JP2014197479A - リチウムイオン二次電池用の正極及びその製造方法並びに該正極を用いて形成されたリチウムイオン二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】正極活物質等の集電体内部への充填率を向上させ、これにより充放電特性を大幅にを向上させることができるリチウムイオン二次電池用の正極及びその製造方法並びに該正極を用いて形成されたリチウムイオン二次電池を提供する。
【解決手段】連続孔を有する多孔質金属シートからなる正極集電体の内部に正極活物質と導電助剤を充填したリチウムイオン二次電池用の正極において、上記多孔質金属シートが100〜3000μm厚を有する単一のシートからなり、多孔質金属シートを表面視したときに、多孔質金属シートの一方の面に露出している孔の総面積が、多孔質金属シートの他方の面に露出している孔の総面積より大きく、上記連続孔はその平均孔径が50〜800μmの範囲にあることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】連続孔を有する多孔質金属シートからなる正極集電体の内部に正極活物質と導電助剤を充填したリチウムイオン二次電池用の正極において、上記多孔質金属シートが100〜3000μm厚を有する単一のシートからなり、多孔質金属シートを表面視したときに、多孔質金属シートの一方の面に露出している孔の総面積が、多孔質金属シートの他方の面に露出している孔の総面積より大きく、上記連続孔はその平均孔径が50〜800μmの範囲にあることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、リチウムイオン二次電池用の正極及びその製造方法並びに該正極を用いて形成されたリチウムイオン二次電池に関する。更に詳しくは、リチウムイオン二次電池の充放電特性を大幅に向上させることができるリチウムイオン二次電池用の正極及びその製造方法並びに該正極を用いて形成されたリチウムイオン二次電池に関するものである。
近年、電子機器のポータブル化、高性能化に伴い、高エネルギー密度電池に対する要求が高まってきている。このような要求を満たすものとしてリチウムイオン電池、金属リチウム電池などの二次電池が期待されており、こうした二次電池の性能向上を目的として研究開発が活発に行われている。この二次電池の性能を規制している要因として、放電容量、サイクル安定性等が課題として挙げられており、この解決手段が望まれている。
一般に、リチウムイオン二次電池の正極の作製は、正極活物質であるLiCoO2、LiMn2O4、LiNiO2、Li(Mn1/3Ni1/3Co1/3)O2又はLiFePO4等の粉状のリチウム含有遷移金属酸化物と、カーボンナノチューブやカーボンブラック等の導電助剤と、結着剤を混合し、この混合物を溶媒に分散させてペースト状の正極スラリーを調製した後、これを例えば、アルミニウム箔等の集電体に塗布して、乾燥等を行い、集電体上に正極活物質層を形成することにより行われる。また、リチウムイオン二次電池の負極では、一般に、銅箔が集電体として用いていられ、負極活物質等が含まれるペーストを、正極の作製と同様、集電体に塗布し、乾燥等を行って作製される。
正極の集電体に用いられるアルミニウム箔等には、アルミニウム金属を所定の厚さに圧延させたシート状の圧延箔が一般に用いられているが、集電体に正極活物質等をより多く保持し、電池容量や充放電特性を向上させるため、その表面形状や内部構造についての改良を試みる等の検討がなされている。例えば、従来、三次元網目構造の金属骨格を有し、金属骨格間に空孔を有し、金属骨格にAl3Ti系化合物が分散しているアルミニウム多孔質焼結体を集電体に用いたリチウムイオン二次電池用の正極が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。また、集電体の気孔径が厚さ方向で異なる多層構造のアルミニウム多孔体を集電体に用いた非水電解質電池用電極が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
上記従来の特許文献1に示された二次電池用の正極では、集電体に、空孔が形成された三次元網目構造の金属骨格を有するアルミニウム多孔質焼結体を使用することで、従来の圧延箔等に比べて、より多くの正極活物質を集電体に保持できるため、電池容量の向上や高出力化を達成させることができる。その一方で、この正極に用いられる集電体は、多孔質構造形成の方法として樹脂発泡体へ金属メッキする方法や金属粉末のスラリーを発泡剤で発泡させる方法が知られているが、厚さ方向でほぼ均一な空孔に形成されており、表面の開口は制御されていない。そして、孔径を小さくし過ぎると、正極活物質を含有するスラリーを充填する際に、多孔質焼結体の内部まで十分に正極活物質を充填できないという問題や、或いは電解液の浸透性が悪化する等の問題が生じる。また、逆に孔径を大きくし過ぎると正極活物質との接触面積が小さくなるため、正極活物質の保持が困難になり、振動や衝撃によって活物質が脱落する恐れがあるだけでなく、活物質との十分な導電性を確保するのが困難になる。
また、上記従来の特許文献2に示された電極では、気孔径に差がある複数の層を接合等の方法により形成しているため、気孔径の小さい層では、依然として正極活物質の充填が困難であり、逆に気孔径の大きい層では、活物質との導電性が十分に確保できないといった問題が生じる。このような事情から、正極活物質等を高い充填率で充填できる塗工方法といった製造方法の面からの改良や、集電体に用いられる多孔質焼結体の構造といった材料面からの更なる改良等が求められていた。
本発明の目的は、正極活物質等の集電体内部への充填率を向上させ、これにより充放電特性を大幅に向上させることができるリチウムイオン二次電池用の正極及びその製造方法並びに該正極を用いて形成されたリチウムイオン二次電池を提供することにある。
本発明の第1の観点は、連続孔を有する多孔質金属シートからなる正極集電体の内部に正極活物質と導電助剤を含むスラリーを充填させて形成したリチウムイオン二次電池用の正極において、上記多孔質金属シートが100〜3000μm厚を有する単一のシートからなり、多孔質金属シートを表面視したときに、多孔質金属シートの一方の面に露出している孔の総面積が、多孔質金属シートの他方の面に露出している孔の総面積より大きく、上記連続孔はその平均孔径が50〜800μmの範囲にあることを特徴とする。
本発明の第2の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に上記多孔質金属シートの一方の面の総面積に占める上記一方の面に露出している孔の総面積の割合を開孔率Aとし、上記多孔質金属シートの他方の面の総面積に占める上記他方の面に露出している孔の総面積の割合を開孔率Bとするとき、A>Bであって、Aが30〜70%の範囲にあり、Bが15〜35%の範囲にあることを特徴とする。
本発明の第3の観点は、第1又は第2の観点に基づく発明であって、更に上記多孔質金属シートがアルミニウム又はアルミニウム合金からなる発泡焼結シートであることを特徴とする。
本発明の第4の観点は、第1ないし第3の観点に基づく発明であって、更に上記正極活物質がLiCoO2、LiFePO4、LiNi1/3Mn1/3Co1/3O2、LiMn2O4及びLiNi0.8Co0.15Al0.05O2からなる群より選ばれたリチウム金属酸化物の少なくとも1種であることを特徴とする。
本発明の第5の観点は、第1ないし第4の観点に基づく発明であって、更に上記導電助剤がアセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノファイバ及びカーボンナノチューブからなる群より選ばれた炭素材料の少なくとも1種であることを特徴とする。
本発明の第6の観点は、連続孔を有する多孔質金属シートであって、この多孔質金属シートを表面視したときに、多孔質金属シートの一方の面に露出している孔の総面積が、多孔質金属シートの他方の面に露出している孔の総面積より大きい多孔質金属シートを作製し、溶媒に結着剤と導電助剤と正極活物質を均一に混合させてスラリーを調製し、このスラリーを上記多孔質金属シートの上記一方の面からスロットダイコーティングにより圧力をかけて上記連続孔に充填し、このスラリーを充填した多孔質金属シートを乾燥し圧延することにより上記多孔質金属シートからなる正極集電体に電極層を形成することを特徴とするリチウムイオン二次電池用の正極の製造方法である。
本発明の第7の観点は、第6の観点に基づく発明であって、更にダイリップに対向する正極集電体の部分を浮遊させた状態で上記ダイコーティングを行うことを特徴とする。
本発明の第8の観点は、第6又は第7の観点に基づく発明であって、更に金属粉末を少なくともバインダー及び発泡剤と混合することによって粘度を10〜60Pa・sの範囲にある発泡性スラリーを調製し、この発泡性スラリーを水との接触角が20〜70度の範囲にあるキャリアシート上に塗工し、塗工後の発泡性スラリーを上記キャリアシート上で発泡させた後に乾燥させることによってグリーンシートを成形し、このグリーンシートを焼成することにより、上記多孔質金属シートを作製することを特徴とする。
本発明の第9の観点は、第1ないし第5の観点の電極又は第6ないし第8の観点の方法により製造された正極を用いたリチウムイオン二次電池である。
本発明の第1の観点のリチウムイオン二次電池用の正極は、正極集電体が、所望の平均孔径の連続孔を有し、所望の厚さを有する単一の多孔質金属シートからなる。そして、この多孔質金属シートは、表面視したときの一方の面に露出している孔の総面積が、他方の面に露出している孔の総面積より大きい構造になっている。このように、集電体を構成する多孔質金属シートの一方の面が、他方の面に比べ、孔の総面積が大きくなるように形成されているため、スラリーを塗工する際に、上記一方の面からスラリーを塗工することで、集電体内部には高い充填率で正極活物質等が充填される。また、他方の面が一方の面に比べて孔の総面積が小さくなるように形成されているため、他方の面に向かうに従って正極活物質等との接触面積が大きくなり、高い導通が確保される。また、この多孔質金属シートは、特に、従来のような孔径差のある複数の層を接合して形成されたものではなく、一層でシート表裏面に孔径差が生じるように形成されていることから、シート内部において厚さ方向での孔径差が顕著となる境界部分を有しない。そのため、充填密度の極端な偏りといった不具合も緩和されるため、高い導通が確保できる。また、一旦充填された正極活物質は、上記他方の面から脱落し難くなる。これにより、本発明の正極ではリチウムイオン二次電池の充放電特性を大幅に向上させることができる。また、上記正極活物質の脱落防止により、製造時の不良発生が低減される。
本発明の第2の観点のリチウムイオン二次電池用の正極では、上記多孔質金属シートの一方の面の開孔率と他方の面の開孔率がより精密な範囲に制御されているため、上記効果がより高められる。
本発明の第3の観点のリチウムイオン二次電池用の正極は、上記多孔質金属シートがアルミニウム又はアルミニウム合金からなる発泡焼結シートである。正極集電体は、他の金属に比べ、アルミニウム又はアルミニウム合金製のものが、リチウムイオン電池用正極活物質の充放電電位における電気化学的安定性の面から特に好ましく用いられており、本発明においても正極集電体を構成する多孔質金属シートをアルミニウム又はアルミニウム合金で形成することにより、同様の効果が得られる。また、多孔質金属シート製造時の寸法安定性が高められる。
本発明の第4の観点のリチウムイオン二次電池用の正極では、正極活物質としてLiCoO2、LiFePO4、LiNi1/3Mn1/3Co1/3O2、LiMn2O4及びLiNi0.8Co0.15Al0.05O2からなる群より選ばれたリチウム金属酸化物の少なくとも1種を用いることにより、この正極を用いて形成されたリチウムイオン二次電池において大きな容量が得られる。
