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JP2014170208A - 後ろ向きの瞳孔径センサを有する電子眼科用レンズ - Google Patents

後ろ向きの瞳孔径センサを有する電子眼科用レンズ Download PDF

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Abstract

【課題】 電子システムを備える眼科用レンズのための後ろ向きの瞳孔径感知システムを提供する。
【解決手段】 後ろ向きの瞳孔径感知システムは、眼科用レンズ内に組み込まれた電子システムの一部である。電子システムは、1つ又は2つ以上のバッテリ又は他の電源、電力管理回路、1つ又は2つ以上のセンサ、クロック発生回路、制御アルゴニズム及び回路、並びにレンズドライバ回路を含む。後ろ向きの瞳孔径感知システムは、瞳孔位置を判定し、この情報を使用して、眼科用レンズの様々な態様を制御するために利用される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、瞳孔径を検出及び/又は感知するためのセンサ並びに関連したハードウェア及びソフトウェアを有する電動又は電子眼科用レンズに関し、より具体的には、瞳孔径の変化を検出し、電子眼科用レンズの状態の変化させるためのセンサ並びに関連したハードウェア及びソフトウェアに関する。
電子デバイスの小型化が継続するにつれ、多様な用途のための着用可能又は埋め込み可能なマイクロ電子デバイスが形成される可能性が益々高まっている。それらの用途には、身体化学(body chemistry)の局面の監視、自動的に、測定値に応答して、又は外部制御信号に応答して、を含む様々な機構を介した、制御された用量の薬物又は治療薬の投与、及び器官又は組織のパフォーマンスの増強が挙げられる。それらのデバイスの例には、グルコース注入ポンプ、ペースメーカー、除細動器、補助人工心臓及び神経刺激装置が挙げられる。用途の新しい、特に有用な分野は、眼科用の着用可能なレンズ及びコンタクトレンズにある。例えば、着用可能なレンズは、電子的に調整可能な焦点を有して、眼のパフォーマンスを増強し又は向上させるレンズアセンブリを組み込むことができる。別の例では、着用可能なコンタクトレンズは、調整可能な焦点を有し又は有さずに、電子センサを組み込んで、前角膜(涙膜)中の特定の化学物質の濃度を検出することができる。レンズアセンブリに埋め込まれた電子機器の使用は、電子機器との通信、電子機器への電力供給及び/又は再充電方法、電子機器の相互接続、内部及び外部の検出及び/又は監視、並びにレンズのすべての電子機器及び機能の制御に対する潜在的な要件をもたらす。
人の眼は、数百万の色を識別する能力、変化する光条件に容易に順応する能力、及び信号又は情報を、高速インターネット接続を超える速度で脳に伝達する能力を有する。コンタクトレンズ及び眼内レンズ等のレンズは現在、近視(近眼)、遠視(遠眼)、老眼、及び乱視等の視力障害を補正するために利用されている。しかしながら、追加の構成要素を組み込んだ、適切に設計されたレンズを利用して、視力を向上させ、また視力障害を補正することができる。
コンタクトレンズは、近視、遠視、乱視、並びに他の視力障害を補正するために利用されてもよい。コンタクトレンズはまた、着用者の目の自然な外観を向上させるために利用されてもよい。コンタクトレンズ又は「コンタクト」は、単に、目の前面に配置されるレンズである。コンタクトレンズを医療装置と見なし、視力を矯正するために、及び/又は美容上若しくは他の治療上の理由から装着してもよい。コンタクトレンズは、視力を向上させるために、1950年以降商業的に利用されている。初期のコンタクトレンズは、硬質材料から作製又は製造され、比較的高価で脆弱であった。加えて、これらの初期のコンタクトレンズは、コンタクトレンズを通して結膜及び角膜に十分な酸素を透過しない材料から製造され、このことは、いくつかの有害な臨床的副作用を引き起こす可能性があった。これらのコンタクトレンズが依然として利用されているが、それらは、初期快適性が低いため、すべての患者に適していない。当分野における最近の開発は、ヒドロゲルに基づいて、現在非常に好評であり、広く利用されているソフトコンタクトレンズを生み出した。具体的には、現在利用可能なシリコーンヒドロゲルのコンタクトレンズは、非常に高い酸素透過率を有するシリコーンの利点を、ヒドロゲルの実証された快適性及び臨床成績と組み合わせている。本質的に、これらのシリコーンヒドロゲル系コンタクトレンズは、高い酸素透過率を有し、一般に、初期の硬質材料で作製されたコンタクトレンズよりも着用が快適である。
従来のコンタクトレンズは、特定の形状を有して、上記に簡潔に示した様々な視力問題を補正する高分子構造である。高い機能性を達成するために、様々な回路及び構成要素がこれらの高分子構造に一体化される必要がある。例えば、制御回路、マイクロプロセッサ、通信デバイス、電力供給装置、センサ、アクチュエータ、発光ダイオード、及び小型アンテナは、視力を補正するだけでなく、視力を向上させ、かつ本明細書に説明されるような追加の機能性を提供するために、特注の光電子構成要素を介してコンタクトレンズに一体化されてもよい。電子及び/又は電動コンタクトレンズは、ズームイン又はズームアウト能力を介して、又は単にレンズの屈折能力を変更することを介して、向上された視力を提供するように設計されてもよい。電子及び/又は電動コンタクトレンズは、色及び解像度を向上させるように、テクスチャ情報を表示するように、リアルタイムで言語を字幕に翻訳するように、ナビゲーションシステムから視覚的合図を提供するように、また画像処理及びインターネットアクセスを提供するように設計されてもよい。レンズは、着用者が暗い状況下で見ることを可能にするように設計されてもよい。レンズ上の適切に設計された電子機器及び/又は電子機器の配置は、例えば、可変焦点光学レンズを有することなく網膜上に画像を投影することを可能とし、新奇な画像ディスプレーを提供し、起床警告さえも提供してもよい。代替的に、又はこれらの機能若しくは同様の機能のいずれかに加えて、コンタクトレンズは、着用者のバイオマーカー及び健康指標を非侵襲的に監視するための構成要素を組み込んでもよい。例えば、レンズ内に構築されたセンサは、糖尿病患者が、血液を抜き取る必要性を有さずに、涙膜の構成成分を分析することによって、血糖値を把握することを可能にし得る。加えて、適切に構成されたレンズは、コレステロール、ナトリウム、及びカリウムレベル、並びに他の生物学的マーカーを監視するセンサを組み込んでもよい。無線データ送信機と連結されるこのセンサは、患者が試験所に到着し、血液を抜き取る無駄な時間を有する必要なく、医師が患者の血液成分をほぼ即時に入手することを可能にし得る。加えて、レンズ内に構築されたセンサは、周辺光条件を補正するために目への光の入射を検出するため、又はまばたきパターンの判定に使用するために利用されてもよい。
適切なデバイスの組み合わせは、潜在的に無制限の機能性を提供し得るが、光学等級のポリマーの一部分上に特別な構成要素を組み込むことに関連した多数の困難が存在する。一般に、それらの構成要素をレンズ上に直接製造すること、及び、非平面状の表面に平面状のデバイスを装着及び相互接続することは、多数の理由により困難である。一定の縮尺で製造することもまた困難である。レンズ上又はレンズ内に配置される構成要素は、眼上の液体環境から構成要素を保護する一方で、小型化され、わずか1.5平方センチメートルの透明ポリマー上に一体化される必要がある。追加の構成要素による付加的な厚さを有するコンタクトレンズを、着用者にとって心地よくかつ安全なものにすることも困難である。
コンタクトレンズ等の眼科デバイスの面積及び体積の制約、並びにそのデバイスが利用される環境を考慮すると、デバイスの物理的実現は、その大部分が光学プラスチックを含む非平面状の表面に、多数の電子構成要素を装着し相互接続することを含む、多数の問題を克服しなければならない。したがって、機械的かつ電気的に頑丈な電子コンタクトレンズを提供する必要性が存在する。
これらは電動レンズであるため、電子機器を動作させるためのエネルギー、又はより具体的には消費電流が、眼科レンズの規模でのバッテリ技術を考慮した場合に懸念事項となる。通常の消費電流に加えて、この性質の電動デバイス又はシステムは一般に、予備電流備蓄、潜在的に広範囲の動作パラメーターにわたって動作を保証する精密な電圧制御及びスイッチング能力、並びに例えば、数年にわたり潜在的にアイドリングのままにした後の、1度の充電による最大18時間のバースト消費を必要とする。したがって、必要とされる電力を提供する一方で、低コスト、長期の信頼性のある使用、安全性、及びサイズが最適化されるシステムへの必要性が存在する。
加えて、電動レンズに関連付けられた機能性及び電動レンズを備えるすべての構成要素間の高レベルの相互作用の複雑性のため、電動眼科レンズを備える電子機器及び光学のすべての動作の調整及び制御に対する必要性が存在する。したがって、安全で低コストかつ信頼性があり、低い電力消費率を有し、かつ眼科レンズへの組み込みのために拡張性のある、すべての他の構成要素の動作を制御するシステムに対する必要性が存在する。
電動又は電子眼科レンズは、電動又は電子眼科レンズを利用する個人の、特定の一意的な生理学的機能を考慮しなければならない場合がある。より具体的には、電動レンズは、所与の時間におけるまばたきの回数、まばたきの持続時間、まばたき間の時間、及び例えば、個人が居眠りしている場合等、任意の数の可能なまばたきパターンを含むまばたきを考慮しなければならない場合がある。まばたき検出はまた、特定の機能性を提供するために利用されてもよく、例えば、まばたきは、電動眼科レンズの1つ又は2つ以上の態様を制御する手段として利用されてもよい。更に、まばたきを判定するときには、光の強度レベル、及び人のまぶたが遮断する可視光線の量の変化等の外部要因が考慮されなければならない。例えば、部屋が54〜161ルックスの照度を有する場合、光センサは、人がまばたきするときに生じる光の強度の変化を検出することができるほど高感度であるべきである。
周辺光センサ又は光センサは、例えば、室内灯に応じて明るさを調整するようにテレビに、夕暮れにスイッチが入るように光源に、及びスクリーンの明るさを調整するように電話に等、多くのシステム及び製品に利用される。しかしながら、これらの現在利用されるセンサシステムは、十分に小さくない、及び/又はコンタクトレンズへの組み込みのために十分に低い電力消費を有していない。
