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JP2014181263A - 画像表示装置の製造方法および画像表示装置 - Google Patents

画像表示装置の製造方法および画像表示装置 Download PDF

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JP2014181263A JP2013055575A JP2013055575A JP2014181263A JP 2014181263 A JP2014181263 A JP 2014181263A JP 2013055575 A JP2013055575 A JP 2013055575A JP 2013055575 A JP2013055575 A JP 2013055575A JP 2014181263 A JP2014181263 A JP 2014181263A
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Hiroyuki Sakane
裕之 坂根
Toshio Ishikawa
豪生 石川
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Kaneka Corp
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Abstract

【課題】光により速硬化が可能で、かつ暗部においても簡易かつ速やかに硬化する、画像表示モジュール/透光性カバーボード貼り合わせ用二液型硬化性組成物を用いた画像表示装置の製造方法を提供する。
【解決手段】透光性保護カバーボード1と画像表示モジュール2に硬化性組成物(I)5と硬化性組成物(II)4を、それぞれの組成物が接触しないように塗布し、貼りあわせて接触させた後、光照射を行う画像表示装置の製造方法に関し、硬化性組成物(I)5が、重合性の炭素―炭素二重結合を1個以上有する化合物(A)、第4周期遷移金属元素化合物(B)、還元剤(C)を含有し、硬化性組成物(II)4が、前記化合物(A)、光重合開始剤(D)、有機過酸化物(E)を含有し、硬化性組成物(I)5および硬化性組成物(II)4の少なくとも一方が、隣接したカルボニル基とビニル基を持つ特定の化合物を含む。
【選択図】図1

Description

2種類の硬化性組成物(I)および(II)からなる二液型硬化性組成物を用いる画像表示装置の製造方法、画像表示装置、および画像表示装置を搭載した電気・電子機器に関する。
携帯電話、スマートフォン、タブレットに代表される画像表示に用いられる液晶モジュールや有機ELモジュールなどは、これらモジュールの最前面に透明の保護カバーを配置し、モジュールと保護カバーの間に空気層を設けている。この構造により、これら画像表示装置が落下などにより物理的衝撃を受けても、モジュールに傷がつくなどの衝撃の影響を受けにくくなっている。
近年、これら画像表示装置の視認性改良と耐衝撃性付与の観点から、従来の空気層を光で硬化可能な硬化性樹脂組成物で充填する方法が用いられている。
しかし、表面保護カバー一体型のタッチセンサーパネルに代表される、携帯電話、タッチパネルへの意匠性付与を目的とした最表面の保護カバーのデザインの複雑化により、硬化のためのトリガーであるUV光が透過しない領域が増加し、未反応となる部分ができるという不具合が生じている。不具合箇所の具体例としては、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の画像表示モジュールと、保護カバーまたはタッチパネルとの貼り合わせや、保護カバーとタッチパネルとの貼りあわせにおいて、保護カバー周縁に加飾目的で施される黒枠(ブラックマトリックス)、タッチパネルの電極、画像表示モジュールに接続されたフレキシブルプリント基板(FPC)等、光を透過しない部位の下(暗部)が該当し、光硬化性組成物による画像表示モジュール貼り合わせにおいて、暗部に未反応の液状組成物が残留、漏出し画像表示モジュールの汚染を引き起こすという問題があった。
その対策として、例えば、UV硬化用の開始剤に加え、熱重合開始剤を添加することで、UV照射後、加熱雰囲気下で完全硬化させる方法が提案されている。ただし、本改善方法は暗部での硬化性が確保できるものの、画像表示モジュールや保護カバーの構成部材が加熱により変形することがあり、適応範囲が限定的であることと共に、熱硬化には長時間にわたる加熱が不可欠であり、生産性の点でも改善が必要となっている。
その他の対策として、UV硬化用の開始剤とレドックス型硬化開始剤を併用するものがある(特許文献1〜4)。レドックス型硬化開始剤には例えば有機過酸化物が用いられ、硬化反応促進剤として遷移金属化合物やアミン等の還元性重合促進剤が系中に添加されることで、常温下でも速やかに反応を開始し、暗部をレドックス硬化させる方法がある。通常は過酸化物を含む組成物成分と、硬化反応促進剤を含む組成物成分とを別々に用意し、硬化する直前に両者を混合の上、必要箇所に供給する方法がとられる。本方法の利点は、適当な有機化酸化物と硬化反応促進剤を組み合わせることで硬化時間を任意に調整できることであるが、レドックス硬化で得られる硬化物は強い着色や白化を呈することが多く、また高温下においてはさらに変色するなど、画像表示モジュールの貼り合わせのような外観に高い品質が求められる用途への使用が事実上不可能であるという問題があった。この問題について、光重合開始剤と過酸化物を含む第一液と、前記過酸化物を分解しうる還元剤を含む第二液をそれぞれ作成し、この第二液を暗部に塗布し貼りあわせる方法が提案されている(特許文献5)。この方法では視認部は光照射により速硬化し、暗部は二液接触により過酸化物が分解することで重合が開始し、光の当たらない暗部も硬化できる。しかし、暗部での反応が混合ではなく接触による反応のため、反応に関与する成分の衝突頻度が低く、完全に硬化するまでに比較的長い時間を要するため、生産の高速化という点では改善の余地を残していた。また接触界面より離れた位置が硬化しにくいため、未硬化成分が残ってしまい、高温下において未硬化成分がモジュール外部に漏出する、モジュール内部に浸透し表示部分を汚染する、硬化性組成物の着色が視認部に染み出るなど、信頼性の点でさらなる改善の余地を残していた。
特開平5−320284号公報 特開2009−108274号公報 特開2009−079204号公報 特開2006−299257号公報 特開2012−219180号公報
本発明は、光により速硬化が可能で、かつ暗部においても簡易かつ速やかに硬化する画像表示モジュール/透光性保護カバーボード貼り合わせ用の2種類の硬化性組成物(I)および(II)からなる二液型硬化性組成物を用いることによる意匠部の外観品質が良好な画像表示装置の製造方法、および画像表示装置を提供することを目的とする。
上記問題を解決するために、鋭意検討を行った結果、本発明を完成させるに至った。すなわち本発明は、
透光性保護カバーボードおよび/または画像表示モジュールの、透光性保護カバーボードと画像表示モジュールを貼りあわせた際に光の到達しない暗部になる部分に硬化性組成物(I)を、透光性保護カバーボードおよび/又は画像表示モジュールの、硬化性組成物(I)と接触しない部分に硬化性組成物(II)を塗布し、透光性保護カバーボードと画像表示装置を貼りあわせて硬化性組成物(I)と(II)を接触させた後、光照射を行う画像表示装置の製造方法に関し、
硬化性組成物(I)が、重合性の炭素―炭素二重結合を少なくとも1個以上有する化合物(A)、第4周期遷移金属元素化合物(B)、還元剤(C)を含有し、
硬化性組成物(II)が、前記化合物(A)、光重合開始剤(D)、有機過酸化物(E)を含有し、
硬化性組成物(I)および硬化性組成物(II)の少なくとも一方が、化合物(A)として下記一般式(1)〜(3)で示される化合物のうち少なくとも1成分を含む画像表示装置の製造方法に関する。
Figure 2014181263
(式中、RおよびRは水素もしくは炭素数1〜20からなる置換もしくは非置換の直鎖あるいは分枝構造を有する炭化水素基であり、炭化水素の結合の一部がエーテル結合、エステル結合、アミノ結合、アミド結合などで置換されていても構わない。Rは、炭素数1〜20からなる置換もしくは非置換の直鎖あるいは分枝構造を有する炭化水素基であり、炭化水素の結合の一部がエーテル結合、エステル結合、アミノ結合、アミド結合などで置換されていても構わない。Rが水素以外の場合、RとRが互いに結合して環状構造を形成していても構わない。)
Figure 2014181263
Figure 2014181263
(式中、Rは一般式(1)におけるRと同等である。Rは水素もしくは炭素数1〜20からなる置換もしくは非置換の炭化水素基であり、エーテル結合、エステル結合、アミノ結合、アミド結合などで置換されていても構わない。Rは炭素数1〜20からなる置換もしくは非置換の2価の炭化水素基、またはエーテル結合、エステル結合、アミノ結合、アミド結合を有する炭素数1〜20の2価の基である。QはRと同等、もしくはヘテロ原子、から選択される基。)
一般式(1)〜(3)で示される化合物の添加量が、一般式(1)〜(3)で示される化合物が含まれる硬化性組成物(I)または硬化性組成物(II)中の(A)成分全体の重量に対し、10重量%から40重量%であることが好ましい。
硬化性組成物(I)および/または硬化性組成物(II)の(A)成分が、重合体もしくはオリゴマーであることが好ましい。
(A)成分の重合体もしくはオリゴマーが、ビニル系重合体であることが好ましい。
