JP2014104176A - 消火システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】中高層建物の火災時において、特定の階層ゾーンの火災階が必要とする所定圧力を当該層ゾーンの消火ポンプ装置が決定し、当該層ゾーンより前段(下位層)にある消火ポンプ装置には運転指令を出力し、前記所定圧力が一定となるよう圧力制御及びインバータによる周波数制御を行うので、確実に所定圧力で消火栓又はスプリンクラーの放出手段に給水することができる。又、各層ゾーン消火ポンプ装置が直列接続されてこの順に沿って運転指令の伝達および確認返信がなされるので、各層ゾーン間の信号系の構成が単純化でき信頼性の高い消火を行う。
【選択図】図1
Description
前記始動信号を上位層ゾーン消火ポンプ装置が受信した場合、該上位層ゾーン消火ポンプ装置は、下位層ゾーンポンプ装置に対して運転指令信号を発信し、この運転指令信号を受信した下位層ゾーン消火ポンプ装置は運転を開始すると共に運転アンサバック信号を返信し、この運転アンサバック信号を受信した上位層ゾーン消火ポンプ装置は運転を開始し、前記始動信号を下位層ゾーン消火ポンプが受信した場合、該下位層ゾーン消火ポンプ装置が運転を開始するようにしたことを特徴とする。
前記下位層ゾーンは低層ゾーンで構成され、前記上位層ゾーンは中層ゾーンと高層ゾーンで構成され、低層ゾーンは消火水槽を水源とするインバータ駆動の低層ゾーン消火ポンプ装置でまかない、中層ゾーンは前段の前記低層ゾーン消火ポンプ装置と直列接続したインバータ駆動の中層ゾーン消火ポンプ装置でまかない、高層ゾーンは前段の前記中層ゾーン消火ポンプ装置と直列接続したインバータ駆動の高層ゾーン消火ポンプ装置でまかない、各層ゾーンの消火ポンプ装置に接続された送水管端末に階高さを特定する消火栓群又はスプリンクラー群からなる放出手段群と、前記放出手段群の操作又は動作に基いて始動信号を発信する信号発信手段を設置し、
前記始動信号を前記高層ゾーン消火ポンプ装置が受信した場合、該消火ポンプ装置は中層ゾーン消火ポンプ装置に対して運転指令信号を発信し、この運転指令信号を受信した中層ゾーン消火ポンプ装置は低層ゾーン消火ポンプ装置に対して運転指令信号を発信し、この運転指令信号を受信した低層ゾーン消火ポンプ装置は運転を開始すると共に運転アンサバック信号を返信し、この運転アンサバック信号を受信した中層ゾーン消火ポンプ装置は運転を開始すると共に運転アンサバック信号を高層ゾーン消火ポンプ装置に返信し、この運転アンサバック信号を受信した高層ゾーン消火ポンプ装置は運転を開始し、
前記始動信号を中層ゾーン消火ポンプ装置が受信した場合、該消火ポンプ装置は低層ゾーン消火ポンプ装置に対して運転指令信号を発信し、この運転指令信号受信した低層ゾーン消火ポンプ装置は運転を開始すると共に運転アンサバック信号を中層ゾーン消火ポンプ装置に返信し、この運転アンサバック信号を受信した中層ゾーン消火ポンプ装置は運転を開始し、
前記始動信号を低層ゾーン消火ポンプ装置が受信した場合、該消火ポンプ装置は運転を開始するようにしたことを特徴とする。
前記各層ゾーンの消火ポンプ装置は、吸込み側からの水を、前記送水管を介して需要側の各階に設けられた前記放出手段群に送水する消火ポンプと、該消火ポンプを駆動する電動機と、該電動機を駆動するインバータと、前記消火ポンプ吐き出し側の圧力を検出する圧力検出手段と、前記信号発信手段の始動信号に基づいて階数毎に予め求められた配管抵抗曲線から階数毎の目標圧力を設定する設定手段と、前記圧力検出手段により検出された圧力が前記設定された目標圧力となるように前記インバータに周波数指令信号を出力してポンプの周波数を制御する制御装置とを備え、
前記各層ゾーン消火ポンプ装置は、当該ゾーンの信号発信手段からの始動信号を受信したとき、この始動信号に基づいて当該ゾーンで必要な目標圧力又は初期周波数又は目標圧力と初期周波数を決定し、
