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JP2014111725A - コアシェル粒子、コアシェル粒子の製造方法、導電性粒子、導電材料及び接続構造体 - Google Patents

コアシェル粒子、コアシェル粒子の製造方法、導電性粒子、導電材料及び接続構造体 Download PDF

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JP2014111725A JP2013217368A JP2013217368A JP2014111725A JP 2014111725 A JP2014111725 A JP 2014111725A JP 2013217368 A JP2013217368 A JP 2013217368A JP 2013217368 A JP2013217368 A JP 2013217368A JP 2014111725 A JP2014111725 A JP 2014111725A
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Abstract

【課題】10%圧縮したときの圧縮弾性率が比較的高く、30%圧縮したときの圧縮弾性率が比較的低いコアシェル粒子、及び該コアシェル粒子を用いた導電性粒子を提供する。
【解決手段】本発明に係るコアシェル粒子11は、コア12と、コア12の表面上に配置された無機シェル13とを備える。無機シェル13は、コア12の表面上で、金属アルコキシドをゾルゲル法によりシェル状物とした後、該シェル状物を焼成させることにより形成されている。本発明の導電性粒子1は、コアシェル粒子11と、コアシェル粒子11の表面上に配置された導電層2とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、コアと、該コアの表面上に配置された無機シェルとを備えるコアシェル粒子及びコアシェル粒子の製造方法に関する。また、本発明は、上記コアシェル粒子を用いた導電性粒子、導電材料及び接続構造体に関する。
異方性導電ペースト及び異方性導電フィルム等の異方性導電材料が広く知られている。上記異方性導電材料では、バインダー樹脂中に導電性粒子が分散されている。上記異方性導電材料は、フレキシブルプリント基板(FPC)、ガラス基板及び半導体チップなどの様々な接続対象部材の電極間を電気的に接続し、接続構造体を得るために用いられている。また、上記導電性粒子として、樹脂粒子と、該樹脂粒子の表面上に配置された導電層とを有する導電性粒子が用いられることがある。
上記導電性粒子に用いられる樹脂粒子の一例として、下記の特許文献1では、重合性有機基を有する加水分解性シリコン化合物を必須として含むシリコン化合物群を加水分解及び縮合して重合性オルガノポリシロキサン粒子(S1)を得る工程(I)と、該重合性オルガノポリシロキサン粒子(S1)を重合して有機無機複合体粒子(P1)を得る工程(II)と、該有機無機複合体粒子(P1)に重合性モノマー(M1)を添加して有機無機複合体粒子(P2)を得る工程(III)と、該有機無機複合体粒子(P2)を重合してコアシェル型有機無機複合体粒子(P3)を得る工程(IV)とを備えるコアシェル型有機無機複合体粒子の製造方法が開示されている。また、特許文献1では、上記コアシェル型有機無機複合体粒子の製造方法により得られる有機無機複合体粒子が開示されている。
また、液晶表示素子は、2枚のガラス基板間に液晶が配置されて構成されている。該液晶表示素子では、2枚のガラス基板の間隔(ギャップ)を均一かつ一定に保つために、ギャップ制御材としてスペーサが用いられている。該スペーサとして、樹脂粒子が一般に用いられている。
上記導電性粒子又は上記液晶表示素子用スペーサに用いられる樹脂粒子の一例として、下記の特許文献2には、重合性不飽和基を有する多官能性シラン化合物を、界面活性剤の存在下で加水分解及び重縮合させることにより得られるコアシェル粒子が開示されている。特許文献2では、上記多官能性シラン化合物が、下記式(X)で表される化合物及びその誘導体から選ばれた少なくとも1つのラジカル重合性基含有第1シリコン化合物である。
Figure 2014111725
前記式(X)中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の2価の有機基を示し、R3は炭素数1〜5のアルキル基又はフェニル基を示し、R4は水素原子と、炭素数1〜5のアルキル基と、炭素数2〜5のアシル基とからなる群から選ばれる少なくとも1つの1価基を示す。
特開2010−229303号公報 特開2000−204119号公報
特許文献1,2に記載のような従来のコアシェル粒子では、該コアシェル粒子を10%圧縮したときの圧縮弾性率(10%K値)が比較的低かったり、該コアシェル粒子を30%圧縮したときの圧縮弾性率(30%K値)が比較的高かったりする。
このため、上記コアシェル粒子を液晶表示素子用スペーサとして用いて基板間に配置したり、表面上に導電層を形成して導電性粒子として用いて電極間を電気的に接続したりした場合に、液晶表示素子用スペーサ又は導電性粒子が、基板又は電極に十分に接触しないことがある。さらに、上記液晶表示素子用スペーサを用いた液晶表示素子及び上記導電性粒子を用いた接続構造体に衝撃が加わったときに、基板間又は電極間の間隔の変動に対応して、液晶表示素子用スペーサ又は導電性粒子が十分に変形しないことがある。このため、基板間又は電極間の間隔にばらつきが生じたり、電極間の接続不良が生じたりするという問題がある。
本発明の目的は、10%圧縮したときの圧縮弾性率が比較的高く、30%圧縮したときの圧縮弾性率が比較的低いコアシェル粒子及びコアシェル粒子の製造方法を提供することである。また、本発明の目的は、上記コアシェル粒子を用いた導電性粒子、導電材料及び接続構造体を提供することである。
本発明の広い局面によれば、コアと、前記コアの表面上に配置された無機シェルとを備え、前記無機シェルが、前記コアの表面上で、金属アルコキシドをゾルゲル法によりシェル状物とした後、前記シェル状物を焼成させることにより形成されている、コアシェル粒子が提供される。
本発明に係るコアシェル粒子のある特定の局面では、前記コアが有機コアである。
本発明に係るコアシェル粒子のある特定の局面では、前記無機シェルが、前記コアの表面上で、金属アルコキシドをゾルゲル法によりシェル状物とした後、前記シェル状物を前記コアの分解温度未満で焼成させることにより形成されている。
本発明に係るコアシェル粒子は、表面上に導電層が形成され、前記導電層を有する導電性粒子を得るために用いられるか、又は液晶表示素子用スペーサとして用いられることが好ましい。本発明に係るコアシェル粒子は、表面上に導電層が形成され、前記導電層を有する導電性粒子を得るために用いられることが好ましい。
本発明に係るコアシェル粒子のある特定の局面では、前記金属アルコキシドがシランアルコキシドである。
本発明に係るコアシェル粒子のある特定の局面では、前記無機シェルの厚みが50nm以上、2000nm以下である。
本発明に係るコアシェル粒子のある特定の局面では、前記コアの粒径が0.5μm以上、100μm以下である。
本発明に係るコアシェル粒子のある特定の局面では、前記無機シェルが、前記コアの表面上で、金属アルコキシドをゾルゲル法によりシェル状物とした後、前記シェル状物を150℃以上で焼成させることにより形成されている。
本発明の広い局面によれば、上述したコアシェル粒子の製造方法であって、コアの表面上で、金属アルコキシドをゾルゲル法によりシェル状物とした後、前記シェル状物を焼成させることにより無機シェルを形成して、前記コアと、前記コアの表面上に配置された前記無機シェルとを備えるコアシェル粒子を得る、コアシェル粒子の製造方法が提供される。
本発明の広い局面によれば、上述したコアシェル粒子と、前記コアシェル粒子の表面上に配置された導電層とを備える、導電性粒子が提供される。
本発明の広い局面によれば、導電性粒子と、バインダー樹脂とを含み、前記導電性粒子が、上述したコアシェル粒子と、前記コアシェル粒子の表面上に配置された導電層とを備える、導電材料が提供される。
本発明の広い局面によれば、第1の電極を表面に有する第1の接続対象部材と、第2の電極を表面に有する第2の接続対象部材と、前記第1の接続対象部材と前記第2の接続対象部材とを接続している接続部とを備え、前記接続部が、導電性粒子により形成されているか、又は前記導電性粒子とバインダー樹脂とを含む導電材料により形成されており、前記導電性粒子が、上述したコアシェル粒子と、前記コアシェル粒子の表面上に配置された導電層とを備え、前記第1の電極と前記第2の電極とが前記導電性粒子により電気的に接続されている、接続構造体が提供される。
