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JP2014170173A - 画像処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】連写動作中の追尾処理の性能を向上させることが可能な画像処理装置を提供すること。
【解決手段】連写モード中の追尾処理において、本露光と本露光との間にAF処理のためのスキャン動作を行う。スキャン動作の結果として得られる複数の画像データのうちで、コントラストがピークとなるピーク画像データを判別し、このピーク画像データを用いて被写体を追尾する。
【選択図】図1

Description

本発明は、被写体を追尾するための追尾処理を行う画像処理装置に関する。
従来、動体を撮影する際や動画像を撮影する際に、特定の被写体に追従するように自動合焦制御(AF)や自動露光制御(AE)を行う技術が知られている。このような特定の被写体を追従するために追尾処理が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
特許第2605004号公報
近年、デジタルカメラ等の撮像装置において連写動作が可能なものが増加してきている。ここで、連写動作中に追尾処理を用いてAFを行うことを考える。このとき、連写動作中の本露光の時点で得られる画像データを用いて追尾処理を行うと、1フレーム前の追尾処理の結果がAFに反映されることになる。したがって、移動する被写体を撮影する場合、被写体の移動に対してAFが遅れてしまうおそれがある。また、本露光と本露光との間の画像データを用いて追尾処理を行うと被写体に対するAFの遅れを少なくすることができる。しかしながら、この場合には本露光と本露光との間で高速にフォーカスレンズをスキャン動作させる必要があるので、ピントが合っていない画像データを用いて追尾処理がなされる可能性がある。ピントが合っていない画像データを用いて追尾処理がなされると、正確に追尾位置を算出することが困難になる。
本発明は、前記の事情に鑑みてなされたもので、連写動作中の追尾処理の性能を向上させることが可能な画像処理装置を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明の一態様の画像処理装置は、撮影光学系に含まれるフォーカスレンズを移動させながら撮像素子による複数回の撮像動作を実行し、該複数回の撮像動作の結果として前記撮像素子で取得された複数の画像データのうちでコントラストがピークとなる画像データが取得された前記フォーカスレンズの位置を検出するスキャン動作を行い、前記ピークとなる位置に前記フォーカスレンズを移動させる焦点調節部と、撮影のための撮像動作を連続して行う連写動作を前記撮像素子に実行させる制御部と、前記撮像素子により取得された画像データに基づいて被写体を追尾する追尾処理部と、を具備し、前記追尾処理部は、前記連写動作の実行中に前記焦点調節部によって前記スキャン動作を実行させてコントラストがピークとなる画像データを判別させ、該コントラストがピークとなる画像データに基づいて被写体を追尾することを特徴とする。
前記の目的を達成するために、本発明の一態様の画像処理装置は、撮影光学系に含まれるフォーカスレンズを移動させながら撮像素子による複数回の撮像動作を実行し、該複数回の撮像動作の結果として前記撮像素子で取得された複数の画像データのうちでコントラストがピークとなる画像データが取得された前記フォーカスレンズの位置を検出するスキャン動作を行い、前記ピークとなる位置に基づいて算出される合焦位置に前記フォーカスレンズを移動させる焦点調節部と、撮影のための撮像動作を連続して行う連写動作を前記撮像素子に実行させる制御部と、前記撮像素子により取得された画像データに基づいて被写体を追尾する追尾処理部と、を具備し、前記追尾処理部は、前記連写動作の実行中に前記焦点調節部によりスキャン動作を実行させ、前記スキャン動作中に取得された画像データのうちでコントラストが所定値以上の画像データに基づいて被写体を追尾することを特徴とする。
本発明によれば、連写動作中の追尾処理の性能を向上させることが可能な画像処理装置を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る画像処理装置を備えた撮像装置の一例としての構成を示す図である。 輝度情報を用いた追尾処理について説明するための図である。 色情報を用いた追尾処理について説明するための図である。 顔検出処理を用いた追尾処理について説明するための図である。 撮像装置の撮影動作を示すフローチャートである。 AF処理について示すフローチャートである。 輝度情報を用いた追尾処理について示すフローチャートである。 色情報を用いた追尾処理について示すフローチャートである。 類似色エリアの探索処理について示すフローチャートである。 顔検出を用いた追尾処理について示すフローチャートである。 顔検出位置の探索処理について示すフローチャートである。 連写モード中の処理を時系列で示した図である。 図13(a)は図12のA点のタイミングで得られる画像データの例を示す図であり、図13(b)は図12のB点のタイミングで得られる画像データの例を示す図であり、図13(c)は図12のC点のタイミングで得られる画像データの例を示す図である。 本発明の一実施形態の追尾処理に用いる画像データの取得タイミングを示す図である。 ピーク画像データの例を示す図である。 追尾処理に本露光画像データとピーク画像データを用いる変形例について示す図である。 図17(a)は本露光画像データの例を示す図であり、図17(b)はピーク画像データの例を示す図である。 本露光画像データとピーク画像データとの間にサイズ差がある変形例の追尾処理を説明するための図である。 本露光画像データとピーク画像データとの間に構造の差がある変形例の追尾処理を説明するための図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像処理装置を備えた撮像装置の一例としての構成を示す図である。図1に示す撮像装置100は、撮影光学系102と、焦点調整機構104と、絞り106と、絞り駆動機構108と、シャッタ110と、シャッタ駆動機構112と、撮像素子114と、撮像素子インターフェイス(IF)回路116と、RAM118と、表示素子120と、表示素子駆動回路122と、タッチパネル124と、タッチパネル駆動回路126と、記録メディア128と、システムコントローラ130と、操作部132と、ROM134と、を有している。
撮影光学系102は、図示しない被写体からの撮影光束Fを、撮像素子114の受光面上に導くための光学系である。この撮影光学系102は、フォーカスレンズ等の複数のレンズを有している。焦点調整機構104は、モータ及びその駆動回路等を有している。この焦点調整機構104は、システムコントローラ130内のCPU1301の制御に従って、撮影光学系102内のフォーカスレンズをその光軸方向(図示一点鎖線方向)に駆動させる。