前記下位層ゾーン消火ポンプ装置は、上位層ゾーン消火ポンプ装置からの運転指令信号に基いて上位層ゾーン消火ポンプ装置の吸込み側で必要な所定の目標圧力又は初期周波数又は目標圧力と初期周波数を決定し、
各層ゾーン消火ポンプ装置は、始動条件が成立したら前記決定値で運転するようにしたことを特徴とする。
前記各層ゾーンの消火ポンプ装置は、吸込み側からの水を前記送水管を介して需要側の各階に設けられた前記放出手段群に送水する消火ポンプと、該消火ポンプを駆動する電動機と、該電動機を駆動するインバータと、前記消火ポンプの吐き出し側の圧力を検出する圧力検出手段と、前記信号発信手段の始動信号に基づいて階数毎に予め求められた配管抵抗曲線から階数毎の目標圧力を設定する設定手段と、前記圧力検出手段により検出された圧力が前記設定された目標圧力となるように前記インバータに周波数指令信号を出力してポンプの周波数を制御する制御装置を備え、
各層ゾーン消火ポンプ装置は、当該ゾーンの信号発信手段からの始動信号を受信したとき、この始動信号に基づいて当該層ゾーンで必要な目標圧力又は初期周波数又は目標圧力と初期周波数を決定し、
中層ゾーン消火ポンプ装置は、高層ゾーン消火ポンプ装置からの運転指令信号に基いて高層ゾーン消火ポンプ装置の吸込み側で必要な所定の目標圧力又は初期周波数又は目標圧力と初期周波数を決定し、
低層ゾーン消火ポンプ装置は、中層ゾーン消火ポンプ装置からの運転指令信号に基いて中層ゾーン消火ポンプ装置の吸込み側で必要な所定の目標圧力又は初期周波数又は目標圧力と初期周波数を決定し、
各層ゾーン消火ポンプ装置は、始動条件が成立したら前記決定値で運転するようにしたことを特徴とする。
各消火ポンプ装置は、吸込み側からの水を、前記送水管を介して需要側の各階に設けられた前記放出手段群に送水する消火ポンプと、該消火ポンプを駆動する電動機と、該電動機を駆動するインバータと、前記消火ポンプ吐き出し側の圧力を検出する圧力検出手段と、前記信号発信手段の始動信号に基づいて階数毎に予め求められた配管抵抗曲線から階数毎の目標圧力を設定して記憶する設定手段と、前記圧力検出手段により検出された圧力が前記設定された目標圧力となるように前記インバータに周波数指令信号を出力してポンプの周波数を制御する制御装置とを備え、
前記消火ポンプ装置は、自己機が属する当該層ゾーンの信号発信手段から始動信号を受信したとき、この始動信号に基づいて当該層ゾーンで必要とする目標圧力又は初期周波数又は目標圧力と初期周波数を決定し、自己機より上位の層ゾーンの消火ポンプ装置からの運転指令信号を受信したとき、運転指令信号に基いて上位の層ゾーンの消火ポンプ装置の吸込み側で必要とする所定の目標圧力又は初期周波数又は目標圧力と初期周波数を決定し、各消火ポンプ装置は、始動条件が成立したら前記決定値で運転するようにしたことを特徴とする。
HT=Ha+Hf+Hp (1)
ここで、Haは実揚程m(水源の水面から10階の消火栓又はスプリンクラー放水装置までの実高さ)、Hfは配管抵抗損失m(所定水量Q0を水源の水面から10階の消火栓又はスプリンクラー放水装置まで送水する際の配管抵抗損失)、Hpは所要末端圧力m(消火栓又はスプリンクラー放水装置で必要な圧力ヘッド)である。
HT=Ha+Hf+Hp−BP (2)
Haは実揚程m(ポンプ設置面から20階の消火栓又はスプリンクラー放水装置までの実高さ)、Hfは配管抵抗損失m(所定水量Q0をポンプ設置面から20階の消火栓又はスプリンクラー放水装置まで送水する際の配管抵抗損失)、Hpは所要末端圧力m(消火栓又はスプリンクラー放水装置で必要な圧力ヘッド)、BPは押込み圧力ヘッド(低層用消火ポンプの運転によりBPが10m程度となるよう調整されている)である。
HT=Ha+Hf+BP (3)
ここで、Haは実揚程m(水源の水面から中層ゾーン消火ポンプ設置位置までの実高さ)、Hfは配管抵抗損失m(所定水量Q0を水源の水面からから中層ゾーン消火ポンプ設置位置まで送水する際の配管抵抗損失)、BPは押上げヘッド(中層ゾーン消火ポンプ吸込み側の圧力ヘッドが10m程度となるよう調整されている)である。これらの諸量を図4に記載している。