本発明に係るコアシェル粒子では、コアの表面上に無機シェルが配置されており、更に上記無機シェルが、上記コアの表面上で、金属アルコキシドをゾルゲル法によりシェル状物とした後、該シェル状物を焼成させることにより比較的硬い無機シェルが形成されているので、10%圧縮したときの圧縮弾性率を比較的高く、30%圧縮したときの圧縮弾性率を比較的低くすることができる。
本発明に係るコアシェル粒子の製造方法は、コアの表面上で、金属アルコキシドをゾルゲル法によりシェル状物とした後、該シェル状物を焼成させることにより無機シェルを形成して、上記コアの表面上に比較的硬い無機シェルが配置されたコアシェル粒子を得るので、10%圧縮したときの圧縮弾性率が比較的高く、30%圧縮したときの圧縮弾性率が比較的低いコアシェル粒子を得ることができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る導電性粒子を示す断面図である。 図2は、本発明の第2の実施形態に係る導電性粒子を示す断面図である。 図3は、本発明の第3の実施形態に係る導電性粒子を示す断面図である。 図4は、本発明の第1の実施形態に係る導電性粒子を用いた接続構造体を模式的に示す正面断面図である。 図5は、本発明の一実施形態に係るコアシェル粒子を液晶表示素子用スペーサとして用いた液晶表示素子を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の詳細を説明する。
(コアシェル粒子)
本発明に係るコアシェル粒子は、コアと、該コアの表面上に配置された無機シェルとを備える。該無機シェルが、上記コアの表面上で、金属アルコキシドをゾルゲル法によりシェル状物とした後、該シェル状物を焼成させることにより形成されている。
本発明に係るコアシェル粒子の製造方法では、コアの表面上で、金属アルコキシドをゾルゲル法によりシェル状物とした後、該シェル状物を焼成させることにより無機シェルを形成する。本発明に係るコアシェル粒子の製造方法では、上記コアと、上記コアの表面上に配置された上記無機シェルとを備えるコアシェル粒子を得る。
本発明に係るコアシェル粒子、並びに本発明に係るコアシェル粒子の製造方法では、上述した構成が備えられているので、10%圧縮したときの圧縮弾性率(10%K値)が比較的高く、30%圧縮したときの圧縮弾性率(30%K値)が比較的低いコアシェル粒子を得ることができる。特に、上記30%K値が高くなるのを抑えつつ、上記10%K値を効果的に高くすることができる。上記コアシェル粒子は、良好な圧縮変形特性を有する。
上記コアシェル粒子の用途は特に限定されない。上記コアシェル粒子は、上記10%K値が比較的高く、上記30%K値が比較的低いことが求められる様々な用途に好適に用いられる。上記コアシェル粒子は、表面上に導電層が形成され、上記導電層を有する導電性粒子を得るために用いられるか、又は液晶表示素子用スペーサとして用いられることが好ましい。本発明に係るコアシェル粒子は、表面上に導電層が形成され、上記導電層を有する導電性粒子を得るために用いられることが好ましい。上記コアシェル粒子は、液晶表示素子用スペーサとして用いられることが好ましい。上記コアシェル粒子の上記10%K値は比較的高くかつ上記30%K値は比較的低いので、上記コアシェル粒子を液晶表示素子用スペーサとして用いて基板間に配置したり、表面に導電層を形成して導電性粒子として用いて電極間を電気的に接続したりした場合に、液晶表示素子用スペーサ又は導電性粒子が、基板又は電極に十分に接触しやすい。さらに、上記液晶表示素子用スペーサを用いた液晶表示素子及び上記導電性粒子を用いた接続構造体に衝撃が加わったときに、基板間又は電極間の間隔の変動に対応して、液晶表示素子用スペーサ又は導電性粒子が十分に追従して変形しやすい。このため、基板間又は電極間の間隔のばらつきが生じ難く、電極間の接続不良が生じ難くなる。
さらに、上記コアシェル粒子は、衝撃吸収剤又は振動吸収剤としても好適に用いられる。例えば、ゴム又はバネ等の代替品として、上記コアシェル粒子を用いることができる。
上記コアシェル粒子を10%圧縮変形したときの圧縮弾性率(10%K値)は、好ましくは1000N/mm以上、より好ましくは2000N/mm以上、より一層好ましくは3000N/mm以上、より一層好ましくは3300N/mm以上、更に好ましくは3500N/mm以上、更に一層好ましくは3600N/mm以上、特に好ましくは6000N/mm以上、最も好ましくは8000N/mm以上、好ましくは15000N/mm以下、より好ましくは10000N/mm以下である。
上記コアシェル粒子を30%圧縮変形したときの圧縮弾性率(30%K値)は、好ましくは500N/mm以上、より好ましくは1000N/mm以上、更に好ましくは1400N/mm以上、特に好ましくは1500N/mm以上、好ましくは6000N/mm以下、より好ましくは5000N/mm以下、更に好ましくは4500N/mm以下である。
良好な圧縮変形特性が得られることから、上記コアシェル粒子を10%圧縮したときの圧縮弾性率(10%K値)の、上記コアシェル粒子を30%圧縮したときの圧縮弾性率(30%K値)に対する比は好ましくは1以上、よより好ましくは1.2以上、より一層好ましくは1.5以上、更に好ましくは1.8以上、特に好ましくは2.0以上、好ましくは5以下、より好ましくは3.5以下、更に好ましくは3.0以下である。
上記コアシェル粒子における上記圧縮弾性率(10%K値及び30%K値)は、以下のようにして測定できる。
微小圧縮試験機を用いて、円柱(直径100μm、ダイヤモンド製)の平滑圧子端面で、25℃、圧縮速度0.3mN/秒、及び最大試験荷重20mNの条件下でコアシェル粒子を圧縮する。このときの荷重値(N)及び圧縮変位(mm)を測定する。得られた測定値から、上記圧縮弾性率を下記式により求めることができる。上記微小圧縮試験機として、例えば、フィッシャー社製「フィッシャースコープH−100」等が用いられる。
K値(N/mm)=(3/21/2)・F・S−3/2・R−1/2
F:コアシェル粒子が10%又は30%圧縮変形したときの荷重値(N)
S:コアシェル粒子が10%又は30%圧縮変形したときの圧縮変位(mm)
R:コアシェル粒子の半径(mm)
上記圧縮弾性率は、コアシェル粒子の硬さを普遍的かつ定量的に表す。上記圧縮弾性率の使用により、コアシェル粒子の硬さを定量的かつ一義的に表すことができる。
上記コアは、有機コアであることが好ましく、有機粒子であることが好ましい。上記コアが有機コアである場合に、上記コアシェル粒子は、有機無機ハイブリッド粒子である。但し、上記コアは、無機コアであってもよい。上記有機コアは、無機コアに比べて比較的柔軟であるので、比較的柔軟な有機コアの表面上に比較的硬い無機シェルが形成される結果、10%K値及び30%K値を上述した好ましい値を満たすようにすることが容易になる。
上記有機コアは、有機粒子であることが好ましい。上記有機コアを形成するための材料として、種々の有機物が好適に用いられる。上記有機コアを形成するための材料として、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン等のポリオレフィン樹脂;ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート等のアクリル樹脂;ポリアルキレンテレフタレート、ポリスルホン、ポリカーボネート、ポリアミド、フェノールホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、及び、エチレン性不飽和基を有する種々の重合性単量体を1種もしくは2種以上重合させて得られる重合体等が用いられる。エチレン性不飽和基を有する種々の重合性単量体を1種もしくは2種以上重合させることにより、導電材料に適した任意の圧縮時の物性を有するコアシェル粒子を設計及び合成することが容易である。
上記有機コアを、エチレン性不飽和基を有する単量体を重合させて得る場合には、上記エチレン性不飽和基を有する単量体としては、非架橋性の単量体と架橋性の単量体とが挙げられる。
上記非架橋性の単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等のカルボキシル基含有単量体;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の酸素原子含有(メタ)アクリレート類;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル含有単量体;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル等のビニルエーテル類;酢酸ビニル、酪酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等の酸ビニルエステル類;エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン等の不飽和炭化水素;トリフルオロメチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロエチル(メタ)アクリレート、塩化ビニル、フッ化ビニル、クロルスチレン等のハロゲン含有単量体等が挙げられる。