異なる種類のまばたき検出器は、例えば、コンピュータに対してディジタル化されたカメラ等、人の目(複数可)に対して行われるコンピュータ視覚システムを用いて実行されてもよいということにも留意すべきである。コンピュータのソフトウェア走行は、目の開閉等の視覚的パターンを認識し得る。これらのシステムは、診断目的及び研究のための眼科臨床設定において利用されてもよい。上述の検出器及びシステムとは異なり、これらのシステムは、オフアイ使用が意図され、目を基点に遠くを見るよりはむしろ目を見るためのものである。これらのシステムは、コンタクトレンズ内に組み込めるほど小型ではないが、利用されるソフトウェアは、電動コンタクトレンズとともに動作するソフトウェアに類似してもよい。どちらのシステムも、入力から学習し、それに応じてそれらの出力を調整する人工の神経ネットワークのソフトウェア実行を組み込んでもよい。代替的に、統計学、他の適合アルゴリズム、及び/又は信号処理を組み込む、生物学に基づかないソフトウェアの実行が、高性能システムを作成するために利用されてもよい。
したがって、まばたき等の特定の生理学的機能を検出する手段及び方法、並びにセンサによって検出されるまばたきシーケンスの種類に従って、電子又は電動眼科レンズを作動化及び/又は制御するために、それらを利用する手段及び方法に対する必要性が存在する。利用されるセンサは、コンタクトレンズに使用されるための大きさ及び構成がなされなければならない。
代替的に、まばたきではなく、又はまばたきに加えて、瞳孔径は、特定の状況下でコンタクトレンズの機能性を制御するために利用されてもよい。瞳孔径は、眼科デバイスにおける変化を命令するために使用することができる、目の測定可能なパラメーターである。瞳孔径を、例えば、目に対向するカメラによって測定することができる。カメラは、目の画像を捕捉し、画像、パターン、又はコントラスト認識を介して瞳孔を判定し、瞳孔径を計算する。瞳孔径は、拡張しているか、又は収縮しているかにかかわらず、遠くとは対照的に間近に焦点を合わせる目への光の入射のレベル及びいくつかの病状と相関する。眼科デバイスは、瞳孔径に基づいて光透過率若しくは焦点距離を変化させるか、又は他の事象を引き起こすことができる。代替的に、感知されたデータを、病状を監視するために単に収集及び利用することができる。
瞳孔径を測定する現行の方法及びデバイスは、コンタクトレンズにおける使用に好適ではない。例えば、カメラ及び認識システムは、典型的には、臨床設定において、又は恐らく眼鏡のレンズ上で見られる。現行のシステムは、コンタクトレンズとの一体化に必要な小さい寸法も低電流も有しない。現行のシステムは、瞳孔径の変化に基づいて眼科デバイスの状態を変化させることを目的としていない。したがって、瞳孔径を検出し、この情報を利用して、電子又は電動眼科レンズを制御するための手段及び方法が必要とされている。
本発明に従う後ろ向きの瞳孔拡張センサを有する電子眼科用レンズは、上で簡潔に説明される先行技術に関連した制限を克服する。
一態様によれば、本発明は電動眼科レンズに関する。電動眼科レンズは、光学ゾーン及び周縁ゾーンを含むコンタクトレンズと、瞳孔径を測定するためのコンタクトレンズ内に組み込まれた瞳孔径センサシステムと、を備え、瞳孔径センサシステムは、少なくとも1つのセンサと、少なくとも1つのセンサに動作的に関連付けられ、かつ瞳孔の直径を判定し、瞳孔径に基づいて制御信号を出力するために構成されたシステムコントローラと、出力制御信号を受信し、所定の機能を実装するように構成された少なくとも1つのアクチュエータとを含む。
本発明は、可変焦点光学系が含まれる場合にそれを作動させることを含む、任意の数の機能を実行する、電子システムを備える電動コンタクトレンズに関する。電子システムは、1つ又は2つ以上のバッテリ又は他の電源、電力管理回路、1つ又は2つ以上のセンサ、クロック発生回路、制御アルゴニズム及び回路、並びにレンズドライバ回路を含む。
電動眼科レンズの制御は、携帯遠隔装置等のレンズと無線で通信する手動式の外部のデバイスを通じて達成されてもよい。代替的に、電動眼科レンズの制御は、着用者からの直接的なフィードバック又は制御信号を介して達成されてもよい。例えば、レンズ内に構築されたセンサは、まばたき及び/又はまばたきパターンを検出してもよい。まばたきのパターン又はシーケンスに基づいて、電動眼科レンズは、近くの物体又は遠くの物体のいずれかに焦点を合わせるために、例えばその屈折力等、状態を変化させてもよい。別の代替の例示の実施形態において、電動眼科レンズの制御は、着用者からの直接的なフィードバック又は制御信号を介して、即ち、個人の瞳孔の寸法における検出された変化を介して達成され得る。
本発明の瞳孔径センサは、コンタクトレンズに一体化されるのに適切な小さい寸法及び低消費電流を有する。例示の一実施形態において、センサは、シリコン半導体プロセスで製造され、約100マイクロメートル以下に薄層化され、約300×300マイクロメートル以下のダイ寸法にダイシングされる。代替の例示の実施形態において、センサは、コンタクトレンズの球状に適合する薄い可塑性のデバイスとして製造される。更に別の例示の実施形態では、センサは、虹彩上の様々な点をサンプリングするためにコンタクトレンズの様々な位置に配置されるより小さいセンサのアレイとして製造される。センサは、光反射、インピーダンス、電磁界、神経活動、筋活動、及び眼科技術分野において既知の他のパラメーターを検出することによって、瞳孔径及びその変化を判定することができる。
瞳孔径センサは、小型のバッテリ及び/又はエネルギー収穫機からのコンタクトレンズ内での動作を可能にする低電流を消費するように設計される。例示の一実施形態において、センサは、虹彩に反射する光を検出する非バイアス又は低バイアス光センサとして実装される。センサは、この場合において、全電力消費量が最小限に抑えられるように、低デューティサイクル及び低周波でサンプリングされ得る。別の例示の実施形態では、センサは、虹彩にわたって、又は虹彩上の様々な点でインピーダンスを検出するために実装される。この場合もやはり、センサは、当技術分野で一般的な低電流技術、例えば、高インピーダンス及び低電圧を用いて実装される。更に別の例示の実施形態では、センサは、例えば、虹彩の開口を制御する筋肉からの電磁放射を感知することによって神経筋活動を測定するために実装される。
瞳孔径センサは、瞳孔径の変化に基づいて電子眼科デバイスを引き起こすシステムにおいて動作するように設計される。例示の一実施形態において、センサは、焦点距離を変化させたいという欲求を快適かつ都合良く検出するのに十分早いが、小型バッテリ及び/又はエネルギー収穫機での動作のために消費電流を最小限に抑えるのに十分遅い速度でサンプリングされる。センサは、他の入力、例えば、目への周辺光の入射とともに瞳孔径を検討するためにシステムに含まれる。この場合において、システムは、周辺光の減少がない時に、即ち、近くに焦点を合わせたいという要求と相関する状況において、瞳孔径の変化を検出することができる。
本発明の上記に述べた特徴及び利点、並びに他の特徴及び利点は、添付の図面に示されるような以下の本発明の好ましい実施形態のより詳細な説明から明らかとなるであろう。
本発明のいくつかの実施形態に従うまばたき検出システムを備える例示のコンタクトレンズを示す。 本発明に従う、種々の光の強度レベルで記録された可能な無意識のまばたきパターン対時間、及び最大の光の強度レベルと最小の光の強度レベルとの間のいくつかの地点に基づく有効な閾値を示す、目の表面上の光の入射対時間のグラフ表示を示す。 本発明に従うまばたき検出システムの例示の状態遷移図。 本発明に従う、受信された光信号を検出及びサンプリングするために利用される光検出経路の図表示。 本発明に従うディジタル調節論理のブロック図。 本発明に従うディジタル検出論理のブロック図。 本発明に従う例示のタイミング図。 本発明に従うディジタルシステムコントローラの図表示。 本発明に従う自動利得制御の例示のタイミング図。 本発明に従う、例示の集積回路ダイ上の光遮断及び光通過領域の図表示。 本発明に従う電動コンタクトレンズのための、まばたき検出器を含む例示の電子インサートの図表示。 本発明に従う、目の上に位置付けられる第1の例示の瞳孔径センサを有する電動眼科レンズの図表示。 本発明に従う、目の上に位置付けられる第2の例示の瞳孔径センサを有する電動眼科レンズの図表示。 本発明に従う、瞳孔径を検出及び利用するための電子システムのブロック図表示。 本発明に従う、時間に対する周辺光及び瞳孔径のプロット。
従来のコンタクトレンズは、特定の形状を有して、上記に簡潔に示した様々な視力問題を補正する高分子構造である。高い機能性を達成するために、種々の回路及び構成要素が、これらの高分子構造に一体化されてもよい。例えば、制御回路、マイクロプロセッサ、通信デバイス、電力供給装置、センサ、アクチュエータ、発光ダイオード、及び小型アンテナは、視力を補正するだけでなく、視力を向上させ、かつ本明細書に説明されるような追加の機能性を提供するために、特注の光電子構成要素を介してコンタクトレンズに一体化されてもよい。電子及び/又は電動コンタクトレンズは、ズームイン及びズームアウト能力を介して、又は単にレンズの屈折能力を変更することを介して、向上された視力を提供するように設計されてもよい。電子及び/又は電動コンタクトレンズは、色及び解像度を向上させるように、テクスチャ情報を表示するように、リアルタイムで言語を字幕に翻訳するように、ナビゲーションシステムから視覚的合図を提供するように、また画像処理及びインターネットアクセスを提供するように設計されてもよい。レンズは、着用者が暗い状況下で見ることを可能にするように設計されてもよい。レンズ上の適切に設計された電子機器及び/又は電子機器の配置により、可変焦点光学レンズを有することなく、例えば画像を網膜上に投影することが可能となり、新奇な画像ディスプレーを提供し、また起床警告さえも提供し得る。代替的に、又はこれらの機能若しくは同様の機能のいずれかに加えて、コンタクトレンズは、着用者のバイオマーカー及び健康指標を非侵襲的に監視するための構成要素を組み込んでもよい。例えば、レンズ内に構築されたセンサは、糖尿病患者が、血液を抜き取る必要性を有さずに、涙膜の構成成分を分析することによって、血糖値を把握することを可能にし得る。加えて、適切に構成されたレンズは、コレステロール、ナトリウム、及びカリウムレベル、並びに他の生物学的マーカーを監視するセンサを組み込んでもよい。無線データ送信機に結合されたこのセンサは、患者が試験所に到着し、血液を抜き取る無駄な時間を有する必要なく、医師が患者の血液成分をほぼ即時に入手することを可能にし得る。加えて、レンズ内に構築されたセンサは、周辺光条件を補正するために目への光の入射を検出するため、又はまばたきパターンの判定に使用するために利用されてもよい。