本発明の第5の観点のリチウムイオン二次電池用の正極は、導電助剤としてアセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノファイバ及びカーボンナノチューブからなる群より選ばれた炭素材料の少なくとも1種を用いることにより、良好な導電性が確保されるため、リチウムイオン二次電池の放電電流を大きくすることができる。
本発明の第6の観点の正極の製造方法では、連続孔を有する多孔質金属シートであって、この多孔質金属シートを表面視したときに、多孔質金属シートの一方の面に露出している孔の総面積が、多孔質金属シートの他方の面に露出している孔の総面積より大きい多孔質金属シートを作製し、これを正極集電体として使用する。そして、正極活物質等を含有するスラリーを調製し、このスラリーを上記多孔質金属シートの上記一方の面からスロットダイコーティングにより圧力をかけて上記連続孔に充填し、これを乾燥、圧延することにより正極集電体に電極層を形成する。このように、本発明の製造方法では、集電体として上記構造を有する多孔質金属シートを用い、かつスラリーを塗工する際に、孔の総面積が大きく形成されている上記一方の面からスロットダイコーティングにより圧力をかけてスラリーを塗工し、連続孔に充填するので、正極活物質等を高い充填率で集電体内部に充填することができる。また、集電体に用いる多孔質金属シートは、他方の面が、一方の面に比べ、孔の総面積が小さくなるように形成されているため、正極活物質等との接触面積が大きくなり、高い導通が得られる。また、圧延時に結着剤を含む正極活物質が孔の総面積が少ない他方の面側に押しつけられることから、一旦充填された正極活物質の特に上記他方の面からの脱落を抑制できる。これにより、リチウムイオン二次電池の充放電特性を大幅に向上させることができる正極を製造することができる。
本発明の第7の観点の正極の製造方法では、上記スラリーをスロットダイコーティングにより塗工、充填する際に、ダイリップに対向する正極集電体の部分をロール等の支持体から浮遊させた状態で行う。通常、スロットダイコーティングでは、バックアップロールに接して移動する集電体に、バックアップロールと対抗する位置に設置したスロットダイからスラリーを吐出させることにより塗工が行われる。そして、本発明の製造方法では、このように正極集電体の部分を浮遊させた状態で行うことにより、スラリーが発泡焼結シートを通過してバックアップロールに付着し、スラリーの充填量が不安定になることを防止する効果が得られる。
本発明の第8の観点の正極の製造方法では、特に集電体に用いる多孔質金属シートを作製する際の発泡性スラリーの粘度及びこの発泡性スラリーを塗工するキャリアシートの水との接触角を制御することによって、上記所望の構造を有する多孔質金属シートを得ることができる。
本発明の第9の観点のリチウムイオン二次電池は、上記本発明の電極又は本発明の方法により製造された充放電特性に優れた正極を用いているため、大電流による充放電が可能になる。
次に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
本発明は、連続孔を有する多孔質金属シートからなる正極集電体の内部に正極活物質と導電助剤を含むスラリーを充填させて形成したリチウムイオン二次電池用の正極の改良である。このように正極集電体を構成する多孔質金属シートが連続孔を有するため、従来と同様、正極活物質等がこの連続孔に充填されることで良好な導通が得られる。
一方、本発明において、多孔質金属シートが有する上記連続孔は、シート表面の開口が制御され、表裏で開口率が異なるという点において、従来のものとは異なる。即ち、図1,図2に示されるように、多孔質金属シートの一方の面に露出している孔の総面積が、多孔質金属シートの他方の面に露出している孔の総面積より大きくなるように制御されている。
そのため、スラリーを塗工する際に、孔の総面積が大きく形成された上記一方の面側からスラリーを塗工することで、集電体内部に従来よりも高い充填率で正極活物質等が充填される。また、他方の面は上記一方の面よりも、孔の総面積が小さい構造になっているため、充填された正極活物質等との接触面積が大きくなり、高い導通が得られる。また、他方の面は上記一方の面よりも孔の総面積が小さい構造となっていることから、一旦充填された正極活物質等が上記他方の面から脱落するのを抑制できる。これにより、大電流での充放電が可能になり、リチウムイオン二次電池の充放電特性を大幅にを向上させることができる。
また、上記連続孔はその平均孔径が50〜800μmの範囲に制御される。連続孔の平均孔径をこの範囲に限定したのは、下限値未満では正極活物質等が連続孔に充填しにくくなり、一方、上限値を越えると連続孔の内壁からの距離が遠くなる活物質等が多く存在することによって高い導通が得られなくなるからである。このうち、連続孔の平均孔径は80〜300μmの範囲であることが好ましい。
また、上記多孔質金属シートは、100〜3000μm厚を有する単一のシートからなる。即ち、本発明において、正極集電体を構成する上記多孔質金属シートは、従来のように、気孔径に差がある複数の層を接合して形成されたものではなく、一層でシート表裏面に孔径差が生じるように形成されたものである。従来のように気孔径に差がある複数の層を接合して形成された集電体では、層同士の接合面、即ち集電体内部において厚さ方向での孔径差が顕著となる境界部分が生じる。そのため、この境界部分を境に極端な充填密度の偏りが生じる。これに対して、上記多孔質金属シートは、一層のシートでシート表裏面に孔径差が生じるように形成しているため、シート内部では厚さ方向において、ほぼ段階的に孔径差が生じる。このため、従来のような充填密度の極端な偏りが緩和され、上記他方の面に向かうに従って、ほぼ段階的に正極活物質等との接触面積を大きくすることができる。また、多孔質金属シートの厚さを上記範囲に限定したのは、下限値未満では電池の組み立てに十分な強度が得られないという不具合があり、一方、上限値を越えると充填にかかるスラリーの移動距離が長くなり、上記所望の開孔率に制御しても充填が不十分となる不具合が生じるからである。このうち、多孔質金属シートの厚さは、200〜1500μmの範囲であることが好ましい。
更に、上記多孔質金属シートの一方の面の総面積に占める上記一方の面に露出している孔の総面積の割合を開孔率Aとし、上記多孔質金属シートの他方の面の総面積に占める上記他方の面に露出している孔の総面積の割合を開孔率Bとするとき、A>Bであって、Aが30〜70%の範囲にあり、Bが15〜35%の範囲にあることが好ましい。孔の総面積が他方の面よりも大きく形成された一方の面の開孔率Aが下限値未満になると正極活物質等が連続孔に充填しにくくなる傾向があり、一方、上限値を越えると一旦充填させた正極活物質等のシート内部での保持力が低下する傾向がみられる。また、孔の総面積が一方の面よりも小さく形成された他方の面の開孔率Bが下限値未満になると、例えばスラリー充填時に空気が抜けにくくなることによって正極活物質等を連続孔に充填しにくくなる傾向があり、一方、上限値を越えると一旦充填させた正極活物質等の多孔質金属シート内部での保持力が低下する傾向がみられる。このうち、上記開孔率Aは40〜60%、開孔率Bは20〜30%の範囲に制御されていることが特に好ましい。
また、正極集電体を構成する上記多孔質金属シートは、後述の方法で製造されるアルミニウム又はアルミニウム合金からなる発泡焼結シートであることが好ましい。本発明の正極を構成する集電体の材質に、上記アルミニウム又はアルミニウム合金を用いることで、電気化学的安定性の面に優れる。
また、正極集電体を構成する上記多孔質金属シートは、後述の方法で製造されるアルミニウム又はアルミニウム合金からなる発泡焼結シートであることが好ましい。本発明の正極を構成する集電体の材質に、上記アルミニウム又はアルミニウム合金を用いることで、電気化学的安定性の面に優れる。
上記多孔質金属シートからなる正極集電体内部に充填される正極活物質は、粉末状のリチウム含有遷移金属酸化物であり、具体的には、LiCoO2、LiFePO4、LiNiO2、LiMn2O4、Li(Mn1/3Ni1/3Co1/3)O2又はこれらの混合物等が挙げられる。これらリチウム含有遷移金属酸化物の粉末の平均粒径は2〜20μmであることが好ましい。下限値未満では嵩密度が低下することによって正極活物質等の多孔質金属シート内部への充填率が低下するという不具合が生じる場合があり、一方、上限値を越えると多孔質金属シート内部に存在する微小な孔への充填が不十分となって充填率が低下する場合がある。このうち、5〜15μmの範囲が特に好ましい。なお、本明細書中、正極活物質である上記リチウム含有遷移金属酸化物粉末の平均粒径、水中に分散された粒子についてレーザー散乱法によって測定される粒度分布のメディアン系(D50)とし、粒子が二次凝集体である場合には二次粒の粒径とする。また、後述の導電助剤の平均粒径及び触媒粒子の平均一次粒径とは、透過型電子顕微鏡(TEM)によって測定された30個の粒子の粒径を平均した値である。
また、導電助剤としては、平均繊維径が1〜100nm、平均繊維長が100〜1000nm、平均比表面積が100〜300m2/gのカーボンナノファイバ等を使用することができる。なお、本明細書中、カーボンナノファイバ等の平均繊維径、平均繊維長は、走査型電子顕微鏡(SEM)で50個の平均値を測定した値であり、平均比表面積とは、ガス吸着法(BET)で測定した値である。カーボンナノファイバは、一酸化炭素等を主な原料ガスとした気相成長法等によって得られる。気相成長法によるカーボンナノファイバの製造方法としては、例えば触媒粒子としてFe、Ni、Co、Mn、Cuの酸化物から選ばれた1種又は2種以上と、Mg、Ca、Al、Siの酸化物から選ばれた1種又は2種以上の混合酸化物粉末を用い、450℃〜800℃の温度で、一酸化炭素または二酸化炭素と水素の混合ガスを上記触媒粒子に接触させて、カーボンナノファイバを製造する方法が挙げられる。
この製造方法では、先ず、上記触媒粒子をファイバの成長核として石英等の基板上に配置する。触媒粒子の基板上への配置は、触媒粒子をそのまま均一にボートに振りかけてもよいし、或いは触媒粒子をアルコール等の溶媒に懸濁させて懸濁液を調製し、この懸濁液を基板上に散布して乾燥することによって均一にボート上に配置してもよい。このとき、使用する触媒粒子の粒径を調整することにより、カーボンナノファイバの平均繊維径を所望の範囲に調整することができる。このときの触媒粒子の大きさは、平均一次粒径が1nm〜100nm、好ましくは5nm〜50nmの範囲内であることが好ましい。
そして、反応室内で0.1〜10MPaの圧力下、450℃〜800℃の温度で、原料ガスを上記触媒粒子に接触させて反応させることによって多結晶構造グラファイトナノファイバを成長させる。このカーボンナノファイバの気相合成においては、予め十分に合成雰囲気を定常化する必要がある。そのため、水素を10%程度含む不活性ガスを反応室に導入して合成雰囲気を置換した後に加熱を開始し、合成温度に1〜2時間ほど保持することが望ましい。このときの合成時間は、1〜24時間とするのが好ましい。
導電助剤としては、上記のカーボンナノファイバ、或いはカーボーンナノチューブ等の炭素繊維の他、平均粒径が30〜60μmのアセチレンブラック、平均粒径が20〜50μmのケッチェンブラック等のカーボンブラック等も使用することができる。
続いて、上記正極の製造方法について説明する。正極集電体として用いられる上述の多孔質金属シートを得るには、先ず金属粉末に少なくともバインダー及び発泡剤を混合させた発泡性スラリーを調製する。金属粉末には、アルミニウム粉末に焼結助剤を添加して混合させたアルミニウム混合原料粉末が用いられる。アルミニウム粉末の平均粒径は、好ましくは2〜200μm、より好ましくは2〜100μm、更に好ましくは7μm〜40μmの範囲内のものである。
上記焼結助剤としては、チタン又は水素化チタン粉末等が挙げられる。チタン又は水素化チタン粉末には、平均粒径が0.1〜30μmの範囲のものを使用するのが好ましい。チタン又は水素化チタン粉末の平均粒径が下限値未満では自然発火の恐れがあり、一方、上限値を越えると焼結体に所望の強さが得られ難くなるためである。このうち、チタン又は水素化チタン粉末の平均粒径は、4〜20μmの範囲のものが更に好ましい。なお、本明細書において、上記アルミニウム粉末、チタン又は水素化チタン粉末の平均粒径とは、レーザー回折法(LEED&NORTHRUP社製 型式名:MICROTRAC FRA)で測定された体積基準のD50(メジアン径)をいう。
