小内径鋼板52とを有する。小内径鋼板52は、大内径鋼板51よりも圧縮部2と反対側に積層配置されている。そして、図1に示すごとく、複数の小内径鋼板52は、回転軸31に嵌合している。図2〜図4に示すごとく、小内径鋼板52は、軸孔521が、大内径鋼板51の突出部511の内接円よりも直径の小さい円形状に形成されている。小内径鋼板52の軸孔521は、回転軸31の外周形状と同等の直径を有し、小内径鋼板52は、軸孔521において回転軸31と嵌合している。なお、実際には、回転軸31と小内径鋼板52との一方と他方とに、それぞれ凸状のキーと凹状のキー溝が形成されているが、図2等においてはこれを省略している。
また、大内径鋼板51と小内径鋼板52とは、同一の直径の円形状の外周端縁を備えている。
上述のように形成された複数の小内径鋼板52を、図3、図4に示すごとく、軸方向に積層し、その小内径鋼板52の積層体に対して軸方向の一端に複数の大内径鋼板51を更に積層した状態で、ロータコア5が形成されている。そして、これにより、最も圧縮部2に近い小内径鋼板52と複数の大内径鋼板51とに囲まれた収容凹部41が、圧縮部2側に開口した状態で形成されている。
また、図1に示すごとく、本例の電動圧縮機1における圧縮部2は、固定スクロール21と可動スクロール22とを有する。そして、可動スクロール22が電動モータ3によって揺動するよう構成されている。すなわち、電動モータ3のロータ4と共に回転する回転軸31に対して、偏芯した位置において回動可能に可動スクロール22が取り付けられている。これにより、電動モータ3の回転軸31の回転に伴い、可動スクロール22が揺動し、固定スクロール21との間において冷媒を圧縮することができるよう構成されている。
ハウジング11内には、圧縮空間14とモータ室13とを分離するフレーム12が配置されている。フレーム12は、ハウジング11に固定されていると共に、回転軸31の一部を回転可能に軸支している。フレーム12における回転軸31を軸支した軸支部121には、ベアリングが配設してある。フレーム12は、この軸支部121の一部において、ロータコア5と、軸方向にオーバーラップしている。つまり、軸支部121の一部が、ロータコア5における収容凹部41に、収容配置されている。
また、回転軸31は、圧縮部2と反対側の端部においても、ハウジング11に固定された軸支部111に回転可能に軸支されている。
また、本例の電動圧縮機1における電動モータ3は、ロータコア5に永久磁石を埋め込んだIPMモータである。そして、ロータコア5には、永久磁石を埋め込むための磁石収容孔が形成されている。ただし、図面においては、永久磁石や磁石収容孔の記載を省略してある。
また、磁性鋼板50には、リベット(締結部材)を挿通するリベット孔(締結孔)と、積層方向に隣り合う磁性鋼板50同士をかしめ固定するかしめ部も形成されているが、本例に関する図面においては、これらの記載を省略してある。
本例の電動圧縮機1の製造方法において、ロータ4を組み立てるにあたっては、図6〜図8に示すごとく、本体治具81と環状治具82とを用いる。本体治具81は、ベースプレート811とベースプレート811から垂直に立設した柱状部812とからなる。環状治具82は、柱状部812を挿嵌させる挿嵌孔821と、大内径鋼板51の突出部511が当接する外周面822とを備えている。
まず、圧縮部2と反対側に配されるバランスウェイト70を、ベースプレート811における所定の凹部813に配置する。その上から、エンドプレート60をその内周側に柱状部812が配置されるようにベースプレート811上に載置する。その後、複数の磁性鋼板50を柱状部812が内周側に配置されるようにベースプレート811上のエンドプレート60上に積層配置する。次いで、複数の磁性鋼板50のうち最後に積層配置した大内径鋼板51の上に、圧縮部2側に配されるエンドプレート6を積層配置する。そして、エンドプレート6の上にバランスウェイト7を載置する。
複数の磁性鋼板50と一対のエンドプレート6、60と一対のバランスウェイト7、70とを、一体的に固定することにより、ロータ4を組み立てる。
大内径鋼板51を本体治具81に組み付ける前に環状治具82を柱状部812に組付け、その後、大内径鋼板51を、突出部511を環状治具82の外周面822に当接させながら、本体治具81に組み付ける。そして、ロータ4が一体化された段階で、ロータ4及び環状治具82を柱状部812から取り外すと共に環状治具82をロータ4から取り外す。