本発明の電動又は電子コンタクトレンズは、上述した視力障害のうちの1つ又は2つ以上を有する患者の視力を補正し及び/若しくは向上させ、又は他の有用な眼科機能を実行するのに必要な要素を含む。加えて、電子コンタクトレンズは、単に正常な視力を向上させるためか、又は上述のとおり幅広く多様な機能性を提供するために利用されてもよい。電子コンタクトレンズは、可変焦点光学レンズを含んでもよく、組み立てた前方光学がコンタクトレンズ内に埋め込まれ、又は、レンズを有さない電子機器を単に任意の好適な機能性のために埋め込んでいる。本発明の電子レンズは、上述したような任意の数のコンタクトレンズ内に組み込むことができる。加えて、眼内レンズはまた、本明細書に記載される種々の構成要素及び機能性を組み込んでもよい。しかしながら、説明を容易にするために、本開示は、単回使用、1日使い捨てを意図する、視力障害の補正のための電子コンタクトレンズに焦点を当てる。
本発明は、可変焦点光学、又は実行され得る任意の数の多種多様な機能を実行するように構成された任意の他のデバイスを作動させる電子システムを備える電動眼科レンズ又は電動コンタクトレンズに採用されてもよい。電子システムは、1つ又は2つ以上のバッテリ又は他の電源、電力管理回路、1つ又は2つ以上のセンサ、クロック発生回路、制御アルゴニズム及び回路、並びにレンズドライバ回路を含む。これらの構成要素の複雑性は、必要とされる又は所望のレンズの機能性に応じて変化してもよい。
電子又は電動眼科レンズの制御は、携帯遠隔装置等のレンズと通信する手動式の外部のデバイスを通じて達成されてもよい。例えば、フォブ(fob)は、着用者からの手動入力に基づいて電動レンズと無線で通信してもよい。代替的に、電動眼科レンズの制御は、着用者からの直接的なフィードバック又は制御信号を介して達成されてもよい。例えば、レンズ内に構築されたセンサは、まばたき及び/又はまばたきパターンを検出してもよい。まばたきのパターン又はシーケンスに基づいて、電動眼科レンズは、近くの物体又は遠くの物体のいずれかに焦点を合わせるために、例えばその屈折力等、状態を変化させてもよい。
代替的に、電動又は電子眼科レンズのまばたき検出は、別の電子デバイスを作動化する、又はコマンドを別の電子デバイスに送信する等の使用者と電子コンタクトレンズとの間に相互作用がある、他の種々の使用のために使用されてもよい。例えば、眼科レンズのまばたき検出は、コンピュータ上のカメラとともに使用されてもよく、このカメラは、コンピュータスクリーン上で、目(複数可)が動く場所の追跡を維持し、使用者が検出されたまばたきシーケンスを実行するときに、それはマウスポインターに、項目上でダブルクリックする、項目を強調表示する、又はメニュー項目を選択する等のコマンドを実行させる。
まばたき検出アルゴリズムは、まばたきの特性、例えば、まぶたが開いているか又は閉じている場合、まばたきの持続時間、まばたき間の持続時間、及び所与の期間におけるまばたきの回数を検出するシステムコントローラの構成要素である。本発明に従うアルゴリズムは、ある特定のサンプリング速度で目への光の入射をサンプリングすることに依存する。所定のまばたきパターンには、入射光サンプルの最新履歴が記憶され、それと比較される。パターンが整合するとき、まばたき検出アルゴリズムは、例えば、レンズドライバを作動させてレンズの屈折力を変化させるために、システムコントローラの活動を引き起こす。
まばたきは、まぶたの素早い開閉であり、目の不可欠な機能である。まばたきは、例えば、物体が目に近接して不意に現れたときに個人がまばたきする等、目を異物から保護する。まばたきは、涙を広げることによって、目の前面上に潤滑をもたらす。まばたきはまた、混入物及び/又は刺激物を目から除去する役割も果たす。通常、まばたきは自動的に行われるが、刺激物による場合には、外部刺激が原因となり得る。しかしながら、まばたきはまた、例えば、言語又は身振り手振りでの伝達が不可能な個人が、「はい」に対して1度、「いいえ」に対して2度まばたきができるといった目的もあり得る。本発明のまばたき検出アルゴリズム及びシステムは、通常のまばたき反応と混同され得ないまばたきパターンを使用する。換言すれば、まばたきが作用を制御するための手段として利用される場合、所与の作用に対して選択される特定のパターンは無作為で生じ得ない、そうでなければ、不慮の作用が起こり得る。まばたき速度は、疲労、目の怪我、薬物治療及び疾患を含むいくつかの要因によって影響され得るため、制御目的のまばたきパターンは、好ましくは、まばたきに影響するこれら及び任意の他の変化するものを考慮する。無意識のまばたきの平均長さは、約100〜400ミリ秒の範囲である。平均的な成人男性及び女性は、10回の無意識のまばたき/分という速度でまばたきし、無意識のまばたき間の平均時間は、約0.3〜70秒である。
まばたき検出アルゴリズムの例示の実施形態は、以下の工程に要約されてもよい。
1.使用者が、陽性まばたき検出のために実行する意図的な「まばたきシーケンス」を定義する。
2.まばたきシーケンスの検出及び無意識のまばたきの拒絶と一致する速度で、入射する光レベルをサンプリングする。
3.サンプリングされた光レベルの履歴を、まばたきテンプレートの値によって画定される、期待される「まばたきシーケンス」と比較する。
4.例えば、移行の間際等、比較の間に無視されるテンプレートの部分を示すために、まばたき「マスク」シーケンスを任意で実装する。これは、プラス又はマイナス1の誤差の時間枠等、使用者が所望の「まばたきシーケンス」から外れることを許容し得、レンズの作動、制御、及び焦点変更のうちの1つ又は2つ以上が起こり得る。更に、これは使用者のまばたきシーケンスのタイミングの変化を許容し得る。
例示のまばたきシーケンスは、以下のとおり画定されてもよい。
1.0.5秒間まばたき(閉)する
2.0.5秒間開く
3.0.5秒間まばたき(閉)する
100ミリ秒のサンプリング速度で、20サンプルのまばたきテンプレートが
blink_template=[1,1,1,0,0,0,0,0,1,1,1,1,1,0,0,0,0,0,1,1]によって得られる。
まばたきマスクは、移行の直後にサンプルをマスクアウトするように画定され(0はサンプルをマスクアウト又は無視する)、
blink_mask=[1,1,1,0,1,1,1,1,0,1,1,1,1,0,1,1,1,1,0,1]によって得られる。
任意で、幅広い移行領域は、よりタイミングの不確定性を許容するためにマスクアウトされてもよく、
blink_mask=[1,1,0,0,1,1,1,0,0,1,1,1,0,0,1,1,1,0,0,1]によって得られる。
単一の長いまばたきを例に挙げると、この場合、24サンプルテンプレートで1.5秒のまばたき等、代替のパターンが実装されてもよく、
blink_template=[1,1,1,1,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,1,1,1,1,1]によって得られる。
上記の例は、例示目的のためであって、特定のデータのセットを表さないということに留意すべきである。
検出は、サンプルの履歴をテンプレート及びマスクに対して論理的に比較することによって実行されてもよい。論理的な動作は、ビット単位ベースで、テンプレート及びサンプル履歴シーケンスを排他的OR(XOR)することであり、次いで、すべてのマスクされていない履歴ビットがテンプレートに整合することを実証することである。例えば、上記のまばたきマスクサンプルにおいて例示されるとおり、値が論理1であるまばたきマスクのシーケンスの各場所では、まばたきは、シーケンスのその場所のまばたきマスクテンプレートに整合しなければならない。しかしながら、値が論理0であるまばたきマスクのシーケンスの各場所では、まばたきが、シーケンスのその場所のまばたきマスクテンプレートに整合する必要はない。例えば、MATLAB(登録商標)においてコード化される、以下のBooleanアルゴリズム等式が利用されてもよい。
matched=not(blink_mask)│not(xor(blink_template,test_sample))、
式中、test_sampleはサンプル履歴である。整合した値は、まばたきテンプレート、サンプル履歴、及びblink_maskと同じ長さを有するシーケンスである。整合したシーケンスがすべて論理1である場合、優れた整合性が生じる。更に説明すると、not(xor(blink_template,test_sample))は、各不整合性に対して論理0、及び各整合性に対して論理1を与える。反転したマスクで論理和をとること(Logic oring)は、整合したシーケンスの各場所を、マスクが論理0であるような論理1に強制する。したがって、値が論理0として特定されるようなまばたきマスクテンプレートにおける場所がより多いほど、人のまばたきに関してより広い誤差の範囲が許容される。MATLAB(登録商標)は、高級言語による数値計算、可視化及びプログラミングのための処理であり、MathWorks、Natick、Massachusettsの製品である。まばたきマスクテンプレートにおいて論理0の数が大きくなる程、期待される又は意図されるまばたきパターンに整合する誤検出への可能性がより大きくなることにも留意すべきである。多様な期待される又は意図されるまばたきパターンは、1度に1つ又は2つ以上を作動化してデバイスにプログラミングされてもよいことが理解されなければならない。より具体的には、複数の期待される又は意図されるまばたきパターンが、同じ目的又は機能性のために、あるいは異なる又は代替の機能性を実行するために利用されてもよい。例えば、1つのまばたきパターンが、レンズに、意図される物体にズームイン又はズームアウトをさせるために利用されてもよく、一方で、別のまばたきパターンが、例えば、ポンプ等のレンズ上の他のデバイスに治療薬の投与を送達させるために利用されてもよい。
図1は、本発明の例示の実施形態に従う、電子まばたき検出器システムを備えるコンタクトレンズ100をブロック図形態で示す。この例示の実施形態では、電子まばたき検出器システムは、光センサ102、増幅器104、アナログディジタル変換器若しくはADC 106、ディジタル信号処理装置108、電源110、アクチュエータ112、及びシステムコントローラ114を備えてもよい。