発泡性スラリーの調製に用いられる上記バインダーには、水溶性樹脂バインダーが用いられる。具体的には、メチルセルロース、エチルセルロース又はポリビニルアルコール等が挙げられる。また、発泡性スラリーには、上記金属粉末、バインダー以外に、可塑剤、蒸留水、界面活性剤等を添加しても良い。可塑剤としては、グリセリン、ポリエチレングリコール等が挙げられ、界面活性剤としては、アルキルベタイン、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキル硫酸エステル塩又はポリオキシエチレンアルキルエーテル等が挙げられる。発泡性スラリーを調製するには、これらを混練した後に、発泡剤として更に炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤を混合する。このとき、得られる発泡性スラリーの粘度は、10〜60Pa・sの範囲に調整する。発泡性スラリーの粘度を上記範囲に限定するのは、下限値未満では厚膜の成形ができなくなる、或いは発泡構造の形状維持ができなくなるため開孔率の制御が困難になる等の不具合が生じるからである。一方、上限値を越えると、後述するドクターブレードやダイコートでの成形が困難になる、或いは粘度が大きいことからキャリアシート上で発泡構造を形成するためのスラリーの移動ができなくなり、多孔質金属シートにおける開孔率の制御が困難になるからである。発泡性スラリーの粘度は、発泡性スラリーを調製する際の溶媒である蒸留水の配合量を調整すること等により、上記所望の範囲に調整することができる。また、上記炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン及びオクタンからなる群より選ばれた1種又は2種以上を使用することができる。発泡性スラリーを調製する際の上記各成分の割合は、上記金属粉末(アルミニウム混合原料粉末)100質量部に対し、バインダーを0.5〜7質量部、可塑剤を1〜15質量部、蒸留水を50〜100質量部、界面活性剤を0.02〜3質量部、発泡剤の割合を0.1〜3質量部とするのが好ましい。
次に、この発泡性スラリーを水との接触角が20〜70度の範囲にあるキャリアシート上に所定の厚さにドクターブレードやダイコートを用いて、塗工する。キャリアシートとしては、PETフィルム、ポリエチレンフィルム等が挙げられる。ここで、使用する上記キャリアシートにおける水との接触角を上記範囲に限定したのは、下限値未満では開孔率が所望の値よりも小さくなる等の不具合が生じ、一方、上限値を越えると塗工の際にスラリーがキャリアシートにはじかれて均一な塗工ができない等の不具合が生じるからである。このうち、上記接触角は30〜50度の範囲とするのが好ましい。キャリアシートの水との接触角は、キャリアシートの表面に処理を行うことにより制御できる。例えばポリエチレンフィルムの水との接触角を20〜30度にする場合は、コロナ放電を用いることにより達成できる。例えば電圧を12kVとし、処理時間を0.1秒間、0.5秒間処理すると、接触角はそれぞれ30度、20度程度となる。また、水との接触角を40〜60度にする場合は、PVA離型剤を塗布することにより達成できる。例えば塗工厚さを0.5μm、1μmとすることにより、接触角はそれぞれ60度、40度程度となる。更に水との接触角を60〜80度にする場合は、シリコーン離型剤を塗布することにより達成できる。例えば塗工厚さを0.1μm、0.5μmとすることにより、接触角はそれぞれ60度、80度程度となる。このようにコロナ放電の条件を変量したり、或いはフィルム上に塗布する離型剤の種類、厚さを選定することにより上記所望の範囲に調整することができる。キャリアシートにおける水との接触角を上記範囲に限定し、後述の発泡処理の際の表面張力をコントロールすることで、多孔質金属シート表裏面の開孔率を所望の範囲に制御することができる。また、キャリアシートの厚さは、強度と熱容量の理由から、20〜150μmの範囲とするのが好ましい。
発泡性スラリーのキャリアシート上への塗工方法は、特に限定されないが、ドクターブレード法、スラリー押出し法又はスクリーン印刷法等が挙げられ、これらの方法により、最終的に得られる多孔質金属シートの厚さが上述の範囲になるように塗工する。塗工後は、温度及び湿度を一定時間保持するように管理して、発泡剤を加熱気化させると共に、塗膜内部の気泡のばらつきを抑制するための整寸化を行う。その後、大気乾燥機等を用いて好ましくは、40〜80℃の温度で乾燥させることにより、キャリアシート上にグリーンシートが形成される。
その後、キャリアシートからグリーンシートを剥がして、所望の形状に切り出し、このグリーンシートを所定の条件で焼結させる。焼結工程では、後述の焼成前に、上記グリーンシートを、ジルコニア等の敷粉を敷いたアルミナセッターの上に載置して、大気中或いは露点が−20℃以下のアルゴン雰囲気中、好ましくは350〜600℃の温度で3〜60分間加熱保持する脱脂を行うのが望ましい。これにより、グリーンシート中のバインダー、可塑剤、蒸留水、界面活性剤等を揮発又は分解させる脱バインダーが行われる。
脱脂の後、好ましくは650〜700℃の温度で3〜60分間加熱保持する焼成を行うことにより、所望の多孔質金属シートが得られる。焼成は、アルミニウム粒子表面、チタン粒子表面等の酸化被膜の成長を抑制するため、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行うのが望ましい。焼成温度又は保持時間が下限値未満では、焼結が十分に行われず粉末同士の結合が不十分となり、強度不足の不具合が生じる場合がある。一方、焼成温度が上限値を越えると液相の発生により発泡構造が崩壊する不具合が生じる場合があり、また、保持時間が上限値を越えると自重により発泡構造が崩壊する不具合が生じる場合がある。なお、加熱温度が400℃以下で30分間程度保持の条件であれば、空気中で加熱しても酸化被膜はさほど成長しないため、脱脂については、400℃以下で行う場合には空気中で行っても良い。
そして、上記得られた所望の多孔質金属シートに、上述の導電助剤及び正極活物質等を含有させたスラリー(電極ペースト)を塗工し、多孔質金属シートが有する連続孔に充填させる。
このスラリーには、上述の導電助剤及び正極活物質以外に、結着剤等の他の成分を含有させることができ、溶媒にこれらを均一に混合させることにより調製することができる。結着剤としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)等が挙げられる。また、溶媒としては、N−メチルピロリドン(NMP)等の有機溶媒や、イオン交換水等の水系の溶媒が挙げられる。
スラリーの調製は、例えば、結着剤にPVDF、溶媒にNMPを用いる場合や、結着剤にEPDM、溶媒にキシレンを用いる場合のように、結着剤が溶媒に溶解する組み合わせで使用する場合は、先ず、使用する正極活物質100質量部に対して、好ましくは1〜10質量部となる量の結着剤に、溶媒を加え、室温でスターラ等を用いて10分〜1時間撹拌し、結着剤の溶液を調製する。一方、結着剤にPTFE、溶媒に水を用いる場合や、結着剤にSBR、溶媒に水を用いる場合のように、結着材が溶媒に溶解しない組み合わせで使用する場合は、乳化重合等により、結着剤の合成と同時に得られる分散液に必要に応じて濃度調整やpH調整を行い、使用することができる。次に、この結着剤の溶液に、正極活物質と、正極活物質100質量部に対して好ましくは1〜10質量部となる量の導電助剤と溶媒を加え、完全に分散するまで、プラネタリーミキサや自転公転のハイブリッドミキサ等で10分〜1時間混合することにより、均質なペースト状のスラリーが得られる。なお、カーボンナノファイバ等の他の導電助剤を併用するには、予めこれを混合して混合粉を得た後、この混合粉に、上記割合の溶媒を加えて同様に分散液を調製する。このとき使用する溶媒の総量は、30〜70質量部の範囲とするのが好ましい。また、調製後のスラリーの粘度は、多孔質金属シート内部へ充填する際の流動性の面から0.1〜10Pa・sの範囲内とするのが好ましい。下限値未満では、充填されたスラリーが乾燥までに流れ出ることで充填量が不安定になる場合があり、上限値を越えると多孔質金属シート内の細部まで充填することが困難になるという不具合が生じる場合があるからである。このうち、スラリー(電極ペースト)の粘度は0.5〜2Pa・sの範囲とするのが特に好ましい。スラリーの粘度は、溶剤の量等の調整により上記範囲に調整することができる。
そして、上記調製したスラリーを、上記多孔質金属シートの孔の総面積が大きく形成されている一方の面から塗工する。また、その際、スロットダイコーティングにより所望の圧力をかけて連続孔にスラリー中の正極活物質等を充填させる。このように、孔の総面積が大きく形成されている一方の面側からスラリーを塗工することで、多孔質金属シート内部へ正極活物質等を高い充填密度で充填させることができる。また、スラリーの塗工を、スロットダイコーティングで行うことにより、上記充填密度を更に高めることができる。また、スロットダイコーティングでは、通常、被塗布体を挟んでダイリップと対抗する位置に被塗布体を支持するためのバックアップロールを配置した状態でスラリー等の塗工が行われるが、本発明においては、このダイリップに対向する正極集電体、即ち多孔質金属シートの部分を、好ましくは1mm以上浮遊させた状態でダイコーティングを行うのが望ましい。これにより、通常行われる上記の方法に比べて、充填したスラリーが支持ロール等に付着して充填量が変動することを防止する効果が高められる。
上記方法によって、多孔質金属シートにスラリー塗工した後は、この多孔質金属シートを乾燥機内で好ましくは80〜180℃の温度で5〜20分間乾燥させ、その後、ロールプレス等で圧延する。
以上の工程により、本発明のリチウムイオン二次電池用の正極が得られる。そして、この正極は、上述のように、集電体内部への正極活物質、導電助剤等の充填密度が非常に高く、また、これらの脱落等も起こりにくいため、高い導通が得られる。そのため、この正極を用いて形成されたリチウムイオン二次電池では、放電容量等の充放電特性に優れ、大電流による充放電が可能になる。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1−1>
先ず、金属粉末として、平均粒径が30μmのアルミニウム粉末に、焼結助剤として平均粒径が10μmの水素化チタン粉末を、アルミニウム粉末との合計100質量%中に占める割合が10質量%となるように添加、混合させたアルミニウム混合原料粉末を用意した。このアルミニウム混合原料粉末100質量部に対して、バインダーとしてエチルセルロースを3質量部、可塑剤としてグリセリンを6質量部、界面活性剤としてアルキルベタインを0.5質量部、蒸留水を89.5質量部、発泡剤として炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤であるヘプタンを1質量部を添加、混合し、粘度が35Pa・sの発泡性スラリーを得た。なお、発泡性スラリーの粘度は、スパイラル粘度計を用いて、JIS Z8803に準拠して測定した値である。
先ず、金属粉末として、平均粒径が30μmのアルミニウム粉末に、焼結助剤として平均粒径が10μmの水素化チタン粉末を、アルミニウム粉末との合計100質量%中に占める割合が10質量%となるように添加、混合させたアルミニウム混合原料粉末を用意した。このアルミニウム混合原料粉末100質量部に対して、バインダーとしてエチルセルロースを3質量部、可塑剤としてグリセリンを6質量部、界面活性剤としてアルキルベタインを0.5質量部、蒸留水を89.5質量部、発泡剤として炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤であるヘプタンを1質量部を添加、混合し、粘度が35Pa・sの発泡性スラリーを得た。なお、発泡性スラリーの粘度は、スパイラル粘度計を用いて、JIS Z8803に準拠して測定した値である。
