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JP2014166351A - X線コンピュータ断層撮影装置、および医用画像処理装置 - Google Patents

X線コンピュータ断層撮影装置、および医用画像処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】画像ノイズレベルに応じたX線のエネルギーに関する単色X線画像を生成可能なX線CT装置の提供。
【解決手段】本実施形態に係るX線CT装置は、第1、第2X線にそれぞれ対応する第1、第2投影データに基づいて第1、第2物質にそれぞれ対応する第1、第2物質投影データを生成する物質投影データ生成部132と、第1、第2物質投影データに基づいて第1、第2再構成画像をそれぞれ再構成する再構成部134と、第1、第2再構成画像とにより取得される単色X線画像の画像ノイズレベルと、第1、第2X線の発生に関する第1、第2撮影条件と第1、第2物質にそれぞれ対応する第1、第2減弱係数とに基づいて、エネルギーを決定するエネルギー決定部138と、第1、第2再構成画像と、決定されたエネルギーに対応する第1、第2減弱係数とに基づいて、決定されたエネルギーに対応する単色X線画像を生成する画像生成部142とを具備する。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、デュアルエネルギーを用いた撮影を実行可能なX線コンピュータ断層撮影装置、および単色X線画像を生成可能な医用画像処理装置に関する。
従来技術として、異なる2種類の管電圧で、被検体を撮影することができるX線コンピュータ断層撮影装置がある。このとき、X線コンピュータ断層撮影装置は、異なる2種類の管電圧に関する2種類の投影データを、2種類の基準物質の投影データに分離することができる。加えて、上記X線コンピュータ断層撮影装置は、分離された2種類の基準物質各々の投影データに基づいて、2種類の基準物質の存在率に基づく基準物質画像を再構成することができる。加えて、上記X線コンピュータ断層撮影装置によれば、2種類の基準物質にそれぞれ対応する2つの基準物質画像に対して重み付け処理を実行することにより、任意のエネルギーにおける単色X線画像を生成することができる。
しかしながら、生成された単色X線画像の標準偏差(Standard Deviation:以下、SDと呼ぶ)値は、撮影条件(2種類の管電圧の組み合わせ、2種類の管電圧にそれぞれ対応する2種類の管電流時間積など)、基準物質の種類、生成される単色X線画像のエネルギーに依存するため、SD値が最小となる単色X線画像を生成することができない問題がある。このため、操作者は、生成されるX線単色画像のSD値を予め把握することができないため、SD値が最小となる単色X線画像を、実測しながら探索しなければならない問題がある。
また、生成された単色X線画像のコントラストノイズ比(Contrast Noise Ratio:以下、CNRと呼ぶ)は、撮影条件、基準物質の種類、コントラスト強調される物質の減弱係数、コントラストの背景となる物質の減弱係数、生成される単色X線画像のエネルギーに依存するため、CNRが最大となる単色X線画像を生成することができない問題がある。このため、操作者は、生成されるX線単色画像のCNRを予め把握することができないため、CNRが最大となる単色X線画像を実測しながら探索しなければならない問題がある。
特開2009−261942号公報
目的は、画像ノイズレベルに応じたX線のエネルギーに関する単色X線画像を生成可能なX線コンピュータ断層撮影装置および医用画像処理装置を提供することにある。
本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置は、被検体を透過した第1X線と、前記第1X線のエネルギーとは異なるエネルギーを有する第2X線とを検出するX線検出部と、前記X線検出部からの出力に基づいて、前記第1X線と前記第2X線とにそれぞれ対応する第1投影データと第2投影データとを収集する投影データ収集部と、前記第1投影データと前記第2投影データとに基づいて、第1物質と第2物質とにそれぞれ対応する第1物質投影データと第2物質投影データとを生成する物質投影データ生成部と、前記第1物質投影データに基づいて第1再構成画像を再構成し、前記第2物質投影データに基づいて第2再構成画像を再構成する再構成部と、前記第1再構成画像と前記第2再構成画像とにより取得される単色X線画像の画像ノイズレベルと、前記第1X線の発生に関する第1撮影条件と、前記第2X線の発生に関する第2撮影条件と、前記第1物質に関する第1減弱係数と、前記第2物質に関する第2減弱係数とに基づいて、エネルギーを決定するエネルギー決定部と、前記第1再構成画像と、第2再構成画像と、前記エネルギーに対応する前記第1減弱係数および前記第2減弱係数とに基づいて、前記エネルギーに対応する単色X線画像を生成する画像生成部と、を具備するX線コンピュータ断層撮影装置。
本実施形態によれば、画像ノイズレベルに応じたX線のエネルギーに関する単色X線画像を生成可能なX線コンピュータ断層撮影装置および医用画像処理装置を提供することができる。
図1は、本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置の構成の一例を示す図である。 図2は、本実施形態に係り、第1撮影条件における第1管電流時間積と第2撮影条件における第2管電流時間積とのmAs比に対する、第1再構成画像の標準偏差値と第2再構成画像の標準偏差値との比の依存性の一例を示す図である。 図3は、本実施形態に係り、X線のエネルギーに対する単色X線画像の標準偏差値の依存性の一例を示す図である。 図4は、本実施形態に係り、単色X線画像に関するエネルギーを計算し、計算されたエネルギーに対応する単色X線画像を生成する手順の一例を示すフローチャートである。 図5は、本実施形態の変形例に係り、管電圧組み合わせとmAs比とに対する第1、第2エネルギーの対応表の一例を示す図である。 図6は、本実施形態の変形例に係り、管電圧組み合わせとmAs比と対応表とに基づいてエネルギーを決定し、決定されたエネルギーに対応する単色X線画像を生成する手順の一例を示すフローチャートである。