コンタクトレンズ100が使用者の目の前側表面上に配置されるときに、まばたき検出器システムの電子回路は、本発明のまばたき検出アルゴリズムを実行するために利用されてもよい。光センサ102、及び他の回路は、使用者の目によって引き起こされるまばたき及び/又は種々のまばたきパターンを検出するように構成される。
この例示の実施形態では、光センサ102は、コンタクトレンズ100内に埋め込まれてもよく、周辺光101を受信し、入射光子を電子に変換し、それによって矢印103によって示される電流を増幅器104に流れ込ませる。光センサ又は光検出器102は、任意の好適なデバイスを備えてもよい。1つの例示の実施形態では、光センサ102は、フォトダイオードを備えてもよい。好ましい例示の実施形態では、フォトダイオードは、統合能力を増加させ、光センサ102及び他の回路の全体的なサイズを減少させるために、相補形金属酸化膜半導体(CMOS処理技術)に実装される。電流103は、入射光レベルに比例し、光検出器102がまぶたで覆われるときに実質的に減少する。増幅器104は、利得を伴って入力に比例して出力を生成し、入力電流を出力電圧に変換するトランスインピーダンス増幅器の役目を果たしてもよい。増幅器104は、ADC 106によって獲得されるのに十分な電圧及び電力を信号に与えること等、システムの残りの部分に対して有効なレベルまで信号を増幅してもよい。例えば、光センサ102の出力は非常に小さく、暗い環境で使用され得るため、増幅器は後続のブロックを駆動するために必要であり得る。増幅器104は、可変利得増幅器として実装されてもよく、その利得は、システムの動作範囲を最大化するように、フィードバック装置において、システムコントローラ114によって調整されてもよい。利得を提供することに加えて、増幅器104は、光センサ102及び増幅器104出力に適合するフィルタリング及び他の回路等の、他のアナログ信号調節回路を含んでもよい。増幅器104は、光センサ102による信号出力を増幅し、調節するための任意の好適なデバイスを備えてもよい。例えば、増幅器104は、単に、単一の演算増幅器、又は1つ又は2つ以上の演算増幅器を備えるより複雑な回路を備えてもよい。先に記載のとおり、光センサ102及び増幅器104は、目を通じて受け取られた入射光の強度に基づいて、まばたきシーケンスを検出して隔離し、入力電流を最終的にシステムコントローラ114に有効なディジタル信号に変換するように構成される。システムコントローラ114は、好ましくは、種々の光の強度レベル条件において、種々のまばたきシーケンス及び/又はまばたきパターンを認識し、適切な出力信号をアクチュエータ112に提供するように事前プログラミング又は事前構成される。システムコントローラ114はまた、関連した記憶装置を備える。
この例示の実施形態では、ADC 106は、増幅器104からの連続的なアナログ信号出力を、更なる信号処理に適切な、サンプリングされたディジタル信号へ変換するために使用されてもよい。例えば、ADC 106は、増幅器104からのアナログ信号出力を、ディジタル信号処理システム又はマイクロプロセッサ108等の後続の又は下流の回路に有効であり得るディジタル信号に変換してもよい。ディジタル信号処理システム又はディジタル信号処理装置108は、フィルタリング、処理、検出、及び他には、入射光検出の、下流での使用を可能にするサンプリングされたデータの操作/処理のうちの1つ又は2つ以上を含む、ディジタル信号処理に利用されてもよい。ディジタル信号処理装置108は、上述のまばたきシーケンス及び/又はまばたきパターンを用いてプログラミングされてもよい。ディジタル信号処理装置108はまた、関連した記憶装置を備える。ディジタル信号処理装置108は、アナログ回路、ディジタル回路、ソフトウェア、又はそれらの組み合わせを利用して実装されてもよい。示される例示の実施形態では、それはディジタル回路に実装される。関連した増幅器104及びディジタル信号処理装置108とともに、ADC 106は、例えば100ミリ秒毎等、先に記載されたサンプリング速度に一致して、好適な速度で作動化される。
電源110は、まばたき検出システムを備える多種多様な構成要素に電力を供給する。電力は、バッテリ、エネルギー収穫機(energy harvester)、又は当業者に周知の他の好適な手段から供給されてもよい。本質的に、任意の種類の電源110が、システムのすべての他の構成要素に信頼性のある電力を供給するために利用されてもよい。まばたきシーケンスは、システム及び/又はシステムコントローラの状態を変化させるために利用されてもよい。更に、システムコントローラ114は、例えば、アクチュエータ112を通じて電子的に制御されたレンズの焦点又は屈折力を変化させる等、ディジタル信号処理装置108からの入力に応じて、電動コンタクトレンズの他の態様を制御してもよい。
システムコントローラ114は、サンプリングされた光レベルをまばたき作動パターンと比較するために、光センサチェーン、即ち、光センサ102、増幅器104、ADC 106、及びディジタル信号処理システム108からの信号を使用する。図2を参照すると、時間に対して種々の光の強度レベルで記録されたまばたきパターンサンプル及び有効な閾値のグラフ表示が示される。したがって、異なる場所での光の強度レベルの変化を考慮すること等、種々の要因を考慮することは、目への光の入射をサンプリングするときに、及び/又は種々の活動を実行する間に、まばたきの検出における誤差を軽減及び/又は防止し得る。更に、目への光の入射をサンプリングするときに、周辺光の強度レベルの変化が目又はまぶたに及ぼし得る効果を考慮することはまた、まぶたを低強度の光レベル及び高強度の光レベルにおいて閉じたときに、まぶたがどのくらいの量の可視光線を遮断するか等、まばたきの検出における誤差を軽減及び/又は防止し得る。換言すれば、誤ったまばたきパターンが制御のために利用されることを防止するために、周辺光のレベルは、好ましくは、以下で更に詳細が説明されるとおり考慮される。
例えば、研究では、まぶたは、平均して約99パーセントの可視光線を遮断するが、低波長では、より少ない光がまぶたを通じて伝達される傾向を有し、約99.6パーセントの可視光線を遮断するということが判明している。長波長では、まぶたは、スペクトルの赤外部分にかけて30パーセントの入射光のみを遮断し得る。しかしながら、留意しなくてはならないことは、異なる周波数、波長及び強度の光は、異なる効率でまぶたを通じて伝達され得るということである。例えば、明るい光源を見たときに、個人がまぶたを閉じた状態で赤い光を見てもよい。個人の皮膚色素沈着等、個人によって、まぶたがどのくらいの量の可視光線を遮断するかにおいても変化があってもよい。図2に示されるとおり、種々の光レベルにわたるまばたきパターンのデータサンプルは、70秒の時間間隔の過程で模擬試験され、その中で目を通じて伝達された可視光線強度レベルは、模擬試験の過程において記録され、有効な閾値が示される。閾値は、様々な光の強度レベルで、模擬試験の過程にわたるサンプルまばたきパターンに対して記録された可視光線強度のピークピーク値の間の値に設定される。時間とともに平均光レベルを追跡し、閾値を調整しながら、まばたきパターンを事前プログラムする能力を有することは、いつ個人がまばたきしているか、対照的にいつ個人がまばたきしていないか、かつ/又は単にある特定の領域における光の強度の変化があるかを検出可能であることに不可欠であり得る。
ここで図1を再度参照すると、更なる代替の例示の実施形態では、システムコントローラ114は、まばたき検出器、眼筋センサ、及びフォブ制御のうちの1つ又は2つ以上を含む源から入力を受信してもよい。一般化として、システムコントローラ114を作動化及び/又は制御する方法は、1つ又は2つ以上の作動方法の使用を必要とし得るということが当業者には明白であろう。例えば、電子又は電動コンタクトレンズは、例えば、遠くの物体に焦点を合わせること、又は近くの物体に焦点を合わせること等の種々の作用を実行するときに、レンズを個人のまばたきパターン及び個人の毛様筋信号の双方を認識するようにプログラミングする等、個々の使用者に特有にプログラム可能であってもよい。いくつかの例示の実施形態では、まばたき検出及び毛様筋信号検出等、電子コンタクトレンズを作動化するために複数の方法を使用することは、コンタクトレンズの作動が起こる前に、各方法に対して、別の方法と照合される能力を与えてもよい。照合の利点は、意図せずにレンズに作動化を引き起こす可能性を最小化する等、誤検出の軽減を含んでもよい。1つの例示の実施形態では、照合することは投票スキームを伴ってもよく、そこで任意の作用が起こる前にある特定の数の条件が満たされる。
アクチュエータ112は、受信されたコマンド信号に基づいて特定の作用を実行するための任意の好適なデバイスを備えてもよい。例えば、まばたき作動パターンが、上述のとおりサンプリングされた光レベルと比較して整合される場合、システムコントローラ114は、可変光学電子レンズ又は電動レンズ等のアクチュエータ112を有効にしてもよい。アクチュエータ112は、電気デバイス、機械デバイス、磁気デバイス、又はそれらの任意の組み合わせを備えてもよい。アクチュエータ112は、電源110からの電力に加えてシステムコントローラ114から信号を受信し、システムコントローラ114からの信号に基づいて、いくつかの作用を作り出す。例えば、システムコントローラ114の信号が、近くの物体に焦点を合わせようとする着用者を示す場合、アクチュエータ112は、例えば、動的マルチ液体光学ゾーンを介して電子眼科レンズの屈折力を変化させるために利用されてもよい。代替の例示の実施形態では、システムコントローラ114は、治療薬が目(複数可)に送達されるべきであるということを示す信号を出力してもよい。この例示の実施形態では、アクチュエータ112は、例えば、微小電気機械システム(MEMS)ポンプ等のポンプ及びリザーバを備えてもよい。先に記載のとおり、本発明の電動レンズは、種々の機能性を提供してもよく、したがって、1つ又は2つ以上のアクチュエータは、機能性を実行するように様々に構成されてもよい。