上記架橋性の単量体としては、例えば、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類;トリアリル(イソ)シアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、ジアリルアクリルアミド、ジアリルエーテル、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、トリメトキシシリルスチレン、ビニルトリメトキシシラン等のシラン含有単量体等が挙げられる。
上記エチレン性不飽和基を有する重合性単量体を、公知の方法により重合させることで、上記有機コアを得ることができる。この方法としては、例えば、ラジカル重合開始剤の存在下で懸濁重合する方法、並びに非架橋の種粒子を用いてラジカル重合開始剤とともに単量体を膨潤させて重合する方法等が挙げられる。
無機シェルの形成時及びコアシェル粒子の使用時にコアの変形を抑制する観点からは、上記コアの分解温度は、好ましくは200℃を超え、より好ましくは250℃を超え、より一層好ましくは300℃を超える。上記コアの分解温度は、400℃を超えていてもよく、500℃を超えていてもよく、600℃を超えていてもよく、800℃を超えていてもよい。
上記コアの粒径は、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1μm以上、好ましくは500μm以下、より好ましくは100μm以下、更に好ましくは50μm以下、特に好ましくは20μm以下、最も好ましくは10μm以下である。上記コアの粒径が上記下限以上及び上記上限以下であると、10%K値及び30%K値がより一層好適な値を示し、コアシェル粒子を導電性粒子及び液晶表示素子用スペーサの用途に好適に使用可能になる。例えば、上記コアの粒径が上記下限以上及び上記上限以下であると、上記導電性粒子を用いて電極間を接続した場合に、導電性粒子と電極との接触面積が充分に大きくなり、かつ導電層を形成する際に凝集した導電性粒子が形成されにくくなる。また、導電性粒子を介して接続された電極間の間隔が大きくなりすぎず、かつ導電層がコアシェル粒子の表面から剥離し難くなる。
上記コアの粒径は、コアが真球状である場合には直径を意味し、上記コアが真球状以外の形状である場合には最大径を意味する。また、本発明において、粒径とは、コアを走査型電子顕微鏡を用いて観察し、任意に選択した50個のコアの粒径をノギスで測定した平均値を意味する。
上記無機シェルは、上記コアの表面上に配置されている。上記無機シェルは、上記コアの表面を被覆していることが好ましい。
上記無機シェルは、上記コアの表面上で、金属アルコキシドをゾルゲル法によりシェル状物とした後、該シェル状物を焼成させることにより形成されていれば特に限定されない。例えば、シェル状物を焼結させることにより無機シェルを形成する。ゾルゲル法では、上記コアの表面上にシェル状物を配置することが容易である。上記コアシェル粒子では、焼成後に、上記コアは、揮発等により除去されずに、残存している。上記コアシェル粒子は、焼成後に、上記コアを備える。なお、仮に焼成後に上記コアが揮発等により除去されると、上記10%K値がかなり低くなる。
上記ゾルゲル法の具体的な方法としては、コア、水やアルコール等の溶媒、界面活性剤、及びアンモニア水溶液等の触媒の分散液に、テトラエトキシシラン等の無機モノマーを共存させて界面ゾル反応を行う方法、並びに水やアルコール等の溶媒、及びアンモニア水溶液と共存させたテトラエトキシシラン等の無機モノマーによりゾルゲル反応を行った後、コアにゾルゲル反応物をヘテロ凝集させる方法等が挙げられる。上記ゾルゲル法において、上記金属アルコキシドは、加水分解及び重縮合することが好ましい。
上記ゾルゲル法では、界面活性剤を用いることが好ましい。界面活性剤の存在下で、上記金属アルコキシドをゾルゲル法によりシェル状物にすることが好ましい。上記界面活性剤は特に限定されない。上記界面活性剤は、良好なシェル状物を形成するように適宜選択して用いられる。上記界面活性剤としては、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤等が挙げられる。なかでも、良好な無機シェルを形成できることから、カチオン性界面活性剤が好ましい。
上記カチオン性界面活性剤としては、4級アンモニウム塩及び4級ホスホニウム塩等が挙げられる。上記カチオン性界面活性剤の具体例としては、ヘキサデシルアンモニウムブロミド等が挙げられる。
上記コアの表面上で、上記無機シェルを形成するために、上記シェル状物は焼成される。焼成条件により、無機シェルにおける架橋度を調整可能である。また、焼成を行うことで、焼成を行わない場合と比べて、上記コアシェル粒子の10%K値及び30%K値がより一層好適な値を示すようになる。特に架橋度を高めることで、10%K値を十分に高くすることができる。
上記無機シェルは、上記コアの表面上で、金属アルコキシドをゾルゲル法によりシェル状物とした後、該シェル状物を100℃以上(焼成温度)で焼成させることにより形成されていることが好ましい。上記焼成温度はより好ましくは150℃以上、より一層好ましくは160℃以上、更に好ましくは200℃以上である。上記シェル状物を焼成させる際に、酸素含有率を20%以下の雰囲気にすることが好ましい。また、焼成時間に関しては好ましくは10分以上、より好ましくは30分以上、更に好ましくは1時間以上である。また、該シェル状物は通常大気雰囲気下では、100℃以上で焼成させることが望ましい。焼成温度はより好ましくは150℃以上、より一層好ましくは160℃以上、更に好ましくは200℃以上である。また、焼成時間は好ましくは1時間以上、より好ましくは3時間以上、更に好ましくは6時間以上である。上記焼成温度及び焼成時間が上記下限以上であると、無機シェルにおける架橋度がより一層適度になり、10%K値及び30%K値がより一層好適な値を示し、コアシェル粒子を導電性粒子及び液晶表示素子用スペーサの用途により一層好適に使用可能になる。
上記無機シェルは、上記コアの表面上で、金属アルコキシドをゾルゲル法によりシェル状物とした後、該シェル状物を上記コアの分解温度以下(焼成温度)で焼成させることにより形成されていることが好ましい。上記焼成温度は、上記コアの分解温度よりも5℃以上低い温度であることが好ましく、上記コアの分解温度よりも10℃以上低い温度であることがより好ましい。また、上記焼成温度は、好ましくは800℃以下、より好ましくは600℃以下、更に好ましくは500℃以下である。上記焼成温度が上記上限以下であると、上記コアの熱劣化及び変形を抑制でき、10%K値及び30%K値が良好な値を示すコアシェル粒子が得られる。
上記分解温度は、示差熱熱重量同時測定装置(TG/DTA6300、Seiko Instruments Inc.)を用い、上記焼成と同じ雰囲気下で5℃/分の昇温速度で加熱した際に、試料重量が加熱前から3.0%減少した温度である。
上記金属アルコキシドとしては、シランアルコキシド、チタンアルコキシド、ジルコニウムアルコキシド及びアルミニウムアルコキシド等が挙げられる。良好な無機シェルを形成する観点からは、上記金属アルコキシドは、シランアルコキシド、チタンアルコキシド、ジルコニウムアルコキシド又はアルミニウムアルコキシドであることが好ましく、シランアルコキシド、チタンアルコキシド又はジルコニウムアルコキシドであることがより好ましく、シランアルコキシドであることが更に好ましい。良好な無機シェルを形成する観点からは、上記金属アルコキシドにおける金属原子は、ケイ素原子、チタン原子、ジルコニウム原子又はアルミニウム原子であることが好ましく、ケイ素原子、チタン原子又はジルコニウム原子であることがより好ましく、ケイ素原子であることがより好ましい。上記金属アルコキシドは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
良好な無機シェルを形成する観点からは、上記金属アルコキシドは、下記式(1)で表される金属アルコキシドであることが好ましい。
M(R1)(OR2)4−n ・・・式(1)