なお、複数の磁性鋼板50と一対のエンドプレート6、60と一対のバランスウェイト7、70との積層体を、一体的に固定するにあたっては、例えば4本のリベット等の締結部材(図示略)を、これらに貫通させると共にかしめる。また、複数枚の磁性鋼板50同士は、各磁性鋼板50に形成された凹凸状のかしめ部(図示略)によって周方向に位置決めされると共に固定される。
図6〜図8においては図示が省略されているが、複数の磁性鋼板50と一対のエンドプレート6、60と一対のバランスウェイト7、70は、それぞれに設けられた複数のリベット孔にリベットを挿嵌させながら、本体治具81に組み付けていく。また、複数の磁性鋼板50の中では複数の小内径鋼板52を最初に本体治具81に組み付けるが、このとき、小内径鋼板52の軸孔521を本体治具81の柱状部分812に嵌合させる。
また、ロータコア5を構成するすべての小内径鋼板52を積層した後に、小内径鋼板52の上から環状治具82を、その挿嵌孔821に柱状部分812を挿嵌させるようにして配置する。その後、複数の大内径鋼板51を、その複数の突出部511が環状治具82の外周面822に当接するように、積層配置する。次いで、エンドプレート6を大内径鋼板51の上に載置し、更にその上に、バランスウェイト7を載置する。
このように、環状治具82を内在させた状態で、ロータ4を構成する積層体を、本体治具81上において形成する。このとき、図6〜図8に示すごとく、環状治具82の外周面822は、エンドプレート6の内周縁61及びバランスウェイト7の内周縁71よりも、内周側に位置している。
この状態において、積層体を、ベースプレート811とその反対側に配置される加圧板(図示略)とによって積層方向に加圧する。この加圧挟持状態において、リベットをかしめることで、上記積層体が一体化されて、エンドプレート6、60及びバランスウェイト7、70が一体化されたロータコア5が得られる。
そして、ロータコア5及び環状治具82を本体治具81から外すと共に、ロータコア5から環状治具82を取り外す。上述のごとく、環状治具82の外周面822がエンドプレート6の内周縁61及びバランスウェイト7の内周縁71よりも内周側に位置しているため、エンドプレート6及びバランスウェイト7に干渉することなく、環状治具82をロータコア5から取り外すことができる。
以上のようにして製造されたロータコア5を回転軸31と一体化させたロータ4を、他の構成要素と共にハウジング11内に組み付けることにより、図1に示す電動圧縮機1を製造することができる。
次に、本例の作用効果につき説明する。
上記電動圧縮機1において、バランスウェイト7は、収容凹部41の端縁411よりも回転軸31に向かって延在している。これにより、バランスウェイト7の幅を大きくして、バランスウェイト7の薄型化を実現することができる。これにより、電動圧縮機1の軸短化を図りやすくなる。
また、その一方で、収容凹部41の径大化を図ることができ、その分、大内径鋼板51の内径を大きくすることができる。その結果、大内径鋼板51の質量を小さくして、ロータコア5の軽量化を図ることができる。
また、大内径鋼板51は突出部511を設けてなるため、ロータコア5を組み立てる際に、上述のように、大内径鋼板51の位置決めを容易に行うことができる。そして、突出部511がバランスウェイト7の内周縁71よりも内周側へ突出しているため、環状治具82の外周面822をバランスウェイト7の内周縁71よりも内側に配置することができる。それゆえ、バランスウェイト7が一体化されたロータ4を組み立てた後に、環状治具82をロータ4から取り外すことができる。
また、大内径鋼板51は、突出部511を部分的に設けており、それ以外の部位においては、内周輪郭512をバランスウェイト7の内周縁71よりも外周側へ後退させて形成してある。それゆえ、上述の位置決め機能を確保しつつ、大内径鋼板51の軽量化を図ることができる。