絞り106は、開閉自在に構成され、撮影光学系102を介して撮像素子114に入射する撮影光束Fの量を調整する。絞り駆動機構108は、絞り106を駆動するための駆動機構を有している。この絞り駆動機構108は、システムコントローラ130内のCPU1301の制御に従って、絞り106を駆動させる。
シャッタ110は、撮像素子114の受光面を遮光状態又は露光状態とするように構成されている。このシャッタ110により、撮像素子114の露光時間が調整される。シャッタ駆動機構112は、シャッタ110を駆動させるための駆動機構を有し、システムコントローラ130内のCPU1301の制御に従って、シャッタ110を駆動させる。
撮像素子114は、撮影光学系102を介して集光された被写体からの撮影光束Fが結像される受光面を有している。撮像素子114の受光面は、複数の画素が2次元状に配置されて構成されており、また、受光面の光入射側には、カラーフィルタが設けられている。このような撮像素子114は、受光面に結像された撮影光束Fに対応した像(被写体像)を、その光量に応じた電気信号(以下、画像信号という)に変換する。
撮影光学系102及び撮像素子114とともに撮像部として機能する撮像素子IF回路116は、システムコントローラ130内のCPU1301の制御に従って、撮像素子114を駆動させる。また、撮像素子IF回路116は、システムコントローラ130内のCPU1301の制御に従って、撮像素子114で得られた画像信号を読み出し、読み出した画像信号に対してCDS(相関二重サンプリング)処理やAGC(自動利得制御)処理等のアナログ処理を施す。さらに、撮像素子IF回路116は、アナログ処理した画像信号をデジタル信号(以下、画像データという)に変換する。
RAM118は、例えばSDRAMであり、ワークエリア、追尾画像エリア、追尾色ログエリア、追尾データログエリアを記憶エリアとして有している。
ワークエリアは、撮像素子IF回路116で得られた画像データ等の、撮像装置100の各部で発生したデータを一時記憶しておくためにRAM118に設けられた記憶エリアである。
追尾画像エリアは、追尾処理に必要な画像データを一時記憶しておくためにRAM118に設けられた記憶エリアである。追尾処理に必要な画像データは、評価画像データと参照画像データとがある。
追尾色ログエリアは、追尾色ログを一時記憶しておくためにRAM118に設けられた記憶エリアである。追尾色ログは、追尾処理の結果として得られた追尾位置の色情報を記録したログである。
追尾データログエリアは、追尾データログを一時記憶しておくためにRAM118に設けられた記憶エリアである。追尾データログは、追尾処理の結果として得られた追尾位置の位置データを記録したログである。
表示素子120は、例えば液晶ディプレイ(LCD)であり、ライブビュー用の画像及び記録メディア128に記録された画像等の各種の画像を表示する。表示素子駆動回路122は、システムコントローラ130のCPU1301から入力された画像データに基づいて表示素子120を駆動させ、表示素子120に画像を表示させる。
タッチパネル124は、表示素子120の表示画面上に一体的に形成されており、表示画面上へのユーザの指等の接触位置等を検出する。タッチパネル駆動回路126は、タッチパネル124を駆動するとともに、タッチパネル124からの接触検出信号をシステムコントローラ130のCPU1301に出力する。CPU1301は、接触検出信号から、ユーザの表示画面上への接触操作を検出し、その接触操作に応じた処理を実行する。
記録メディア128は、例えばメモリカードであり、撮影動作によって得られた画像ファイルが記録される。画像ファイルは、画像データに所定のヘッダを付与して構成されるファイルである。ヘッダには、撮影条件を示すデータ及び追尾位置を示すデータ等が、タグデータとして記録される。
システムコントローラ130は、撮像装置100の動作を制御するための制御回路として、CPU1301と、AF制御回路1302と、AE制御回路1303と、画像処理回路1304と、追尾処理回路1305、1306と、顔検出回路1307と、焦点検出情報取得回路1308と、メモリ制御回路1309と、を有している。
CPU1301は、焦点調整機構104、絞り駆動機構108、シャッタ駆動機構112、表示素子駆動回路122、タッチパネル駆動回路126等のシステムコントローラ130の外部の各ブロック、及びシステムコントローラ130の内部の各制御回路の動作を制御する制御部である。
焦点調節部の一例として機能するAF制御回路1302は、コントラストAF処理を制御する。具体的には、AF制御回路1302は、焦点検出情報取得回路1308で取得されたAF評価値に従って画像データのコントラストを評価しつつ、焦点調整機構104を制御してフォーカスレンズを合焦状態とする。
AE制御回路1303は、AE処理を制御する。具体的には、AE制御回路1303は、撮像素子IF回路116で得られた画像データを用いて被写体輝度を算出する。CPU1301は、この被写体輝度に従って、露光時の絞り106の開口量(絞り値)、シャッタ110の開放時間(シャッタ速度値)、撮像素子感度やISO感度等を算出する。
画像処理回路1304は、画像データに対する各種の画像処理を行う。この画像処理としては、色補正処理、ガンマ(γ)補正処理、圧縮処理等が含まれる。また、画像処理回路1304は、圧縮されている画像データに対する伸張処理も施す。
追尾処理回路1305は、画像データの輝度情報を用いた追尾処理を行う。ここで、輝度情報を用いた追尾処理について簡単に説明する。輝度情報を用いた追尾処理では、例えば、図2(a)に示す(N−1)フレームにおいて追尾対象が設定された場合、この(N−1)フレームの中の追尾対象を含む所定領域202の画像データを、評価画像データとしてRAM118の追尾画像エリアに記憶する。この後の追尾処理では、参照画像データにおける評価画像データ202と対応する部分を探索する。
Nフレームの追尾処理を例に示すと、まず、Nフレームの画像データを、参照画像データとしてRAM118の追尾画像エリアに記憶する。この参照画像データのうちの所定の追尾エリア204の画像データと評価画像データ202との画像相関度を求めることにより、参照画像データの評価画像データ202と対応する部分を探索する。画像相関度は、例えば評価画像データと参照画像データとの差分絶対値和(画素毎に輝度差の絶対値を求めてそれを積算したもの)から判定する。例えば、図2(b)に示す参照画像データのエリア206の参照画像データと評価画像データ202との差分絶対値和を求めたとすると、参照画像データのエリア206と評価画像データ202とは明らかに異なる画像データであり、差分絶対値和が大きくなる。これに対し、参照画像データのエリア208と評価画像データ202との差分絶対値和を求めたとすると、差分絶対値和が小さくなる。このように、評価画像データ202との画像相関度が大きくなるに従って差分絶対値和が小さくなる。輝度情報を用いた追尾処理では、画像相関度が最大の、即ち差分絶対値和が最小のエリアを参照画像データから探索する。図2(b)の例では、エリア208となる。なお、追尾データログエリアには、エリア208の中で最も一致度の高い位置を追尾位置として記録する。このような位置が複数ある場合には、例えば、エリア208の中心に近い位置を追尾位置とする。次回の追尾処理時には、この追尾位置を追尾処理の開始位置とすることが望ましい。これにより、追尾処理にかかる時間を軽減することが可能である。