(A)成分のビニル系重合体がポリイソブチレン、水素添加ポリイソプレン、水素添加ポリブタジエン、並びに、(メタ)アクリル酸系モノマー、アクリロニトリル系モノマー、芳香族ビニル系モノマー、フッ素含有ビニル系モノマー及びケイ素含有ビニル系モノマーからなる群から選ばれるモノマーを主として重合して製造されるものである重合体から少なくとも一種選択されることが好ましい。
(A)成分における重合性の炭素−炭素二重結合が、一般式(4)で表されることが好ましい。
−Z−C(=O)−C(R)=CH (4)
(式中、Rは水素もしくは炭素数1〜20からなる置換もしくは非置換の直鎖あるいは分枝構造を有する炭化水素基であり、炭化水素の結合の一部がエーテル結合、エステル結合、アミノ結合、アミド結合などで置換されていても構わない。Zはヘテロ原子、NR(Rは、水素原子、または、置換あるいは非置換の炭素原子数1から20の炭化水素基)から選択される基である。)
(B)成分の添加量が、硬化性組成物(I)中の(A)成分100重量部に対して0.5重量部〜2重量部であることが好ましい。
(B)成分が、バナジウム、チタン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅の有機酸塩または金属キレート化合物のうち少なくとも一成分より選ばれることが好ましい。
(C)成分の添加量が、硬化性組成物(I)中の(A)成分100重量部に対して0.5重量部〜15重量部であることが好ましい。
(C)成分が、第3級アミン、オルトベンゾイックスルフィミド、メルカプタン、チオ尿素化合物、およびこれらの塩のうち少なくとも一成分より選ばれることが好ましい。
(D)成分の添加量が、硬化性組成物(II)中の(A)成分100重量部に対して0.025重量部〜2重量部であることが好ましい。
(E)成分の添加量が、硬化性組成物(II)中の(A)成分100重量部に対して0.1重量部〜2重量部であることが好ましい。
(E)成分がハイドロパーオキサイドであることが好ましい。
上記方法で製造された画像表示装置に関する。
上記に記載の画像表示装置を搭載した、電気・電子機器に関する。
本発明によれば、接触もしくは混合により過酸化物の分解を起こし重合を開始する、2液接触硬化性組成物の組み合わせの少なくとも一方に特定の(メタ)アクリル系化合物を含有させることで、二液接触時に重合開始ラジカルを効率よく発生させ、硬化に至らしめるまでの時間を大幅に短縮でき、暗部からの液漏れ、さらには暗部の剥離を防止させることができる。本発明により、製品信頼性に優れた画像表示装置の供給が可能となる。
透光性保護カバーボードに硬化性組成物(I)および硬化性組成物(II)を塗布し、液晶モジュールに貼り合わせを行うことを示す図である。 透光性保護カバーボードと液晶モジュールを貼りあわせた直後の図である。 図2から続き、透光性保護カバーボードと液晶モジュールを貼りあわせ、硬化性組成物(II)が濡れ広がって硬化性組成物(I)と接触して反応し、硬化性組成物(I)が硬化したときの図である。 図3から続き、透光性保護カバーボードと液晶モジュールを貼りあわせ、透光性保護カバーボードの側から光照射を行い、硬化性組成物(II)が硬化したときの図である。 二液接触における反応性を評価するため、2つのソーダガラスそれぞれに硬化性組成物(I)および硬化性組成物(II)を塗布し、貼り合わせを行うときの図である。
本発明は、透光性保護カバーボードおよび/または画像表示モジュールの、透光性保護カバーボードと画像表示モジュールを貼りあわせた際に光の到達しない暗部になる部分に硬化性組成物(I)を、透光性保護カバーボードおよび/又は画像表示モジュールの、硬化性組成物(I)と接触しない部分に硬化性組成物(II)を塗布し、透光性保護カバーボードと画像表示装置を貼りあわせて硬化性組成物(I)と(II)を接触させた後、光照射を行う画像表示装置の製造方法であって、
硬化性組成物(I)が、重合性の炭素―炭素二重結合を1個以上有する化合物(A)、第4周期遷移金属元素化合物(B)、還元剤(C)を含有し、
硬化性組成物(II)が、前記化合物(A)、光重合開始剤(D)、有機過酸化物(E)を含有し、
硬化性組成物(I)および硬化性組成物(II)の少なくとも一方が化合物(A)として下記一般式(1)〜(3)で示される化合物のうち少なくとも1成分を含む画像表示装置の製造方法に関する。
Figure 2014181263
(式中、RおよびRは水素もしくは炭素数1〜20からなる置換もしくは非置換の直鎖あるいは分枝構造を有する炭化水素基であり、炭化水素の結合の一部がエーテル結合、エステル結合、アミノ結合、アミド結合などで置換されていても構わない。Rは、炭素数1〜20からなる置換もしくは非置換の直鎖あるいは分枝構造を有する炭化水素基であり、炭化水素の結合の一部がエーテル結合、エステル結合、アミノ結合、アミド結合などで置換されていても構わない。Rが水素以外の場合、RとRが互いに結合して環状構造を形成していても構わない。)
Figure 2014181263
Figure 2014181263
(式中、Rは一般式(1)におけるRと同等である。Rは水素もしくは炭素数1〜20からなる置換もしくは非置換の炭化水素基であり、エーテル結合、エステル結合、アミノ結合、アミド結合などで置換されていても構わない。Rは炭素数1〜20からなる置換もしくは非置換の2価の炭化水素基、またはエーテル結合、エステル結合、アミノ結合、アミド結合を有する炭素数1〜20の2価の基である。QはRと同等、もしくはヘテロ原子から選択される基。)
以下、本発明について詳しく説明する。
<化合物(A)>
本発明の硬化性組成物には、重合性の炭素―炭素二重結合を1個以上有する化合物(A)を含有する。(A)成分としては、低分子量化合物、オリゴマー、重合体の何れを含んでいても構わないが、重合体もしくはオリゴマーを含むことが好ましく、中でもビニル系重合体を含むことがより好ましい。ここで述べるオリゴマーとは、有機化合物の繰り返し単位を伴う構造で、2〜100の繰り返し単位からなる化合物を指し、重合体とは、重合体主鎖に化合物の繰り返し単位を伴う構造で、100以上の繰り返し単位からなる化合物を指す。重合体の主鎖は特に限定されないが、ビニル系重合体が好ましい。前記のビニル系重合体以外の重合体としては、例えばポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリオキシアルキレン、ポリシロキサンなどが挙げられる。
上記ビニル系重合体としては、炭化水素系重合体である、ポリイソブチレン、水素添加ポリイソプレン、水素添加ポリブタジエン、並びに、(メタ)アクリル系モノマー、アクリロニトリル系モノマー、芳香族ビニル系モノマー、フッ素含有ビニル系モノマー及びケイ素含有ビニル系モノマーからなる群から選ばれるモノマーを主として重合して製造される重合体が好ましい。ここで「主として」とは、ビニル系重合体を構成するモノマー単位のうち、50モル%以上が上記モノマーであることを意味し、好ましくは70モル%以上である。さらに、ビニル系重合体としては、ポリイソブチレン、(メタ)アクリル系モノマーを主として重合して製造された(メタ)アクリル系重合体が好ましく、(メタ)アクリル系重合体がより好ましい。(メタ)アクリル系重合体としては、アクリル系重合体が好ましく、アクリル酸エステル系モノマーを主として重合して製造されるアクリル酸エステル系重合体がより好ましい。
(メタ)アクリル系モノマーとしては、(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸3−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸イソステアリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル、γ−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロメチル、(メタ)アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチルなどの(メタ)アクリル酸エステル系モノマー;などが挙げられる。
アクリロニトリル系モノマーとしては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられる。
芳香族ビニル系モノマーとしては、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、スチレンスルホン酸およびその塩などが挙げられる。
フッ素含有ビニル系モノマーとしては、パーフルオロエチレン、パーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデンなどが挙げられる。
ケイ素含有ビニル系モノマーとしては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどが挙げられる。
その他のビニル系重合体を構成するモノマーとしては、無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸のモノアルキルエステルおよびジアルキルエステル;フマル酸、フマル酸のモノアルキルエステルおよびジアルキルエステル;マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミドなどのマレイミド系モノマー;アクリルアミド、メタクリルアミドなどのアミド基含有ビニル系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニルなどのビニルエステル類;エチレン、プロピレンなどのアルケン類;ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、塩化アリル、アリルアルコールなどがあげられる。