上記式(1)中、Mはケイ素原子、チタン原子又はジルコニウム原子であり、R1はフェニル基、炭素数1〜30のアルキル基、重合性二重結合を有する炭素数1〜30の有機基又はエポキシ基を有する炭素数1〜30の有機基を表し、R2は炭素数1〜6のアルキル基を表し、nは0〜2の整数を表す。nが2であるとき、複数のR1は同一であってもよく、異なっていてもよい。複数のR2は同一であってもよく、異なっていてもよい。
良好な無機シェルを形成する観点からは、上記金属アルコキシドは、下記式(1A)で表されるシランアルコキシドであることが好ましい。
Si(R1)(OR2)4−n ・・・式(1A)
上記式(1A)中、R1はフェニル基、炭素数1〜30のアルキル基、重合性二重結合を有する炭素数1〜30の有機基又はエポキシ基を有する炭素数1〜30の有機基を表し、R2は炭素数1〜6のアルキル基を表し、nは0〜2の整数を表す。nが2であるとき、複数のR1は同一であってもよく、異なっていてもよい。複数のR2は同一であってもよく、異なっていてもよい。
上記R1が炭素数1〜30のアルキル基である場合、R1の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−オクチル基、及びn−デシル基等が挙げられる。このアルキル基の炭素数は好ましくは10以下、より好ましくは6以下である。なお、アルキル基には、シクロアルキル基が含まれる。
上記重合性二重結合としては、炭素−炭素二重結合が挙げられる。上記R1が重合性二重結合を有する炭素数1〜30の有機基である場合に、R1の具体例としては、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、又は3−(メタ)アクリロキシアルキル基等が挙げられる。上記(メタ)アクリロキシアルキル基としては、(メタ)アクリロキシメチル基、(メタ)アクリロキシエチル基又は(メタ)アクリロキシプロピル基等が挙げられる。上記重合性二重結合を有する炭素数1〜30の有機基の炭素数は好ましくは2以上、好ましくは30以下、より好ましくは10以下である。上記「(メタ)アクリロキシ」は、メタクリロキシ又はアクリロキシを意味する。
上記R1がエポキシ基を有する炭素数1〜30の有機基である場合、R1の具体例としては、1,2−エポキシエチル基、1,2−エポキシプロピル基、2,3−エポキシプロピル基、3,4−エポキシブチル基、3−グリシドキシプロピル基、及び2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基等が挙げられる。上記エポキシ基を有する炭素数1〜30の有機基の炭素数は好ましくは8以下、より好ましくは6以下である。なお、上記エポキシ基を有する炭素数1〜30の有機基は、炭素原子及び水素原子に加えて、エポキシ基に由来する酸素原子を含む基である。
上記R2の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、又はイソブチル基等が挙げられる。
上記シランアルコキシドの具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、及びジイソプロピルジメトキシシラン等が挙げられる。これら以外のシランアルコキシドを用いてもよい。
上記チタンアルコキシドの具体例としては、チタンテトラメトキシド、チタンテトラエトキシド、チタンテトライソプロポキシド、及びチタンテトラブトキシド等が挙げられる。これら以外のチタンアルコキシドを用いてもよい。
上記ジルコニウムアルコキシドの具体例としては、ジルコニウムテトラメトキシド、ジルコニウムテトラエトキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、及びジルコニウムテトラブトキシド等が挙げられる。これら以外のジルコニウムアルコキシドを用いてもよい。
上記金属アルコキシドは、金属原子に4つの酸素原子が直接結合している構造を有する金属アルコキシドを含むことが好ましい。この金属アルコキシドでは、一般に金属原子に4つの酸素原子が単結合により結合している。上記金属アルコキシドは、下記式(1a)で表される金属アルコキシドを含むことが好ましい。
M(OR2) ・・・式(1a)
上記式(1a)中、Mはケイ素原子、チタン原子又はジルコニウム原子であり、R2は炭素数1〜6のアルキル基を表し、nは0〜2の整数を表す。複数のR2は同一であってもよく、異なっていてもよい。
上記金属アルコキシドは、ケイ素原子に4つの酸素原子が直接結合している構造を有するシランアルコキシドを含むことが好ましい。このシランアルコキシドでは、一般にケイ素原子に4つの酸素原子が単結合により結合している。上記金属アルコキシドは、下記式(1Aa)で表されるシランアルコキシドを含むことが好ましい。
Si(OR2) ・・・式(1Aa)
上記式(1Aa)中、R2は炭素数1〜6のアルキル基を表す。複数のR2は同一であってもよく、異なっていてもよい。
10%K値を効果的に高くし、かつ30%K値を効果的に低くする観点からは、上記無機シェルを形成するために用いる金属アルコキシド100モル%中、上記金属原子に4つの酸素原子が直接結合している構造を有する金属アルコキシド、上記式(1a)で表される金属アルコキシド、上記ケイ素原子に4つの酸素原子が直接結合している構造を有するシランアルコキシド、又は上記式(1Aa)で表されるシランアルコキシドの各含有量は、好ましくは20モル%以上、より好ましくは40モル%以上、更に好ましくは50モル%以上、特に好ましくは60モル%以上、100モル%以下である。上記無機シェルを形成するために用いる金属アルコキシドの全量が、上記金属原子に4つの酸素原子が直接結合している構造を有する金属アルコキシド、上記式(1a)で表される金属アルコキシド、上記ケイ素原子に4つの酸素原子が直接結合している構造を有するシランアルコキシド、又は上記式(1Aa)で表されるシランアルコキシドであってもよい。
10%K値を効果的に高くし、かつ30%K値を効果的に低くする観点からは、上記無機シェルに含まれる上記金属アルコキシドに由来する金属原子の全個数100%中、4つの−O−M基(Mは金属原子)が直接結合しておりかつ4つの上記−O−M基における4つの酸素原子が直接結合している金属原子の個数の割合、4つの−O−Si基が直接結合しておりかつ4つの上記−O−Si基における4つの酸素原子が直接結合しているケイ素原子の個数の割合はそれぞれ、好ましくは20%以上、より好ましくは40%以上、更に好ましくは50%以上、更に一層好ましくは55%以上、特に好ましくは60%以上である。
また、10%K値を効果的に高くし、かつ30%K値を効果的に低くする観点からは、上記無機シェルに含まれている金属原子の全個数100%中、4つの−O−M基(Mは金属原子)が直接結合しておりかつ4つの上記−O−M基における4つの酸素原子が直接結合している金属原子の個数の割合は、好ましくは20%以上、より好ましくは40%以上、更に好ましくは50%以上、更に一層好ましくは55%以上、特に好ましくは60%以上である。10%K値を効果的に高くし、かつ30%K値を効果的に低くする観点からは、上記金属アルコキシドがシランアルコキシドであり、かつ上記無機シェルに含まれているケイ素原子の全個数100%中、4つの−O−Si基が直接結合しておりかつ4つの上記−O−Si基における4つの酸素原子が直接結合しているケイ素原子の個数の割合は、好ましくは20%以上、より好ましくは40%以上、更に好ましくは50%以上、更に一層好ましくは55%以上、特に好ましくは60%以上である。
なお、4つの−O−Si基が直接結合しておりかつ4つの上記−O−Si基における4つのケイ素原子が直接結合しているケイ素原子は、例えば、下記式(11)で表される構造におけるケイ素原子である。
Figure 2014111725
なお、上記式(11)における酸素原子は、一般に隣接するケイ素原子とシロキサン結合を形成している。
具体的には、上記4つの−O−Si基が直接結合しておりかつ4つの上記−O−Si基における4つの酸素原子が直接結合しているケイ素原子は、下記式(21)における矢印Aを付して示すケイ素原子である。4つの−O−Si基における4つのSiにそれぞれ結合している3つの基(破線部分を介して結合している基)は特に限定されない。
Figure 2014111725