次に、キャリアシートとして、表面における水との接触角が、以下の表1に示す値のポリエチレンシートを用意し、このキャリアシート上に上記得られた発泡性スラリーをドクターブレード法にて、以下の表1に示す厚さ(ウエット)になるように塗布量を調整して塗布した。更にスラリー中の発泡剤を発泡させ、発泡させた気泡を製寸化するため、温度60℃、湿度80%の条件で30分間保持した。その後、70℃の温度で乾燥させることにより、キャリアシート上にグリーンシートを形成した。次に、キャリアシートからグリーンシートを剥がし、アルゴン雰囲気中、520℃の温度で30時間加熱保持する脱脂を行った。次いで、脱脂後のグリーンシートを、アルゴン雰囲気中、665℃の温度で30分間加熱保持して焼成することにより、以下の表1に示す、所望の多孔質金属シートを得た。
次に、上記得られた多孔質金属シートを集電体として用い、この多孔質金属シートに正極活物質等を含有するスラリー(電極ペースト)を塗工した。該スラリーを調製するため、先ず、導電助剤として、平均粒径が48nmのアセチレンブラック(電気化学工業株式会社製、商品名:HS−100)を2質量部用意した。次に、NMPを溶媒として加え、室温でスターラ等を用いて10時間撹拌し、分散液を調製した。次いで、この分散液に、結着剤であるPVDF(クレハ・バッテルリー・マテリアルズ社製 品番:♯7200)を3質量部、NMPと共に加え、固形のPVDFが完全に溶解するまで、プラネタリーミキサ(プライミクス社製 型式名:ハイビスミックス2P−03)で60分間混合した。そして、正極活物質である平均粒径10μmの粉末状のLiNi1/3Mn1/3Co1/3O2(NMC)を95質量部加えて更に1時間混合することにより、均質なペースト状のスラリーを得た。なお、スラリーの調製に使用した上記正極活物質、PVDF、アセチレンブラックの添加量は、スラリー中のこれらの材料が質量比で96:2:2になるように調整した。また、使用したNMPの総量は40質量部とした。また、得られたスラリーの粘度を、上記発泡性スラリーの測定方法と同じ方法で測定したところ、1.2Pa・sであった。
上記調製したスラリーの塗工は、上記多孔質金属シートの孔の総面積が大きく形成されている一方の面側から行い、スロットダイコーティングにより、連続孔にスラリー中の正極活物質等が充填するように行った。また、ダイリップに対向する多孔質金属シートの部分を浮遊させた状態でダイコーティングを行った。このとき、電池組み立て時にリードを溶接するための未充填部分形成を目的として、間欠塗工を行った。スラリーを塗工した後は、この多孔質金属シートをヒーターにより140℃の温度で20分間乾燥させた。その後、ロールプレスにより、正極活物質のみかけ密度が2.4g/cm3になるまで圧延した。更に圧延後のシートを縦横4cm×3cmで、活物質充填部が3cmの正方形、それに接する未充填部が1cm×3cmとなるように切り出し、未充填部にアルミニウムのリードを溶接した。以上の工程により、以下の表1に示すリチウムイオン二次電池の正極を得た。
なお、本明細書において、活物質のみかけ密度は、活物質の質量を電極の活物質被充填部の体積で除することによって計算された値である。即ち、活物質の充填された領域について、圧延後の活物質の質量をw1[g]、面積をs[cm2]、厚さをt[cm]、集電体の質量をw2[g]、集電体を構成する材質の密度をρ[g/cm3]したとき、式:w1/(s×t−w2/ρ)で計算された値である。
<実施例1−2>
実施例1−1で使用したアルミニウム混合原料粉末を金属粉末として用い、このアルミニウム混合原料粉末100質量部に対して、バインダーとしてエチルセルロースを3質量部、可塑剤としてグリセリンを6質量部、界面活性剤としてアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.5質量部、蒸留水を89.5質量部、発泡剤として炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤であるヘプタンを0.7質量部を添加、混合し、以下の表1に示す粘度を有する発泡性スラリーを得た。
実施例1−1で使用したアルミニウム混合原料粉末を金属粉末として用い、このアルミニウム混合原料粉末100質量部に対して、バインダーとしてエチルセルロースを3質量部、可塑剤としてグリセリンを6質量部、界面活性剤としてアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.5質量部、蒸留水を89.5質量部、発泡剤として炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤であるヘプタンを0.7質量部を添加、混合し、以下の表1に示す粘度を有する発泡性スラリーを得た。
次に、キャリアシートとして、表面における水との接触角が、以下の表1に示す値のポリエチレンシートを用意し、このキャリアシート上に上記得られた発泡性スラリーをドクターブレード法にて、以下の表1に示す厚さ(ウェット)になるように塗布量を調整して塗布した。更にスラリー中の発泡剤を発泡させ、発泡させた気泡を製寸化するため、温度60℃、湿度80%の条件で30分間保持した。その後、70℃の温度で乾燥させることにより、キャリアシート上にグリーンシートを形成した。次に、キャリアシートからグリーンシートを剥がし、アルゴン雰囲気中、520℃の温度で30時間加熱保持する脱脂を行った。次いで、脱脂後のグリーンシートを、アルゴン雰囲気中、665℃の温度で30分間加熱保持して焼成することにより、以下の表1に示す、所望の多孔質金属シートを得た。
次に、上記得られた多孔質金属シートを集電体として用い、この多孔質金属シートに、実施例1−1で調製したスラリー(電極ペースト)を同様の方法及び条件にて塗工した。
スラリーを塗工した後は、この多孔質金属シートをヒーターにより140℃の温度で20分間乾燥させた。その後、ロールプレスにより、正極活物質のみかけ密度が2.4g/cm3になるまで圧延した後、未充填部にアルミニウムのリードを溶接して、以下の表1に示すリチウムイオン二次電池の正極を得た。
<実施例1−3>
実施例1−1で使用したアルミニウム混合原料粉末を金属粉末として用い、このアルミニウム混合原料粉末100質量部に対して、バインダーとしてエチルセルロースを3質量部、可塑剤としてグリセリンを6質量部、界面活性剤としてアルキルベタインを0.5質量部、蒸留水を89.5質量部、発泡剤として炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤であるヘプタンを1質量部を添加、混合し、以下の表1に示す粘度を有する発泡性スラリーを得た。
実施例1−1で使用したアルミニウム混合原料粉末を金属粉末として用い、このアルミニウム混合原料粉末100質量部に対して、バインダーとしてエチルセルロースを3質量部、可塑剤としてグリセリンを6質量部、界面活性剤としてアルキルベタインを0.5質量部、蒸留水を89.5質量部、発泡剤として炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤であるヘプタンを1質量部を添加、混合し、以下の表1に示す粘度を有する発泡性スラリーを得た。
次に、キャリアシートとして、表面における水との接触角が、以下の表1に示す値のポリエチレンシートを用意し、このキャリアシート上に、上記得られた発泡性スラリーをドクターブレード法にて、以下の表1に示す厚さ(ウエット)になるように塗布量を調整して塗布した。更にスラリー中の発泡剤を発泡させ、発泡させた気泡を製寸化するため、温度60℃、湿度80%の条件で30分間保持した。その後、70℃の温度で乾燥させることにより、キャリアシート上にグリーンシートを形成した。次に、キャリアシートからグリーンシートを剥がし、アルゴン雰囲気中、520℃の温度で30時間加熱保持する脱脂を行った。次いで、脱脂後のグリーンシートを、アルゴン雰囲気中、665℃の温度で30分間加熱保持して焼成することにより、以下の表1に示す、所望の多孔質金属シートを得た。
次に、上記得られた多孔質金属シートを集電体として用い、この多孔質金属シートに、実施例1−1で調製したスラリー(電極ペースト)を同様の方法及び条件にて塗工した。
スラリーを塗工した後は、この多孔質金属シートをヒーターにより140℃の温度で20分間乾燥させた。その後、ロールプレスにより、正極活物質のみかけ密度が2.4g/cm3になるまで圧延した後、未充填部にアルミニウムのリードを溶接して、以下の表1に示すリチウムイオン二次電池の正極を得た。
<実施例1−4>
実施例1−1で使用したアルミニウム混合原料粉末を金属粉末として用い、このアルミニウム混合原料粉末100質量部に対して、バインダーとしてエチルセルロースを3質量部、可塑剤としてグリセリンを6質量部、界面活性剤としてアルキル硫酸エステル塩を0.5質量部、蒸留水を89.5質量部、発泡剤として炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤であるヘプタンを1.2質量部を添加、混合し、以下の表1に示す粘度を有する発泡性スラリーを得た。
実施例1−1で使用したアルミニウム混合原料粉末を金属粉末として用い、このアルミニウム混合原料粉末100質量部に対して、バインダーとしてエチルセルロースを3質量部、可塑剤としてグリセリンを6質量部、界面活性剤としてアルキル硫酸エステル塩を0.5質量部、蒸留水を89.5質量部、発泡剤として炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤であるヘプタンを1.2質量部を添加、混合し、以下の表1に示す粘度を有する発泡性スラリーを得た。
次に、キャリアシートとして、表面における水との接触角が、以下の表1に示す値のポリエチレンシートを用意し、このキャリアシート上に上記得られた発泡性スラリーをドクターブレード法にて、以下の表1に示す厚さ(ウエット)になるように塗布量を調整して塗布した。更にスラリー中の発泡剤を発泡させ、発泡させた気泡を製寸化するため、温度60℃、湿度80%の条件で30分間保持した。その後、70℃の温度で乾燥させることにより、キャリアシート上にグリーンシートを形成した。次に、キャリアシートからグリーンシートを剥がし、アルゴン雰囲気中、520℃の温度で30時間加熱保持する脱脂を行った。次いで、脱脂後のグリーンシートを、アルゴン雰囲気中、665℃の温度で30分間加熱保持して焼成することにより、以下の表1に示す、所望の多孔質金属シートを得た。
次に、上記得られた多孔質金属シートを集電体として用い、この多孔質金属シートに、実施例1−1で調製したスラリー(電極ペースト)を同様の方法及び条件にて塗工した。
スラリーを塗工した後は、この多孔質金属シートをヒーターにより180℃の温度で20分間乾燥させた。その後、ロールプレスにより、正極活物質のみかけ密度が2.4g/cm3になるまで圧延した後、未充填部にアルミニウムのリードを溶接して、以下の表1に示すリチウムイオン二次電池の正極を得た。
<実施例1−5>
実施例1−1で使用したアルミニウム混合原料粉末を金属粉末として用い、このアルミニウム混合原料粉末100質量部に対して、バインダーとしてエチルセルロースを3質量部、可塑剤としてグリセリンを6質量部、界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテルを1質量部、蒸留水を89.5質量部、発泡剤として炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤であるヘプタンを1.2質量部を添加、混合し、以下の表1に示す粘度を有する発泡性スラリーを得た。