(A)成分がオリゴマーもしくは重合体の場合、分子量分布(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比)には、特に限定はないが、好ましくは1.8未満、より好ましくは1.7以下、さらに好ましくは1.6以下、特に好ましくは1.5以下、特別に好ましくは1.4以下、最も好ましくは1.3以下である。
なお、本発明におけるGPC測定の際には、通常は、クロロホルムまたはテトラヒドロフランを移動相として、ポリスチレンゲルカラムを使用し、分子量の値はポリスチレン換算値で求めている。
(A)成分がオリゴマーもしくは重合体の場合、数平均分子量の下限は、好ましくは500、より好ましくは3,000であり、上限は、好ましくは100,000、より好ましくは40,000である。分子量が500未満であると、ビニル系重合体の本来の特性が発現されにくくなる傾向があり、100,000をこえると、ハンドリングが困難になりやすい傾向がある。
化合物(A)は、重合性の炭素−炭素二重結合を1個以上有する化合物であるが、一般式(4)で表される置換基を1個以上有することが反応性の点で好ましい。
−Z−C(=O)−C(R)=CH(4)
(式中、Rは水素もしくは炭素数1〜20からなる置換もしくは非置換の直鎖あるいは分枝構造を有する炭化水素基であり、炭化水素の結合の一部がエーテル結合、エステル結合、アミノ結合、アミド結合などで置換されていても構わない。Zはヘテロ原子、NR(Rは、水素原子、または、置換あるいは非置換の炭素原子数1から20の炭化水素基)から選択される基である。)
さらに、(A)成分がオリゴマーもしくは重合体の場合、上記置換基が、分子末端に有することが好ましく、末端のみに有することがより好ましい。
一般式(4)中のRは水素もしくは炭素数1〜20からなる置換もしくは非置換の直鎖あるいは分枝構造を有する炭化水素基であり、炭化水素の結合の一部がエーテル結合、エステル結合、アミノ結合、アミド結合などで置換されていても構わない。ここで言う置換された炭化水素基とは、炭化水素基上の水素原子、または炭素原子がヘテロ原子を有する基によって置換された基を言う。
としては、水素もしくは炭素数1〜20からなる直鎖あるいは分枝構造を有する炭化水素基が好ましく、例えば、水素原子;メチル基、エチル基などのアルキル基;シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;フェニル基などのアリール基;ベンジル基などのアラルキル基が挙げられる。これらの中では、水素原子またはメチル基が原料の入手性から好ましく、さらに重合反応性の高さから、水素原子がより好ましい。
一般式(4)中のZは、特に限定されず、例えば、酸素原子;硫黄原子;−NH−、−NCH−などのアミノ基が挙げられる。これらの中では、導入の容易さから、酸素原子、−NH−基が好ましく、酸素原子がより好ましい。
一般式(4)で表わされる置換基の数は、特に限定されないが、(A)成分がオリゴマーもしくは重合体の場合、化合物(A)同士が架橋するという点から、1分子あたり平均1個未満であると硬化性が低くなる傾向があるため、平均1個以上が好ましい。ただし、1分子あたり平均1個以上の一般式(4)で表わされる置換基を有する化合物(A)に対して、硬化物の硬度、柔軟性を調整するために、1分子あたり平均1個未満の一般式(4)で表わされる置換基を有するオリゴマーもしくは重合体を添加してもよい。また、一般式(4)で表わされる置換基は分子の側鎖、および/または、末端のいずれに存在していてもかまわないが、架橋点間分子量を均一かつ大きく(好ましくは500〜100000)にすることで良好なゴム弾性が得られるという観点から、分子の末端に存在することが好ましく、分子の末端のみに存在することがより好ましい。
低分子量化合物としては、重合性の炭素−炭素二重結合を有するものであればいずれでも構わないが、上記一般式(4)で表される置換基を1個以上有することが好ましく、上記(メタ)アクリル系モノマーである事がより好ましい。
<(A)成分の製造方法>
(A)成分の製造方法については特に限定はないが、ビニル系重合体である場合は一般に、アニオン重合あるいはラジカル重合によって製造される。中でもモノマーの汎用性あるいは制御の容易さからラジカル重合が好ましい。ラジカル重合の中でも、リビングラジカル重合あるいは連鎖移動剤を用いたラジカル重合によって製造されるのが好ましく、特に前者が好ましい。
(A)成分の製造に用いられるラジカル重合法は、重合開始剤としてアゾ系化合物、過酸化物などを用いて、特定の官能基を有するモノマーとビニル系モノマーとを単に共重合させる「一般的なラジカル重合法」と、末端などの制御された位置に特定の官能基を導入することが可能な「制御ラジカル重合法」に分類することができる。
「一般的なラジカル重合法」は簡便な方法であるが、この方法では特定の官能基を有するモノマーは確率的にしか重合体中に導入されないので、官能化率の高い重合体を得ようとした場合には、このモノマーをかなり大量に使う必要があり、逆に少量の使用ではこの特定の官能基が導入されない重合体の割合が大きくなるという問題がある。また、フリーラジカル重合であるため、分子量分布が広く粘度の高い重合体しか得られないという問題もある。
「制御ラジカル重合法」は、さらに、特定の官能基を有する連鎖移動剤を用いて重合を行なうことにより末端に官能基を有するビニル系重合体が得られる「連鎖移動剤法」と、重合生長末端が停止反応などを起こさずに生長することによりほぼ設計どおりの分子量の重合体が得られる「リビングラジカル重合法」とに、分類することができる。
「連鎖移動剤法」は、官能化率の高い重合体を得ることが可能であるが、開始剤に対してかなり大量の特定の官能基を有する連鎖移動剤が必要であり、処理も含めて経済面で問題がある。また、前記の「一般的なラジカル重合法」と同様、フリーラジカル重合であるため分子量分布が広く、粘度の高い重合体しか得られないという問題もある。
これらの重合法とは異なり、「リビングラジカル重合法」は、重合速度が高く、ラジカル同士のカップリングなどによる停止反応が起こりやすいため制御が難しいとされるラジカル重合でありながら、停止反応が起こりにくく、分子量分布の狭い(Mw/Mnが1.1〜1.5程度)重合体が得られるとともに、モノマーと開始剤の仕込み比によって分子量を自由にコントロールすることができる。
したがって、「リビングラジカル重合法」は、分子量分布が狭く、粘度が低い重合体を得ることができる上に、特定の官能基を有するモノマーを重合体のほぼ任意の位置に導入することができるため、前記特定の官能基を有するビニル系重合体の製造方法としてはより好ましいものである。
なお、リビング重合とは、狭義においては、末端が常に活性を持ち続けて分子鎖が生長していく重合のことをいうが、一般には、末端が不活性化されたものと活性化されたものが平衡状態にありながら生長していく擬リビング重合も含まれる。本発明における定義も後者である。
「リビングラジカル重合法」は、近年様々なグループで積極的に研究がなされている。
その例としては、例えばジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティー(J.Am.Chem.Soc.)、1994年、116巻、7943頁に示されるようなコバルトポルフィリン錯体を用いるもの、マクロモレキュルズ(Macromolecules)、1994年、27巻、7228頁に示されるようなニトロキシド化合物などのラジカル捕捉剤を用いるもの、有機ハロゲン化物などを開始剤とし遷移金属錯体を触媒とする「原子移動ラジカル重合」(Atom Transfer Radical Polymerization:ATRP)などがあげられる。
「リビングラジカル重合法」の中でも、有機ハロゲン化物あるいはハロゲン化スルホニル化合物などを開始剤、遷移金属錯体を触媒としてビニル系モノマーを重合する「原子移動ラジカル重合法」は、前記の「リビングラジカル重合法」の特徴に加えて、官能基変換反応に比較的有利なハロゲンなどを末端に有し、開始剤や触媒の設計の自由度が大きいことから、特定の官能基を有するビニル系重合体の製造方法としては、さらに好ましい。
前記原子移動ラジカル重合法としては、例えばMatyjaszewskiら、ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティー(J.Am.Chem.Soc.)1995年、117巻、5614頁、マクロモレキュルズ(Macromolecules)1995年、28巻、7901頁、サイエンス(Science)1996年、272巻、866頁、WO96/30421号パンフレット,WO97/18247号パンフレットあるいはSawamotoら、マクロモレキュルズ(Macromolecules)1995年、28巻、1721頁などに記載の方法があげられる。
本発明において、これらのうちのどの方法を使用するかには特に制約はないが、基本的には制御ラジカル重合法が利用され、さらに制御の容易さなどからリビングラジカル重合法が好ましく、特に原子移動ラジカル重合法が好ましい。
(官能基の導入)
(A)成分を得るために、一般式(4)のような重合性の炭素−炭素二重結合を重合体へ導入する方法としては、公知の方法を利用することができる。例えば、特開2004−203932号公報段落[0080]〜[0091]記載の方法が挙げられる。これらの方法以外としては、水酸基末端を有する(メタ)アクリル系重合体にイソシアネート基および(4)式のような重合性の炭素−炭素二重結合を有するモノマーを反応させる方法があり、例えば2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネートなどを用いる方法が挙げられる。
<一般式(1)〜(3)>