以下、本X線コンピュータ断層撮影(Computed tomography)装置(X線CT装置ともいう)の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、X線コンピュータ断層撮影装置には、X線発生部とX線検出部とが一体として被検体の周囲を回転するRotate/Rotate−Type、リング状にアレイされた多数のX線検出素子が固定され、X線発生部のみが被検体の周囲を回転するStationary/Rotate−Type等様々なタイプがあり、いずれのタイプでも本実施形態へ適用可能である。また、画像を再構成するには被検体の周囲一周、360°分の投影データが、またハーフスキャン法でも180°+ファン角度分の投影データが必要とされる。いずれの再構成方式に対しても本実施形態へ適用可能である。また、入射X線を電荷に変化するメカニズムは、シンチレータ等の蛍光体でX線を光に変換し更にその光をフォトダイオード等の光電変換素子で電荷に変換する間接変換形と、X線によるセレン等の半導体内での電子正孔対の生成及びその電極への移動すなわち光導電現象を利用した直接変換形とが主流である。X線検出素子としては、それらのいずれの方式を採用してもよい。さらに、近年では、X線発生部とX線検出部との複数のペアを回転リングに搭載したいわゆる多管球型のX線コンピュータ断層撮影装置の製品化が進み、その周辺技術の開発が進んでいる。本実施形態においては、従来からの一管球型のX線コンピュータ断層撮影装置であっても、多管球型のX線コンピュータ断層撮影装置であってもいずれも適用可能である。多管球型である場合、複数の管球にそれぞれ印加される複数の管電圧は、それぞれ異なる(多管球方式)。ここでは、一管球型として説明する。また、X線検出素子は、低エネルギーX線を検出する前面検出部分と、前面検出器の背面に設けられ、高エネルギーX線を検出する背面検出部分とを有する2層検出素子であってもよい。ここでは、説明を簡単にするため、X線検出部は、1層のX線検出素子であるものとする。
なお、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
図1は、本実施形態に係るX線コンピュータ断層撮影装置1の構成を示している。本X線コンピュータ断層撮影装置1は、ガントリ100、前処理部130、物質投影データ生成部132、再構成部134、記憶部136、エネルギー決定部138、入力部140、画像生成部142、表示部144、制御部146を有する。なお、X線コンピュータ断層撮影装置1は、図示していないインターフェース(以下、I/Fと呼ぶ)を有していてもよい。I/Fは、本X線コンピュータ断層撮影装置1を電子的通信回線(以下、ネットワークと呼ぶ)と接続する。ネットワークには、図示していない放射線部門情報管理システムおよび図示していない病院情報システムなどが接続される。
ガントリ100には、図示していない回転支持機構が収容される。回転支持機構は、回転リング102と、回転軸Zを中心として回転自在に回転リング102を支持するリング支持機構と回転リング102の回転を駆動する図示していない回転駆動部(電動機)とを有する。回転リング102には、X線発生部104と、コリメーターユニット110、2次元アレイ型または多列型とも称されるエリア検出器(以下、X線検出部114呼ぶ)、投影データ収集部(Data Acquisition System:以下、DASと呼ぶ)120、非接触データ伝送部122、図示していない冷却装置及びガントリ制御装置などが搭載される。
X線発生部104は、高電圧発生部106と、X線管108とを有する。高電圧発生部106は、後述する制御部146による制御の下で、スリップリング105を介して供給された電力を用いて、X線管108に印加する複数の管電圧と、X線管108に供給する複数の管電流とを発生する。複数の管電流は、複数の管電圧にそれぞれ対応する。高電圧発生部106は、例えば、X線管球の被検体周りの回転ごと、すなわち1回転ごとに、X線管108に印加する管電圧を切り替える(2回転方式)。また、高電圧発生部106は、後述するビュー角ごとにX線管108に印加する管電圧を切り替えてもよい(高速管電圧スイッチング方式)。以下、2回転方式、高速管電圧スイッチング方式をまとめて、デュアルエネルギー撮影方式と呼ぶ。
X線管108は、高電圧発生部106からの管電圧の印加および管電流の供給を受けて、X線の焦点からX線を放射する。高電圧発生部106により印加される管電圧が異なる場合、X線管108は、複数の管電圧にそれぞれ対応する複数のエネルギースペクトルを有するX線を発生する。以下、説明を簡単にするために、管電圧は2種類であるとし、それぞれ第1管電圧、第2管電圧と呼ぶ。第2管電圧は、第1管電圧より低い管電圧であるとする。なお、第1管電圧と第2管電圧との組み合わせは、任意に組み合わせ可能である。なお、X線管108に印加される管電圧は、2種類(第1管電圧、第2管電圧)に限定されず、複数種類であってもよい。第1管電圧は、後述する入力部140を介して入力された第1撮影条件により決定される。第2管電圧は、入力部140を介して入力された第2撮影条件により決定される。
第1管電圧に対応してX線管108により発生されたX線を第1X線と呼ぶ。また、第2管電圧に対応してX線管108により発生されたX線を第2X線と呼ぶ。第1管電圧は、第2管電圧より高い。
X線の焦点から放射されたX線は、X線管108のX線放射窓に取り付けられたコリメーターユニット110により、例えばコーンビーム形(角錐形)に整形される。X線の放射範囲は、点線112で示されている。X軸は、回転軸Zと直交し、放射されるX線の焦点を通る直線である。Y軸は、X軸および回転軸Zと直交する直線である。なお、説明の便宜上このXYZ座標系は、回転軸Zを中心として回転する回転座標系として説明する。
X線検出部114は、回転軸Zを挟んでX線管108に対峙する位置およびアングルで、回転リング102に取り付けられる。X線検出部114は、複数のX線検出素子を有する。ここでは、単一のX線検出素子が単一のチャンネルを構成しているものとして説明する。複数のチャンネルは、回転軸Zに直交し、かつ放射されるX線の焦点を中心として、この中心から1チャンネル分のX線検出素子の受光部中心までの距離を半径とする円弧方向(チャンネル方向)とZ方向との2方向に関して2次元状に配列される。