実施例1−1で使用したアルミニウム混合原料粉末を金属粉末として用い、このアルミニウム混合原料粉末100質量部に対して、バインダーとしてエチルセルロースを3質量部、可塑剤としてグリセリンを6質量部、界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテルを1質量部、蒸留水を89.5質量部、発泡剤として炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤であるヘプタンを1.2質量部を添加、混合し、以下の表1に示す粘度を有する発泡性スラリーを得た。
次に、キャリアシートとして、表面における水との接触角が、以下の表1に示す値のポリエチレンシートを用意し、このキャリアシート上に上記得られた発泡性スラリーをドクターブレード法にて、以下の表1に示す厚さ(ウエット)になるように塗布量を調整して塗布した。更にスラリー中の発泡剤を発泡させ、発泡させた気泡を製寸化するため、温度60℃、湿度80%の条件で30分間保持した。その後、70℃の温度で乾燥させることにより、キャリアシート上にグリーンシートを形成した。次に、キャリアシートからグリーンシートを剥がし、アルゴン雰囲気中、520℃の温度で30時間加熱保持する脱脂を行った。次いで、脱脂後のグリーンシートを、アルゴン雰囲気中、665℃の温度で30分間加熱保持して焼成することにより、以下の表1に示す、所望の多孔質金属シートを得た。
次に、上記得られた多孔質金属シートを集電体として用い、この多孔質金属シートに、実施例1−1で調製したスラリー(電極ペースト)を同様の方法及び条件にて塗工した。
スラリーを塗工した後は、この多孔質金属シートをヒーターにより180℃の温度で20分間乾燥させた。その後、ロールプレスにより、正極活物質のみかけ密度が2.4g/cm3になるまで圧延した後、未充填部にアルミニウムのリードを溶接して、以下の表1に示すリチウムイオン二次電池の正極を得た。
<比較例1−1>
実施例1−1で使用したアルミニウム混合原料粉末を金属粉末として用い、このアルミニウム混合原料粉末100質量部に対して、バインダーとしてエチルセルロースを3質量部、可塑剤としてグリセリンを6質量部、界面活性剤としてアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.5質量部、蒸留水を89.5質量部、発泡剤として炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤であるヘプタンを0.7質量部を添加、混合し、以下の表1に示す粘度を有する発泡性スラリーを得た。
実施例1−1で使用したアルミニウム混合原料粉末を金属粉末として用い、このアルミニウム混合原料粉末100質量部に対して、バインダーとしてエチルセルロースを3質量部、可塑剤としてグリセリンを6質量部、界面活性剤としてアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.5質量部、蒸留水を89.5質量部、発泡剤として炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤であるヘプタンを0.7質量部を添加、混合し、以下の表1に示す粘度を有する発泡性スラリーを得た。
次に、キャリアシートとして、表面における水との接触角が、以下の表1に示す値のポリエチレンシートを用意し、このキャリアシート上に上記得られた発泡性スラリーをドクターブレード法にて、以下の表1に示す厚さ(ウエット)になるように塗布量を調整して塗布した。更にスラリー中の発泡剤を発泡させ、発泡させた気泡を製寸化するため、温度60℃、湿度80%の条件で30分間保持した。その後、70℃の温度で乾燥させることにより、キャリアシート上にグリーンシートを形成した。次に、キャリアシートからグリーンシートを剥がし、アルゴン雰囲気中、520℃の温度で30時間加熱保持する脱脂を行った。次いで、脱脂後のグリーンシートを、アルゴン雰囲気中、665℃の温度で30分間加熱保持して焼成することにより、以下の表1に示す、所望の多孔質金属シートを得た。
次に、上記得られた多孔質金属シートを集電体として用い、この多孔質金属シートに、実施例1−1で調製したスラリー(電極ペースト)を同様の方法及び条件にて塗工した。
スラリーを塗工した後は、この多孔質金属シートをヒーターにより140℃の温度で20分間乾燥させた。その後、ロールプレスにより、正極活物質のみかけ密度が2.4g/cm3になるまで圧延した後、未充填部にアルミニウムのリードを溶接して、以下の表1に示すリチウムイオン二次電池の正極を得た。
<比較例1−2>
実施例1−1で使用したアルミニウム混合原料粉末を金属粉末として用い、このアルミニウム混合原料粉末100質量部に対して、バインダーとしてエチルセルロースを3質量部、可塑剤としてグリセリンを6質量部、界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテルを1質量部、蒸留水を89.5質量部、発泡剤として炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤であるヘプタンを1.2質量部を添加、混合し、以下の表1に示す粘度を有する発泡性スラリーを得た。
実施例1−1で使用したアルミニウム混合原料粉末を金属粉末として用い、このアルミニウム混合原料粉末100質量部に対して、バインダーとしてエチルセルロースを3質量部、可塑剤としてグリセリンを6質量部、界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテルを1質量部、蒸留水を89.5質量部、発泡剤として炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤であるヘプタンを1.2質量部を添加、混合し、以下の表1に示す粘度を有する発泡性スラリーを得た。
次に、キャリアシートとして、表面における水との接触角が、以下の表1に示す値のポリエチレンシートを用意し、このキャリアシート上に上記得られた発泡性スラリーをドクターブレード法にて、以下の表1に示す厚さ(ウエット)になるように塗布量を調整して塗布した。更にスラリー中の発泡剤を発泡させ、発泡させた気泡を製寸化するため、温度60℃、湿度80%の条件で30分間保持した。その後、70℃の温度で乾燥させることにより、キャリアシート上にグリーンシートを形成した。次に、キャリアシートからグリーンシートを剥がし、アルゴン雰囲気中、520℃の温度で30時間加熱保持する脱脂を行った。次いで、脱脂後のグリーンシートを、アルゴン雰囲気中、665℃の温度で30分間加熱保持して焼成することにより、以下の表1に示す、所望の多孔質金属シートを得た。
次に、上記得られた多孔質金属シートを集電体として用い、この多孔質金属シートに、実施例1−1で調製したスラリー(電極ペースト)を同様の方法及び条件にて塗工した。
スラリーを塗工した後は、この多孔質金属シートをヒーターにより180℃の温度で20分間乾燥させた。その後、ロールプレスにより、正極活物質のみかけ密度が2.4g/cm3になるまで圧延した後、未充填部にアルミニウムのリードを溶接して、以下の表1に示すリチウムイオン二次電池の正極を得た。
<実施例2−1>
上記実施例1−2を比較のため実施例2−1とした。
上記実施例1−2を比較のため実施例2−1とした。
<実施例2−2>
実施例1−1で使用したアルミニウム混合原料粉末を金属粉末として用い、このアルミニウム混合原料粉末100質量部に対して、バインダーとしてエチルセルロースを3質量部、可塑剤としてグリセリンを6質量部、界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテルを1質量部、蒸留水を89.5質量部、発泡剤として炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤であるヘプタンを0.4質量部を添加、混合し、以下の表1に示す粘度を有する発泡性スラリーを得た。
実施例1−1で使用したアルミニウム混合原料粉末を金属粉末として用い、このアルミニウム混合原料粉末100質量部に対して、バインダーとしてエチルセルロースを3質量部、可塑剤としてグリセリンを6質量部、界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテルを1質量部、蒸留水を89.5質量部、発泡剤として炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤であるヘプタンを0.4質量部を添加、混合し、以下の表1に示す粘度を有する発泡性スラリーを得た。
次に、キャリアシートとして、表面における水との接触角が、以下の表1に示す値のポリエチレンシートを用意し、このキャリアシート上に上記得られた発泡性スラリーをドクターブレード法にて、以下の表1に示す厚さ(ウエット)になるように塗布量を調整して塗布した。更にスラリー中の発泡剤を発泡させ、発泡させた気泡を製寸化するため、温度60℃、湿度80%の条件で30分間保持した。その後、70℃の温度で乾燥させることにより、キャリアシート上にグリーンシートを形成した。次に、キャリアシートからグリーンシートを剥がし、アルゴン雰囲気中、520℃の温度で30時間加熱保持する脱脂を行った。次いで、脱脂後のグリーンシートを、アルゴン雰囲気中、665℃の温度で30分間加熱保持して焼成することにより、以下の表1に示す、所望の多孔質金属シートを得た。
次に、上記得られた多孔質金属シートを集電体として用い、この多孔質金属シートに、実施例1−1で調製したスラリー(電極ペースト)を同様の方法及び条件にて塗工した。
スラリーを塗工した後は、この多孔質金属シートをヒーターにより180℃の温度で20分間乾燥させた。その後、ロールプレスにより、正極活物質のみかけ密度が2.4g/cm3になるまで圧延した後、未充填部にアルミニウムのリードを溶接して、以下の表1に示すリチウムイオン二次電池の正極を得た。
<比較例2−1>
実施例1−1で使用したアルミニウム混合原料粉末を金属粉末として用い、このアルミニウム混合原料粉末100質量部に対して、バインダーとしてメチルセルロースを4質量部、可塑剤としてグリセリンを6質量部、界面活性剤としてアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.5質量部、蒸留水を82質量部、発泡剤として炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤であるヘプタンを0.7質量部を添加、混合し、以下の表1に示す粘度を有する発泡性スラリーを得た。
実施例1−1で使用したアルミニウム混合原料粉末を金属粉末として用い、このアルミニウム混合原料粉末100質量部に対して、バインダーとしてメチルセルロースを4質量部、可塑剤としてグリセリンを6質量部、界面活性剤としてアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.5質量部、蒸留水を82質量部、発泡剤として炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤であるヘプタンを0.7質量部を添加、混合し、以下の表1に示す粘度を有する発泡性スラリーを得た。
次に、キャリアシートとして、表面における水との接触角が、以下の表1に示す値のポリエチレンシートを用意し、このキャリアシート上に上記得られた発泡性スラリーをドクターブレード法にて、以下の表1に示す厚さ(ウエット)になるように塗布量を調整して塗布した。更にスラリー中の発泡剤を発泡させ、発泡させた気泡を製寸化するため、温度60℃、湿度80%の条件で30分間保持した。その後、70℃の温度で乾燥させることにより、キャリアシート上にグリーンシートを形成した。次に、キャリアシートからグリーンシートを剥がし、アルゴン雰囲気中、520℃の温度で30時間加熱保持する脱脂を行った。次いで、脱脂後のグリーンシートを、アルゴン雰囲気中、665℃の温度で30分間加熱保持して焼成することにより、以下の表1に示す、所望の多孔質金属シートを得た。
次に、上記得られた多孔質金属シートを集電体として用い、この多孔質金属シートに、実施例1−1で調製したスラリー(電極ペースト)を同様の方法及び条件にて塗工した。