本発明の硬化性組成物(I)および(II)の少なくとも一方に、(A)成分として一般式(1)〜(3)で示される化合物のうち少なくとも1成分を配合することで、二成分接触時の硬化にかかる時間を短縮させることができる。
Figure 2014181263
(式中、RおよびRは水素もしくは炭素数1〜20からなる置換もしくは非置換の直鎖あるいは分枝構造を有する炭化水素基であり、炭化水素の結合の一部がエーテル結合、エステル結合、アミノ結合、アミド結合などで置換されていても構わない。Rは、炭素数1〜20からなる置換もしくは非置換の直鎖あるいは分枝構造を有する炭化水素基であり、炭化水素の結合の一部がエーテル結合、エステル結合、アミノ結合、アミド結合などで置換されていても構わない。Rが水素以外の場合、RとRが互いに結合して環状構造を形成していても構わない。)
Figure 2014181263
Figure 2014181263
(式中、Rは一般式(1)におけるRと同等である。Rは水素もしくは炭素数1〜20からなる置換もしくは非置換の炭化水素基であり、エーテル結合、エステル結合、アミノ結合、アミド結合などで置換されていても構わない。Rは炭素数1〜20からなる置換もしくは非置換の2価の炭化水素基、またはエーテル結合、エステル結合、アミノ結合、アミド結合を有する炭素数1〜20の2価の基である。QはRと同等、もしくはヘテロ原子、から選択される基。)
式中のRは水素もしくは炭素数1〜20からなる置換もしくは非置換の直鎖あるいは分枝構造を有する炭化水素基であり、炭化水素の結合の一部がエーテル結合、エステル結合、アミノ結合、アミド結合などで置換されていても構わない。ここで言う置換された炭化水素基とは、炭化水素基上の水素原子、または炭素原子がヘテロ原子を有する基によって置換された基を言う。
としては、炭素数1〜20からなる直鎖あるいは分枝構造を有する炭化水素基が好ましく、例えば、水素原子;メチル基、エチル基などのアルキル基;シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;フェニル基などのアリール基;ベンジル基などのアラルキル基が挙げられる。
式中のRは炭素数1〜20からなる置換もしくは非置換の直鎖あるいは分枝構造を有する炭化水素基であり、炭化水素の結合の一部がエーテル結合、エステル結合、アミノ結合、アミド結合などで置換されていても構わない。Rとしては、炭素数1〜20からなる直鎖あるいは分枝構造を有する炭化水素基が好ましく、例えば、水素原子;メチル基、エチル基などのアルキル基;シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;フェニル基などのアリール基;ベンジル基などのアラルキル基が挙げられる。
式中のRは水素もしくは炭素数1〜20からなる置換もしくは非置換の炭化水素基であり、エーテル結合、エステル結合、アミノ結合、アミド結合などで置換されていても構わない。Rとしては、例えば、水素原子;メチル基、エチル基などのアルキル基;シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;フェニル基などのアリール基;ベンジル基などのアラルキル基が挙げられる。
式中のRは炭素数1〜20からなる置換もしくは非置換の2価の炭化水素基、またはエーテル結合、エステル結合、アミノ結合を有する炭素数1〜20の2価の基である。Rとしては、炭素数1〜20の2価の炭化水素基であることが好ましく、例えば、−CH−、−CHCH−などが挙げられる。
式中のQは、炭素数1〜20からなる置換もしくは非置換の2価の炭化水素基、またはエーテル結合、エステル結合、アミノ結合、アミド結合を有する炭素数1〜20の2価の基、もしくはヘテロ原子から選択される基である。Qとしては、Qに隣接するC=O基と組み合わせることでエステル結合を表記できる、エーテル結合を有する2価の炭化水素基であることが好ましく、例えば、−CH−O−、−CHCH−O−が挙げられる。
一般式(1)で示される化合物の例として、N,N’−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N’−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリル系モノマーが挙げられる。これらの中でも、N,N’−ジメチルアクリルアミドが入手性、相溶性、反応性の点で好ましい。
一般式(2)で示される化合物の例として、2−テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−メチル−2−エチル−(1,3−ジオキソラン−4−イル)(メタ)アクリレート、シクロヘキサンスピロ−2−(1,3−ジオキソラン−4−イル)(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル系モノマーが挙げられる。これらの中でも、2−テトラヒドロフルフリルアクリレートが入手性、反応性の点で好ましい。
一般式(3)で示される化合物の例として、3−オキセタニルメチル(メタ)アクリレート、3−メチルーオキセタニルメチル(メタ)アクリレート、3−エチル−3−オキセタニルメチル(メタ)アクリレート、3−ブチルーオキセタニルメチル(メタ)アクリレート、3−ヘキシルーオキセタニルメチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル系モノマーが挙げられる。これらの中でも3−エチル−3−オキセタニルメチルアクリレートが入手性、反応性の点で好ましい。
一般式(1)〜(3)で示される化合物の混合量は、特に制限されないが、一般式(1)〜(3)で示される化合物が含まれる硬化性組成物(I)または硬化性組成物(II)中の(A)成分全体の重量に対し、10重量%から40重量%が好ましく、15重量%から35重量%がより好ましい。一般式(1)〜(3)で示される化合物が、硬化性組成物(I)および硬化性組成物(II)の両方に含まれる場合にも、硬化性組成物(I)と硬化性組成物(II)のそれぞれの組成物において上記添加量の範囲となることが好ましい。
(A)成分全体の重量に対し、一般式(1)〜(3)で示される化合物の割合が10重量%を下回ると、硬化性組成物(I)と硬化性組成物(II)を接触させたときの硬化が遅く、また40重量%を上回ると、添加量に応じた硬化速度上昇が見られず、一方で重合体本来の特性が悪化する可能性がある。また硬化性組成物(II)では貯蔵安定性が悪化する場合がある。なお、一般式(1)〜(3)で示される化合物の混合物が使用される場合には、混合物の合計量が上記範囲内にあることが好ましい。
<一般式(1)〜(3)以外の低分子量化合物>
本発明の硬化性組成物(I)および(II)には、(A)成分として前記一般式(1)〜(3)以外にも、塗工性向上(低粘度化)、シール層の機械特性向上等を目的に、各種の一般式(1)〜(3)で示される化合物以外の重合性の炭素―炭素二重結合を1個以上有する低分子量化合物を添加することができる。ここで示す低分子量化合物としては、ラジカル反応性のビニルモノマーが好ましく、ラジカル反応性の点で(メタ)アクリル系モノマーが好ましい。(メタ)アクリル系モノマーは、(メタ)アクリロイル基を有するモノマーであれば特に限定されず、また単官能、多官能どちらでも良い。例を挙げるとすれば、(メタ)アクリル酸エステルモノマー、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸などがある。
上記低分子量化合物を添加する場合、上記低分子量化合物と一般式(1)〜(3)で示される化合物の合計量は、特に制限されないが、上記低分子量化合物を含む硬化性組成物(I)または硬化性組成物(II)中の(A)成分全体の重量に対し10重量%から40重量%が好ましく、15重量%から35重量%がより好ましい。上記低分子量化合物が、硬化性組成物(I)および硬化性組成物(II)の両方に含まれる場合にも、硬化性組成物(I)と硬化性組成物(II)のそれぞれの組成物において上記添加量の範囲となることが好ましい。(A)成分全体の重量に対し、上記低分子量化合物と一般式(1)〜(3)で示される化合物の合計量が10重量%を下回ると、組成物の粘度が高く作業性が悪くなる可能性があり、また、40重量%を上回ると重合体本来の特性が悪化する可能性がある。
<(B)成分>
本発明の硬化性組成物(I)に含まれる第4周期遷移金属化合物(B)は、二液接触によるレドックス反応の硬化促進剤として添加されるものである。
第4周期遷移金属化合物(B)としては、バナジウム、チタン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅の有機酸塩または金属キレート化合物のうち少なくとも一成分であることが、硬化性組成物(I)中における(B)成分の相溶性の点で好ましく、中でも遷移金属種がバナジウム、コバルト、銅のいずれかであることが反応性の点でより好ましく、バナジウムであることが反応性の点でさらに好ましい。
バナジウムの有機酸塩としては、バナジウム(III)アセテート、バナジウム(III)オクタネート、バナジウム(III)ナフテネート、バナジウム(III)ステアレート、バナジル(IV)アセテート、バナジル(IV)オクタネート、バナジル(IV)ナフテネート、バナジル(IV)ステアレートなどが挙げられる。バナジウムの金属キレート化合物としては、バナジウム(III)アセチルアセトネート、バナジウム(III)ベンゾイルアセトネート、バナジル(IV)アセチルアセトネート、バナジル(IV)ベンゾイルアセトネート、バナジル(IV)ポルフィリンなどが挙げられる。これらの中でもバナジウム(III)アセチルアセトネートおよびバナジル(IV)アセチルアセトネートが入手性、取扱の容易さの点で好ましく、バナジウム(III)アセチルアセトネートが相溶性の点でより好ましい。