追尾処理回路1306は、画像データの色情報を用いた追尾処理を行う。ここで、色情報を用いた追尾処理について簡単に説明する。色情報を用いた追尾処理では、評価画像データ内で設定された色と同色であると判定できるエリアである類似色エリアを探索する。図3(a)に示すように、(N−1)フレームにおいて、被写体のある位置302が指定された場合、この位置302を含む画像データを評価画像データとし、この評価画像データの位置302の色情報を取得する。そして、参照画像データ中で、評価画像データから取得した色情報と最も類似の色情報を有する位置302を追尾処理の開始位置として、位置302と同じ色情報を有するエリアを探索する。具体的には、位置302を開始位置から周辺に向かうように順次色情報を取得し、取得した色情報が位置302の色情報と同一であると判定できる場合にはエリアに含め、取得した色情報が位置302の色情報と同一であると判定できない場合にはエリアに含めない。このようにして類似色エリアを探索すると、例えば、図3(a)に示すような単色の被写体の場合、被写体に内接する矩形エリア304が類似色エリアとなる。また、追尾データログエリアに記録する追尾位置は、例えば類似色エリア304の重心位置(図3(a)の例では、位置302と同じ)とする。次回の追尾処理においては、この追尾位置を追尾処理の開始位置とする。
Nフレームの追尾処理を例に示すと、図3(b)に示す参照画像データとして記憶したNフレームの画像データの所定の追尾エリアの中で、(N−1)フレームの追尾位置302を追尾処理の開始位置とし、追尾位置302の周辺から順次、類似色エリア304の色と同色であると判定できるエリアを類似色エリアとして探索する。図3(b)の例では、エリア306が類似色エリアとなる。そして、求められた類似色エリアであるエリア306の重心位置308がを追尾位置として追尾データログエリアに記憶させる。
顔検出回路1307は、画像データにおける被写体(人物)の顔を検出する。ここで、顔検出処理を用いた追尾処理について簡単に説明する。顔検出処理においては、各フレームで得られる画像データと、図4(a)に示すような顔パーツ402、404、406との画像相関度を求める。顔パーツ402は、人物の鼻部周辺の陰影のパターンに対応した画像データであり、顔パーツ404は、人物の目部周辺の陰影のパターンに対応した画像データであり、顔パーツ406は、人物の口部周辺の陰影のパターンに対応した画像データである。画像データと顔パーツ402、404、406との画像相関度は、図4(b)に示すような、人物の顔を示す所定の配置となったときに最大となる。このとき、顔パーツ402、404、406を含むエリア408に顔が存在しているとする。なお、顔パーツ402、404、406は予め設定した検索顔の大きさに応じて、大きさを変えても良い。ここで、図4(b)では、顔エリアを矩形エリアとしているが、円形エリアとしても良い。
焦点検出情報取得回路1308は、撮像素子114を介して入力された画像データの高周波成分を抽出し、この抽出した高周波成分を積算することにより、AF評価値を取得する。
メモリ制御回路1309は、CPU1301等が、RAM118、記録メディア128、ROM134にアクセスするための制御を行うインターフェイスである。
操作部132は、ユーザによって操作される各種の操作部材である。操作部132としては、例えば、レリーズボタン、モードボタン、選択キー、電源ボタン等が含まれる。
レリーズボタンは、1stレリーズスイッチと、2ndレリーズスイッチと、を有している。1stレリーズスイッチは、ユーザがレリーズボタンを半押しするとオンするスイッチである。1stレリーズスイッチがオンすることにより、AF処理等の撮影準備動作が行われる。また、2ndレリーズスイッチは、ユーザがレリーズボタンを全押しするとオンするスイッチである。2ndレリーズスイッチがオンすることにより、静止画撮影用の露光動作が行われる。
モードボタンは、撮像装置の撮影設定を選択するための操作部材である。本実施形態では、撮像装置の撮影設定として、例えば、通常撮影モードと連写モードを選択できる。通常撮影モードは、レリーズボタンの1回の全押しに応答して1回の静止画撮影を行う撮影設定である。また、連写モードは、レリーズボタンの1回の全押しに応答して複数回の静止画撮影を行う撮影設定である。
選択キーは、例えばメニュー画面上での項目の選択や決定をするための操作部材である。ユーザによって選択キーが操作されるとメニュー画面上での項目の選択や決定が行われる。
電源ボタンは、撮像装置の電源をオン又はオフするための操作部材である。ユーザによって電源ボタンが操作されると、撮像装置100が起動して動作可能な状態となる。撮像装置が起動している間に電源ボタンが操作されると、撮像装置100が省電力待機状態となる。
ROM134は、CPU1301が種々の処理を実行するためのプログラムコードを記憶している。また、ROM134は、撮影光学系102、絞り106、及び撮像素子114等の動作に必要な制御パラメータ、並びに画像処理回路1304での画像処理に必要な制御パラメータ等の、各種の制御パラメータを記憶している。さらには、ROM134は、顔検出回路1307における顔検出に用いられる顔パーツのデータや追尾枠を表示するためのデータ等も記憶している。
次に、本実施形態に係る撮像装置の動作について説明する。図5は、撮像装置100の撮影動作を示すフローチャートである。CPU1301は、ROM134から必要なプログラムコードを読み込んで図5の動作を制御する。
S100において、CPU1301は、ライブビュー動作を開始させる。ライブビュー動作として、CPU1301は、シャッタ駆動機構112を制御してシャッタ110を開放した後、CPU1301は、撮像素子IF回路116を制御して撮像素子114による撮像を開始させる。その後、CPU1301は、撮像素子114による撮像の結果としてRAM118のワークエリアに記憶された画像データを画像処理回路1304に入力してライブビュー表示用の画像処理を施す。続いて、CPU1301は、ライブビュー表示用の画像処理がされた画像データを表示素子駆動回路122に入力し、表示素子120に画像を表示させる。このような表示動作を繰り返し実行することにより、被写体の画像を動画表示する。この動画表示により、ユーザは、被写体を観察することが可能である。