また、圧縮部2側のエンドプレート6は、内周縁61が収容凹部41の端縁411よりも内周側となるように配置され、突出部511はエンドプレート6の内周縁61よりも内周側へ突出している。そのため、バランスウェイト7を安定して配置することができる。すなわち、エンドプレート6の内周縁61を収容凹部41の端縁411よりも内周側に位置させることにより、エンドプレート6によってバランスウェイト7を安定して支承することができる。また、突出部511がエンドプレート6の内周縁61よりも内周側へ突出しているため、ロータ4の組み立て時に、環状治具82の外周面822をエンドプレート6の内周縁61よりも内側に配置することができる。それゆえ、ロータ4を組み立てた後に、エンドプレート6に干渉することなく、環状治具82をロータ4から取り外すことができる。
また、ロータコア5は、複数の大内径鋼板51と複数の小内径鋼板52とからなり、小内径鋼板52は軸孔521において回転軸31に嵌合している。これにより、小内径鋼板52によってロータ4を回転軸31に固定することができるため、ロータ4の構成を簡素化しやすく、軸短化を図りやすい。
上記電動圧縮機の製造方法においては、本体治具81と環状治具82とを用いて、磁性鋼板50の径方向の位置決めを行うことができる。そして、突出部511を環状治具82の外周面822に当接させながら、大内径鋼板51を本体治具81に組み付け、ロータコア5とエンドプレート6、60とバランスウェイト7、70とが一体化された段階で、ロータコア5及び環状治具82を柱状部812から取り外すと共に環状治具82をロータコア5から取り外す。これにより、上述したような軽量化を図ったロータコア5と薄型化を図ったバランスウェイト7とを備えたロータ4を、容易に組み立てることができる。
以上のごとく、本例によれば、ロータコアの軽量化とバランスウェイトの薄型化とを可能にした電動圧縮機を提供することができる。
(実施例2)
本例は、図9に示すごとく、大内径鋼板51の形状を変更した例である。
本例においては、大内径鋼板51における突出部511と締結孔513との位置関係を具体的に規定している。すなわち、ロータコア5には、磁性鋼板50を複数枚合わせて締結する締結部材(図示略)を挿入するための締結孔513が設けられ、該締結孔513は、突出部511から周方向にずれた位置にある。本例においては、上記締結部材はリベットであり、上記締結孔513はリベットを挿通するリベット孔である。
本例の電動圧縮機1においては、複数の磁性鋼板50は、4本の締結部材によって固定され、各磁性鋼板50には、4個の締結孔513が形成されている。なお、各磁性鋼板50に形成された締結孔513が連通して、ロータコア5の締結孔513が形成されている。すなわち、厳密には、各磁性鋼板50に形成された締結孔513は、ロータコア5の締結孔513の一部とも言えるが、実質的には同一のものと考えて差し支えないため、ここでは両者を「締結孔513」として説明する。
また、各磁性鋼板50には、互いに隣接する磁性鋼板50同士をかしめ固定するための凹凸状のかしめ部514も複数形成されている。それゆえ、磁性鋼板50の一種である大内径鋼板51にも、4個の締結孔513と複数のかしめ部514が形成されている。
また、本例においては、大内径鋼板51は、突出部511を6個備えている。これら6個の突出部511の外周側に、それぞれ1個ずつのかしめ部514が形成されている。すなわち、突出部511とかしめ部514とは、互いに径方向に重なる位置に形成されている。
また、複数の締結孔513は、周方向に隣り合う締結孔513の間に、1個又は2個のかしめ部514が配置されるように設けてある。そして、締結孔513は、突出部511に対して、大内径鋼板51の径方向に重ならない位置に形成されている。また、締結孔513の内周側には、内周輪郭512が内周側へ膨らんだ内向部515が形成されている。内向部515は、突出部511よりも外周側へ後退している。それゆえ、ロータコア5を組み立てる際に、内向部515が環状治具82に当接することはない。
なお、大内径鋼板51には、永久磁石を配置するための磁石収容孔が形成されているが、図9においては、その記載を省略してある。
その他は、実施例1と同様である。
本例の場合には、ロータコア5の組み立て時の位置決めの基準となる突出部511の寸法安定性を確保することができる。その結果、ロータコア5の寸法精度を向上させやすい。すなわち、締結部材を締結する際には、締結孔513の周囲が応力を受けることがある。これにより、締結孔513の周囲が若干変形することも考えられる。それゆえ、締結孔513と径方向に重ならない位置に突出部511を設けておくことにより、締結孔513の周囲が若干変形しても、その変形が突出部511の寸法に影響することを防ぐことができる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