4つの−O−Si基が直接結合しておりかつ4つの上記−O−Si基における4つのケイ素原子が直接結合しているケイ素原子子の個数の割合(Q4の個数の割合(%))を測定する方法としては、例えば、NMRスペクトル解析装置を用いて、Q4(4つの−O−Si基が直接結合しておりかつ4つの上記−O−Si基における4つの酸素原子が直接結合しているケイ素原子)のピーク面積とQ1〜Q3(1〜3つの−O−Si基が直接結合しておりかつ1〜3つの上記−O−Si基における1〜3つの酸素原子が直接結合しているケイ素原子)のピーク面積とを比較する方法が挙げられる。この方法により、上記無機シェルに含まれているケイ素原子の全個数100%中、4つの−O−Si基が直接結合しておりかつ4つの上記−O−Si基における4つのケイ素原子が直接結合しているケイ素原子の個数の割合(Q4の個数の割合)を求めることができる。なお、後述する実施例のQ4の個数の割合を求めたNMR測定結果では、4つの−O−Si基が直接結合しておりかつ4つの上記−O−Si基における4つのケイ素原子が直接結合しているケイ素原子に由来するピークを評価している。
上記無機シェルの厚みは、好ましくは1nm以上、より好ましくは10nm以上、更に好ましくは50nm以上、特に好ましくは100nm以上、好ましくは100000nm以下、より好ましくは10000nm以下、更に好ましくは2000nm以下である。上記無機シェルの厚みが上記下限以上及び上記上限以下であると、10%K値及び30%K値がより一層好適な値を示し、コアシェル粒子を導電性粒子及び液晶表示素子用スペーサの用途に好適に使用可能になる。上記無機シェルの厚みは、コアシェル粒子1個あたりの平均厚みである。ゾルゲル法の制御によって、上記無機シェルの厚みを制御可能である。
本発明において無機シェルの厚みは、コアシェル粒子を、走査型電子顕微鏡を用いて観察し、任意に選択した50個のコアシェル粒子の粒径をノギスで測定した平均値と、コアの粒径の平均値との差から求めることができる。上記コアシェル粒子の粒径は、上記コアシェル粒子が真球状である場合には直径を意味し、上記コアシェル粒子が真球状以外の形状である場合には最大径を意味する。
上記コアシェル粒子のアスペクト比は、1以上、好ましくは2以下、より好ましくは1.5以下、更に好ましくは1.2以下である。上記アスペクト比は、長径/短径を示す。
(導電性粒子)
上記導電性粒子は、上述したコアシェル粒子と、該コアシェル粒子の表面上に配置された導電層とを備える。
図1に、本発明の第1の実施形態に係る導電性粒子を断面図で示す。
図1に示す導電性粒子1は、コアシェル粒子11と、コアシェル粒子11の表面上に配置された導電層2とを有する。導電層2は、コアシェル粒子11の表面を被覆している。導電性粒子1は、コアシェル粒子11の表面が導電層2により被覆された被覆粒子である。
コアシェル粒子11は、コア12と、コア12の表面上に配置された無機シェル13とを備える。無機シェル13は、コア12の表面を被覆している。導電層2は、無機シェル13の表面上に配置されている。導電層2は、無機シェル13の表面を被覆している。
図2に、本発明の第2の実施形態に係る導電性粒子を断面図で示す。
図2に示す導電性粒子21は、コアシェル粒子11と、コアシェル粒子11の表面上に配置された導電層22とを有する。導電層22は、内層である第1の導電層22Aと外層である第2の導電層22Bとを有する。コアシェル粒子11の表面上に、第1の導電層22Aが配置されている。無機シェル13の表面上に、第1の導電層22Aが配置されている。第1の導電層22Aの表面上に、第2の導電層22Bが配置されている。
図3に、本発明の第3の実施形態に係る導電性粒子を断面図で示す。
図3に示す導電性粒子31は、コアシェル粒子11と、導電層32と、複数の芯物質33と、複数の絶縁性物質34とを有する。
導電層32は、コアシェル粒子11の表面上に配置されている。無機シェル13の表面上に導電層32が配置されている。
導電性粒子31は導電性の表面に、複数の突起31aを有する。導電層32は外表面に、複数の突起32aを有する。このように、上記導電性粒子は、導電性の表面に突起を有していてもよく、導電層の外表面に突起を有していてもよい。複数の芯物質33が、コアシェル粒子11の表面上に配置されている。無機シェル13の表面上に、複数の芯物質33が配置されている。複数の芯物質33は導電層32内に埋め込まれている。芯物質33は、突起31a,32aの内側に配置されている。導電層32は、複数の芯物質33を被覆している。複数の芯物質33により導電層32の外表面が隆起されており、突起31a,32aが形成されている。
導電性粒子31は、導電層32の外表面上に配置された絶縁性物質34を有する。導電層32の外表面の少なくとも一部の領域が、絶縁性物質34により被覆されている。絶縁性物質34は絶縁性を有する材料により形成されており、絶縁性粒子である。このように、上記導電性粒子は、導電層の外表面上に配置された絶縁性物質を有していてもよい。
上記導電層を形成するための金属は特に限定されない。該金属としては、例えば、金、銀、パラジウム、銅、白金、亜鉛、鉄、錫、鉛、アルミニウム、コバルト、インジウム、ニッケル、クロム、チタン、アンチモン、ビスマス、タリウム、ゲルマニウム、カドミウム、ケイ素及びこれらの合金等が挙げられる。また、上記金属としては、錫ドープ酸化インジウム(ITO)及びはんだ等が挙げられる。なかでも、電極間の接続抵抗をより一層低くすることができるので、錫を含む合金、ニッケル、パラジウム、銅又は金が好ましく、ニッケル又はパラジウムが好ましい。
導電性粒子1,31のように、上記導電層は、1つの層により形成されていてもよい。導電性粒子21のように、導電層は、複数の層により形成されていてもよい。すなわち、導電層は、2層以上の積層構造を有していてもよい。導電層が複数の層により形成されている場合には、最外層は、金層、ニッケル層、パラジウム層、銅層又は錫と銀とを含む合金層であることが好ましく、金層であることがより好ましい。最外層がこれらの好ましい導電層である場合には、電極間の接続抵抗がより一層低くなる。また、最外層が金層である場合には、耐腐食性がより一層高くなる。
上記コアシェル粒子の表面上に導電層を形成する方法は特に限定されない。導電層を形成する方法としては、例えば、無電解めっきによる方法、電気めっきによる方法、物理的蒸着による方法、並びに金属粉末もしくは金属粉末とバインダーとを含むペーストをコアシェル粒子の表面にコーティングする方法等が挙げられる。なかでも、導電層の形成が簡便であるので、無電解めっきによる方法が好ましい。上記物理的蒸着による方法としては、真空蒸着、イオンプレーティング及びイオンスパッタリング等の方法が挙げられる。
上記導電性粒子の粒子径は、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1μm以上、好ましくは520μm以下、より好ましくは500μm以下、より一層好ましくは100μm以下、更に好ましくは50μm以下、特に好ましくは20μm以下である。導電性粒子の粒子径が上記下限以上及び上記上限以下であると、導電性粒子を用いて電極間を接続した場合に、導電性粒子と電極との接触面積が十分に大きくなり、かつ導電層を形成する際に凝集した導電性粒子が形成されにくくなる。また、導電性粒子を介して接続された電極間の間隔が大きくなりすぎず、かつ導電層がコアシェル粒子の表面から剥離し難くなる。また、導電性粒子の粒子径が上記下限以上及び上記上限以下であると、導電性粒子を導電材料の用途に好適に使用可能である。
上記導電性粒子の粒子径は、導電性粒子が真球状である場合には直径を意味し、導電性粒子が真球状以外の形状である場合には最大径を意味する。
上記導電層の厚みは、好ましくは0.005μm以上、より好ましくは0.01μm以上、好ましくは10μm以下、より好ましくは1μm以下、更に好ましくは0.3μm以下である。上記導電層の厚みは、導電層が多層である場合には導電層全体の厚みである。導電層の厚みが上記下限以上及び上記上限以下であると、十分な導電性が得られ、かつ導電性粒子が硬くなりすぎずに、電極間の接続の際に導電性粒子が十分に変形する。
上記導電層が複数の層により形成されている場合に、最外層の導電層の厚みは、好ましくは0.001μm以上、より好ましくは0.01μm以上、好ましくは0.5μm以下、より好ましくは0.1μm以下である。上記最外層の導電層の厚みが上記下限以上及び上記上限以下であると、最外層の導電層による被覆が均一になり、耐腐食性が十分に高くなり、かつ電極間の接続抵抗がより一層低くなる。また、上記最外層が金層である場合の金層の厚みが薄いほど、コストが低くなる。
上記導電層の厚みは、例えば透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、導電性粒子の断面を観察することにより測定できる。