S102において、CPU1301は、1stレリーズスイッチがオンされたかを判定する。S102において、1stレリーズスイッチがオンされたと判定するまでは、CPU1301は、ライブビュー動作を継続する。
また、S102において、1stレリーズスイッチがオンされたと判定した場合に、S104において、CPU1301は、AF制御回路1302にレリーズAF処理を実行させる。レリーズAFにおいては、スキャン動作によって、フォーカスレンズを合焦位置まで駆動させる。スキャン動作では、AF制御回路1302は、焦点調整機構104を制御して、フォーカスレンズを所定のスキャン範囲内で一方向に駆動させつつ、焦点検出情報取得回路1308で順次算出されるAF評価値を評価する。そして、AF制御回路1302は、AF評価値の評価の結果、コントラストが最大となるレンズ位置において、フォーカスレンズの駆動を停止させる。
S106において、CPU1301は、表示素子駆動回路122を制御して、表示素子120に追尾枠を表示させる。ここで、追尾枠は、表示素子120の画面上の追尾対象の位置に表示させる。例えば、レリーズAFで合焦した被写体を追尾対象とし、その被写体に追尾枠を表示させるようにしても良いし、顔検出回路1307によって顔が検出された場合には、その顔に追尾枠を表示させるようにしても良い。さらに、タッチパネル124により、表示素子120の画面上に表示された被写体が指定された場合には、その被写体上に追尾枠を表示させるようにしても良い。
S108において、CPU1301は、追尾処理を行う。輝度情報を用いた追尾処理を行うのか、色情報を用いた追尾処理を行うのか、顔検出を用いた追尾処理を行うのかは予め設定されているものである。複数の追尾処理を併用しても良い。それぞれの追尾処理の詳細については後で詳しく説明する。
S110において、CPU1301は、追尾位置の被写体に合焦するようにAF制御回路1302にAF処理を実行させる。AF処理の詳細については後で詳しく説明する。
S112において、CPU1301は、2ndレリーズスイッチがオンされたかを判定する。S112において、2ndレリーズスイッチがオンされていないと判定した場合に、CPU1301は、S108の追尾処理以後の処理を実行する。図5の例では、2ndレリーズスイッチがオンされるまでは、追尾処理が継続される。
また、S112において、2ndレリーズスイッチがオンされたと判定した場合に、S114において、CPU1301は、静止画像データを記録メディア128に記録する処理を行う。この際、CPU1301は、AE処理として、AE制御回路1303で算出された追尾位置の被写体の輝度を予め定められた適正な量(適正露光量)とするために必要な、本露光時の絞り106の開口量(絞り値)、シャッタ110の開放時間(シャッタ速度値)を算出する。そして、CPU1301は、シャッタ駆動機構112を制御して、シャッタ110を閉じる。その後、CPU1301は、絞り駆動機構108を制御して、絞り106を先に算出した絞り値まで絞り込む。続いて、CPU1301は、シャッタ駆動機構112を制御して、シャッタ110を先に算出した開放時間だけ開放しつつ、撮像素子114による撮像(露光)を行う。その後、CPU1301は、撮像素子114を介して得られた静止画像データを画像処理回路1304において処理する。そして、CPU1301は、画像処理回路1304において処理された静止画像データにヘッダを付与して静止画像ファイルを生成し、生成した静止画像ファイルを記録メディア128に記録する。
S116において、CPU1301は、S108の追尾処理の結果として得られた追尾位置を示すデータを、先に記録メディア128に記録した静止画像ファイルに追記する。
S118において、CPU1301は、撮影設定が連写モードであるか否かを判定する。前述したように、撮影設定は、例えばモードボタンの操作によって設定される。
S118において、撮影設定が連写モードであると判定した場合に、S120において、CPU1301は、AF制御回路1302に再度のAF処理を実行させる。このAF処理の詳細については後で詳しく説明する。
S122において、CPU1301は、S120のAF処理の結果、ピーク画像データが確定できたか否かを判定する。ピーク画像データとは、AF処理の際に算出されるAF評価値が最大(ピーク)である画像データのことを言う。詳細については後で詳しく説明する。S122において、ピーク画像データが確定できていないと判定した場合に、CPU1301は、S120のAF処理の再実行をAF制御回路1302に指示する。
S122において、ピーク画像データが確定できたと判定した場合に、CPU1301は、S124において、追尾処理を行う。この追尾処理の詳細については後で詳しく説明する。
また、S126において、CPU1301は、静止画像データを記録メディア128に記録する処理を行う。この処理は、S114で示した処理とほぼ同様である。ただし、連写モードの場合には、先に記録されている静止画像ファイルに新たに得られた静止画像データを順次記録する。
S128において、CPU1301は、S124の追尾処理の結果として得られた追尾位置を示すデータを、S126において記録メディア128に記録した静止画像ファイルに追記する。
S130において、CPU1301は、2ndレリーズスイッチがオフされたかを判定する。S130において、2ndレリーズスイッチがオフされていないと判定した場合に、CPU1301は、S120の以後の処理を実行する。図5の例では、2ndレリーズスイッチがオフされるまでは、連写動作が継続される。
S130において、2ndレリーズスイッチがオフされたと判定した場合に、S132において、CPU1301は、表示素子駆動回路122を制御して、追尾枠を非表示とする。その後、CPU1301は、図5に示す動作を終了させる。
次に、AF処理について説明する。図6は、AF処理について示すフローチャートである。図6の処理は、CPU1301と、AF制御回路1302と、焦点検出情報取得回路1308との連携動作によって行われる。
S200において、AF制御回路1302は、撮影設定が連写モードであるか否かを判定する。
S200において、撮影設定が連写モードでない、即ち通常モードであると判定した場合に、S202において、AF制御回路1302は、前処理を行う。前処理として、AF制御回路1302は、例えば焦点検出情報取得回路1308に保持されているAF評価値の値を初期値する。また、前処理として、AF制御回路1302は、焦点調整機構104を制御して撮影光学系102内のフォーカスレンズを予め定めた初期位置に駆動させる。
S204において、AF制御回路1302は、焦点調整機構104を制御して撮影光学系102内のフォーカスレンズの駆動を開始させる。