第4周期遷移金属化合物(B)の添加量は、硬化性組成物(I)中の(A)成分100重量部に対して0.5重量部〜2重量部であることが好ましく、0.5重量部〜1.0重量部であることが好ましい。0.5重量部より少ないと、二液接触時の硬化にかかる時間が長く、2重量部より多くても添加部数に対する硬化速度上昇が見られず、硬化性組成物との相溶性、および硬化性組成物の貯蔵安定性が悪化する。
<(C)成分>
本発明の硬化性組成物(I)に含有する還元剤(C)は、二液接触によるレドックス反応の硬化促進剤として添加されるものである。
還元剤(C)としては、第3級アミン、オルトベンゾイックスルフィミド、メルカプタン、チオ尿素化合物、およびこれらの塩のうち少なくとも一成分より選ばれることが好ましい。
第3級アミンとしては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリ(n−プロピル)アミン、トリ(n−ブチル)アミン、トリアミルアミンなどの第3級アルキルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジンなどの第3級芳香族アミンが挙げられる。
メルカプタンとしては、1−ドデカンチオール、テトラエチレングリコール(ビス)(3-メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパン(トリス)(2−メルカプトプロピオネート)、トリス−(3-メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル)−イソシアヌレート、ペンタエリスリトール(テトラキス)(2−メルカプトプロピオネート)、ビス(ペンタエリスリトール)(ヘキサキス)(2−メルカプトプロピオネート)などが挙げられる。
チオ尿素化合物としては、アセチルチオ尿素、ベンゾイルチオ尿素、エチレンチオ尿素、N,N‘−ジブチルチオ尿素、N,N‘−ジオクチルチオ尿素などが挙げられる。
これらの中でも、チオ尿素化合物が反応性の高さおよび臭気の少なさの点で好ましく、N,N‘−ジブチルチオ尿素が入手性、相溶性の点でより好ましい。
還元剤(C)の添加量は、添加する還元剤の種類にもよるが、第3級アミンもしくはメルカプタンの場合、硬化性組成物(I)中の(A)成分100重量部に対して0.5重量部〜15重量部であることが好ましく、1重量部〜10重量部であることが好ましい。0.5重量部より少ないと、二液接触時の硬化にかかる時間が長く、15重量部より多いと臭気の点で好ましくないうえ、硬化性組成物の貯蔵安定性が悪化する。オルトベンゾイックスルフィミドもしくはチオ尿素化合物の場合、硬化性組成物(I)中の(A)成分100重量部に対して0.1重量部〜1.5重量部であることが好ましく、0.2重量部〜1重量部であることが好ましい。0.1重量部より少ないと、二液接触時の硬化にかかる時間が長く、1.5重量部より多くても添加部数に応じた硬化速度向上が見られないうえ、硬化性組成物の貯蔵安定性が悪化する。
<(D)成分>
本発明の硬化性組成物(II)に含まれる光重合開始剤(D)としては特に限定されないが、例えば、アセトフェノン、プロピオフェノン、ベンゾフェノン、キサントール、フルオレイン、ベンズアルデヒド、アンスラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−メチルアセトフェノン、3−ペンチルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、4−メトキシアセトフェン、3−ブロモアセトフェノン、4−アリルアセトフェノン、p−ジアセチルベンゼン、3−メトキシベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4−クロロ−4’−ベンジルベンゾフェノン、3−クロロキサントン、3,9−ジクロロキサントン、3−クロロ−8−ノニルキサントン、ベンゾイル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)ケトン、ベンジルメトキシケタール、2−クロロチオキサントーン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1などが挙げられる。これらの中でも、タック改善性があるという点で、フェニルケトン系化合物が好ましい。
また、UV照射時の深部硬化性に優れるアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤も配合することができる。アシルホスフィンオキサイド系重合開始剤としては、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−イソブチルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−イソブチルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドなどが挙げられ、好ましくは、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキサイドである。上記の光ラジカル開始剤は、単独で用いてもよく2種以上を混合して用いても良い。
本発明の硬化性組成物では、上記アシルホスフィンオキサイドおよびフェニルケトン系化合物を併用することもできる。
光ラジカル開始剤(D)の添加量は、硬化性組成物(II)中の(A)成分100重量部に対して0.025重量部〜2重量部であることが好ましく、0.05重量部〜1重量部であることが好ましい。0.025重量部より少ないと、硬化性組成物(II)が十分な硬化性を得られない。2重量部より多いと硬化物の物性に影響を与えることがある。
<(E)成分>
本発明の硬化性組成物(II)に含まれる有機過酸化物(E)は、二液接触によるレドックス反応におけるラジカル重合開始剤として添加されるものである。
有機過酸化物(E)としては、例えば、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシカーボネート、パーオキシカルボン酸、およびそのエステル、ジアシルパーオキサイドなどが挙げられる。これらの中でも、硬化性組成物の貯蔵安定性および安全性の点でハイドロパーオキサイドであることが好ましい。ハイドロパーオキサイドとしては、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイドが挙げられる。これら過酸化物がトルエン、キシレン、水などの溶剤を含んでいても構わない。
過酸化物(E)の添加量は、硬化性組成物(II)中の(A)成分100重量部に対して0.1重量部〜2重量部であることが好ましく、0.2重量部〜1.5重量部であることが好ましい。0.2重量部より少ないと、二液接触時の硬化にかかる時間が長く、2重量部より多くても添加部数に対する硬化速度上昇が見られず、硬化性組成物の貯蔵安定性が悪化する。
<その他の添加剤>
本発明の硬化性組成物(I)および(II)には、本発明の効果を損なわない範囲で、ラジカル捕捉剤、可塑剤、シランカップリング剤、充填剤、改質剤、他の樹脂成分等のその他の成分を含有することができる。ここで言うラジカル捕捉剤とは、一般に、酸化防止剤、光安定剤と呼ばれるものなどを含む。酸化防止剤としては、特に限定されず、例えば、アスコルビン酸系、ヒンダードフェノール系、モノフェノール系、ビスフェノール系、ポリフェノール系の酸化防止剤があげられ、これらの中でも、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましい。同様に、チヌビン622LD,チヌビン144,CHIMASSORB944LD,CHIMASSORB119FL(以上、いずれもBASF株式会社製);MARK LA−57,MARK LA−62,MARK LA−67,MARK LA−63,MARK LA−68(以上、いずれもADEKA(株)製);サノールLS−770,サノールLS−765,サノールLS−292,サノールLS−2626,サノールLS−1114,サノールLS−744(以上、いずれも三共(株)製)に示されたヒンダードアミン系光安定剤を使用することもできる。酸化防止剤の具体例は、特開平4−283259号公報や特開平9−194731号公報にも記載されている。酸化防止剤の使用量は、(A)成分100重量部に対して、0.05重量部から5重量部の範囲で使用するのが良く、さらに好ましくは、0.1重量部から2重量部である。使用量がこれよりも少ない場合は、十分な効果が得られない可能性が有り、使用量がこれよりも多い場合は、経済的に不利になるだけでなく、特に硬化性組成物(II)に添加する場合、二液接触における反応性が時間経過とともに悪化する。
光安定剤としては、ベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系、ベンゾエート系化合物などがあげられ、これらの中でも、ヒンダードアミン系化合物が好ましい。光安定剤の使用量は、(A)成分100重量部に対して、0.1重量部から10重量部の範囲で使用するのが好ましく、0.2重量部から5重量部がより好ましい。使用量がこれよりも少ない場合は、十分な効果が得られない可能性が有り、使用量がこれよりも多い場合は、経済的に不利になる可能性があるだけでなく、光ラジカル開始剤より発生したラジカルを酸化防止剤が補足し、硬化物の硬化不良が発生し、硬化物が良好な物性を発現しない可能性がある。光安定剤の具体例は特開平9−194731号公報にも示されている。