図3は、本発明のまばたき検出アルゴリズムに従う、例示のまばたき検出システムの状態遷移図300を示す。システムは、アイドル状態302から始まり、イネーブル信号bl_goがアサートされるのを待機する。イネーブル信号bl_goが、例えば、まばたきサンプリング速度に相応の100ミリ秒の速度でbl_goをパルス化する発振器及び制御回路によってアサートされるときに、次いで、状態マシンはWAIT_ADC状態304に移行し、そこでADCは、受信された光レベルをディジタル値に変換するように有効化される。ADCは、その動作が完了したことを示すために、adc_done信号をアサートし、システム又は状態マシンはシフト状態306に移行する。シフト状態306において、システムは、まばたきサンプルの履歴を保持するために、最も直近で受信されたADC出力値をシフトレジスタにプッシュする。いくつかの例示の実施形態では、ADC出力値はまず、必要メモリを最小化するために、単一ビット(1又は0)をサンプル値に提供するように閾値と比較される。次いで、システム又は状態マシンは、比較状態308に移行し、そこで、サンプル履歴シフトレジスタの値が、上述のとおり、1つ又は2つ以上のまばたきシーケンステンプレート及びマスクと比較される。整合が検出された場合、レンズドライバの状態をトグルするものであるbl_cp_toggle、又は電動眼科レンズによって実行される任意の他の機能性等、1つ又は2つ以上の出力信号がアサートされてもよい。次いで、システム又は状態マシンは完了状態310に移行し、その動作が完了したことを示すために、bl_done信号をアサートする。
図4は、受信された光レベルを検出し、サンプリングするために使用され得る例示の光センサ又は光検出器信号経路pd_rx_topを示す。信号経路pd_rx_topは、フォトダイオード402、トランスインピーダンス増幅器404、自動利得及び低域フィルタリングステージ406(AGC/LPF)、及びADC 408を備えてもよい。adc_vref信号は、電源110(図1参照)からADC 408へ入力されるか、又は代替に、アナログディジタル変換器408内の専用回路から提供されてもよい。ADC 408からの出力であるadc_dataは、ディジタル信号処理及びシステムコントローラブロック108/114(図1参照)に伝達される。個別のブロック108及び114として図1に例示されているが、説明を簡単にするために、ディジタル信号処理及びシステムコントローラは、好ましくは、単一ブロック410に実装される。イネーブル信号adc_en、開始信号adc_start、及びリセット信号adc_rst_nは、ディジタル信号処理及びシステムコントローラ410から受信されるが、完了信号adc_completeはそこに伝達される。クロック信号adc_clkは、信号経路pd_rx_topの外部のクロック源から、又はディジタル信号処理及びシステムコントローラ410から受信されてもよい。adc_clk信号及びシステムクロックは、異なる周波数で走行していてもよいことに留意すべきである。任意の数の異なるADCは、異なるインターフェース及び制御信号を有してもよいが、光センサ信号経路のアナログ部分の出力のサンプリングされたディジタル表現を提供する同様の機能を実行する本発明に従って利用され得ることにも留意すべきである。光検出イネーブルpd_en、及び光検出利得pd_gainは、ディジタル信号処理及びシステムコントローラ410から受信される。
図5は、受信されたADC信号値adc_dataを単一ビット値pd_dataまで減らすために使用され得るディジタル調節論理500のブロック図を示す。ディジタル調節論理500は、信号の保持された値adc_data_heldを提供するために、光検出信号経路pd_rx_topからデータadc_dataを受信するためのディジタルレジスタ502を備えてもよい。ディジタルレジスタ502は、adc_complete信号がアサートされるときに、adc_data信号の新しい値を受け取るように、またその他ではadc_complete信号が受信されるときに、最新の受け取られた値を保持するように構成される。この様式で、システムは、データがシステム電力消費量を減らすようにラッチされれば、光検出信号経路を無効にしてもよい。次いで、保持されたデータ値は、信号pd_thの1つ又は2つ以上の閾値を提供するために、閾値生成回路504において、例えば、積分ダンプ平均(integrate-and-dump average)又はディジタル論理に実装された他の平均方法によって平均化されてもよい。次いで、保持されたデータ値は、信号pd_dataの1ビットデータ値を提供するように、比較器506を介して1つ又は2つ以上の閾値と比較されてもよい。比較動作は、出力信号pd_dataの雑音を最小化するために、ヒステリシス、又は1つ又は2つ以上の閾値との比較を採用してもよいということが理解されるだろう。ディジタル調節論理は、算出された閾値に従って及び/又は保持されたデータ値に従って、図4に例示される信号pd_gainを介して、光検出信号経路内の自動利得及び低域フィルタリングステージ406の利得を設定するために、利得調整ブロックpd_gain_adj 508を更に備えてもよい。この例示の実施形態において、6ビットワードは、複雑性を最小化すると同時に動作範囲にわたる十分な解像度をまばたき検出に提供するということに留意すべきである。
1つの例示の実施形態では、閾値生成回路504は、ピーク検出器、谷検出器、及び閾値計算回路を備える。この例示の実施形態では、閾値及び利得制御値は、以下のとおり発生され得る。ピーク検出器及び谷検出器は、信号adc_data_heldに保持された値を受信するように構成される。ピーク検出器は、adc_data_held値の増加を素早く追跡し、adc_data_held値が減少する場合にゆっくりと減衰する出力値pd_pkを提供するように更に構成される。動作は、電気分野において周知の古典的ダイオード包絡線検出器のものに類似している。谷検出器は、adc_data_held値の減少を素早く追跡し、adc_data_held値が増加する場合に高い値までゆっくりと減衰する出力値pd_vlを提供するように更に構成される。谷検出器の動作はまた、正の電源電圧に拘束される放電抵抗器を有するダイオード包絡線検出器に類似している。閾値計算回路は、pd_pl及びpd_vl値を受信するように構成され、pd_pk及びpd_vl値の平均に基づいて、中点閾値pd_th_midを算出するように更に構成される。閾値生成回路504は、中点閾値pd_th_midに基づいて、閾値pd_thを提供する。
閾値生成回路504は、pd_gain値の変動に応じて、pd_pk及びpd_vlレベルの値を更新するように更に適合されてもよい。pd_gain値が1工程で増加する場合、pd_pk及びpd_vl値は、光検出信号経路における期待された利得の増加に等しい要因によって増加される。pd_gain値が1工程で減少する場合、pd_pk及びpd_val値は、光検出信号経路における期待された利得の減少に等しい要因によって減少される。この様式で、pd_pk及びpd_vl値にそれぞれ保持されたピーク検出器及び谷検出器の状態、及びpd_pk及びpd_vl値から算出された閾値pd_thは、信号経路利得の変動を整合するように更新され、それによって、光検出信号経路利得における意図的な変化からのみ起因する状態又は値での不連続性又は他の変化を回避する。
閾値生成回路504の更なる例示の実施形態では、閾値計算回路は、pd_pk値の比率又はパーセンテージに基づいて、閾値pd_th_pkを算出するように更に構成されてもよい。好ましい例示の実施形態では、pd_th_pkは、pd_pk値の8分の7であるように有利に構成されてもよく、演算は、関連技術において周知のとおり、簡易な3ビットの右シフト及び減法で実行されてもよい。閾値計算回路は、pd_th_mid及びpd_th_pkのうちのより小さい方となるように、閾値pd_thを選択してもよい。この様式では、pd_pk及びpd_vl値が等しくなることをもたらし得るフォトダイオードへの長期にわたる一定の光の入射の後でさえ、pd_th値は、pd_pk値と等しくは決してならないだろう。pd_th_pk値は、長く間隔が空いた後でも、まばたきの検出を確実にするということが理解されるだろう。閾値生成回路の挙動は、後に論議されるとおり図9に更に示される。
図6は、本発明の実施形態に従う、例示のディジタルまばたき検出アルゴリズムを実行するために使用され得るディジタル検出論理600のブロック図を示す。ディジタル検出論理600は、ここで1ビット値を有する信号pd_dataに例示されるとおり、図4の光検出信号経路pd_rx_topから又は図5のディジタル調節論理からデータを受信するように適合されたシフトレジスタ602を備えてもよい。シフトレジスタ602は、ここ24ビットレジスタで、受信されたサンプル値の履歴を保持する。ディジタル検出論理600は、サンプル履歴、並びに1つ又は2つ以上のまばたきテンプレートbl_tpl及びまばたきマスクbl_maskを受信するように適合された比較ブロック604を更に備え、後の使用のために保持され得る1つ又は2つ以上の出力信号の1つ又は2つ以上のテンプレート及びマスクへの整合を示すように構成される。比較ブロック604の出力は、Dフリップフロップ606を介してラッチされる。ディジタル検出論理600は、マスキング動作のため、小さなシフトで同一のサンプル履歴セット上にあり得る継時比較を抑制する計数器608又は他の論理を更に備えてもよい。好ましい例示の実施形態では、サンプル履歴は、陽性整合が判明された後、消去又はリセットされ、したがって、後続の整合が識別可能になる前にサンプリングされる完全な新しい整合するまばたきシーケンスを必要とする。ディジタル検出論理600は、制御信号を光検出信号経路及びADCに提供するために、状態マシン又は類似の制御回路をまた更に備えてもよい。いくつかの例示の実施形態では、制御信号は、ディジタル検出論理600から分離される制御状態マシンによって生成されてもよい。この制御状態マシンは、ディジタル信号処理及びシステムコントローラ410の一部であってもよい。
図7は、まばたき検出サブシステムから光検出信号経路に使用されるADC 408(図4)に提供された制御信号のタイミング図を示す。イネーブル及びクロック信号adc_en、adc_rst_n及びadc_clkは、サンプルシーケンスの開始時に作動化され、アナログディジタル変換処理が完了するまで継続する。1つの例示の実施形態では、ADC変換処理は、パルスがadc_start信号に提供されるときに開始される。ADC出力値は、adc_data信号に保持され、処理の完了は、adc_complete信号のアナログディジタル変換器論理によって示される。ADCの前に増幅器の利得を設定するために利用されるpd_gain信号がまた、図7に示される。この信号は、変換前にアナログ回路バイアス及び信号レベルを安定させるために、機動時間の前に設定されるように示される。