S206において、焦点検出情報取得回路1308は、撮像素子114により取得され入力された画像データの高周波成分を抽出し、この抽出した高周波成分を積算することにより、AF評価値を取得する。
S208において、AF制御回路1302は、焦点検出情報取得回路1308で取得されたAF評価値から、フォーカスレンズを駆動すべき方向が検出できたか否かを判定する。今回の処理で取得されたAF評価値が前回の処理で取得されたAF評価値よりも増加しているときに、フォーカスレンズを駆動すべき方向が順方向であることが検出される。また、今回の処理で取得されたAF評価値が前回の処理で取得されたAF評価値よりも減少しているときに、フォーカスレンズを駆動すべき方向が逆方向であることが検出される。したがって、S208においては、AF評価値の変化量が算出できたか否かを判定する。AF評価値の変化量が算出できたとき、フォーカスレンズを駆動すべき方向が検出できたと判定する。
S208において、フォーカスレンズを駆動すべき方向が検出できたと判定した場合に、S210において、AF制御回路1302は、フォーカスレンズを駆動すべき方向を判定する。ここでは、AF評価値の変化量の符号より、フォーカスレンズを駆動すべき方向を判定する。
S212において、AF制御回路1302は、フォーカスレンズを駆動すべき方向が順方向であるか否かを判定する。ここでは、AF評価値の変化量の符号が正であるとき、フォーカスレンズを駆動すべき方向が順方向であるとする。実際には、AF評価値の変化量が所定の閾値よりも小さい場合、AF評価値の変化量の符号が正であってもフォーカスレンズを駆動すべき方向が順方向であるとは言えない場合があり得る。したがって、AF評価値の変化量の符号が正であってもその絶対値が所定の閾値よりも小さい場合には、フォーカスレンズを駆動すべき方向が順方向でないと判定するようにしても良い。
S212において、フォーカスレンズを駆動すべき方向が順方向であるとAF制御回路1302が判定した場合に、CPU1301は、処理をS218に移行させる。
S212において、フォーカスレンズを駆動すべき方向が順方向でないと判定した場合に、S214において、AF制御回路1302は、フォーカスレンズを駆動すべき方向が逆方向であるか否かを判定する。ここでは、AF評価値の変化量の符号が負であるとき、フォーカスレンズを駆動すべき方向が逆方向であるとする。実際には、AF評価値の変化量が所定の閾値よりも小さい場合、AF評価値の変化量の符号が負であってもフォーカスレンズを駆動すべき方向が逆方向であるとは言えない場合があり得る。したがって、AF評価値の変化量の符号が負であってもその絶対値が所定の閾値よりも小さい場合には、フォーカスレンズを駆動すべき方向が逆方向でないと判定するようにしても良い。
S214において、フォーカスレンズを駆動すべき方向が逆方向でないとAF制御回路1302が判定した場合にはフォーカスレンズの駆動方向が確定できなかったことを意味する。このとき、CPU1301は、処理をS204に戻す。この場合、再度の駆動方向の判定が行われる。
S214において、フォーカスレンズを駆動すべき方向が逆方向であるとAF制御回路1302が判定した場合、S216において、AF制御回路1302は、焦点調整機構104を制御して撮影光学系102内のフォーカスレンズの駆動方向を逆転させる。
S218において、焦点検出情報取得回路1308は、撮像素子114により取得され入力された画像データの高周波成分を抽出し、この抽出した高周波成分を積算することにより、AF評価値を取得する。
S220において、CPU1301は、撮像素子114を介して取得される画像データをRAM118のワークエリアに記憶させる。S220の処理が行われる毎に画像データを順次追記させる。ここで、S220において画像データを記憶させる際には、記憶させる画像データをAF評価値と対応付けしておく。
S222において、AF制御回路1302は、焦点検出情報取得回路1308で取得されたAF評価値から、AF評価値の最大値(ピーク)が検出されたか否かを判定する。AF評価値のピークは、AF評価値が増加傾向から減少傾向に転じたことを検出することによって検出される。
S222において、AF評価値のピークが検出されていないと判定した場合に、CPU1301は、処理をS218に戻す。この場合には、次のAF評価値を取得して再度のピーク検出が行われる。
S222において、AF評価値のピークが検出されたと判定した場合に、S224において、AF制御回路1302は、検出したピークの付近の複数のAF評価値に基づいてAF評価値が真のピークとなるフォーカスレンズの位置を合焦位置として演算する。
S226において、AF制御回路1302は、焦点調整機構104を制御して撮影光学系102内のフォーカスレンズを合焦位置に駆動させせる。このようにしてAF処理が終了される。
S200において、撮影設定が連写モードであると判定した場合に、S228において、AF制御回路1302は、焦点調整機構104を制御してフォーカスレンズの初期駆動を行う。初期駆動とは、フォーカスレンズを初期位置へ駆動させることである。例えば前回の合焦位置から所定量だけ無限側にずらした位置に駆動させる処理である。
S230において、AF制御回路1302は、焦点調整機構104を制御してフォーカスレンズを初期位置から至近側に駆動するスキャン動作を行う。その後、CPU1301は、処理をS218に移行させる。このように、連写モードの場合には、フォーカスレンズの駆動方向を一方向に定めておく。連写モードの場合は、被写体が撮影レンズの光軸方向に移動する場合を想定して予め被写体の移動方向に合わせたフォーカスレンズの駆動方向を設定しAFの追従性を向上させている。したがって、通常モードのような駆動方向の検出の処理が不要である。
また、連写モード中のS218におけるAF評価値の算出に際しては、静止画撮影のための撮像動作である本露光の間のタイミングで撮像素子114により取得され入力された画像データを用いる。
次に、本実施形態における追尾処理について説明する。図7は、輝度情報を利用した追尾処理について示すフローチャートである。図7の処理は、追尾処理回路1305が主体となって行われる。ここで、輝度情報を利用した追尾処理においては、評価画像データを取得しておく必要がある。評価画像データは、追尾枠の表示時において取得されて画像記憶部としての追尾画像エリアに記録されている。また、追尾エリアの大きさは、追尾処理回路1305により予め設定されている。
S300において、追尾処理回路1305は、撮影設定が連写モードであるか否かを判定する。
S300において、撮影設定が連写モードであると判定した場合に、S302において、追尾処理回路1305は、RAM118に記憶されたピーク画像データを取得する。ピーク画像データは、RAM118のワークエリアに記憶された画像データのうち、AF評価値が最大の画像データである。