なお、X線検出部114は、複数のX線検出素子を1列に配列した複数のモジュールで構成されてもよい。このとき、モジュール各々は、上記チャンネル方向に沿って略円弧方向に1次元状に配列される。
また、複数のX線検出素子は、チャンネル方向とスライス方向との2方向に関して2次元状に配列させてもよい。すなわち、2次元状の配列は、上記チャンネル方向に沿って一次元状に配列された複数のチャンネルを、スライス方向に関して複数列並べて構成される。このような2次元状のX線検出素子配列を有するX線検出部114は、略円弧方向に1次元状に配列される複数の上記モジュールをスライス方向に関して複数列並べて構成してもよい。
撮影又はスキャンに際しては、X線管108とX線検出部114との間の円筒形の撮影領域116内に、被検体Pが天板118に載置され挿入される。X線検出部114の出力側には、DAS120が接続される。
DAS120には、X線検出部114の各チャンネルの電流信号を電圧に変換するI−V変換器と、この電圧信号をX線の曝射周期に同期して周期的に積分する積分器と、この積分器の出力信号を増幅するアンプと、このアンプの出力信号をディジタル信号変換するアナログ・ディジタル・コンバータとが、チャンネルごとに取り付けられている。DAS120から出力されるデータ(純生データ(pure raw data))は、磁気送受信又は光送受信を用いた非接触データ伝送部122を経由して、後述する前処理部130に伝送される。
前処理部130は、DAS120から出力される純生データに対して前処理を施す。前処理には、例えばチャンネル間の感度不均一補正処理、X線強吸収体、主に金属部による極端な信号強度の低下または、信号脱落を補正する処理等が含まれる。前処理部130から出力される再構成処理直前のデータ(生データ(raw data)または、投影データと称される、ここでは投影データという)は、データ収集したときにビューアングルを表すデータと関連付けられて、磁気ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリを備えた記憶部136に記憶される。以下、被検体を透過した第1X線に対応する投影データを第1投影データと呼ぶ。また、被検体を透過した第2X線に対応する投影データを第2投影データと呼ぶ。すなわち、第1投影データは第1X線に由来し、第2投影データは第2X線に由来する。第1、第2投影データは、後述する物質投影データ生成部132に出力される。なお、第1、第2投影データは、記憶部136に記憶されてもよい。
なお、投影データとは、被検体を透過したX線の強度に応じたデータ値の集合である。ここでは説明の便宜上、ワンショットで略同時に収集したビュー角が同一である全チャンネルにわたる一揃いの投影データを、投影データセットと称する。また、ビュー角は、X線管108が回転軸Zを中心として周回する円軌道の各位置を、回転軸Zから鉛直上向きにおける円軌道の最上部を0°として360°の範囲の角度で表したものである。なお、投影データセットの各チャンネルに対する投影データは、ビュー角、コーン角、チャンネル番号によって識別される。
物質投影データ生成部132は、第1投影データと第2投影データとに基づいて、第1物質に対応する第1物質投影データを生成する。物質投影データ生成部132は、第1投影データと第2投影データとに基づいて、第2物質に対応する第2物質投影データを生成する。ここで、第1物質とは、第1の基準となる物質(以下、第1基準物質と呼ぶ)であり、例えば、骨である。第2物質とは、第2の基準となる物質(以下、第2基準物質と呼ぶ)であり、例えば、水である。
具体的には、物質投影データ生成部132は、第1投影データと第2投影データとに基づいて、所定の手法により、第1、第2基準物質の存在率の線積分値を計算する。これにより、物質投影データ生成部132は、第1、第2基準物質にそれぞれ対応する第1、第2物質投影データを生成する。
再構成部134は、ビューアングルが360°又は180°+ファン角の範囲内の投影データセットに基づいて、フェルドカンプ法またはコーンビーム再構成法により、略円柱形の3次元画像を再構成する機能を有する。再構成部134は、例えばファンビーム再構成法(ファンビーム・コンボリューション・バックプロジェクション法ともいう)またはフィルタード・バックプロジェクション法により2次元画像(断層画像)を再構成する機能を有する。フェルドカンプ法は、コーンビームのように再構成面に対して投影レイが交差する場合の再構成法であり、コーン角が小さいことを前提として畳み込みの際にはファン投影ビームとみなして処理し、逆投影はスキャンの際のレイに沿って処理する近似的画像再構成法である。コーンビーム再構成法は、フェルドカンプ法よりもコーン角のエラーが抑えられる方法として、再構成面に対するレイの角度に応じて投影データを補正する再構成法である。
再構成部134は、第1物質投影データに基づいて、第1基準物質に関する第1再構成画像を再構成する。再構成部134は、第2物質投影データに基づいて、第2基準物質に関する第2再構成画像を再構成する。第1、第2再構成画像は、記憶部136に記憶される。
記憶部136は、本X線コンピュータ断層撮影装置1の各種制御に関するプログラムを記憶する。具体的には、記憶部136は、第1、第2管電圧をX線管108に印加するタイミングを制御する制御プログラムを記憶する。記憶部136は、第1、第2投影データを記憶する。なお、記憶部136は、第1、第2物質投影データを記憶してもよい。記憶部136は、第1、第2再構成画像を記憶する。記憶部136は、第1撮影条件における第1管電圧に関する管電流時間積(以下、第1管電流時間積と呼ぶ)を記憶する。記憶部136は、第2撮影条件における第2管電圧に関する管電流時間積(以下、第2管電流時間積と呼ぶ)を記憶する。なお、記憶部136は、第2管電流時間積に対する第1管電流時間積の比(以下、mAs比と呼ぶ)を記憶してもよい。
記憶部136は、2種類の管電圧にそれぞれ対応する複数の管電流時間積において一方の管電流時間積に対する他方の管電流時間積の比(管電流時間積比と呼ぶ)と、第1基準物質に関する画像の標準偏差(Standard Deviation:以下、SDと呼ぶ)値に対する第2基準物質に関する画像のSD値の比(以下、SD値比と呼ぶ)との関係(以下、管電流時間積比−SD値比関係と呼ぶ)を記憶する。