HT=Ha+Hf+Hp−BP (4)
ここで、Haは実揚程m(ポンプ設置面から30階の消火栓又はスプリンクラー放水装置までの実高さ)、Hfは配管抵抗損失m(所定水量Q0をポンプ設置面から30階の消火栓又はスプリンクラー放水装置まで送水する際の配管抵抗損失)、Hpは所要末端圧力m(消火栓又はスプリンクラー放水装置で必要な圧力ヘッド)、BPは押込み圧力ヘッド(中層消火ポンプ装置の運転により、BPが10m程度となるよう調整されている)である。押込み圧力BPは、高層ゾーン用消火ポンプ装置の吸込み側が圧力不足で、ポンプ4−3が空転しないように設定される。これらの諸量を図5に記載している。即ち、消火ポンプはインバータ周波数f30の運転のもとで、前記30階で必要な給水圧力ヘッド(目標圧力)がH030F=HTを満足するポンプ性能有するものを選定する。30階より下の階毎の目標圧力は適宜インバータ周波数を変えることで得られる。
HT=Ha+Hf+BP−BP (5)
ここで、Haは実揚程m(設置位置から高層ゾーン消火ポンプ設置位置までの実高さ)、Hfは配管抵抗損失m(所定水量Q0を設置位置から消火ポンプ設置位置まで送水する際の配管抵抗損失)、BPは押上げヘッド(高層ゾーン消火ポンプ吸込み側の圧力ヘッドが10m程度となるよう調整されている)又は押込み圧力ヘッド(低層ゾーン消火ポンプ運転により中層ゾーン吸込み側圧力ヘッドが10m程度となるよう調整されている)であり両者は相殺される。これらの諸量を図5に記載している。
HT=Ha+Hf+BP (6)
ここで、Haは実揚程m(水源の水面から中層ゾーン消火ポンプ設置位置までの実高さ)、Hfは配管抵抗損失m(所定水量Q0を水源の水面からから中層ゾーン消火ポンプ設置位置まで送水する際の配管抵抗損失)、BPは押上げヘッド(中層ゾーン消火ポンプ吸込み側の圧力ヘッドが10m程度となるよう調整されている)である。これらの諸量を図5に記載している。各層ゾーンの消火ポンプ、周波数の選定は次のようにするのが望ましい。
パターン1:高層ゾーンにおいて消火栓又はスプリンクラーの放出手段からの始動信号を受信した場合。信号が30階で発生した例で示す。(図1、2、図5参照)
30階消火栓からの始動指令信号又は始動信号12−3sが発信され、この信号がケーブルS13−3により高層ゾーン制御盤8−3に取り込まれる。この信号は30階としての階高さ(位置情報)を有しており、この信号に基づき目標圧力としてH030F、インバータ初期周波数としてf30が決定し設定される。後で詳細に説明するが、これらの設定値は、前記制御盤8−3の制御装置CUに備えた記憶部Mに予め記憶しておき、前記信号に基づいて記憶部から選択、読み出すようにしても良い。
高層ゾーン制御盤8−3から中層ゾーン制御盤8−2へ運転指令信号S32(ケーブルも説明の便宜上同じ記号を使用)を発信する。この信号に基づき中層ゾーン消火ポンプ装置の所定目標圧力としてH021、インバータ初期周波数としてf21が決定し設定される。尚、この設定値H021、f21は高層ゾーンのどの階からの信号でも同じ値である。後で詳細に説明するが、これらの設定値は前記制御盤の制御装置CUに備えた記憶部Mに予め記憶しておき前記信号に基づいて記憶部から選択、読み出すようにしても良い。
中層ゾーン制御盤8−2から低層ゾーン制御盤8−1へ運転指令信号S21(ケーブルも説明の便宜上同じ記号を使用)を発信する。この信号に基づき、所定目標圧力としてH021、インバータ初期周波数としてf11が決定し設定される。尚、この設定値H011、f11は高層ゾーンのどの階からの信号でも同じ値である。後で詳細に説明するが、これらの設定値は前記制御盤の制御装置CUに備えた記憶部に予め記憶しておき、前記信号に基づいて記憶部から選択、読み出すようにしても良い。