S300において、撮影設定が連写モードでない、即ち通常モードであると判定した場合に、S316において、追尾処理回路1305は、撮像素子114を介して画像データを取得する。このとき、CPU1301は、撮像素子IF回路116を制御して撮像素子114による撮像を実行する。追尾処理回路1305は、撮像素子114による撮像により、撮像素子IF回路116において得られた画像データをRAM118に取り込む。
S304において、追尾処理回路1305は、参照画像データと評価画像データとの画像相関度としてのSAD(Sum of Absolute Difference:差分絶対値和)を算出する。本実施形態における輝度情報を用いた追尾処理においては、以下の(式1)に従ってSADを算出する。
Figure 2014170173
ここで、(式1)のMは、評価画像データの水平方向のサイズ(画素数)を示し、Nは、評価画像データの垂直方向のサイズ(画素数)を示している。I(i,j)は、評価画像データにおける座標(i,j)の画素データを示している。さらに、T(i,j)は、参照画像データにおける座標(i,j)の画素データを示している。
S306において、追尾処理回路1305は、SADが最も小さくなる参照画像データ内の座標(i,j)を検出し、この座標(i,j)を追尾位置とする。
S308において、追尾処理回路1305は、追尾位置の信頼性を判断する。追尾位置の信頼性は、例えば参照画像データの各画素のデータから判断する。具体的には、参照画像データに設定された追尾エリアの隣接画素間の差分和が所定値以下である場合には、信頼性があると判断する。
S310において、追尾処理回路1305は、追尾位置に応じて評価画像データを更新する。更新後の評価画像データは、S306で決定された追尾位置を含む所定領域の画像データとする。ただし、S308において信頼性が低いと判断された場合には、評価画像データを更新しなくとも良い。
S312において、追尾処理回路1305は、表示素子駆動回路122を制御して、追尾枠の表示位置をS306で決定した追尾位置に対応した位置に更新する。その後、追尾処理回路1305は、図7の追尾処理を終了させる。ただし、S308において信頼性が低いと判断された場合には、追尾枠の表示位置を更新しなくとも良い。
図8は、色情報を利用した追尾処理について示すフローチャートである。図8の処理は、追尾処理回路1306が主体となって行われる。ここで、輝度情報を利用した追尾処理と同様、色情報を利用した追尾処理においても、評価画像データを追尾画像エリアに記憶させておく必要がある。また、追尾エリアの大きさも、追尾処理回路1306により予め設定されている。
S400において、追尾処理回路1306は、撮影設定が連写モードであるか否かを判定する。
S400において、撮影設定が連写モードであると判定した場合に、S402において、追尾処理回路1306は、RAM118に記憶されたピーク画像データを取得する。
S400において、撮影設定が連写モードでない、即ち通常モードであると判定した場合に、S414において、追尾処理回路1306は、撮像素子114を介して画像データを取得する。
S404において、追尾処理回路1306は、追尾色の色情報と最類似、即ち最も類似度が高い色情報を有する画素の位置(座標)を、参照画像データの中から探索する。そして、追尾処理回路1306は、最類似色の画素を含み且つ最類似色の画素と類似する色情報を有するエリアを類似色エリアとして探索する。類似色エリアの探索処理の詳細については後で詳しく説明する。なお、初回の探索時には、評価画像データから取得した色情報を追尾色の色情報とする。次回以降の探索時には、S410で更新された色情報を用いる。なお、色情報は、RGBデータ又はSUVデータ等、特に限定されるものではない。
S406において、追尾処理回路1306は、類似色エリアの重心位置を追尾位置とする。
S408において、追尾処理回路1306は、追尾位置の信頼性を判断する。追尾位置の信頼性は、例えば参照画像データの各画素の彩度から判断する。具体的には、参照画像データの追尾位置の彩度が所定値以上である場合には、信頼性があると判断する。
S410において、追尾処理回路1306は、追尾色情報を更新する。更新後の追尾色データは、新たな追尾位置の色情報とする。ただし、S408において信頼性が低いと判断された場合には、追尾色情報を更新しなくとも良い。
S412において、追尾処理回路1306は、表示素子駆動回路122を制御して、追尾枠の表示位置をS406で決定した追尾位置に対応した位置に更新する。その後、追尾処理回路1306は、図8の追尾処理を終了させる。ただし、S408において信頼性が低いと判断された場合には、追尾枠の表示位置を更新しなくとも良い。
図9は、類似色エリアの探索処理について示すフローチャートである。S500において、追尾処理回路1306は、類似色エリアを参照画像データの上下左右斜め方向に1画素拡大する。最初は、最類似色を有する画素から上下左右斜め方向に1画素拡大し、次回以降は、拡大後の類似色エリアをさらに上下左右斜め方向に拡大していく。
S502において、追尾処理回路1306は、最類似色を有する画素の色情報と拡大後の画素の色情報との画像相関度としての類似度を算出する。類似度は、以下の(式2)で表される。
Figure 2014170173
ここで、(式2)のMは、拡大後の類似色エリアの水平方向のサイズ(画素数)を示し、Nは、拡大後の類似色エリアの垂直方向のサイズ(画素数)を示している。また、Iは、追尾色の色情報を示している。さらに、T(i,j)は、参照画像データにおける座標(i,j)の色情報を示している。
S504において、追尾処理回路1306は、S502において算出した類似度が所定の閾値を超えているか否かを判定する。
ステップS504において、類似度が閾値を超えていない場合には、拡大後の類似色エリアの色情報が最類似色と類似していることを示す。この場合、追尾処理回路1306は、処理をS500に戻して類似色エリアをさらに拡大する。
S504において、類似度が閾値を超えている場合には、拡大後の類似色エリアの色情報が最類似色と類似していないことを示す。この場合には、拡大後の画素を類似色エリアには含めないようにする。この場合、追尾処理回路1306は、図9の処理を終了して類似色エリアの探索を終了する。
図10は、顔検出を利用した追尾処理について示すフローチャートである。図10の処理は、顔検出回路1307が主体となって行われる。ここで、顔情報を利用した追尾処理においては、必ずしも評価画像データを取得しておく必要はない。ただし、追尾エリアの大きさは、顔検出回路1307により予め設定されている。
S600において、追尾処理回路1306は、撮影設定が連写モードであるか否かを判定する。