図2は、管電流時間積比−SD値比関係の一例を示す図である。図2に示すグラフの横軸は管電流時間積比を示している。図における管電流時間積比は、低管電圧に関する管電流時間積に対する高管電圧に関する管電流時間積の比を示している。図2に示すグラフの縦軸は、第1基準物質の画像におけるSD値に対する第2基準物質の画像におけるSD値の比を示している。図2に示すグラフにおける管電流時間積比−SD値比関係は、予め実験、測定、シミュレーション等により決定され、記憶部136に記憶される。
図2に示すように、管電流時間積比−SD値比関係を表す式(以下、SD値比計算式と呼ぶ)は、例えば以下の式で表される。
Figure 2014166351
ここで、xはmAs比である。A、Bは、実験、測定、シミュレーション等により決定された係数である。rは、SD値比である。記憶部136は、係数A、Bを記憶する。
記憶部136は、X線のエネルギーに依存する単色X線画像のSD値(以下、単色SD値と呼ぶ)を計算する計算式(以下、単色SD値計算式と呼ぶ)を記憶する。単色X線画像とは、例えば、被検体を透過したX線のエネルギーに応じた画像である。以下、単色X線画像に関するX線のエネルギーを単色エネルギーと呼ぶ。単色X線画像は、例えば、第1、第2再構成画像を用いて画像生成部142により生成される。単色SD値計算式は、第1基準物質の減弱係数と第2基準物質の減弱係数と複数の係数とを用いて、単色SD値を計算する計算式である。ここで、減弱係数は、例えば、線減弱係数である。単色SD値計算式は、例えば、以下の式で表される。
Figure 2014166351
ここで、SD(E)は、単色エネルギーEに単色SD値である。a、p、qは、予め実験、測定、シミュレーション等により決定された係数である。rは、式(1)により計算されるSD値比である。μ(E)は、単色エネルギーEに依存する第1基準物質の減弱係数(以下、第1減弱係数と呼ぶ)である。μ(E)は、単色エネルギーEに依存する第2基準物質の減弱係数(以下、第2減弱係数と呼ぶ)である。記憶部136は、係数a、p、qと、第1減弱係数μ(E)と、第2減弱係数μ(E)とを記憶する。なお、記憶部136は、第1減弱係数を単色エネルギーEで記載した第1減弱係数式と、第2減弱係数を単色エネルギーEで記載した第2減弱係数式とを記憶してもよい。
記憶部136は、任意のコントラスト成分において、単色エネルギーEにおけるコントラストノイズ比(Contrast−to−Noise Ratio:以下、CNRと呼ぶ)の計算式(以下、CNR計算式と呼ぶ)を記憶する。CNR計算式は、例えば、以下の式で定義される。
Figure 2014166351
ここで、CNR(E)は、単色エネルギーEにおけるCNRを示している。μ(E)は、単色エネルギーEにおいて、コントラストを強調する物質の減弱係数(以下、コントラスト物質減弱係数と呼ぶ)である。μ(E)は、単色エネルギーEにおいて、コントラストの背景となる物質の減弱係数(以下、背景物質減弱係数と呼ぶ)である。μ(E)は、単色エネルギーEにおける水の減弱係数である。
μ(E)は、例えば、造影剤である。なお、μ(E)は、例えば造影剤などの物質に固定されてもよい。また、μ(E)は、操作者が所望する部位に応じて入力部140を介して設定されてもよい。なお、μ(E)は、操作者により指定された関心領域(Region Of Interest:以下、ROIと呼ぶ)内の物質に応じて設定されてもよい。μ(E)は、水や軟組織に関する減弱係数であってもよい。Const.は、予め実験、測定、シミュレーション等により決定された係数である。記憶部136は、係数Const.と、単色エネルギーに応じた複数の物質の減弱係数とを記憶する。具体的には、記憶部136は、単色エネルギーに応じたコントラスト物質減弱係数μ(E)と背景物質減弱係数μ(E)と水の減弱係数μ(E)とを記憶する。
なお、記憶部136は、後述するエネルギー決定部138により、第1、第2エネルギーを決定し、単色X線画像を生成する医用画像処理プログラムを記憶してもよい。
エネルギー決定部138は、単色X線画像の画像ノイズレベルと、第1撮影条件と、第2撮影条件と、第1減弱係数と、第2減弱係数とに基づいて、エネルギー(単色エネルギー)を決定する。画像ノイズレベルとは、例えば、単色X線画像における標準偏差値(単色SD値)である。なお、画像ノイズレベルは、単色X線画像におけるコントラストノイズ比(CNR)であってもよい。このとき、エネルギー決定部138は、単色X線画像のコントラストノイズ比と、標準偏差値と、第1減弱係数と、第2減弱係数とに基づいて、エネルギー(単色エネルギー)を決定する。以下、エネルギー決定部138によるエネルギーの決定について詳述する。
エネルギー決定部138は、第1、第2撮影条件に基づいて、単色SD値が最小となる単色エネルギー(以下、第1エネルギーと呼ぶ)と、CNRが最大となる単色エネルギー(以下、第2エネルギーと呼ぶ)とを決定する。
以下、第1エネルギーの決定について具体的に説明する。エネルギー決定部138は、第1撮影条件と第2撮影条件とに基づいて、mAs比を決定する。エネルギー決定部138は、mAs比をSD値比計算式に代入することにより、SD値比を計算する。エネルギー決定部138は、計算されたSD値比と第1、第2減弱係数とを単色SD値計算式に代入することにより、単色エネルギーに応じた複数の単色SD値を計算する。エネルギー決定部138は、複数の単色SD値のうち最小の単色SD値(以下、最小SD値と呼ぶ)に対応する第1エネルギーを決定する。
なお、エネルギー決定部138は、第1エネルギーの決定に関して、以下のように計算してもよい。エネルギー決定部138は、第1、第2減弱係数式とSD値比計算式とを代入した単色SD値計算式を単色エネルギーEで微分した微分式を計算する。エネルギー決定部138は、微分式をゼロとした方程式を計算することにより、第1エネルギーを決定する。
以下、第2エネルギーの決定について具体的に説明する。エネルギー決定部138は、単色SD値とコントラスト物質減弱係数と背景物質減弱係数と水の減弱係数とをCNR計算式に代入することにより、単色エネルギーに応じた複数のCNRを計算する。エネルギー決定部138は、複数のCNRのうち最大のCNR(以下、最大CNRと呼ぶ)に対応する単色エネルギーを第2エネルギーとして決定する。