低層ゾーン制御盤8−1は低層ゾーン消火ポンプ4−1へ運転出力S10−1を出力し、インバータはステップ3で設定されたインバータ初期周波数f11を出力して運転を開始する。この運転は、始動条件の一つとして圧力センサ9−1が始動圧力以下に低下しているときに開始される。そして、送水配管10に設けられた圧力センサ9−1の検出した圧力が、ステップ3で設定された目標圧力(所定値)H011と等しくなるように、インバータ周波数を変えて吐出し圧力一定制御を行う。加えて、中層ゾーン制御盤8−2へ運転アンサバック信号S12を発信(返信)する。この結果、中層ゾーン消火ポンプ4−2の吸込み側圧力はヘッドBP(10m程度)に保たれている。
中層ゾーン制御盤8−2は、低層ゾーン制御盤8−1からの運転アンサバック信号S12を受信すると、中層ゾーン消火ポンプ4−2へ運転出力S10−2を出力し、一方インバータはステップ2で設定されたインバータ初期周波数f21を出力して運転を開始する。この運転は、始動条件の一つとして圧力センサ9−2が始動圧力以下に低下しているときに開始される。そして、送水配管11に設けられた圧力センサ9−2の検出した圧力が、ステップ2で設定された目標圧力(所定値)H021と等しくなるように、インバータ周波数を変えて吐出し圧力一定制御を行う。加えて、高層ゾーン制御盤8−1へ運転アンサバック信号S23を発信(返信)する。この結果、高層ゾーン消火ポンプ4−3の吸込み側で必要な圧力ヘッドBP(10m程度)に保たれている。
高層ゾーン制御盤8−3は、中層ゾーン制御盤8−2からの運転アンサバック信号S23を受信すると、高層ゾーン消火ポンプ4−3へ運転出力S10−3を出力し、一方インバータはステップ1で設定されたインバータ初期周波数f30を出力して運転を開始する。この運転は、始動条件の一つとして圧力センサ9−3が始動圧力以下に低下しているときに開始される。そして、送水配管12に設けられた圧力センサ9−3の検出した圧力が、ステップ1で設定された目標圧力(所定値)H030Fと等しくなるように、インバータ周波数を変えて吐出し圧力一定制御を行う。29階以下については明らかなので説明を省く。
低層ゾーン、中層ゾーン及び高層ゾーンそれぞれの消火ポンプ装置が運転しており、高層から中層へ、及び中層から低層へそれぞれ運転中信号を発信している状態では、中層ゾーン制御盤8−2は、内蔵される停止押釦スイッチ(後述)を押して停止操作を実行しても停止せず、低層ゾーン制御盤8−1は、内蔵される停止押釦スイッチを押して停止操作を実行しても停止しない。いずれも、中層ゾーン消火ポンプ装置は、高層ゾーン消火ポンプ装置が停止し、前記高層ゾーンからの運転中信号の発信が解除されている状態ではじめて停止押釦スイッチを押すと停止し、低層ゾーン消火ポンプ装置は中層ゾーン消火ポンプ装置が停止し前記中層ゾーンからの運転中信号の発信が解除されている状態ではじめて停止押釦スイッチを押すと停止する。これは消火活動において、不用意にポンプが停止されて消火の妨げにならないようにするためである。
パターン2:中層ゾーンにおいて消火栓又はスプリンクラー放水装置からの信号を受信した場合。信号が20階で発生した例で示す。(図1、2、図4参照)
20階消火栓からの始動指令信号又は始動信号11−3sが発信され、この信号がケーブルS13−2により中層ゾーン制御盤8−2に取り込まれる。この信号は20階としての階高さ(位置情報)を有しており、この信号に基づき目標圧力としてH020F、インバータ初期周波数としてf20が決定し設定される。後で詳細に説明するが、これらの設定値は、前記制御盤の制御装置CUに備えた記憶部Mに予めこれらの設定値を記憶しておき、前記信号に基づいて記憶部から選択、読み出すようにしても良い。
中層ゾーン制御盤8−2から低層ゾーン制御盤8−1へ運転指令信号S21(ケーブルも説明の便宜上同じ記号を使用)を発信する。この信号に基づき所定目標圧力としてH011、インバータ初期周波数としてf11が決定し設定される。尚、この設定値H011、f11は高層ゾーンのどの階からの信号でも同じ値である。後で詳細に説明するが、これらの設定値は、前記制御盤の制御装置CUに備えた記憶部Mに予めこれらの設定値を記憶しておき、前記信号に基づいて記憶部から選択、読み出すようにしても良い。