図8は、ディジタルまばたき検出サブシステムdig_blink 802を備えるディジタルシステムコントローラ800を示す。ディジタルまばたき検出サブシステムdig_blink 802は、マスター状態マシンdig_master 804によって制御されてもよく、ディジタルシステムコントローラ800の外部のクロック発生器であるclkgen 806からクロック信号を受信するように適合されてもよい。ディジタルまばたき検出サブシステムdig_blink 802は、上述のとおり、光検出サブシステムへ制御信号を提供し、光検出サブシステムから信号を受信するように適合されてもよい。ディジタルまばたき検出サブシステムdig_blink 802は、まばたき検出アルゴリズムにおける動作のシーケンスを制御するために、状態マシンに加えて上述のディジタル調節論理及びディジタル検出論理を備えてもよい。ディジタルまばたき検出サブシステムdig_blink 802は、マスター状態マシン804からのイネーブル信号を受信し、完了若しくは終了指示、及びまばたき検出指示をもとのマスター状態マシン804に提供するように適合されてもよい。
図9は波形である図9A〜9Gを提供し、閾値生成回路及び自動利得制御(図5)の動作を示す。図9Aは、様々な光レベルに応じて、フォトダイオードによって提供され得る光電流対時間の例を示す。プロットの第1の部分では、光レベル及び生じた光電流は、プロットの第2の部分と比較して比較的低い。プロットの第1の部分及び第2の部分の双方において、光及び光電流を低減するための2回のまばたきが見られる。まぶたによる光の減衰は、100パーセントでなくてもよいが、目への光の入射の波長に対するまぶたの透過特性に応じて、低い値であり得るということに留意されたい。図9Bは、図9Aの光電流波形に応じて捕獲されるadc_data_held値を示す。簡単にするために、adc_data_held値は、一連の離散ディジタルサンプルとしてよりもむしろ連続的なアナログ信号として示される。ディジタルサンプル値は、対応するサンプル時間での、図9Bに示されるレベルに対応するということが理解されるだろう。プロットの上部及び下部の破線は、adc_data及びadc_data_held信号の最大値及び最小値を示す。最大と最小との間の値の範囲はまた、adc_data信号の動作範囲として周知である。以下で論議されるとおり、光検出(photodection)信号経路利得は、プロットの第2の部分において異なる(低い)。一般に、adc_data_held値は、光電流に正比例し、利得の変動は比例の定量又は定数にのみ影響する。図9Cは、閾値生成回路によるadc_data_held値に応じて算出されたpd_pk、pd_vl及びpd_th_mid値を示す。図9Dは、閾値生成回路のいくつかの例示の実施形態におけるadc_data_held値に応じて算出されたpd_pk、pd_vl及びpd_th_pk値を示す。pd_th_pk値は、常にいくつかのpd_pk値の比率であるということに留意されたい。図9Eは、pd_th_mid及びpd_th_pk値を伴うadc_data_held値を示す。長期にわたって、adc_data_held値が比較的一定であるところでは、pd_vl値が同じレベルまで減衰するにつれて、pd_th_mid値はadc_data_held値に等しくなるということに留意されたい。pd_th_pk値は常に、adc_data_held値を若干下回るように保たれている。また、図9Eに示されるのは、pd_thの選択であり、そこではpd_th値は、pd_th_pk及びpd_th_midの値よりも低くなるように選択される。この方法で、閾値は常にpd_pk値からいくらか距離が離れるように設定され、光電流及びadc_data保持信号の雑音に起因するpd_dataの誤った移行を回避する。図9Fは、adc_data_held値とpd_th値の比較によって生成されたpd_data値を示す。pd_data信号は、まばたきが起こっているときに低い、二値の信号であるということに留意しなくてはならない。図9Gは、これらの波形例に対するtia_gain対時間の値を示す。tia_gainの値は、図9Eにagc_pk_thとして示されるpd_thが高閾値を超え始めるときに、低く設定される。類似の挙動が、pd_thが低閾値を下回って減少し始めるときに、tia_gainを上昇させるために生じるということが理解されるだろう。図9A〜9Eの各々の第2の部分を再度見てみると、より低いtia_gainの効果は明瞭である。特に、adc_data_held値は、adc_data及びadc_data_held信号の動作範囲の中間近くに維持されるということに留意されたい。更に、pd_pk及びpd_vl値は、単に光検出信号経路利得における変動のため、ピーク及び谷検出器状態及び値において不連続性が回避されるように、上述のとおり利得変動に従って更新されるということに留意すべきである。
図10は、集積回路ダイ1000上の例示の光遮断及び光通過特徴を示す。集積回路ダイ1000は、光通過領域1002、光遮断領域1004、接着パッド1006、パッシベーション開口部1008、及び光遮断層開口部1010を備える。光通過領域1002は、例えば、半導体処理において実装されるフォトダイオードのアレイ等、光センサ(例示されていない)の上に位置付けられる。好ましい例示の実施形態では、光通過領域1002は、できる限り多くの光を光センサに到達することを可能にし、それによって感度を最大化する。これは、製造に利用される半導体処理において、又は後処理において許容される、ポリシリコン、金属、酸化物、窒化物、ポリイミド、及び光受信器上の他の層を除去することを通じて行われてもよい。光通過領域1002はまた、例えば、反射防止コーティング、フィルター、及び/又は拡散器等の光検出を最適化する他の特別な処理を受信してもよい。光遮断領域1004は、露光量を必要としないダイ上の他の回路を覆ってもよい。他の回路の性能は、例えば、先に述べたとおり、コンタクトレンズ内への組み込みのために必要とされる超低電流回路において、バイアス電圧及び発振器周波数を変化すること等、光電流によって低下され得る。光遮断領域1004は、薄い、不透明な、反射性材料で優先的に形成され、例えば、アルミニウム又は銅は、半導体ウエハー処理及び後処理において既に使用されている。金属で実装される場合、光遮断領域1004を形成する材料は、短絡状態を防止するために、回路下部及び接着パッド1006から絶縁されなければならない。このような絶縁は、例えば、酸化物、窒化物、及び/又はポリイミドなどの、通常のウエハーパッシベーションの一部としてダイ上に既に存在するパッシベーションによって、又は後処理の間に追加される他の誘電体によって提供されてもよい。マスキングは、伝導性の光遮断金属が、ダイ上の接着パッドと重なり合わないように、光遮断層開口部1010を許容する。光遮断領域1004は、ダイ接着の間にダイを保護し、短絡を回避するために、追加の誘電体又はパッシベーションで覆われる。この最終パッシベーションは、接着パッド1006への接続を可能にするために、パッシベーション開口部1008を有する。
図11は、本実施形態(発明)に従うまばたき検出システムを備える電子インサートを有する例示のコンタクトレンズを示す。コンタクトレンズ1100は、電子インサート1104を備えるソフトプラスチック部分1102を備える。このインサート1104は、例えば、作動に応じて近く又は遠くに焦点を合わせること等、電子機器によって作動化されるレンズ1106を含む。集積回路1108は、インサート1104上に装着し、バッテリ1110、レンズ1106、及びシステムの必要性に応じて他の構成要素に接続する。集積回路1108は、光センサ1112及び関連した光検出器信号経路回路を含む。光センサ1112は、レンズインサートを通して外側を向き、目から見て外側に向くため、周辺光を受信することができる。光センサ1112は、例えば、単一のフォトダイオード又はフォトダイオードのアレイとして等、集積回路1108上に実装されてもよい(図のように)。光センサ1112はまた、インサート1104上に装着され、かつワイヤリング配線1114と接続された分離デバイスとして実装されてもよい。まぶたが閉じるときに、光検出器1112を含むレンズインサート1104は覆われ、それによって、光検出器1112に入射する光レベルを低減する。光検出器1112は、周辺光を測定し、使用者がまばたきするかどうかを判定する。
まばたき検出アルゴリズムの追加の実施形態は、例えば、固定されたテンプレートを使用することによって又はマスクの「考慮しない」間隔(0の値)を拡大することによってよりもむしろ、測定された第1のまばたきの終了時間に基づく第2のまばたきの開始のタイミングによって、まばたきシーケンスの持続時間及び間隔において、より多くの変化を可能にすることができる。
まばたき検出アルゴリズムは、マイクロコントローラを走行するディジタル論理又はソフトウェアにおいて実装されてもよいことが理解されるだろう。アルゴリズム論理又はマイクロコントローラは、光検出信号経路回路及びシステムコントローラを有する単一の特定用途向け集積回路であるASICに実装されてもよく、あるいは、複数の集積回路にわたって区分されてもよい。
本発明のまばたき検出システムは、視力診断、視力矯正、及び視力補助よりも広範な用途を有するということに留意することが重要である。これらの広範な用途は、身体障害を有する個人のための多種多様な機能性を制御するために、まばたき検出を利用することを含む。まばたき検出は、目の上に、又は目から離れて設置されてもよい。
別の例示の実施形態に従って、本発明は、後ろ向きの瞳孔径センサを有する電動又は電子眼科用レンズを対象とする。瞳孔の寸法及びその変化、即ち、拡張及び収縮を、電子又は電動コンタクトレンズの1つ又は2つ以上の態様を制御するために利用することができる。言い換えると、瞳孔センサから出力された信号をシステムコントローラに入力することができ、次いで、その入力に基づいて特定の動作を起こし、アクチュエータに信号を出力して、特定の機能を実装する。加えて、感知された情報を、病状を評価するために利用することができる。
虹彩は、目の前房と後房との間の仕切である。虹彩は、一般に瞳孔と称されるその中央開口部を調節する2つの筋肉から形成される。カメラのシャッターと同様に、瞳孔は、2つの筋肉の動作を介して、目に入る光の量を制御する。瞳孔の寸法は、年齢、虹彩の色、及びもしある場合は屈折異常によって異なるが、いくつかの他の要因は、常時、瞳孔の寸法に影響を及ぼす場合もある。