また、エネルギー決定部138は、画像ノイズレベルとして、単色X線画像のコントラストノイズ比(CNR)を用いることにより、エネルギーを決定してもよい。例えば、エネルギー決定部138は、単色X線画像のCNRを最大にするように、エネルギーを決定する。具体的には、エネルギー決定部138は、単色SD値計算式とコントラスト物質減弱係数と背景物質減弱係数と水の減弱係数とをCNR計算式に代入することにより、エネルギーに依存するCNR計算式を取得する。次いで、エネルギー決定部138は、取得したCNR計算式において、CNRが最大となるエネルギーを決定する。
具体的には、エネルギー決定部138は、所定のエネルギー範囲において、取得したCNR計算式を用いることにより、エネルギーに応じた複数のCNRを計算する。次いで、エネルギー決定部138は、計算された複数のCNRのうちCNRが最大となるエネルギーを決定する。所定のエネルギー範囲は、入力部140を介して操作者により入力されてもよいし、予め記憶部136に記憶されてもよい。
なお、エネルギー決定部138は、取得したCNR計算式をエネルギーで微分した微分式を計算してもよい。このとき、エネルギー決定部138は、計算した微分式をゼロとした方程式において、CNRが最大となるエネルギーを決定する。
入力部140は、操作者が所望するX線コンピュータ断層撮影の撮影条件(例えば、第1、第2撮影条件)、画像処理の条件、デュアルエネルギー撮影方式などを入力する。撮影条件は、例えば、複数の管電圧または複数のX線のエネルギーの設定などである。画像処理の条件は、例えば、第1、第2エネルギーに関する要素(最小SD値または最大CNR)の選択指示である。入力部140は、操作者からの各種指示・命令・情報・選択・設定を後述する制御部146に取り込む。取り込まれた各種指示・命令・情報・選択・設定は、制御部146、エネルギー決定部138などに出力される。
入力部140は、ROIの設定などを行うための図示していないトラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード等を有する。入力部140は、表示画面上に表示されるカーソルの座標を検出し、検出した座標を制御部146に出力する。なお、入力部140は、表示画面を覆うように設けられたタッチパネルでもよい。この場合、入力部140は、電磁誘導式、電磁歪式、感圧式等の座標読み取り原理でタッチ指示された座標を検出し、検出した座標を制御部146に出力する。なお、入力部140は、コントラストを強調する物質、コントラストの背景となる物質などを入力することも可能である。
画像生成部142は、第1エネルギーと第2エネルギーとのうちいずれか一方のエネルギーにおける第1減弱係数と第2減弱係数と、第1、第2再構成画像とに基づいて、いずれか一方のエネルギーに対応する単色X線画像を生成する。具体的には、画像生成部142は、入力部140により最小SD値が選択されると、最小SD値に対応する第1エネルギーを、エネルギー決定部138から読み出す。
例えば、第1エネルギーEに関する単色X線画像における画素iの減弱係数をμ(E)、第1エネルギーEに対応する第1減弱係数をμ(E)、第1エネルギーEに対応する第2減弱係数をμ(E)、画素iに対応する第1再構成画像の画素の値(画素値)をci1、画素iに対応する第2再構成画像の画素の値(画素値)をci2とすると、減弱係数は、以下の式で表すことができる。
Figure 2014166351
画像生成部142は、入力部140により最大CNRが選択されると、最大CNRに対応する第2エネルギーを、エネルギー決定部138から読み出す。画像生成部142は、第2エネルギーに対応する第1、第2減弱係数と、第1、第2再構成画像とを記憶部136から読み出す。
画像生成部142は、画素ごとの減弱係数をCT値に変換することにより、単色X線画像を生成する。減弱係数からCT値への変換は、例えば以下に示す式を用いた計算により実行される。
Figure 2014166351
ここで、μ(E)は、単色エネルギーEにおける水の減弱係数である。
単色SD値が単色エネルギーに依存する理由について説明する。単色X線画像は、2種類の基準物質にそれぞれ対応する2種類の画像(第1再構成画像および第2再構成画像)を重み付け加算することにより、生成される。重み付け加算における重み付係数(第1、第2減弱係数)は、単色エネルギーに依存する。このため、単色X線画像のSD値は、単色エネルギーに依存する。単色X線画像のSD値と、単色エネルギーとの関係は、例えば、図3に示すような関係となる。
図3は、単色X線画像のSD値と単色エネルギーとの関係を示すグラフの一例を示す図である。図3に示すグラフの横軸は、単色エネルギー(keV)を示している。図3に示すグラフの縦軸は、単色X線画像のSD値を示している。図3に示すように、単色X線画像のSD値は、単色エネルギーに依存する。
図3における測定値は、実測された第1、第2再構成画像に基づいて生成された複数の単色X線画像各々のSD値において、単色エネルギーの依存性を示している。図3における計算値は、第1、第2減弱係数式とSD値比計算式とを代入した単色SD値計算式において、単色エネルギーの依存性を示している。
図3から明らかなように、ある単色エネルギーにおける単色X線画像のSD値は、単色X線画像の生成の元になる2種類の基準物質の画像(第1、第2再構成画像)各々のSD値に依存する。一方、第1、第2再構成画像各々は、2種類の管電圧にそれぞれ対応する2種類の投影データに基づいて生成される。第1、第2再構成画像各々のSD値は、撮影条件(第1、第2撮影条件(2種類の管電圧の組み合わせ、mAs比))に依存する。
以上のことから、単色X線画像のSD値は、2種類の管電圧の組み合わせと基準物質の組み合わせとに応じたmAs比と単色エネルギーとによって決定される。このことから、基準物質の組み合わせと、2種類の管電圧の組み合わせに応じたmAs比とに基づいて、最小のSD値に対応する単色エネルギー(第1エネルギー)を決定することができる。
また、単色SD値と、コントラスト物質減弱係数と、背景物質減弱係数と、水の減弱係数と、CNRを最大にすることとに基づいて、最大CNRに対応する単色エネルギー(第2エネルギー)を決定することができる。
表示部144は、再構成部134で再構成された医用画像、画像生成部142により生成された単色X線画像、X線コンピュータ断層撮影のために設定される条件(第1、第2撮影条件)などを表示する。