低層ゾーン制御盤8−1は低層ゾーン消火ポンプ4−1へ運転出力S10−1を出力し、インバータはステップ2で設定されたインバータ初期周波数f11を出力して運転を開始する。この運転は、始動条件の一つとして圧力センサ9−1が始動圧力以下に低下しているときに開始される。そして、送水配管10に設けられた圧力センサ9−1の検出した圧力が、ステップ2で設定された目標圧力(所定値)H011と等しくなるようはインバータ周波数を変えて吐出し圧力一定制御を行う。加えて、中層ゾーン制御盤8−2へ運転アンサバック信号S12を発信(返信)する。この結果、中層ゾーン消火ポンプ4−2の吸込み側圧力ヘッドBP(10m程度)に保たれている。
中層ゾーン制御盤8−2は低層ゾーン制御盤8−1からの運転アンサバック信号S12を受信すると中層ゾーン消火ポンプ4−2へ運転出力S10−2を出力し、インバータはステップ1で設定されたインバータ初期周波数f20を出力して運転を開始する。この運転は、始動条件の一つとして圧力センサ9−2が始動圧力以下に低下しているときに開始される。そして、送水配管11に設けられた圧力センサ9−2の検出した圧力が、ステップ1で設定された目標圧力(所定値)H020Fと等しくなるようはインバータ周波数を変えて吐出し圧力一定制御を行う。19階以下については明らかなので説明を省く。
低層ゾーン及び中層ゾーンそれぞれの消火ポンプが運転しており、中層から低層へ運転中信号を発信している状態では、低層ゾーン制御盤8−1は停止押釦スイッチを押して停止操作を実行しても停止しない。低層ゾーン消火ポンプは中層ゾーン消火ポンプが停止し前記中層ゾーンからの運転中信号の発信が解除されている状態で停止押釦スイッチを押したときのみ停止する。
パターン3:低層ゾーンにおいて消火栓又はスプリンクラー放水装置からの信号を受信した場合。信号が10階で発生した例で示す。(図1、2、図3参照)
10階消火栓からの始動指令信号又は始動信号10−3sが発信され、この信号がケーブルS13−1により低層ゾーン制御盤8−1に取り込まれる。この信号は10階としての階高さ(位置情報)を有しており、この信号に基づき目標圧力としてH010F、インバータ初期周波数としてf10が決定し設定される。後で詳細に説明するが、これらの設定値は、前記制御盤の制御装置CUに備えた記憶部Mに予め記憶しておき、前記信号に基づいて記憶部から選択、読み出すようにしても良い。
低層ゾーン制御盤8−1は消火ポンプ4−1へ運転出力S10−1を出力し、インバータはステップ1で設定されたインバータ初期周波数f10を出力して運転を開始する。この運転は、始動条件の一つとして圧力センサ9−1が始動圧力以下に低下しているときに開始される。そして、送水配管10に設けられた圧力センサ9−1の検出した圧力が、ステップ1で設定された目標圧力(所定値)H010Fと等しくなるようはインバータ周波数を変えて吐出し圧力一定制御を行う。9階以下については明らかなので説明を省く。
低層ゾーン
始動指令信号 目標圧力 インバータ周波数 ポンプ性能 抵抗曲線
10−3S(10F)H010F f10 A R10
10−2S(9F) H09F f9 B R9
10−1S(8F) H08F f8 C R8
S21 H011 f11 G R11
中層ゾーン
始動指令信号 目標圧力 インバータ周波数 ポンプ性能 抵抗曲線
11−3S(20F)H020F f20 D R20
11−2S(19F)H019F f19 E R19
11−1S(18F)H018F f18 F R18
S32 H021 f21 L R21
高層ゾーン
始動指令信号 目標圧力 インバータ周波数 ポンプ性能 抵抗曲線
12−3S(30F)H030F f30 I R30
12−2S(29F)H029F f29 J R29