可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、ブチルベンジルフタレートなどのフタル酸エステル類;ジオクチルアジペート、ジオクチルセバセート、ジイソノニル−(シクロヘキサン−1,2−ジカルボキシレート)などの非芳香族二塩基酸エステル類;ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエートなどのポリアルキレングリコールのエステル類;トリクレジルホスフェート、トリブチルホスフェートなどのリン酸エステル類;塩化パラフィン類;アルキルジフェニル、部分水添ターフェニルなどの炭化水素系油などを単独、または2種以上混合して使用することができるが、必ずしも必要とするものではない。なお、これら可塑剤は、飽和炭化水素系重合体製造時に配合することも可能である。可塑剤の使用量は、(A)成分100重量部に対して、5重量部から200重量部の範囲で使用するのが好ましく、10重量部から100重量部がより好ましい。使用量がこれよりも少ない場合は、十分な効果が得られない可能性が有り、使用量がこれよりも多い場合は、得られる硬化物の機械物性が低下する可能性がある。可塑剤の添加は、物性の調整、性状の調節などに有効である。
シランカップリング剤としては、エポキシ基、カルボキシル基、メタクリロイル基、イソシアネート基等の反応性基を有するシラン化合物が挙げられる。具体的には、トリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメチルシラン等が挙げられる。これらは、1種単独でも複数種を組み合わせて使用してもよい。本発明の樹脂組成物におけるシランカップリング剤成分の含有割合は、特に限定はないが、(A)成分100重量部に対して、通常0.1〜20重量部であり、好ましくは0.3〜10重量部である。シランカップリング剤の添加は、接着性や耐水性の向上に有効である。
充填剤としては、例えば、微粒子シリカ、ガラスビーズ、タルク、スチレン系ポリマー粒子、メタクリレート系ポリマー粒子、エチレン系ポリマー粒子、プロピレン系ポリマー粒子等が挙げられ、中でも無機充填剤が好ましく、特に微粒子シリカが好ましい。これらは、1種単独でも複数種を組み合わせて使用してもよい。充填剤成分の含有割合は、特に限定はないが、(A)成分100重量部に対して、通常20〜150重量部であり、好ましくは50〜100重量部である。無機充填剤の添加により、高強度化、耐透湿性や接着性を向上させることができる。
改質剤としては、例えば重合開始助剤、レベリング剤、濡れ性改良剤、界面活性剤等が挙げられる。これらは、1種単独でも複数種を組み合わせて使用してもよい。
<硬化性組成物>
本発明の硬化性組成物(I)および(II)は、各成分を均一に混合することにより調製される。混合方法に特に限定は無いが、硬化性組成物(II)については(E)成分の有機過酸化物を除くその他の成分を十分に混合した後に、(E)成分の有機過酸化物を混合することが、組成物の安定性および操作の安全性の点で好ましい。混合する場合、装置は特に限定されないが、手攪拌、機械的攪拌装置、ロールミル等を用い適宜混合することにより調製される。
本発明の硬化性組成物(II)は、活性エネルギー線により硬化させることが好ましく、光(UV)によって硬化させることがより好ましい。
活性エネルギー線により硬化させる場合、活性エネルギー線としては、光(UV)、または、電子線が挙げられ、活性エネルギー線源としては、特に限定されないが、使用する光重合開始剤の性質に応じて、例えば、高圧水銀灯、低圧水銀灯、電子線照射装置、ハロゲンランプ、発光ダイオード、半導体レーザー、メタルハライドなどがあげられる。
その硬化温度は、0℃〜150℃が好ましく、5℃〜120℃がより好ましい。
<硬化性組成物(I)と(II)の塗布量>
硬化性組成物(I)と(II)をそれぞれ貼り合わせ基材(透光性保護カバーボード、画像表示モジュール等)に塗布する際の、塗布量の比は、対象となる暗部においては、硬化性組成物(I)と(II)の重量比、すなわち、(I)/(II)が0.01〜10が好ましく、より好ましくは0.1〜5になるように、硬化性組成物(I)と(II)を貼り合わせ基材に塗布するのが好ましい。
画像表示装置の製造方法
本発明の画像表示装置の製造方法は、上記の硬化性組成物を以下に記載する方法によって塗布、硬化させることで画像表示モジュールと保護カバーの貼り合わせを行う。具体的には、例えば図1〜4に示すように、貼り合わせ基材(透光性保護カバーボード、画像表示モジュール等)上への二液型硬化性組成物の塗布、貼り合わせ基材の重ね合わせ、光およびレドックス重合反応による硬化の工程をふむ。
貼り合わせ基材は、透光性保護カバーボードと画像表示モジュールであるが、透光性保護カバーボードとは、特に限定されないが、画面表示モジュールの上に配置される、例えばポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂等の樹脂製、またはガラス製のカバーであり、画面表示モジュール表面の傷つきや、落下時の破損から保護する機能を果たすと共に、意匠性を持たせる機能を持つ。透光性保護カバーボードの形状、構造は特に限定されず、例えば、数種の樹脂からなる多層構造を有しても良いし、単一素材形成される単層構造でも良い。また、必要に応じて保護カバー表面に指紋付着防止、光反射防止、映りこみ・ぎらつき防止のためにコーティングやフィルム貼り付けがされていても良く、また、保護カバーにタッチパネル機能を付与されたもの、保護カバーとタッチパネルが貼り合わせられたものでも良い。
貼り合わせ対象の画像表示モジュールとしては、特に限定はなく、液晶モジュール(LCDモジュール)、それを用いたタッチセンサー、プラズマディスプレイパネル、電子ペーパー用E−インクタイプの表示モジュール、同じくSIPIXタイプの表示モジュール、有機EL等の表示モジュールが挙げられる。
<貼り合わせ基板上への硬化性組成物の塗布>
本発明の硬化性組成物を画像表示モジュール貼り合わせ用充填剤として用いる場合の上記の硬化性組成物(I)および(II)の塗布方法としては、硬化性組成物(I)を貼り合わせ基材である透光性保護カバーボードおよび/又は画像表示モジュールの、透光性保護カバーボードと画像表示モジュールを貼り合わせた際に光の到達しない暗部になる部分に塗布し、硬化性組成物(II)を透光性保護カバーボードおよび/又は画像表示モジュールの、硬化性組成物(I)と接触しない部分に塗布する。
硬化性組成物(I)と(II)それぞれを塗布する順序は、特に限定されず、硬化性組成物(I)または(II)を塗布した後に、他方を塗布しても良いし、両成分を同時に塗布しても良い。
硬化性組成物(I)と(II)を塗布する基材は特に限定されず、必要に応じて、対象となる2つの基材(透光性保護カバーボード、および画像表示モジュール)の一方にのみ硬化性組成物(I)と(II)を塗布しても、2つの基材両方に硬化性組成物(I)と(II)を分割塗布しても良い。また、どちらか一方の基材に硬化性組成物(I)のみを、他方の基材に(II)のみを塗布しても良い。
貼り合わせ基材への塗布方法は、特に限定されず、一般に使用されている各種の塗布方法を用いることができる。例えば、ディスペンサーを用いる方法、コーターを用いる方法、スプレーを用いる方法等がある。液状組成物の塗布後時のタレ防止性、暗部等の特定部位に特定量の液状組成物を供給する塗布精度の点でロボット制御型のディスペンサーによるものが好ましい。
(硬化性組成物(I)の塗布方法)
硬化性組成物(I)は貼り合わせ基材である透光性保護カバーボードおよび/又は画像表示モジュールの、透光性保護カバーボードと画像表示モジュールを貼り合わせた際に光の到達しない暗部になる部分に塗布する。
透光性保護カバーボードと画像表示モジュールを貼り合わせた際に光の到達しない暗部とは、例えば、透光性保護カバーボード周縁に加飾目的で施される黒枠(ブラックマトリックス)、タッチパネルの電極、画像表示モジュールに接続されたフレキシブルプリント基板(FPC)等によって透光性保護カバーボードと画像表示モジュールを貼り合わせた際に外部から光を当てた時に陰になる部分である。
具体的には、透光性保護カバーボードと画像表示モジュールとを重ね合わせた際に、透光性保護カバーボード上のブラックマトリックスと画像表示モジュールに挟まれた部分が光の到達しない暗部になる。
上記のブラックマトリックスによる暗部になる部分への硬化性組成物(I)の塗布方法は、例えば図1に示す方法が挙げられ、透光性保護カバーボードのブラックマトリックス3の部分に硬化性組成物(I)を塗布する(図1の5)。また、他の方法としては、画像表示モジュールのブラックマトリックスによって暗部になる部分に塗布しても良く、透光性保護カバーボード、画像表示モジュールの両方の暗部になる部分に塗布しても良い。また暗部に塗布する硬化性組成物(I)の塗布厚さは特に限定されず、図2のように、2つの基材を貼り合わせたときに硬化性組成物(I)が、それを塗布していない側の基材に接触しても構わない。
(硬化性組成物(II)の塗布方法)
硬化性組成物(II)は透光性保護カバーボードおよび/又は画像表示モジュールの、硬化性組成物(I)と接触しない部分に塗布する。
硬化性組成物(II)の塗布方法は、例えば図1に示す方法が挙げられ、透光性保護カバーボード上の硬化性組成物(I)を塗布しない部分に塗布する。また、他の方法として、硬化性組成物(II)を画像表示モジュールに塗布することも可能であり、この場合の塗布範囲は限定する必要がなく、透光性保護カバーボードを重ね合わせた時にブラックマトリックスの部分と重なる部分を含めたいずれの部分に塗布しても良い。さらに、透光性保護カバーボードの上の硬化性組成物(I)を塗布しない部分と画像表示モジュールの両方に塗布しても構わない。
<貼り合わせ基材の重ね合わせ>