S600において、撮影設定が連写モードであると判定した場合に、S602において、顔検出回路1307は、RAM118に記憶されたピーク画像データを取得する。
S600において、撮影設定が連写モードでない、即ち通常モードであると判定した場合に、S612において、顔検出回路1307は、撮像素子114を介して画像データを取得する。
S604において、顔検出回路1307は、参照画像データに対して顔検出を行い、顔検出位置を参照画像データの中から探索する。顔検出位置の探索処理の詳細については後で詳しく説明する。
S606において、顔検出回路1307は、最大のサイズを有する顔検出位置を追尾位置とする。
S608において、顔検出回路1307は、追尾位置の信頼性を判断する。追尾位置の信頼性は、例えば輝度情報の追尾処理と同様、参照画像データ中の顔検出位置の隣接画素間の差分和が所定値以下である場合には、信頼性があると判断する。
S610において、顔検出回路1307は、表示素子駆動回路122を制御して、追尾枠の表示位置をS606で決定した追尾位置に対応した位置に更新する。その後、顔検出回路1307は、図10の追尾処理を終了させる。
図11は、顔検出位置の探索処理について示すフローチャートである。S700において、顔検出回路1307は、参照画像データと顔パーツとの画像相関度としての類似度を算出する。類似度は、例えば参照画像データの各画素の画素データと顔パーツの画素データとのSADである。
S702において、顔検出回路1307は、類似度が所定の閾値未満であるか否かを判定する。
S702において、類似度が閾値未満の場合、即ち該当のエリアが顔パーツと類似している場合、顔検出回路1307は、S704において、そのエリアを顔検出位置と識別する。また、S702において、類似度が閾値以上の場合に、顔検出回路1307は、S706において、そのエリアを顔検出位置でないと識別する。その後、顔検出回路1307は、図11の処理を終了させる。
図12は、本実施形態における連写モード中の処理を時系列で示した図である。前述したように、連写モード中のAF処理は、スキャン動作を用いる。スキャン動作の前に初期駆動を実行し、スキャン動作中にAF評価値が増加するような初期位置にフォーカスレンズを位置させる。つまり、前回のAF動作により合焦となったフォーカスレンズ位置に対して、被写体の予測される移動分、およびスキャン駆動の所定範囲を加味してAF評価値がピークとなるフォーカスレンズ位置を予測して初期位置を設定する。
ここで、図12のA点のタイミングのときに得られる画像の例を図13(a)に示す。A点のタイミングは、AF評価値が小さく、フォーカスレンズが合焦位置から大きく外れているタイミングである。したがって、A点の画像は、図13(a)に示すように、コントラストが低く、輪郭がぼけた画像となる。
図12のB点のタイミングのときに得られる画像の例を図13(b)に示す。B点のタイミングでは、AF評価値がA点のタイミングよりも増加している。このことは、フォーカスレンズが合焦位置に近づいていることを意味している。したがって、B点の画像のコントラストは、図13(b)に示すように、A点の画像のコントラストよりも改善する。ここで、図では示していないが、図12のD点のタイミングのときに得られる画像のコントラストは、B点のタイミングのときに得られる画像のコントラストと同等である。これは、AF評価値が等しいためである。
図12のC点のタイミングの時に得られる画像の例を図13(c)に示す。C点のタイミングは、フォーカスレンズが合焦位置にあるタイミングである。このとき、画像のコントラストは最大となる。
ここで、連写モード時に追尾処理を行う場合、本露光と本露光との間のスキャン動作中に得られる画像データを用いることにより、追尾処理のタイミングと本露光又は合焦駆動のタイミングとを近づけて、被写体に対する追従性を向上させることが可能である。しかしながら、スキャン動作中の画像データを無作為に選んでしまうと、選んだ画像データによっては追尾処理の性能の低下に繋がる。
本実施形態では、本露光間の画像データのうち、コントラストが最大であるピーク画像データを用いて追尾処理を行う。図14で示したE点とF点がそれぞれの本露光の間のスキャン動作でピーク画像データが得られるタイミングである。ピーク画像データは、図15(a)及び図15(b)で示すように鮮明な画像データである。このような鮮明な画像データを用いて追尾処理を行うことにより、追尾処理の性能を向上させることが可能である。
ここで、コントラストの高い画像データを用いて追尾処理を行う別の手法として、本露光時に得られる画像データを用いることも考えられる。しかしながら、この場合には、動きの速い被写体の撮影時に追尾処理が遅れる可能性が生じる。これは、連写速度が例えば10コマ/秒の高速連写であっても、本露光の間隔は100msと、追尾情報の取得間隔としては大きく不十分なためである。本実施形態は、本露光又は本露光前のAF処理における合焦駆動に近いタイミングで得られて且つコントラストの高いピーク画像データを用いることで、追尾処理の性能を向上させつつ、動きの速い被写体に対する追従性も高めることが可能である。
以下、本実施形態の変形例について説明する。
[変形例1]
輝度情報を用いた追尾処理、色情報を用いた追尾処理、顔検出を用いた追尾処理の何れも2フレームの画像データを用いて追尾処理を行う。前述の実施形態では、追尾処理に用いる2フレームの画像データを何れもピーク画像データとしている。これに対し、ピーク画像データと本露光時に得られた画像データ(以下、本露光画像データと言う)とを用いて追尾処理を行うようにしても良い。具体的には、図16のE点で得られる本露光画像データと図16のF点で得られるピーク画像データとを用いて次回の追尾処理を行う。本露光画像データは、図17(a)で示すように鮮明な画像データである。また、ピーク画像データも、図17(b)で示すように鮮明な画像データである。これらのような鮮明な画像データを用いて追尾処理を行うことにより、追尾処理の性能を向上させることが可能である。また、2フレームの画像データの時間差を短くすることにより、動きの速い被写体に対する追従性をより高めることが可能である。
[変形例2]
本露光画像データとピーク画像データとを用いて追尾処理を行う場合には、両画像データのサイズ又は構造(フォーマット)が異なっていても良い。
例えば、連写動作時におけるAF処理の追従性を向上させるためには、スキャン動作を高速化させる必要がある。この場合、フォーカスレンズを高速で駆動させる必要があるのに加えてAF評価値を高速に算出できるようにすることが望ましい。この場合、AF評価値を高速に算出するための1つの手法として、AF評価値を算出するのに用いる画像データのサイズを縮小することが考えられる。画像データを縮小することにより、画像データの読み出し時間を短縮でき、またAF評価値を算出する際の計算負荷も軽減できる。これにより、回路規模の増大や回路の高速化に伴うコストアップを避けることも可能である。