12−1S(28F)H028F f28 K R28
30階を例に、目標圧力H0=H030Fが設定又は読み出されているものとする。この読み出された目標圧力は例えばCPUのレジスタに一時記憶されている。図10において、500ステップでは、圧力センサ9−3によって給水圧の圧力データHが検出される。そして502ステップにおいて、目標圧力H0(H030F)と検出した圧力データとが比較され、H0−α>Hであれば501ステップでインバータ増速制御処理を実行してから500ステップへ戻る。なお、このときにH0−α<=H<=H0+αであれば、図10においては省略しているが次の611ステップの処理に進む。
2D、52Vは電磁継電器、49Pはサーマルリレー、IMは電動機、43Sはポンプや電動機を商用−インバータの運転モードに切り替るスイッチ、BS1は始動押釦スイッチ、BS2は停止押釦スイッチ、I/O2,3は入出力インターフェース部であり圧力検出手段の信号10、リレー群Xの信号(始動信号12−3S〜12−1S、中層ゾーン運転アンサバックX3に対応するリレー30FX〜18FX、X3の信号を入力)をここより取り込む。又、始動信号12−3S〜12−1S信号入力時にON出力してリレーX0(始動指令)、X4(中層ゾーンへ運転指令)をONする。
これらの負荷群に送水するのに所望な圧力ヘッド、水量で送水する消火ポンプと、これを駆動する電動機と、これらを駆動するインバータと、該消火ポンプの吐き出し側に連結した送水管と、これと連通する圧力検出手段とを備え、該送水管の各階に設けた消火栓(放出手段)の始動押釦スイッチ(信号発信手段)の始動信号群、又はスプリンクラー(放出手段)の信号発信手段からの始動信号群の信号に基づいて、給水圧力定値制御の目標圧力設定値を生成し、この目標圧力と圧力検出手段の検出圧力とを比較して、これが目標圧力設定値と等しくなるよう前記インバータに周波数指令信号を出力し運転制御する制御装置を有する。
Claims (12)
- 少なくとも下位層ゾーンと上位層ゾーンからなる中高層建物の各層ゾーンに対する消火用水の給水を、下位層ゾーンは消火水槽を水源とするインバータ駆動の下位層ゾーン消火ポンプ装置でまかない、上位層ゾーンは前段の下位層ゾーン消火ポンプ装置と直列接続したインバータ駆動の上位層ゾーン消火ポンプ装置でまかない、各層ゾーンの消火ポンプ装置に接続された送水管端末に階高さを特定する消火栓群又はスプリンクラー群からなる放出手段群と、前記放出手段群の操作又は動作に基いて始動信号を発信する信号発信手段を設置した消火システムにおいて、
前記始動信号を上位層ゾーン消火ポンプ装置が受信した場合、該上位層ゾーン消火ポンプ装置は、下位層ゾーンポンプ装置に対して運転指令信号を発信し、この運転指令信号を受信した下位層ゾーン消火ポンプ装置は運転を開始すると共に運転アンサバック信号を返信し、この運転アンサバック信号を受信した上位層ゾーン消火ポンプ装置は運転を開始し、前記始動信号を下位層ゾーン消火ポンプ装置が受信した場合、該下位層ゾーン消火ポンプ装置が運転を開始するようにしたことを特徴とする消火システム。 - 請求項1に記載の消火システムにおいて、
前記下位層ゾーンは低層ゾーンで構成され、前記上位層ゾーンは中層ゾーンと高層ゾーンで構成され、低層ゾーンは消火水槽を水源とするインバータ駆動の低層ゾーン消火ポンプ装置でまかない、中層ゾーンは前段の前記低層ゾーン消火ポンプ装置と直列接続したインバータ駆動の中層ゾーン消火ポンプ装置でまかない、高層ゾーンは前段の前記中層ゾーン消火ポンプ装置と直列接続したインバータ駆動の高層ゾーン消火ポンプ装置でまかない、各層ゾーンの消火ポンプ装置に接続された送水管端末に階高さを特定する消火栓群又はスプリンクラー群からなる放出手段群と、前記放出手段群の操作又は動作に基いて始動信号を発信する信号発信手段を設置し、