上記導電性粒子は、導電性の表面に突起を有していてもよい。上記導電性粒子は、上記導電層の外表面に突起を有していてもよい。該突起は複数であることが好ましい。導電性粒子により接続される電極の表面には、酸化被膜が形成されていることが多い。突起を有する導電性粒子を用いた場合には、電極間に導電性粒子を配置して圧着させることにより、突起により上記酸化被膜が効果的に排除される。このため、電極と導電性粒子の導電層とをより一層確実に接触させることができ、電極間の接続抵抗を低くすることができる。さらに、導電性粒子が表面に絶縁性物質を備える場合に、又は導電性粒子がバインダー樹脂中に分散されて導電材料として用いられる場合に、導電性粒子の突起によって、導電性粒子と電極との間の絶縁性物質又はバインダー樹脂を効果的に排除できる。このため、電極間の導通信頼性を高めることができる。
上記導電性粒子の表面に突起を形成する方法としては、コアシェル粒子の表面に芯物質を付着させた後、無電解めっきにより導電層を形成する方法、並びにコアシェル粒子の表面に無電解めっきにより導電層を形成した後、芯物質を付着させ、更に無電解めっきにより導電層を形成する方法等が挙げられる。また、突起を形成するために、上記芯物質を用いなくてもよい。
上記導電性粒子は、上記導電層の外表面上に配置された絶縁性物質を備えていてもよい。この場合には、導電性粒子を電極間の接続に用いると、隣接する電極間の短絡を防止できる。具体的には、複数の導電性粒子が接触したときに、複数の電極間に絶縁性物質が存在するので、上下の電極間ではなく横方向に隣り合う電極間の短絡を防止できる。なお、電極間の接続の際に、2つの電極で導電性粒子を加圧することにより、導電性粒子の導電層と電極との間の絶縁性物質を容易に排除できる。導電性粒子が上記導電層の表面に突起を有する場合には、導電性粒子の導電層と電極との間の絶縁性物質をより一層容易に排除できる。上記絶縁性物質は、絶縁性樹脂層又は絶縁性粒子であることが好ましい。上記絶縁性粒子は、絶縁性樹脂粒子であることが好ましい。
(導電材料)
上記導電材料は、上述した導電性粒子と、バインダー樹脂とを含む。上記導電性粒子は、バインダー樹脂中に分散され、導電材料として用いられることが好ましい。上記導電材料は、異方性導電材料であることが好ましい。
上記バインダー樹脂は特に限定されない。上記バインダー樹脂として、公知の絶縁性の樹脂が用いられる。上記バインダー樹脂としては、例えば、ビニル樹脂、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂、熱可塑性ブロック共重合体及びエラストマー等が挙げられる。上記バインダー樹脂は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ビニル樹脂としては、例えば、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂及びスチレン樹脂等が挙げられる。上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びポリアミド樹脂等が挙げられる。上記硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂及び不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられる。なお、上記硬化性樹脂は、常温硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、光硬化型樹脂又は湿気硬化型樹脂であってもよい。上記硬化性樹脂は、硬化剤と併用されてもよい。上記熱可塑性ブロック共重合体としては、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の水素添加物、及びスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の水素添加物等が挙げられる。上記エラストマーとしては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、及びアクリロニトリル−スチレンブロック共重合ゴム等が挙げられる。
上記導電材料は、上記導電性粒子及び上記バインダー樹脂の他に、例えば、充填剤、増量剤、軟化剤、可塑剤、重合触媒、硬化触媒、着色剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤及び難燃剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。
上記バインダー樹脂中に上記導電性粒子を分散させる方法は、従来公知の分散方法を用いることができ特に限定されない。上記バインダー樹脂中に上記導電性粒子を分散させる方法としては、例えば、上記バインダー樹脂中に上記導電性粒子を添加した後、プラネタリーミキサー等で混練して分散させる方法、上記導電性粒子を水又は有機溶剤中にホモジナイザー等を用いて均一に分散させた後、上記バインダー樹脂中に添加し、プラネタリーミキサー等で混練して分散させる方法、並びに上記バインダー樹脂を水又は有機溶剤等で希釈した後、上記導電性粒子を添加し、プラネタリーミキサー等で混練して分散させる方法等が挙げられる。
上記導電材料は、導電ペースト及び導電フィルム等として使用され得る。本発明に係る導電材料が、導電フィルムである場合には、導電性粒子を含む導電フィルムに、導電性粒子を含まないフィルムが積層されていてもよい。上記導電ペーストは異方性導電ペーストであることが好ましい。上記導電フィルムは異方性導電フィルムであることが好ましい。
上記導電材料100重量%中、上記バインダー樹脂の含有量は好ましくは10重量%以上、より好ましくは30重量%以上、更に好ましくは50重量%以上、特に好ましくは70重量%以上、好ましくは99.99重量%以下、より好ましくは99.9重量%以下である。上記バインダー樹脂の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間に導電性粒子が効率的に配置され、導電材料により接続された接続対象部材の接続信頼性がより一層高くなる。
上記導電材料100重量%中、上記導電性粒子の含有量は好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは0.1重量%以上、好ましくは40重量%以下、より好ましくは20重量%以下、更に好ましくは10重量%以下である。上記導電性粒子の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の導通信頼性がより一層高くなる。
(接続構造体及び液晶表示素子)
上述した導電性粒子を用いて、又は上述した導電性粒子とバインダー樹脂とを含む導電材料を用いて、接続対象部材を接続することにより、接続構造体を得ることができる。
上記接続構造体は、第1の接続対象部材と、第2の接続対象部材と、第1の接続対象部材と第2の接続対象部材とを接続している接続部とを備え、該接続部が上述した導電性粒子により形成されているか、又は上述した導電性粒子とバインダー樹脂とを含む導電材料により形成されている接続構造体であることが好ましい。導電性粒子が単独で用いられた場合には、接続部自体が導電性粒子である。すなわち、第1,第2の接続対象部材が導電性粒子により接続される。上記接続構造体を得るために用いられる上記導電材料は、異方性導電材料であることが好ましい。
上記第1の接続対象部材は、第1の電極を表面に有することが好ましい。上記第2の接続対象部材は、第2の電極を表面に有することが好ましい。上記第1の電極と上記第2の電極とが、上記導電性粒子により電気的に接続されていることが好ましい。
図4は、図1に示す導電性粒子1を用いた接続構造体を模式的に示す正面断面図である。
図4に示す接続構造体51は、第1の接続対象部材52と、第2の接続対象部材53と、第1の接続対象部材52と第2の接続対象部材53とを接続している接続部54とを備える。接続部54は、導電性粒子1とバインダー樹脂とを含む導電材料により形成されている。図4では、図示の便宜上、導電性粒子1は略図的に示されている。導電性粒子1にかえて、導電性粒子21,31などの他の導電性粒子を用いてもよい。
第1の接続対象部材52は表面(上面)に、複数の第1の電極52aを有する。第2の接続対象部材53は表面(下面)に、複数の第2の電極53aを有する。第1の電極52aと第2の電極53aとが、1つ又は複数の導電性粒子1により電気的に接続されている。従って、第1,第2の接続対象部材52,53が導電性粒子1により電気的に接続されている。
上記接続構造体の製造方法は特に限定されない。接続構造体の製造方法の一例として、第1の接続対象部材と第2の接続対象部材との間に上記導電材料を配置し、積層体を得た後、該積層体を加熱及び加圧する方法等が挙げられる。上記加圧の圧力は9.8×10〜4.9×10Pa程度である。上記加熱の温度は、120〜220℃程度である。フレキシブルプリント基板の電極、樹脂フィルム上に配置された電極及びタッチパネルの電極を接続するための上記加圧の圧力は9.8×10〜1.0×10Pa程度である。