制御部146は、本X線コンピュータ断層撮影装置1の中枢として機能する。制御部146は、図示しないCPUとメモリとを備える。制御部146は、記憶部136に記憶された制御プログラムに基づいて、X線コンピュータ断層撮影のために高電圧発生部106、およびガントリ100などを制御する。
具体的には、制御部146は、入力部140および図示していない放射線部門情報管理システムおよび図示していない病院情報システムなどから送られてくる操作者の指示、画像処理の条件、撮影条件(複数の管電圧または複数のX線のエネルギーの設定)などの情報を、一時的に図示していないメモリに記憶する。制御部146は、メモリに一時的に記憶されたこれらの情報に基づいて、高電圧発生部106、およびガントリ100などを制御する。制御部146は、所定の画像生成・表示等を実行するための制御プログラムを、記憶部136から読み出して自身が有するメモリ上に展開し、各種処理に関する演算・処理等を実行する。制御部146は、記憶部136から読み出されたエネルギー決定プログラムに基づいて、エネルギー決定部138を制御する。制御部146は、図示していないメモリに記憶された画像処理のための制御プログラムに基づいて、画像生成部142を制御する。
(単色X線画像生成機能)
単色X線画像生成機能とは、第1、第2減弱係数とmAs比とに基づいて第1エネルギーを決定し、単色SD値とコントラスト物質減弱係数と背景物質減弱係数と水の減弱係数とに基づいて第2エネルギーを決定し、第1エネルギーと第2エネルギーとのうちいずれか一方のエネルギーにおける第1減弱係数と第2減弱係数と第1、第2再構成画像とに基づいて、いずれか一方のエネルギーに対応する単色X線画像を生成する機能である。以下、単色X線画像生成機能に従う処理(以下単色X線画像生成処理と呼ぶ)を説明する。
図4は、単色X線画像生成処理の手順の一例を示すフローチャートである。
入力部140を介して、デュアルエネルギー撮影方式に関する撮影条件(第1、第2撮影条件)が入力される。第1撮影条件における第1管電圧により第1X線が発生され、第1投影データが収集される(ステップSa1)。第2撮影条件における第2管電圧により第2X線が発生され、第2投影データが収集される(ステップSa2)。
第1投影データと第2投影データとから、第1基準物質に関する投影データと第2基準物質に関する投影データとが分離される。この分離により、第1物質投影データと第2物質投影データとが生成される(ステップSa3)。第1物質投影データに基づいて第1再構成画像が再構成される。次いで、第2物質投影データに基づいて第2再構成画像が再構成される(ステップSa4)。
第1、第2撮影条件(mAs比)と第1、第2減弱係数とに基づいて、第1エネルギーが決定される(ステップSa5)。CNRに関する複数の物質にそれぞれ対応する複数の減弱係数と単色SD値とに基づいて、第2エネルギーが決定される(ステップSa6)。
最小SD値が選択されると、第1エネルギーに対応する第1、第2減弱係数と第1、第2再構成画像とに基づいて、第1エネルギーに関する単色X線画像(以下、SD値最小画像と呼ぶ)が生成される(ステップSa7)。最大CNRが選択されると、第2エネルギーに対応する第1、第2減弱係数と第1、第2再構成画像とに基づいて、第2エネルギーに関する単色X線画像(以下、CNR最大画像と呼ぶ)が生成される(ステップSa8)。最小SD値と最大CNRとのうち、選択された少なくとも一方に対応する単色X線画像が表示される(ステップSa9)。すなわち、操作者による最小SD値と最大CNRとの選択に応じて、SD値最小画像とCNR最大画像とのうち少なくとも一方の単色X線画像が表示される。これにより、操作者が所望する単色X線画像(SD値最小画像、CNR最大画像)を表示させることができる。
(変形例)
本実施形態との相違は、第1管電圧と第2管電圧との組み合わせとmAs比と対応表とに基づいて、第1、第2エネルギーを決定することにある。
本変形例におけるX線コンピュータ断層撮影装置の構成要素は、図1に示す本実施形態と同様である。以下、本実施形態と異なる機能を有する構成要素について説明する。
記憶部136は、第1管電圧と第2管電圧との組み合わせ(以下、管電圧組み合わせと呼ぶ)とmAs比とに対する第1、第2エネルギーの対応表を記憶する。図5は、対応表の一例を示す図である。図5に示すように、対応表は、管電圧組み合わせとmAs比とに対して、第1エネルギーと第2エネルギーとが対応する。
エネルギー決定部138は、入力部140を介して第1撮影条件が入力されると、第1撮影条件から第1管電圧と第1管電流時間積とを抽出する。エネルギー決定部138は、入力部140を介して第2撮影条件が入力されると、第2撮影条件から第2管電圧と第2管電流時間積とを抽出する。エネルギー決定部138は、第1管電流時間積と第2管電流時間積とに基づいて、mAs比を発生する。エネルギー決定部138は、記憶部136から対応表を読み出す。エネルギー決定部138は、第1管電圧と第2管電圧とによる管電圧組み合わせとmAs比とに基づいて、第1エネルギーと第2エネルギーとを決定する。
画像生成部142は、入力部140を介して、最小SD値が選択されると、第1エネルギーに関する第1、第2減弱係数と第1、第2再構成画像とに基づいて、第1エネルギーに関する単色X線画像を生成する。画像生成部142は、入力部140を介して、最大CNRが選択されると、第2エネルギーに関する第1、第2減弱係数と第1、第2再構成画像とに基づいて、第2エネルギーに関する単色X線画像を生成する。
(単色X線画像生成機能)
本変形例に係る単色X線画像生成機能とは、管電圧組み合わせとmAs比と対応表とに基づいて、第1、第2エネルギーを決定し、第1エネルギーと第2エネルギーとのうちいずれか一方のエネルギーにおける第1減弱係数と第2減弱係数と第1、第2再構成画像とに基づいて、いずれか一方のエネルギーに対応する単色X線画像を生成する機能である。以下、単色X線画像生成処理を説明する。
図6は、本変形例に係る単色X線画像生成処理の手順の一例を示すフローチャートである。