瞳孔は、ある特定の作用物質、例えば、アトロピン等の毛様体筋麻痺薬の使用によって拡張した状態になる場合がある。瞳孔は、第3脳神経の麻痺の結果として拡張した状態になる場合がある。瞳孔は、急性狭隅角緑内障後、直接対光刺激及び共感性光刺激に対して拡張され、固定される場合がある。代替的に、瞳孔は、ピロカルピン等の緑内障の治療薬の使用によって収縮した状態になる場合がある。他の薬物、例えば、モルヒネは、瞳孔の収縮を引き起こす。加えて、特定の状態、例えば、虹彩炎、目の交感神経経路の遮断、及び角膜の刺激性病変も、収縮又は瞳孔を引き起こす場合がある。瞳孔変動は、痙性で律動的であるが、不規則な瞳孔の拡張及び収縮であり、いくつかの状態を示し得る。
驚き、恐怖、及び苦痛を含む外部からの精神的影響も瞳孔を拡張させる。ぼんやりとした光が瞳孔を拡張させる一方で、明るい光は瞳孔を収縮させる。加えて、個人が近距離の物体に焦点を合わせるとき、例えば、本を読むとき、瞳孔が収束し、一般に調節反射と称される反射でわずかに収縮する。したがって、特定の要因が、他の点では健常な目に特定の瞳孔反応を引き起こすことが知られているため、瞳孔の反応の感知を制御手段として利用することができる。例えば、瞳孔収縮が単独で、又は収束と組み合わせて検出される場合、システムコントローラは、アクチュエータに信号を送信して、電動コンタクトレンズ内に組み込まれた変倍光学系の状態を変化させることができる。
ここで図12を参照して、瞳孔径センサを有する電動コンタクトレンズが図示されている。コンタクトレンズ1200は、個人の目1201の上に位置付けられる。目1201の虹彩は、2つの直径レベル、収縮した状態1203及び拡張した状態1205で示される。コンタクトレンズ1200は、虹彩を含む目1201の一部を被覆する。コンタクトレンズ1200は、第1の例示の瞳孔径センサ1202及び電子構成要素1204を備える。コンタクトレンズ1200は、図示されていない他のデバイスを備えてもよい。
例示の瞳孔径センサ1202は、好ましくは、虹彩の上のコンタクトレンズ1200内に位置付けられる。図示されるように、瞳孔径センサ1202は、すべての可能性のある瞳孔径を被覆する薄いストリップであり、それが瞳孔径のすべてのレベルを検出することを可能にする。この例示の実施形態に見られるように、ストリップとして実装される場合、ストリップは、好ましくは、目1201への光の入射を妨害しないように、薄くて透明である。例示の一実施形態において、瞳孔径センサ1202は、虹彩の中又は虹彩の方への光を検知する後ろ向きの光検知器のアレイを備える。瞳孔径に応じて、虹彩の中心からの様々な距離にあるセンサは、異なる反射された光を検出する。例えば、虹彩が拡張するとき、瞳孔が大きくて暗いため、センサのほとんどは、わずかの光しか検出することができない。逆に、虹彩が収縮するとき、ほとんどのセンサは、虹彩に反射するため、より多くの光を検出することができる。そのようなセンサの場合、周辺光のレベル及び虹彩の色が、例えば、使用者ごとのプログラミング及び/又は較正によってシステム設計において考案される必要があり得ることを理解されたい。そのような周辺光センサを、前向きの光センサとして実装して、瞳孔径センサ1202の後ろ向きのセンサを補完することができる。目の前の光学ゾーンの妨害を最小限に抑えるために、例示の一実施形態において、瞳孔径センサ1202を、インジウムスズ酸化物等の透明な導体及び小さくて薄いシリコン光センサを用いて実装することができる。
代替の例示の実施形態において、瞳孔径センサ1202を、虹彩の周囲に位置付けられるセンサのアレイとして実装して、単なる線形のストリップとは対照的に、被覆範囲を最大化することができる。性能、費用、快適さ、許容性、及び他の評価指標を最大限に生かすために、他の物理的構成が可能であることを理解されたい。
瞳孔径センサ1202は、他の電子機器と一体化されてもよいか、単独で機能してもよいか、又は電子構成要素1204のコントローラ部分等の別のデバイスに接続してもよい。この例示の実施形態において、システムコントローラは、瞳孔径センサ1202をサンプリングし、瞳孔径センサ1202からの結果に応じて、システム内の別の構成要素(図示されず)を作動することができる。例えば、コントローラは、可変焦点レンズを作動することができる。電力源(図示されず)は、電流を瞳孔径センサ1202、コントローラ、及び電子眼科システムの他の構成要素に供給する。更に詳細な説明が以下に示される。
そのようなシステムは、図示及び記載されるもの等の検出器のみならず、エミッタ(図示されず)も必要とし得る。そのようなエミッタは、例えば、瞳孔径センサ1202の光センサに適合した発光ダイオードを備えてもよい。代替的に、エミッタは、瞳孔径センサ1202内で超音波受信器に連結された圧電超音波トランスデューサを備えてもよい。更に別の例示の実施形態では、センサ及びエミッタは、例えば、低電流信号を目に通過させ、目にかかる電圧の変化を測定することによって、インピーダンス検出システムを作成することができる。
図13は、代替の例示の瞳孔径センサを有するコンタクトレンズを図示する。コンタクトレンズ1300は、個人の目1301の上に位置付けられる。目1301の虹彩は、2つの直径レベル、収縮した状態1303及び拡張した状態1305で示される。コンタクトレンズ1300は、虹彩を含む目1301の一部を被覆する。上に記載され、かつ図12で図示される瞳孔を部分的に被覆する検出器のストリップ又はアレイではなく、図13のシステムは、最大瞳孔径1305の外側であるが、依然としてコンタクトレンズ1300の内側に瞳孔径センサ又はセンサ1302を位置付ける。この構成は、瞳孔径センサ1302による光学ゾーンの妨害が起こらないため、有益である。瞳孔径センサ又はセンサ1302は、例えば、単同調又は複同調コイルアンテナを備えてもよい。そのようなアンテナは、虹彩を制御する筋肉が収縮及び弛緩するときに、目から電磁放射線を受信することができる。例えば、接触電極、静電容量センサ、及びアンテナを用いて、電磁放射の変化を介して目の筋肉及び神経活動を検出することができることは、関連技術分野では周知である。この様式で、筋肉センサに基づいて、瞳孔径センサを実装することができる。瞳孔径センサ1302を、目にわたってインピーダンスを測定するように設計される1つ又は2つ以上の接触電極又は静電容量電極として実装することもできる。目の毛様筋活動を判定するためにインピーダンスの変化を用いる他の提案されたシステム、故に、焦点状態を変化させたいという欲求と同様に、インピーダンスを使用して、瞳孔径の変化を検出することができる。例えば、虹彩及び瞳孔にわたって測定されたインピーダンスは、瞳孔径に応じてかなり変化する場合がある。目の上の適切な位置に配置され、かつ目に適切に連結された瞳孔径センサ1302は、インピーダンスの変化、故に、瞳孔径の変化を検出することができる。コンタクトレンズ1300は、上述の電子構成要素1304を備えることもできる。
図14は、図12及び図13に図示されるように、瞳孔径センサを制御し、それらから情報を受信し、かつアクチュエータの状態を変化させるための例示の電子システム1400を図示する。瞳孔径センサ1402は、前述の瞳孔径センサ、例えば、光センサ、アンテナ、又はインピーダンスセンサのうちの1つ又は2つ以上を備える。この図示された例示の実施形態において、センサの性能を実装又は改善するのに必要な任意のエミッタは、簡潔さのために、要素1402に含まれる。要素1402は、恐らく異なる技術及びセンサ方法で実装される複数のセンサ、又は1402等の複数のセンサブロックを備えてもよい。要素1404は、センサ1402とディジタルシステムコントローラ1406との間のインターフェースである。簡潔さのために1つの要素1404に示されるシステムのこの部分は、センサ1402を作動させること、それから情報を受信すること、アナログからディジタルに変換すること、増幅、フィルタリング、処理、及び任意の他の必要な機能に関与する。これは、マルチプレクサ、演算増幅器、差動増幅器、トランスインピーダンス増幅器、アナログディジタル変換器(ADC)、ディジタル信号処理装置(DSP)、フィルター、及び信号処理技術分野で既知の他のデバイスのうちの1つ又は2つ以上を備えてもよい。信号調節要素1404の出力は、システムコントローラ1406に入力されるセンサデータからなる信号である。システムコントローラ1406は、瞳孔径センサ1402からの入力を検討し、状態の変化がアクチュエータ1408に必要であるかを判定する。このアクチュエータ1408は、いくつかの機能、例えば、可変焦点レンズの状態を変化させること、又は目の前のフィルターの伝送のうちのいずれか1つに役立ち得る。システムコントローラ1406は、複数のセンサ1402からの入力を検討することができ、複数のアクチュエータ1408を駆動することができる。トランシーバー1410を、外部デバイス、例えば、隣接した目の上に装着される第2のコンタクトレンズ、眼鏡のレンズ、スマートフォン、又は別のデバイスにデータを送信及び/又はそこからデータを受信するためにシステムに含んでもよい。そのような通信は、アンテナ1412、恐らく電磁アンテナ、又は発光ダイオード/フォトダイオードセンサの組み合わせを介して生じる。バッテリ又はエネルギー収穫機を備え得る電力源1414が、システムに電力を供給する。
他方の目の上のデバイス、並びに外部レンズ及びセンサとの通信が、動作の誤トリガーとして働く可能性のある特定の状態を除外するのに好ましくあり得ることに留意すべきである。例えば、1つの瞳孔のみが拡張する場合、これは、単に光が少ないのではなく、問題を示し得る。
1つの例示の実施形態に従って、ディジタル通信システムは、実装されるときに、任意の数の形態をとり得るいくつかの要素を備える。ディジタル通信システムは、一般に、情報源、情報源エンコーダ、チャネルエンコーダ、ディジタル変調器、チャネル、ディジタル復調器、チャネルデコーダ、及び情報源デコーダを備えてもよい。
情報源は、別のデバイス又はシステムによって必要とされる情報及び/又はデータを生成する任意のデバイスを備えてもよい。情報源は、アナログであってもディジタルであってもよい。情報源がアナログの場合、その出力は、2進列を備えるディジタル信号に変換される。情報源エンコーダは、情報源からの信号を2進数のシーケンスに効率的に変換する処理を実行する。次いで、情報源エンコーダからの情報は、チャネルエンコーダに渡され、そこで、冗長は2進情報シーケンスにもたらされる。この冗長は、チャネルに受ける雑音、干渉等の影響を克服するために、受信器で利用されてもよい。次いで、2進シーケンスは、ディジタル変調器に送られ、次いで、チャネルを介する伝送のために、シーケンスをアナログ電気信号に変換する。本質的に、ディジタル変調器は、2進シーケンスを信号波形又は記号にマップする。各記号は、1つ又は2つ以上のビットの値を表してもよい。ディジタル変調器は、チャネルを介して又は通じての伝送に適切な高周波搬送波信号の位相、周波数、又は振幅を変調してもよい。チャネルは媒体であり、それを通じて波形は移動し、チャネルは波形の干渉又は他の破損をもたらし得る。無線通信システムの場合、チャネルは大気である。ディジタル復調器は、チャネル破損波形を受信して、それを処理し、できる限り近く、伝達されたデータ記号を表示する数列まで波形を低減する。チャネルデコーダは、チャネルエンコーダ及び受信されたデータの冗長によって利用されるコードの知識から、もとの情報シーケンスを再構成する。情報源デコーダは、符号化アルゴリズムの知識からシーケンスを復号し、そこで、その出力は情報源信号の代表である。