上記接続対象部材としては、具体的には、半導体チップ、コンデンサ及びダイオード等の電子部品、並びにプリント基板、フレキシブルプリント基板、ガラスエポキシ基板及びガラス基板等の回路基板などの電子部品等が挙げられる。上記接続対象部材は電子部品であることが好ましい。上記導電材料は、電子部品を接続するための導電材料であることが好ましい。上記導電ペーストはペースト状の導電材料であり、ペースト状の状態で接続対象部材上に塗工されることが好ましい。
上記導電性粒子及び上記導電材料は、タッチパネルにも好適に用いられる。従って、上記接続対象部材は、フレキシブルプリント基板であるか、又は樹脂フィルムの表面上に電極が配置された接続対象部材であることも好ましい。上記接続対象部材は、フレキシブルプリント基板であることが好ましく、樹脂フィルムの表面上に電極が配置された接続対象部材であることが好ましい。上記フレキシブルプリント基板は、一般に電極を表面に有する。
上記接続対象部材に設けられている電極としては、金電極、ニッケル電極、錫電極、アルミニウム電極、銅電極、モリブデン電極及びタングステン電極等の金属電極が挙げられる。上記接続対象部材がフレキシブルプリント基板である場合には、上記電極は金電極、ニッケル電極、錫電極又は銅電極であることが好ましい。上記接続対象部材がガラス基板である場合には、上記電極はアルミニウム電極、銅電極、モリブデン電極又はタングステン電極であることが好ましい。なお、上記電極がアルミニウム電極である場合には、アルミニウムのみで形成された電極であってもよく、金属酸化物層の表面にアルミニウム層が積層された電極であってもよい。上記金属酸化物層の材料としては、3価の金属元素がドープされた酸化インジウム及び3価の金属元素がドープされた酸化亜鉛等が挙げられる。上記3価の金属元素としては、Sn、Al及びGa等が挙げられる。
また、上記コアシェル粒子は、液晶表示素子用スペーサとして好適に用いられる。すなわち、上記コアシェル粒子は、液晶セルを構成する一対の基板と、該一対の基板間に封入された液晶と、上記一対の基板間に配置された液晶表示素子用スペーサとを備える液晶表示素子を得るために好適に用いられる。
図5に、本発明の一実施形態に係るコアシェル粒子を液晶表示素子用スペーサとして用いた液晶表示素子を断面図で示す。
図5に示す液晶表示素子81は、一対の透明ガラス基板82を有する。透明ガラス基板82は、対向する面に絶縁膜(図示せず)を有する。絶縁膜の材料としては、例えば、SiO等が挙げられる。透明ガラス基板82における絶縁膜上に透明電極83が形成されている。透明電極83の材料としては、ITO等が挙げられる。透明電極83は、例えば、フォトリソグラフィーによりパターニングして形成可能である。透明ガラス基板82の表面上の透明電極83上に、配向膜84が形成されている。配向膜84の材料としては、ポリイミド等が挙げられている。
一対の透明ガラス基板82間には、液晶85が封入されている。一対の透明ガラス基板82間には、複数のコアシェル粒子11が配置されている。コアシェル粒子11は、液晶表示素子用スペーサとして用いられている。複数のコアシェル粒子11により、一対の透明ガラス基板82の間隔が規制されている。一対の透明ガラス基板82の縁部間には、シール剤86が配置されている。シール剤86によって、液晶85の外部への流出が防がれている。
上記液晶表示素子において1mmあたりの液晶表示素子用スペーサの配置密度は、好ましくは10個/mm以上、好ましくは1000個/mm以下である。上記配置密度が10個/mm以上であると、セルギャップがより一層均一になる。上記配置密度が1000個/mm以下であると、液晶表示素子のコントラストがより一層良好になる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
(実施例1)
(1)有機無機ハイブリッド粒子の作製
有機コアとして、積水化学工業社製「ミクロパールEX−0041」(粒径4.1μm、酸素含有率10%以下の窒素雰囲気下における分解温度310℃)を用意した。上記有機コア1重量部と、界面活性剤であるヘキサデシルアンモニウムブロミド0.4重量部と、25重量%アンモニア水溶液0.8重量部とを、エタノール18重量部及び水2重量部に懸濁させ、懸濁液を得た。得られた懸濁液にテトラエトキシシラン3重量部を添加して、上記有機コアの表面上で、テトラエトキシシランをゾルゲル法によりシェル状物として、焼成前粒子を得た。
得られた焼成前粒子を窒素雰囲気下(焼成雰囲気)において、250℃(焼成温度)の焼成炉内で1時間(焼成時間)加熱し、上記シェル状物を焼成させることにより無機シェルを形成して、有機無機ハイブリッド粒子(コアシェル粒子)を得た。
(実施例2)
焼成温度を300℃に変更したこと以外は実施例1と同様にして、有機無機ハイブリッド粒子(コアシェル粒子)を得た。
(実施例3〜6)
有機コアを、積水化学工業社製「ミクロパールELP−00375」(粒径3.75μm、酸素含有率10%以下の空気雰囲気下における分解温度220℃)に変更したこと、並びに焼成温度と焼成時間と焼成雰囲気とを下記の表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、有機無機ハイブリッド粒子(コアシェル粒子)を得た。
(実施例7)
シランアルコキシドを、テトラエトキシシラン2.5重量部とメチルトリメトキシシラン0.5重量部とに変更したこと以外は実施例6と同様にして、有機無機ハイブリッド粒子(コアシェル粒子)を得た。
(比較例1)
焼成を行わなかったこと以外は実施例1と同様にして、有機無機ハイブリッド粒子(コアシェル粒子)を得た。
(比較例2)
焼成温度を350℃に変更したこと以外は実施例1と同様にして、有機無機ハイブリッド粒子を得ようと試みた。その結果、焼成時に有機コアは揮発して除去され、有機コアを有さない無機シェルのみを備える無機粒子を得た。
(比較例3)
有機コアを、積水化学工業社製「ミクロパールELP−00375」(粒径3.75μm)に変更したこと、並びに焼成を行わなかったこと以外は実施例1と同様にして、有機無機ハイブリッド粒子(コアシェル粒子)を得た。
(評価)
(1)有機無機ハイブリッド粒子及び無機粒子の上記圧縮弾性率(10%K値及び30%K値)
得られた有機無機ハイブリッド粒子及び得られた無機粒子の上記圧縮弾性率(10%K値及び30%K値)を、上述した方法により、微小圧縮試験機(フィッシャー社製「フィッシャースコープH−100」)を用いて測定した。
(2)4つの−O−Si基が直接結合しておりかつ4つの上記−O−Si基における4つの酸素原子が直接結合しているケイ素原子の個数の割合(Q4の個数の割合(%))
得られた有機無機ハイブリッド粒子及び得られた無機粒子における無機シェルにおいて、NMRスペクトル解析装置(JEOL社製、ECX400)を用い、固体29Si NMRスペクトル解析(測定周波数:79.4254MHz、パルス幅:3.7、試料ホルダー:4mm、試料回転数:10kHz、積算回数:3600、測定温度、25℃、待ち時間:最大ピークが検出された時間の5倍)によって得られたQ4(4つの−O−Si基が直接結合しておりかつ4つの上記−O−Si基における4つの酸素原子が直接結合しているケイ素原子)のピーク面積とQ1〜Q3(1〜3つの−O−Si基が直接結合しておりかつ1〜3つの上記−O−Si基における1〜3つの酸素原子が直接結合しているケイ素原子)のピーク面積とを比較することにより、上記無機シェルに含まれているケイ素原子の全個数100%中、4つの−O−Si基が直接結合しておりかつ4つの上記−O−Si基における4つの酸素原子が直接結合しているケイ素原子の個数の割合(Q4の個数の割合)を求めた。
(3)無機シェルの厚み
実施例及び比較例の各粒子を、走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジー社製「S−3500N」)にて3000倍の粒子画像を撮影し、得られた画像中の粒子50個の粒径をノギスで測定し、個数平均を求めて粒径(1)とした。
実施例及び比較例の各粒子を調製する際に使用した有機コアについても、上記と同様の方法により粒径(粒径(2))を測定した。粒径(1)と粒径(2)の差を無機シェルの厚みとした。
(4)接続抵抗
導電性粒子の作製:
得られた有機無機ハイブリッド粒子及び得られた無機粒子を洗浄し、乾燥した後、無電解めっき法により、得られた有機無機ハイブリッド粒子及び得られた無機粒子の表面に、ニッケル層を形成し、導電性粒子を作製した。なお、ニッケル層の厚さは0.1μmであった。
接続構造体の作製:
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製「エピコート1009」)10重量部と、アクリルゴム(重量平均分子量約80万)40重量部と、メチルエチルケトン200重量部と、マイクロカプセル型硬化剤(旭化成ケミカルズ社製「HX3941HP」)50重量部と、シランカップリング剤(東レダウコーニングシリコーン社製「SH6040」)2重量部とを混合し、導電性粒子を含有量が3重量%となるように添加し、分散させ、樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を、片面が離型処理された厚さ50μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムに塗布し、70℃の熱風で5分間乾燥し、異方性導電フィルムを作製した。得られた異方性導電フィルムの厚さは12μmであった。
得られた異方性導電フィルムを5mm×5mmの大きさに切断した。切断された異方性導電フィルムを、一方に抵抗測定用の引き回し線を有するITO(高さ0.1μm、L/S=20μm/20μm)が設けられたPET基板(幅3cm、長さ3cm)のITO電極側のほぼ中央に貼り付けた。次いで、同じ金電極が設けられた2層フレキシブルプリント基板(幅2cm、長さ1cm)を、電極同士が重なるように位置合わせをしてから貼り合わせた。このPET基板と2層フレキシブルプリント基板との積層体を、10N、180℃、及び20秒間の圧着条件で熱圧着し、接続構造体を得た。なお、ポリイミドフィルムに銅電極が形成され、銅電極表面がAuめっきされている、2層フレキシブルプリント基板を用いた。
得られた接続構造体の対向する電極間の接続抵抗を4端子法により測定した。接続抵抗を下記の基準で判定した。
[接続抵抗の評価基準]
○:接続抵抗が3.0Ω以下
△:接続抵抗が3.0Ωを超え、5.0Ω以下
×:接続抵抗が5.0Ωを超える
結果を下記の表1に示す。なお、得られた有機無機ハイブリッド粒子(コアシェル粒子)及び得られた無機粒子のアスペクト比はいずれも1.2以下であった。
Figure 2014111725
(5)液晶表示素子用スペーサとしての使用例
STN型液晶表示素子の作製:
イソプロピルアルコール70重量部と水30重量部とを含む分散媒に、得られるスペーサ分散液100重量%中で実施例の液晶表示素子用スペーサ(有機無機ハイブリッド粒子)を固形分濃度が2重量%となるように添加し、撹拌し、液晶表示素子用スペーサ分散液を得た。
一対の透明ガラス板(縦50mm、横50mm、厚さ0.4mm)の一面に、CVD法によりSiO膜を蒸着した後、SiO膜の表面全体にスパッタリングによりITO膜を形成した。得られたITO膜付きガラス基板に、スピンコート法によりポリイミド配向膜組成物(日産化学社製、SE3510)を塗工し、280℃で90分間焼成することによりポリイミド配向膜を形成した。配向膜にラビング処理を施した後、一方の基板の配向膜側に、液晶表示素子用スペーサを1mm当たり100〜200個となるように湿式散布した。他方の基板の周辺にシール剤を形成した後、この基板とスペーサを散布した基板とをラビング方向が90°になるように対向配置させ、両者を貼り合わせた。その後、160℃で90分間処理してシール剤を硬化させて、空セル(液晶の入ってない画面)を得た。得られた空セルに、カイラル剤入りのSTN型液晶(DIC社製)を注入し、次に注入口を封止剤で塞いだ後、120℃で30分間熱処理してSTN型液晶表示素子を得た。
得られた液晶表示素子では、実施例の液晶表示素子用スペーサ(有機無機ハイブリッド粒子(コアシェル粒子))により基板間の間隔が良好に規制されていた。また、液晶表示素子は、良好な表示品質を示した。
1…導電性粒子
2…導電層
11…コアシェル粒子
12…コア
13…無機シェル
21…導電性粒子
22…導電層
22A…第1の導電層
22B…第2の導電層
31…導電性粒子
31a…突起
32…導電層
32a…突起
33…芯物質
34…絶縁性物質
51…接続構造体
52…第1の接続対象部材
52a…第1の電極
53…第2の接続対象部材
53a…第2の電極
54…接続部
81…液晶表示素子
82…透明ガラス基板
83…透明電極
84…配向膜
85…液晶
86…シール剤

Claims (16)

  1. コアと、
    前記コアの表面上に配置された無機シェルとを備え、
    前記無機シェルが、前記コアの表面上で、金属アルコキシドをゾルゲル法によりシェル状物とした後、前記シェル状物を焼成させることにより形成されている、コアシェル粒子。
  2. 前記コアが有機コアである、請求項1に記載のコアシェル粒子。
  3. 前記無機シェルが、前記コアの表面上で、金属アルコキシドをゾルゲル法によりシェル状物とした後、前記シェル状物を前記コアの分解温度未満で焼成させることにより形成されている、請求項1又は2に記載のコアシェル粒子。
  4. 表面上に導電層が形成され、前記導電層を有する導電性粒子を得るために用いられるか、又は液晶表示素子用スペーサとして用いられる、請求項1〜3のいずれか1項に記載のコアシェル粒子。
  5. 表面上に導電層が形成され、前記導電層を有する導電性粒子を得るために用いられる、請求項4に記載のコアシェル粒子。
  6. 前記金属アルコキシドがシランアルコキシドである、請求項1〜5のいずれか1項に記載のコアシェル粒子。
  7. 前記無機シェルの厚みが50nm以上、2000nm以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のコアシェル粒子。
  8. 前記コアの粒径が0.5μm以上、100μm以下である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のコアシェル粒子。
  9. 前記無機シェルが、前記コアの表面上で、金属アルコキシドをゾルゲル法によりシェル状物とした後、前記シェル状物を150℃以上で焼成させることにより形成されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載のコアシェル粒子。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載のコアシェル粒子の製造方法であって、
    コアの表面上で、金属アルコキシドをゾルゲル法によりシェル状物とした後、前記シェル状物を焼成させることにより無機シェルを形成して、
    前記コアと、前記コアの表面上に配置された前記無機シェルとを備えるコアシェル粒子を得る、コアシェル粒子の製造方法。
  11. 請求項1〜9のいずれか1項に記載のコアシェル粒子と、
    前記コアシェル粒子の表面上に配置された導電層とを備える、導電性粒子。
  12. 請求項10に記載のコアシェル粒子の製造方法により得られるコアシェル粒子と、前記コアシェル粒子の表面上に配置された導電層とを備える、導電性粒子。
  13. 導電性粒子と、バインダー樹脂とを含み、
    前記導電性粒子が、請求項1〜9のいずれか1項に記載のコアシェル粒子と、前記コアシェル粒子の表面上に配置された導電層とを備える、導電材料。
  14. 導電性粒子と、バインダー樹脂とを含み、
    前記導電性粒子が、請求項10に記載のコアシェル粒子の製造方法により得られるコアシェル粒子と、前記コアシェル粒子の表面上に配置された導電層とを備える、導電材料。
  15. 第1の電極を表面に有する第1の接続対象部材と、
    第2の電極を表面に有する第2の接続対象部材と、
    前記第1の接続対象部材と前記第2の接続対象部材とを接続している接続部とを備え、
    前記接続部が、導電性粒子により形成されているか、又は前記導電性粒子とバインダー樹脂とを含む導電材料により形成されており、
    前記導電性粒子が、請求項1〜9のいずれか1項に記載のコアシェル粒子と、前記コアシェル粒子の表面上に配置された導電層とを備え、
    前記第1の電極と前記第2の電極とが前記導電性粒子により電気的に接続されている、接続構造体。
  16. 第1の電極を表面に有する第1の接続対象部材と、
    第2の電極を表面に有する第2の接続対象部材と、
    前記第1の接続対象部材と前記第2の接続対象部材とを接続している接続部とを備え、
    前記接続部が、導電性粒子により形成されているか、又は前記導電性粒子とバインダー樹脂とを含む導電材料により形成されており、
    前記導電性粒子が、請求項10に記載のコアシェル粒子の製造方法により得られるコアシェル粒子と、前記コアシェル粒子の表面上に配置された導電層とを備え、
    前記第1の電極と前記第2の電極とが前記導電性粒子により電気的に接続されている、接続構造体。
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