スラリーを塗工した後は、この多孔質金属シートをヒーターにより140℃の温度で20分間乾燥させた。その後、ロールプレスにより、正極活物質のみかけ密度が2.4g/cm3になるまで圧延した後、未充填部にアルミニウムのリードを溶接して、以下の表1に示すリチウムイオン二次電池の正極を得た。
<比較例2−2>
実施例1−1で使用したアルミニウム混合原料粉末を金属粉末として用い、このアルミニウム混合原料粉末100質量部に対して、バインダーとしてエチルセルロースを3質量部、可塑剤としてグリセリンを6質量部、界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテルを1質量部、蒸留水を98質量部、発泡剤として炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤であるヘプタンを1.3質量部を添加、混合し、以下の表1に示す粘度を有する発泡性スラリーを得た。
実施例1−1で使用したアルミニウム混合原料粉末を金属粉末として用い、このアルミニウム混合原料粉末100質量部に対して、バインダーとしてエチルセルロースを3質量部、可塑剤としてグリセリンを6質量部、界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテルを1質量部、蒸留水を98質量部、発泡剤として炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤であるヘプタンを1.3質量部を添加、混合し、以下の表1に示す粘度を有する発泡性スラリーを得た。
次に、キャリアシートとして、表面における水との接触角が、以下の表1に示す値のポリエチレンシートを用意し、このキャリアシート上に上記得られた発泡性スラリーをドクターブレード法にて、以下の表1に示す厚さ(ウエット)になるように塗布量を調整して塗布した。更にスラリー中の発泡剤を発泡させ、発泡させた気泡を製寸化するため、温度60℃、湿度80%の条件で30分間保持した。その後、70℃の温度で乾燥させることにより、キャリアシート上にグリーンシートを形成した。次に、キャリアシートからグリーンシートを剥がし、アルゴン雰囲気中、520℃の温度で30時間加熱保持する脱脂を行った。次いで、脱脂後のグリーンシートを、アルゴン雰囲気中、665℃の温度で30分間加熱保持して焼成することにより、以下の表1に示す、所望の多孔質金属シートを得た。
次に、上記得られた多孔質金属シートを集電体として用い、この多孔質金属シートに、実施例1−1で調製したスラリー(電極ペースト)を同様の方法及び条件にて塗工した。
スラリーを塗工した後は、この多孔質金属シートをヒーターにより180℃の温度で20分間乾燥させた。その後、ロールプレスにより、正極活物質のみかけ密度が2.4g/cm3になるまで圧延した後、未充填部にアルミニウムのリードを溶接して、以下の表1に示すリチウムイオン二次電池の正極を得た。
<実施例3−1>
実施例1−1で使用したアルミニウム混合原料粉末を金属粉末として用い、このアルミニウム混合原料粉末100質量部に対して、バインダーとしてメチルセルロースを4質量部、可塑剤としてグリセリンを6質量部、界面活性剤としてアルキルベタインを0.5質量部、蒸留水を82質量部、発泡剤として炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤であるヘプタンを0.7質量部を添加、混合し、以下の表1に示す粘度を有する発泡性スラリーを得た。
実施例1−1で使用したアルミニウム混合原料粉末を金属粉末として用い、このアルミニウム混合原料粉末100質量部に対して、バインダーとしてメチルセルロースを4質量部、可塑剤としてグリセリンを6質量部、界面活性剤としてアルキルベタインを0.5質量部、蒸留水を82質量部、発泡剤として炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤であるヘプタンを0.7質量部を添加、混合し、以下の表1に示す粘度を有する発泡性スラリーを得た。
次に、キャリアシートとして、表面における水との接触角が、以下の表1に示す値のポリエチレンシートを用意し、このキャリアシート上に上記得られた発泡性スラリーをドクターブレード法にて、以下の表1に示す厚さ(ウエット)になるように塗布量を調整して塗布した。更にスラリー中の発泡剤を発泡させ、発泡させた気泡を製寸化するため、温度60℃、湿度80%の条件で30分間保持した。その後、70℃の温度で乾燥させることにより、キャリアシート上にグリーンシートを形成した。次に、キャリアシートからグリーンシートを剥がし、アルゴン雰囲気中、520℃の温度で30時間加熱保持する脱脂を行った。次いで、脱脂後のグリーンシートを、アルゴン雰囲気中、665℃の温度で30分間加熱保持して焼成することにより、以下の表1に示す、所望の多孔質金属シートを得た。
次に、上記得られた多孔質金属シートを集電体として用い、この多孔質金属シートに、実施例1−1で調製したスラリー(電極ペースト)を、同様の方法及び条件にて塗工した。
スラリーを塗工した後は、この多孔質金属シートをヒーターにより140℃の温度で20分間乾燥させた。その後、ロールプレスにより、正極活物質のみかけ密度が2.4g/cm3になるまで圧延した後、未充填部にアルミニウムのリードを溶接して、以下の表1に示すリチウムイオン二次電池の正極を得た。
<実施例3−2>
実施例1−1で使用したアルミニウム混合原料粉末を金属粉末として用い、このアルミニウム混合原料粉末100質量部に対して、バインダーとしてメチルセルロースを4質量部、可塑剤としてグリセリンを6質量部、界面活性剤としてアルキルベタインを0.5質量部、蒸留水を85質量部、発泡剤として炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤であるヘプタンを0.7質量部を添加、混合し、以下の表1に示す粘度を有する発泡性スラリーを得た。
実施例1−1で使用したアルミニウム混合原料粉末を金属粉末として用い、このアルミニウム混合原料粉末100質量部に対して、バインダーとしてメチルセルロースを4質量部、可塑剤としてグリセリンを6質量部、界面活性剤としてアルキルベタインを0.5質量部、蒸留水を85質量部、発泡剤として炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤であるヘプタンを0.7質量部を添加、混合し、以下の表1に示す粘度を有する発泡性スラリーを得た。
次に、キャリアシートとして、表面における水との接触角が、以下の表1に示す値のポリエチレンシートを用意し、このキャリアシート上に上記得られた発泡性スラリーをドクターブレード法にて、以下の表1に示す厚さ(ウエット)になるように塗布量を調整して塗布した。更にスラリー中の発泡剤を発泡させ、発泡させた気泡を製寸化するため、温度60℃、湿度80%の条件で30分間保持した。その後、70℃の温度で乾燥させることにより、キャリアシート上にグリーンシートを形成した。次に、キャリアシートからグリーンシートを剥がし、アルゴン雰囲気中、520℃の温度で30時間加熱保持する脱脂を行った。次いで、脱脂後のグリーンシートを、アルゴン雰囲気中、665℃の温度で30分間加熱保持して焼成することにより、以下の表1に示す、所望の多孔質金属シートを得た。
次に、上記得られた多孔質金属シートを集電体として用い、この多孔質金属シートに、実施例1−1で調製したスラリー(電極ペースト)を、同様の方法及び条件にて塗工した。
スラリーを塗工した後は、この多孔質金属シートをヒーターにより140℃の温度で20分間乾燥させた。その後、ロールプレスにより、正極活物質のみかけ密度が2.4g/cm3になるまで圧延した後、未充填部にアルミニウムのリードを溶接して、以下の表1に示すリチウムイオン二次電池の正極を得た。
<実施例3−3>
実施例1−1で使用したアルミニウム混合原料粉末を金属粉末として用い、このアルミニウム混合原料粉末100質量部に対して、バインダーとしてメチルセルロースを3質量部、可塑剤としてポリエチレングリコールを5質量部、界面活性剤としてアルキルベタインを0.5質量部、蒸留水を80質量部、発泡剤として炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤であるヘキサンを0.8質量部を添加、混合し、以下の表1に示す粘度を有する発泡性スラリーを得た。
実施例1−1で使用したアルミニウム混合原料粉末を金属粉末として用い、このアルミニウム混合原料粉末100質量部に対して、バインダーとしてメチルセルロースを3質量部、可塑剤としてポリエチレングリコールを5質量部、界面活性剤としてアルキルベタインを0.5質量部、蒸留水を80質量部、発泡剤として炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤であるヘキサンを0.8質量部を添加、混合し、以下の表1に示す粘度を有する発泡性スラリーを得た。
次に、キャリアシートとして、表面における水との接触角が、以下の表1に示す値のポリエチレンシートを用意し、このキャリアシート上に上記得られた発泡性スラリーをドクターブレード法にて、以下の表1に示す厚さ(ウエット)になるように塗布量を調整して塗布した。更にスラリー中の発泡剤を発泡させ、発泡させた気泡を製寸化するため、温度50℃、湿度70%の条件で30分間保持した。その後、80℃の温度で乾燥させることにより、キャリアシート上にグリーンシートを形成した。次に、キャリアシートからグリーンシートを剥がし、アルゴン雰囲気中、520℃の温度で30時間加熱保持する脱脂を行った。次いで、脱脂後のグリーンシートを、アルゴン雰囲気中、665℃の温度で30分間加熱保持して焼成することにより、以下の表1に示す、所望の多孔質金属シートを得た。
次に、上記得られた多孔質金属シートを集電体として用い、この多孔質金属シートに、実施例1−1で調製したスラリー(電極ペースト)を、同様の方法及び条件にて塗工した。
スラリーを塗工した後は、この多孔質金属シートをヒーターにより140℃の温度で20分間乾燥させた。その後、ロールプレスにより、正極活物質のみかけ密度が2.4g/cm3になるまで圧延した後、未充填部にアルミニウムのリードを溶接して、以下の表1に示すリチウムイオン二次電池の正極を得た。
<実施例3−4>
実施例1−1で使用したアルミニウム混合原料粉末を金属粉末として用い、このアルミニウム混合原料粉末100質量部に対して、バインダーとしてメチルセルロースを3質量部、可塑剤としてポリエチレングリコールを5質量部、界面活性剤としてアルキルベタインを0.5質量部、蒸留水を85質量部、発泡剤として炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤であるヘキサンを0.8質量部を添加、混合し、以下の表1に示す粘度を有する発泡性スラリーを得た。
実施例1−1で使用したアルミニウム混合原料粉末を金属粉末として用い、このアルミニウム混合原料粉末100質量部に対して、バインダーとしてメチルセルロースを3質量部、可塑剤としてポリエチレングリコールを5質量部、界面活性剤としてアルキルベタインを0.5質量部、蒸留水を85質量部、発泡剤として炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤であるヘキサンを0.8質量部を添加、混合し、以下の表1に示す粘度を有する発泡性スラリーを得た。
次に、キャリアシートとして、表面における水との接触角が、以下の表1に示す値のポリエチレンシートを用意し、このキャリアシート上に上記得られた発泡性スラリーをドクターブレード法にて、以下の表1に示す厚さ(ウエット)になるように塗布量を調整して塗布した。更にスラリー中の発泡剤を発泡させ、発泡させた気泡を製寸化するため、温度50℃、湿度70%の条件で30分間保持した。その後、80℃の温度で乾燥させることにより、キャリアシート上にグリーンシートを形成した。次に、キャリアシートからグリーンシートを剥がし、アルゴン雰囲気中、520℃の温度で30時間加熱保持する脱脂を行った。次いで、脱脂後のグリーンシートを、アルゴン雰囲気中、665℃の温度で30分間加熱保持して焼成することにより、以下の表1に示す、所望の多孔質金属シートを得た。