上述の要素は、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェアとソフトウェアとの組み合わせにおいて実現されてもよいということに留意すべきである。加えて、通信チャネルは、有線及び無線を含む、任意の種類のチャネルを備えてもよい。無線において、チャネルは、高周波電磁信号、低周波電磁信号、可視光線信号、及び赤外線信号用に構成されてもよい。
図15は、x軸上の時間に対してプロットされた周辺光1502及び瞳孔径1504を図示しており、これらの2つの測定された量の間の差異をどのように使用してコンタクトレンズ等の電子眼科デバイスを作動させることができるかを図示する。第1の期間1501の間、瞳孔径1504が減少すると、周辺光レベル1502が増加する。周辺光及び瞳孔径を、例えば、それぞれ、前向きのフォトダイオード及び後ろ向きのインピーダンスセンサによって、前述のように感知することができる。一般的に見られるように、周辺光が期間1501中に増加すると、瞳孔径が減少する。これは、虹彩の開口を減少させることによって網膜上で比較的一定した光強度を維持するために生じる一般的な反応である。期間1503中、周辺光レベル1502は、最初に増加し続け、その後に横ばい状態になる。しかしながら、瞳孔径1504は、前の期間よりも急速に収縮する。これは、周辺光と瞳孔径との間の古典的な相関ではない。この応答は、恐らく、本を間近に持つために、周辺光検出器の広角応答に対する瞳孔の狭角応答によって引き起こされる可能性がある。この様式で、瞳孔径応答の変化を検出及び使用して、電子眼科デバイスの機能を作動させることができる。期間1505中、周辺光1502は平らのままであるが、瞳孔径1504は拡張又は増加する。この場合もやはり、これは、目における特定の応答、例えば、遠近調節反射によって引き起こされる可能性がある。期間1507中、横ばいの状態から始まり、その後に減少する周辺光レベル1502と、横ばいのままの瞳孔径1504との間に再び相違がある。この場合もやはり、これを使用して、目における特定の応答を検出し、電子眼科デバイスの動作の変化を引き起こすことができる。最終的に、期間1509中、期間1501中に示される応答に類似した古典的な応答が再び観察される。周辺光レベル1502が減少すると、瞳孔径1504が拡張して、より多くの光を取り込む。
信号調節ブロック及びシステムコントローラ(それぞれ、図14の1404及び1406)の活動は、利用可能なセンサ入力、環境、及び使用者の反応、例えば、図15に図示される周辺光レベル及び瞳孔径に依存する。入力、反応、及び決定閾値は、眼科調査、事前プログラミング、トレーニング、及び適合/学習アルゴリズムのうちの1つ又は2つ以上から判定されてもよい。例えば、周辺光に対する瞳孔拡張の一般的な特性は、文献において十分に実証されており、広範囲の使用者の集団に適用可能であり、かつシステムコントローラ1406に予めプログラミングされてもよい。しかしながら、一般的な期待応答からの個人の偏差、例えば、図15の期間1503、1505、及び1507に図示される偏差を、電子眼科デバイスの動作における応答を改善し続けるトレーニングセッション又は適合/学習アルゴリズムの一部に記録することができる。1つの例示の実施形態では、使用者は、使用者が近焦点を望むときに、デバイスと通信する携帯フォブを作動することによってデバイスをトレーニングしてもよい。次いで、デバイスの学習アルゴリズムは、内部決定アルゴリズムを改善するために、フォブ信号の前及び後に記憶装置のセンサ入力を参照してもよい。このトレーニング期間は1日間続き得、その後、デバイスは自立的にセンサ入力のみで動作し、フォブを必要としないだろう。
例えば、目の前の可変伝送レンズの伝送を増加若しくは減少させることによって電子眼科用レンズの変化を引き起こすために、瞳孔径を単独で使用することができるか、又は電子眼科デバイスの状態を変化させるために、瞳孔径を1つ又は2つ以上の他の入力と組み合わせてもよいことを理解されたい。
そのようなセンサを利用するデバイスが使用者に可視である様式で状態を変化させなくてもよく、むしろ、デバイスが単にデータを記録するだけでよいことも理解されたい。例えば、このようなセンサは、使用者が、一日を通して適切な虹彩反応を有するかどうか、又は問題のある病状が認められるかどうかを判定するために使用され得る。
1つの例示の実施形態では、電子機器及び電気的連結は、光学ゾーンではなく、コンタクトレンズの周縁ゾーンに作製される。代替の例示の実施形態に従って、電子機器の位置決めは、コンタクトレンズの周縁ゾーンに限定される必要はないということに留意することが重要である。本明細書に記載されるすべての電子部品は、薄膜技術及び/又は透明な材料を用いて製造されてもよい。これらの技術が利用される場合、電子部品は、光学に適合する限りは、任意の好適な場所に配置されてもよい。
図示及び説明されたものは、最も実用的かつ好ましい実施形態であると考えられるが、当業者であれば、本明細書に説明及び図示した特定の設計及び方法からの変更はそれ自体当業者にとって自明であり、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく使用できることは明らかであろう。本発明は、記載及び例示した特定の構成に限定されないものであるが、添付の「特許請求の範囲」内に含まれ得るすべての変更例と整合するように構成されるべきである。
〔実施の態様〕
(1) 電動眼科レンズであって、
光学ゾーンと、周縁ゾーンとを含むコンタクトレンズと、
瞳孔径を測定するための前記コンタクトレンズ内に組み込まれた瞳孔径センサシステムであって、少なくとも1つのセンサと、前記少なくとも1つのセンサに動作的に関連付けられ、かつ前記瞳孔の直径を判定し、瞳孔径に基づいて制御信号を出力するように構成されたシステムコントローラと、前記出力制御信号を受信し、所定の機能を実装するように構成された少なくとも1つのアクチュエータとを含む、瞳孔径センサシステムと、を備える、電動眼科レンズ。
(2) 少なくとも1つのセンサが、完全に収縮した瞳孔及び完全に拡張した瞳孔を感知することができるように、前記光学ゾーンにわたって装着された薄いストリップを備える、実施態様1に記載の電動眼科レンズ。
(3) 前記薄いストリップが、目の虹彩に向かって内側に向くように装着された光センサのアレイを備える、実施態様2に記載の電動眼科レンズ。
(4) 前記光センサのアレイが、透明な光センサを備える、実施態様3に記載の電動眼科レンズ。
(5) 光検知器の前記アレイが、薄いシリコン光センサを備える、実施態様3に記載の電動眼科レンズ。
(6) 前記少なくとも1つのセンサが、前記光学ゾーンの周辺周囲に位置付けられた単独センサのアレイを備える、実施態様1に記載の電動眼科レンズ。
(7) 前記単独センサのアレイが、光センサを備える、実施態様6に記載の電動眼科レンズ。
(8) 瞳孔拡張センサは、前記少なくとも1つのセンサから信号を受信し、ディジタル信号処理を実行し、前記システムコントローラに1つ又は2つ以上の信号を出力するように構成された信号処理装置を更に備える、実施態様1に記載の電動眼科レンズ。
(9) 前記信号処理装置が、関連した記憶装置を備える、実施態様8に記載の電動眼科レンズ。
(10) 前記瞳孔径センサシステムが、電源装置を備える、実施態様1に記載の電動眼科レンズ。
(11) 前記少なくとも1つのセンサが、インピーダンスセンサを備える、実施態様1に記載の電動眼科レンズ。
(12) 前記少なくとも1つのセンサが、神経筋活動センサを備える、実施態様1に記載の電動眼科レンズ。

Claims (12)

  1. 電動眼科レンズであって、
    光学ゾーンと、周縁ゾーンとを含むコンタクトレンズと、
    瞳孔径を測定するための前記コンタクトレンズ内に組み込まれた瞳孔径センサシステムであって、少なくとも1つのセンサと、前記少なくとも1つのセンサに動作的に関連付けられ、かつ前記瞳孔の直径を判定し、瞳孔径に基づいて制御信号を出力するように構成されたシステムコントローラと、前記出力制御信号を受信し、所定の機能を実装するように構成された少なくとも1つのアクチュエータとを含む、瞳孔径センサシステムと、を備える、電動眼科レンズ。
  2. 少なくとも1つのセンサが、完全に収縮した瞳孔及び完全に拡張した瞳孔を感知することができるように、前記光学ゾーンにわたって装着された薄いストリップを備える、請求項1に記載の電動眼科レンズ。
  3. 前記薄いストリップが、目の虹彩に向かって内側に向くように装着された光センサのアレイを備える、請求項2に記載の電動眼科レンズ。
  4. 前記光センサのアレイが、透明な光センサを備える、請求項3に記載の電動眼科レンズ。
  5. 光検知器の前記アレイが、薄いシリコン光センサを備える、請求項3に記載の電動眼科レンズ。
  6. 前記少なくとも1つのセンサが、前記光学ゾーンの周辺周囲に位置付けられた単独センサのアレイを備える、請求項1に記載の電動眼科レンズ。
  7. 前記単独センサのアレイが、光センサを備える、請求項6に記載の電動眼科レンズ。
  8. 瞳孔拡張センサは、前記少なくとも1つのセンサから信号を受信し、ディジタル信号処理を実行し、前記システムコントローラに1つ又は2つ以上の信号を出力するように構成された信号処理装置を更に備える、請求項1に記載の電動眼科レンズ。
  9. 前記信号処理装置が、関連した記憶装置を備える、請求項8に記載の電動眼科レンズ。
  10. 前記瞳孔径センサシステムが、電源装置を備える、請求項1に記載の電動眼科レンズ。
  11. 前記少なくとも1つのセンサが、インピーダンスセンサを備える、請求項1に記載の電動眼科レンズ。
  12. 前記少なくとも1つのセンサが、神経筋活動センサを備える、請求項1に記載の電動眼科レンズ。
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