前記始動信号を前記高層ゾーン消火ポンプ装置が受信した場合、該消火ポンプ装置は中層ゾーン消火ポンプ装置に対して運転指令信号を発信し、この運転指令信号を受信した中層ゾーン消火ポンプ装置は低層ゾーン消火ポンプ装置に対して運転指令信号を発信し、この運転指令信号を受信した低層ゾーン消火ポンプ装置は運転を開始すると共に運転アンサバック信号を返信し、この運転アンサバック信号を受信した中層ゾーン消火ポンプ装置は運転を開始すると共に運転アンサバック信号を高層ゾーン消火ポンプ装置に返信し、この運転アンサバック信号を受信した高層ゾーン消火ポンプ装置は運転を開始し、
前記始動信号を中層ゾーン消火ポンプ装置が受信した場合、該消火ポンプ装置は低層ゾーン消火ポンプ装置に対して運転指令信号を発信し、この運転指令信号受信した低層ゾーン消火ポンプ装置は運転を開始すると共に運転アンサバック信号を中層ゾーン消火ポンプ装置に返信し、この運転アンサバック信号を受信した中層ゾーン消火ポンプ装置は運転を開始し、
前記始動信号を低層ゾーン消火ポンプ装置が受信した場合、該消火ポンプ装置は運転を開始するようにしたことを特徴とする消火システム。 - 請求項1に記載の消火システムにおいて、
前記下位層ゾーン消火ポンプ装置は、上位層ゾーン消火ポンプ装置が運転状態にあり、その運転指令信号を受信しているときは停止条件が成立しても運転を継続することを特徴とする消火システム。 - 請求項2に記載の消火システムにおいて、
前記低層ゾーン消火ポンプ装置は、前記中層ゾーン消火ポンプ装置が運転状態にあり、その運転指令信号を受信しているときは停止条件が成立しても運転を継続し、前記中層ゾーン消火ポンプ装置は、前記高層ゾーン消火ポンプ装置が運転状態にあり、その運転指令信号を受信しているときは停止条件が成立しても運転を継続することを特徴とする消火システム。 - 請求項1または3に記載の消火システムにおいて、
前記各層ゾーンの消火ポンプ装置は、吸込み側からの水を、前記送水管を介して需要側の各階に設けられた前記放出手段群に送水する消火ポンプと、該消火ポンプを駆動する電動機と、該電動機を駆動するインバータと、前記消火ポンプ吐き出し側の圧力を検出する圧力検出手段と、前記信号発信手段の始動信号に基づいて階数毎に予め求められた配管抵抗曲線から階数毎の目標圧力を設定する設定手段と、前記圧力検出手段により検出された圧力が前記設定された目標圧力となるように前記インバータに周波数指令信号を出力してポンプの周波数を制御する制御装置とを備え、
前記各層ゾーン消火ポンプ装置は、当該ゾーンの信号発信手段からの始動信号を受信したとき、この始動信号に基づいて当該ゾーンで必要な目標圧力又は初期周波数又は目標圧力と初期周波数を決定し、
前記下位層ゾーン消火ポンプ装置は、上位層ゾーン消火ポンプ装置からの運転指令信号に基いて上位層ゾーン消火ポンプ装置の吸込み側で必要な所定の目標圧力又は初期周波数又は目標圧力と初期周波数を決定し、
各層ゾーン消火ポンプ装置は、始動条件が成立したら前記決定値で運転するようにしたことを特徴とする消火システム。 - 請求項2または4に記載の消火システムにおいて、
前記各層ゾーンの消火ポンプ装置は、吸込み側からの水を前記送水管を介して需要側の各階に設けられた前記放出手段群に送水する消火ポンプと、該消火ポンプを駆動する電動機と、該電動機を駆動するインバータと、前記消火ポンプの吐き出し側の圧力を検出する圧力検出手段と、前記信号発信手段の始動信号に基づいて階数毎に予め求められた配管抵抗曲線から階数毎の目標圧力を設定する設定手段と、前記圧力検出手段により検出された圧力が前記設定された目標圧力となるように前記インバータに周波数指令信号を出力してポンプの周波数を制御する制御装置を備え、
各層ゾーン消火ポンプ装置は、当該ゾーンの信号発信手段からの始動信号を受信したとき、この始動信号に基づいて当該層ゾーンで必要な目標圧力又は初期周波数又は目標圧力と初期周波数を決定し、
中層ゾーン消火ポンプ装置は、高層ゾーン消火ポンプ装置からの運転指令信号に基いて高層ゾーン消火ポンプ装置の吸込み側で必要な所定の目標圧力又は初期周波数又は目標圧力と初期周波数を決定し、