硬化性組成物(I)および(II)を貼り合わせ対象である基材の所定部位に適当量塗布した後に、図2に示すように液状組成物が内側に来るように重ね合わせを行う。重ね合わせでは液状組成物層の厚みを制御(Z軸制御)すると共に、重ね合わせの位置を制御(アラインメント)するが、その際に上記の組成物中に気泡等の巻き込みがないよう留意する必要がある。重ね合わせの方法は特に限定されず、公知の方法を任意に用いることができる。重ね合わせにおいては、硬化性組成物(II)が所定の部位にまで拡散するために必要な時間、貼り合わせ対象の基材のZ軸制御とアライメント状態を保持した状態で光およびレドックス重合反応による硬化に移る。保持する時間に特に制限はなく、必ずしも硬化性組成物(II)が暗部の硬化性組成物(I)と完全に接触する必要はないが、硬化性組成物(II)が暗部にまで拡散していることが好ましく、さらに硬化性組成物(II)の一部が暗部に存在する硬化性組成物(I)と接触していることがより好ましい。また、光重合反応による硬化方法の詳細は後述するが、重ね合わせの保持の段階で貼り合わせ対象の基材がずれないように、一部分または全面に光を照射することによって基材を仮固定してもよい。
<レドックス重合反応による硬化方法>
当該二液型硬化性組成物は光の透過しない暗部に存在する場合は、すでに記載のとおり、硬化性組成物(I)と硬化性組成物(II)が接触することでレドックス重合反応が進行し、硬化させることができる(図3参照)。レドックス重合反応は室温で硬化させることができるが、硬化をより速やかに進行させるためには、加熱等の処理を行っても良い。加熱の際の温度は5〜100℃が好ましく、10〜80℃がより好ましい。
<光重合反応による硬化方法>
当該硬化性組成物を光重合反応によって硬化させる方法としては、特に限定されない。当該硬化性組成物は光重合開始剤(D)を用いることによって、活性エネルギー線源により光又は電子線を照射して、硬化させることができる(図4参照)。活性エネルギー線源としては特に限定はないが、用いる光重合開始剤の性質に応じて、例えば高圧水銀灯、低圧水銀灯、電子線照射装置、ハロゲンランプ、発光ダイオード、半導体レーザー、メタルハライドランプ等が挙げられる。その硬化温度は、0℃〜150℃が好ましく、5℃〜120℃がより好ましい。
また、カバーボード/表示モジュール間、タッチセンサー付カバーボード/表示モジュール間を貼り合わせた後、液状の樹脂が十分レベリングする迄の間、各基材のズレ防止を目的に塗布・貼り合わせした部分の一部を仮固定することが好ましい。仮固定の方法としては、一部分だけを固定するが出来る点でUV照射が好ましい。
<用途>
本発明の、硬化性組成物によって貼り合せた表示装置を搭載した電気・電子製品としては、テレビ、携帯電話、スマートフォン、ポータブルメディアプレーヤー、タブレットなどの持ち運び可能な電子端末、デジタルカメラ、パーソナルコンピューター、電子ペーパー、さらに、カーナビ、車載の表示メーター類、表示装置を搭載した冷蔵庫、電子レンジ、洗濯機等の家電製品類、ゲーム機、スロットマシン等が挙げられる。本発明は、上記画像表示モジュール貼り合わせ用硬化性組成物を塗布、硬化させて得られるフラットパネルディスプレイを搭載した電気・電子機器を包含する。
以下に、実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれにより何ら制限を受けるものではない。
下記実施例中、「数平均分子量」および「分子量分布(重量平均分子量と数平均分子量の比)」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いた標準ポリスチレン換算法により算出した。ただし、GPCシステムとしてWaters社製LC Module1を、GPCカラムとしてポリスチレン架橋ゲルを充填したもの(Shodex GPC K−804;昭和電工(株)製)、GPC溶媒としてクロロホルムを用いた。
「平均末端(メタ)アクリロイル基数」は、「重合体1分子当たりに導入された(メタ)アクリロイル基数」であり、H−NMR分析及びGPCにより求められた数平均分子量より算出した。(ただし、H−NMRはBruker社製ASX−400を使用し、溶媒として重クロロホルムを用いて23℃にて測定した。)
(製造例1−1、1−2)
(1)重合工程
アクリル酸n−ブチルを脱酸素した。攪拌機付ステンレス製反応容器の内部を脱酸素し、臭化第一銅、全アクリル酸n−ブチルの一部(表1では初期仕込みモノマーとして記載)を仕込み、加熱攪拌した。アセトニトリル(表1では重合用アセトニトリルと記載)、開始剤としてジエチル2,5−ジブロモアジペート(DBAE)もしくは2−ブロモブタン酸エチル(EBB)を添加、混合し、混合液の温度を約80℃に調節した段階でペンタメチルジエチレントリアミン(以下、トリアミンと略す)を添加し、重合反応を開始した。残りのアクリル酸n−ブチル(表1では追加モノマーとして記載)を逐次添加し、重合反応を進めた。重合途中、適宜トリアミンを追加し、重合速度を調整した。重合時に使用したトリアミンの総量を重合用トリアミンとして表1に示す。重合が進行すると重合熱により内温が上昇するので内温を約80℃〜約90℃に調整しながら重合を進行させた。
(2)酸素処理工程
モノマー転化率(重合反応率)が約95%以上の時点で反応容器気相部に酸素‐窒素混合ガスを導入した。内温を約80℃〜約90℃に保ちながらしながら反応液を数時間加熱攪拌して反応液中の重合触媒と酸素を接触させた。アセトニトリル及び未反応のモノマーを減圧脱揮して除去し、重合体を含有する濃縮物を得た。濃縮物は著しく着色していた。
(3)第一粗精製
酢酸ブチルを重合体の希釈溶媒として使用した。重合体100kgに対して100〜150kg程度の酢酸ブチルで(2)の濃縮物を希釈し、ろ過助剤(ラヂオライトR900、昭和化学工業製)を添加した。反応容器気相部に酸素‐窒素混合ガスを導入した後、約80℃で数時間加熱攪拌した。不溶な触媒成分をろ過除去した。ろ液は重合触媒残渣によって着色および若干の濁りを有していた。
(4)第二粗精製
ろ液を攪拌機付ステンレス製反応容器に仕込み、吸着剤(キョーワード700SEN、キョーワード500SH)を添加した。気相部に酸素−窒素混合ガスを導入して約100℃で数時間加熱攪拌した後、吸着剤等の不溶成分をろ過除去した。ろ液はほとんど無色透明な清澄液であった。ろ液を濃縮し、ほぼ無色透明の重合体を得た。
(5)(メタ)アクリロイル基導入工程
重合体100kgをN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)約100kgに溶解し、アクリル酸カリウム(末端Br基に対して約2モル当量)、熱安定剤(H−TEMPO:4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−n−オキシル)、吸着剤(キョーワード700SEN)、を添加し、約70℃で数時間加熱攪拌した。DMAcを減圧留去し、重合体濃縮物を重合体100kgに対して約100kgのトルエンで希釈し、ろ過助剤を添加して固形分をろ別し、ろ液を濃縮し、末端にアクリロイル基を有する重合体[P1]および[P2]を得た。得られた重合体の1分子あたりに導入されたアクリロイル基数、数平均分子量、分子量分布を併せて表1に示す。
Figure 2014181263
(製造例2−1)
(A)成分として製造例1に記載の末端にアクリロイル基を有する重合体[P1]40重量部、[P2]60重量部をミニカップに加え、N,N’−ジメチルアクリルアミド(興人(株)製)15重量部、2−テトラヒドロフルフリルアクリレート(共栄社化学(株)製ライトアクリレートTHF−A)5重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(共栄社化学(株)製 ライトエステルHOA)10重量部、(B)成分としてバナジウム(III)アセチルアセトナート(Aldrich製)1重量部、(C)成分としてトリアミルアミン(東京化成(株)製)10重量部の均一な混合物合計41部を前記ミニカップに加え、攪拌混合することで硬化性組成物(I−1)を得た。
(製造例2−2〜2−11)
製造例2−1と同様の方法で、下記表2に記載の配合比率で各硬化性組成物(I−2〜I−11)を得た。
(製造例3−1)
(A)成分として製造例1に記載の末端にアクリロイル基を有する重合体[P1]20重量部、[P2]80重量部、N,N’−ジメチルアクリルアミド(興人(株)製)20重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(共栄社化学(株)製 ライトエステルHOA)10重量部をミニカップに加え、(D)成分として、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(BASF社製 DAROCURE1173)0.8重量部、(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ジフェニルホスフィンオキサイド(BASF社製 LUCIRIN TPO)0.1重量部を添加し、攪拌混合後、(E)成分としてクメンハイドロパーオキサイド80%クメン溶液(日油(株)製 パークミルH−80)0.65重量部を添加し、攪拌混合することで硬化性組成物(II−1)を得た。
(製造例3−2〜3−5)
製造例3−1と同様の方法で、下記表3に記載の配合比率で各硬化性組成物(II−2〜II−5)を得た。
Figure 2014181263
Figure 2014181263
表2、表3における各成分の略称は以下のとおりである。
DMAA: N,N’−ジメチルアクリルアミド(興人(株)製)
ACMO: N−アクリロイルモルホリン(興人(株)製)
THF−A: 2−テトラヒドロフルフリルアクリレート(共栄社化学(株)製 ライトアクリレートTHF−A)
OXE: 3−エチル−3−オキセタニルメチルアクリレート(大阪有機化学工業(株)製 OXE−10)