入力部140を介して第1、第2撮影条件が入力される(ステップSb1)。第1撮影条件から第1管電圧と第1管電流時間積とが抽出される(ステップSb2)。第2撮影条件から第2管電圧と第2管電流時間積とが抽出される(ステップSb3)。第1管電流時間積と第2管電流時間積とに基づいて、mAs比が発生される(ステップSb4)。対応表が記憶部136から読み出される。第1管電圧と第2との管電圧組み合わせとmAs比と対応表とに基づいて、第1、第2エネルギーが決定される(ステップSb5)。
最小SD値が選択されると、第1エネルギーに対応する第1、第2減弱係数と第1、第2再構成画像とに基づいて、SD値最小画像が生成される(ステップSb6)。最大CNRが選択されると、第2エネルギーに対応する第1、第2減弱係数と第1、第2再構成画像とに基づいて、CNR最大画像が生成される(ステップSb7)。最小SD値と最大CNRとのうち、選択された少なくとも一方に対応する単色X線画像が表示される(ステップSb8)。すなわち、操作者による最小SD値と最大CNRとの選択に応じて、SD値最小画像とCNR最大画像とのうち少なくとも一方の単色X線画像が表示される。これにより、操作者が所望する単色X線画像(SD値最小画像、CNR最大画像)を表示させることができる。
以上に述べた構成によれば、以下の効果を得ることができる。
本実施形態におけるX線コンピュータ断層撮影装置1によれば、第1、第2撮影条件と第1、第2減弱係数と単色X線画像の画像ノイズレベルに基づいて、エネルギーを決定し、
画像ノイズレベルに応じて決定されたエネルギーに関する単色X線画像を生成することができる。具体的には、本X線コンピュータ断層撮影装置1は、第1、第2撮影条件と第1、第2減弱係数とに基づいて最小SD値を有する単色X線画像に関する単色エネルギー(第1エネルギー)と、最大CNRを有する単色X線画像に関する単色エネルギー(第2エネルギー)とを計算により決定することができる。また、本実施形態における変形例のX線コンピュータ断層撮影装置1によれば、第1、第2撮影条件における管電圧組み合わせとmAs比と対応表とに基づいて、第1、第2エネルギーを決定することができる。
これらのことから、本X線コンピュータ断層撮影装置1によれば、操作者の手を煩わせることなく、第1エネルギーに対応し最小SD値を有する単色X線画像および第2エネルギーに対応し最大CNRを有する単色X線画像を生成することができる。
以上のことから、本X線コンピュータ断層撮影装置1によれば、操作者は、エネルギーを変えて生成された複数の単色X線画像に基づいて、最小SD値または最大CNRを有する単色X線画像を探索する必要がなくなり、検査効率および診断効率が向上する。
また、本実施形態におけるX線コンピュータ断層撮影装置1の技術的思想を医用画像処理装置で実現する場合には、例えば図1の構成図における破線3内の構成要素を有するものとなる。この時、単色X線画像生成処理は、図4のフローチャートにおいて、ステップSa3からステップSa9の処理に対応する。これらの処理につては、実施形態と同様である。なお、ステップSa3における第1、第2投影データは、予め記憶部136に記憶される。
本実施形態の変形例におけるX線コンピュータ断層撮影装置1の技術的思想を医用画像処理装置で実現する場合には、例えば図1の構成図における破線3内の構成要素を有するものとなる。この時、単色X線画像生成処理において、図6のフローチャートのステップSb1に係る処理は、医用画像処理装置に直接入力されてもよいし、図示していないネットワークを介してX線コンピュータ断層撮影装置から出力されてもよい。
また、医用画像処理装置は、X線コンピュータ断層撮影装置から出力されたDICOMファイル(例えば、第1、第2投影データなど)を読み込んで、上記単色X線画像生成処理を実行することも可能である。
加えて、実施形態に係る各機能は、当該処理を実行する医用画像処理プログラムをワークステーション等のコンピュータにインストールし、これらをメモリ上で展開することによっても実現することができる。このとき、コンピュータに当該手法を実行させることのできるプログラムは、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD−ROM、DVDなど)、半導体メモリなどの記憶媒体に格納して頒布することも可能である。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1…X線コンピュータ断層撮影装置、3…医用画像処理装置、100…ガントリ、102…回転リング、104…X線発生部、105…スリップリング、106…高電圧発生部、108…X線管、110…コリメータ、114…X線検出部、116…撮影領域、118…天板、120…投影データ収集部(DAS)、122…非接触データ伝送部、130…前処理部、132…物質投影データ生成部、134…再構成部、136…記憶部、138…エネルギー決定部、140…入力部、142…画像生成部、144…表示部、146…制御部

Claims (16)

  1. 被検体を透過した第1X線と、前記第1X線のエネルギーとは異なるエネルギーを有する第2X線とを検出するX線検出部と、
    前記X線検出部からの出力に基づいて、前記第1X線と前記第2X線とにそれぞれ対応する第1投影データと第2投影データとを収集する投影データ収集部と、
    前記第1投影データと前記第2投影データとに基づいて、第1物質と第2物質とにそれぞれ対応する第1物質投影データと第2物質投影データとを生成する物質投影データ生成部と、
    前記第1物質投影データに基づいて第1再構成画像を再構成し、前記第2物質投影データに基づいて第2再構成画像を再構成する再構成部と、
    前記第1再構成画像と前記第2再構成画像とにより生成される単色X線画像の画像ノイズレベルと、前記第1X線の発生に関する第1撮影条件と、前記第2X線の発生に関する第2撮影条件と、前記第1物質に関する第1減弱係数と、前記第2物質に関する第2減弱係数とに基づいて、エネルギーを決定するエネルギー決定部と、
    前記第1再構成画像と、第2再構成画像と、前記エネルギーに対応する前記第1減弱係数および前記第2減弱係数とに基づいて、前記エネルギーに対応する単色X線画像を生成する画像生成部と、
    を具備することを特徴とするX線コンピュータ断層撮影装置。