低層ゾーン消火ポンプ装置は、中層ゾーン消火ポンプ装置からの運転指令信号に基いて中層ゾーン消火ポンプ装置の吸込み側で必要な所定の目標圧力又は初期周波数又は目標圧力と初期周波数を決定し、
各層ゾーン消火ポンプ装置は、始動条件が成立したら前記決定値で運転するようにしたことを特徴とする消火システム。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の消火システムにおいて、
各消火ポンプ装置は、吸込み側からの水を、前記送水管を介して需要側の各階に設けられた前記放出手段群に送水する消火ポンプと、該消火ポンプを駆動する電動機と、該電動機を駆動するインバータと、前記消火ポンプ吐き出し側の圧力を検出する圧力検出手段と、前記信号発信手段の始動信号に基づいて階数毎に予め求められた配管抵抗曲線から階数毎の目標圧力を設定して記憶する設定手段と、前記圧力検出手段により検出された圧力が前記設定された目標圧力となるように前記インバータに周波数指令信号を出力してポンプの周波数を制御する制御装置とを備え、
前記消火ポンプ装置は、自己機が属する当該層ゾーンの信号発信手段から始動信号を受信したとき、この始動信号に基づいて当該層ゾーンで必要とする目標圧力又は初期周波数又は目標圧力と初期周波数を決定し、自己機より上位の層ゾーンの消火ポンプ装置からの運転指令信号を受信したとき、運転指令信号に基いて上位の層ゾーンの消火ポンプ装置の吸込み側で必要とする所定の目標圧力又は初期周波数又は目標圧力と初期周波数を決定し、各消火ポンプ装置は、始動条件が成立したら前記決定値で運転するようにしたことを特徴とする消火システム。 - 請求項5または7に記載の消火システムにおいて、
上位の層ゾーンの消火ポンプ装置からの運転指令信号を受信した下位の層ゾーンの消火ポンプ装置が決定する所定の目標圧力は、上位の層ゾーンの消火ポンプ装置の吸込み口圧力ヘッドが上位の層ゾーンの消火ポンプ装置が空転しない程度の圧力となるように下位の層ゾーンの実揚程と配管抵抗損失とを加味して決定し、又、初期周波数をこの所定の目標圧力に対応した周波数としたことを特徴とする消火システム。 - 請求項1〜8のいずれかに記載の消火システムにおいて、
各層ゾーンの消火ポンプ装置は前記制御装置に記憶部を備えており、該記憶部に自己機が属する層ゾーンの階高さ毎の目標圧力又は初期インバータ周波数又は目標圧力と初期インバータ周波数と所定の目標圧力又は初期インバータ周波数又は目標圧力と初期インバータ周波数とを記憶し、消火ポンプ装置は、自己機が属する層ゾーンの信号発信手段から始動信号を受信したとき、この始動信号に基づいて前記記憶部より目標圧力又は初期周波数又は目標圧力と初期周波数を読み出し、自己機より上位の層ゾーンの消火ポンプ装置からの運転指令信号を受信したとき、この運転指令信号に基づいて前記記憶部より所定の目標圧力又は初期周波数又は目標圧力と初期周波数を読み出し、始動条件が成立したら前記記憶部より読み出した設定値で運転するようにしたことを特徴とする消火システム。 - 請求項1〜9のいずれかに記載の消火システムにおいて、
各層ゾーンの前記消火ポンプ装置は、前記放出手段群から始動信号を複数受信したとき、又は前記圧力検出手段が異常のとき、目標圧力、又はこれに伴う初期周波数、又は目標圧力とこれに対応する初期周波数を最大値で運転することを特徴とする消火システム。 - 請求項1〜10のいずれかに記載の消火システムにおいて、
各層ゾーンの前記消火ポンプ装置は、始動条件として送水管の圧力が始動圧力以下に低下した場合に始動することを特徴とする消火システム。 - 請求項1〜11のいずれかに記載の消火システムにおいて、
前記放出手段群の信号発信手段からの始動信号は、無線通信により前記消火ポンプ装置に発信されることを特徴とする消火システム。
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