(比較例)
本例は、図10、図11に示すごとく、実施例1における大内径鋼板51に代えて、突出部511を設けていない大内径鋼板510を用いた例である。その他の構成については、実施例1と同様である。
本例において、ロータコア5を組み立てるにあたっても、図11に示すごとく、実施例1と同様に、本体治具81と環状治具820とを用いる。ただし、大内径鋼板510が突出部511を備えていないため、環状治具820は、外周面822が、ロータコア5の収容凹部41の端縁411に当接するように、外径を大きくしてある。
そのため、ロータコア5を組み立てる際に、バランスウェイト7の内周縁71及びエンドプレート6の内周縁61が環状治具820の外周面822よりも内側に配置されてしまう。その結果、ロータコア5を組み付立てた後、環状治具820がロータコア5とエンドプレート6及びバランスウェイト7との間から抜けなくなってしまうという問題が生じる。
この問題は、上記実施例1、2にかかる電動圧縮機によれば、上述のごとく解決することができる。
上述の実施例1、2においては、回転軸に対して磁性鋼板(小内径鋼板)を嵌合させることにより、ロータコアが回転軸と一体化しているが、他の部材を介してロータコアを回転軸と一体化させる構成としてもよい。
また、実施例1、2においては、バランスウェイトは、エンドプレートとは別部材としているが、バランスウェイトとエンドプレートとの一体成形品を用いることもできる。
また、大内径鋼板の突出部の形状は、特に限定されるものではなく、実施例1、2に示したような、先端が内周側へ凸の円弧形状のもの以外にも、例えば、先端が平坦状のものや、先端が環状治具の外周面に沿った凹の円弧形状のものとすることもできる。
1 電動圧縮機
11 ハウジング
12 フレーム
13 モータ室
14 圧縮空間
2 圧縮部
3 電動モータ
31 回転軸
41 収容凹部
411 (収容凹部の)端縁
5 ロータコア
50 磁性鋼板
51 大内径鋼板
511 突出部
6、60 エンドプレート
7 バランスウェイト
71 (バランスウェイトの)内周縁

Claims (4)

  1. 冷媒を圧縮する圧縮部と、該圧縮部を駆動する電動モータと、ハウジングと、該ハウジング内に固定されることにより該ハウジング内を上記圧縮部が収容される圧縮空間と上記電動モータが収容されるモータ室とに区画するフレームとを有する電動圧縮機であって、
    上記電動モータは、上記フレームと上記ハウジングとに回転可能に軸支された回転軸と、該回転軸に固定されるとともに複数の磁性鋼板を積層してなるロータコアとを有し、
    該ロータコアの軸方向における上記フレーム側の端面には、上記フレームの一部を収容する収容凹部が形成されるとともに該収容凹部の端縁よりも上記回転軸に向かって延在するバランスウェイトが配設され、
    複数の上記磁性鋼板のうち上記収容凹部の一部を形成する大内径鋼板は、上記収容凹部の内周面の一部を上記バランスウェイトよりも上記回転軸に向かって突出させる突出部を設けていることを特徴とする電動圧縮機。
  2. 請求項1に記載の電動圧縮機において、上記ロータコアの軸方向における上記フレーム側の端面と上記バランスウェイトとの間には環状のエンドプレートが配設され、上記突出部は上記エンドプレートの内周縁よりも上記回転軸に向かって延在していることを特徴とする電動圧縮機。
  3. 請求項1又は2に記載の電動圧縮機において、上記複数の磁性鋼板は、上記収容凹部の一部を構成する収容孔が設けられた上記大内径鋼板と、上記回転軸と嵌合する軸孔が設けられた小内径鋼板とを含むことを特徴とする電動圧縮機。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の電動圧縮機において、上記ロータコアには、上記磁性鋼板を複数枚合わせて締結する締結部材を挿入するための締結孔が設けられ、該締結孔は、上記突出部から周方向にずれた位置にあることを特徴とする電動圧縮機。
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