次に、上記得られた多孔質金属シートを集電体として用い、この多孔質金属シートに、実施例1−1で調製したスラリー(電極ペースト)を、同様の方法及び条件にて塗工した。
スラリーを塗工した後は、この多孔質金属シートをヒーターにより140℃の温度で20分間乾燥させた。その後、ロールプレスにより、正極活物質のみかけ密度が2.4g/cm3になるまで圧延した後、未充填部にアルミニウムのリードを溶接して、以下の表1に示すリチウムイオン二次電池の正極を得た。
<実施例3−5>
実施例1−1で使用したアルミニウム混合原料粉末を金属粉末として用い、このアルミニウム混合原料粉末100質量部に対して、バインダーとしてメチルセルロースを3質量部、可塑剤としてポリエチレングリコールを5質量部、界面活性剤としてアルキルベタインを0.5質量部、蒸留水を78質量部、発泡剤として炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤であるヘキサンを0.8質量部を添加、混合し、以下の表1に示す粘度を有する発泡性スラリーを得た。
実施例1−1で使用したアルミニウム混合原料粉末を金属粉末として用い、このアルミニウム混合原料粉末100質量部に対して、バインダーとしてメチルセルロースを3質量部、可塑剤としてポリエチレングリコールを5質量部、界面活性剤としてアルキルベタインを0.5質量部、蒸留水を78質量部、発泡剤として炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤であるヘキサンを0.8質量部を添加、混合し、以下の表1に示す粘度を有する発泡性スラリーを得た。
次に、キャリアシートとして、表面における水との接触角が、以下の表1に示す値のポリエチレンシートを用意し、このキャリアシート上に上記得られた発泡性スラリーをドクターブレード法にて、以下の表1に示す厚さ(ウエット)になるように塗布量を調整して塗布した。更にスラリー中の発泡剤を発泡させ、発泡させた気泡を製寸化するため、温度50℃、湿度70%の条件で30分間保持した。その後、80℃の温度で乾燥させることにより、キャリアシート上にグリーンシートを形成した。次に、キャリアシートからグリーンシートを剥がし、アルゴン雰囲気中、520℃の温度で30時間加熱保持する脱脂を行った。次いで、脱脂後のグリーンシートを、アルゴン雰囲気中、665℃の温度で30分間加熱保持して焼成することにより、以下の表1に示す、所望の多孔質金属シートを得た。
次に、上記得られた多孔質金属シートを集電体として用い、この多孔質金属シートに、実施例1−1で調製したスラリー(電極ペースト)を、同様の方法及び条件にて塗工した。
スラリーを塗工した後は、この多孔質金属シートをヒーターにより140℃の温度で20分間乾燥させた。その後、ロールプレスにより、正極活物質のみかけ密度が2.4g/cm3になるまで圧延した後、未充填部にアルミニウムのリードを溶接して、以下の表1に示すリチウムイオン二次電池の正極を得た。
<実施例3−6>
実施例1−1で使用したアルミニウム混合原料粉末を金属粉末として用い、このアルミニウム混合原料粉末100質量部に対して、バインダーとしてメチルセルロースを3質量部、可塑剤としてポリエチレングリコールを5質量部、界面活性剤としてアルキルベタインを0.5質量部、蒸留水を75質量部、発泡剤として炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤であるヘキサンを0.8質量部を添加、混合し、以下の表1に示す粘度を有する発泡性スラリーを得た。
実施例1−1で使用したアルミニウム混合原料粉末を金属粉末として用い、このアルミニウム混合原料粉末100質量部に対して、バインダーとしてメチルセルロースを3質量部、可塑剤としてポリエチレングリコールを5質量部、界面活性剤としてアルキルベタインを0.5質量部、蒸留水を75質量部、発泡剤として炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤であるヘキサンを0.8質量部を添加、混合し、以下の表1に示す粘度を有する発泡性スラリーを得た。
次に、キャリアシートとして、表面における水との接触角が、以下の表1に示す値のポリエチレンシートを用意し、このキャリアシート上に上記得られた発泡性スラリーをドクターブレード法にて、以下の表1に示す厚さ(ウエット)になるように塗布量を調整して塗布した。更にスラリー中の発泡剤を発泡させ、発泡させた気泡を製寸化するため、温度50℃、湿度70%の条件で30分間保持した。その後、80℃の温度で乾燥させることにより、キャリアシート上にグリーンシートを形成した。次に、キャリアシートからグリーンシートを剥がし、アルゴン雰囲気中、520℃の温度で30時間加熱保持する脱脂を行った。次いで、脱脂後のグリーンシートを、アルゴン雰囲気中、665℃の温度で30分間加熱保持して焼成することにより、以下の表1に示す、所望の多孔質金属シートを得た。
次に、上記得られた多孔質金属シートを集電体として用い、この多孔質金属シートに、実施例1−1で調製したスラリー(電極ペースト)を、同様の方法及び条件にて塗工した。
スラリーを塗工した後は、この多孔質金属シートをヒーターにより140℃の温度で20分間乾燥させた。その後、ロールプレスにより、正極活物質のみかけ密度が2.4g/cm3になるまで圧延した後、未充填部にアルミニウムのリードを溶接して、以下の表1に示すリチウムイオン二次電池の正極を得た。
<比較例3>
実施例1−1で使用したアルミニウム混合原料粉末を金属粉末として用い、このアルミニウム混合原料粉末100質量部に対して、バインダーとしてメチルセルロースを3質量部、可塑剤としてポリエチレングリコールを5質量部、界面活性剤としてアルキルベタインを0.5質量部、蒸留水を85質量部、発泡剤として炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤であるヘキサンを1質量部を添加、混合し、以下の表1に示す粘度を有する発泡性スラリーを得た。
実施例1−1で使用したアルミニウム混合原料粉末を金属粉末として用い、このアルミニウム混合原料粉末100質量部に対して、バインダーとしてメチルセルロースを3質量部、可塑剤としてポリエチレングリコールを5質量部、界面活性剤としてアルキルベタインを0.5質量部、蒸留水を85質量部、発泡剤として炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤であるヘキサンを1質量部を添加、混合し、以下の表1に示す粘度を有する発泡性スラリーを得た。
次に、キャリアシートとして、表面における水との接触角が、以下の表1に示す値のポリエチレンシートを用意し、このキャリアシート上に上記得られた発泡性スラリーをドクターブレード法にて、以下の表1に示す厚さ(ウエット)になるように塗布量を調整して塗布した。更にスラリー中の発泡剤を発泡させ、発泡させた気泡を製寸化するため、温度50℃、湿度70%の条件で30分間保持した。その後、80℃の温度で乾燥させることにより、キャリアシート上にグリーンシートを形成した。次に、キャリアシートからグリーンシートを剥がし、アルゴン雰囲気中、520℃の温度で30時間加熱保持する脱脂を行った。次いで、脱脂後のグリーンシートを、アルゴン雰囲気中、665℃の温度で30分間加熱保持して焼成することにより、以下の表1に示す、所望の多孔質金属シートを得た。
次に、上記得られた多孔質金属シートを集電体として用い、この多孔質金属シートに、実施例1−1で調製したスラリー(電極ペースト)を同様の方法及び条件にて塗工した。
スラリーを塗工した後は、この多孔質金属シートをヒーターにより140℃の温度で20分間乾燥させた。その後、ロールプレスにより、正極活物質のみかけ密度が2.4g/cm3になるまで圧延した後、未充填部にアルミニウムのリードを溶接して、以下の表1に示すリチウムイオン二次電池の正極を得た。
<実施例4−1>
実施例1−1で使用したアルミニウム混合原料粉末を金属粉末として用い、このアルミニウム混合原料粉末100質量部に対して、バインダーとしてメチルセルロースを3質量部、可塑剤としてポリエチレングリコールを5質量部、界面活性剤としてアルキルベタインを0.5質量部、蒸留水を75質量部、発泡剤として炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤であるヘキサンを1質量部を添加、混合し、以下の表1に示す粘度を有する発泡性スラリーを得た。
実施例1−1で使用したアルミニウム混合原料粉末を金属粉末として用い、このアルミニウム混合原料粉末100質量部に対して、バインダーとしてメチルセルロースを3質量部、可塑剤としてポリエチレングリコールを5質量部、界面活性剤としてアルキルベタインを0.5質量部、蒸留水を75質量部、発泡剤として炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤であるヘキサンを1質量部を添加、混合し、以下の表1に示す粘度を有する発泡性スラリーを得た。
次に、キャリアシートとして、表面における水との接触角が、以下の表1に示す値のポリエチレンシートを用意し、このキャリアシート上に上記得られた発泡性スラリーをドクターブレード法にて、以下の表1に示す厚さ(ウエット)になるように塗布量を調整して塗布した。更にスラリー中の発泡剤を発泡させ、発泡させた気泡を製寸化するため、温度50℃、湿度70%の条件で30分間保持した。その後、80℃の温度で乾燥させることにより、キャリアシート上にグリーンシートを形成した。次に、キャリアシートからグリーンシートを剥がし、アルゴン雰囲気中、520℃の温度で30時間加熱保持する脱脂を行った。次いで、脱脂後のグリーンシートを、アルゴン雰囲気中、665℃の温度で30分間加熱保持して焼成することにより、以下の表1に示す、所望の多孔質金属シートを得た。
次に、上記得られた多孔質金属シートを集電体として用い、この多孔質金属シートに、スラリー(電極ペースト)を同様の方法及び条件にて塗工した。なお、スラリー(電極ペースト)は、正極活物質として、LiNi1/3Mn1/3Co1/3O2(NMC)の代わりに、平均粒径が5μmのLiCoO2(LCO)を用いたこと以外は、実施例1−1と同様にして調製した。
スラリーを塗工した後は、この多孔質金属シートをヒーターにより140℃の温度で20分間乾燥させた。その後、ロールプレスにより、正極活物質のみかけ密度が2.4g/cm3になるまで圧延した後、未充填部にアルミニウムのリードを溶接して、以下の表1に示すリチウムイオン二次電池の正極を得た。
<実施例4−2>
実施例1−1で使用したアルミニウム混合原料粉末を金属粉末として用い、このアルミニウム混合原料粉末100質量部に対して、バインダーとしてメチルセルロースを3質量部、可塑剤としてポリエチレングリコールを5質量部、界面活性剤としてアルキルベタインを0.5質量部、蒸留水を74質量部、発泡剤として炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤であるヘキサンを1質量部を添加、混合し、以下の表1に示す粘度を有する発泡性スラリーを得た。
実施例1−1で使用したアルミニウム混合原料粉末を金属粉末として用い、このアルミニウム混合原料粉末100質量部に対して、バインダーとしてメチルセルロースを3質量部、可塑剤としてポリエチレングリコールを5質量部、界面活性剤としてアルキルベタインを0.5質量部、蒸留水を74質量部、発泡剤として炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤であるヘキサンを1質量部を添加、混合し、以下の表1に示す粘度を有する発泡性スラリーを得た。