  2. 前記エネルギー決定部は、前記画像ノイズレベルとして、前記単色X線画像の標準偏差値を用いる請求項1に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  3. 前記エネルギー決定部は、前記単色X線画像のコントラストノイズ比と、前記標準偏差値と、前記第1減弱係数と、前記第2減弱係数とに基づいて、前記エネルギーを決定する請求項2に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  4. 前記エネルギー決定部は、前記標準偏差値とコントラスト強調に関する物質の減弱係数と前記コントラスト強調において背景となる物質の減弱係数と水の減弱係数とに基づいて、前記エネルギーを決定する請求項2に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  5. 前記標準偏差値と、コントラスト強調に関する複数の物質にそれぞれ対応する複数の減弱係数と前記標準偏差値とを用いて発生される前記単色X線画像のコントラストノイズ比とのうち少なくとも一方を選択する選択指示を入力する入力部をさらに具備し、
    前記画像生成部は、
    前記標準偏差値が選択された場合、前記第1撮影条件における第1管電流時間積と前記第2撮影条件における第2管電流時間積と前記第1減弱係数と前記第2減弱係数とに基づいて決定された前記エネルギーに対応する前記単色X線画像を生成し、
    前記コントラストノイズ比が選択された場合、前記標準偏差値と前記コントラスト強調に関する物質の減弱係数と前記コントラスト強調において背景となる物質の減弱係数と水の減弱係数とに基づいて決定された前記エネルギーに対応する前記単色X線画像を生成する請求項2に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  6. 前記エネルギー決定部は、前記画像ノイズレベルとして、前記単色X線画像のコントラストノイズ比を用いる請求項1に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  7. 前記エネルギー決定部は、前記第1撮影条件における第1管電流時間積と、前記第2撮影条件における第2管電流時間積と、前記第1減弱係数と、前記第2減弱係数とに基づいて、前記エネルギーを決定する請求項1に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  8. 前記第1撮影条件と前記第2撮影条件とに対する前記エネルギーの対応表を記憶する記憶部をさらに具備し、
    前記エネルギー決定部は、
    前記第1撮影条件と前記第2撮影条件と前記対応表とに基づいて、前記エネルギーを決定すること、
    を特徴とする請求項1に記載のX線コンピュータ断層撮影装置。
  9. 第1X線に由来する第1投影データと、前記第1X線のエネルギーとは異なるエネルギーを有する第2X線に由来する第2投影データとを記憶する記憶部と、
    前記第1投影データと前記第2投影データとに基づいて、第1物質と第2物質とにそれぞれ対応する第1物質投影データと第2物質投影データとを生成する物質投影データ生成部と、
    前記第1物質投影データに基づいて第1再構成画像を再構成し、前記第2物質投影データに基づいて第2再構成画像を再構成する再構成部と、
    前記第1再構成画像と前記第2再構成画像とにより生成される単色X線画像の画像ノイズレベルと、前記第1X線の発生に関する第1撮影条件と、前記第2X線の発生に関する第2撮影条件と、前記第1物質に関する第1減弱係数と、前記第2物質に関する第2減弱係数とに基づいて、エネルギーを決定するエネルギー決定部と、
    前記第1再構成画像と、第2再構成画像と、前記エネルギーに対応する前記第1減弱係数および前記第2減弱係数とに基づいて、前記エネルギーに対応する単色X線画像を生成する画像生成部と、
    を具備する医用画像処理装置。
  10. 前記エネルギー決定部は、前記画像ノイズレベルとして、前記単色X線画像の標準偏差値を用いる請求項9に記載の医用画像処理装置。
  11. 前記エネルギー決定部は、前記単色X線画像のコントラストノイズ比と、前記標準偏差値と、前記第1減弱係数と、前記第2減弱係数とに基づいて、前記エネルギーを決定する請求項10に記載の医用画像処理装置。
  12. 前記エネルギー決定部は、前記標準偏差値とコントラスト強調に関する物質の減弱係数と前記コントラスト強調において背景となる物質の減弱係数と水の減弱係数とに基づいて、前記エネルギーを決定する請求項10に記載の医用画像処理装置。
  13. 前記標準偏差値と、コントラスト強調に関する複数の物質にそれぞれ対応する複数の減弱係数と前記標準偏差値とを用いて発生される前記単色X線画像のコントラストノイズ比とのうち少なくとも一方を選択する選択指示を入力する入力部をさらに具備し、
    前記画像生成部は、
    前記標準偏差値が選択された場合、前記第1撮影条件における第1管電流時間積と前記第2撮影条件における第2管電流時間積と前記第1減弱係数と前記第2減弱係数とに基づいて決定された前記エネルギーに対応する前記単色X線画像を生成し、
    前記コントラストノイズ比が選択された場合、前記標準偏差値と前記コントラスト強調に関する物質の減弱係数と前記コントラスト強調において背景となる物質の減弱係数と水の減弱係数とに基づいて決定された前記エネルギーに対応する前記単色X線画像を生成する請求項10に記載の医用画像処理装置。
  14. 前記エネルギー決定部は、前記画像ノイズレベルとして、前記単色X線画像のコントラストノイズ比を用いる請求項9に記載の医用画像処理装置。
  15. 前記エネルギー決定部は、前記第1撮影条件における第1管電流時間積と、前記第2撮影条件における第2管電流時間積と、前記第1減弱係数と、前記第2減弱係数とに基づいて、前記エネルギーを決定する請求項9に記載の医用画像処理装置。
  16. 前記第1撮影条件と前記第2撮影条件とに対する前記エネルギーの対応表を記憶する記憶部をさらに具備し、
    前記エネルギー決定部は、
    前記第1撮影条件と前記第2撮影条件と前記対応表とに基づいて、前記エネルギーを決定すること、
    を特徴とする請求項9に記載の医用画像処理装置。
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