HEA: 2−ヒドロキシエチルアクリレート(共栄社化学(株)製 ライトエステルHOA)
ISTA: イソステアリルアクリレート(大阪有機化学工業(株)製)
IBXA: イソボルニルアクリレート(大阪有機化学工業(株)製)
V(acac)3: バナジウム(III)アセチルアセトナート(Aldrich製)
Co(acac)2: コバルト(II)アセチルアセトナート(東京化成(株)製)
BS: オルトベンゾイックスルフィミド(サッカリン)(和光純薬(株)製)
DT: ドデカンチオール(Aldrich製)
ETU: エチレンチオ尿素(東京化成(株)製)
DBTU: N,N’−ジブチルチオ尿素(東京化成(株)製)
TAA: トリアミルアミン(分枝混合物)(東京化成(株)製)
1173: 2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(BASF社製 DAROCURE1173)
TPO: (2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ジフェニルホスフィンオキサイド(BASF社製 LUCIRIN TPO)
CHP: クメンハイドロパーオキサイド(日油(株)製 パークミルH−80)
(実施例1〜15、比較例1,2)
製造例2−1〜2−11で得た硬化性組成物(I)を、5.0cm四方、厚さ1.1mmのソーダガラスに、アプリケーターを用いて厚さ30μmで均一に塗布し、また製造例3−1〜3−5で得た硬化性組成物(II)を、同じ形状で別のソーダガラスに、アプリケーターを用いて厚さ200μmで均一に塗布した。(I)(II)それぞれの硬化性組成物を塗布したソーダガラスの間に厚さ200μmのスペーサーを挟みながら、図5のように塗布面を静かに貼りあわせた。貼りあわせたガラスを垂直に立てても貼りあわせがずれなくなるまでの時間を計測した結果を表4に示す。
Figure 2014181263
(実施例16、比較例3)
表5に記載の硬化性組成物を、幅2.0cm、厚さ0.05mmのブラックマトリックスを有する厚さ0.7mmのガラス製カバーガラスに膜厚が0.2mmになる様に、所定量を図1のようにディスペンス後、LCDモジュールに貼り合わせた(図2)。フュージョンUVシステム製UV照射装置(機種:LIGHT HAMMER 6、光源:水銀灯ランプ、ピーク照度600mW/cm)積算光量:6000mJ/cm)にて照射を行い、画像表示装置を得た。
得られた画像表示装置のヒートショック(85℃⇔−40℃)500サイクル試験後、室温下においてLCDモジュールに通電を行い、表示部分の汚染の有無を確認した。また、臭気の有無を官能評価により判定した。
Figure 2014181263
実施例1〜15の場合、いずれのサンプルについても貼りあわせから20分以内に、貼り合わせサンプルを垂直に立ててもずれなくなるほどに硬化していることが確かめられたが、比較例1、2の場合においては同程度に硬化するのに30分以上要することが示された。また実施例16においては、ヒートショック試験後に硬化性組成物(I)や(II)の視認部への漏れや臭気は確認されなかったが、比較例3においては、硬化性組成物(I)や(II)の未硬化物に由来する臭気や、これら未硬化物のLCDモジュールの内部への浸入による表示部分の汚染が確認された。
1.透光性保護カバーボード(視認部)
2.画像表示モジュール、またはLCDモジュール
3.ブラックマトリックス
4.硬化性組成物II
5.硬化性組成物I
6.硬化性組成物I(硬化後)
7.硬化性組成物II(硬化後)
8.ソーダガラス
9.スペーサー

Claims (15)

  1. 透光性保護カバーボードおよび/または画像表示モジュールの、透光性保護カバーボードと画像表示モジュールを貼りあわせた際に光の到達しない暗部になる部分に硬化性組成物(I)を、透光性保護カバーボードおよび/又は画像表示モジュールの、硬化性組成物(I)と接触しない部分に硬化性組成物(II)を塗布し、透光性保護カバーボードと画像表示装置を貼りあわせて硬化性組成物(I)と(II)を接触させた後、光照射を行う画像表示装置の製造方法であって、
    硬化性組成物(I)が、重合性の炭素―炭素二重結合を1個以上有する化合物(A)、第4周期遷移金属元素化合物(B)、還元剤(C)を含有し、
    硬化性組成物(II)が、前記化合物(A)、光重合開始剤(D)、有機過酸化物(E)を含有し、
    硬化性組成物(I)および硬化性組成物(II)の少なくとも一方が化合物(A)として下記一般式(1)〜(3)で示される化合物のうち少なくとも1成分を含む画像表示装置の製造方法。
    Figure 2014181263
    (式中、RおよびRは水素もしくは炭素数1〜20からなる置換もしくは非置換の直鎖あるいは分枝構造を有する炭化水素基であり、炭化水素の結合の一部がエーテル結合、エステル結合、アミノ結合、アミド結合などで置換されていても構わない。Rは、炭素数1〜20からなる置換もしくは非置換の直鎖あるいは分枝構造を有する炭化水素基であり、炭化水素の結合の一部がエーテル結合、エステル結合、アミノ結合、アミド結合などで置換されていても構わない。Rが水素以外の場合、RとRが互いに結合して環状構造を形成していても構わない。)
    Figure 2014181263
    Figure 2014181263
    (式中、Rは一般式(1)におけるRと同等である。Rは水素もしくは炭素数1〜20からなる置換もしくは非置換の炭化水素基であり、エーテル結合、エステル結合、アミノ結合、アミド結合などで置換されていても構わない。Rは炭素数1〜20からなる置換もしくは非置換の2価の炭化水素基、またはエーテル結合、エステル結合、アミノ結合、アミド結合を有する炭素数1〜20の2価の基である。QはRと同等、もしくはヘテロ原子から選択される基。)
  2. 一般式(1)〜(3)で示される化合物の添加量が、一般式(1)〜(3)で示される化合物が含まれる硬化性組成物(I)または硬化性組成物(II)中の(A)成分全体の重量に対し、10重量%から40重量%であることを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置の製造方法。
  3. 硬化性組成物(I)および/または硬化性組成物(II)の(A)成分が、重合体もしくはオリゴマーであることを特徴とする、請求項1または2に記載の画像表示装置の製造方法。
  4. (A)成分の重合体もしくはオリゴマーが、ビニル系重合体であることを特徴とする、請求項3に記載の画像表示装置の製造方法。
  5. (A)成分のビニル系重合体がポリイソブチレン、水素添加ポリイソプレン、水素添加ポリブタジエン、並びに、(メタ)アクリル酸系モノマー、アクリロニトリル系モノマー、芳香族ビニル系モノマー、フッ素含有ビニル系モノマー及びケイ素含有ビニル系モノマーからなる群から選ばれるモノマーを主として重合して製造されるものである重合体から少なくとも一種選択されることを特徴とする、請求項4に記載の画像表示装置の製造方法。
  6. (A)成分における重合性の炭素−炭素二重結合が、一般式(4)で表されることを特徴とする、請求項1〜5の何れかに記載の画像表示装置の製造方法。
    −Z−C(=O)−C(R)=CH (4)
    (式中、Rは水素もしくは炭素数1〜20からなる置換もしくは非置換の直鎖あるいは分枝構造を有する炭化水素基であり、炭化水素の結合の一部がエーテル結合、エステル結合、アミノ結合、アミド結合などで置換されていても構わない。Zはヘテロ原子、NR(Rは、水素原子、または、置換あるいは非置換の炭素原子数1から20の炭化水素基)から選択される基である。)
  7. (B)成分の添加量が、硬化性組成物(I)中の(A)成分100重量部に対して0.5重量部〜2重量部であることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の画像表示装置の製造方法。
  8. (B)成分が、バナジウム、チタン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅の有機酸塩または金属キレート化合物のうち少なくとも一成分より選ばれることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の画像表示装置の製造方法。
  9. (C)成分の添加量が、硬化性組成物(I)中の(A)成分100重量部に対して0.5重量部〜15重量部であることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の画像表示装置の製造方法。
  10. (C)成分が、第3級アミン、オルトベンゾイックスルフィミド、メルカプタン、チオ尿素化合物、およびこれらの塩のうち少なくとも一成分より選ばれることを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載の画像表示装置の製造方法。
  11. (D)成分の添加量が、硬化性組成物(II)中の(A)成分100重量部に対して0.025重量部〜2重量部であることを特徴とする請求項1〜10の何れかに記載の画像表示装置の製造方法。
  12. (E)成分の添加量が、硬化性組成物(II)中の(A)成分100重量部に対して0.1重量部〜2重量部であることを特徴とする請求項1〜11の何れかに記載の画像表示装置の製造方法。
  13. (E)成分がハイドロパーオキサイドであることを特徴とする、請求項1〜12の何れかに記載の画像表示装置の製造方法。
  14. 請求項1〜13の何れかの方法で製造された画像表示装置。
  15. 請求項14に記載の画像表示装置を搭載した、電気・電子機器。
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