次に、キャリアシートとして、表面における水との接触角が、以下の表1に示す値のポリエチレンシートを用意し、このキャリアシート上に上記得られた発泡性スラリーをドクターブレード法にて、以下の表1に示す厚さ(ウエット)になるように塗布量を調整して塗布した。更にスラリー中の発泡剤を発泡させ、発泡させた気泡を製寸化するため、温度50℃、湿度70%の条件で30分間保持した。その後、80℃の温度で乾燥させることにより、キャリアシート上にグリーンシートを形成した。次に、キャリアシートからグリーンシートを剥がし、アルゴン雰囲気中、520℃の温度で30時間加熱保持する脱脂を行った。次いで、脱脂後のグリーンシートを、アルゴン雰囲気中、665℃の温度で30分間加熱保持して焼成することにより、以下の表1に示す、所望の多孔質金属シートを得た。
次に、上記得られた多孔質金属シートを集電体として用い、この多孔質金属シートに、スラリー(電極ペースト)を、同様の方法及び条件にて塗工した。なお、スラリー(電極ペースト)は、正極活物質として、LiNi1/3Mn1/3Co1/3O2(NMC)の代わりに、平均粒径が8μmのLiFePO4(LFP)を用いたこと、導電助剤としてアセチレンブラックの代わりに、平均繊維径が15nm、平均繊維長が2μmのカーボンナノファイバを使用したこと、及びNMPの総量は90質量部としたこと以外は、実施例1−1と同様にして調製した。
スラリーを塗工した後は、この多孔質金属シートをヒーターにより140℃の温度で20分間乾燥させた。その後、ロールプレスにより、正極活物質のみかけ密度が1.6g/cm3になるまで圧延した後、未充填部にアルミニウムのリードを溶接して、以下の表1に示すリチウムイオン二次電池の正極を得た。
<比較試験及び評価>
実施例1−1〜4−2及び比較例1−1〜3で得られた多孔質金属シートについて、厚さ、平均孔径、空隙率、開孔率を計測又は算出した。また、実施例、比較例で作製した正極を用いて、放電容量及び放電維持率を測定又は算出した。その結果を以下の表1に示す。
実施例1−1〜4−2及び比較例1−1〜3で得られた多孔質金属シートについて、厚さ、平均孔径、空隙率、開孔率を計測又は算出した。また、実施例、比較例で作製した正極を用いて、放電容量及び放電維持率を測定又は算出した。その結果を以下の表1に示す。
(1) 厚さ:マイクロメータ(最小表示値0.001mm)を用いて測定した。
(2) 平均孔径:多孔質金属シートの断面をSEMにより観察し、無造作に選んだ10ヶ所それぞれの径を測定し、これらの平均値を求めた。
(3) 開孔率:マイクロスコープ(倍率50倍)で多孔質金属シートの一方の面(A面)、及び他方の面(B面)を撮影し、その撮影画像を画像処理ソフト(三谷商事株式会社製ウインルーフ)を用いて、撮影面積に対する孔の面積比率(%)を測定した。それぞれ3視野の測定を行い平均値をそれぞれ開孔率A、開孔率Bとした。
(4) 空隙率:多孔質金属シートの寸法と重量を測定し、JIS H7903に準拠して計算により求めた。なお、多孔質体の真密度として、2.7g/cm3を用いた。また、空隙率とは多孔質金属シート内部の空間がシートの全体積に占める割合を意味する。
(5) 放電容量:実施例1−1〜4−2及び比較例1−1〜3で形成した正極を用いて、充放電試験用セルをそれぞれ作製し、小電流(3.5mA/cm2)での放電容量と、大電流(17.5mA/cm2)での放電容量を測定した。なお、通常、リチウムイオン二次電池では負極としてハードカーボン、ソフトカーボン、人造黒鉛、天然黒鉛等の炭素材料が用いられるが、正極単独での特性を評価するため、対極(或いは負極)として金属リチウム板を用いて測定を行った。
具体的には、先ず厚さ0.5mmのリチウム板を、縦及び横がそれぞれ3.4cmである正方形板状に切り抜き、ニッケルのリードを圧着して、対極(或いは負極)を作製した。次に多孔質ポリエチレンシートを2枚の多孔質ポリプロピレンシートで挟んだ積層構造からなるセパレータを正極より大きめに切り抜いた。そしてこのセパレータを挟んで、正極の活物質充填部が対極と対向するように配置した。更に電解液として、エチレンカーボネート(EC:炭酸エチレン)とジエチルカーボネート(DEC:炭酸ジエチル)を体積比で1:1で混合した溶媒に1M濃度の六フッ化リン酸リチウムを溶解した液(1M-LiPF6溶液(宇部興産社製))を用いた。この電解液をセパレータ及び電極の活物質層に染み込ませた後に、アルミラミネートフィルム内に収納し、予め正極と対極に接続しておいたリードの先端が外部に出るように配置して密閉することで、充放電試験用セルを作製した。
放電容量の測定はアスカ電子製充放電試験機(ACD01)を用い、以下の通り行った。充電は定電流・定電圧法とし、充電電流は0.2C(0.2×活物質量[g/cm2]×150[mA/g])、最大充電電圧は活物質にLFPを用いた場合は3.6V、その他の活物質を用いた場合は4.2Vとし、充電時間は6時間とした。放電は定電流法とし、小電流(3.5mA/cm2)での放電容量と、大電流(17.5mA/cm2)での放電容量を測定した。このときの放電終止条件は、活物質がLFPの場合は電圧が2.0V以下、その他の活物質の場合は電圧が3.0V以下となった時点とした
(6) 容量維持率:上記放電容量試験と同様に充放電試験用セル作製し、放電容量試験の小電流(3.5mA/cm2)放電と同じ条件にて充放電を繰り返し、20サイクル目の放電容量を1サイクル目の放電容量で除した値を百分率で表したものを容量維持率とした。
表1から明らかなように、実施例1−1〜1−5と比較例1−1,1−2を比較すると、多孔質金属シートの厚さが100μmに満たない比較例1−1では、正極の強度不足により放電容量の測定ができなかった。一方、厚さが3000μmを超える比較例1−2では、特に大電流放電における放電容量が低い値を示した。これに対して、多孔質金属シートの厚さが所望の範囲にある実施例1−1〜1−5では、小電流、大電流放電の双方において放電容量が高い値を示し、充放電特性の面で優れた結果が得られた。
また、実施例2−1,2−2と比較例2−1,2−2を比較すると、連続孔の平均孔径が50μmに満たない比較例2−1、及び連続孔の平均孔径が800μmを超える比較例2−2では、特に大電流放電における放電容量が低い値を示した。これに対して、連続孔の平均孔径が所望の範囲に制御された実施例2−1,2−2では、小電流、大電流放電の双方において放電容量が高い値を示し、充放電特性の面で優れた結果が得られた。
また、実施例3−1〜3−6と比較例3を比較すると、開孔率A及び開孔率Bが同じ値を示す比較例3では、大電流放電における放電容量が非常に低い値を示した。開孔率Aの値が30%、開孔率Bの値が15%に満たない実施例3−1では、実施例3−2,3−3,3−5と比べると大電流放電における放電容量の値が若干低下したものの、比較例3よりも高い値を示した。また、開孔率Bの値が35%を超える実施例3−4では、実施例3−2,3−3,3−5と比べると20サイクル後の容量維持率等が若干低下した。また、開孔率Aの値が70%、開孔率Bの値が35%を超える実施例3−6では、実施例3−2,3−3,3−5と比べると20サイクル後の容量維持率が若干低下した。一方、開孔率A、開孔率Bの値のいずれもが所望の範囲にある実施例3−2,3−3,3−5では小電流、大電流放電の双方において放電容量が高い値を示し、20サイクル後の容量維持率も高い値を示した。
また、実施例3−1〜3−6と比較例3を比較すると、開孔率A及び開孔率Bが同じ値を示す比較例3では、大電流放電における放電容量が非常に低い値を示した。開孔率Aの値が30%、開孔率Bの値が15%に満たない実施例3−1では、実施例3−2,3−3,3−5と比べると大電流放電における放電容量の値が若干低下したものの、比較例3よりも高い値を示した。また、開孔率Bの値が35%を超える実施例3−4では、実施例3−2,3−3,3−5と比べると20サイクル後の容量維持率等が若干低下した。また、開孔率Aの値が70%、開孔率Bの値が35%を超える実施例3−6では、実施例3−2,3−3,3−5と比べると20サイクル後の容量維持率が若干低下した。一方、開孔率A、開孔率Bの値のいずれもが所望の範囲にある実施例3−2,3−3,3−5では小電流、大電流放電の双方において放電容量が高い値を示し、20サイクル後の容量維持率も高い値を示した。
また、正極活物質にLiCoO2(LCO)、LiFePO4(LFP)を用いた実施例4−1、4−2においても、LiNi1/3Mn1/3Co1/3O2(NMC)を正極活物質に用いた実施例1−1等と同様、放電容量が高い値を示し、充放電特性の面で優れた結果が得られた。
本発明は、リチウムイオン二次電池、特に大電流による充放電が求められる大型のリチウムイオン二次電池の製造等に好適に利用することができる。
Claims (9)
- 連続孔を有する多孔質金属シートからなる正極集電体の内部に正極活物質と導電助剤を含むスラリーを充填させて形成したリチウムイオン二次電池用の正極において、
前記多孔質金属シートが100〜3000μm厚を有する単一のシートからなり、
前記多孔質金属シートを表面視したときに、前記多孔質金属シートの一方の面に露出している孔の総面積が、前記多孔質金属シートの他方の面に露出している孔の総面積より大きく、
前記連続孔はその平均孔径が50〜800μmの範囲にある
ことを特徴とするリチウムイオン二次電池用の正極。 - 前記多孔質金属シートの一方の面の総面積に占める前記一方の面に露出している孔の総面積の割合を開孔率Aとし、前記多孔質金属シートの他方の面の総面積に占める前記他方の面に露出している孔の総面積の割合を開孔率Bとするとき、A>Bであって、Aが30〜70%の範囲にあり、Bが15〜35%の範囲にある請求項1記載のリチウムイオン二次電池用の正極。
- 前記多孔質金属シートがアルミニウム又はアルミニウム合金からなる発泡焼結シートである請求項1又は2記載のリチウムイオン二次電池用の正極。
- 前記正極活物質がLiCoO2、LiFePO4、LiNi1/3Mn1/3Co1/3O2、LiMn2O4及びLiNi0.8Co0.15Al0.05O2からなる群より選ばれたリチウム金属酸化物の少なくとも1種である請求項1ないし3いずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用の正極。
- 前記導電助剤がアセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノファイバ及びカーボンナノチューブからなる群より選ばれた炭素材料の少なくとも1種である請求項1ないし4いずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用の正極。
- 連続孔を有する多孔質金属シートであって、前記多孔質金属シートを表面視したときに、前記多孔質金属シートの一方の面に露出している孔の総面積が、前記多孔質金属シートの他方の面に露出している孔の総面積より大きい多孔質金属シートを作製し、
溶媒に結着剤と導電助剤と正極活物質を均一に混合させてスラリーを調製し、
前記スラリーを前記多孔質金属シートの前記一方の面からスロットダイコーティングにより圧力をかけて前記連続孔に充填し、
前記スラリーを充填した多孔質金属シートを乾燥し圧延することにより前記多孔質金属シートからなる正極集電体に電極層を形成する
ことを特徴とするリチウムイオン二次電池用の正極の製造方法。 - ダイリップに対向する正極集電体の部分を浮遊させた状態で前記ダイコーティングを行う請求項6記載のリチウムイオン二次電池用の正極の製造方法。
- 金属粉末を少なくともバインダー及び発泡剤と混合することによって粘度が10〜60Pa・sの範囲にある発泡性スラリーを調製し、前記発泡性スラリーを水との接触角が20〜70度の範囲にあるキャリアシート上に塗工し、前記塗工後の発泡性スラリーを前記キャリアシート上で発泡させた後に乾燥させることによってグリーンシートを成形し、前記グリーンシートを焼成することにより、前記多孔質金属シートを作製する請求項6又は7記載のリチウムイオン二次電池用の正極の製造方法。
- 請求項1ないし5いずれか1項に記載の正極又は請求項6ないし8いずれか1項に記載の方法により製造された正極を用いたリチウムイオン二次電池。
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