画像データの縮小の一例を示す。例えば、画素数が1200万画素(画像サイズ4000×3000)の画像データを、VGA規格相当(画像サイズ640×480)の画像データにリサイズする場合は、水平、垂直方向にそれぞれ約1/6の画素数になるように加算又は間引き処理を行う。ここで、画素加算や間引き処理は、撮像素子114の内部で処理しても良いし、撮像素子114の外部の処理回路(撮像素子IF回路116等)にて実行しても良い。
画像データを縮小した場合、本露光画像データとピーク画像データとの間でサイズ差が生じる。図18(a)が本露光画像データの例であり、図18(b)が縮小後のピーク画像データの例である。このようなサイズ差のある画像データでは追尾処理を行うことができない。したがって、追尾処理の際には両者のサイズ差を補正する。この補正は、例えばピーク画像データを拡大して本露光画像データと同じサイズとする手法が考えられる。
また、AF評価値は、画像データのコントラストを評価する目的で算出されるものであるので、輝度情報のみの画像データから算出することもできる。輝度情報のみの画像データは、RGB画素の各画素データを所定の割合で加算(混合)して輝度データに変換し、作成した輝度データを適切に配置することで生成される。
ここで、AF評価値を算出するための画像データを輝度データのみから構成した場合、ピーク画像データも、各画素が輝度の情報のみを有することになる。一方、本露光画像データは、例えば撮像素子114のカラーフィルタ配列がベイヤ配列である場合には、各画素が1つの色の情報を有している。図19(a)がベイヤ配列の本露光画像データの例であり、図19(b)が輝度情報に変換したピーク画像データの例である。このような構造の差のある画像データでも追尾処理を行うことができない。したがって、追尾処理の際には両者の構造の差を補正する。この補正は、例えば本露光画像データをピーク画像データと同様にして輝度情報に変換する手法が考えられる。
以上実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。
さらに、上記した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適当な組合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、前述したような課題を解決でき、前述したような効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。
100…撮像装置、102…撮影光学系、104…焦点調整機構、106…絞り、108…絞り駆動機構、110…シャッタ、112…シャッタ駆動機構、114…撮像素子、116…撮像素子インターフェイス(IF)回路、118…RAM、120…表示素子、122…表示素子駆動回路、124…タッチパネル、126…タッチパネル駆動回路、128…記録メディア、130…システムコントローラ、132…操作部、134…ROM、1301…CPU、1302…AF制御回路、1303…AE制御回路、1304…画像処理回路、1305,1306…追尾処理回路、1307…顔検出回路、1308…焦点検出情報取得回路、1309…メモリ制御回路

Claims (7)

  1. 撮影光学系に含まれるフォーカスレンズを移動させながら撮像素子による複数回の撮像動作を実行し、該複数回の撮像動作の結果として前記撮像素子で取得された複数の画像データのうちでコントラストがピークとなる画像データが取得された前記フォーカスレンズの位置を検出するスキャン動作を行い、前記ピークとなる位置に基づいて算出される合焦位置に前記フォーカスレンズを移動させる焦点調節部と、
    撮影のための撮像動作を連続して行う連写動作を前記撮像素子に実行させる制御部と、
    前記撮像素子により取得された画像データに基づいて被写体を追尾する追尾処理部と、
    を具備し、
    前記追尾処理部は、前記連写動作の実行中に前記焦点調節部によって前記スキャン動作を実行させてコントラストがピークとなる画像データを判別させ、該コントラストがピークとなる画像データに基づいて被写体を追尾することを特徴とする画像処理装置。
  2. 撮影光学系に含まれるフォーカスレンズを移動させながら撮像素子による複数回の撮像動作を実行し、該複数回の撮像動作の結果として前記撮像素子で取得された複数の画像データのうちでコントラストがピークとなる画像データが取得された前記フォーカスレンズの位置を検出するスキャン動作を行い、前記ピークとなる位置に基づいて算出される合焦位置に前記フォーカスレンズを移動させる焦点調節部と、
    撮影のための撮像動作を連続して行う連写動作を前記撮像素子に実行させる制御部と、
    前記撮像素子により取得された画像データに基づいて被写体を追尾する追尾処理部と、
    を具備し、
    前記追尾処理部は、前記連写動作の実行中に前記焦点調節部によりスキャン動作を実行させ、前記スキャン動作中に取得された画像データのうちでコントラストが所定値以上の画像データに基づいて被写体を追尾することを特徴とする画像処理装置。
  3. 前記追尾処理部は、前記画像データに含まれる輝度情報に基づいて被写体を追尾することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
  4. 前記追尾処理部は、前記画像データに含まれる色情報に基づいて被写体を追尾することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
  5. 前記追尾処理は、前記画像データに基づいて顔を検出し、検出した顔に基づいて被写体を追尾することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
  6. 前記追尾処理部は、前記連写動作の実行中のスキャン動作において取得された画像データと前記連写動作の実行中の撮影のための撮像動作である本露光において取得された画像データとに基づいて被写体を追尾することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
  7. 前記連写動作の実行中のスキャン動作において取得された画像データと前記連写動作の実行中の撮影のための撮像動作において取得された画像データとは、サイズ又は構成が異なり、
    前記追尾処理部は、前記連写動作の実行中のスキャン動作において取得された画像データと前記連写動作の実行中の撮影のための撮像動作において取得された画像データとのサイズの差又は構成の差を補正して被写体を追尾することを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
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